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尿路上皮がんにニボルマブ承認:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月2日、プラチナベースの化学療法中および後、あるいは白金含有化学療法によるネオアジュバントまたはアジュバント療法12ヵ月以内に増悪した局所進行・転移性尿路上皮がん患者の治療に、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)を迅速承認した。 この承認は、上記の尿路上皮がん患者270例を対象にしたシングルアーム試験の結果に基づく。患者は、疾患進行が認められるか忍認できない毒性が認められるまで、2週間ごとにニボルマブ3mg/kgの投与を受けた。RECIST1.1評価基準を用いた独立した放射線学的レビュー委員会によって確認された客観的奏効率は、19.6%(270例中53例、95%CI:15.1~24.9)であった。 7例の患者がCRを示し、46例がPRを示した。カットオフ時の推定奏効期間中央値は10.3ヵ月であった。 多く見られた副作用(20%以上)は、疲労、筋骨格痛、悪心、および食欲低下であった。 ニボルマブに起因する肺炎や心血管障害で死亡した4例の患者を含め、14例の患者が疾患進行以外の原因で死亡した。副作用は患者の17%において用量の中断をもたらした。 FDAは、このニボルマブの申請にブレークスルーセラピー指定と優先審査資格を与え、目標日の約1ヵ月前に承認に至った。ニボルマブは昨年のatezolizumabに続き、尿路上皮がんにおいてFDAの承認を受けた2つ目の免疫チェックポイント阻害薬となった。米国食品医薬品局(FDA)Approved Drugs

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第36回

第36回:肺がん免疫チェックポイント阻害薬 最近のまとめキーワードatezolizumabペムブロリズマブニボルマブイピリムマブN Engl J MedASCO-GIReck M, et al. N Engl J Med. 2016; 375: 1823-1833.2017 GI Cancers Symposium:Nivolumab Demonstrated Efficacy and Improved Survival in Patients With Previously Treated Advanced Gastric Cancer

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新たな時代を迎えた「がん免疫療法」

 「免疫チェックポイント阻害薬」の登場以降、がん治療における免疫療法には大きな関心が集まっている。 長年、がん免疫療法分野の研究に携わってきた慶應義塾大学医学部 先端医療科学研究所 教授の河上 裕氏は、医療課題から複合免疫療法まで免疫療法を取り巻く概況について講演した。 当月開催のプレスセミナー「免疫チェックポイント阻害薬の基礎と今後の展望」(主催:アストラゼネカ株式会社 2016年12月13日都内開催)より内容を抜粋して紹介する。求められる、使い方の工夫 免疫チェックポイント阻害薬(以下、免疫CP阻害薬)の登場以降、「がん免疫療法」には注目が集まっている。 ヒトの体には免疫機構が備わっているが、遺伝子異常を持つがん細胞には免疫防御をくぐり抜ける「がん免疫逃避機構」がある。この抗腫瘍免疫にブレーキをかける経路が、免疫チェックポイントと呼ばれるCTLA4経路や PD-1/PD-L1経路である。そして、このブレーキを解除するのが、免疫CP阻害薬である。 治療奏効率の高さで注目を集める免疫CP阻害薬だが、医療経済的課題から議論は続いている。河上氏は「使い方の工夫が必要」と述べる。使用時期、使用症例の選択は? 使い方で問題となるのが「使用時期」だ。河上氏は、「悪性黒色腫や肺がんは未治療例への奏効率が高く、最初に使うことで治療成績が上がる可能性がある」という。しかし、無駄な治療は前述の医療経済的課題につながる。 そこで「使用症例」の選択が重要となる。臨床で唯一使用されているバイオマーカーは「PD-L1」のみだが、今後臨床応用が期待されているバイオマーカーには以下がある。・CD8+T細胞の腫瘍湿潤度・DNA突然変異数、DNA修復関連遺伝子の不良(MMR、POLE、BRCA1/2など)・腫瘍組織の遺伝子発現解析(IFN signature,CTL signature)・治療後のTCRレパートリー解析 これらマーカーのさらなる開発、精度向上が期待されている。 このほか、効きが悪いがん種も明らかになりつつある。「膵がん」「大腸がん」「多発性骨髄腫」「前立腺がん」などは効きが悪い可能性が高い。そこで「効きが悪い症例をどこまで効く状態に変えられるか?」というアプローチにも注目が集まっている。それが「複合免疫療法」である。複合免疫療法で、効きが悪い症例を効く状態に 現在、「複合免疫療法」を検討した臨床試験は複数進行中だ。同じ免疫制御系の組み合わせとして注目されるのが、「抗PD-1 抗体+抗CTLA4抗体」の併用。2剤の併用は単剤治療に比べ奏効率を増加させたと報告されており、補完的作用が期待される。 そのほか、化学療法剤や分子標的治療薬と免疫CP阻害薬とを組み合わせた複合免疫療法の検討も進行中だ。抗腫瘍免疫ネットワークを総合的に制御する「複合免疫療法」の開発に期待がかかる。新しい時代を迎えたがん免疫療法 がん免疫療法はすでに標準がん治療の仲間入りをした。今後、新技術の開発によりがん免疫病態の解明も進むだろう。しかし、米国で1,000以上の臨床試験が進行している一方、日本での臨床試験実施数はまだまだ不足している。 河上氏は「今後は日本でも産学官連携がいっそう重要となる。日本で実施する臨床試験により、免疫病態の解析が進むことを期待したい。」と述べ、講演を締めくくった。

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抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet

 扁平上皮・非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体atezolizumabは、PD-L1蛋白質の発現状況にかかわらず、ドセタキセルに比べ全生存期間を有意に延長することが示された。安全性プロファイルも良好だった。ドイツLungenfachklinik Immenhausen病院のAchim Rittmeyer氏らが行った、第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験「OAK」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月12日号で発表した。OAKは、PD-L1をターゲットとした治療の初となる第III相無作為化試験だという。プラチナ製剤ベース化学療法実施後のStageIIIB・IVのNSCLCを対象に試験  研究グループは2014年3月11日~2015年4月29日にかけて、31ヵ国、194の大学または地域のがん治療センターを通じ、扁平上皮・非扁平上皮NSCLCの18歳以上の患者で、固形がんの治療効果判定のためのガイドラインにより測定可能で、米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)による全身状態の評価尺度が0~1の1,225例を対象に試験を行った。被験者は、プラチナ製剤ベースの化学療法を1~2回受けており、StageIIIBまたはIVのNSCLCだった。自己免疫性疾患やドセタキセル、CD137作動薬、抗CTLA4、PD-L1・PD-1パスウェイを標的とした治療をすでに受けていた人については、被験者から除外した。 同グループは被験者を無作為に2群に分け、atezolizumab 1,200mgまたはドセタキセル75mg/m2を3週ごとに静脈投与した。 主要評価項目は2つで、intent-to-treat解析による全生存期間と、PD-L1発現で分類したサブグループ(TC1/2/3またはIC1/2/3)の全生存期間だった。主要有効性解析は、1,225例中、最初の850例(atezolizumab群、ドセタキセル群ともに425例)を対象に行った。生存期間中央値、atezolizumab群で約4ヵ月延長 その結果、ITTおよびサブグループによる解析ともに、全生存期間(OS)はatezolizumab群でドセタキセル群に比べ有意に延長した。ITT解析では、atezolizumab群のOS中央値は13.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.8~15.7)に対し、ドセタキセル群は9.6ヵ月(8.6~11.2)だった(ハザード比[HR]:0.73、95%CI:0.62~0.87、p=0.0003)。 PD-L1発現が1%以上の腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に認められたサブグループ(TC1/2/3またはIC1/2/3)でもOS中央値は、atezolizumab群(241例)15.7ヵ月(95%CI:12.6~18.0)、ドセタキセル群(222例)10.3ヵ月(8.8~12.0)と有意差が認められた(HR:0.74、95%CI:0.58~0.93、p=0.0102)。また、PD-L1発現が1%未満のサブグループ(TC0またはIC0)でも、OS中央値はそれぞれ12.6ヵ月、8.9ヵ月と、atezolizumab群で有意に延長した(HR:0.75、95%CI:0.59~0.96)。 生存期間の延長効果については、扁平上皮または非扁平上皮のNSCLCで同等だった。 なお、Grade3または4の治療に関連した有害事象の発生率は、ドセタキセル群43%に対してatezolizumab群は15%と少なかった。

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「肺癌診療ガイドライン」の意義、上手な使い方とは

 新たな治療薬が続々と発売されている肺がん。この10年で「肺癌診療ガイドライン」(日本肺癌学会編)は記載形式や推奨方針が大きく変化してきている。2016年10月28日開催の第13回肺がん医療向上委員会において、その変遷や意義について、日本肺癌学会ガイドライン検討委員会 薬物療法および集学的治療小委員会 委員長である瀬戸 貴司氏(国立病院機構九州がんセンター 呼吸器腫瘍科)が講演した。肺がんの診療ガイドラインはどうあるべきか 日本では、海外と異なり、呼吸器内科医も呼吸器外科医も肺がんを診療している。そのため、診療ガイドラインは、誰がみても患者がどの位置にいるのか理解でき、がん専門医でなくても標準治療にたどり着けるものであるべきである。この方針に基づき、薬物療法については、薬物療法および集学的治療小委員会を中心に2005年からガイドラインの改定が進められ、現在、日本肺癌学会のホームページ上にウェブ版が掲載されている。なお、書籍版は2年ごとに出版され、2016年版は今年の日本肺癌学会学術集会(12月19~21日、福岡)で発売される予定である。 ガイドラインでの治療選択は樹形図で示されている。IV期非小細胞肺がんを例に挙げると、まず腫瘍側の因子である組織型(非扁平上皮がんもしくは扁平上皮がん)で分け、次に遺伝子異常で分ける。さらに、患者側の因子であるperformance status(ECOG PS)で分け、PSが1以下の場合は年齢(75歳以上もしくは75歳未満)で分ける。ウェブ版では、治療法をクリックすれば推奨グレードとエビデンスにリンクするようになっている。診察室で患者さんと一緒にガイドラインを見て、その場で推奨グレードやエビデンスを噛み砕いて説明すれば、患者さんも納得しやすいという。2014年に推奨方針を大きく変更 薬物療法の目的は、「治癒」「生存期間延長」「症状コントロール」「QOLの維持」とさまざまあるが、おしなべて薬物療法に求められるのは「健やかな長生き」と瀬戸氏はいう。ところが、以前は生存期間延長が最大のエビデンスであり、「副作用が強くても、高価な治療でも、生存期間延長効果が高い」薬剤が推奨され、また生存期間延長効果が劣っていなければ、「副作用が軽く、QOLが高く、コストが安い」薬剤が推奨されていた。しかしながら、このように生存期間延長効果を物差しにすることができたのは、殺細胞性抗がん剤しかなかった時代の話である、と瀬戸氏は強調した。現在は分子標的治療薬が使用可能となっており、2014年以降は、「がんの制御期間や縮小効果が高くQOLが良い」治療であれば、その機序について科学的に確かさが高ければ、生存期間延長効果が証明されていなくても強く推奨する方針に変更され、分子標的治療薬を先に投与することが推奨されるようになった。ガイドラインの限界と課題 ガイドラインの限界と課題として、瀬戸氏は「すべての患者に対して当てはまるものはない」「記載できない項目も多い」「エビデンスが弱いものも含まれる」「新規薬剤の検討に時間がかかるため最新情報から少し遅れてしまう」ことを挙げる。また、免疫チェックポイント阻害薬の全生存期間延長効果の大きさに触れ、昨今問題となっている薬物療法の医療費について、医療従事者や生物統計学者だけでは判断できない問題だと述べた。瀬戸氏は、ガイドラインの役割として、コストが同じであればどちらの治療が推奨できるのかを提示しなければならないと考察した。ガイドラインの意義とは 最後に瀬戸氏はガイドラインの意義について、医療者にとっては、樹形図を索引に使え、エビデンスに基づく治療方針を患者に提供できること、さらに、治療の説明内容を把握でき、新しい薬剤応用へのキャッチアップにつながることを挙げた。一方、患者さんにとっては、エビデンスに基づく治療を納得して受けられ、主治医とのコミュニケーションツールに使えることを挙げ、講演を締めくくった。

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ニボルマブ、既治療・再発頭頸部扁平上皮がんのOS延長/NEJM

 プラチナ製剤ベースの化学療法施行後に再発した頭頸部扁平上皮がんの治療において、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブは標準治療に比べ、全生存(OS)期間を有意に延長することが、米国・ピッツバーグ大学医療センターのRobert L Ferris氏らが行ったCheckMate 141試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年10月9日号に掲載された。頭頸部扁平上皮がんの原発または再発病変に対し、プラチナ製剤ベースの化学療法施行後6ヵ月以内に病勢が進行した症例の、OS期間中央値は6ヵ月に満たないが、これらの患者のOS期間を延長する治療選択肢はない。頭頸部扁平上皮がんの転移・再発病変は、T細胞抑制性の免疫チェックポイント受容体であるプログラム死1(PD-1)のリガンド(PD-L1、PD-L2)の発現によって部分的に誘導される免疫回避により、促進されることが知られている。標準的な単剤療法と比較する無作為化第III相試験 CheckMate 141は、プラチナ製剤不応の頭頸部扁平上皮がんにおいて、ニボルマブと標準治療を比較する非盲検無作為化第III相試験(Bristol-Myers Squibb社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、組織学的に口腔、咽頭、喉頭の扁平上皮がんが確証され、プラチナ製剤ベースの化学療法施行後6ヵ月以内に病勢進行または再発した患者であった。 被験者は、ニボルマブ(3mg/kg、2週ごと)を投与する群または標準的な単剤療法(メトトレキサート、ドセタキセル、セツキシマブのいずれか1剤)を行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目はOSであり、副次評価項目には無増悪生存(PFS)、客観的奏効率、安全性、患者報告QOLが含まれた。 2014年6月~2015年8月に、日本人を含む361例が登録され、ニボルマブ群に240例、標準治療群には121例が割り付けられた。OSが30%改善、1年OS率は2倍以上、有害事象、QOLも良好 全体の年齢中央値は60歳(範囲:28~83)、男性が83.1%を占め、腫瘍部位は口腔が48.5%、咽頭が35.5%、喉頭が13.6%、その他が2.5%であった。喫煙者(79.6 vs.70.2%、p=0.047)がニボルマブで有意に多かったが、これ以外の背景因子に有意な差はなかった。 全体の91.4%が放射線療法を受けていた。前治療レジメン数は、1が45.4%、2が34.6%、3以上が19.9%であった。約4分の1が、p16(ヒトパピローマウイルスの代替マーカー)陽性だった。 フォローアップ期間中央値5.1ヵ月におけるOS期間中央値は、ニボルマブ群が7.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.5~9.1)と、標準治療群の5.1ヵ月(95%CI:4.0~6.0)に比べ有意に長く、死亡リスクが30%低減した(ハザード比[HR]:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01)。推定1年OS率は、ニボルマブ群が標準治療群の2倍以上に達した(36.0 vs.16.6%)。 PFS期間中央値は、ニボルマブ群が2.0ヵ月、標準治療群は2.3ヵ月であり、両群に差を認めなかった(HR:0.89、95%CI:0.70~1.13、p=0.32)。一方、推定6ヵ月PFS率はニボルマブ群が高い傾向がみられた(19.7 vs.9.9%)。 腫瘍縮小効果はニボルマブ群が完全奏効(CR)6例、部分奏効(PR)26例で、客観的奏効率は13.3%であった。標準治療群はCR 1例、PR 6例で、客観的奏効率は5.8%だった。 Grade 3/4の治療関連有害事象は、ニボルマブ群が13.1%、標準治療群は35.1%に発現した。ニボルマブ群で頻度の高い全Gradeの有害事象は、疲労(14.0%)、悪心(8.5%)、皮疹(7.6%)、食欲減退(7.2%)、そう痒(7.2%)の順であった。 皮膚関連(15.7 vs.12.6%、主に皮疹)および内分泌系(7.6 vs.0.9%、主に甲状腺機能低下症)の有害事象は、ニボルマブ群のほうが頻度が高かった。ニボルマブ群では、肺臓炎が2.1%に発現し、治療関連死は2例(肺臓炎、高カルシウム血症)認められた。 15週時のEORTC QLQ-C30の身体機能、役割機能、社会的機能、QLQ-H&N35の疼痛、感覚異常、社会的接触障害は、ニボルマブ群がいずれも安定していたのに対し、標準治療は増悪しており、すべての項目で有意な差が認められた。 著者は、「探索的バイオマーカー解析では、PD-L1の発現状況、p16陽性/陰性にかかわらず、OS期間中央値はニボルマブ群が明らかに長かった」としている。

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ラムシルマブは肺がん治療に新たな可能性をもたらすか?

 2016年8月4日、イーライリリー主催のプレスセミナー「肺がんに新たな治療選択肢『サイラムザ』登場」が開催された。そのなかで、神奈川県立がんセンター 呼吸器内科医長の加藤 晃史氏は「進行・再発非小細胞肺がん治療におけるサイラムザの位置づけ」と題し、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の肺がんに対する新たな知見を紹介した。 ラムシルマブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に作用する血管新生阻害薬で、胃がん、結腸・直腸がんに続いて2016年6月に非小細胞肺がんに対する適応を取得した。海外第III相試験であるREVEL試験では、肺がん2次治療におけるラムシルマブとドセタキセルの併用療法とドセタキセル単独(プラセボ+ドセタキセル)療法を比較した。結果、全生存期間(OS)は併用群10.5ヵ月、タキセル単独群9.1ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.75~0.99、p=0.024)、無増悪生存期間(PFS)はそれぞれ4.5ヵ月、3.0ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.68~0.86、p<0.0001)と、共に併用群で有意に延長した。また、本邦で行われたJVCG試験においてもREVEL試験と同様の結果が認められ、OS中央値はラムシルマブ・ドセタキセル併用群で15.15ヵ月、ドセタキセル単独群で14.65ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.56~1.32)、PFS中央値はそれぞれ5.22ヵ月、4.21ヵ月(HR:0.83、95%CI:0.59~1.16)といずれも併用群で優れていた。有害事象については、両試験とも併用群で血液毒性が多く認められたが、それらは管理可能であった。 加藤氏はまた、既存の治療薬を踏まえたラムシルマブの可能性について述べた。扁平上皮がんは非扁平上皮がんに比べて治療選択肢が少ない。そこに扁平上皮がんにも有効性を示す免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」が加わった。しかしながら、ニボルマブで有効性が確認できるのは投与患者のうち20~30%である。ラムシルマブの有効性は扁平上皮がんも含めた成績であることから、治療選択肢が少ないこの領域にも新たな可能性をもたらすことになる。 選択肢の広がる非小細胞肺がんの薬物療法において、ラムシルマブはどのような可能性をもたらすのだろうか。今後の動向に注目したい。

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医師も医療費のことを考えるべきか?―第12回 肺がん医療向上委員会

 7月4日(月)、都内で「医療者(医師)は医療費のことを考えるべきか?」をテーマに第12回 肺がん医療向上委員会が開催され、後藤 悌氏(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)が講演を行った。今後のがん治療を変えると言われる免疫チェックポイント阻害薬、ニボルマブが昨年末に肺がんの適応を取得したことで、高額な医療費をめぐる問題に対する関心がますます高まっており、こうした問題は米国では“financial toxicity(経済的毒性)”とも表現される。今回、同氏は医療者の立場からこの問題を論じた。薬価を下げると新薬が開発されなくなる? 日本では、新医薬品の薬価は薬価算定方式により定められ、市場拡大再算定制度によって販売額のきわめて大きい医薬品の薬価を引き下げるなど、国が薬価の伸びを制御している。しかし、医薬品を開発するには膨大なコストがかかる。1つの化合物が新薬として承認される確率は2万5,482分の1であり、その開発費は1,000億円に上るという。医薬品開発費は年々上昇し続けており、上市されない限りコストが回収できない医薬品開発はどの業種よりも効率が悪い。 開発しても、規制当局による製造販売の承認が必要である。それによって安全性や効果を担保している反面、医薬品の価格上昇の一因にもなっている。また、開発費だけでなく、市販後の安全性調査の費用も製造元が負担するなど、医療の発展は製薬会社などの私企業に負うところが大きい。したがって、医薬品の価格を下げると、日本に新規薬剤が導入されなくなるリスクが生じるという矛盾がある、と後藤氏は説明する。日本で医療技術評価が根付かない理由は? 一方で、治療にかかるコストを考えなければならない差し迫った現実があることも事実である。医薬品の価値を考える際、生存期間とQOLを考慮した質調整生存年(Quality Adjusted Life Year:QALY)が効果指標として用いられるが、これに基づき従来の治療薬の1QALY獲得当たりのコストを評価すると、肺がん治療薬のクリゾチニブが2,306万円/QALY、乳がん治療薬のペルツズマブが8,738万円/QALYなど、高額な治療薬が数多くあることがわかる。後藤氏は、ニボルマブの薬価が問題になる以前から、コストの問題を考えずに医療を行ってきた現実を指摘する。しかし、国民皆保険制度と高額療養費制度によって、実際に患者が負担するのはごく一部であり、残りの費用は健康保険料や税金で賄われている。現状のままでは、この“financial toxicity”は将来世代へ重くのしかかることになる。 わが国では、患者が世界でも最低の自己負担額で最善の治療を受けることができ、医師も患者にとって最善の治療をコストに関係なく選択することができる。後藤氏によると、このように現在の医療システムの中で誰も損をしない構造が、日本で医療技術評価が根付かない根底にあるという。そのうえで、この経済的負担を次世代に先送りしないためには、エビデンス、コスト、社会を意識した医療を考えていかなければならず、医療者として今後、類似医薬品を比べるだけの研究ではなく、完治を目指した研究や医療費削減を目的とした研究を進めていく必要がある、と結論を示した。

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抗PD-1抗体療法に対する耐性のメカニズムは?/NEJM

 悪性黒色腫の抗PD-1抗体療法に対する耐性は、インターフェロン受容体シグナル伝達や抗原提示経路の異常と関連していることが明らかとなった。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJesse M. Zaretsky氏らが、悪性黒色腫患者4例の生検サンプルを分析し報告した。抗PD-1抗体療法で奏効(objective response)が得られた悪性黒色腫患者の約75%は、効果が永続的に長期間持続するが、客観的腫瘍縮小が最初に確認された後、治療を継続しているにもかかわらず遅発性再発がみられることがある。このことについて、免疫監視機構の回避メカニズムは不明であった。NEJM誌オンライン版2016年7月13日号掲載の報告。抗PD-1抗体療法で奏効後に遅発性再発を来した症例の生検サンプルを分析 研究グループは、免疫チェックポイント阻害薬pembrolizumabを用いた抗PD-1抗体療法により客観的腫瘍縮小が確認され、数年後に病勢進行を認めた転移性黒色腫患者4例(再発までの平均期間は624日、範囲419~888日)を対象に、ベースライン時および再発時の病変の生検サンプルについて、免疫組織化学染色、免疫蛍光法、ウェスタンブロット法、フローサイトメトリー法、ならびに遺伝子転写プロファイリング(全エクソーム解析)等により分析を行った。なお、ベースライン時の検体採取は、症例1はBRAF阻害薬(ベムラフェニブ)投与初期、症例2~4についてはpembrolizumab投与直前であった。4例中3例で耐性獲得に関連する遺伝子変異を確認 4例中2例において、耐性に関連する遺伝子変異として、インターフェロン受容体関連ヤヌスキナーゼ1(JAK1)またはヤヌスキナーゼ2(JAK2)をコードする遺伝子の、野生型対立遺伝子の欠失を伴う機能喪失型変異を確認した。 症例3では、抗原提示蛋白β2ミクログロブリン(B2M)をコードする遺伝子の短縮型変異を認めた。JAK1とJAK2の短縮型変異は、がん細胞の増殖阻害作用低下を含むインターフェロンγの活性低下をもたらしており、B2Mの短縮型変異は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIの表面発現の消失を引き起こした。 症例4では、T細胞に対する耐性を獲得したことは明らかであったが、明確な遺伝子変異は確認できず、インターフェロン誘導遺伝子の発現変化による非遺伝子メカニズムが関与している可能性が示唆された。

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HSCT後の造血器腫瘍再発、イピリムマブが有効の可能性/NEJM

 同種造血幹細胞移植(HSCT)後に造血器腫瘍を再発した患者に対し、免疫チェックポイント阻害薬イピリムマブを投与することで、抗腫瘍効果が得られる可能性があることが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが第I・Ib相臨床試験の結果、明らかにしたもので、NEJM誌2016年7月14日号で発表した。被験者のうち完全奏効が認められたのは、約2割だった。一方で免疫関連の有害事象を発症した人も約2割に上っている。イピリムマブ3mg/kgまたは10mg/kgを投与 研究グループは、HSCT後に造血器腫瘍を再発した28例を対象に、多施設共同試験を行い、イピリムマブの安全性・有効性について検証した。被験者に対して、イピリムマブ3mg/kgまたは10mg/kgを、導入療法として3週ごとに4回投与した。そのうち臨床的効果が認められた人については、その後も12週ごとに最長で60週間投与を継続した。 イピリムマブにより、T細胞の補助刺激受容体CTLA-4を標的にすることで、免疫チェックポイントを阻害し、移植片対腫瘍効果による抗腫瘍効果を保つことができるかどうかを検証した。完全奏効が23%、部分奏効は9% その結果、免疫に関連する有害事象を発症したのは6例(21%)で、そのうち1例が死亡。さらに移植片対宿主病(GVHD)を発症しイピリムマブ投与を中止したのは4例(14%)だった。 10mg/kgを投与した22例については、完全奏効が5例(23%)で、部分奏効が2例(9%)、また腫瘍量の減少が6例(27%)で認められた。 完全奏効が認められた人のうち4例は、髄外性急性骨髄性白血病の再発で、1例は急性骨髄性白血病に至る骨髄異形成症候群だった。また4例で、治療効果の1年以上の継続が認められた。効果として、細胞傷害性CD8+T細胞の上皮内浸潤、制御性T細胞活性化の低下、血液中のエフェクターT細胞亜集団の増加がみられた。 なお、イピリムマブ3mg/kgを投与した群では、正式な治療効果基準を満たした人はいなかった。

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【JSMO2016見どころ】肺がん

 2016年7月28日(木)から3日間にわたって、第14回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立って、先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。 このうち、肺がんについては里内 美弥子氏(兵庫県立がんセンター 呼吸器内科部長)が登壇した。以下、里内氏のコメントを紹介する。【里内 美弥子氏コメント】 肺がんは、がんの個別化治療や分子標的薬の開発が最も進んだ領域であり、昨年末には免疫チェックポイント阻害剤も実地医療に導入され、治療効果を上げてきている。今年はさらに分子標的治療薬の耐性に効果を示す薬剤などが臨床導入されており、今後も新薬導入が続く見通しとなっており、大きな治療の変遷の只中にある。 これらの進展を背景に本学会では、免疫療法の臨床成績、EGFR変異・ALK融合遺伝子陽性肺がんの最新治療、抗がん剤耐性の克服、これら薬剤のバイオマーカー診断に関するトピックス、本邦で行われている全国規模の肺がん遺伝子解析(LC-SCRUM)の現状と、この解析で判明したドライバー変異を持った肺がんの新薬での治療成績など最新の話題が数多く発表される。海外の第一線で活躍する多くの研究者を招聘しており、これらのホットな話題に世界レベルの活発かつ意義深い討論が期待される。【注目演題】 本学会で、里内氏が肺がん関連の注目演題として挙げたのは、以下のとおり。一般口演「EGFR遺伝子変異陽性肺がん」日時:7月29日(金)16:00~17:00場所:Room3(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)「肺がん EGFR・VEGFR」日時:7月29日(金)8:30~9:30場所:Room3(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)「肺がん バイオマーカー」日時:7月29日(金)9:30~10:30場所:Room3(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)「肺がん ALK、ROS、RET」日時:7月29日(金)10:30~11:30場所:Room3(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)「分子・遺伝子診断」日時:7月28日(木)14:30~15:30場所:Room10(神戸国際会議場4F401・402会議室)International Symposium「ALK inhibitors and other targeted therapies」日時:7月28日(木)9:00~11:00場所:Room5(神戸国際展示場1号館2F展示室A)「Resistance of cancer molecular targeted drug and new insights of overcoming therapy」日時:7月28日(木)12:30~14:30場所:Room6(神戸国際展示場1号館2F展示室B)「Immune Check Point Inhibitor;Paradigm Shift of Cancer Treatment」日時:7月28日(木)13:15~14:45場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)「Resistance of cancer molecular targeted drug and new insights of overcoming therapy」日時:7月28日(木)12:30~14:30場所:Room6(神戸国際展示場1号館2F展示室B)Panel Discussion「免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理」日時:7月30日(土)13:30~15:30場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)ESMO/JSMO Joint Symposium「Evolving molecular targeting treatment for lung cancer」日時:7月28日(木)12:50~14:50場所:Room5(神戸国際展示場1号館2F展示室A)ASCO/JSMO Joint Symposium「Cancer Immunotherapy」日時:7月30日(土)8:50~11:50場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)Encore Session日時:7月29日(金)15:40~17:00場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)【第14回日本臨床腫瘍学会学術集会】会期:2016年7月28日(木)~30日(土)会場:神戸国際展示場・神戸国際会議場会長:南 博信(神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科 教授)テーマ:Breaking through the Barriers:Optimizing Outcomes by Integration and Interaction第14回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

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アジソン病〔Addison's disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、アルドステロン(ミネラルコルチコイド)、コルチゾール(グルココルチコイド)、デヒドロエピアンドロステロンとデヒドロエピアンドロステロンサルフェート(副腎アンドロゲン)の分泌が生体の必要量以下に慢性的に低下した状態である。アジソン病は、副腎皮質自体の病変による原発性副腎皮質機能低下症であり、その病因として、副腎皮質ステロイド合成酵素欠損症による先天性副腎過形成症、先天性副腎低形成(X連鎖性、常染色体性)、ACTH不応症などの責任遺伝子が明らかとされた先天性のものはアジソン病とは独立した疾患として扱われるため、アジソン病は後天性の病因による慢性副腎皮質機能低下症を指して用いられる。■ 疫学わが国における全国調査(厚生労働省特定疾患「副腎ホルモン産生異常症」調査分科会)によるとアジソン病の患者は1年間で660例と推定され、病因としては特発性が42.2%、結核性が36.7%、その他が19.3%であり、時代とともに特発性の比率が増加している。先天性副腎低形成症は約12,500人出生に1人である。副腎不全症としては、10,000人に5人程度(3人が下垂体性副腎不全、1人がアジソン病、1人が先天性副腎過形成症)の割合である。■ 病因病因としては、感染症、その他の原因によるものと特発性がある。感染症では結核性が代表的であるが、真菌性、後天性免疫不全症候群(AIDS)に合併するものが増えている。 特発性アジソン病は、抗副腎抗体陽性の例が多く(60~70%)、21-水酸化酵素、17α-水酸化酵素などに対する自己抗体が原因となる自己免疫性副腎皮質炎であり、その他の自己免疫性内分泌疾患を合併する多腺性自己免疫症候群と呼ばれる。I型は特発性副甲状腺機能低下症、皮膚カンジダ症を合併するHAM症候群、II型は橋本病などを合併するシュミット症候群などがある。その他の原因によるものとしては、がんの副腎転移、副腎白質ジストロフィーなどがある。また、最近使用される頻度が増えている免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象(irAE)として内分泌障害があり、副腎炎によるアジソン病もみられる(約0.6%)。■ 症状コルチゾールの欠乏により、易疲労感、脱力感、食欲不振、体重減少、消化器症状(悪心、嘔吐、便秘、下痢、腹痛など)、血圧低下、精神症状(無気力、嗜眠、不安、性格変化)、発熱、低血糖症状、関節痛などを認める。副腎アンドロゲン欠乏により女性の腋毛、恥毛の脱落、ACTHの上昇により、歯肉、関節、手掌の皮溝、爪床、乳輪、手術痕などに色素沈着が顕著となる。■ 分類副腎皮質の90%以上が障害されて起きる原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病)と続発性副腎皮質機能低下症にまず大きく分類できる。続発性副腎皮質機能低下症には、下垂体性(ACTH分泌不全)と視床下部性(CRH分泌不全)に分けられる。■ 予後欧州の大規模疫学研究によると、原発性副腎不全症患者の全死亡リスクは、男性で2.19、女性では2.86との報告がある。長期予後が悪い理由は、グルココルチコイドの過剰投与によるQOLの低下、心血管イベントや骨粗鬆症のリスクの増加などが、生存率の低下につながると考えられている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)一般検査では、低血糖(血糖値が70mg/dL以下)、低ナトリウム血症(135mEq/L以下)、正球性正色素性貧血(男性13g/dL以下、女性12g/dL以下)、血中総コレステロール値低値(150mg/dL以下)、末梢血の好酸球増多(8%以上)、相対的好中球減少、リンパ球増多、高カリウム血症を示す。内分泌学的検査では、非ストレス下で早朝ACTHとコルチゾール値を測定する(絶食で9時までに)。早朝コルチゾール値が18μg/dL以上であれば副腎不全症を否定でき、4μg/dL未満であれば副腎不全症の可能性が高いが、4~18μg/dLでは可能性を否定できない。血中コルチゾール基礎値が18μg/dL未満のときは、迅速ACTH負荷試験(合成1-24 ACTHテトラコサクチド[商品名:コートロシン]250μg静注)を施行する。血中コルチゾール頂値が18μg/dL以上であれば副腎不全症を否定でき、18μg/dL未満であれば副腎不全症を疑うほか、15μg/dL未満では原発性副腎不全症の可能性が高い。迅速ACTH負荷試験では、原発性と続発性副腎皮質機能低下症の鑑別ができないため、ACTH連続負荷試験、CRH負荷試験、インスリン低血糖試験などを組み合わせて行う(図)。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)可能な限り、生理的コルチゾールの分泌量と日内変動に近い至適な補充療法が望まれる。コルチゾールを1日当たり10~20mg補充するのが生理的補充量の目安である。日本人は食塩摂取量が多いので、ヒドロコルチゾン(同:コートリル)10~20mg/日を2~3回に分割服用する(2分割投与の場合は、朝2:夕1、3分割投与では朝:昼:夕=3:2:1)。4 今後の展望現在、使用されているヒドロコルチゾンは放出が早く、内因性コルチゾールの日内リズムを完全に再現できない。わが国では使用できないが、欧州を中心にヒドロコルチゾン放出時間を遅らせる徐放型ヒドロコルチゾンの開発研究が進んでおり、生理的補充に近い薬理動態を再現できることが期待される。5 主たる診療科内科(とくに内分泌代謝内科)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本内分泌学会臨床重要課題(副腎クリーゼを含む副腎皮質機能低下症の診断基準作成と治療指針作成)(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター アジソン病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Charmandari E, et al. Lancet.2014;383:2152-2167.2)南学正臣 総編集.内科学書 改訂第9版.中山書店; 2019. p.153-160.3)矢崎義雄 総編集.内科学 第11版.朝倉書店; 2017. p.1630-1633.公開履歴初回2015年01月08日更新2016年07月19日更新2022年02月28日

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【JSMO2016見どころ】免疫療法

 2016年7月28日(木)から3日間にわたって、第14回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立って、先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。 このうち、がん免疫療法については西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所/先端医療開発センター 腫瘍免疫学担当/免疫TR分野)が登壇した。以下、西川氏のコメントを紹介する。【西川 博嘉氏コメント】 免疫チェックポイント阻害剤(とくに抗PD-1抗体)が悪性黒色腫、非小細胞肺がんに臨床導入され、がんに対する免疫応答を人為的に操作することで、がん治療が可能であることが示された。これに続いて腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、一部の大腸がんで従来の治療に対する優位性が示され、臨床応用が期待されている。また膀胱がんに対しては、抗PD-L1抗体がFDAに承認され、さまざまな免疫チェックポイント阻害剤の臨床導入が加速している。加えて、これらのがん免疫療法では、臨床効果が20~30%程度の患者でしかみられないことから、レスポンダーの層別化、ノンレスポンダーへの新規がん免疫療法開発の検討も急速に進んでいる。一方、レスポンダーでの投与継続の必要性、従来の抗がん剤ではみられない副作用など、解決すべき課題も多い。本学会では、世界初の免疫チェックポイント阻害剤、抗CTLA-4抗体の開発者であるJames Allison博士をはじめとする国内外の研究者を集め、現在のがん免疫療法が抱える課題について討論し、今後の展開を考える。【注目演題】 本学会では、免疫チェックポイント阻害薬企画特集として、以下7つの演題が用意されている。特別講演「がん免疫療法の進歩」日時:7月29日(金)11:00~12:00場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南) 教育講演「免疫チェックポイント阻害剤~過去、現在、今後の展望~」日時:7月28日(木)9:00~9:30場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)International Symposium「免疫チェックポイント阻害薬の新展開」日時:7月28日(木)13:15~14:45場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)「免疫チェックポイント阻害薬の期待」日時:7月28日(木)14:55~16:55場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)「免疫チェックポイント阻害薬に対するバイオマーカー研究の最前線」日時:7月29日(金)8:30~10:10場所:Room5(神戸国際展示場1号館2F展示室A) Panel Discussion「免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理」日時:7月30日(土)13:30~15:30場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)JSMO/ASCO Joint Symposium「Cancer Immunotherapy」日時:7月30日(土)8:50~11:50場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)【第14回日本臨床腫瘍学会学術集会】会期:2016年7月28日(木)~30日(土)会場:神戸国際展示場・神戸国際会議場会長:南 博信(神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科 教授)テーマ:Breaking through the Barriers:Optimizing Outcomes by Integration and Interaction第14回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

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抗がん剤で劇症1型糖尿病を発症させない

 日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝)は、5月18日、本年1月29日に公表した「免疫チェックポイント阻害薬に関連した1型糖尿病ことに劇症1型糖尿病の発症について」に追記として「免疫チェックポイント阻害薬使用患者における1型糖尿病の発症に関するRecommendation」を加えた。 Recommendationでは、劇症1型糖尿病を「発症後直ちに治療を開始しなければ致死的」と警告を発するとともに、疾患の存在を想定した早期発見と適切な対処を呼びかけている。また、血糖値の検査・確認、専門医へのコンサルテーション、糖尿病治療の早期開始、患者への事前説明、ステロイド薬使用の注意などを5項目にわたり推奨している。 免疫チェックポイント阻害薬であるヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(オプジーボ)を使用した推定4,888人中12人(0.25%)に、1型糖尿病(劇症、急性発症ともに)が発症したことが報告された(使用期間:2014年7月4日~2016年3月31日)。 そこで同学会では、免疫チェックポイント阻害薬投与患者における1型糖尿病発症に対応するため、Recommendationを発表したものである。Recommendation1) 投与開始前および投与開始後、来院日ごとに、高血糖症状の有無を確認し、血糖値を測定する。2) 測定値は当日主治医が確認し、高血糖症状を認めるか、検査に異常値(空腹時126mg/dL以上、あるいは随時200mg/dL以上)を認めた場合は、可及的速やかに糖尿病を専門とする医師(不在の場合は担当内科医)にコンサルトし、糖尿病の確定診断、病型診断を行う。3) 1型糖尿病と診断されるか、あるいはそれが強く疑われれば、当日から糖尿病の治療を開始する。4) 患者には、劇症1型糖尿病を含む1型糖尿病発症の可能性や、注意すべき症状についてあらかじめ十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿)を自覚したら予定来院日でなくても受診または直ちに治療担当医に連絡するよう指導しておく。5) 該当薬の「適正使用ガイド」に、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合に投与を検討する薬剤として記載されている副腎皮質ホルモン剤は、免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病の改善に効果があるというエビデンスはなく、血糖値を著しく上昇させる危険があるため1型糖尿病重症化予防に対しては現時点では推奨されない。また、他の副作用抑制のためにステロイド剤を投与する場合は、血糖値をさらに著しく上昇させる危険性があるため、最大限の注意を払う。「【追記】免疫チェックポイント阻害薬に関連した1型糖尿病ことに劇症1型糖尿病の発症について 」(日本糖尿病学会)の詳細についてはこちら。(ケアネット)関連ニュースがん治療で気付いてほしい1型糖尿病

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関節リウマチ、従来型合成DMARDsを用いた3剤併用の効果/BMJ

 関節リウマチ(RA)に対し、従来型合成DMARDsを用いた3剤併用(メトトレキサート[MTX]+サラゾスルファピリジン+ヒドロキシクロロキン)は、現在最もよく処方されている生物学的DMARDs+MTXと同程度、疾患活動性コントロールに対する効果があり、MTX未治療および既治療の患者を問わず概して忍容性も良好である。カナダ・カルガリー大学のGlen S Hazlewood氏らが、Cochraneシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果、明らかにした。これまでに生物学的DMARDs+MTX併用療法は、MTX単独療法よりも疾患活動性のコントロールに優れていることがメタ解析の結果、報告されていたが、MTXと従来型合成DMARDsの有用性については検討されていなかった。BMJ誌オンライン版2016年4月21日号掲載の報告。生物学的製剤、JAK阻害薬などと比較した効果をメタ解析 研究グループは、MTX未治療または効果不十分のRA成人患者に対するMTX単独と、MTX+従来型合成DMARDsの併用、または生物学的製剤、もしくはJAK阻害薬トファシチニブとの併用を評価する、システマティックレビューとベイズ統計のランダム効果ネットワークメタ解析を行った。2016年1月19日時点でMedline、Embase、Cochrane Centralのデータベース、2009~15年の欧米2大RA学会の要約、2大臨床登録試験サイト(Clinical Trials.govほか)を検索し、さらにCochrane reviewsの手動検索を実施。MTXと他のあらゆるDMARDs、またはDMARDs併用と比較した無作為化もしくは準無作為化試験で、治療間比較のネットワークエビデンス構築に寄与していたものを選択した。 主要評価項目は、ACR50反応率(主要臨床的改善)、X線画像所見での疾患進行、有害事象による投与中断とした。 比較療法間に統計的有意差があるか否かは、効果なしを除外して算出した95%信頼区間(CI)を評価し、97.5%超確率で優越性が認められる場合とした。MTX未治療患者でのACR50、56~67%で類似 検索により得られたのは患者3万7,000例超が参加した158試験のデータで、各アウトカムについて、10~53試験からデータを分析に包含した。 MTX未治療患者集団についての検討では、ACR50反応率についてMTX単独よりも統計的に効果が優れていることを示す療法として、3剤併用療法、生物学的製剤(アバタセプト、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、リツキシマブ、トシリズマブ)、トファシチニブが認められた。推定ACR50反応率はMTX単独41%に対し、これらの治療は56~67%の範囲で類似していた。 MTXとアダリムマブまたはエタネルセプト、セルトリズマブペゴルもしくはインフリキシマブとの併用は、X線所見上の疾患進行についてMTX単独よりも有意に優れていた。しかし、年間の推定平均変化値は、臨床的意義がある最小差(Sharpスコア5)よりも小さかった。 3剤併用療法は、MTX+インフリキシマブよりも有害事象による投与中断が有意に少なかった。 一方、MTX効果不十分の集団についての検討では、ACR50反応率についてMTX単独よりも統計的に効果が優れていることを示す療法として、3剤併用療法、MTX+ヒドロキシクロロキン、MTX+レフルノミド、MTX+金療法、MTX+大半の生物学的製剤、MTX+トファシチニブが認められた。推定ACR50反応率は、3剤併用療法は61%、その他は27~70%と広範囲にわたっていた。 X線所見上の疾患進行についてMTX単独と比較して統計的に優れている療法はなかった。 MTX+アバタセプトは、有害事象による投与中断率が複数の治療と比べて統計的に有意に低かった。 著者は、「検討の結果は、3剤併用療法が、MTX未治療または効果不十分の患者両者で効果があることを示すものであった。また、疾患活動性コントロールについてMTX+生物学的製剤と統計的に有意差はないことも示された」と述べ、「3剤併用療法のコストは生物学的製剤の10~20分の1と低いことを考慮し、初回あるいはMTX効果不十分後のいずれにおいても、有効な治療選択肢とすべきである」とまとめている。

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pembrolizumab、進行性悪性黒色腫に有望/JAMA

 進行性悪性黒色腫の治療において、免疫チェックポイント阻害薬pembrolizumabは、高い有効性と良好な安全性を発揮することが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAntoni Ribas氏らが行ったKEYNOTE-001試験の長期データの解析で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年4月19日号に掲載された。pembrolizumabは、プログラム細胞死1(PD-1)に対するヒト型モノクローナルIgG4-κ抗体であり、同試験の悪性黒色腫の拡大コホート奏効例のフォローアップ期間中央値11ヵ月時の解析では、投与スケジュールの違いやイピリムマブ投与歴の有無により25~52%の客観的奏効率が報告されている。4ヵ国、655例の第Ib相試験の長期的な統合データを解析 KEYNOTE-001試験は、さまざまながん種に対するpembrolizumabの安全性と抗腫瘍効果を評価する非盲検第Ib相試験であり、研究グループは今回、進行性悪性黒色腫の長期的な統合データの解析を行った(Merck社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、全身状態(ECOG PS)が0~1の切除不能な進行性悪性黒色腫の患者であった。イピリムマブの投与を受けていない患者は前治療レジメン数を1~2とし、同薬の投与を受けた患者はレジメン数に制限を設けなかった。 被験者は、pembrolizumab10mg/kgを2週ごとに投与する群、同10mg/kgを3週ごとに投与する群、同2mg/kgを3週ごとに投与する群に割り付けられ、病勢進行、耐用不能な毒性の発現、担当医が中止すべきと判断するまで継続された。 主要評価項目は、ベースライン時に測定可能性病変を有していた患者における確定された客観的奏効率(完全奏効[CR]+部分奏効[PR])とし、中央判定を行った。 2011年12月~13年9月までに、オーストラリア、カナダ、フランス、米国の研究施設に655例が登録された。このうち135例が非無作為化コホート(イピリムマブ未治療:87例、同既治療:48例)で、520例は無作為化コホート(イピリムマブ未治療:226例、同既治療:294例)であった。奏効率33%、1年PFS 35%、OS 23ヵ月、Grade 3/4の有害事象14% ベースラインの全体の年齢中央値は61歳(範囲:18~94歳)、男性が62%(405例)であり、測定可能病変は655例中581例に認められた。フォローアップ期間中央値は15ヵ月(範囲:8~29ヵ月)であった。 客観的奏効率は33%(194/581例、95%信頼区間[CI]:30~37)であり、前治療を受けていない例では45%(60/133例、同:36~54)に達した。イピリムマブ既治療例は29%(87/304例)、未治療例は39%(107/277例)だった。 最終的なデータ・カットオフ日(2014年10月18日)の時点で、測定可能病変以外の患者を含めた全体の奏効例のうち、74%(152/205例)で奏効が持続しており(前治療のない患者では82%[53/65例])、奏効期間が1年以上の患者は44%(90/205例)、6ヵ月以上は79%(162/205例)であった。 1年無増悪生存(PFS)率は、全体では35%(95%CI:31~39)であり、前治療なしの患者では52%(同:43~60)であった。 全体の全生存(OS)期間中央値は23ヵ月(95%CI:20~29)であり、1年OS率は66%(同:62~69)、2年OS率は49%(同:44~53)であった。前治療なしの患者では、それぞれ31ヵ月(同:24~未到達)、73%(同:65~79)、60%(同:51~68)だった。 PFSおよびOSは、イピリムマブによる治療歴のある患者とない患者でほぼ同じであった。 Grade3/4の治療関連有害事象を1件以上経験した患者の割合は14%(92/655例)であり、治療関連有害事象による治療中止は4%(27/655例)であった。また、治療関連の重篤な有害事象は9%(59/655例)にみられた。治療関連死は認めなかった。 著者は、「これらの結果は、もう1つの抗PD-1抗体製剤であるニボルマブの同様の試験(奏効率31%、1年OS率62%、2年OS率43%)と類似していた」としている。

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抗PD-L1抗体atezolizumab、既治療NSCLCのOS延長/Lancet

 既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、新規免疫チェックポイント阻害薬atezolizumabは、ドセタキセル(商品名:タキソテールほか)に比べ予後が良好であることが、米国・カイザーパーマネンテ医療センターのLouis Fehrenbacher氏らが行ったPOPLAR試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年3月9日号に掲載された。ニボルマブやペムブロリズマブがT細胞上のPD-1を標的とするのに対し、atezolizumabは腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1(PD-1のリガンド)に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体で、T細胞上のPD-1だけでなくB7.1(CD80)との結合を阻害する。それゆえ、T細胞活性化阻害作用の抑制効果が抗PD-1抗体よりも高い可能性があり、またPD-L2とPD-1の相互作用には影響しないことから、免疫系の恒常性への影響を回避できると考えられている。ドセタキセルと比較する無作為化第II相試験 POPLAR試験は、既治療のNSCLC患者においてatezolizumabとドセタキセルの有用性を比較し、PD-L1発現レベルを評価する非盲検無作為化第II相試験(F Hoffmann-La Roche/Genentech社の助成による)。 対象は、プラチナ製剤による化学療法後に病勢が進行したNSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、測定可能病変(RECIST ver.1.1)を有する患者であった。 被験者は、腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1の状態、組織型、前治療レジメン数で層別化され、atezolizumab(1,200mg、静脈内投与)またはドセタキセル(75mg/m2、静脈内投与)を3週ごとに投与する群に無作為に割り付けられた。 免疫組織化学(IHC)検査に基づき、腫瘍細胞上のPD-L1(TC3:≧50%、TC2:5~50%、TC1:1~5%、TC0:<1%)および腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1(IC3:≧10%、IC2:5~10%、IC1:1~5%、IC0:<1%)をスコア化した。 主要評価項目は全生存期間(OS)とし、探索的解析としてバイオマーカーの評価を行った。 2013年8月5日~14年3月31日までに、13ヵ国61施設に287例が登録された。atezolizumab群に144例、ドセタキセル群には143例が割り付けられ、それぞれ142例、135例が1回以上の投与を受けた。OS中央値:約3ヵ月延長、PD-L1発現率が高いほど良好 年齢中央値は両群とも62歳、男性はatezolizumab群が65%、ドセタキセル群は53%であり、喫煙者/元喫煙者がそれぞれ81%、80%、前治療レジメン数は1が65%、67%、2が35%、33%だった。 OS中央値はatezolizumab群が12.6ヵ月であり、ドセタキセル群の9.7ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.53~0.99、p=0.04)。 また、OS中央値はPD-L1の発現率が高い患者ほど良好であった(TC3またはIC3=HR:0.49[0.22~1.07]、p=0.068/TC2/3またはIC2/3=HR:0.54[0.33~0.89]、p=0.014/TC1/2/3またはIC1/2/3=HR:0.59[0.40~0.85]、p=0.005/TC0およびIC0=HR:1.04[0.62~1.75]、p=0.871)。 既存免疫(エフェクターT細胞およびインターフェロン-γの関連遺伝子発現≧中央値で定義)を有する患者の探索的解析では、atezolizumab群のOS中央値が有意に改善された(HR:0.43、95%CI:0.24~0.77)。 atezolizumab群で頻度の高い全原因有害事象として、食欲減退、呼吸困難、悪心、下痢、発熱などが認められ、免疫関連有害事象としてAST上昇(4%)、ALT上昇(4%)、肺臓炎(3%)、腸炎(1%)、肝炎(1%)がみられた。 治療関連有害事象の発現率は、atezolizumab群が67%、ドセタキセル群は88%であった。有害事象による治療中止は、atezolizumab群が8%(11例)、ドセタキセル群は22%(30例)、Grade 3/4の治療関連有害事象はそれぞれ11%(16例)、39%(52例)であり、atezolizumab群で少なかった。治療関連死はatezolizumab群が<1%(1例:心不全)、ドセタキセル群は2%(3例:敗血症、急性呼吸窮迫症候群、原因不明)だった。 著者は、「atezolizumabはドセタキセルに比べ既治療のNSCLC患者の予後を改善した」とまとめ、「PD-L1の発現は、atezolizumabのベネフィットを予測するバイオマーカーとなる可能性が示唆される」と指摘している。

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がん免疫療法薬・安全性は「多職種連携」がカギ

 2016年2月17日、都内にて「がん免疫療法で変わる肺がん治療」をテーマにプレスセミナーが開催された(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ株式会社)。脚光を浴びているがん免疫療法、安全性は? ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は2014年9月に発売された、世界初の抗PD-1モノクローナル抗体で、がん免疫療法薬と呼ばれている。がん免疫療法は従来の化学療法や手術、放射線療法とはまったく異なる新たな治療法で、身体の免疫系に直接作用してがんと闘う機序を持つ。本邦において、ニボルマブは「根治切除不能な悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の2つの疾患に適応がある。免疫系に作用するという新しいアプローチと、治験時における有害事象、とくに骨髄抑制の少なさからがん治療において大きな期待を寄せられている。 しかし、使用経験の蓄積からこれまでの薬剤では経験のない免疫関連有害事象が報告されている。注意すべき、免疫関連有害事象とは? がん免疫療法薬は全身の臓器にも働きかけるといわれており、過度の免疫反応により免疫関連有害事象が複数の臓器で報告されている。演者の中西 洋一氏(九州大学大学院 呼吸器内科学分野 教授)は、とくに注意すべき副作用として間質性肺炎、重症筋無力症、劇症1型糖尿病、甲状腺機能障害の4つを挙げた。 とくに劇症1型糖尿病は、インスリンを産生する膵島細胞の急速な破壊により急激に高血糖を来す。また、時には致死的であり、たとえ回復してもインスリン産生の枯渇により、血糖コントロール困難となり、社会生活に高度の支障を来す重大な疾患である。ニボルマブの臨床試験において、劇症1型糖尿病は報告されていなかったが、使用経験の蓄積により報告が上がってきた。2016年1月に日本腫瘍学会と日本糖尿病学会より、連名でステートメントが出たことは記憶に新しい1)。副作用に立ち向かうには? 九州大学病院の事例 上記の重症筋無力症、劇症1型糖尿病、甲状腺機能障害などの副作用は必ずしもオプジーボを使用している医師の専門であるとはいえない。このような副作用に、どのように対応していけばよいのだろうか? 対応策の一例として、中西氏は九州大学病院の「免疫チェックポイント阻害薬適正使用委員会」を挙げた。同委員会では、副作用対策において、呼吸器内科・腫瘍内科・皮膚科など免疫療法実施診療科を、他の専門科や看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどがサポートする、診療科・職域横断的なチェック体制づくりに取り組んでいる。専門外の医師をはじめとし、看護師・薬剤師などコメディカルとの連携によって、副作用の早期発見や適切な管理、細やかな対応が可能になるという。 ニボルマブは安全性の面以外にも、コストとの兼ね合い、バイオマーカーの探索、他剤との併用などさまざまな点に課題があるものの、これまで治療の選択肢に難渋していた患者にとって希望の光となりうる薬剤である。しかし、2016年2月より包括医療費支払い制度(DPC)の対象外となったため、今後さらなる使用患者数の増加が予想され、これに伴い予期せぬ副作用が生じる可能性も否定できない。治療医師のみならず、多職種が連携することで患者にとって最適な医療を行うことが望まれる。【参考】1)免疫チェックポイント阻害薬に関連した劇症 1 型糖尿病の発症について(PDFがダウンロードされます)

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悪性胸膜中皮腫へのシスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ療法(解説:小林 英夫 氏)-478

 悪性胸膜中皮腫は早期発見が困難で、診断時点では進行期である症例が大多数を占める。2003年のVogelzang 氏らの報告に基づいて、ペメトレキセドが世界初の悪性胸膜中皮腫治療薬として米国で承認され、わが国でも2007年に薬価収載された。現在、悪性胸膜中皮腫標準化学療法はペメトレキセド+シスプラチン併用と認識されている。しかし、その治療成績は必ずしも満足できるレベルには到達しておらず、胸膜肺全摘除術や片側全胸郭照射などを組み合わせたマルチモダリティー療法などが検討されている。 こうした中、中皮腫において血管内皮増殖因子(VEGF)シグナルが重大な役割を果たすことが示唆され、2010年以降いくつかの試験が実施された。そこで、VEGFをターゲットとする抗血管新生治療薬ベバシズマブの上乗せ効果について、Zalcman氏らによる本検討(第III相試験)が実施された。その結果、彼らは「循環器系の有害事象が増えるものの予想範囲内のものであり、ベバシズマブ上乗せは全生存期間(OS)を有意に改善する」とまとめている。Appendixを閲覧すると循環器系有害事象のほとんどは高血圧であった。 本研究デザインは、フランスの73病院において、18~75歳の切除不能悪性胸膜中皮腫、化学療法未治療、Eastern Cooperative Oncology Group PSスコア0~2、重大な心血管疾患の併存なし、CTで評価可能病変が少なくとも1つあり、余命12週超の症例が対象である。除外基準は、脳転移、抗血小板薬使用中、ビタミンK拮抗薬・ヘパリン・非ステロイド性抗炎症薬の投与中などであった。被験者は、ペメトレキセド+シスプラチン+ベバシズマブ投与のPCB群、またはベバシズマブの代わりにプラセボを投与するPC群に無作為に割り付け、3週間に1回を最大6サイクル、病勢進行または毒性効果が認められるまで投与した。主要アウトカムはOSである。 計448例が無作為化され、PCB群223例、PC群225例、男性75%、年齢中央値65.7歳、上皮型中皮腫81%であった。6サイクルを完遂したのは、PCB群74.9%、PC群76.0%。フォローアップ中央値は39.4ヵ月で両群に差はなかった。 主要アウトカムであるOS中央値は、PC群(16.1ヵ月、95%信頼区間[CI]:14.0~17.9)と比べPCB群(18.8ヵ月、15.9~22.6)で有意に延長した(ハザード比[HR]:0.77、95%CI:0.62~0.95、p=0.0167)。なお、PFS(無増悪生存)もPCB群で有意な改善が認められた(9.2ヵ月 vs.7.3ヵ月、HR:0.61、95%CI:0.50~0.71、p<0.0001)。 Grade3/4の有害事象は、PCB群158/222例(71%)、PC群139/224例(62%)であった。PC群と比べてPCB群では、Grade3以上の高血圧症(51/222例[23%] vs.0例)、血栓イベント(13/222例[6%]vs. 2/224例[1%])の頻度が高かった。 これまで進行性悪性中皮腫へのペメトレキセド+カルボプラチン療法効果は、OS中央値は約12ヵ月、無増悪生存(PFS)中央値は約6ヵ月、とされていた。抗血管新生治療の上乗せ効果は期待できそうだが、それでも5年生存率は20%弱であり、さらなる検討が望まれる。また、血清VEGF値により治療効果に差が生じる可能性も示唆されており、今後、中皮腫のバイオマーカーとして活用していくことも考慮される。 悪性胸膜中皮腫の臨床試験は、現在本邦で4試験が実施されている。免疫チェックポイント阻害薬トレメリムマブ、がん抑制遺伝子アデノウイルスベクター、シスプラチン+ペメトレキセド+Napabucasin、アネツマブ・ラブタンシン、の第I、II相試験であり、どのような結果が得られるのか注視していきたい。なお、胸膜腫瘍WHO分類は2015年に改訂され、Journal of thoracic oncology誌2016年2月号(オンライン版2015年12月22日号)1)で発表されている。

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