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喘息のモノクローナル抗体治療に新星あらわる(解説:倉原優 氏)-764

 tezepelumabという名前を聞いてもピンとこない読者も多いだろうが、これは上皮細胞由来のサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に特異的なモノクローナル抗体である。TSLPなんてほとんど耳にしたこともなかったので、何を隠そう私もピンとこなかった。 TSLPはアレルギー疾患患者の組織で高頻度に発現することがわかっている1)。もともとインターロイキン-2ファミリーに属するサイトカインで、インターロイキン-7に相同性が高いとされている。その名のとおり胸腺が産生するが、気管の上皮細胞からも産生されている。TSLPはアレルギーに限らず、外的因子、たとえば喫煙やディーゼルエンジンなどの刺激によっても誘導されることがわかっており、好酸球性炎症以外の喘息の治療ターゲットになる可能性が示されてきた2,3)。 喘息に対して保険適用があるモノクローナル抗体には、現在オマリズマブ(商品名:ゾレア)とメポリズマブ(商品名:ヌーカラ)の2つがある。それぞれ、IgE、インターロイキン-5をターゲットにしている。いずれも好酸球性炎症のカスケードを抑制するため、喘息に有効とされている。 臨床試験上の規定がそのまま製品化時に反映されたため、オマリズマブメポリズマブは、それぞれIgE値、好酸球数に応じて使用される。たいがいの喘息患者はIgEも好酸球数もそれなりに上昇しているので、両剤とも適応になることが多いのだが、やはりバイオマーカーが上昇していないと効果が期待しにくいというイメージがあると、処方の閾値が上がるのも事実である。 tezepelumabはこれまでのモノクローナル抗体と同様に、難治性の喘息に対して使用されることを想定しているが、今回の試験において患者の登録時の血中好酸球数を問わず同様の結果が得られたという点は特筆すべきであろう。 さて、実臨床でtezepelumabを使うようになるだろうか。2つの懸念がある。1つは、妥当なhead to head試験がないため、各モノクローナル抗体の比較が難しい点である。各製剤とも有効性の証明にしのぎを削っているものの、ステップ4の難治性喘息に対してプラセボより有効だったという知見の蓄積だけでは力不足かもしれない。そしてもう1つの懸念は、ご存じのとおり、薬価である。これは抗体医薬品の宿命であろう。高額療養費制度を使ってまで喘息治療をよりよくしたいと思う人が、国内にどれほど眠っているだろうか。また、公衆衛生的に費用対効果がどれほどあるだろうか。医療のアンメットニーズがマーケットニーズとマッチするかどうかはまだわからない。

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新規抗体薬、コントロール不良喘息の増悪抑制/NEJM

 長時間作用性β刺激薬(LABA)と中~高用量の吸入ステロイドによる治療歴のある喘息患者の治療において、tezepelumabはベースラインの血中好酸球数とは無関係に、臨床的に重要な喘息の増悪を抑制することが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJonathan Corren氏らが行ったPATHWAY試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年9月7日号に掲載された。胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、炎症性の刺激因子に反応して産生される上皮細胞由来のサイトカインで、2型免疫の調節において中心的な役割を担う。喘息患者は健常者に比べ、気道のTSLP発現が高度で、TSLP値は2型ヘルパーT細胞(Th2)サイトカインやケモカインの発現、および喘息の疾患重症度と相関を示す。tezepelumab(AMG 157/MEDI9929)は、TSLPに特異的に結合するヒトIgG2モノクローナル抗体で、proof-of-concept試験では軽症アトピー型喘息患者の早期型および晩期型喘息反応を防止し、吸入アレルゲン負荷後の2型炎症反応のバイオマーカーを抑制したという。3つの用量の効果をプラセボと比較 本研究は、コントロール不良の喘息患者におけるtezepelumabの有効性と安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験(MedImmune社、Amgen社の助成による)。対象は、年齢18~75歳の非喫煙者(登録時に、6ヵ月以上喫煙しておらず、喫煙歴が<10pack-years)で、登録の6ヵ月以上前にLABAと中~高用量の吸入ステロイドによる治療を行ってもコントロールが不良の喘息で、登録前12ヵ月以内に糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息の増悪を2回以上、または入院を要する重度増悪を1回以上経験した患者であった。 被験者は、3つの用量(低用量:70mg、4週ごと、中用量:210mg、4週ごと、高用量:280mg、2週ごと)のtezepelumabまたはプラセボ(2週ごと)を皮下投与する群に無作為に割り付けられ、52週の治療が行われた。盲検を維持するために、4週ごとの投与群には、中間の2週時ごとにプラセボが投与された。 主要評価項目は、52週時の喘息増悪の年間発生率(イベント件数/1患者年)とした。喘息の増悪は、糖質コルチコイドの全身投与(経口、静注)を要する喘息症状の悪化、または糖質コルチコイドの経口投与による安定期維持療法中の患者における3日以上続く用量倍増、糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息による救急診療部への入院、喘息による入院と定義した。 12ヵ国108施設で584例が登録され、低用量群に145例、中用量群に145例、高用量群に146例、プラセボ群には148例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢はtezepelumab群(436例)が51.1±12.4歳、プラセボ群は52.2±11.5歳で、男性はそれぞれ157例(36.0%)、48例(32.4%)であった。喘息増悪率が約60~70%低下 52週時の年間喘息増悪率は、プラセボ群の0.67件に比べ、tezepelumab低用量群が0.26件、中用量群が0.19件、高用量群は0.22件であり、それぞれプラセボ群よりも61%、71%、66%低下した(いずれも、p<0.001)。また、登録時の血中好酸球数を問わず、同様の結果が得られた。 52週時の気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)は、tezepelumabの3群ともプラセボ群よりも有意に高かった(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:低用量群0.12L[p=0.01]、中用量群0.11L[p=0.02]、高用量群0.15L[p=0.002])。 喘息管理質問票(ACQ-6:0~6点、点数が低いほど疾患コントロールが良好、1.5点以上でコントロール不良と判定)のスコアは、中用量群(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:−0.27点[p=0.046])および高用量群(同:−0.33点[p=0.01])がプラセボ群よりも良好であった。また、12歳以上の標準化された喘息QOL質問票(AQLQ[S]+12:1~7点、点数が高いほど喘息関連QOLが良好、臨床的に意義のある最小変化量は0.5点)のスコアは、高用量群(同:1.33点[p=0.008])がプラセボ群よりも優れた。 1つ以上の有害事象を発現した症例は、プラセボ群が62.2%、低用量群が66.2%、中用量群が64.8%、高用量群は61.6%であり、1つ以上の重篤な有害事象の発現率は、それぞれ12.2%、11.7%、9.0%、12.3%であった。有害事象による試験薬の中止は、プラセボ群の1例、中用量群の2例、高用量群の3例に認められた。 著者は、「これらの知見により、TSLPのような上流のサイトカインを標的とすることで、単一の下流経路を阻害するよりも広範に疾患活動性に影響を及ぼし、利点を得る可能性が明らかとなった」と指摘し、「臨床的な意義を示すには、最良の治療を行ってもコントロール不良な喘息患者の、民族的に多彩で大規模な集団を対象とする試験の実施が重要と考えられる」としている。

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コントロール不良の喘息にあの抗菌薬が有用?/Lancet

 中~高用量の吸入ステロイド+長時間作用型気管支拡張薬服用ではコントロール不良の喘息成人患者に対し、マクロライド系抗菌薬の経口アジスロマイシンの追加投与は、喘息増悪リスクを約4割減少し、喘息関連QOLも改善することが示された。オーストラリア・Hunter Medical Research InstituteのPeter G. Gibson氏らが、420例を対象に行った48週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、著者は「アジスロマイシンは喘息コントロールの追加療法として有用と思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月4日号掲載の報告。アジスロマイシン500mg、週3回48週間投与 研究グループは2009年6月12日~2015年1月31日にかけて、吸入ステロイドや長時間作用型気管支拡張薬の服用にもかかわらず喘息症状が認められる、18歳以上の患者420例を対象に、経口アジスロマイシンの追加で喘息増悪の頻度が減少可能かを調べる試験を行った。被験者は、聴覚障害や補正QT間隔延長が認められない場合を適格とした。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはアジスロマイシン500mgを(213例)、もう一方にはプラセボを(207例)、それぞれ週3回48週間投与した。試験を行った医療センターと喫煙歴について、層別化も行った。 主要評価項目は、48週間の中等度~重度の喘息増悪の頻度、および喘息症状関連の生活の質(QOL)で、intention-to-treatにてデータを分析・評価した。喘息増悪1回以上の発症率も減少 喘息増悪の発現頻度は、プラセボ群が1.86/人年だったのに対し、アジスロマイシン群は1.07/人年と、約4割低かった(罹患率比:0.59、95%信頼区間[CI]:0.47~0.74、p<0.0001)。 また、試験期間中に1回以上の増悪が発現した患者の割合も、アジスロマイシン群で有意に低率で、プラセボ群61%(207例中127例)だったのに対し、アジスロマイシン群は44%(213例中94例)だった(p<0.0001)。さらに、アジスロマイシン群はプラセボ群に比べ、喘息関連QOLも有意に改善し、喘息QOL質問票(AQLQ)スコアの補正後平均値格差は0.36(95%CI:0.21~0.52、p=0.001)だった。 なお、下痢の発症がプラセボ群19%に対し、アジスロマイシン群で34%と有意に高率に認められた(p=0.001)。

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重症喘息へのbenralizumab、経口ステロイドを減量/NEJM

 重症喘息患者において、抗インターロイキン-5受容体αサブユニット・モノクローナル抗体benralizumabの8週ごとの皮下投与は、年間喘息増悪率も大幅に低下し喘息コントロールを維持しながら、経口ステロイドの服用量を減少可能であることが、無作為化二重盲検並行群プラセボ対照試験の結果、示された。なお、示された効果には、1秒量(FEV1)への持続的効果は伴わなかった。カナダ・マックマスター大学のParameswaran Nair氏らによる検討で、NEJM誌2017年6月22日号(オンライン版2017年5月22日号)で発表した。benralizumabを4週ごとまたは8週ごとに皮下投与 vs.プラセボ投与 研究グループは、重症喘息患者で、中~高用量吸入ステロイド+長時間作用性β2刺激薬(LABA)を12ヵ月以上、さらに高用量吸入ステロイド+LABAを6ヵ月以上服用したことがある成人を対象に、無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に3群に分け、benralizumab(30mgを4週ごとまたは8週ごと[最初の3回は4週ごと]に皮下投与)、またはプラセボを投与し、喘息症状をコントロールしながら、経口ステロイド服用量を減少できるかどうかを比較した。 主要評価項目は、28週までの経口ステロイド用量の変化の割合。合わせて、年間喘息増悪率や、肺機能、症状、安全性の評価も行った。benralizumab群のステロイド減量のオッズ比は4倍超 試験に参加した369例のうち、220例について無作為化を行い、benralizumabまたはプラセボを投与した。 benralizumab群は4週ごと投与群、8週ごと投与群ともに、経口ステロイドの最終服用量の中央値が、ベースラインから75%減少した。一方、プラセボ群の同減少率は25%だった(p<0.001)。経口ステロイド減量に関するオッズは、benralizumab群がプラセボ群の4倍超だった(4週群:4.09、8週群:4.12、いずれもp<0.001)。 副次的評価項目について、benralizumab 4週ごと投与群の年間喘息増悪率は、プラセボ群に比べ55%低く(限界増悪率:0.83 vs. 1.83、率比:0.45、p=0.003)、benralizumab 8週ごと投与群はプラセボ群に比べ70%低かった(同:0.54 vs. 1.83、0.30、p<0.001)。 一方で、28週時点のFEV1については、benralizumabの両群ともにプラセボ群と比較して有意な効果は認められなかった。その他の喘息症状の指標に対する効果は混在しており、benralizumab群で有意な効果を示すものもあれば、示さないものもあった。 なお、有害事象の頻度は、benralizumab群とプラセボ群で同程度だった。

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だからといって在宅NIVが進むだろうか(解説:倉原 優 氏)-684

 本研究は、急性呼吸性アシドーシスから回復したもののPaCO2が53mmHgを超えるII型呼吸不全の状態で在宅療養を余儀なくされたCOPD患者さんに、在宅酸素療法だけでなく非侵襲的換気(NIV)を併用することでその後のCOPD増悪による入院や死亡を減らせるかどうか検証したものである。日本ではNIVと表記するのはまだ一般的でなく、非侵襲的陽圧換気(NPPV)と表記されることが多いが、文献に合わせて以下NIVと表記させていただく。 本研究では、ランダム化から12ヵ月後の再入院・死亡はNIV併用で有意に少ないというポジティブな結果が得られた(17.0%のリスク減少)。NIVはHarmony2あるいはVPAP III ST-Aが用いられた。大きな機器ではなく、在宅でも十分使用可能なサイズだ。最終的に、ランダム化から12ヵ月後の時点でNIVにおけるNIV使用は夜間7時間以上に及んでおり、寝ているときはほぼNIVを使用していることになる。 これを読むと、「II型呼吸不全のCOPD患者さんはNIVを併用したほうが良いのか、よし明日にでも勧めよう」と思い立つかもしれないが、事態はそんな単純ではない。そもそも在宅酸素療法ですらホイホイと導入できるものではなく、本人がいささかの抵抗感を持ちつつ、周囲の協力を得て実現できるものである。簡単に導入できると豪語できる医療従事者は、患者の社会生活を一度顧みていただきたい。どれだけ酸素療法によって経済的負担が増えるのか即答できないのなら、安易な酸素処方をすべきではない。酸素療法は、私たちがスマホのアプリをダウンロードするのとは訳が違う。ましてや、在宅NIVとなるとさらにハードルは上がる。今でこそ軽量化した機器がたくさん登場し、在宅NIVが比較的簡便になったが、それでも「自分が装着するメカ」を家に持って帰るのに抵抗がない患者さんなどいない。 この研究結果が示すリスク減少の効果は、実臨床にインパクトを与えるほど大きい。そのため、この理想の在宅酸素療法に少しでも近付けるため、われわれ医療従事者は在宅NIVが将来のリスク減少にどれほど寄与するか、患者・患者家族に効果的に説明する必要がある。そして到来する超高齢化社会のCOPD増悪に、現在与えられた治療選択肢でどう立ち向かうのか、熟考しなければならない。

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難治性EGPAにメポリズマブは有用か?/NEJM

 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)患者において、標準治療へのメポリズマブ併用はプラセボ併用と比較し、寛解維持期間が有意に長く、持続的寛解を達成した患者の割合も高く、ステロイドの使用量も減少した。ただし、メポリズマブ群においてプロトコルで定義した寛解が得られた患者は、約半数のみであった。米国・National Jewish HealthのMichael E. Wechsler氏らが、EGPA患者を対象としたメポリズマブの第III相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果を報告した。EGPAはチャーグ・ストラウス症候群として知られていた多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症で、患者の多くがステロイド治療に依存しており、再発することが多い。これまでの研究で、抗IL-5モノクローナル抗体薬であるメポリズマブは、好酸球数を減少させ、EGPA治療の効果が期待できると示唆されていた。NEJM誌2017年5月18日号掲載の報告。メポリズマブの有効性を累積寛解維持期間と寛解率で評価 研究グループは、ステロイド(プレドニゾロンまたはプレドニゾン)を含む標準治療を4週以上受けている、再燃または難治性EGPA患者136例を、標準治療にメポリズマブ(300mgを4週ごとに皮下投与)を加える群とプラセボを加える群に無作為に割り付け(各群68例)、52週間投与した。 主要評価項目は、累積寛解維持期間(0週間、>0~<12週間、12~<24週間、24~<36週間、≧36週間の各期間寛解状態にあった患者の割合)、ならびに持続的寛解達成率(36週および48週の両時点で寛解状態にあった患者の割合)。副次評価項目は、初回再発までの期間、48~52週におけるステロイドの1日平均投与量、年間再発率、安全性などであった。 寛解は、バーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS)が0、かつステロイド投与量が4.0mg/日以下(プレドニゾロンまたはプレドニゾン換算)と定義された。メポリズマブで累積寛解維持期間が長く、持続的寛解率も高い メポリズマブ群はプラセボ群と比較して有意に累積寛解維持期間が長く(24週間以上の累積寛解維持期間を達成した患者の割合:28 vs.3%、オッズ比[OR]5.91、95%信頼区間[CI]:2.68~13.03、p<0.001)、持続的寛解達成率も高値であった(32 vs.3%、OR:16.74、95%CI:3.61~77.56、p<0.001)。寛解を達成できなかった患者の割合はメポリズマブ群47%、プラセボ群81%で、年間再発率はそれぞれ1.14および2.27であった(率比:0.50、95%CI:0.36~0.70、p<0.001)。また、48~52週におけるステロイドの平均投与量が4.0mg/日以下であった患者の割合は、メポリズマブ群44%に対しプラセボ群は7%であった(OR:0.20、95%CI:0.09~0.41、p<0.001)。 安全性については、両群で有害事象の発現率に有意差はなく、メポリズマブの安全性プロファイルは先行研究と類似していた。 なお、著者は、BVASは血管炎の評価法でEGAPの標準的な評価法ではないこと、試験登録時のステロイド投与量はさまざまであったこと、すでに炎症マーカーが抑制されていた可能性があるなどを、研究の限界として挙げている。

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繰り返す肺炎、危険因子となる薬剤は?

 日本や高齢化が急速に進行する社会において、繰り返す肺炎(recurrent pneumonia:RP)は大きな臨床的問題である。全国成人肺炎研究グループ(APSG-J)は、わが国のRP発症率と潜在的な危険因子を調査するために、成人肺炎の前向き研究を実施した。その結果、RPは肺炎による疾病負荷のかなりの割合を占めることが示唆され、RPの独立した危険因子として、肺炎既往歴、慢性の肺疾患、吸入ステロイドや催眠鎮静薬の使用、緑膿菌の検出が同定された。著者らは、高齢者におけるRPの影響を減らすために薬物使用に関して注意が必要としている。BMC pulmonary medicine誌2017年1月11日号に掲載。 2012年2月1日~2013年1月31日に日本の典型的な地域病院において、前向きに15歳以上の肺炎患者の登録を行った。患者を1年間追跡し、肺炎の再発およびRPに関連する特徴を調べた。Cox比例ハザードモデルを用いて、調整ハザード比(aHR)を算出、RPに有意に関連する危険因子を調査した。 主な結果は以下のとおり。・合計841例(年齢中央値:73歳、範囲:15~101歳)が登録され、観察は計1,048人年で追跡期間中央値は475日であった。・1回以上再発した患者は137例で、発症割合は100人年当たり13.1(95%信頼区間[CI]:11.1~15.5)であった。・多変量解析により、RPの独立した危険因子として、肺炎既往歴(aHR 1.95、95%CI:1.35~2.8)、慢性の肺疾患(aHR 1.86、同:1.24~2.78)、吸入ステロイドの使用(aHR 1.78、同:1.12~2.84)、催眠鎮静薬の使用(aHR 2.06、同:1.28~3.31)が同定された。一方、アンジオテンシン変換酵素阻害薬の使用(aHR 0.22、同:0.05~0.91)はRPリスクの減少と関連していた。・緑膿菌の検出は、慢性の肺疾患による調整後も有意にRPと関連していた(aHR 2.37)。

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喘息の過剰診断・過剰治療が許されない時代へ(解説:倉原 優 氏)-636

 「喘息と診断されている患者の3人に1人が誤診だ」と言われたら、どう思うだろうか。私はまっとうに診断をしていると反論する人もいれば、なんとなく喘息だと診断しているので何も言い返せない人もいるかもしれない。すべてが誤診だとバッサリ切り捨てているわけではないが、言い方を変えたとしても「喘息と診断されている患者の3人に1人が、適切に診断された喘息を現在有していない」と結論付けたのが本研究である。 過去5年で喘息と診断された613例の成人が解析の対象になっている。彼らは喘息薬を服用していた場合、4回の通院時に薬の量を漸減されている。もし彼らが現在喘息でないのなら、症状の悪化も気道過敏性も顕在化しないということだ。つまり、喘息と診断されている患者の中から“偽性喘息”をあぶり出そうというわけだ。 喘息の存在が否定されたのは、613例の被験者のうち203例(33.1%、95%信頼区間29.4~36.8%)だった。さらに、追加12ヵ月の追跡によって、最終的に181例(29.5%、95%信頼区間25.9~33.1%)が喘息のエビデンスなしと判断された。つまり、喘息患者の約3分の1が現在喘息があるとはいえない状態だったのだ。 これは一見プライマリケアに大きな衝撃を与えるように思われるが、実は日本の喘息診療ではそう不思議なことではない。というのも、喘息診断のハードルは意外に高いためである。プライマリケアでは気道可逆性検査はおろかスパイロメトリーすら実施できず、病歴と聴診だけで診断をつけられている喘息患者が少なくない。短期的に気管支攣縮を来している例でも、喘息という診断の下、長期の吸入薬が処方されているのが現状だ。 喘息の誤診における最も重大なものは、疾患の存在を見逃し適切な治療が導入されていないことである。そういう観点からは、過剰診断・過剰治療というのは、なんとなく「仕方がないよね」という赦免の風潮が医療界にはある。しかし時代は変わりつつある。パターナリスティックな過剰診断・過剰治療はもはやevidence basedとは対極にあるトンデモ医療のように扱われることが増え、不必要な薬剤は断つべきなのだろう。 この研究は、誤診しないことが重要だということを述べたいのではない、と私は感じた。喘息と診断されてもその後再評価することで喘息の治療をやめられる患者がいるということ、それが患者の利益につながることを示唆しているのである。 プライマリケア医・呼吸器内科医にとっては、自身の喘息診療を回顧するよい機会になるかもしれない。

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START研究が喘息診療の過去の幻想を拭い去った(解説:倉原 優 氏)-625

 過去のガイドラインにおいて、吸入ステロイド薬(ICS)治療は1週間に2日を超えて症状がある喘息患者、すなわちpersistent asthmaに推奨されてきた歴史がある。それ以下の症状の喘息をintermittent asthmaと呼び、吸入短時間型β2刺激薬などでその都度発作を解除してきた。 この2日というカットオフ値がエビデンス不足のまま現行GINAガイドライン1)へ至ることとなったため、軽症の喘息患者に対するICSの適否をはっきりさせるべきだという意見が多かった。そのため、START研究の事後解析が行われた。なお、現在のGINAガイドライン1)では、頻繁ではないが喘息症状を有し発作のリスクが高い患者に対しては低用量ICSでの治療開始(step 2)を推奨している1)。日本のガイドライン2)では治療ステップ1および2のカットオフ値は、週1回と月1~2回という問診が用いられている。 START研究について解説しておくが、これは今から13年前、発症2年以内の軽症持続型喘息患者を対象に長期追跡した有名な大規模試験である。この研究は、軽症持続型喘息患者においては発症早期から低用量ICSを使うべしという道筋を立てた、喘息診療のマイルストーンともいうべき存在である。 事後解析では、喘息症状の頻度を0~1日/週(0~1日群)、1~2日/週(1~2日群)、2日超/週(2日超群)で層別化し、複合プライマリアウトカムに初回の喘息関連イベント(SARE:入院、救急受診治療、死亡)およびベースラインからの肺機能の変化(気管支拡張後)が設定された。ICSは低用量ブデソニドが用いられ、これがプラセボと比較されている。 層別化はおおむねバランスのとれた頻度で、0~1日群が31%、1~2日群が27%、2日超群が43%だった。解析の結果、どの症状頻度サブグループにおいても初回のSAREまでの期間を有意に延長させることがわかった(0~1日群:ハザード比0.54 [95%信頼区間0.34~0.86]、1~2日群:ハザード比0.60 [95%信頼区間0.39~0.93] 、2日超群:ハザード比:0.57 [95%信頼区間0.41~0.79], p=0.94)。さらに、プラセボ群と比較すると、ブデソニド群は経口あるいは全身性ステロイドを要する重症発作のリスクを減らした(0~1日群:率比0.48 [95%信頼区間0.38~0.61]、1~2日群:率比0.56 [95%信頼区間0.44~0.71]、2日超群:率比0.66 [95%信頼区間0.55~0.80]、p=0.11)。 つまり、1週間あたりの症状が少なかろうと多かろうと、この軽症喘息というくくりでみた患者のすべてが低用量ICSの恩恵を受けることは間違いないということである。「1週間に2日」という幻想に縛られていた過去を、見事に拭い去る結果となった。 喘息であれば早期からICSを導入する、という考え方は正しい。しかし、咳喘息やアトピー咳嗽などの喘息以外の好酸球性気道疾患が増えてきたうえ、喘息とCOPDがオーバーラップしているという疾患概念まで登場している。疾患診断が昔より複雑になったことは否めない。その中で、経験的にICSをホイホイと処方するようになってしまうと、医学的効果がほとんど得られないにもかかわらず、将来の肺炎リスクのみを上昇させてしまうような事態にもなりかねない。 何よりも、喘息という疾患を正しく診断することが重要なのはいうまでもない。参考1)Global Strategy for Asthma Management and Prevention. Updated 20162)喘息予防・管理ガイドライン2015. 日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会編. 協和企画.

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軽症喘息への低用量吸入ステロイドは?/Lancet

 症状発現頻度が週に0~2日の軽症喘息患者に対する低用量吸入コルチコステロイド(ICS)の投与は、症状増悪リスクを減らし、肺機能低下の予防効果もあることが示された。オーストラリア・シドニー大学のHelen K. Reddel氏らが、7,000例超の患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験「START」の、事後解析の結果で、Lancet誌オンライン版2016年11月29日号で発表した。ICSは、喘息増悪と死亡率の低下に非常に有効であるが、症状発現頻度の低い喘息患者は、投与の対象に含まれていない。一方で、週に2日超の患者への投与は推奨されているが、そこを基準とするエビデンスは乏しかった。初回重度喘息関連イベント発生までの期間を比較 START(Steroid Treatment As Regular Therapy)試験は、32ヵ国の医療機関を通じて、2年以内に軽症の喘息診断を受け、コルチコステロイドの定期服用歴のない、4~66歳の患者7,138例を対象に行われた。被験者は無作為に2群に割り付けられ、一方には吸入ブデソニド400μg(11歳未満は200μg)/日を、もう一方の群にはプラセボが投与された。被験者は3ヵ月ごとにクリニックを受診、試験は3年間にわたって行われた。 主要評価項目は、初回重度喘息関連イベント(SARE:入院・救急外来診察・死亡)発生までの期間と、気管支拡張薬投与後の肺機能のベースラインからの変化だった。 ベースラインでの症状発現頻度により被験者をグループ化し、同評価項目との関連について分析した。重度増悪リスクもおよそ半減 ベースラインの被験者は、平均年齢24(SD15)歳、症状発現頻度は、週に0~1日が31%、1超~2日が27%、2日超が43%だった。 SARE発生までの期間は、ベースラインの症状発現頻度別の全グループで、ICS群がプラセボ群より長かった。ICS群 vs.プラセボ群のハザード比は、0~1日/週グループが0.54(95%信頼区間[CI]:0.34~0.86)、1超~2日/週グループが0.60(0.39~0.93)、2日超/週グループが0.57(0.41~0.79)だった(相互作用に関するp=0.94)。 ベースラインから3年時点の、気管支拡張剤投与後の肺機能低下もいずれもプラセボ群よりも少なかった(相互作用に関するp=0.32)。 さらに、経口・全身性コルチコステロイド投与を必要とする重度増悪の発生頻度も、すべての頻度グループで減少した(各グループの率比、0.48、0.56、0.66、相互作用に関するp=0.11)。 ICS群はプラセボ群に比べ、ベースラインの症状発現頻度にかかわらず肺機能が高く(相互作用のp=0.43)、無症状日数も有意に多かった(全3グループのp<0.0001、相互作用のp=0.53)。 これらの結果は、被験者をあらゆるガイドラインに則っていわゆる軽症持続型 vs.間欠型で層別化しても、類似していた。 著者は、「結果は、ICS投与について、週に2日超の患者という設定は支持しないものだった。軽症喘息患者に対する治療推奨は、リスク低下と症状の両方を考慮すべきであることを示唆する結果だった」とまとめている。

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気管支喘息への新規抗IL-5受容体抗体の治療効果は?(解説:小林 英夫 氏)-598

 気管支喘息の有病率は減少していないが、本邦での年間死亡数は20年前に7千人を超えていたものが近年は2千人以下と減じた。その最大の理由として、吸入ステロイド薬の普及が挙げられる。しかし、高用量の吸入ステロイド薬ないし吸入ステロイド+長時間作用型β2刺激薬でもコントロールに難渋する重症・難治性気管支喘息が約1割でみられる。そこで、さらなる治療効果を求め、抗IgE抗体や抗interleukin-5(IL-5)抗体が臨床に登場した。新規抗IL-5抗体benralizumabは、Il-5のアルファサブユニット(IL-5Rα)を標的とするヒト化モノクローナル抗体で、受容体結合により抗体依存性細胞障害作用を発揮し、ナチュラル・キラー細胞を介し好酸球のアポトーシスを誘導する。すでに、第II相試験で好酸球性喘息の増悪を改善する効果が得られている。本論文では、benralizumabがプラセボ群に比して年間喘息増悪を有意に抑制すると報告している。 本第III相試験(CALIMA試験)の対象は、年齢が12~75歳、中から高用量の吸入ステロイド+長時間作用性β2刺激薬治療が必要、12ヵ月以上継続、試験前12ヵ月間に2回以上の増悪、などを条件とした。Benralizumab 30mgを4週間に1回投与(Q4W群)、または8週間に1回投与(Q8W群)、プラセボ群に1対1対1の割合でランダムに割り付け、治療は56週間継続し、吸入薬はそれまで通り併用した。エントリー症例は、Q4W群425例、Q8W群441例、プラセボ群440例、脱落症例は149例(11%)であった。主要評価項目はベースライン血中好酸球数300/μL以上での、プラセボ群と比較したbenralizumab群の年間増悪率比とし、2次評価項目は気管支拡張薬投与前FEV1とtotal asthma symptom scoreとした。 結果は、プラセボ群年間増悪は0.93回(95%信頼区間0.77~1.12回)に対し、Q4W群年間増悪0.60回(0.48~0.74回)で、プラセボと比較した率比は0.64(0.49~0.85)、Q8W群年間増悪0.66回(0.54~0.82回)で率比は0.72(0.54~0.95)、といずれも有意だった。気管支拡張薬投与前FEV1のベースラインから56週までの変化量は、benralizumab群で有意に大きかった。56週時点のtotal asthma symptom scoreは、プラセボ群ではベースラインから1.16ポイント低下、Q4W群で1.28ポイント、Q8W群は1.40ポイント低下し、Q8W群で改善が有意だった。ベースラインの好酸球数はQ4W群が中央値470/μL、Q8W群は480/μLだったが、4週時にはいずれも中央値0個/μLに、56週時も0個/μLだった。著者らは、benralizumabはコントロール困難な好酸球性喘息の年間増悪率を有意に減少させたので、この治療が最も効果的な患者群を特定していきたいと結論している。 筆者の読後感として、本薬剤が8週間ごとの投与でも有効性を発揮していた点を評価したい。しかし本論文だけでは、すでに導入されている抗IL-5抗体との優劣が不明、治療レスポンダーの抽出項目が不明、薬価はどうなるのかなど、今後解明すべき問題は残されている。また、ほぼ同時かつ同一条件でbenralizumabを評価するSIROCCO試験がLancet上に掲載されているが、両試験を一括報告できていれば、より説得力のある論文になったであろうことが惜しまれる。

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新規抗好酸球抗体薬、重症喘息を約6割まで減少/Lancet

 血中好酸球数が300/μL以上で、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を併用(ICS+LABA)投与してもコントロール不良な重度喘息の患者に対し、開発中の抗好酸球モノクローナル抗体benralizumab(抗IL-5受容体抗体)は、喘息増悪の年間発生リスクを約6割に減少することが報告された。米国・Wake Forest School of MedicineのJ. Mark FitzGerald氏らが行った第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験「CALIMA」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年9月5日号で発表された。benralizumabを4・8週間ごとに30mg投与 CALIMA試験は2013年8月~2015年3月にかけて、11ヵ国、303ヵ所の医療機関を通じて行われた。被験者は、中~高用量のICS+LABA投与でコントロール不良な重度喘息で、前年に2回以上の増悪が認められた12~75歳の患者1,306例だった。 研究グループは被験者を無作為に3群に割り付け、benralizumabを4週間ごとに30mg、8週間ごとに30mg(初回4回は4週間ごと投与)、プラセボをそれぞれ皮下注投与した。 主要評価項目は、高用量ICS+LABA投与でベースライン時血中好酸球数が300/μL以上の被験者の、喘息増悪の年間発生に関する率比だった。また、主な副次評価項目は、気管支拡張薬投与前のFEV1と、総喘息スコアだった。気管支拡張薬投与前のFEV1値も改善 被験者のうち、benralizumab投与4週ごと群は425例、8週ごと群は441例、プラセボ群は440例だった。 そのうち主要解析には728例(241例、239例、248例)が含まれた。解析の結果、同集団において、benralizumab投与4週ごと群の喘息増悪年間発生率は0.60、8週ごと群の発生率は0.66、プラセボ群の発生率は0.93だった。プラセボと比較した発生率比は、4週ごと群0.64(95%信頼区間:0.49~0.85、p=0.0018)、8週ごと群は0.72(同:0.54~0.95、p=0.0188)で、いずれも有意に低率だった。 また、気管支拡張薬投与前FEV1はbenralizumab投与4・8週ごと群ともに、総喘息スコアについては8週ごと群のみであったが、いずれも有意な改善が認められた。 忍容性も概して良好であった。最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎(4週ごと群90例[21%]、8週ごと群79例[18%]、プラセボ群92例[21%])、喘息増悪(各群61例[14%]、47例[11%]、68例[15%])だった。 著者は、「今回の試験データは、benralizumab治療の恩恵を最大限受けられる患者集団を精錬するものとなった」とまとめている。

135.

増悪リスクの高いCOPD、LABA/LAMAの位置付けは?/NEJM

 インダカテロール(長時間作用性β2刺激薬[LABA])/グリコピロニウム(長時間作用性抗コリン薬[LAMA])は、過去1年間に増悪歴のある慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、サルメテロール(LABA)/フルチカゾン(吸入ステロイド[ICS])と比較し、COPD増悪抑制効果が優れることが認められた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJadwiga A. Wedzicha氏らが、両薬剤を直接比較する多施設共同無作為化二重盲検第III相試験(FLAME試験)の結果、報告した。大半のガイドラインにおいて、増悪リスクの高いCOPD患者の治療には、第1選択としてLABA/ICSまたはLABA/LAMAが推奨されているが、LABA/LAMAの位置付けは明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2016年5月15日号掲載の報告。増悪リスクの高いCOPD患者約3,400例を対象に非劣性試験 FLAME試験は、2013年7月~2015年9月に、43ヵ国356施設で行われた52週間の無作為化二重盲検ダブルダミー非劣性試験である。対象は、過去1年間に1回以上増悪の経験がある40歳以上のCOPD患者で、インダカテロール110μg/グリコピロニウム50μg 1日1回吸入群(1,680例)、またはサルメテロール50μg/フルチカゾン500μg 1日2回吸入(LABA/ICS)群(1,682例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目はすべて(軽度・中等度・重度)のCOPD増悪回数(回/人年)、副次評価項目はすべてのCOPD増悪初回発現までの期間、中等度または重度COPD増悪の初回発現までの期間ならびに年間発現回数などであった。増悪抑制効果はLABA/LAMAが優れる インダカテロール/グリコピロニウム群は、主要評価項目においてLABA/ICS群に対し、非劣性だけでなく優越性も示された。すべてのCOPD増悪回数はそれぞれ3.59 vs 4.03、増悪回数比は0.89(95%信頼区間[CI]:0.83~0.96、p=0.003)で、インダカテロール/グリコピロニウム群はLABA/ICS群と比較してすべてのCOPD増悪回数を11%減少させた。 また、インダカテロール/グリコピロニウム群はLABA/ICS群と比較し、すべてのCOPD増悪の初回発現までの期間が長く(中央値71日[95%CI:60~82] vs.51日[95%CI:46~57]、ハザード比[HR]:0.84[95%CI:0.78~0.91]、p<0.001)、中等度または重度COPD増悪の回数も少なく(0.98 vs.1.19、増悪回数比:0.83[95%CI:0.75~0.91]、p<0.001)、中等度または重度COPD増悪の初回発現までの期間も延長した(HR:0.81、95%CI:0.66~1.00、p=0.046)。 LABA/ICS群と比較したインダカテロール/グリコピロニウム群のCOPD増悪回数に関する有効性は、ベースラインで測定した好酸球値とは独立していた。 有害事象ならびに死亡の発現頻度は両群で類似していた。肺炎の発現率はインダカテロール/グリコピロニウム群3.2%、LABA/ICS群4.8%であった(p=0.02)。

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喫煙歴+呼吸器症状は呼吸機能悪化のリスク/NEJM

 呼吸機能保持が認められる現在・元喫煙者で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)診断基準を満たさなくとも呼吸器症状がある人は、ない人に比べ、呼吸機能が悪化する割合が高く、活動制限や気道疾患の所見がみられるという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のPrescott G. Woodruff氏らが行った、2,736例を対象とした観察試験の結果、示された。COPDの診断は、気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーによる検査で1秒量(FEV1)/努力肺活量(FVC)が0.70未満の場合とされている。しかし、この定義を満たさなくとも多くの喫煙者で呼吸器症状が認められており、研究グループはその臨床的意味について検討を行った。NEJM誌2016年5月12日号掲載の報告より。CATスコア10以上を呼吸器症状ありと定義 研究グループは、現在喫煙者および喫煙歴のある人(元喫煙者)と、喫煙歴のない人(非喫煙者;対照群)、合わせて2,736例を対象に観察試験を行った。COPD評価テスト(CAT、スコア0~40で評価)を実施して、スパイロメトリーによる検査で呼吸機能が保持されている人について、呼吸器症状がある人(CATスコアが10以上:有症状群)はない人(CATスコアが10未満;無症状群)と比べ、呼吸増悪のリスクが高いかどうかを検証した。 呼吸機能保持の定義は、気管支拡張薬投与後のFEV1/FVCが0.70以上で、FVCが正常下限値を上回る場合とした。また、有症状群と無症状群の、6分間歩行距離、肺機能、胸部の高分解能CT画像所見の違いの有無を調べた。呼吸機能保持の現在・元喫煙者の半数が呼吸器症状あり 追跡期間の中央値は、829日だった。その結果、呼吸機能が保持されている現在・元喫煙者の50%で、呼吸器症状が認められた。 平均年間呼吸機能悪化率は、有症状の現在・元喫煙者0.27(SD:0.67)、無症状の現在・過去喫煙者は0.08(同:0.31)であり、対照群の非喫煙者の0.03(同:0.21)と比べ、いずれも有意に高率だった(両比較においてp<0.001)。 また、有症状の現在・元喫煙者は、喘息既往の有無を問わず、無症状の現在・過去喫煙者に比べ、活動制限が大きく、FEV1、FVCや最大吸気量の値がわずかだが低く、高分解能CTで肺気腫は認めなかったが、気道壁肥厚がより大きかった。 有症状の現在・元喫煙者の42%が気管支拡張薬を、また23%が吸入ステロイド薬を使用していた。著者は「有症状の現在・元喫煙者はCOPD基準を満たしていなくとも、呼吸機能の悪化、活動制限、気道疾患の所見が認められた。また、エビデンスがないままに多様な呼吸器疾患薬物治療をすでに受けていた」とまとめている。

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1日1回のICS/LABA、心血管リスクのあるCOPDでの安全性は/Lancet

 心血管リスクを有する中等度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤のフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI)(商品名:レルベア)1日1回吸入は、プラセボと比較し統計学的な有意差はなかったものの死亡や心血管系イベントの発現リスクを低下させ、忍容性は良好であった。英国・南マンチェスター大学病院のJorgen Vestbo氏らが、43ヵ国1,368施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験(Study to Understand Mortality and Morbidity:SUMMIT)の結果、報告した。COPD患者は心血管疾患(CVD)を併発することが多いが、こうした患者に対する治療方針の決定に関して、これまで十分なエビデンスがなかった。Lancet誌2016年4月30日号掲載の報告。心血管リスクを有する中等度COPD患者約1万6,500例で検証 SUMMIT試験の対象は、40~80歳、気管支拡張薬投与後の予測FEV150~70%、1秒率70%未満(FEV1/FVC<0.7)、喫煙歴(10pack/year以上)、修正MRC(mMRC)息切れスケールスコア2以上の、CVDの既往歴またはリスクを有するCOPD患者であった。FF 100㎍+VI 25㎍(FF/VI)群、FF 100㎍(FF)群、VI 25㎍(VI)群、プラセボ群の4群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、すべての治療群でエリプタ吸入器を用い1日1回吸入した。 主要評価項目は、全死因死亡、副次的評価項目は治療期間中のFEV1低下率および心血管複合エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症、一過性脳虚血発作)であった。 2011年1月24日~2014年3月12日に1万6,590例が無作為化され、このうち試験薬を1回以上使用した1万6,568例が安全性解析対象集団に、またGCP違反の施設を除いた1万6,485例(FF/VI群4,121例、FF群4,135例、VI群4,118例、プラセボ群4,111例)が有効性解析対象集団となった。追跡期間は最長4年、投与期間は中央値1.8年であった。全死因死亡リスクはFF/VI群で12%低下するも、統計学的有意差はなし 試験期間中の全死亡リスクは、プラセボ群と比較しいずれの治療群も差はなかった。FF/VI群のHRは0.88(95%信頼区間[CI]:0.74~1.04)で相対リスク減少率は12%(p=0.137)、FF群のHRは0.91(同:0.77~1.08、p=0.284)、VI群のHRは0.96(同:0.81~1.14、p=0.655)であった。 FEV1低下率は、プラセボ群と比較しFF/VI群およびFF群で減少した(プラセボ群との差;FI/VI群:8mL/年[95%CI:1~15]、FF群:8mL/年[95%CI:1~14]、VI群:-2mL/年[95%CI:-8~5])。 心血管複合エンドポイントの発現リスクは、プラセボ群とほぼ同等であった(FF/VI群:HR 0.93[95%CI:0.75~1.14]、FF群:HR 0.90[95%CI:0.72~1.11]、VI群:0.99[95%CI:0.80~1.22])。 中等度~重度増悪の発現率は、すべての治療群でプラセボ群より減少した。 有害事象については、肺炎や心血管系有害事象の増加は認められなかった(肺炎の発現率:FF/VI群6%、FF群5%、VI群4%、プラセボ群5%/心血管系有害事象の発現率:FF/VI群18%、FF群17%、VI群17%、プラセボ群17%)。

138.

ダニ舌下免疫療法、アレルギー性喘息に有用/JAMA

 吸入ステロイド(ICS)でコントロール不良のハウスダストダニ(house dust mite: HDM)アレルギー性喘息に対し、HDMアレルゲン舌下免疫療法(SLIT)が有効かつ安全であることが確認された。HDM舌下錠は、ICS減量期の中等度~重度の喘息増悪を9~10%減少させる。ドイツ・ロストック大学のJ. Christian Virchow氏らが、HDM舌下錠の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果を報告した。HDM舌下錠はHDMアレルギー性鼻炎に対する治療薬として発売されているが、HDMアレルギー性喘息患者において喘息増悪リスクを減少させるかどうかはわかっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「HDM舌下錠はHDMアレルギー性喘息の新たな治療オプションとなりうる」とまとめている。JAMA誌オンライン版2016年4月26日号掲載の報告。 ダニアレルギー性喘息患者約800例で無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施 研究グループは、2011年8月~2013年4月に、欧州13ヵ国109施設において無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。対象は、HDMアレルギー性鼻炎の1年以上の病歴があり、FEV1予測値70%以上、過去3ヵ月以内に喘息増悪による入院歴がない、ICS(配合剤を含む)でコントロール不良のHDMアレルギー性喘息患者834例。プラセボ群、6SQ-HDM錠投与(6SQ)群、12SQ-HDM錠投与(12SQ)群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、ICSならびに短時間作用型β2刺激薬サルブタモールと併用投与した(SQ[standardized quality]とは、HDM舌下錠製品の力価を表すために欧州内で用いられている単位)。 試験は、7~12ヵ月間の介入期と6ヵ月間のICS減量期から成り、ICS減量期では最初の3ヵ月でICSを50%減少、その後3ヵ月間でICSからの離脱を図った。 有効性の評価はICS減量期に行い、主要評価項目は同期間中における初回中等度~重度喘息増悪発生までの期間とした。HDM舌下錠投与により喘息増悪リスクが有意に減少 無作為化された834例は、平均年齢33歳(範囲17~83歳)、女性48%であった。 プラセボ群(277例)と比較し6SQ群(275例)および12SQ群(282例)で、中等度~重度の喘息増悪のリスクが有意に減少することが認められた。6SQ群のハザード比(HR)は0.72(95%信頼区間[CI]:0.52~0.99、p=0.045)、12SQ群のHRは0.69(同:0.50~0.96、p=0.03)であった。 介入期に脱落した症例を除いた解析の結果、喘息増悪の絶対リスク差(プラセボ群-HDM群)は、6SQ群0.09(95%CI:0.01~0.15)、12SQ群0.10(95%CI:0.02~0.16)で、6SQ群と12SQ群とで有意差はなかった。 副次的評価項目について、喘息症状の悪化を伴う喘息増悪までの期間は、プラセボ群と比較してHDM群で改善し(6SQ群;HR:0.72、95%CI:0.49~1.02、p=0.11/12SQ群:HR:0.64、95%CI:0.42~0.96、p=0.03)、アレルゲン特異的IgG4は有意に増加した。6SQ群と12SQ群とで、喘息コントロール質問票(asthma control questionnaire:ACQ)または喘息QOL質問票スコアの変化に差はなかった。 主な有害事象は、軽度~中等度の口腔そう痒感(6SQ群13%、12SQ群20%、プラセボ群3%)、口腔浮腫、咽頭刺激感で、重篤な全身性アレルギー反応の報告はなかった。

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喘息に対するdupilumab、第IIb相試験でも有効性確認/Lancet

 dupilumabは、コントロール不良の持続型喘息患者において、吸入ステロイド(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)への併用投与により、血中好酸球数にかかわらず肺機能を改善し、重度の喘息増悪の発現を減少することが認められた。安全性プロファイルは良好で、QOLの改善も示唆された。米国・ピッツバーグ大学のSally Wenzel氏らが、dupilumabの4用量を検討した第IIb相試験の結果、報告した。dupilumabは、インターロイキン(IL)-4受容体αサブユニットに対する完全ヒトモノクローナル抗体で、2型ヘルパーT細胞による免疫反応の鍵となるIL-4およびIL-13のシグナル伝達を阻害する。第I相ならびに第IIa相試験において、喘息患者におけるdupilumabの有効性と安全性が示されたが、対象が好酸球数高値の患者に限られ、検討された用法も週1回投与のみであった。Lancet誌オンライン版2016年4月26日号掲載の報告。中~重度の持続型喘息患者を対象に無作為化比較試験を実施 研究グループは、16ヵ国174施設において、中等症~重症の持続型喘息患者に対するdupilumabの有効性および安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(第IIb相試験)を実施した。 対象は、Global Initiative for Asthma(GINA)2009ガイドラインに基づき喘息と診断され12ヵ月以上経過し、中~高用量のICS+LABA併用療法でコントロール不良の成人患者(18歳以上)であった。dupilumab 300mgを2週ごと投与群、200mgを2週ごと投与群、300mgを4週ごと投与群、200mgを4週ごと投与群またはプラセボ投与群に1対1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、24週間皮下投与した。ICSおよびLABAは用量を変更することなく継続した。 主要エンドポイントは、ベースラインの血中好酸球数≧300/μLの患者(好酸球数高値集団)における、投与12週時のベースラインからの1秒量(FEV1)の変化量とした。2週ごと200mgおよび300mg投与群でFEV1の増加あり 2013年6月~14年6月までに776例が割り付けられ、うち769例が1回以上試験薬の投与を受けた(dupilumab群611例、プラセボ群158例)。 好酸球数高値集団において、主要評価項目である12週時のFEV1の変化量は、プラセボ群[変化量(最小二乗平均値)0.18L、SE 0.05]との比較において、2週ごと300mg投与群[同:0.39L(SE 0.05)、プラセボ群との差:0.21(95%信頼区間[CI]:0.06~0.36、p=0.0063)]、ならびに2週ごと200mg投与群[同:0.43L(SE 0.05)、プラセボ群との差:0.26(95%CI:0.11~0.40、p=0.0008)]で、有意に大きかった。 全体集団および好酸球数正常集団(血中好酸球数<300/μL)においても同様の結果が認められた(全体:2週ごと300mg投与群のp<0.0001、2週ごと200mg投与群のp<0.0001/好酸球数正常集団:2週ごと300mg投与群のp=0.0086、2週ごと200mg投与群のp=0.0034)。また、同変化は24週まで持続して認められた。 喘息増悪の年間発現率は、dupilumabの2週ごと投与群で最も減少した(減少率:全体集団:70~70.5%、好酸球数高値集団:71.2~80.7%、好酸球数正常集団59.9~67.6%)。プラセボ群と比較しdupilumab群で発現率が高かった有害事象は、上気道感染(35% vs.33~41%)、注射部位反応(13% vs.13~26%)であった。 現在、さらなる有効性と安全性を評価する第III相試験が進行中である。

140.

慢性特発性蕁麻疹へのオマリズマブ、最も有効な用法・用量は?

 著者は「本メタ解析の結果は、慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブ4週間に1回300mg投与の有効性および安全性に関して質の高いエビデンスとなり得る」とまとめている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、MEDLINE、EmbaseおよびWeb of Scienceでデータを検索するとともに、オマリズマブ製造会社の協力を得て、慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブの有効性および安全性をプラセボと比較した無作為化二重盲検比較試験を特定し、メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・解析に組み込まれた無作為化二重盲検プラセボ対照試験は、7試験(合計1,312例)であった。・オマリズマブ群(75~600mgを4週間に1回投与)では、週単位で評価したかゆみや膨疹のスコアが、プラセボ群より有意に低下した。・オマリズマブの有効性は用量依存的で、週単位で評価したかゆみや膨疹のスコアが最も大きく低下したのは300mg投与であった。・完全寛解率は、オマリズマブ群がプラセボ群より有意に高く、300mg投与群で最も高かった。・有害事象の発現率は、オマリズマブ群とプラセボ群で同程度であった。

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