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小児へのファイザー製ワクチン、オミクロン株でも重症化に有効/NEJM

 BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株に関連した入院リスクを、5~11歳の小児で約3分の2に低減することが示された。12~18歳の青少年では、2回接種の入院に対する保護効果は、デルタ変異株よりもオミクロン変異株で低下したが、いずれの変異株についてもワクチン接種による重症化を予防する効果が認められたという。米国疾病予防管理センター(CDC)のAshley M. Price氏らによる診断陰性症例対照試験の結果で、NEJM誌オンライン版2022年3月30日号で発表された。5~11歳、12~18歳のCOVID-19入院・重症化に対するワクチン有効性を推定 研究グループは、診断陰性デザインによる症例対照試験で、検査で確定した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院および重症化(生命維持装置使用や死亡に結び付くなど)へのワクチンの有効性を評価した。 2021年7月1日~2022年2月17日にかけて、米国23州・31ヵ所の病院で、COVID-19患者とその対照(非COVID-19患者)を登録。COVID-19患者と対照における、ワクチン完全接種群(mRNAワクチンBNT162b2を2回接種から2週間以上経過)と非接種群のオッズ比を比較し、ワクチン有効性を推定した。オッズ比比較は、12~18歳の患者でワクチン接種からの経過期間別に、また5~11歳と12~18歳の患者ではデルタ変異株流行期間(2021年7月1日~12月18日)とオミクロン変異株流行期間(2021年12月19日~2022年2月17日)それぞれについて行った。デルタ変異株流行期、12~18歳の入院に対するワクチン有効性は92~93% COVID-19患者群1,185例(1.043例[83%]がワクチン未接種、生命維持装置使用291例[25%]、死亡14例)、対照群1,627例が試験に登録された。 デルタ変異株流行期間中、12~18歳のCOVID-19入院に対するBNT162b2ワクチン有効性は、ワクチン接種後2~22週間で93%(95%信頼区間[CI]:89~95)、23~44週間で92%(80~97)だった。 オミクロン変異株流行期間中、12~18歳(ワクチン接種からの経過日数中央値:162日)のCOVID-19入院に対するワクチン有効性は40%(95%CI:9~60)、重症化に対しては79%(51~91)であり、非重症化に対しては20%(-25~45)だった。 オミクロン変異株流行期間中の5~11歳のCOVID-19入院に対するワクチン有効性は、68%(95%CI:42~82、ワクチン接種からの経過日数中央値:34日)だった。

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3回目接種後の心筋炎、若年者での発生状況とその転帰/JAMA

 とくに若い男性で、ごく稀ではあるもののmRNAワクチン接種後の心筋炎の発生が報告されている。1回目よりも2回目接種後に多い傾向が報告されているが、3回目接種後の発生率についてのデータは十分でない。イスラエル国防軍医療部隊のLimor Friedensohn氏らは、同軍の新兵における3 回目のワクチン接種と心筋炎リスクとの関連について、解析結果を報告。JAMA誌オンライン版2022年3月17日号にリサーチレターとして掲載された。 2021年8月15日、イスラエル国防軍(IDF)は、ファイザー社のBNT162b2ワクチンによる3回目接種を開始した。本研究では、2021年9月30日までにBNT162b2の3回目接種を受け、2021年10月14日までに心筋炎と診断されたすべての軍人を対象としている。心筋炎が疑われる症例はすべて病院に紹介され、診断は、臨床検査、心電図、心エコー、心臓MRI所見に基づき行われた。すべての診断は、独立した心臓専門医によって再確認されている。集計データをもとに、ワクチン接種後1週間と2週間における心筋炎発症率を算出した。 主な結果は以下の通り。・12万6,029人のIDF隊員がBNT162b2ワクチンによる3回目接種を受けた。・男性の79%、女性の90%が18~24歳だった。・追跡期間中、9例(すべて若い男性)が心筋炎と診断された。1例はCOVID-19後に発生したため除外され、残りの8例は診断時のRT-PCR検査で陰性だった。・4例は接種後1週間以内に、3例は接種後8~10日目、1例は接種後2週間以上経ってから症状が出た(解析からは除外)。・全例で不整脈やうっ血性心不全の兆候はなく、軽症だった。また退院時に心臓に損傷が残っていないことも確認された。・3回目のワクチン接種後1週間および2週間における心筋炎の発生率は、それぞれ10万回接種当たり3.17(95%CI:0.64~6.28)および5.55(95%CI:1.44~9.67)だった。・心筋炎の症例はすべて若い男性(18~24歳)であったため、この特定の集団に対する発生率をみると、3回目のワクチン接種後1週間および2週間における心筋炎の発生率は、それぞれ10万回接種当たり6.43(95%CI:0.13~12.73)、11.25(95%CI:2.92~19.59) と推定された。 本研究における心筋炎発生率は、同様のイスラエル軍集団における2回目のワクチン接種後1週間に観察された発生率(10万回接種当たり5.07)よりも低かった。一方で18~24歳の男性における心筋炎発生率は、フォローアップ期間や心筋炎の定義が異なるため単純な比較には注意が必要なものの、米国の男性集団で観察された値(10万回接種当たり5.243)よりも高かった。 著者らは、本研究の限界として心筋炎と診断された症例数が少ないこと、主に若い男性が多い集団を対象としていることを挙げたうえで、3回目接種後の心筋炎リスクは2回目接種後と比較して低い可能性が示唆されたとし、この理由については今後の研究が必要としている。

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オミクロン株への感染で他の変異株への感染を防げるか/NEJM

 新型コロナウイルスにおけるオミクロン株感染後の中和抗体プロファイルについては、ほとんどわかってない。オーストリア・Medical University of InnsbruckのAnnika Rossler氏らは、オミクロンBA.1株に感染した人の回復後の血清サンプルについて6つの変異株に対する中和抗体価を分析し、他の株への感染歴やワクチン接種歴別に検討した。その結果、オミクロンBA.1株にのみ感染したワクチン未接種者は、オミクロンBA.1株以外の株による感染を予防できない可能性があることが示唆された。NEJM誌オンライン版2022年3月23日号のCORRESPONDENCEに掲載。オミクロン株のみの感染後は他の株に対する中和抗体がほとんど含まれていなかった 本研究は後ろ向き研究で、BA.1株に感染しPCR検査陽性となった日の5〜42日後に血清サンプルを採取。BA.1株に感染する前に、他の新型コロナ感染歴なしのワクチン接種者(15例)、他の新型コロナ感染歴なしのワクチン未接種者(18例)、野生株またはアルファ株またはデルタ株への感染歴ありのワクチン接種者(11例)、野生株またはアルファ株またはデルタ株への感染歴ありのワクチン未接種者(15例)の4群で検討した。野生株、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、オミクロンBA.1株に対する中和抗体価を分析した。 オミクロン株感染後の中和抗体価を分析した主な結果は以下のとおり。・オミクロンBA.1株に感染したワクチン接種者と、オミクロンBA.1株感染前に野生株またはアルファ株またはデルタ株に感染歴のあるワクチン接種者またはワクチン未接種者において、すべての株に対する中和抗体価が高かった。・ワクチン接種者でのオミクロンBA.1株に対する中和抗体価の平均は、他の株に対する中和抗体価の平均より低かったが、オミクロンBA.1株感染前に野生株またはアルファ株またはデルタ株への感染歴のあるワクチン未接種者での他の株に対する中和抗体価の平均と同等だった。・オミクロンBA.1株感染前に新型コロナ感染歴のないワクチン未接種者から得られた血清サンプルでは、大部分がオミクロンBA.1株に対する中和抗体で、他の株に対する中和抗体はほとんど含まれていなかった。 著者らは、「本研究にはサンプル数の少なさ、後ろ向き研究といった限界はあるが、オミクロンBA.1株が強力に免疫を回避し、他の株との交差反応性がほとんどないという仮説を支持している。したがって、ワクチン未接種で、以前の株の感染歴がなくオミクロンBA.1株にのみ感染した人は、オミクロンBA.1株以外の株による感染を十分に予防できない可能性があり、完全に予防するにはワクチン接種が必要」と考察している。

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第102回 オミクロン再増加を救う手立ては…某ワクチン承認をFDAより先行すること!?

年初から始まったオミクロン株による新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染者急増、通称・第6波。全国各地に発出されていた新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」は、3月21日をもって最後まで残っていた18都道府県でも解除された。しかし、何とも嫌なことに翌日の22日から新規陽性者数はジリジリと増加傾向となって約10日が経過している。また、日ごとに報告されている死者数は二桁後半で、感染時に重症化しやすいと言われたデルタ株による第5波時よりも多いという現実も重なっている。オミクロン株に対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの効果は、重症化予防効果も含め対デルタ株に比べて低下傾向にあるとはいえ、今でも主要な対抗手段の一つであることには変わりはない。最新の3回目接種完了率は3月29日現在、全人口の39.8%、65歳以上の高齢者では80.7%となっている。高齢者ではかなり進展してきたものの、全人口で見るとやや心もとない。ほかのワクチンに比べ、発熱など患者が自覚できる副反応の頻度が高いことが3回目接種完了率の伸びに影響している可能性は少なくなさそうだ。また、この副反応問題とmRNAワクチンがまったくの新規技術ワクチンであることが相まって、小児対象の接種開始とともにワクチンに否定的な運動も活発化している。各地の医療機関には無差別に小児への接種を止めるよう求める文書が届いているという。そしてSNS上などを眺めていると、3回目接種もまだ進展中の環境で、4回目接種の議論が出てきたことで、これまでそれほど新型コロナワクチンに否定的ではなかった層からも懐疑的な意見が目立つようになった。この件はとくにイスラエルから発表された4回目接種の結果から、こと感染予防効果に関して言えば、ほとんど期待できないことが明らかになったことが拍車をかけているようにも見える。その意味では今のmRNAワクチンを軸とした対策もターニングポイントに差し掛かっているともいえそうだ。そうした中で私個人が気になっているのは、国内では昨年12月に製造承認申請が行われた米・ノババックス社の組み換えタンパクワクチンの導入だ。米を中心に約3万人を対象に行った臨床試験では、発症予防効果が90.4%、重症化予防効果が100%と良好な成績が示されている。また、最近では英国で約1万5,000人を対象に実施した第III相試験の長期データから、2回接種完了から6ヵ月後の無症候も含む感染予防効果が82.5%であることも示されている。ちなみにこの半年後の長期効果は評価期間が2020年11月~2021年5月で、現在主流のオミクロン株での効果は不明であるため、同社はすでにオミクロン株用ワクチンの開発にも着手している。そして何よりもこのワクチンの注目点は現在判明している有害事象が、mRNAワクチンよりは軽度と言えそうなことだ。主な副反応は頭痛、接種部位(筋肉)疼痛、倦怠感など。2回目接種の同ワクチンは、やはり2回目のほうが副反応頻度は高くなるが、その場合でも前述の主要な有害事象の発現率は40%前後。発熱に至っては数%である。また、このワクチンは冷蔵保存が可能である。超低温冷凍庫による保管が必要で、温度変化に弱いmRNAワクチンと比べれば扱いやすさは比較にならないだろう。また、ノババックス社は日本国内で武田薬品と提携し、同社の山口県光市の工場で生産されるため、安定供給に対する不安もかなり解消される。さらにmRNAワクチンを嫌う人たちが組み換えタンパクワクチンだから受け入れるという単純なことにはならないだろうが、それでもmRNAワクチンの接種を迷っている動揺層や自分自身は接種しながら子供に関しては様子見という大人には、ある程度考慮しうる選択肢になるだろうと個人的には想像している。少なくともすでに使われている技術を応用したワクチンという点でも安心感を提供できる側面もある。これまでの経緯からすると、ノババックス社ワクチンに関して厚生労働省はアメリカでの緊急使用許可の承認を待ってからの承認を狙っているのかもしれない。もっともすでに日本と医薬品承認のレギュレーションレベルにほとんど差がないEUや韓国で承認されていることを考えれば、日本はこの点ではそろそろ一歩前進しても良いのではないか。前回言及した塩野義製薬の3CLプロテアーゼ阻害薬に対して条件付き早期承認を与えることと比べれば、ノババックス社ワクチンを承認することは科学的合理性も含め、ほとんど問題ないだろうと、個人的には考えている。

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医療従事者への4回目接種、その効果は?/NEJM

 イスラエルの医療従事者を対象に、3回目接種から4ヵ月後にファイザー製およびモデルナ製の新型コロナワクチンを投与した結果、4回目接種後の中和抗体価は投与前の9~10倍に増加した。一方で3回目接種後のピーク反応との比較から、著者らはmRNAワクチンの免疫原性は3回の接種で最大となる可能性が示唆されたとしている。イスラエル・Sheba Medical CenterのGili Regev-Yochay氏らによる非盲検非無作為化臨床試験の結果が、NEJM誌オンライン版2022年3月16日号のCORRESPONDENCEに掲載された。医療従事者への4回目接種による効果、感染予防より発症予防のほうがより高い Sheba HCW COVID-19コホートに登録された適格な医療従事者1,250人のうち、154人が3回目接種から4ヵ月後にBNT162b2(ファイザー製)の4回目の投与を受け、その1週間後に120人がmRNA-1273(モデルナ製)を投与された。それぞれの参加者について、残りの参加者の中から年齢をマッチさせた2人の対照者が選定された。 研究期間はBNT162b2投与群が2021年12月27日~2022年1月30日、mRNA-1273投与群が2022年1月5日~2022年1月30日。同期間は感染率が極めて高く、毎週PCR検査による綿密なアクティブサーベイランスが行われていたため、ポアソン回帰モデルによりワクチンの有効性も評価された。期間中分離された株の100%がオミクロン株であった。 医療従事者への4回目接種の効果を研究した主な結果は以下のとおり。・BNT162b2投与群の平均年齢は59.0(30~85)歳、mRNA-1273投与群の平均年齢は55.1(29~87)歳だった。・医療従事者への4回目接種後、どちらのmRNAワクチンもSARS-CoV-2受容体結合ドメインに対するIgG抗体を誘導し、中和抗体価が上昇した。・4回目接種後の各測定値は9~10倍に増加し、3回目の投与後に達成された抗体価よりもわずかに高くなり、2つのワクチン間に有意差はなかった。・両ワクチンとも、オミクロン株およびその他のウイルス株(デルタ株、野生株)に対する中和能が約10倍に増加し、3回目の投与後の反応と同様であった。・4回目接種後、多くの接種者で軽度の全身および局所症状が報告されたものの、実質的な有害事象の報告はなかった。・試験期間中、対照群では25.0%がオミクロン株に感染していたのに対し、4回目接種のBNT162b2群では18.3%、mRNA-1273群では20.7%だった。・SARS-CoV-2感染に対する4回目接種によるワクチン有効性は、BNT162b2では30%(95%信頼区間[CI]:-9~55)、mRNA-1273では11%(95%CI:-43~44)だった。・感染した医療従事者の多くは、対照群、介入群ともに、ごく軽度の症状を訴えた。しかし多くは、比較的高いウイルス量(Ct値≤25)を有していた。・また、4回目接種によるワクチンの効果は発症予防効果のほうがより高いと推定された(BNT162b2群で43%、mRNA-1273群で31%)。 著者らは、本データは4回目のmRNAワクチン接種が、免疫原性、安全性、およびある程度の有効性(主に症候性疾患に対して)を有することを示すとした一方、4回目接種による初期反応と3回目接種によるピーク反応を比較したところ、体液性反応やオミクロン特異的中和抗体のレベルには大きな違いは見られなかった。 これらの結果から、mRNAワクチンの免疫原性は3回の接種で最大になり、4回目の接種で抗体レベルが回復する可能性が示唆されたとし、医療従事者の感染に対するワクチン有効性は低く、ウイルス量が比較的多いことから、感染者が感染能を有することがわかった。高齢者や脆弱な集団に対する評価は行われていないが、健康な若い医療従事者への4回目のワクチン接種は、わずかな利益しか得られない可能性があるとしている。

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J&J製ワクチン、第III相試験で重症化・死亡に対する有効性確認/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のAd26.COV2.Sワクチン(Johnson & Johnson製)単回接種は、ベータ変異株およびデルタ変異株のいずれにおいても重症COVID-19およびワクチン接種後のCOVID-19関連死に対して有効であることが認められた。南アフリカ共和国・Desmond Tutu HIV CentreのLinda-Gail Bekker氏らが、医療従事者を対象とした単群非盲検第IIIB相試験「Sisonke試験」の結果を報告した。Lancet誌2022年3月19日号掲載の報告。南アフリカ共和国の医療従事者約48万人で検証 研究グループは、南アフリカ共和国の18歳以上の医療従事者を全国のワクチン接種会場122施設のいずれかに招待し、Ad26.COV2.Sワクチン(ウイルス粒子量5×1010)単回接種を実施した。ワクチンの有効性を評価するため、2つの大規模な医療保険組織またはマネジドケア組織(Discovery Healthが管理する医療制度[A]と、Government Employees Medical SchemeおよびMedSchemeが管理する医療制度[B])の個人データを用い、ワクチン接種済みの医療従事者を一般集団のワクチン未接種者とマッチングさせた。 主要評価項目は、一般集団と比較した重症COVID-19(COVID-19関連の入院、救命救急または集中治療を必要とする入院、死亡と定義)に対するワクチンの有効性で、ワクチン接種またはマッチングから28日以降のデータカットオフ日まで評価した。 2021年2月17日~5月17日の期間に、医療従事者47万7,102例が登録されワクチン接種を受けた。女性が35万7,401例(74.9%)、男性が11万9,701例(25.1%)、年齢中央値42歳(IQR:33.0~51.0)であった。このうちワクチン接種者21万5,813例を、ワクチン未接種者21万5,813例とマッチングし分析した。COVID-19関連死の予防効果は83%、COVID-19関連入院の予防効果は67% データカットオフ日(2021年7月17日)時点で、マッチングされた全コホートにおけるワクチンの有効性は、COVID-19関連死の予防が83%(95%信頼区間[CI]:75~89)、救命救急または集中治療を必要とするCOVID-19関連入院の予防が75%(69~82)、COVID-19関連入院の予防が67%(62~71)であった。 3つの評価項目に対するワクチンの有効性は、A制度とB制度で一貫していた。また、ワクチンの有効性は、高齢の医療従事者やHIV感染症を含む併存疾患を有する医療従事者においても維持されていた。 本試験の期間中にベータ変異株(B.1.351)、その後、デルタ変異株(B.1.617.2)が流行したが、ワクチンの有効性は一貫しており、全コホートのCOVID-19関連入院に対する有効性はベータ変異株流行中で62%(95%CI:42~76)、デルタ変異株流行中で67%(62~71)、COVID-19関連死に対する有効性は、ベータ変異株流行中で86%(57~100)、デルタ変異株流行中で82%(74~89)であった。

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米国でのオミクロン、デルタ、アルファ株におけるCOVID-19の臨床的重症度とmRNAワクチンの有効性の違い(解説:寺田教彦氏)

 2019年末より新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症は世界的に拡大し、2022年3月現在でも、流行は続いている。この間に、新型コロナウイルスの特徴も判明し、ワクチン開発、治療方法の整備も進んだが、新型コロナウイルスも変異を繰り返し、流行の終息はまだ見えていない。 本研究は、2021年3月11日から2022年1月14日までに米国21病院が参加した前向き研究で、mRNA COVID-19ワクチンのアルファ変異株、デルタ変異株、オミクロン変異株に対するCOVID-19関連入院の予防効果、COVID-19関連入院患者における変異株ごとの重症化率、死亡率について検討され、BMJ誌2022年3月9日号で報告された。 本研究以前より知られている事実として、mRNAワクチンの2回接種はアルファ株やデルタ株による入院予防に非常に効果的だったこと、ワクチンの有効性を長期的に維持するために2021年8月以降mRNA COVID-19ワクチンの3回目接種が認可されていたことがある。ちなみに2021年8月は、世界的にはデルタ株が臨床的な問題となっていた期間であり、本研究でも同時期はデルタ株の流行時期として取り扱われている。 本研究における新規知見は3点挙げられている。1点目は、mRNAワクチン2回接種に伴うCOVID-19関連入院の予防効果は、アルファ株やデルタ株よりもオミクロン株のほうが低い(それぞれアルファ株:85%、デルタ株:85%、オミクロン株:65%)が、オミクロン株に対しても3回目のワクチン接種を行うことで、アルファ株やデルタ株に対する2回接種と同様の有効性(86%)を達成すること。2点目は、COVID-19関連入院患者の重症度はオミクロン株のほうがデルタ株よりも低いこと。3点目は、オミクロン株でも15%の患者に侵襲的人工呼吸器管理が必要となり、7%の患者が死亡したことである。それぞれについて本邦の新型コロナウイルス感染症診療と照らし合わせて考察する。 現在、日本でもオミクロン株の流行が続いており、3回目のワクチン接種が行われている。今回の研究結果は、3回目のワクチン接種により、2021年12月26日から2022年1月14日の間におけるオミクロン株感染による入院予防効果が高かったことが示されている。本邦でも、オミクロン株の流行が続いており、米国よりもワクチン接種が遅れて開始したことを考えると、本邦での3回目のワクチン未接種者に対してワクチン接種を支持する根拠となるだろう。さて、本論文では、オミクロン株でも3回ワクチンを接種することで、他の株と同様の予防効果が期待されるとしているが、単純に株の問題のみに結び付けてよいかは疑問が残る。米国で、3回目のワクチン接種(ブースター接種)が開始された時期は、米国ではまだデルタ株が流行しており、当時の時点でもデルタ株に対してワクチン効果が落ちはじめていることが指摘されていた。実際に本論文でも、Fig.2において、2回目ワクチン接種後150日以内の患者のほうが、150日以降の患者よりも入院予防効果は高かった。オミクロン株の流行時期は2回のみのワクチン接種者の場合には、ワクチン接種後すでに時間が経過していたために効果が下がっていた可能性も考えられる。そのため、単純に株の種類とワクチン接種の回数問題のみでワクチンの予防効果は結論付けられないかもしれない。ブースター接種に関しては、本邦でも4回目のワクチン接種の是非について検討されている。2022年3月末までに報告されているデータでは、オミクロン株に対して4回目のワクチン接種では抗体獲得効果が不十分である可能性を示唆するイスラエルからの報告がある。ただし、ワクチンの4回目接種の是非を判断する十分なデータではないため、今後のデータを待つ必要があるだろう。 2点目の、オミクロン株がデルタ株よりは重症度が低いことに関しては、本邦での診療経験やこれまでの過去の論文報告とも合致するだろう。 最後に、オミクロン株でも重症化率や死亡率がいまだに高いことが本研究で指摘された。筆者も本邦の医療機関で新型コロナウイルス感染症治療に従事しているが、オミクロン株による入院患者の死亡率が7%という本研究の死亡率はやや高い印象がある。本研究は、米国21施設の入院患者を対象としており、米国で新型コロナウイルス感染症に罹患した患者全体を対象としたわけではない。本邦の新型コロナウイルス感染症患者の入院閾値が米国よりも低いために、本研究の重症化率や死亡率を高く感じるのかもしれない。とはいえ、米国の医療機関でオミクロン株による重症化率や死亡率が比較的高いことは事実であり、新型コロナウイルス感染症はいまだ軽視するわけにはいかないことを再認識させられる。 本研究を通して、米国で流行した新型コロナウイルスの各株の特徴やそれぞれの株に対するワクチンの効果を確認することができた。本邦を含め世界的にはオミクロン株の流行が続いており、今後は4回目のワクチン接種の効果や副反応の知見を基にブースター接種の是非を判断していくとともに、新型コロナウイルス流行の抑制に役立つ薬剤等を含めた技術開発を期待したい。

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第102回 反ワクチン派の陰謀?接種協力医療機関への訴訟示唆する不可解現象

国内のコロナワクチン3回目接種率は、3月中旬で3割を超え、主要7カ国(G7)の最下位から何とか脱した。ただ、接種率が一定を超えると伸び悩む「7割の壁」が課題となり、依然ワクチンへの疑念や拒絶感を抱く人たちは少なくないようだ。ワクチン反対やノーマスクを訴えるデモを時折見かけるが、最近では接種に協力する医療機関に対し訴訟をちらつかせる悪質なビラが投函されている。筆者が住む自治体でも、ワクチン接種を行っている複数の医療機関に対し、訴訟を示唆するビラが投げ込まれていたようだ。中には、接種を行っていないクリニックにまで投函されており、当該の院長は困惑している。院長がワクチン接種をやめる決断をした経緯「反ワクチン運動」と言っても、欧米と日本では動機が異なる。欧米ではワクチン接種義務への反発から起きているが、日本の場合は陰謀論的な言説に惑わされている人が多いようだ。ただ、コロナワクチンを巡るさまざまな影響が明らかになりつつある中、一部の医療従事者でもワクチンへの疑念が生じているようだ。たとえば前述の院長の場合、訪問診療先の老人ホームにおいて、昨年、入居者にコロナワクチンを接種したところ、その翌日から1ヵ月以内に複数人が死亡したという。施設長は死因を「老衰」と遺族に説明したが、院長はワクチン接種との因果関係を疑っている。このようなこともあり、院長は自院でのワクチン接種を実施していない。ちなみに、ワクチン接種後の死亡として報告された事例は、今年1月下旬時点で1,400件を超えるが、厚労省は「ワクチン接種との因果関係があると結論付けられた事例はない」としている。別の医療従事者に「コロナワクチン接種後に体内で生成されるスパイク蛋白が卵巣に溜まり、長期的に不妊症を引き起こす可能性が欧米で明らかになってきている」と懸念する人もいたが、すでにさまざまな研究で、「ワクチンによる不妊」といった情報は科学的根拠がないことが立証されている。しかしながら、大量の医療情報が絶え間なく流布する中、医療従事者であっても、情報の正確さを判断するのがより難しい状況になっているといえるだろう。打たない人の理由も聞いてみた。ある会社経営者の場合、知人2人(50代と70代)が昨年、ワクチン接種直後に相次いでくも膜下出血で倒れたからだという。幸い2人とも家族に早期発見され、処置を受けたため、重い後遺症は残らなかった。会社経営者は、ワクチンの副反応によるものではないかと考えているようだ。人は時として、科学的根拠のある情報を理解しながらも、個人的な経験を無意識に優先して判断することが往々にしてあるものだ。さらに昨今では、SNSの普及によって、自分と同じ傾向の意見を見聞きし続けることで、自らの意見が増幅・強化される「エコーチェンバー現象」という言葉が話題になっているが、こうした状況も偏った思考や行動への傾倒を助長しているのかもしれない。頻繁なワクチン接種が人体の免疫に悪影響を及ぼす懸念政府は今夏にも4回目接種を行う検討に入ったが、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は1月、コロナワクチンの追加接種を短い間隔で繰り返すことに懸念を表明、頻繁なワクチン接種が人体の免疫に悪影響を及ぼす可能性も指摘した。コロナ感染の後遺症は少しずつわかってきたが、コロナワクチン接種の重篤な副反応や後遺症はあまりわかっていない。政府は、国民の接種に対する疑問や不安に対して、新たな研究成果や海外の事例などに基づいて回答していくべきではないだろうか。ワクチンだけなく国や医療従事者に対する疑問も前出の会社経営者は「イスラエルや韓国などワクチン接種率の高い国々で感染爆発が起き、ワクチン接種効果が疑問視される中、ワクチンパスポートの廃止や規制解除が行われている。このような状況下、接種ありきの国のやり方に対し疑問を持つ人は少なくないのでは」と述べる。それが医療機関訴訟という行動となって表れているというのである。個々人の信条を裁判で白黒付けようという行動は、不可解で突飛としか言いようがないが、ワクチンを接種する側・される側に芽生えている不安は、納得のいく丁寧な説明でしか払拭できないのではないだろうか。

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ファイザー製ワクチン3回目、第III相試験で有効率95%/NEJM

 BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回目接種から中央値で10.8ヵ月後に行われた3回目接種は、プラセボ接種(BNT162b2ワクチン2回接種)と比べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する有効率が95.3%であった。ブラジル・オズワルドクルス財団のEdson D. Moreira氏らが、米国、南アフリカ共和国、ブラジルの123施設で実施した無作為化プラセボ対照第III相試験「C4591031試験」の結果を報告した。積極的なBNT162b2ワクチンの接種は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19パンデミック下での重要な予防手段となりうる。ワクチンの2回目接種から6ヵ月後には液性免疫が低下するという報告を踏まえ、16歳以上への3回目(ブースター)接種の安全性と有効性に関するデータが必要とされていた。Lancet誌オンライン版2022年3月23日号掲載の報告。2回接種済みの約1万人を、3回目接種群とプラセボ群に無作為化 研究グループは、2021年7月1日~8月10日に、BNT162b2ワクチン30μgの2回目接種を6ヵ月以上前に完了している参加者1万136例を、BNT162b2ワクチン3回目接種群(5,088例)またはプラセボ接種群(5,048例)に無作為に割り付けた。 安全性の主要評価項目は、接種1ヵ月後までの有害事象および接種6ヵ月後までの重篤な有害事象。有効性の主要評価項目は、接種後7日目までのCOVID-19発症とした。新たな安全性シグナルなし、心筋炎や心膜炎の症例は報告されず ワクチン3回目接種を受けた参加者は5,081例、プラセボ接種を受けた参加者は5,044例であった。ワクチン2回目接種から3回目接種までの期間中央値はワクチン群10.8ヵ月、プラセボ群10.7ヵ月であり、追跡期間中央値は2.5ヵ月であった。 ワクチン3回目接種による局所および全身の反応原性イベントは概して低グレードであり、新たな安全性シグナルは確認されず、心筋炎や心膜炎の症例は報告されなかった。接種後1ヵ月以内の有害事象の発現率は、ワクチン群(5,055例)で25.0%、プラセボ群(5,020例)で6.5%、データカットオフ日2021年10月5日までの重篤な有害事象の発現率はそれぞれ0.3%、0.5%であった。 SARS-CoV-2感染歴がなく評価が可能であった参加者において、3回目接種後7日目までのCOVID-19発症はワクチン群で6例、プラセボ群で123例に認められ、相対的なワクチン有効率は95.3%(95%信頼区間[CI]:89.5~98.3)であった。

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抗TNFα抗体製剤治療中のIBD患者、2回目の新型コロナワクチン接種後の免疫応答が低下

 抗TNFα抗体製剤は、炎症性腸疾患(IBD)などの免疫介在性炎症性疾患の治療に頻繁に用いられる生物学的製剤の1つだ。これまで抗TNFα抗体製剤は、肺炎球菌やインフルエンザワクチン接種後の免疫応答を減弱させ、重篤な呼吸器感染症リスクを増加させることが知られていた。しかし、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチンに対するデータは不足していた。英国・Royal Devon and Exeter NHS Foundation TrustのSimeng Lin氏らは、インフリキシマブ(抗TNFα抗体製剤)またはベドリズマブ(腸管選択的抗α4β7インテグリン抗体製剤)で治療中のIBD患者において、2回目の新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体濃度やブレークスルー感染の頻度を比較した。Nature Communications誌2022年3月16日号の報告。 研究グループは、2020年9月22日~12月23日の間に、英国の92医療機関に来院したIBD患者7,226例を連続して登録した。そのうち新型コロナウイルス感染歴のないインフリキシマブ治療中の2,279例とベドリズマブ治療中の1,031例を対象とした。被験者はファイザー製BNT162b2ワクチン、アストラゼネカ製ChAdOx1 nCoV-19ワクチンのいずれかを接種し、2回目のワクチン接種から14~70日後に抗体が測定された。 主な結果は以下のとおり。・2回目のBNT162b2ワクチン接種後、インフリキシマブ治療群はベドリズマブ治療群と比べて抗SARS-CoV-2スパイク(S)受容体結合ドメイン(RBD)抗体の幾何平均濃度(SD)が低く、半減期が短かった(566.7 U/mL[6.2]vs.4,555.3 U/mL[5.4]、p<0.0001、26.8日[95%CI:26.2~27.5]vs.47.6日[45.5~49.8]、p<0.0001)。・ChAdOx1 CoV-19ワクチンでも同様に、インフリキシマブ治療群はベドリズマブ治療群と比べて抗S RBD抗体の幾何平均濃度が低く、半減期が短かった(184.7 U/mL[5.0]vs.784.0 U/mL[3.5]、p<0.0001、35.9日[34.9~36.8]vs.58.0日[55.0~61.3]、p<0.0001)。・新型コロナウイルスのブレークスルー感染は、インフリキシマブ治療群はベドリズマブ治療群と比べて頻度が高かった(5.8%[201/3,441]vs.3.9%[66/1,682]、p=0.0039)。・ワクチン接種前に新型コロナウイルス感染歴がある患者では、治療薬にかかわらず、より高く持続した抗体レベルが認められた。 著者らは「抗TNFα抗体製剤で治療中の、リスクを有する患者においては、個々に適したワクチン接種スケジュールの検討が必要な可能性がある」と述べた。

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第105回 COVID-19後の長患いの予防や治療を見つける試験が進行中

ワクチン2回接種後14日以上経ってから新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染(COVID-19)した約3,000人(3,090人)を調べたところ、感染後の長引く症状(COVID-19後遺症)の発現率はワクチン非接種感染者に比べて41%低いことが示されました1)。COVID-19後遺症、すなわちCOVID-19以外では説明がつかない4週間を超えて続く症状があったと答えた人の割合はワクチン接種済み群では9.5%、非接種群では14.6%でした。そのようなCOVID-19後の長患いを減らすワクチン以外の手段の検討も始まっています2)。Merck & Coの飲み薬molnupiravir(モルヌピラビル)がCOVID-19患者の入院を阻止したり回復を早めたりできるかどうかの検討を含む英国オックスフォード大学主催のPANORAMIC試験3)では治療後3ヵ月と6ヵ月の経過が調べられます。試験の主眼ではありませんがそれらのデータが集まれば同剤で後遺症が生じ難くなるかどうかを知ることができそうです。Pfizerの飲み薬paxlovid(パクスロビド)の試験2つでも被験者の6ヵ月間の追跡が含まれています。比較的軽症のCOVID-19患者にもっぱら使われるそれらの抗ウイルス薬の検討のみならずCOVID-19入院患者の治療の長期の効果も調べられています。世界保健機関(WHO)主催の国際試験SOLIDARITYのヘルシンキ大学担当部分がその一つで、COVID-19治療の先駆けremdesivir(レムデシビル)で治療されたCOVID-19入院患者の1年間の追跡結果がまもなく揃うと研究者は見込んでいます。SOLIDARITY試験の他の2つの治療の追跡もなされています。1つは免疫抑制を担う抗TNF薬infliximab(インフリキシマブ)、もう1つは血管の炎症を鎮めうるチロシンキナーゼ阻害剤imatinib(イマチニブ)です。退院したCOVID-19患者の長期経過を改善しうる治療を見つけることを目指す英国での大規模試験HEAL-COVID4)では心血管標的薬2つが検討されています。1つは抗凝固薬apixaban(アピキサバン)で、もう1つは血管の炎症を鎮めると考えられているコレステロール低下薬アトルバスタチン(atorvastatin)です。退院間近の患者に試験に参加するかどうかを尋ね、退院後1年間の再入院や死亡がそれら薬剤の使用で減らせるかどうかが調べられています。退院したCOVID-19患者の再入院は少なくなく、退院後半年足らずのうちに3人に1人近い29%は再入院する羽目に陥っており、およそ8人に1人(12%)は命を落としています4,5)。COVID-19患者が入院を終えた後の死亡の最も確からしい原因は心肺系への影響であろうとHEAL-COVID試験を率いるケンブリッジ大学の集中治療医Charlotte Summers氏は述べています。シカゴ大学の呼吸器医師Ayodeji Adegunsoye氏はCOVID-19で入院して酸素投与を必要とした患者の肺に感染後だいぶ経ってから瘢痕病変・線維化組織が増えうることを観察しており、そのような患者への免疫抑制剤sirolimus(シロリムス)の試験を始めています2)。線維化を促す細胞が肺に集まるのをシロリムスが防いでくれることを同氏は期待しています。参考1)Risk of Long Covid in people infected with SARS-CoV-2 after two doses of a COVID-19 vaccine: community-based, matched cohort study. medRxiv. February 24, 20222)Can drugs reduce the risk of long COVID? What scientists know so far / Nature3)PANORAMIC / UNIVERSITY OF OXFORD4)HEAL-COVID / HEAL-COVID5)Epidemiology of post-COVID syndrome following hospitalisation with coronavirus: a retrospective cohort study. medRxiv. January 15, 2021

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人口の何%が感染?コロナの“いま”に関する11の知識(2022年3月版)/厚労省

 厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月版)」を3月11日に公開した。これは、日本の新型コロナウイルス感染症の感染者数・重症化率・病原性、感染性、検査・治療、変異株について、現在の状況とこれまでに得られた科学的知見を11の知識としてとりまとめたもの。主な更新内容は以下のとおり。日本のコロナ感染率は2022年3月1日時点で全人口の約4.0%Q 日本では、どれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されていますか。2022年3月1日0時時点で499万4,387人が新型コロナウイルス感染症と診断され、全人口の約4.0%に相当する。Q 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか。2021年7~10月に新型コロナウイルス感染症と診断された人における重症化率は0.98%(50代以下0.56%、60代以上5.0%)、死亡率は0.31%(50代以下0.08%、60代以上2.5%)だった。Q 新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するのですか。2022年3月1日時点で国内で承認されている治療薬一覧、重症度別の治療薬の一覧を掲載。Q 接種の始まった新型コロナワクチンはどのようなワクチンですか。接種はどの程度進んでいますか。初回(1、2回目)接種と追加(3回目)接種における接種可能なワクチンの種類と対象者、ワクチンの効果と主な副反応、年齢階級別の接種実績(2022年2月28日公表時点)の一覧表を掲載。Q 新型コロナウイルスの変異について教えてください。現在はB.1.1.529系統のオミクロン株が日本を含む世界各地で主流であることなどを記載。上記のほか、以下の6項目についてまとめられている。Q 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化しやすいのはどんな人ですか。Q 海外と比べて、日本で新型コロナウイルス感染症と診断された人の数は多いのですか。Q 新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させる可能性がある期間はいつまでですか。Q 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、どれくらいの人が他の人に感染させていますか。Q 新型コロナウイルス感染症を拡げないためには、どのような場面に注意する必要がありますか。Q 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。※追記(2022年4月8日)本資料は4月8日に2022年4月版に更新された。4月版では、新型コロナウイルス感染症に診断されたのは2022年4月1日0時時点で653万8,890人(全人口の約5.2%に相当)となっている。

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COVID-19ワクチンの免疫性神経疾患リスクを検証/BMJ

 4種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種後には、免疫性神経疾患(Bell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎)の安全性シグナルは認められないが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染したワクチン未接種者ではBell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群のリスクが増大していることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月16日号で報告された。英国とスペインの接種者800万人以上のコホート研究 研究グループは、COVID-19ワクチン、SARS-CoV-2感染症と免疫性神経疾患の関連の評価を目的に、人口ベースのコホート研究と自己対照ケースシリーズ研究を行った(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成による)。 解析には、英国とスペインのプライマリケア診療記録のデータが用いられた。対象は、年齢18歳以上、ワクチン接種キャンペーンの開始日(英国2020年12月8日、スペイン2020年12月27日)から、データベースの利用終了日の1週間前(英国2021年5月9日、スペイン2021年6月30日)までの期間に、COVID-19ワクチンの初回接種を受け、少なくとも1回の接種を受けた集団であった。さらに、2020年9月1日以降に初めて逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法でSARS-CoV-2陽性となったワクチン未接種者と一般人口も、解析に含まれた。 主要アウトカムは、Bell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎とされた。アウトカムは、初回ワクチン接種から21日とSARS-CoV-2検査陽性から90日までの発生率、および一般人口における2017~19年の自然発生率が推定された。間接的標準化罹患比を用いて観測値と予測値の比較が行われ、自己対照ケースシリーズでは補正後罹患率比が算出された。 ChAdOx1 nCoV-19(Oxford/AstraZeneca製)接種者437万6,535例、BNT162b2(Pfizer/BioNTech製)接種者358万8,318例、mRNA-1273(Moderna製)接種者24万4,913例、Ad26.CoV.2(Janssen/Johnson & Johnson製)接種者12万731例と、SARS-CoV-2陽性ワクチン未接種者73万5,870例および一般人口1,433万80例が、解析の対象となった。横断性脊髄炎は解析不可能 ワクチンの初回接種を受けた参加者(年齢中央値の幅:英国56~64歳、スペイン51~62歳)は、一般人口(年齢中央値:英国48歳、スペイン47歳)よりも高齢で、英国のSARS-CoV-2感染者(年齢中央値:41歳)はワクチン接種者よりも若かった。また、ワクチン接種者は一般人口に比べ、併存疾患(自己免疫疾患、がん、糖尿病、肥満、心疾患、腎不全)の割合が高かった。 全体として、ワクチン接種後のBell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群の発生率は、一般人口で予測された自然発生率と一致しており、免疫性神経疾患のリスクの増大は認められなかった。また、自己対照ケースシリーズ研究は、統計学的検出力が限定的であったためBell麻痺についてのみ行われ、どのワクチンでも安全性シグナルはみられなかった。 一方、SARS-CoV-2感染者では免疫性神経疾患の発生率が予想以上に高く、標準化罹患比は、英国ではBell麻痺が1.33(95%信頼区間[CI]:1.02~1.74)、脳脊髄炎が6.89(3.82~12.44)、ギラン・バレー症候群は3.53(1.83~6.77)であり、スペインでは、それぞれ1.70(1.39~2.08)、3.75(2.33~6.02)、5.92(3.68~9.53)であった。 横断性脊髄炎はまれで(すべてのワクチン接種コホートで5件未満)、解析は不可能だった。 著者は、「これらの知見と同様に、SARS-CoV-2感染後に免疫性神経疾患のリスクが増大したとの報告がいくつかあるが、今回の結果は、どの先行研究よりもリスクが大きかった」としている。

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第94回 研修医過労自殺に1億円超の賠償命令、安全配慮義務違反/新潟地裁

<先週の動き>1.研修医過労自殺に1億円超の賠償命令、安全配慮義務違反/新潟地裁2.大津市民病院の医師大量退職問題、渦中の理事長が辞職3.塩野義コロナ内服薬、承認を前に100万人分調達で合意/厚労省4.働き方改革に向け、全病院で意見交換会の実施を/厚労省5.がん患者5万例の終末期、「苦痛少なく」は半数以下/国がん6.元日本医学会会長の高久 史麿氏が死去、91歳1.研修医過労自殺に1億円超の賠償命令、安全配慮義務違反/新潟地裁新潟市民病院の女性医師が2016年1月に過労自殺したことをめぐり、遺族が病院を運営する新潟市に損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、新潟地裁であった。裁判長は病院を運営する新潟市側に安全配慮義務違反があったとして、約1億626万円を遺族に支払う命令を下した。この裁判は、原告の遺族側が裁判所からの求めに応じて和解案を提示したが、被告の新潟市側が応じず、今回の判決となった。裁判長は「研修医の時間外労働は160時間を超えていた月もあった」として、長時間労働と研修医の自殺との間に因果関係があると認めた。(参考)研修医過労自殺、病院側に賠償命令 「労働時間の適切な把握怠る」(朝日新聞)市民病院の研修医自殺 新潟市に賠償命じる判決(NHK)新潟市に1億626万円賠償命令 市民病院の医師過労自殺訴訟(新潟日報)2.大津市民病院の医師大量退職問題、渦中の理事長が辞職今年3月以降、医師の大量退職が報道されている滋賀・大津市民病院の理事長が、大津市長に対して辞意を表明したことが明らかとなった。当病院では京都大から派遣されていた外科、消化器外科、乳腺外科の医師9人のほか、泌尿器科医・脳神経外科医もそれぞれ5人が4月以降に順次退職する意向を示しており、通院患者や市民からは不安の声が上がっている。辞意を表明した理事長による外科医への退職勧告はパワハラと申告され、内部検証では「パワハラは認められない」とされたが、外科医側は納得せず、2月に弁護士による第三者委員会が設置された。今月末までに結論が出される予定で、病院側は京都大学との信頼回復に努めたいとしている。外科・消化器外科・乳腺外科については、医師の退職に伴う影響を最小限にとどめるため、4月1日から新たに派遣される消化器外科医師4名と在籍中の医師による診療体制になることを公表した。(参考)医師の大量退職問題、市民病院理事長が市長に辞意 大津市民病院(読売新聞)パワハラ申告された理事長退任へ 医師大量退職意向の大津市民病院(産経新聞)4月以降の外科等の診療体制について(大津市民病院)3.塩野義コロナ内服薬、承認を前に100万人分調達で合意/厚労省後藤 茂之厚生労働大臣は25日、閣議後の記者会見において、塩野義製薬が開発した新型コロナに対する経口抗ウイルス薬について、承認後に100万人分を購入することについて、同社と基本合意したことを明らかにした。国内の製薬企業が開発した内服治療薬は初めて。同社は2月25日に条件付き承認制度の適用を希望する製造販売承認申請を行っている。また同日、厚労省は新型コロナワクチン4回目接種の準備について、5月から開始できるように自治体に向けて通知を発出した。4回目接種でも、従来と同様にファイザー製とモデルナ製を用いる見通し。接種対象者については、「重症化リスクが高い人などに対象を絞るべきではないか」という意見も出たが、現在のところ対象者は「3回目接種を受けたすべての住民」を想定して準備を進めるよう求めている。(参考)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の 国内供給に向けた厚生労働省との基本合意書の締結について(塩野義)厚労相“塩野義製薬のコロナ飲み薬 承認前提に100万人分購入”(NHK)ワクチン4回目 5月下旬めどに準備完了を 厚労省 自治体に通知(同)4.働き方改革に向け、全病院で意見交換会の実施を/厚労省厚労省は、23日に「第17回 医師の働き方改革の推進に関する検討会」を開催した。働き方改革では、すべての勤務医を対象とした時間外労働の上限規制が2024年4月以降に適用されるため、すべての病院に対して医師だけでなく経営者やメディカルスタッフも交えた「働き方改革に向けた意見交換」の会合開催を求めた。また、医師の時間外労働を削減するため、ガイドラインを用いて医師の労働時間短縮計画を立てるなど、各病院に対して本格的に取り組むよう求めている。一方、日本病院会や全日本病院協会などを含む四病院団体協議会(四病協)は、2024年からの規制強化で産婦人科や救急医療に影響が出るとして、当直時間を時間外労働時間(残業時間)から外せる宿日直許可の基準緩和を求めている。今後、医療現場で働き方改革を見据えたさらなるタスクシフトなどが進んでいくだろう。(参考)「働き方改革に向けた病院内の意見交換会」、すべての病院で実施してほしい―医師働き方改革推進検討会(Gem Med)宿日直許可基準、医師について緩和してほしい―四病協(同)医師労働時間短縮計画作成ガイドライン(案)(厚労省)5.がん患者5万例の終末期、「苦痛少なく」は半数以下/国がんがん患者が死亡前に「体の苦痛が少なく過ごせた」と感じていた割合は42%に過ぎないことが、国立がん研究センターによる国内最大規模の実態調査で明らかとなった。調査では、2017~18年に亡くなったがん患者の遺族を地域別に無作為に選び、19~20年にアンケートを実施。5万4,167人の遺族から回答を得た。また、29%が亡くなる前1週間に強い痛みを感じていたとする結果も公表された。遺族視点での評価ではあるが、この結果から、がん終末期の患者の苦痛を十分に和らげることができていない状況について「改善の余地がある」と専門家は意見している。(参考)がん終末期「苦痛少なく」は4割にとどまる 国がんが遺族5万人調査(朝日新聞)がん終末期3割に強い痛み 遺族調査、緩和ケアに課題(共同通信)がん患者の人生の最終段階の療養生活の実態調査結果 5万人の遺族から見た全体像を公表(国がん)6.元日本医学会会長の高久 史麿氏が死去、91歳高久 史麿元日本医学会会長が24日に死去した。25日、高久氏が会長を務める地域医療振興協会が発表。同氏は東京大学の第三内科教授、医学部長を経て、1996〜2012年まで自治医科大学の学長を務め、名誉学長となったほか、国立国際医療研究センター名誉総長、東京大名誉教授でもあった。04年には日本医学会の第6代会長に就任し、血液学の専門を生かして骨髄バンクの設立に貢献したほか、医師研修制度の見直しのための検討会など多くの公務についた。1971年に論文「血色素合成の調節、その病態生理学的意義」でベルツ賞第1位を受賞。94年に紫綬褒章、2012年には瑞宝大綬章を受章した。(参考)日本医学会 元会長 高久史麿さん死去 91歳(NHK)元日本医学会会長の高久史麿氏が死去 MRの資格制度化に尽力 直前まで認定制度改革の議論に携わる(ミクスonline)

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子供への新型コロナワクチンの説明用リーフ配布/新潟県医師会

 2022年1月より5~11歳への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの接種が承認され、接種が開始された。とくに第6波のオミクロン株は、ワクチン未接種の学童期の子供などを中心に感染拡大していることもあり、接種が急がれるところであるが、COVID-19は子供では重症化することは少なく、無症状で過ごすことも多いとされ、接種は成人ほど進んでいない。また、さまざまなワクチンの情報や考え方の流布で、接種について戸惑っている保護者や子供たちも多いという。 そこで、新潟県医師会は、新潟大学医学部小児科学教室からも協力を得て、子供に対してワクチンの接種についてどうしたらよいか、その考え方や対応の仕方について取りまとめ、5~11歳および12~15歳への新型コロナワクチン接種についての説明資料を作成し、医師会のホームページで公開した。よくあるCOVID-19やワクチンへの質問22問に回答 説明用のリーフレットは、「5~11歳の子供」と「12~15歳の子供」と2つに分けられ、それぞれ保護者向けの「子どもへのワクチンの説明リーフレット 簡略版/詳細版」と医療機関・保護者向けの「子どもへのワクチンQ&A」の3種類(全6種類)が公開されている。 リーフレットの簡略版では、ワクチン接種の回数、安全性、副反応の態様、有効性などがコンパクトに記載されている。また、Q&Aでは、よくある質問として「COVID-19感染症について」、「ワクチンについて」など22問の質問に作成時点のエビデンスを基に制作が行われている(データなどは2022年2月14日時点のもの)。 医師会では、「接種に際しては、かかりつけ医にも相談し、これらの資料についても、検討の際の参考として活用いただきたい」と期待を寄せている。

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オミクロン株へのブースター接種、効果はどのくらい持続する?

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、12歳以上のすべての人に対し、mRNAワクチン接種完了後5ヵ月以上経過してからのブースター接種を推奨しているが、オミクロン株に対するブースター接種の効果持続についてはあまりわかっていなかった。CDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2月18日号には、Jill M. Ferdinands氏からによる8施設のデータを用いたケースコントロール研究の結果が掲載されている。ブースター接種を含む3回目接種後のワクチン効果は2回目接種後よりも高い デルタ株優位とオミクロン株優位の2つの期間に、2回目または3回目のワクチン接種を受けた18歳以上の米国成人について、COVID-19救急部/緊急治療(ED/UC)受診および入院に対するワクチン効果を検討した。ワクチン効果は、ワクチン接種患者と非接種患者のSARS-CoV-2検査陽性結果のオッズを比較し、暦週と地理的地域を条件とし、年齢、地域のウイルス循環、免疫不全の状態、追加の患者の合併症、その他の患者および施設の特徴を調整したロジスティック回帰モデルで推定した。 3回接種者には、一般接種の3回目、または2回目接種後のブースター接種(少用量のモデルナ製を含む)を受けた人が含まれた。2021年8月26日~2022年1月22日に米国10州にわたる24万1,204件のED/UC受診と9万3,408件の入院例を分析した。 ED/UC受診のうち、18万5,652件(77%)がデルタ優位期間、5万5,552件(23%)がオミクロン優位期間に発生した。ED/UC受診したCOVID-19様疾患患者のうち、ワクチン未接種者は46%、2回接種者は44%、ブースター接種を含む3回接種者は10%であった.ED/UC受診前の直近のワクチン接種からの間隔の中央値は、2回接種者では214日(IQR:164~259日)、3回接種者では49日(IQR:30~73)だった。 デルタ株優位期間では、COVID-19に関連するED/UC受診に対するワクチン効果は、2回目接種後よりもブースター接種を含む3回目接種後のほうが高かったが、接種後の時間が長くなるほど減少した。ブースター接種を含む3回目接種後のワクチン効果は2ヵ月時点では97%だったが、4ヵ月目までに89%に減少した(p<0.001)。 オミクロン株優位期間では、ブースター接種を含む3回目接種後のED/UC受診に対するワクチン効果は、2ヵ月時点では87%だったが、4ヵ月目までに66%、5ヵ月以上で31%に低下した(最後の推定値は3回目の接種後5ヵ月以上の接種者のデータが29例と少なかったため不正確)。接種後の期間が長くなるにつれ、ワクチン効果は有意に減少した(p<0.001)。入院に対するワクチン効果はブースター接種を含む3回目接種後2ヵ月時点では91%だったが、4ヵ月以上経った時点では78%に減少した。 2回目・3回目接種の両方で、評価したすべての時点において、オミクロン優位期間のほうがデルタ株優位期間よりもワクチン効果が低いことが示された。両期間ともブースター接種を含む3回目接種後のワクチン効果は2回目接種後よりも高かったが、接種後の期間が長くなるにつれ低下した。 著者らは「両期間において、ワクチン効果はED/UC受診に対する予防効果よりも入院に対する予防効果のほうが高かった。COVID-19に関連した入院やED/UC受診を防ぐためには、対象者は全員、推奨されるCOVID-19の予防接種を常に最新の状態にしておく必要がある」としている。

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長崎大学が実践する、医師のキャリア支援【今日から始める「医師の働き方改革」】第9回

第9回 長崎大学が実践する、医師のキャリア支援医師のキャリア形成には、何度も「選択」のタイミングが訪れます。長崎大学病院医療教育開発センター 医師育成キャリア支援室室長であり、消化器内科の医師である松島 加代子教授に、長崎大学が行う医師のキャリア支援について聞きました。―医師のキャリア形成において、重要なことは何でしょうか。「将来を長期的かつおおらかにとらえる視点」ですね。厚生労働省の調査によると男女共に9割以上の医師が専門医の取得を希望しています。専門医取得には専攻医として3年以上の専門研修プログラムを履修し、試験に合格する必要があり、長い道のりです。多くの場合、専門医取得と結婚、妊娠・出産・育児等のライフプランも一緒に考える必要がでてきます。とはいえ、計画はあくまで計画、予期せぬことがよく起こるのが人生です。計画通りにいかないことをも愉しみ、周囲の進度に影響されないおおらかさがあれば、個性を生かしたキャリアが積めると思います。―松島先生はどうキャリアを形成してきたのですか?「なるようになる」という考えで、柔軟にやってきました。大事にしてきたのは“チームとして”いい医療を患者さんに提供すること。チームで働く上では、タイミングごとに「サポートする側」「される側」が入れ替わります。自分の意思とチームメンバーの意思を組み合わせ、上手にチームをつくることが組織で働く醍醐味ではないでしょうか。―誰もが「サポートする側」であり「される側」という考え方なのですね。そうです。育児中でも他メンバーのサポート役になったり、年次が若くても外来診療を手伝ったり、昨今ですとワクチン接種の応援に入ったりなど、チームのなかで各々が貢献できることはたくさんあります。一方的に「サポートをする側」「される側」を固定せず、「お互い様」の気持ちで働く環境をつくれるといいな、と思います。今は医局に入らない先生も多いですが、カバーし合いながら働き、大学と施設間で最新の医療知識や技術を共有するといった、地域医療を大きな診療チームで支えるという医局体制の良さを大事にしたいとも感じます。医師だけでなく他の専門職とも連携して働く、ワークシェアの感覚も大事にして欲しいと思います。―チームの一員でもあり、とはいえ自分自身のキャリアを作っていくのは自分です。理想のキャリアを実現するためにどんなことが必要でしょうか。身近に相談できる人がいると心強いと思います。医師のキャリアはライフプランとも掛け合わせると非常に幅が広いです。研修医の時代はまだ、人間関係が構築できていないことも多いので、当院では必ず相談役としてメンターを配置しています。他の人と話すことでそれぞれがどのようにキャリアをつくってきたか、参考になる部分も多いと思います。相談できるような関係性や自己開示も重要です。 〈解説〉キャリアが100%計画通りになることは少ないでしょう。とはいえ、一度計画を作ってみると、何年後にどんな状態になっていたいか、イメージが膨らみます。ある程度キャリアプランが立てば、経験すべき症例が明確になり、勉強時間の確保を行うなど、実際の行動にも移しやすくなります。もう1枚の「キャリアライフプランシート」には自分の年齢、配偶者、子ども、親の年齢を記載し、希望するキャリアを記載することで計画を可視化するツールです。小学校入学など子どもの生活が変わるタイミングにおいて、自分や配偶者が何歳で、キャリアのどんな時期かを確認できます。見本画像を拡大する記入シート画像を拡大する見過ごされがちなのが親の年齢です。70歳を超えると介護が必要になる人が急増するので、親が70歳になるのが何年後なのかをみておくと良いでしょう。介護は育児と違って急に始まり、終わりも見えないため、元気なうちに親とコミュニケーションをとり、備えることが重要です。学費や引っ越しなど、まとまってお金が必要になる時期も予想できます。このシートは、配偶者や身近な関係性の方と共有し、さらに上司や職場で開示し合う環境づくりができるとよいと思います。会話で伝えるよりも具体的でイメージが伝わりやすく、キャリアに対して真剣に考えていることも伝わります。職場内も家庭もチームで乗り切る意識が重要です。

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BA.2への中和抗体価、追加接種やBA.1感染でどのくらい上がるか/NEJM

 オミクロン株亜種BA.1とBA.2は複数の共通した変異を持つが、それぞれ固有の変異も持つ。BA.1は免疫回避性を有することが報告されているが、BA.2がワクチン接種や感染による中和抗体の誘導を回避する能力を有するかどうかはわかってない。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJingyou Yu氏らは、ワクチン接種者および既感染者におけるBA.2に対する中和抗体価を調査。NEJM誌オンライン版2022年3月16日号のCORRESPONDENCEに掲載された。 BNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer-BioNTech社)の初回(1~2回目)および追加接種済で新型コロナウイルス感染歴のない24人と、ワクチン接種歴によらず感染歴のある8人を対象に、中国・武漢で分離されたWA1/2020株、およびオミクロン株亜種BA.1およびBA.2に対する中和抗体反応を評価した。 感染者においては、感染後の中央値14日時点での中和抗体価が評価され、その診断期間中99%以上の新規感染がオミクロン株亜種BA.1によるものだった。また、ワクチン未接種者は1人のみで、5人は追加接種も完了していた。 主な結果は以下のとおり。・BNT162b2ワクチンの最初の2回の投与後、WA1/2020、BA.1、およびBA.2に対する疑似ウイルス中和抗体価の中央値はそれぞれ658、29、および24で、WA1/2020に対する中和抗体価は、BA.1とBA.2に対する抗体価のそれぞれ23倍と27倍だった。・初回シリーズのワクチン接種から6ヵ月後、WA1/2020に対する中和抗体価の中央値は129に、BA.1とBA.2に対しては20未満に低下した。・BNT162b2ワクチンの3回目投与(追加接種)の2週間後、WA1/2020、BA.1、およびBA.2に対する中和抗体価の中央値はそれぞれ6,539、1,066、776に大幅に増加し、WA1/2020に対する中和抗体価は、BA.1とBA.2に対する抗体価のそれぞれそれぞれ6.1倍と8.4倍だった。またBA.1に対する中和抗体価は、BA.2に対する抗体価と比べ1.4倍高かった。・感染者のうち7人で、WA1/2020、BA.1、およびBA.2に対する中和抗体価が検出され、中央値はそれぞれ、4,046、3,249、2,448で、BA.1に対する中和抗体価はBA.2に対する抗体価の1.3倍高かった。・中和抗体価が検出されなかった1人はワクチン接種を受けておらず、SARS-CoV-2感染の診断から4日後に血清サンプルが採取されていた。 著者らは、「これらのデータはBA.2に対する中和抗体価がBA.1に対するものと類似しており、BA.2に対する中和抗体価の中央値がBA.1に対するものより1.3〜1.4倍低いことを示している。BA.1またはBA.2に対する一貫した中和抗体価の誘導には、BNT162b2ワクチンの3回目の投与が必要だった。BA.1に感染したと思われるワクチン接種者では、BA.2に対する強力な中和抗体価が発現した。このことは交差反応性の自然免疫応答を示唆している」とした。

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コロナワクチンの有効性、AZ製vs.ロシア製vs.中国製/Lancet

 アルゼンチンにおいて使用された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する3種類のワクチンは、いずれもSARS-CoV-2感染とCOVID-19による死亡を減少させ有効であることが認められた。アルゼンチン保健省のAnalia Rearte氏らが、60歳以上を対象とした診断陰性デザイン(test-negative design)による症例対照研究の結果を報告した。アルゼンチンでは、2021年1月よりrAd26-rAd5(Sputnik製)、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)およびBBIBP-CorV(Sinopharm製)を用いたCOVID-19ワクチン接種キャンペーンが開始されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月15日号掲載の報告。2021年1月~9月に報告された60歳以上のCOVID-19疑い約128万例を解析 研究グループは、2021年1月31日~9月14日にNational Surveillance System(SNVS 2.0)に報告された60歳以上のCOVID-19疑い例を登録し、RT-PCR検査でSARS-CoV-2感染が確認された患者を症例、確認されなかった患者を対照として、3種類のCOVID-19ワクチン(rAd26-rAd5、ChAdOx1 nCoV-19、BBIBP-CorV)の有効性を評価する診断陰性デザインを用いた症例対照研究を行った。ワクチン未接種者は登録可能とし、ワクチン接種プログラム開始前に発症したCOVID-19疑い例は除外した。 SARS-CoV-2感染のオッズ比(OR)はロジスティック回帰モデルで評価し、RT-PCR検査でCOVID-19と確認された患者の死亡リスクは補正後の比例ハザード回帰モデルを用い、交絡因子(症状発現日の年齢、性別、居住地域、症状発現日の疫学週、COVID-19既往有無)を補正して評価した。また、感染および死亡の推定値を組み合わせ、COVID-19による死亡に対するワクチンの予防効果を間接的に評価した。さらに、ウイルスベクターワクチンの1回目接種の経時的な有効性も評価した。 解析対象は計128万2,928例で、そのうちrAd26-rAd5解析が68万7,167例(53.6%)、ChAdOx1 nCov-19解析が35万8,431例(27.6%)、BBIBP-CorV解析が23万7,330例(18.5%)であった。死亡への2回接種の有効率、ロシア製93.1%、AZ製93.7%、中国製85.0% 2回接種による感染予防効果は3種類のワクチンすべてで高く、補正後ORはrAd26-rAd5で0.36(95%信頼区間[CI]:0.35~0.37)、ChAdOx1 nCoV-19で0.32(0.31~0.33)、BBIBP-CorVで0.56(0.55~0.58)であった。 2回接種による死亡予防効果は、感染予防効果より高く、補正後ハザード比(HR)はrAd26-rAd5で0.19(95%CI:0.18~0.21)、ChAdOx1 nCoV-19で0.20(0.18~0.22)、BBIBP-CorVで0.27(0.25~0.29)であった。死亡に対する間接的なワクチン2回接種の有効率は、rAd26-rAd5で93.1%(95%CI:92.6~93.5)、ChAdOx1 nCoV-19で93.7%(93.2~94.3)、BBIBP-CorVで85.0%(84.0~86.0)であった。ウイルスベクターワクチンの1回目接種後の有効性は、経時的に安定していた。

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オミクロンvs.デルタ、ワクチン接種・感染歴・年齢別の入院・死亡リスク/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の重症アウトカムのリスクについて、デルタ変異株(B.1.617.2)よりもオミクロン変異株(B.1.1.529)で大幅に低く、オミクロン変異株ではより重症度の高いエンドポイント発生が大きく低下しており、年齢間のばらつきは顕著であることなどが、英国・ケンブリッジ大学のTommy Nyberg氏らによる検討で示された。オミクロン変異株は部分的なワクチンエスケープと、高い感染性が示されているが、早期の試験でデルタ変異株よりも重症化リスクは低いことが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月16日号掲載の報告。オミクロン変異株vs.デルタ変異株の通院、入院、死亡リスクを検証 研究グループは、デルタ変異株と比較したオミクロン変異株の重症度をよりよく特徴付けるために、通院受診、入院、死亡の相対リスクを評価する大規模全国コホート試験を行った。 2021年11月29日~2022年1月9日に、検査でCOVID-19と確認された英国住民の個人レベルデータを、ワクチン接種状況、通院受診、入院、死亡に関するルーチンデータベースと結び付け、感染確認後の14日以内の通院または入院リスク、もしくは28日以内の死亡の相対リスクを、比例ハザード回帰法を用いて推算し評価した。 解析は、試験日、10歳年齢群単位、民族、居住地域、ワクチン接種状況で層別化し、さらに、性別、複数の剥奪指数、以前の感染の有無、各年齢群で補正して行われた。副次解析では、変異株特異的およびワクチン特異的なワクチン効果、デルタ変異株と比較したオミクロン変異株固有の相対的重症度(ワクチン未接種例など)を推算した。オミクロン変異株の入院・死亡に、mRNAワクチンのブースターの有効性70%以上 デルタ変異株と比較したオミクロン変異株の、通院(入院不要と診断)の補正後ハザード比(HR)は0.56(95%信頼区間[CI]:0.54~0.58)で、入院は同0.41(0.39~0.43)、死亡は0.31(0.26~0.37)であった。 オミクロン変異株vs.デルタ変異株のHR推定値は、解析したすべてのエンドポイントで年齢によるばらつきが認められた。たとえば入院のHRは、10歳未満では1.10(95%CI:0.85~1.42)で、年齢が上がるに従って低下し60~69歳では0.25(0.21~0.30)だったが、それ以降の年齢群では増大し、80歳以上では0.47(0.40~0.56)であった。 両変異株について、以前の感染が、ワクチン接種群(HR:0.47[95%CI:0.32~0.68])とワクチン未接種群(0.18[0.06~0.57])の両症例において、死亡に対するある程度の保護効果をもたらしたことが認められた。一方で、以前の感染は、ワクチン接種によりもたらされる以上の入院に対する追加の保護効果をもたらしていなかった(ワクチン接種群のHR:0.96[0.88~1.04])。しかしながらワクチン未接種群では、以前の感染が中程度の保護効果をもたらしていた(HR:0.55[0.48~0.63])。 オミクロン変異株vs.デルタ変異株のHR推定値は、ワクチン未接種群症例での入院(0.30[95%CI:0.28~0.32])が、主要解析のすべての症例の対応するHR推定値よりも低かった。 mRNAワクチンによるブースター接種は、オミクロン症例の入院および死亡に対して非常に高い保護効果を示した(ブースター接種後8~11週間の入院のHR(vs.ワクチン未接種):0.22[95%CI:0.20~0.24])。ブースターは、1回目と2回目に使用されるワクチンによる影響はみられなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「観察されたリスクの根底には、ワクチン有効性の低下によって相殺された内因性重症度(ワクチン未接種者における)の大幅な低下がある。また、以前のSARS-CoV-2感染は、ワクチン未接種者の入院に対するある程度の保護効果と死亡に対する高い保護効果をもたらしたが、ワクチン接種者では死亡のエンドポイントについてのみ追加の保護効果をもたらしていた。mRNAワクチンのブースター接種は、新たに確認されたオミクロン変異株感染における入院および死亡について70%以上の有効性を維持することが示された」とまとめている。

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