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<先週の動き>1.新型コロナ後遺症、2ヵ月以上の後遺症に悩む成人の割合は1~2割/厚労省2.コロナ禍でも診療所は増加の一方、産婦人科・小児科の標榜病院は減少/厚労省3.「幸齢社会実現会議」がスタート、認知症対策の強化を目指す/内閣府4.「マイナ保険証」利用率4ヵ月連続減少、窓口負担誤表示問題も浮上/厚労省5.せき止め・去痰薬の供給逼迫、医療機関に最小限の処方を求める/厚労省6.県立5病院で医師の違法残業続出、県が働き方改革のプロジェクトチームを設置/兵庫県1.新型コロナ後遺症、2ヵ月以上の後遺症に悩む成人の割合は1~2割/厚労省厚生労働省の研究班は新型コロナウイルスの後遺症に関する最新の調査結果を公表した。「COVID-19感染者の健康と回復に関するコホート研究」は東京都品川区、大阪府八尾市、北海道札幌市の住民を対象として実施されたもの。その結果、「何らかの罹患後症状を有した」と回答した割合は成人の方が小児より2~4倍高く、成人の約1~2割が2ヵ月以上の後遺症を経験していることが明らかとなった。とくに札幌市での後遺症経験率が最も高く23.4%となった。また、ワクチン接種者は非接種者に比べて、後遺症の発症率が約25~55%低いこともわかった。今後、研究班では、これらの結果について厚労省のウェブサイトに掲載し、診療の手引きに、今回の研究の知見、就業/就学との両立の観点を踏まえた診断書の見本などを盛り込む予定。また、米国の国立保健統計センターの調査によれば、新型コロナの後遺症を経験した米国成人は6.9%、子供は1.3%で、この数字は前回の調査と比較して低下している。その一方で、後遺症に悩む患者の数は依然として多く、米国では後遺症対策に約67億円の助成金を提供すると発表している。参考1)令和4年度 COVID-19感染者の健康と回復に関するコホートの主な結果(厚労省)2)新型コロナ19万人余調査 成人1~2割「後遺症」か 厚労省研究班(NHK)3)コロナ後遺症、目を向けて 5類移行、実態把握しづらく 世界で200超の症状(毎日新聞)4)コロナ後遺症、「成人の約7%が経験」 米推計(CNN)2.コロナ禍でも診療所は増加の一方、産婦人科・小児科の標榜病院は減少/厚労省厚生労働省は、令和4年医療施設(動態)調査・病院報告を発表し、2022年10月時点で、産婦人科や産科を標榜する全国の病院の数は1,271施設と32年連続で減少していることを明らかにした。このほか、小児科を標榜する一般病院も29年連続で減少し、2,485施設であった。全国の医療施設は前年比で697施設増の18万1,093施設となっており、一般病院の数は減少している一方で、診療所の増加が目立ち、この「乱立」の問題が改善されていないことが指摘されている。コロナの影響で医療提供体制の課題が浮き彫りになった中、施設やマンパワーの集約化が重要とされているが、診療所の増加は集約化の方針に反する動きとされている。有床診療所も減少が続き、2023年6月末には施設数が5,751施設にまで減少していることがわかっている。今後、人口減少と高齢者の増加とともに、産婦人科医や小児科医の確保や医療機関の再編など、地域にとって大きな課題となるとみられる。参考1)令和4年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚労省)2)産婦人科・産科が最少更新 32年連続減、厚労省調査(東京新聞)3)病床数の多い高知県等では「多すぎる病床を埋めるために、在院日数を延伸」させていないか、検証が必要-厚労省(Gem Med)3.「幸齢社会実現会議」がスタート、認知症対策の強化を目指す/内閣府政府は9月27日、認知症対策の強化のための「認知症と向き合う『幸齢(こうれい)社会』実現会議」を首相官邸で開催した。会議には、認知症の当事者、家族、有識者が参加。政府はこの会議を通して「共生社会」の実現、治療薬の開発、社会環境の整備などの方針を議論し、年内に意見をまとめる方針。岸田文雄首相は、新たに承認されたアルツハイマー病の治療薬レカネマブ(商品名:レケンビ)を踏まえ、早期発見や治療のための医療体制構築を急ぐよう関係閣僚に指示。また、岸田首相は「安心して年を重ねることができる高齢社会作りを進める」との意向を強調した。厚生労働省のデータによれば、2025年には認知症患者は約700万人に達するとの予測があり、早急な対策が求められている。さらに、認知症の人やその家族の会の代表は、認知症を「自分事」として考える社会を求め、当事者や家族の実感を政策に反映させることの重要性を訴えた。同様に、日本認知症本人ワーキンググループの代表は、認知症の人たちが社会活動を続けられる環境を作ることの必要性を強調した。今後の認知症施策には、症状の進行を遅くする治療薬の開発、身寄りのない人のための環境整備、悩みや困りごとを共有する場の提供などが期待されている。参考1)認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議(首相官邸)2)岸田首相 アルツハイマー新薬承認を踏まえ 医療体制構築を指示(NHK)3)認知症対策で政府が「幸齢社会実現会議」 年内に意見とりまとめへ(朝日新聞)4.「マイナ保険証」利用率4ヵ月連続減少、窓口負担誤表示問題も浮上/厚労省厚生労働省は、9月29日に開催した社会保障審議会医療保険部会で、「マイナ保険証」の利用率が4ヵ月連続で減少し、8月時点で4.7%にとどまったことを明らかにした。健康保険証の廃止が2024年秋に迫る中、トラブルが続出しており、同省は危機感を募らせている。とくに、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い、医療機関での窓口での医療費自己負担割合が誤表示される事例が全国で5,695件確認された。これらは、データ入力のミスやシステム上の問題が原因とされている。厚労省は、誤表示の再発防止のため、事務処理のマニュアルの見直しやシステムの改修を進めている。また、マイナ保険証の利用が進まない理由として、情報の紐付けの誤りやトラブル、利用メリットの認知不足などが関係しているとの認識が示された。参考1)オンライン資格確認等について(厚労省)2)「マイナ保険証」の利用率は5%弱 4カ月連続減少 厚労省は危機感(朝日新聞)3)マイナ保険証、利用率が下がり続けて5%割れ…「不安が払拭されていない証左」(東京新聞)4)“医療費負担割合の誤表示 全国で5700件近く確認” 厚生労働省(NHK)5.せき止め・去痰薬の供給逼迫、医療機関に最小限の処方を求める/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルスならびにインフルエンザの感染拡大を受け、せき止め薬や痰を取り除く薬の供給が不足しているため、医療機関や薬局に対して、処方を最小限に抑え、鎮咳薬や去痰薬について過剰な発注を避けるよう9月29日に全国の自治体や医師会を通して通知を発出した。具体的には、患者への薬の処方日数を最も短くとどめること、そして、薬の入手が難しい場合には、系列店や地域間で連携し、過剰な発注を控えるよう指示されている。背景には、2020年末に始まった後発薬メーカーの不祥事や業務停止命令などが影響し、一部の薬の生産量が低下していることが挙げられる。現在、主なせき止め薬の生産量は、新型コロナ流行前と比較して約85%まで減少しており、去痰薬の供給も不安定な状態が続いている。厚労省は、状況の早急な改善は難しいとして、薬の供給不足に関する相談窓口を設けるとともに、引き続き適切な対応を求めることを強調している。参考1)鎮咳薬(咳止め)・去痰薬の在庫逼迫に伴う協力依頼(厚労省)2)せき止め薬足りない 処方「最小限に」 コロナで減産 厚労省が通知(朝日新聞)3)せき止めなど一部の薬 入手難しく“有効活用を” 厚労省が通知(NHK)4)せき止め薬・痰切り薬「必要最小限の処方を」…コロナやインフル感染拡大のたびに供給不足(読売新聞)6.県立5病院で医師の違法残業続出、県が働き方改革のプロジェクトチームを設置/兵庫県兵庫県立の5つの病院が医師に対して労使協定の上限を超える時間外労働をさせていた問題で、労働基準監督署から是正勧告を受けていることが明らかとなった。とくに、兵庫県災害医療センター(神戸市)では、2017年11月に勤務していた外科医師の残業時間が労使協定で定める月150時間を超える152時間だったことが確認された。さらに、神戸新聞社の情報公開請求により、西宮病院や尼崎総合医療センター、加古川医療センター、淡路医療センターなどの医師も労使協定を大幅に超える残業をしていたことが判明している。兵庫県では、甲南医療センターで26歳の専攻医が過労自殺した事件もあり、この問題を受け、斎藤元彦知事は医師の働き方改革に向けたプロジェクトチームを設置するよう指示。プロジェクトチームは時間外労働の要因を分析し、来年4月までに結果を取りまとめる予定である。参考1)県災害医療センター医師も違法残業 労基署の是正勧告は兵庫県立5病院に(神戸新聞)2)医師の働き方改革へ、兵庫県がプロジェクトチーム設置 県立5病院の違法残業、要因分析(同)3)県立病院医師の長時間労働 プロジェクトチームで改善策協議へ(NHK)