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ニボルマブ、転移・再発NSCLCの1次治療で予後改善せず/NEJM

 未治療のStage IVおよび再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、抗PD-1抗体製剤ニボルマブは標準的な化学療法と比較して予後を改善しないことが、米国・オハイオ州立大学総合がんセンターのDavid P. Carbone氏らが行ったCheckMate 026試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年6月22日号に掲載された。ニボルマブは、既治療の転移のあるNSCLCの2つの第III相試験でドセタキセルよりも全生存(OS)期間が優れ、未治療のNSCLCの第I相試験では持続的奏効や良好な安全性プロファイルが報告されている。一方、PD-L1を超えるバイオマーカーの探索が進んでおり、腫瘍の遺伝子変異負荷(tumor-mutation burden:TMB)が高度な患者は、免疫療法からベネフィットを得る可能性が高いことが示唆されている。541例で有用性を直接比較する無作為化試験 本研究は、Stage IV・再発NSCLCの1次治療におけるニボルマブの安全性と有効性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験である(Bristol-Myers Squibb社などの助成による)。 対象は、組織学的に扁平上皮がんまたは非扁平上皮がんが確認されたStage IV・再発NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、登録前6ヵ月以内の生検で採取された検体のPD-L1発現が、中央判定で1%以上の患者であった。 被験者は、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに静脈内投与する群または担当医が選択したプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法を3週ごとに4~6サイクル施行する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられた。化学療法群の患者は、病勢進行後、ニボルマブへのクロスオーバーが可能とされた。 主要評価項目はPD-L1の発現が≧5%の患者における無増悪生存(PFS)とし、評価は独立審査委員会によって盲検下の中央判定で行われた。また、探索的検討として、TMB別の有効性の解析も行った(全エクソームシーケンスで検出された腫瘍の体細胞ミスセンス変異数が0~99個の場合を低TMB、100~242個を中TMB、243個以上を高TMBと定義)。 2014年3月~2015年4月に1,325例が登録され、541例(41%)がランダム化の対象となった。ニボルマブ群に271例が、化学療法群には270例が割り付けられた。実際に治療を受けたのは530例(98%)だった。ベースラインの全体の年齢中央値は64歳(範囲:29~89歳)、女性が39%であった。Stage IVが92%、再発は8%だった。PFS期間中央値、ニボルマブ群4.2ヵ月、化学療法群5.9ヵ月  PD-L1≧5%の423例(ニボルマブ群:211例、化学療法群:212例)の解析では、PFS期間中央値はニボルマブ群が4.2ヵ月と、化学療法群の5.9ヵ月に比べむしろ短かった(ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:0.91~1.45、p=0.25)。1年PFS率は、それぞれ24%、23%であった。 PD-L1≧5%の患者のOS期間中央値にも、有意な差は認めなかった(14.4 vs. 13.2ヵ月、HR:1.02、95%CI:0.80~1.30)。1年OS率は、それぞれ56%、54%だった。なお、化学療法群212例のうち128例(60%)が、後治療としてニボルマブの投与を受けていた。 PD-L1≧5%の患者の最良総合効果は、ニボルマブ群が26%(完全奏効[CR]:4例、部分奏効[PR]:51例)、化学療法群は33%(1例、70例)であった。奏効までの期間中央値は両群でほぼ同様であった(2.8 vs. 2.6ヵ月)のに対し、奏効期間中央値はニボルマブ群が2倍以上長かった(12.1 vs. 5.7ヵ月)。 TMB別の探索的解析では、高TMB例においてニボルマブ群が化学療法群に比べ奏効率(47 vs. 28%)、PFS期間中央値(9.7 vs. 5.8ヵ月)が良好であった。しかし、OS期間に差は認めなかった。 治療関連有害事象は、ニボルマブ群が71%、化学療法群は92%に発現した。このうちGrade 3/4は、それぞれ18%、51%であった。ニボルマブ群で最も頻度の高い有害事象は疲労(21%)であり、次いで下痢(14%)、食欲減退(12%)、悪心(12%)、皮疹(10%)の順であり、皮疹は免疫学的原因による可能性が示唆された。 著者は、「化学療法群は、患者の多くがニボルマブによる後治療を受け、ベースラインの背景因子のうちいくつかが良好な予後と関連した可能性が高い(わずかだが肝転移例が少なく、標的病変径和が小さく、女性が多い)が、ニボルマブ群は、ニボルマブ治療で予後が良好となる可能性が高い因子(PD-L1≧50%、高TMB)を持つ患者が少なかったことが、これらの結果に影響を及ぼした可能性がある」と考察している。

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進行期大腸がん、1次治療での最適な分子標的薬とは/JAMA

 未治療の進行期または転移のある大腸がんでKRAS野生型遺伝子を有する患者において、化学療法と組み合わせる分子標的治療として、セツキシマブ(商品名:アービタックス)とベバシズマブ(同:アバスチン)を比較検討する無作為化試験が、米国・カリフォルニア大学のAlan P. Venook氏らにより行われた。結果、全生存期間(OS)について有意な差は認められなかった。分子標的治療の上乗せは、進行期または転移のある大腸がんの患者に臨床的有益性をもたらすが、いずれの分子標的薬が未治療患者への至適な選択であるかは不明であった。JAMA誌2017年6月20日号掲載の報告。セツキシマブ上乗せ vs.ベバシズマブ上乗せの無作為化試験 研究グループは、KRAS野生型遺伝子を有する進行期または転移性大腸がんの初回治療として、mFOLFOX6レジメン(ロイコボリン+フルオロウラシル+オキサリプラチン)またはFOLFIRIレジメン(ロイコボリン+フルオロウラシル+イリノテカン)に、セツキシマブとベバシズマブのどちらを上乗せすることが優れるかを検討した。 2005年11月~2012年3月に、米国およびカナダのNational Clinical Trials Networkを通じて、地域および大学のセンターで18歳以上の患者1,137例を登録し、無作為にセツキシマブ上乗せ群(578例)またはベバシズマブ上乗せ群(559例)に割り付けた。担当医と患者の選択によるmFOLFOX6レジメンまたはFOLFIRIレジメンに、それぞれの試験薬を併用して投与し追跡した。 主要評価項目はOSであった。また、副次評価項目は、無増悪生存(PFS)、全奏効率、各部位の完全もしくは不完全奏効または部分奏効などであった。OSはセツキシマブ群30.0ヵ月、ベバシズマブ群29.0ヵ月で有意差なし 被験者1,137例は、年齢中央値59歳、女性が440例(39%)。このうち1,074例(94%)が適格基準を満たした。 最終追跡日の2015年12月15日時点で、生存患者(263例)の追跡期間中央値は47.4ヵ月(範囲:0~110.7ヵ月)であった。また、82%(938/1,137例)の患者で疾患進行が認められた。 OS中央値は、セツキシマブ群30.0ヵ月、ベバシズマブ群29.0ヵ月で、層別化ハザード比(HR)は0.88(95%信頼区間[CI]:0.77~1.01、p=0.08)であった。 PFS中央値はセツキシマブ群10.5ヵ月、ベバシズマブ群10.6ヵ月で、層別化HRは0.95(95%CI:0.84~1.08、p=0.45)であった。奏効率も有意差はみられず、セツキシマブ群59.6%、ベバシズマブ群55.2%であった(差:4.4%、95%CI:1.0~9.0、p=0.13)。

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アビラテロン+ADT、転移前立腺がんのOSを38%改善/ASCO2017

 アンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルはホルモン療法未治療前立腺がん(mHNPC)の標準治療となっている。一方、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は増加しており、米国では前立腺がんの3%、欧州では6%、さらにアジア・パシフィックでは60%を占める。CRPCでは早期から、アンドロゲン受容体のシグナル伝達再活性化がみられADT耐性を誘導する可能性がある。去勢抵抗性発現以前に、CRPC治療薬であるアビラテロン酢酸エスエル(AA)を投与することで、mHNPCの生存は改善するのか。LATITUDE試験は、高リスクmHNPC患者において、ADTにAA+P(プレドニゾロン)を追加した臨床的利益を評価する第III相プラセボ対照二重盲検試験である。本試験の初回中間解析の結果が、フランスInstitute of Gustave RoussyのKarim Fizazi氏らにより米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表された。 対象患者は、3つの危険因子(グリソンスコア8以上、3つ以上の骨病変、測定可能な内臓転移の存在)のうち2つ以上を有するmHNPC(ECOG PS 0~2)。登録された1,199例を1:1でADT+AA+P群またはADT+プラセボ群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、全生存期間(OS)および画像上の無増悪生存期間(rPFS)であった。 結果、OSについては、ADT+AA+P群では未達、ADT+プラセボ群では34.7ヵ月であり、ADT+AA+P群で有意に改善し、リスク低下は38%であった(HR:0.62、95%CI:0.51~0.76、p<0.0001)。rPFSについては、ADT+AA+P群で33.0ヵ月、ADT+プラセボ群では14.8ヵ月と、ADT+AA+P群で有意に改善し、リスク低下は53%であった(HR:0.47、95%CI:0.39~0.55)。今回の初回中間解析では、副次的評価項目もほとんどの項目がADT+AA+P群で有意に支持されていた。Grade3/4の有害事象の発現はADT+AA+P群で63%、ADT+プラセボ群で48%。ADT+AA+P群で頻度が高かったものは高血圧、低カリウム血症、ALT上昇、AST上昇などであった。 この試験の結果は、学会での発表と同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載された。

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III期NSCLCの化学放射線同時併用療法に適用するレジメンは?本邦のランダム化試験の結果発表/ASCO2017

 化学放射線同時併用療法(CCRT)は、手術不能なIII期非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する標準治療であるが、最良の化学療法レジメンは特定されていない。S-1とシスプラチン(CDDP)の併用(SP)は進行NSCLCに対する標準化学療法レジメンの1つであり、CCRTにおける良好な成績も報告されている。day1、8に分割したドセタキセルとCDDPの併用(DP)を用いたCCRTは、旧世代のCDDPレジメンとの比較試験で、良好な結果(2年生存割合)を示しているが、全生存については有意な差は認めていない。そこで、日本医科大学の久保田 馨氏らは、NSCLC患者に対するCCRTにおいて、SPとday1のみにドセタキセル+CDDPを投与するDPの2つの併用化学療法レジメンの成績を評価するランダム化第II相試験TORG1018を行い、その結果を米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表した。 対象は手術不能なIII期NSCLC患者で、化学療法、放射線療法、外科療法歴なし。登録された患者をSP群またはDP群にランダムに割り付けた。SP群ではS-1 80~120mg/m2/日(day1~14)とCDDP 60mg/m2(day1)を4週ごとに、DP群ではドセタキセル50mg/m2とCDDP 80mg/m2(両薬ともday1)を4週ごとに投与した。同時併用する放射線療法(60Gy/30分割)は、両群ともにday1から開始した。CCRT後、両群の患者は、3週ごとの地固め化学療法をさらに2回受けた。主要評価項目は2年生存割合(2yOS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、毒性プロファイル、用量強度、奏効割合(ORR)。期待2yOSは65%、閾値2yOSは50%とした。 結果、2011年5月~2014年8月に、19施設から110例の患者が登録され、106例(各群53例)が評価対象となった。男性83例、女性23例、年齢中央値は65歳(42~74)であった。観察期間39.3ヵ月での2yOSはSP群で79%(95%CI:66~88%)、DP群では69%(95%CI:55~80%)であり、両群共に主要評価項目を達成した。OS中央値はSP群で55.23ヵ月、DP群で50.83ヵ月、ORRとPFSはSP群でそれぞれ71.7%、11.63ヵ月、DP群では67.9%、19.91ヵ月であった。 DP群におけるGrade3/4の白血球減少および好中球減少はSP群より有意に高かった。また、発熱性好中球減少症、肺臓炎はDP群でより高い傾向があった。毒性の少なさと共に2yOSはSP群で良好であり、将来はSPを放射線同時併用の適用レジメンとして選択する、と著者は結んでいる。■参考 ASCO2017 Abstract

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MEK1/2阻害薬、KRAS変異陽性NSCLCの予後改善示せず/JAMA

 既治療の進行KRAS変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、ドセタキセル(DOC)にselumetinibを追加しても、DOC単剤に比べ無増悪生存(PFS)は改善されないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のPasi A.Janne氏らが実施したSELECT-1試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年5月9日号に掲載された。KRAS変異は、肺腺がん患者の約25%に発現し、NSCLCで最も高頻度にみられる遺伝子変異であるが、これを標的とする分子標的薬で承認を得たものはない。KRAS変異は、MAPKキナーゼ(MEK)に関与するMAPK経路を含むシグナル伝達経路の下流の活性化によって腫瘍の増殖を促進する。selumetinibは、MEK1とMEK2を選択的に阻害する経口薬で、アロステリックにKRAS変異を抑制する。2次治療の上乗せ効果を評価するプラセボ対照無作為化試験 本研究は、KRAS変異陽性NSCLCの2次治療におけるselumetinib+DOC療法の有用性を評価するプラセボ対照無作為化第III相試験で、25ヵ国202施設の参加のもと、2013年10月~2016年1月に行われた(AstraZeneca社の助成による)。 前治療歴が1レジメンで、中央判定でKRAS変異陽性であったStage IIIB/IV NSCLC患者510例のうち、selumetinib+DOC群に254例、プラセボ+DOC群に256例がランダムに割り付けられた。selumetinib群は、selumetinib75mgを1日2回経口投与され、DOC 75mg/m2を21日ごとに静脈内投与された。プラセボ群も同様のスケジュールで治療が行われた。 主要評価項目は担当医評価によるPFSとし、副次評価項目には全生存(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間などが含まれた。第II相試験とは異なる結果 全体の平均年齢は61.4(SD 8.3)歳、41%が女性であった。505例(99%、selumetinib群:251例、プラセボ群:254例)が治療を受け、試験を完遂した。データカットオフ日(2016年6月7日)の時点で、447例(88%)に病勢進行のイベントがみられ、346例(68%)は死亡した。 PFS期間中央値は、selumetinib群が3.9ヵ月(IQR:1.5~5.9)、プラセボ群は2.8ヵ月(同:1.4~5.5)であり、両群に有意な差を認めなかった(群間差:1.1ヵ月、ハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.77~1.12、p=0.44)。 OS期間中央値は、selumetinib群が8.7ヵ月(IQR:3.6~16.8)、プラセボ群は7.9ヵ月(IQR:3.8~20.1)と、やはり有意差はみられなかった(群間差:0.9ヵ月、HR:1.05、95%CI:0.85~1.30、p=0.64)。 ORRは、selumetinib群が20.1%(完全奏効:2例、部分奏効:49例)、プラセボ群は13.7%(0例、35例)であった(群間差:6.4%、オッズ比[OR]:1.61、95%CI:1.00~2.62、p=0.05)。また、奏効期間中央値は、それぞれ2.9ヵ月(IQR:1.7~4.8、95%CI:2.7~4.1)、4.5ヵ月(2.3~7.3、2.8~5.6)だった。 頻度の高い有害事象は、selumetinib群が下痢(61%)、悪心(38%)、皮疹(34%)、末梢浮腫(30%)であり、プラセボ群は下痢(35%)、疲労(31%)、脱毛(25%)、悪心(24%)であった。Grade 3以上の有害事象は、selumetinib群が67%(脱力:9%、呼吸困難:8%、下痢:7%、好中球減少:7%など)と、プラセボ群の45%に比べ高頻度であった。 これらの知見は、以前に同じデザインで行われた第II相試験の結果とは異なっており、有効性は、プラセボ群は第II相よりも今回の第III相試験が優れ、selumetinib群は第II相よりも第III相試験のほうが不良であった。著者は、「この差は試験デザインによるとは考えられず、両試験とも多くの国で行われた国際研究であるため地域差の影響もないと思われる」としている。

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VEGF阻害剤アフリベルセプト ベータ、大腸がんに承認:サノフィ

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャック・ナトン)は、2017年3月30日、抗悪性腫瘍剤/VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤アフリベルセプト ベータ(商品名:ザルトラップ点滴静注 100mg/200mg、以下ザルトラップ )について、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。 アフリベルセプト ベータは、がんの増殖や転移に関与するVEGF-A、VEGF-Bおよび胎盤増殖因子(PlGF)に作用する分子標的治療薬。オキサリプラチンを含む化学療法で治療中または治療後に増悪した転移性結腸・直腸がんの2 次治療として、FOLFIRI療法(イリノテカン、レボホリナートおよびフルオロウラシル)との併用でプラセボと比較した海外III相臨床試験(VELOUR試験)では、主要評価項目である全生存期間(OS)を13.50ヵ月と、プラセボ群の12.06ヵ月に対し、有意に改善した(HR:0.817、95.34%CI:0.713~0.937、p=0.0032)。また、副次的評価項目の無増悪生存期間(PFS)も有意に改善している( HR:0.758、 95%CI:0.661〜0.869、p<0.0001)。  ザルトラップは2017年3月現在、70以上の国と地域で承認されており、日本では、2016年4月にサノフィが製造販売承認申請を行っていた。なお、日本での製造販売はサノフィが行い、プロモーションはサノフィとヤクルト本社が共同で行う。(ケアネット 細田 雅之)参考VELOUR試験(Clinical Trials.gov)

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PD-L1発現肺がん、ペムブロリズマブで長期生存を得る確率

 ペムブロリズマブの非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に対する効果は、一部の患者で非常に持続的である。ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合はどの程度なのだろうか?このテーマに関する知見が、本年(2017年)のASCO-SITC(SITC:society of immune therapy of cancer)で発表された。 ペムブロリズマブは、KEYNOTE-001研究で進行NSCLCへの有望な効果を示し、KEYNOTE-010試験ではドセタキセルと比べ全生存期間(OS)の有意な延長を示した。しかし、ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合については、典型的なパラメトリックな生存モデルでは解析できない。研究者らはそれに代わり、長期生存時間解析と呼ばれる確立された統計モデルを用いて、5年を超える長期生存を達成した患者の割合を「長期生存率」として直接推定している。  分析には、KEYNOTE-001およびKEYNOTE-010試験における既治療のPD-L1発現(腫瘍比率スコアTPS≧1%)患者からのデータが用いられた。KEYNOTE-001試験のデータはペムブロリズマブの初期の長期生存率の推定に、KEYNOTE-010試験のデータはその後の独立した因子の検証に用いられた。 主な結果は以下のとおり。・KEYNOTE-001試験(n=306)におけるペムブロリズマブ治療患者の推定長期生存率は25.4%(95%CI、15.2~33.3)であった。・KEYNOTE-010試験(n=690)では25.3%(95%CI、8.9~36.9)であった。・KEYNOTE-010試験におけるドセタキセル群(n=343)の推定長期生存率は3.2%(95%CI:0~17.4)であった。 2つの独立したデータセットでは、既治療のPD-L1発現NSCLCの患者の25%が、ペムブロリズマブ単剤療法から長期間の利益を得ることができると推定された。今後の長期的なフォローアップが、当知見の検証をさらに進めるであろう。(ケアネット 細田 雅之)参考KEYNOTE-001試験(Clinical Trials.gov)KEYNOTE-010試験(Clinical Trials.gov)

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ペムブロリズマブ、進行性尿路上皮がんの2次治療でOS延長/NEJM

 進行性尿路上皮がんの2次治療において、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は化学療法に比べ全生存(OS)期間を延長し、治療関連有害事象も少ないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJoaquim Bellmunt氏らが実施したKEYNOTE-045試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年2月17日号に掲載された。本症の標準的1次治療はプラチナ製剤ベースの化学療法であるが、国際的に承認された標準的な2次治療はなく、2次治療のOS期間中央値は6~7ヵ月にすぎない。ペムブロリズマブはPD-1のヒト型モノクローナルIgG4κアイソタイプ抗体であり、第Ib相試験(KEYNOTE-012試験)および第II相試験(KEYNOTE-052試験)で本症への腫瘍縮小効果が確認されている。542例を対象とする国際的な無作為化試験 KEYNOTE-045試験は、進行性尿路上皮がんの2次治療におけるペムブロリズマブの有用性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験(Merck社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、腎盂・尿管・膀胱・尿道の尿路上皮がんと診断され、進行病変に対するプラチナ製剤ベースの化学療法施行後の進行例、または筋層浸潤性局所病変に対する術前あるいは術後のプラチナ製剤ベースの化学療法施行後の再発例で、全身状態(ECOG PS)が0~2の患者であった。 被験者は、ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)を投与する群または担当医の選択による化学療法(パクリタキセルドセタキセル、ビンフルニンのいずれか)を施行する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、全患者および腫瘍のPD-L1発現率(腫瘍に占める、PD-L1を発現している腫瘍細胞と腫瘍浸潤免疫細胞の割合)が10%以上の患者におけるOSおよび無増悪生存(PFS)の複合エンドポイントとした。 2014年11月5日~2015年11月13日に、29ヵ国120施設で患者登録が行われた。542例が登録され、ペムブロリズマブ群に270例、化学療法群には272例が割り付けられた。実際に治療を受けたのはそれぞれ266例、255例(パクリタキセル84例、ドセタキセル84例、ビンフルニン87例)だった。OS期間が約3ヵ月延長 ベースラインの年齢中央値は、ペムブロリズマブ群が67歳(範囲:29~88歳)、化学療法群は65歳(同:26~84歳)、男性がそれぞれ74.1%、74.3%を占めた。PD-L1発現率≧10%の患者の割合は、28.5%、33.8%だった。 全患者のOS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が10.3ヵ月と、化学療法群の7.4ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.59~0.91、p=0.002)。また、PD-L1発現率≧10%の患者のOS期間中央値も、ペムブロリズマブ群が8.0ヵ月と、化学療法群の5.2ヵ月に比し有意に長かった(0.57、0.37~0.88、p=0.005)。 PFS期間中央値は、全患者(ペムブロリズマブ群:2.1ヵ月 vs.化学療法群:3.3ヵ月、HR:0.98、95%CI:0.81~1.19、p=0.42)およびPD-L1発現率≧10%の患者(0.89、0.61~1.28、p=0.24)とも、両群に差を認めなかった。 全患者の客観的奏効率はペムブロリズマブ群が有意に高く(21.1% vs.11.4%、p=0.001)、奏効までの期間中央値は両群とも2.1ヵ月であった。奏効期間中央値は、ペムブロリズマブ群が未到達、化学療法群は4.3ヵ月だった。奏効期間が12ヵ月以上の患者の推定割合は、それぞれ68%、35%だった。PD-L1発現率≧10%の患者でも、ほぼ同様の結果であった。 治療関連有害事象の発現率は、全Grade(60.9% vs.90.2%)およびGrade 3~5(15.0% vs.49.4%)とも、ペムブロリズマブ群が少なく、治療関連の治療中止(5.6% vs.11.0%)も少なかった。治療関連死は、ペムブロリズマブ群が1例(肺臓炎)、化学療法群は4例(敗血症2例、敗血症性ショック1例、その他1例)に認められた。 ペムブロリズマブ群で頻度の高い全Gradeの治療関連有害事象として、そう痒(19.5%)、疲労(13.9%)、悪心(10.9%)がみられたが、Grade 3~5の有害事象で発現率が5%を超えるものはなかった。2例以上に発現したGrade 3~5のとくに注目すべき有害事象は、肺臓炎(2.3%)、腸炎(1.1%)、腎炎(0.8%)であり、Grade 5は1例(肺臓炎)に認められた。 著者は、「ペムブロリズマブのベネフィットは、腫瘍および腫瘍浸潤免疫細胞のPD-L1発現にかかわらず認められた。バイオマーカーとしてのPD-L1の役割は、現在進行中のより早期の治療ラインの無作為化試験で明らかとなる可能性がある」としている。

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2種の頭皮冷却法、乳がん化学療法の脱毛を半減/JAMA

 化学療法は、乳がんの微小転移を抑制し、再発リスクを低減して生存期間を延長するが、有害事象として、女性にとって最も大きな苦痛の1つとされる化学療法誘発性の脱毛が高頻度に発現する。対策として、頭皮冷却法の検討が進められており、2017年2月14日発行のJAMA誌に、2種のデバイスに関する米国の2つの研究論文が掲載された。2つの試験は、試験デザイン、患者選択基準、デバイスのタイプが異なるが、ほぼ同様の結果が得られており、頭皮冷却は半数以上の女性で脱毛を予防することが示された。無作為化試験の脱毛予防達成率:50.5% vs.0% 毛嚢細胞は、がん細胞と同様に増殖が活発で、化学療法への感受性が高いため、脱毛が発症するとされる。これに対し、頭皮を冷却すると頭皮下の血管が収縮し、毛嚢への血流が低下するため、化学療法薬の取り込みが減少する。また、冷却により毛嚢細胞の生化学活性も抑制されることから、化学療法薬への感受性が低下し、脱毛が抑制されると考えられる。 米国・ベイラー医科大学のJulie Nangia氏らは、術前または術後の化学療法が予定されている乳がん女性(StageI/II)を対象に、化学療法誘発性脱毛の予防における頭皮冷却デバイス(Paxman scalp cooling system)の有用性を評価する多施設共同無作為化試験を実施した(英国、Paxman Coolers社の助成による)。 2013年12月9日~2016年9月30日に、米国の7施設に182例が登録され、頭皮冷却群(119例)または頭皮冷却を行わない対照群(63例)に無作為に割り付けられた。事前に規定された中間解析時に、142例(頭皮冷却群:95例、対照群:47例)が評価可能であった。 142例の平均年齢は52.6(SD 10.1)歳で、36%(51例)がアントラサイクリン系薬ベースの化学療法、64%(91例)はタキサン系薬ベースの化学療法を受けた。StageIが40%(57例)、StageIIは60%(85例)だった。 主要評価項目である化学療法4サイクル施行後の脱毛予防(CTC-AE ver. 4の脱毛:Grade0[脱毛なし]またはGrade1[かつらを必要としない50%未満の脱毛])の達成率は、頭皮冷却群が50.5%(48/95例、95%信頼区間[CI]:40.7~60.4)と、対照群の0%(0/47例、95%CI:0~7.6)に比べ有意に良好であった(成功率の差:50.5%、95%CI:40.5~60.6)。 Fisher正確確率の片側検定はp<0.001であり、優越性の限界値(p=0.0061)を超えていたため、2016年9月26日、データ・安全性監視委員会によって試験の終了が勧告された。 ベースラインから4サイクル終了までのQOLの変化には、両群間に有意な差を認めなかった。また、頭皮冷却群で54件のデバイス関連の有害事象(頭痛、悪心、めまいなど)が報告されたが、Grade1が46件、2が8件(頭痛が7件、頭皮痛が1件)で、重篤な有害事象はみられなかった。前向き観察研究の脱毛治療成功率:66.3% vs.0% 一方、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S Rugo氏らは、頭皮冷却システム(DigniCap scalp cooling system)の脱毛予防効果を検証するプロスペクティブなコホート試験を行った(スウェーデン、Dignitana社の助成による)。 頭皮冷却は、化学療法の各サイクルの30分前に開始し、投与中および投与終了後90~120分間は頭皮を摂氏3℃(華氏37°F)に維持した。各サイクルの投与前および最終投与から数週後に、5枚の頭髪の写真(前面、後面、両側面、上面)が撮影された。脱毛は、化学療法の最終投与から4週後に、Deanスケール(0[脱毛なし]~4[75%以上の脱毛])に基づいて患者自身が評価した。 Deanスケールのスコアが0~2(50%以下の脱毛)の場合に治療成功と定義した。頭皮冷却群の50%以上が治療成功を達成し、成功率の95%信頼区間(CI)の下限値が40%以上の場合に、頭皮冷却と脱毛リスクの改善にはpositiveな関連があると判定した。Fisher正確確率検定でp<0.05の場合に、頭皮冷却群は対照群に対し統計学的に優越性があると確定することとした。 2013年8月~2014年10月に、米国の5施設に早期乳がん(StageI/II)女性122例(頭皮冷却群:106例、対照群:16例)が登録された。対照群のうち14例は、後ろ向きに年齢と化学療法レジメンをマッチさせた。 全体の平均年齢は53歳(範囲:28~77歳)、白人が77.0%で、化学療法の平均投与期間は2.3ヵ月であった。化学療法レジメンは、ドセタキセル+シクロホスファミドの3週ごと4~6サイクルが最も多く(頭皮冷却群:75.2%、対照群:62.5%)、次いでweeklyパクリタキセル12サイクル(11.9%、12.5%)であった。頭皮冷却群には、アントラサイクリン系薬の投与を受けた患者はいなかった。 脱毛50%以下(Deanスコア:0~2)の達成率は、頭皮冷却群の評価可能例が66.3%(67/101例、95%CI:56.2~75.4)と、対照群の0%(0/16例)に比べ有意に優れた(Fisher正確確率検定:p<0.001)。治療成功の67例の内訳は、Deanスコア0(脱毛なし)が5例、1(脱毛:>0~≦25%)と2(同:>25~≦50%)が31例ずつだった。 また、頭皮冷却群では、化学療法終了後1ヵ月時のEORTC乳がん特異的QOL質問票の5項目のうち3つが、対照群に比べ有意に良好であった。たとえば、「疾患や治療の結果として、身体的な魅力が低下したと感じた」と答えた患者の割合は、頭皮冷却群が27.3%と、対照群の56.3%に比べ有意に低かった(p=0.02)。 頭皮冷却群の106例のうち7例に冷却治療関連の有害事象が認められた(頭痛4例[3.8%]、そう痒1例、皮膚の痛み1例、頭部不快感1例)。症状が重度な患者はなく、中等度が1例(頭痛)であった。また、3例(2.8%)が寒気により冷却治療を中止した。有効な支持療法が治療の開始を促進する可能性 これら2つの論文のエディトリアルにおいて、米国・コロンビア大学医療センターのDawn L. Hershman氏は、「乳がん女性が化学療法を躊躇する最大の原因は脱毛であるが、この問題への厳密な取り組みは、これまでほとんど行われていない」とし、「今回の2つの研究はがん患者のQOL改善における重要な一歩であるが、Nangia氏らの検討では治療期間中のQOLに差がなく、Rugo氏らの検討では治療終了後1ヵ月のQOLが改善されたものの、サンプルサイズが小さく、観察研究である点に限界がある」と指摘している。 また、同氏は、支持療法の意義として、「患者を安心させることで、有害事象への懸念を持つ患者に、治療を開始するよう説得するのに役立つ可能性がある」とし、「将来、分子標的治療の導入で、化学療法の重篤な有害事象を回避できるようになる可能性があるが、それまでは頭皮冷却などの介入によって乳がん患者の治療関連毒性を軽減し、結果として転帰の改善が可能と考えられる」と記している。

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サン・アントニオ2016 レポート-2

レポーター紹介DBCG 07-READは、6サイクルのDC(ドセタキセル+エンドキサン)と3サイクルのEC→3サイクルのDを比較する第III相試験である。アントラサイクリンはトポイソメラーゼⅡ阻害剤であるため、トポイソメラーゼⅡA(TOP2A)の変化により治療効果に差がある可能性がある。過去のDBCG89D試験(CMF vs CEF)の結果からTOP2A正常例ではアントラサイクリンの有益性がなかったことから、TOP2Aの遺伝子が正常である症例(TOP2A/Cen17 ratio 0.8~1.9)に絞って比較を行った。初回解析として5年の経過観察を行ったが、DFS、OS共にまったく差がなかった。各群約1,000例と大規模であり、生存曲線もほぼ完全に重なっていることから、さらに経過観察しても有意差は出ないであろう。有害事象の頻度も、末梢性浮腫、筋肉痛/関節痛、末梢神経障害などの割合は両群でまったく変わらないことから、TOP2A遺伝子が正常な症例ではアントラサイクリンのベネフィットはなく、DCのみで良いであろうということになる。さて、TOP2A遺伝子をアントラサイクリン使用の指標とすべきかどうかであるが、TOP2Aに関するメタアナリシスでは、TOP2A増幅/欠失例ではわずかにCMFよりアントラサイクリンでベネフィットがありそうではある(Di Leo A, et al. Lancet Oncol. 2011; 12: 1134-1142.)。別の報告では、CEP17重複またはTOP2A異常例でやはりCMFよりアントラサイクリンでベネフィットがあるとのことである(Bartlett JM, et al. J Clin Oncol. 2015; 33: 1680-1687.)。しかしその差はわずかであるようであり、また、ASCO2016レポートのABC試験のところでも述べたが、TC6サイクルが行われているものの、アントラサイクリンにしてもタキサンにしても4サイクルを超えて有効性を示している報告はないので、DCを行うとしても現時点では4サイクルで十分と考えられる。術前化学療法の効果を予測するためのバイオマーカーとしての腫瘍リンパ球浸潤(TILs)の意義について、ドイツの6つの術前化学療法試験(3,771名)のメタ分析が報告された。TILsは推奨に従って評価された(Salgado R, et al. Ann Oncol. 2014)。pCR率はトリプルネガティブ、HER2+、Lum/HER2-ともTILsが多いほど高かった。一方、無病再発はトリプルネガティブとHER2+で有意差があるものの、Lum/HER2-ではなかった。しかし、OSはトリプルネガティブとLum/HER2-で有意差があり、HER2+ではなかった。HER2+とTNBCでは高いTILsで予後良好の傾向があり、Lum/HER2-では内分泌療法抵抗性に関係している可能性が示唆されている。ただ、いずれにしても予後の差はわずかであり、TILsを指標に治療方針を決める段階にはなく、もっと多くの研究結果が統合されたり、単なるTILsの評価だけでなくさらなる指標が組み合わされたりすることで、初めて臨床的に有用なものとなるであろう。また、TILsの状況によってどの種類の化学療法(+分子標的薬)が効果をもたらすかということも合わせて考えていく必要があろう。Poster(およびPoster Discussion)より乳がん腋窩治療後の患側上肢からの点滴は、従来までは一般に禁忌とされてきたが、2014年のサン・アントニオ乳癌シンポジウムで大規模な前向き試験の結果が報告され、乳がん術後患側上肢からの静脈注射は浮腫の増加につながらないとの結果であった。この結果は論文化され(Ferguson CM, et al. J Clin Oncol, 2016;34:691-698.)、当院でも乳がん術後患側上肢に対するマネージメントを変更した。しかし、静脈注射とはいってもさまざまであり、血管刺激性がある薬剤には不安もあり、抗がん剤点滴に関して従来の考え方を守っていた。今回は抗がん剤静脈注射とリンパ浮腫の関連を前向きに検討したものが報告された。630名の乳がん術後患者に対してリンパ浮腫の発症率をみた。化学療法は術前(16%)または術後に受けていた。2年間のリンパ腫発生は全体として12.32%であり、末梢点滴群9.13%、中心静脈ポート群16.16%、 末梢点滴+中心静脈ポート群15.99%であった。多変量解析にてBMI≧30、リンパ節転移の個数のみがリンパ浮腫のリスク因子であり、点滴経路や化学療法のサイクル数、薬剤の種類(タキサン、非タキサン)は関連していなかった。これらのことから、患側上肢からの穿刺はリンパ浮腫のリスクを増加させないだろうと結論している。しかし、末梢点滴において患側からどれくらい穿刺されたのかが、方法にも結果にも記載されていないため、この結論を素直に受け取ることができない。論文化されるのを待ち、内容をよく吟味してから改めて検討したいところである。ここからOncotype DXの報告をいくつか紹介する。SEERレジストリを用いた研究である。n0またはn1でHR+、HER2-、Grade3の腫瘍を持つ患者の5年乳がん特異的生存率を評価することが目的である。9,201名の患者が対象となっており、n+でも50歳未満の方が20%以上含まれている。n+での化学療法施行の割合は低リスクで27%(腫瘍径≦2cm)、22%(>2cm)、中間リスクで56%(腫瘍径≦2cm)、63%(>2cm)、高リスクでは72%(腫瘍径≦2cm)、76%(>2cm)であった。低リスク(<18)と中間リスク(18~30)の生存率は、Grade3腫瘍でも、n0、n+に関わらず同程度にきわめて予後良好であった。しかしGrade3、高リスクでは、n+や腫瘍径によらず有意に予後不良であった。ここで学ぶべきことは、単に腫瘍のGradeが3、n+というだけでは、治療選択には不十分であり、やはりこのような多遺伝子アッセイを利用したほうが、予後と化学療法の選択をするのにより適しているということ、中間リスクはほぼ低リスクと同等であること、米国ですでに閉経の有無にかかわらずn+でもOncotype DXが用いられているということだろう。Oncotype DXをn+にも行ったこれまでの臨床試験が総括されていた(9,833名)。transATAC/SWOG S8814/ECOG E2197/NSABP P-28/PACS-01/SEER/WSG Plan Bの7試験を要約している。2014年までのエビデンスに基づくASCOガイドラインでは、n+においてこのようなエビデンスの多くを考慮に入れていないが、最近のNCCNガイドラインでは素早くn1~3に対してOncotype DXのオプションを取り入れている、という違いをサマリーで述べていた。しかし、NCCNガイドライン(Version 2. 2016)をみると変わっておらず、次期改訂で修正されるということだろうか。次は聖路加国際病院からの報告である。目的は低リスクのER陽性浸潤性乳がんを予測するための臨床病理学的因子を明らかにすることである。症例はすべてn0であり、99.1%がAllred7以上であった。多変量解析からはPRとKi67が重要な予測因子であり、PR強陽性(Allred7以上)、Ki67<24%であれば92.4%の確率で低リスクであった。このようなデータからいえることは、ER強陽性、PR強陽性、Ki67がおおむね20%以下であれば、低リスクであり、Oncotype DXによる検索はまず不要ということになる。このことは腫瘍径やnの状況にはよらないと思われる。ただし、Ki67の評価は診断医、染色条件、判定部位によってかなり変わってしまうこともあるので慎重に判断する必要はあろう。

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サン・アントニオ2016 レポート-1

レポーター紹介はじめに2016年SABCSは12月6日~10日まで5日間開催された。今年から会場が新しくなり、非常に快適であった。しかし、外は風も強くとても寒い日が続いた。メイン会場は従来と雰囲気は変わらないが、柱やスクリーンが障壁となって、座席によりスライドの見えにくいところが多かったのが難点である。来年より改善して欲しいところである。今回私たちの臨床をすぐに変えるようなものはほとんどなかった。しかし、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)をはじめとするがん免疫、ERやHER2も含めた体細胞変異、BRCA1/2以外の胚細胞変異、多遺伝子アッセイ、リキッドバイオプシー(循環癌細胞、セルフリーDNA)、マイクロRNA(miRNA)、がん幹細胞、腫瘍の不均一性といった話題は引き続き多くみられた。また、臨床試験デザインの演題も多く採用されていたように思う。まずはOral sessionから紹介する。NSABP B-42は閉経後乳がんにおいて、アロマターゼ阻害剤(AIs)を5年服用後(タモキシフェン3年以下服用も含む)に、さらにレトロゾールを5年延長した場合の効果をみる試験である。現在までにタモキシフェン5年服用後にレトロゾールを5年延長するMA.17試験でその有効性が示されている。MA.17R試験では、レトロゾール5年にさらにレトロゾール5年を追加したが、遠隔再発抑制効果はほとんどみられなかった。しかし、それ以前にタモキシフェンを5年使用していた患者も多く含まれているため、私たちが知りたい条件とは異なっていた。B-42試験では3,964例が2群に割り付けられた。約40%の患者が治療を完遂できず、そのうち治療拒否または中止は14%、有害事象によるものは10%であった。主要評価項目である無病生存期間は、7年でレトロゾール群84.7%、プラセボ群81.3%と有意差が認められた(p=0.048、 HR=0.85:0.73~0.99)。さらに遠隔再発もそれぞれ3.9%、5.8%で有意差を認めた(p=0.03、HR=0.72:0.53~0.97)。しかし全生存期間には差を認めなかった(92.3% vs.91.8%)。すなわち、アロマターゼ阻害剤5年にさらにレトロゾール5年を延長することによる利益は全体としてはわずかである。スライドでは示されなかったが、予後不良(リンパ節転移陽性など)群などでは効果が大きくなると思われる。そのため、TAM→TAM、TAM→AIs、AIs→AIs共に、より予後不良と考えられる患者には使うメリットがあろうと考えられ、個々の患者の状況により対策を立てるのが賢明である。DATA研究は2~3年のタモキシフェンの後に3年または6年のアナストロゾールを服用した際の効果を比較する第III相試験である。3年無病生存率は79.4% vs.83.1%で有意差はみられなかったが(p=0.07、HR=0.79:0.620~1.02)、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、pN+、化学療法施行例に限ると75.9% vs.86.0%で有意差が認められた(p=0.01、HR=0.58:0.39~0.89)。なお、全生存率にはまったく差は認められていない。まだ観察期間も短く、何ら結論は出せないが、他の延長試験と合わせて考えると、やはり再発リスクが高いグループでアロマターゼ阻害剤の延長を考慮したほうが良さそうである。BRCA1/2乳がんにおける体細胞遺伝子の変化について、メモリアル・スローンケタリングがんセンターから報告があった。BRCA1/2乳がんは先天的に一方のアレルのBRCA1/2遺伝子が変異により機能喪失しており、2ヒットとしてもう一方のアレルも何らかの理由で機能喪失すると乳がんに進展していく。BRCA1では29例中28例で両アレルが失活していたが、1例では失活しておらず散発性の乳がん発症と考えられた。両アレルの失活に伴い、その他の遺伝子変異がTP53-76%(ER陰性-95%、ER陽性-25%)、NF1-10%、PTEN-10%、RB1-7%に認められた。BRCA2では10例中全例でLOHが認められた。BRCA1/2胚細胞変異保有者における散発性乳がんの割合とBRCA1/2遺伝子変異に伴う他の体細胞遺伝子変異は、私も兼ねてより知りたかったことの1つだったのでここに紹介した次第である。すなわち、BRCA1/2遺伝子変異保有者ではその大半が遺伝性乳がんとして発症し、散発性乳がんはごくわずかであるということである。当然のことながら散発性乳がんは遺伝の有無にかかわらず発症する訳であるが、遺伝を持っている方は散発性乳がん発症に加え、より大きな遺伝性乳がん発症のリスクを持っていると考えられ、やはり個別化医療としての選択的なサーベイランスを行うことが大切であろう。化学療法に伴う脱毛を予防するための頭皮冷却に関する無作為化比較試験SCALPの結果が報告された。本研究はPaxmanの頭皮冷却装置が用いられているが、これは国内でもすでに薬事承認されている。182例の患者が無作為化割り付け(冷却群119例、非冷却群63例)され、1レジメンでの効果が検討された。その結果、非冷却群での脱毛は100%であったのに対し、冷却群では脱毛を50.5%予防できていた。薬剤別での予防率はタキサンで65.1%であったが、アントラサイクリンではわずか21.9%であった。冷却により強い不快感を訴えた方はわずかであった。比較的良好な結果を示しているといえるが、本報告の問題点として、薬剤の詳細(種類や投与量)がわからないこと、最も多く使われているアントラサイクリン+タキサンレジメンでの脱毛の割合が不明であることが挙げられる。また、パクリタキセルの毎週投与では頭皮冷却の回数が非常に増えてしまうことが懸念される。実地臨床では、時間が長くなり化学療法室を1例で長く占拠してしまうこと、化学療法室のスペース不足、誰に行うのか、といった問題があるのが現実であり、データ不足と相まって普及にはまだ困難を伴いそうである。アロマターゼ阻害剤関連の筋骨格系症状(AIMSS)に対するデュロキセチンの効果をみる無作為化比較試験の結果が報告された(SWOG S1202))。慢性疼痛の治療薬としてFDAで認可されているセロトニン・ノルアドレナリン再吸収阻害薬(SNRI)の1つであるデュロキセチンの効果をみたものである。299例の患者をデュロキセチンとプラセボを12週間内服する群にそれぞれ割り付け、QOL評価を行った。その結果、関節痛や関節のこわばりはデュロキセチン内服群で有意に改善傾向がみられ、QOLも有意に向上していた。しかしながら、その差はわずかにみえる。デュロキセチン群の方で明らかに有害事象が多いこと、プラセボ群でもそれなりの効果と有害事象が出ていることから、直ちにデュロキセチンを使うというよりは1つの提案をしてみたい。まずは何らかの副作用の少ない薬剤(たとえば漢方薬、ビタミンD3など)を使って効果を確認し、改善が不十分であればデュロキセチンに変えてみるなどすると、有害事象を最小限にしながら治療効果を上げることができるのではないか。

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NSCLC2次治療のS-1、ドセタキセルに非劣性:肺癌学会

 第57回日本肺癌学会のプレナリーセッションにて、プラチナ既治療非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に対するS-1とドセタキセルの第III相無作為化比較試験EAST-LC(East Asia S1 Trial Lung Cancer)の主要な結果について、日本人のサブ解析を交え仙台厚生病院の菅原俊一氏が発表した。 ドセタキセルは、進行NSCLCの2次治療以降の標準化学療法の1つと位置付けられている。一方、S-1は既治療のNSCLCに対する有効性・安全性が報告されている。当試験は、進行NSCLCの既治療患者における、S-1 のドセタキセルに対する非劣性を検討する試験であり、日本の7施設および中国、台湾、香港、シンガポールの東アジア5ヵ国で行われた。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS )など。ドセタキセルは60mg/m2(海外では承認用量75mg/m2)を3週ごと、S-1は80~120mg/日を6週ごとに(4週投与、2週休薬)投与された。 両群で期待される生存期間中央値を12ヵ月、非劣性マージンのハザード比を1.2とした。対象は、ステージIIIBおよびIVの成人NSCLC。前治療歴が2レジメン以内で、少なくとも1つのプラチナベースの治療が行われている症例(EDFR- TKIを用いた場合は3レジメンまで許容)。1,154例が登録され、無作為にドセタキセル、S-1に1対1(ともに577例)に割り付けられた。 結果、OS中央値はドセタキセル群12.52ヵ月、S-1群12.75ヵ月であり、S-1の非劣性基準1.2を満たした(HR:0.945、95%CI:8.33~1.073)。日本人集団では、ドセタキセル群12.63ヵ月、S-1群13.37ヵ月(HR:0.922、95%CI:0.789~1.079)と同様の結果であった。また、QOLについては、全体集団および日本人集団ともにS-1 群で有意に良好であった。 有害事象は、血液毒性についてはドセタキセル群で白血球減少、好中球減少、発熱性好中球減少症など、S-1群で血小板減少が多く認められた。非血液毒性については、ドセタキセル群で四肢浮腫、末梢性ニューロパチー、脱毛が高頻度に認められ、S-1群では口腔粘膜炎、嘔吐、食欲不振、下痢などの消化器症状が多く認められた。これらは全体集団、日本人集団とも同様の傾向であった。

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抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet

 扁平上皮・非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体atezolizumabは、PD-L1蛋白質の発現状況にかかわらず、ドセタキセルに比べ全生存期間を有意に延長することが示された。安全性プロファイルも良好だった。ドイツLungenfachklinik Immenhausen病院のAchim Rittmeyer氏らが行った、第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験「OAK」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月12日号で発表した。OAKは、PD-L1をターゲットとした治療の初となる第III相無作為化試験だという。プラチナ製剤ベース化学療法実施後のStageIIIB・IVのNSCLCを対象に試験  研究グループは2014年3月11日~2015年4月29日にかけて、31ヵ国、194の大学または地域のがん治療センターを通じ、扁平上皮・非扁平上皮NSCLCの18歳以上の患者で、固形がんの治療効果判定のためのガイドラインにより測定可能で、米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)による全身状態の評価尺度が0~1の1,225例を対象に試験を行った。被験者は、プラチナ製剤ベースの化学療法を1~2回受けており、StageIIIBまたはIVのNSCLCだった。自己免疫性疾患やドセタキセル、CD137作動薬、抗CTLA4、PD-L1・PD-1パスウェイを標的とした治療をすでに受けていた人については、被験者から除外した。 同グループは被験者を無作為に2群に分け、atezolizumab 1,200mgまたはドセタキセル75mg/m2を3週ごとに静脈投与した。 主要評価項目は2つで、intent-to-treat解析による全生存期間と、PD-L1発現で分類したサブグループ(TC1/2/3またはIC1/2/3)の全生存期間だった。主要有効性解析は、1,225例中、最初の850例(atezolizumab群、ドセタキセル群ともに425例)を対象に行った。生存期間中央値、atezolizumab群で約4ヵ月延長 その結果、ITTおよびサブグループによる解析ともに、全生存期間(OS)はatezolizumab群でドセタキセル群に比べ有意に延長した。ITT解析では、atezolizumab群のOS中央値は13.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.8~15.7)に対し、ドセタキセル群は9.6ヵ月(8.6~11.2)だった(ハザード比[HR]:0.73、95%CI:0.62~0.87、p=0.0003)。 PD-L1発現が1%以上の腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に認められたサブグループ(TC1/2/3またはIC1/2/3)でもOS中央値は、atezolizumab群(241例)15.7ヵ月(95%CI:12.6~18.0)、ドセタキセル群(222例)10.3ヵ月(8.8~12.0)と有意差が認められた(HR:0.74、95%CI:0.58~0.93、p=0.0102)。また、PD-L1発現が1%未満のサブグループ(TC0またはIC0)でも、OS中央値はそれぞれ12.6ヵ月、8.9ヵ月と、atezolizumab群で有意に延長した(HR:0.75、95%CI:0.59~0.96)。 生存期間の延長効果については、扁平上皮または非扁平上皮のNSCLCで同等だった。 なお、Grade3または4の治療に関連した有害事象の発生率は、ドセタキセル群43%に対してatezolizumab群は15%と少なかった。

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トラスツズマブとバイオシミラー、ERBB2陽性乳がん奏効率は同等/JAMA

 トラスツズマブのバイオシミラー(バイオ後続品)は、タキサン系薬剤の投与を受けているERBB2(HER2)陽性の転移性乳がん女性において、トラスツズマブと同等の奏効率をもたらすことが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S Rugo氏らが行ったHeritage Studyで示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2016年12月1日号に掲載された。モノクローナル抗体などのバイオ医薬品は、多くのがんの治療選択肢であり、アウトカムを大きく改善するが、これらの薬剤への近接性が十分でない国も多いという。いくつかのバイオ医薬品の特許期間の満期がさし迫り、世界中の製薬企業や保健機関にとって、バイオシミラーの開発は高品質の代替薬へのアクセスを高めるものとして、優先度が高くなっている。バイオ後続品の同等性を検証する無作為化試験 Heritage Studyは、ERBB2陽性の転移性乳がん患者におけるトラスツズマブのバイオシミラー(MYL-1401O)の安全性と有効性を評価する国際的な二重盲検無作為化並行群間比較試験(Mylan社の助成による)。 対象は、化学療法薬およびトラスツズマブによる前治療歴のないERBB2陽性の測定可能病変を有する女性または男性の転移性乳がん患者であった。全身状態(ECOG PS)は0~2、左室駆出率(LVEF)は各施設の正常範囲とし、術後トラスツズマブ施行例は1年以上が経過していれば可、脳転移例は放射線照射などで病態が安定した場合は可とし、ホルモン薬は試験開始前に中止することとした。 被験者は、バイオシミラー+タキサン系薬剤またはトラスツズマブ+タキサン系薬剤を投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。バイオシミラーとトラスツズマブは3週ごとに静脈内投与し、初回は8mg/kgを90分で、2回目以降は6mg/kgを30分で投与した。タキサン系薬剤(ドセタキセルパクリタキセル)の選択は、担当医の裁量とした。治療は、許容できない毒性の発現や病勢が進行するまで、8サイクル(24週)以上施行することとした。 主要評価項目は、24週時の客観的奏効率(ORR:完全奏効[CR]+部分奏効[PR])であり、バイオシミラーのトラスツズマブに対するORR比の90%信頼区間(CI)が0.81~1.24の範囲内、またはORR差の95%CIが-15~15%以内の場合に、両群の腫瘍縮小効果は同等と判定した。 2012年12月~2015年8月に、ブルガリア、チリ、チェコ、ジョージア、ハンガリー、インド、ラトビア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、南アフリカ、タイ、ウクライナの95施設に500例が登録され、458例(バイオシミラー群:230例、トラスツズマブ群:228例)が有効性解析の対象となった(ITT集団)。安全性は493例(247例、246例)で検討された。TTP、PFS、OSに有意差なし、有害事象プロファイルも類似 全体の平均年齢は53.6歳(SD 11.11)、白人(バイオシミラー群:69.1%、トラスツズマブ群:67.5%)が多くを占め、次いでアジア人(30.4%、31.6%)が多かった。登録例はすべて女性だった。 ORRは、バイオシミラー群が69.6%(95%CI:63.62~75.51)、トラスツズマブ群は64.0%(95%CI:57.81~70.26)であった。CRがバイオシミラー群の3例(1.3%)で得られた。ORR比は1.09(90%CI:0.974~1.211)、ORR差は5.53(95%CI:-3.08~14.04)であり、いずれも事前に規定された同等性限界内であった。 48週時の無増悪率(TTP、バイオシミラー群:41.3% vs.トラスツズマブ群:43.0%、群間差:-1.7%、95%CI:-11.1~6.9、p=0.68)、無増悪生存率(PFS、44.3 vs.44.7%、-0.4%、-9.4~8.7、p=0.84)、全生存率(OS、89.1 vs.85.1%、4.0%、-2.1~10.3、p=0.31)は、いずれも両群間に有意な差を認めなかった。 24週時の1つ以上の治療関連有害事象の発現率は、バイオシミラー群が96.8%(239/247例)、トラスツズマブ群は94.7%(233/246例)であった。頻度の高い有害事象は、脱毛(バイオシミラー群:57.5 vs.トラスツズマブ群:54.9%)、好中球減少(57.5 vs.53.3%)、末梢神経障害(23.1 vs.24.8%)、下痢(20.6 vs.20.7%)の順であった。 重篤な有害事象の発現率は、バイオシミラー群が38.1%(94/247例)、トラスツズマブ群は36.2%(89/246例)であった。全体で、好中球減少(26.4%)の頻度が最も高く、次いで発熱性好中球減少(4.3%)、白血球減少(3.2%)の順だった。重篤な有害事象の発現例のうち8例(両群4例ずつ)が死亡し、このうち呼吸器不全死の1例ずつで、試験薬関連の可能性が示唆された。 ベースラインのLVEF中央値は、バイオシミラー群が64.0%(範囲:51~82)、トラスツズマブ群は63.0%(範囲:51~84)であり、24週時の変化率はそれぞれ-1.0%(範囲:-13~21)、-1.0%(範囲:-19~13)であり、大きな変化はみられなかった。 著者は、「安全性や長期的な臨床アウトカムを評価するために、さらに検討を進める必要がある」とし、「トラスツズマブは世界中で広く使用可能な状況ではないが、このバイオシミラーは価格が低くなり、非高所得国の女性がアクセスできるようになる可能性がある」としている。

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第57回日本肺癌学会、福岡で開催

 第57回日本肺癌学会学術集会が、2016年12月19日~21日まで福岡市の福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センターを会場として開催される。 学術集会の会長である九州大学大学院付属胸部疾患研究施設 教授 中西洋一氏は、第13回肺がん医療向上委員会にて当学術集会のハイライトを紹介。今回のテーマは「Innovation for the Next Stage- 肺癌にかかわるすべての人のために-」とし、学術の振興と国際化、チーム医療プログラムの充実、患者・家族向けプログラムの3点をポイントとした。演題数も1,500以上と過去最多で、シンポジウム18セッション、ワークショップ3セッション、教育演題18講演が予定され、Patient Advocate Programも用意されている。 12月20日のプレナリーセッションでは、プラチナ既治療非小細胞肺がんへのS-1とドセタキセルの比較第III相試験(EAST-LC)、T790M陽性の非小細胞肺がんでのオシメルチニブと化学療法の比較試験(AURA3)が発表され、同日のアンコールセッションでは、IB-IIIA期非小細胞肺がんの術後補助化学療法比較第III相試験(SLCG0401)、ALK陽性肺がんに対するアレクチニブとクリゾチニブの比較第III相試験(J-ALEX)、PD-L1高発現未治療非小細胞肺がんにおけるペムブロリズマブの第III相試験(KEYNOTE-024)の結果がレビューされる。 国際化の流れを受け、世界の肺癌診療をリードする海外演者26名を招聘。12月19日のシンポジウム2 「ALK戦線異常あり」ではAlice T. Shaw氏が、12月21日のシンポジウム17「トランスレーショナルリサーチ」では、Chung-Ming Tsai氏と現世界肺癌学会会長のDavid Carbone氏が、同日の招請講演では前世界肺癌学会会長のTony S. K. Mok氏が登壇する。 また、ニボルマブの薬価問題を受け、12月20日の特別企画「医療費とガイドライン」、同日の学術委員会シンポジウム「医療経済から観た適切な肺がん治療」が開催される。第57回日本肺癌学会学術集会のホームページはこちら

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高リスク早期乳がんへのテーラードdose-denseの効果/JAMA

 高リスク早期乳がん患者において、テーラードdose-dense化学療法は標準化学療法と比較して、乳がん無再発生存率を有意に改善するという結果には至らず、むしろ非血液学的毒性の頻度が高まることが示された。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のTheodoros Foukakis氏らが、Pan-European Tailored Chemotherapy(PANTHER)試験の結果を報告した。体表面積を基に投与量を決定する標準化学療法は、患者の薬物動態・毒性・有効性の個人差が大きい。患者の状態に合わせて投与量を調整するテーラード化学療法と、投与間隔を短縮するdose-dense化学療法の組み合わせが、予後を改善できるかどうかについてはこれまで明らかになっていなかった。JAMA誌2016年11月8日号掲載の報告。約2,000例でテーラードdose-dense化学療法と標準化学療法を比較 PANTHER試験は、2007年2月20日~2011年9月14日に、スウェーデン・ドイツ・オーストリアの86施設で実施された多施設共同無作為化非盲検第III相臨床試験である。対象は、65歳以下のリンパ節非転移陽性あるいは高リスクリンパ節転移陰性乳がん術後患者2,017例で、テーラードdose-dense(dose-dense)群と標準化学療法(対照)群に1対1の割合で無作為割り付けした。 dose-dense群では、白血球最下点を基にエピルピジン(90mg/m2から開始、38~120mg/m2)+シクロホスファミド(600mg/m2から開始、450~1,200mg/m2)を2週ごと4サイクル、その後ドセタキセル(75mg/m2から開始、60~100mg/m2)を2週ごと4サイクル投与した。対照群では、フルオロウラシル(500mg/m2)+エピルビシン(100mg/m2)+シクロホスファミド(500mg/m2)を3週ごと3サイクル、その後ドセタキセル(100mg/m2)を3週ごと3サイクル投与した。 主要評価項目は、乳がん無再発生存率(BCRFS)、副次評価項目は5年無イベント生存率(EFS)、遠隔無病生存率(DDFS)、全生存率(OS)、Grade3/4の有害事象発現率であった。乳がん無再発生存率はそれぞれ88.7%と85.0%で有意差なし 2,017例(dose-dense群1,006例、対照群1,011例、年齢中央値51歳、四分位範囲:45~58歳、ホルモン受容体陽性80%、リンパ節転移陽性97%)中、2,000例が1サイクル以上の治療を受けた(dose-dense群1,001例、対照群999例)。 追跡期間中央値5.3年(四分位範囲4.5~6.1年)において、乳がん再発が269件(dose-dense群118件、対照群151件)発生し、5年BCFRSはdose-dense群88.7%、対照群85.0%であった(ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.61~1.01、log-rank検定のp=0.06)。dose-dense群では対照群と比較しEFSが有意に改善した(5年EFS:86.7% vs.82.1%、HR:0.79、95%CI:0.63~0.99、p=0.04)。OS(5年OS:92.1% vs.90.2%、HR:0.77、95%CI:0.57~1.05、p=0.09)、およびDDFS(5年DDFS:89.4% vs.86.7%、HR:0.83、95%CI:0.64~1.08、p=0.17)は、両群で差はなかった。 Grade3/4の非血液学的有害事象の発現率は、dose-dense群52.6%、対照群36.6%であった。 著者は結果について、「追跡期間が短く、テーラード療法とdose-dense化学療法を組み合わせているため、どちらの方法による影響かを結論付けることはできない」と述べている。

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セリチニブALK陽性肺がんのPFS延長:ESMO 2016

 クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)治療歴のあるALK変異陽性非小細胞肺がん(非小細胞肺がん以下、NSCLC)患者において、ALK阻害薬セリチニブ(商品名:ジカディア)が化学療法に比べ無増悪生存期間(PFS)を延長した。ASCEND-5試験の結果として欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)で発表された。 ASCEND-5試験は非盲検無作為化試験。クリゾチニブ治療歴のある患者231例が、セリチニブ群または化学療法群(ペメトレキセドあるいはドセタキセル)に1:1に割り付けられた。病勢進行(PD)により化学療法が中止となった患者は、セリチニブへのクロスオーバーが許可された。 結果、PFS中央値はセリチニブ群で化学療法群に比べ有意に改善された(5.4ヵ月 vs.1.6ヵ月、p<0.001)。客観的奏効率(ORR)も、セリチニブ群で化学療法群に比べ高かった(39.1% vs.6.9%)。また、PDとなり化学療法が中止となった患者のうち、75例がセリチニブにクロスオーバーした。 セリチニブ投与患者の有害事象は第I、II相試験と同様であった。頻度が高かったGrade3/4の有害事象は悪心(7.8%)、嘔吐 (7.8%)、下痢(4.3%)であった。化学療法では好中球減少(15.0%)、疲労感(4.4%)、悪心(1.8%)であった。また、セリチニブ群では肺がん特異的症状および全般的健康状態などの患者報告アウトカムを有意に改善した(p<0.05)。※患者背景:年齢中央値 54歳、治療期間(セリチニブ群 30.3週、化学療法群 6.3週)、追跡期間中央値 16.5ヵ月(ケアネット 細田 雅之)参考ESMO:プレスリリースASCEND-5試験(ClinicalTrials.gov)

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抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

 米国食品医薬品(FDA)は2016年10月18日、プラチナを含む化学療法中または後に進行した転移性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、atezolizumab(商品名:TECENTRIQ、Genetec Oncolog)を承認した。  atezolizumabは、抗PD-L1抗体であり、プラチナを含む化学療法後に進行した局所進行または転移性尿路上皮がんに対しFDAの迅速承認を得ている。 今回の承認は、2つの無作為化オープンラベル臨床試験(OAK試験、POPLAR試験)の合計1,137例のNSCLC患者において、一貫した有効性と安全性を示した結果に基づくもの。 OAK試験での全生存期間(OS)中央値はatezolizumab群13.8ヵ月(95%CI:11.8~15.7)、ドセタキセル群9.6ヵ月(95%CI:8.6~11.2)(HR:0.74、95%CI :0.63~0.87、p=0.0004)。 POPLAR試験でのOS中央値は、atezolizumab群12.6ヵ月(95%CI:9.7~16.0)、ドセタキセ群9.7ヵ月(95%CI:8.6~12.0)(HR:0.69、95%CI:0.52~0.92)。2つの試験において、ドセタキセルと比較したOSをそれぞれ4.2ヵ月、2.9ヵ月改善した。 POPLAR試験の主要安全性評価集団においてatezolizumab群で多く見られた(20%以上の)有害事象は、疲労、食欲不振、呼吸困難、咳、悪心、筋骨格系疼痛、便秘であった。Grade3~4の有害事象で多く見られた(2%以上)ものは、呼吸困難、肺炎、低酸素血症、低ナトリウム血症、疲労、貧血、筋骨格痛、AST増加、ALT増加、嚥下障害、および関節痛であった。 atezolizumabの免疫関連有害事象は肺炎、肝炎、大腸炎、および甲状腺疾患であった。FDAのリリースはこちら

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非小細胞肺がん1次治療、ニボルマブ単剤と化学療法の比較:CheckMate-026

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は2016年10月9日、PD-L1発現レベルが1%以上の進行期非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)単剤療法を評価したCheckMate-026試験の主要解析の最終結果を発表した。本試験は、PD-L1発現レベルが5%以上の患者における無増悪生存期間(PFS)を評価することを目的に実施された。すでに公表された本試験のトップライン結果では、化学療法と比較し、主要評価項目であるPFSの優越性が示されなかったと公表されている。 PD-L1発現レベルが5%以上の患者におけるPFS中央値はニボルマブ群で4.2ヵ月、プラチナ・ダブレット群(以下、化学療法群)では5.9ヵ月であった(層別化HR:1.15、95%CI:0.91~1.45、p=0.25])。全生存期間(OS)は、ニボルマブ群で14.4ヵ月、化学療法群では13.2ヵ月であった(HR:1.02、95%CI:0.80~1.30)。化学療法群の60%が、PD後にニボルマブによる治療へ切り替えられた。ニボルマブの安全性プロファイルは、従来の報告と一貫していた。投与患者における全GradeおよびGrade3~4の有害事象(AE)発現率は、ニボルマブ群でそれぞれ71%と18%、化学療法群では92%と51%であった。これらの結果は、欧州臨床腫瘍学会総会(ESMO2016)にて発表された。 CheckMate026試験は、進行期非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、ニボルマブの単剤療法と治験担当医師が選択した化学療法薬とを比較した第III相の無作為化オープンラベル試験。進行期の病状に対する全身治療を受けておらず、PD-L1発現陽性(1%以上)患者541例が登録され、ニボルマブ3mg/kgを2週間ごとに投与か、治験担当医師が選択したプラチナ・ダブレット化学療法(扁平上皮がん患者ではゲムシタビン+シスプラチン、ゲムシタビン+カルボプラチン、パクリタキセル+カルボプラチンのいずれか、非扁平上皮がん患者ではペメトレキセド+シスプラチン、ペメトレキセド+カルボプラチンのいずれかの後に任意でペメトレキセド維持療法)に無作為に割り付けられ、病勢進行や忍容できない毒性が認められるまで、あるいは6サイクルが完了するまで投与された。主要評価項目はPD-L1発現レベル5%以上の患者におけるPFSで、独立放射線評価委員会により評価された。 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のプレスリリースはこちら

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ニボルマブ、既治療・再発頭頸部扁平上皮がんのOS延長/NEJM

 プラチナ製剤ベースの化学療法施行後に再発した頭頸部扁平上皮がんの治療において、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブは標準治療に比べ、全生存(OS)期間を有意に延長することが、米国・ピッツバーグ大学医療センターのRobert L Ferris氏らが行ったCheckMate 141試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年10月9日号に掲載された。頭頸部扁平上皮がんの原発または再発病変に対し、プラチナ製剤ベースの化学療法施行後6ヵ月以内に病勢が進行した症例の、OS期間中央値は6ヵ月に満たないが、これらの患者のOS期間を延長する治療選択肢はない。頭頸部扁平上皮がんの転移・再発病変は、T細胞抑制性の免疫チェックポイント受容体であるプログラム死1(PD-1)のリガンド(PD-L1、PD-L2)の発現によって部分的に誘導される免疫回避により、促進されることが知られている。標準的な単剤療法と比較する無作為化第III相試験 CheckMate 141は、プラチナ製剤不応の頭頸部扁平上皮がんにおいて、ニボルマブと標準治療を比較する非盲検無作為化第III相試験(Bristol-Myers Squibb社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、組織学的に口腔、咽頭、喉頭の扁平上皮がんが確証され、プラチナ製剤ベースの化学療法施行後6ヵ月以内に病勢進行または再発した患者であった。 被験者は、ニボルマブ(3mg/kg、2週ごと)を投与する群または標準的な単剤療法(メトトレキサート、ドセタキセル、セツキシマブのいずれか1剤)を行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目はOSであり、副次評価項目には無増悪生存(PFS)、客観的奏効率、安全性、患者報告QOLが含まれた。 2014年6月~2015年8月に、日本人を含む361例が登録され、ニボルマブ群に240例、標準治療群には121例が割り付けられた。OSが30%改善、1年OS率は2倍以上、有害事象、QOLも良好 全体の年齢中央値は60歳(範囲:28~83)、男性が83.1%を占め、腫瘍部位は口腔が48.5%、咽頭が35.5%、喉頭が13.6%、その他が2.5%であった。喫煙者(79.6 vs.70.2%、p=0.047)がニボルマブで有意に多かったが、これ以外の背景因子に有意な差はなかった。 全体の91.4%が放射線療法を受けていた。前治療レジメン数は、1が45.4%、2が34.6%、3以上が19.9%であった。約4分の1が、p16(ヒトパピローマウイルスの代替マーカー)陽性だった。 フォローアップ期間中央値5.1ヵ月におけるOS期間中央値は、ニボルマブ群が7.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.5~9.1)と、標準治療群の5.1ヵ月(95%CI:4.0~6.0)に比べ有意に長く、死亡リスクが30%低減した(ハザード比[HR]:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01)。推定1年OS率は、ニボルマブ群が標準治療群の2倍以上に達した(36.0 vs.16.6%)。 PFS期間中央値は、ニボルマブ群が2.0ヵ月、標準治療群は2.3ヵ月であり、両群に差を認めなかった(HR:0.89、95%CI:0.70~1.13、p=0.32)。一方、推定6ヵ月PFS率はニボルマブ群が高い傾向がみられた(19.7 vs.9.9%)。 腫瘍縮小効果はニボルマブ群が完全奏効(CR)6例、部分奏効(PR)26例で、客観的奏効率は13.3%であった。標準治療群はCR 1例、PR 6例で、客観的奏効率は5.8%だった。 Grade 3/4の治療関連有害事象は、ニボルマブ群が13.1%、標準治療群は35.1%に発現した。ニボルマブ群で頻度の高い全Gradeの有害事象は、疲労(14.0%)、悪心(8.5%)、皮疹(7.6%)、食欲減退(7.2%)、そう痒(7.2%)の順であった。 皮膚関連(15.7 vs.12.6%、主に皮疹)および内分泌系(7.6 vs.0.9%、主に甲状腺機能低下症)の有害事象は、ニボルマブ群のほうが頻度が高かった。ニボルマブ群では、肺臓炎が2.1%に発現し、治療関連死は2例(肺臓炎、高カルシウム血症)認められた。 15週時のEORTC QLQ-C30の身体機能、役割機能、社会的機能、QLQ-H&N35の疼痛、感覚異常、社会的接触障害は、ニボルマブ群がいずれも安定していたのに対し、標準治療は増悪しており、すべての項目で有意な差が認められた。 著者は、「探索的バイオマーカー解析では、PD-L1の発現状況、p16陽性/陰性にかかわらず、OS期間中央値はニボルマブ群が明らかに長かった」としている。

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