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アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の1次治療はプラチナ化学療法とエトポシドの併用だが、20年以上大きな進歩はみられておらず、全生存期間(OS)中央値は10ヵ月程度である。一方で、小細胞肺がんは腫瘍変異負荷が高いことから、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待されている。そこで、小細胞肺がんに対する、カルボプラチン・エトポシドへの免疫チェックポイント薬アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)の追加効果を評価する第III相試験IMpower133が行われている。同試験の中間解析の結果がNEJM誌2018年9月25日号で発表された。アテゾリズマブ群のOSが有意に改善 IMpower133は、未治療のES-SCLC患者403例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第I/III相試験。・対象:全身治療未実施のES-SCLC患者(症状がない既治療のCNS病変を有する患者を含む)・試験薬:アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル・対照薬:プラセボ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル・評価項目:治験医師評価による無増悪生存期間(PFS)およびOS 主な結果は以下のとおり。・201例がアテゾリズマブ群に、202例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。・追跡期間中央値は13.9ヵ月であった。・OSはアテゾリズマブ群12.3ヵ月、プラセボ群10.3ヵ月と、有意にアテゾリズマブ群で良好であった(HR:0.70、95%CI:0.54~0.91、p=0.007)。・1年OS率はアテゾリズマブ群52.7%、プラセボ群38.2%であった。・PFSはアテゾリズマブ群5.2ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月と、有意にアテゾリズマブ群で良好であった(HR:0.77、95%CI:0.62~0.96、p=0.02)。・サググループをみてもこのアテゾリズマブ群で良好な結果であった。・安全性プロファイルは、すでに個々の薬剤で報告されているものと同様であった。 ES-SCLC患者の1次治療において、カルボプラチン・エトポシドへのアテゾリズマブの追加はOSおよびPFSを有意に改善した。 なお、この試験結果は、同時に第19回世界肺癌学会(WCLC2018)で発表された。

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小細胞肺がんに対するアテゾリズマブの上乗せ効果(IMpower133)/WCLC2018

 進展型の小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の1次治療でカルボプラチン+エトポシドにアテゾリズマブを追加することで、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)が延長されることが明らかになった。米国・ジョージタウン大学のStephen V. Liu氏が、第19回世界肺癌学会(WCLC2018)で発表した。 IMpower133は、未治療のES-SCLC患者403例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第I/III相試験。アテゾリズマブ群とプラセボ群に1:1に無作為に割り付け、アテゾリズマブ追加の有効性と安全性を評価した。 この試験では、複合主要評価項目であるOSと治験参加医師評価によるPFSを達成した。新たな安全性のシグナルは確認されず、免疫関連の有害事象の種類および発症率は、アテゾリズマブ単独療法で見られたものと類似していた。■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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ロシュ、世界肺癌会議(WCLC2018)で新データを発表

 Roche社は、2018年9月6日、カナダのトロントで9月23~26日に開催される2018年第世界肺癌会議(WCLC/IASLC 2018)において、さまざまな肺がんを対象とした臨床開発プログラムの新データが発表される旨を公表した。同会議では、3つのLate Breakerと5つの口頭発表を含む10個のアブストラクトが受理されたとしている。 主要な発表は以下のとおり。・進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)初回治療の第III相IMpower133試験から、アテゾリズマブと化学療法(カルボプラチン+エトポシド)の併用の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS))がPredsidentialシンポジウムで発表される。・進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療における第III相IMpower132試験から、アテゾリズマブと化学療法(ペメトレキセド+プラチナ)の併用のPFSおよびOSの結果が発表される。・TKIナイーブのEGFR変異陽性NSCLCの患者における第Ib相試験から、エルロチニブ・アテゾリズマブ併用の長期の安全性と有効性の結果が発表される。・進行ROS1融合陽性NSCLCにおける新たな国際第II相STARTRK-2バスケット研究を含むプール解析から、entrectinibの安全性と有効性の結果が提示される。■参考Roche社メディアリリース

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H/dMMR大腸がんに迅速承認/BMS

 Bristol-Myers Squibb社は、2018年7月11日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)3mg/kgとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)1mg/kgの併用療法が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行したMSI-HまたはdMMRの転移を有する大腸がん(mCRC)患者(成人および12歳以上の小児)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表。 この承認は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、またはイリノテカンを含む化学療法による治療歴を有するMSI-Hまたは dMMRのmCRC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を評価した進行中の第II相CheckMate-142試験のデータに基づくもの。同併用療法は、FDAのブレークスルーセラピーに指定され、優先審査の対象となっていた。 CheckMate-142試験の同併用療法コホートには、1ライン以上の治療が行われたMSI-H/dMMRのmCRC患者が組み入れられ、ニボルマブ3mg/kgとイピリムマブ1mg/kgを3週ごと4回投与され、その後ニボルマブ単剤3mg/kgを2週間ごと、病勢進行または忍容できない有害事象が認められるまで投与された。有効性解析は、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者(全119例中82 例)および全登録患者の両方において実施された。 フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者82例の、独立放射線評価委員会(IRRC)の評価によるニボルマブ・イピリムマブ併用療法のORRは46%(82 例中38 例、CRは3例3.7%、PRは35例43%)であった。全登録患者119例でのORRは、49%(119例中58例、CR5例4.2%、PRは53例45%)であった。奏効が得られた58例のDOR中央値は未達(1.9~23.2+ヵ月)、奏効患者の83%で6ヵ月以上、19%で12ヵ月以上奏効が持続した。 なお、ニボルマブ単剤療法についても、同様の対象患者に対し、2017年8月に迅速承認されている。■参考Bristol-Myers Squibb社プレスリリースCheckMate-142試験(JCO)CheckMate-142試験(Clinical Triakls.gov)■関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H大腸がんで有効性/ASCO-GI2017ニボルマブ、MSI-H転移性大腸がんに迅速承認/FDA いよいよ臨床へ、がん種を問わないMSI-H固形がんをどう診断し、治療していくか

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ASCO2018レポート 消化器がん(肝胆膵)

レポーター紹介2018年度のASCOも例年と同様に、コーミックプレイス@シカゴにて開催された。消化器がんの中でも肝胆膵領域における注目演題についていくつか報告する。肝細胞がん肝細胞がんにおいて、最も注目された演題は、肝細胞がんにおける2次治療としてラムシルマブとプラセボを比較した第III相試験のREACH-2試験である。ラムシルマブは、以前にも肝細胞がんのソラフェニブ不応・不耐の症例を対象としてプラセボと比較した第III相試験を行い、主要評価項目である生存期間は達成しなかったが、AFPが400ng/mL以上の症例で良好な生存期間の延長が示され、今回、AFPが400ng/mL以上の症例を対象としたやり直しの第III相試験を行った。あまり例のない第III相試験であるが、今回は生存期間の有意な延長(生存期間の中央値:ラムシルマブ群8.5ヵ月 vs.プラセボ群7.3ヵ月、ハザード比0.710(95%CI:0.531~0.959)を認め、主要評価項目を達成した。しかも、全体で292例、ラムシルマブ群197例、プラセボ群97例と、比較的少ない患者数で、ポジティブな結果が得られている。また、生存期間のサブグループ解析を見ても、女性以外ではほぼラムシルマブで良好であり、ソラフェニブの2次治療として有用性が示された。無増悪生存期間もラムシルマブで有意に良好(中央値:2.8ヵ月 vs.1.6ヵ月、ハザード比0.452、95%CI:0.339~0.603、p<0.0001)であり、奏効割合もラムシルマブ群4.6%、プラセボ群1.1%と良好で、病勢制御割合もそれぞれ59.9%と38.9%であり、有意に良好であった。Grade3以上の有害事象はラムシルマブ群で高血圧を高率に認めたが(ラムシルマブ群10.7% vs.プラセボ群3.2%)、忍容性は良好であった。ラムシルマブは、肝細胞がんにおいてバイオマーカーでセレクトした患者を対象として、初めて延命効果を示した薬剤であり、また、マルチキナーゼ阻害薬以外の抗体薬である。そのほか、注目された演題としては、Poster Presentationではあるが、切除不能な肝細胞がんに対するVEGFR阻害薬と抗PD-1抗体/抗PD-L1抗体の併用療法で、ベバシズマブとアテゾリズマブの併用療法とレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法である。ベバシズマブとアテゾリズマブの併用療法は、まだ23例と限られた対象での解析であるが、奏効割合(RECIST1.1)が65%と驚異的な成績が示されている。これまでの標準治療であるソラフェニブの奏効割合5~10%と比べると、約10倍の奏効割合である。また、全Gradeの有害事象も食欲減退33%、疲労33%、蛋白尿26%、高血圧21%と、他剤と比べて忍容性も良好であった。これらの有望な結果から、現在、肝細胞がんの初回化学療法例を対象として、ベバシズマブとアテゾリズマブの併用療法とソラフェニブを比較した第III相試験(NCT03434379)が進行中である。レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法は、さまざまながん腫において有効性が期待され開発が進行中である。腎細胞がんではBreakthrough TherapyとしてFDAでも取り上げられており、肝細胞がんに対しても期待されて、第Ib試験が行われた。第I相パートにおいて、6例の患者で投与量規制毒性がないことを確認し、拡大コホートで、初回化学療法の患者24例に投与された。主な有害事象は食欲減退、高血圧であった。最良効果判定にて、増悪と判定された例はなく、ほとんどすべての症例で縮小傾向であった。また、多くの症例で、奏効が長期間続いており、いわゆる“durable response”も認められた。このように、これまでの標準治療であるソラフェニブでは、延命効果は得られるが、なかなか腫瘍縮小効果が得られないと言っていた時代から、約半数の症例で縮小が期待できる時代に突入した。今後の肝細胞がんの化学療法は、これらのVEGF阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法が中心に開発が進んでいくことが予測されている。胆道がん進行胆道がんに対する1次化学療法のゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS)を比較した第III相試験(JCOG1113)がPoster Discussionで日本から報告された。生存期間(中央値)は、GC療法13.4ヵ月、GS療法15.1ヵ月(ハザード比0.945、95%CI:0.777~1.149、p=0.0459 非劣性)と非劣性が示され、胆道がんの初回化学療法の1つのoptionとして位置付けられた。そのほか、胆道がんの初回化学療法例を対象として、GC+ナブパクリタキセルとGC療法を比較する第III相試験がSWOGで進行中であり、今後の有望な併用療法として注目されていた。膵がん膵がん術後の補助療法として、modified FOLFIRINOXとGEMを比較した第III相試験、切除可能膵がんとBorderline resectable(切除可能境界)膵がん患者における術前化学療法と術前化学放射線療法の有用性を検討した第III相試験、転移性膵がんの1次治療としてFOLFIRINOXを増悪まで継続するか、FOLFIRINOX後5-FU+ロイコボリンの維持療法に移行するか、ゲムシタビンとFOLFIRIの逐次治療のどれが良いかを検討するランダム化第II相試験の3演題がOral Presentationとして報告された。術後補助療法としては、海外では、ゲムシタビンが標準治療として行われている。今回は、R0切除が行われた膵がん切除後の患者を対象として、modified FOLFIRINOX(イリノテカンの投与量を150mg/m2に減量したレジメン)とゲムシタビンを比較した第III相試験の結果が報告された。主要評価項目である無病生存期間(中央値)は、modified FOLFIRINOX群で21.6ヵ月、ゲムシタビン群で12.8ヵ月(ハザード比0.58、95%CI:0.46~0.73、p<0.0001)であり、有意に良好な結果が示された。また、生存期間(中央値)もmodified FOLFIRINOX群で54.4ヵ月とゲムシタビン群で35.0ヵ月(ハザード比0.64、95%CI:0.48~0.86、p=0.003)であり、有意に良好な結果であった。有害事象に関して、下痢、末梢神経障害、疲労、嘔吐、口内炎、手足症候群やG-CSFの使用率はmodified FOLFIRINOX群で高率に認められていたが、忍容性はあり、十分に管理可能であった。したがって、全身状態の良好な膵がん切除後の患者に対する補助療法として、modified FOLFIRINOXは標準治療として位置付けられるであろうと報告された。では、日本でも術後補助療法はmodified FOLFIRINOXが標準治療になるだろうか? 日本では、術後補助療法として、S-1とゲムシタビンを比較した第III相試験が行われており、S-1群で、有意に良好な無再発生存期間(中央値:S-1 22.9ヵ月、ゲムシタビン11.3ヵ月、ハザード比0.60、95%CI:0.47~0.76、p<0.0001)と生存期間(中央値:S-1 46.5ヵ月、ゲムシタビン25.5ヵ月、ハザード比0.57、95%CI:0.44~0.72、p<0.0001)が報告されている。S-1単剤でもmodified FOLFIRINOXと同様の成績が得られていること、有害事象はS-1が良好であることを考慮すると、日本において標準的な補助療法がmodified FOLFIRINOXにすぐに置き換わることはないと思われる。しかし、今後、切除不能膵がんにしか適応がないFOLFIRINOXを切除後の補助療法として使用できるように試みることは必要かもしれない。切除可能膵がんとBorderline resectable膵がん患者における術前化学療法と術前化学放射線療法の有用性を検討した第III相試験(PREOPANC)が報告された。切除可能膵がんとBorderline resectable膵がんが約半数ずつ含まれるような対象に対して、まず切除を行い、術後補助化学療法としてゲムシタビン6サイクルを行う群(immediate surgery群)127例と、術前にゲムシタビンを2回投与後、ゲムシタビン併用放射線療法(ゲムシタビン1,000mg/m2にて3投1休、放射線36Gy/15 fraction)を行い、再度ゲムシタビンを2回投与して切除し、術後に補助化学療法としてゲムシタビンを4サイクル行う群(術前療法群)119例を比較した第III相試験である。切除割合は、それぞれ72%と60%であり、immediate surgery群でやや高率であったが、R0切除割合は、それぞれ31%と63%であり、術前療法群で有意に高率であった(p<0.001)。無病生存期間、遠隔転移再発までの期間、局所再発までの期間も、術前療法群で良好であった。生存期間はまだpreliminaryな結果ではあるが、それぞれ13.7ヵ月と17.1ヵ月であり、ハザード比0.74、p=0.074と術前療法群で良好な傾向が示されており、最終解析が期待される結果であった。ただし、本試験では、切除可能膵がんとBorderline resectable膵がんが混在した試験であり、評価が難しい。Borderline resectable膵がんに対しては、すでに第II/III相試験の結果、術前治療の有用性も報告されているが(Jang JY, et al. Ann Surg. 2018;215-222.)、切除可能膵がんにおける術前治療の有用性は明らかにされていない。今後、切除可能膵がんとBorderline resectable膵がんのそれぞれのコホートでの解析も行われると思われるが、切除可能膵がんにおける術前治療の有用性に関して十分な回答が得られない可能性もある。転移性膵がんの1次治療としてFOLFIRINOX 12サイクル後、経過観察する群(FOLFIRINOX群)、FOLFIRINOX 8サイクル後5-FU+ロイコボリンの維持療法に移行し、増悪時にFOLFIRINOXを再開する群(FOLFIRINOX/5-FU群)、ゲムシタビンとFOLFIRI3を2ヵ月ごとに交互に投与する群(FOLFIRI3/Gem群)のいずれが良いかを検討するランダム化第II相試験(PANOPTIMOX)がOral Presentationとして報告された。この試験のコンセプトは、大腸がんでのオキサリプラチンの“stop and go”の投与方法が膵がんでも示すことができるかどうかを検討したものである。主要評価項目である6ヵ月の無増悪生存割合は、FOLFIRINOX群47.1%、FOLFIRINOX/5-FU群44.0%、FOLFIRI3/Gem群34.1%で、FOLFIRINOX群とFOLFIRINOX/5-FU群は同等であり、FOLFIRI3/Gem群は有効性が低いことが示された。また、Grade3~4の末梢神経障害は、FOLFIRINOX群で10.2%に対して、FOLFIRINOX/5-FU群で18.7%と高率であったが、結果的にFOLFIRINOX/5-FU群でオキサリプラチンの投与量が増え、治療強度が強くなったためと考察されている。進行膵がんの1次治療として、FOLFIRINOXによる導入化学療法を4ヵ月行い、5-FU+ロイコボリンの維持療法を行うことは、実施可能で有効な可能性が示され、今後、FOLFIRINOXとFOLFIRINOX+5-FU+ロイコボリンの維持療法を比較する第III相比較試験が必要であると結論付けられた。この試験の結果、FOLFIRINOXにおけるオキサリプラチンの“stop and go”の投与方法は、今後、検討されるべき課題の1つだと思われた。膵神経内分泌腫瘍テモゾロマイドとカペシタビンの併用療法(CAPTEM)とテモゾロマイド単独(TEM)を比較したランダム化比較第II相試験が報告された。これまでに、CAPTEMは30~70%と非常に高い奏効割合が報告され、注目されてきたレジメンである。標準治療であるエベロリムスやスニチニブ以外の化学療法歴がなく、12ヵ月以内に進行が確認された切除不能膵神経内分泌腫瘍の患者142例が対象として行われた。主要評価項目である無増悪生存期間(中央値)は、CAPTEM群22.7ヵ月、TEM群で14.4ヵ月、ハザード比0.58(95%CI:0.36~0.93)、p値も0.023と有意に良好であった。生存期間もCAPTEM群で有意に良好であった(中央値:CAPTEM群 未到達、TEM群38.0ヵ月、ハザード比0.41(95%CI:0.21~0.82、p=0.012)。この試験は、有望視されていたCAPTEM療法が、ランダム化比較試験において、無増悪生存期間の延長のみならず、生存期間の延長まで示されたものであり、今後、膵神経内分泌腫瘍の治療の重要な選択肢の1つとなるものと思われる。まとめASCO2018では、肝細胞がんの2次化学療法におけるラムシルマブ、膵がん切除後の補助療法としてのmodified FOLFIRINOXが、今後、標準治療として位置付けられてくることが予測される。また、そのほかにも有望な治療法の開発も進行中であり、肝胆膵領域の化学療法の開発も活気づいている。

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進行胃がん2次治療へのペムブロリズマブ、日本人解析結果(KEYNOTE-061)/日本臨床腫瘍学会

 神戸市で開催された第16回日本臨床腫瘍学会において、進行胃がんに対する2次治療としてのペムブロリズマブの有用性をパクリタキセルと比較した第III相試験 KEYNOTE-061の日本人解析の結果を、国立がん研究センター東病院の設楽 紘平氏が発表した。 KEYNOTE-061は、フッ化ピリミジン系抗がん薬とプラチナ製剤併用による1次治療後に病勢進行したPD-L1陽性の進行胃・食道胃接合部がん患者を対象とした非盲検無作為化第III相試験。登録患者はペムブロリズマブ(200mg)3週ごと投与群(最長約2年)とパクリタキセル(80mg/m2)4週ごと(1、8、15日目)投与群に無作為に割り付けられた。CPS(Combined Positive Score)≧1%がPD-L1陽性と規定され、主要評価項目はCPS≧1%の患者における全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、安全性などであった。  主な結果は以下のとおり。・全体で592例が登録され、うち日本人は100例(ペムブロリズマブ群:47例、パクリタキセル群:53例)。CPS≧1%の患者は395例で、うち日本人は65例(ペムブロリズマブ群:27例、パクリタキセル群:38例)であった。・CPS≧1の集団における追跡期間中央値は、全例で8ヵ月、日本人集団では10ヵ月。・全例(CPS≧1)における OS中央値は、ペムブロリズマブ群9.1ヵ月 vs.パクリタキセル群8.3ヵ月(HR:0.82、p=0.04)。PFS中央値は、1.5ヵ月 vs.4.1ヵ月(HR:1.27、p=0.98)となり、統計学的な有意差は認められなかった。・日本人集団(CPS≧1)におけるOS中央値は、12.3ヵ月 vs.9.8ヵ月(HR:0.67、p=0.07)、PFS中央値は1.6ヵ月 vs.4.2ヵ月であった(HR:1.21、p=0.75)。 ・12ヵ月間OS率は、全例で40% vs.27%、日本人集団では52% vs.34%。18ヵ月間OS率は、全例で26% vs.15%、日本人集団では26% vs.16%であった。・ORR は全例で16% vs.14%、日本人集団では7% vs.18%であった。・Grade3以上の治療に伴う有害事象の発現率は、全例で14% vs.35%、日本人集団で4% vs.44%であり、ともにペムブロリズマブ群で少ない傾向が示された。 なお、全例解析では、全身状態(ECOG PS)が良好、PD-L1発現レベルが高度(CPS≧10)、マイクロサテライト不安定性高度の患者では、ペムブロリズマブの効果が高い可能性が示唆されている。日本人集団においても、全身状態別にみたOS中央値はPS 0の患者(45例)で12.4ヵ月 vs.10.0ヵ月(HR:0.65)だったのに対し、PS 1の患者(20例)では10.5ヵ月 vs.9.4ヵ月(HR:0.90)であった。

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ASCO2018レポート 乳がん-2

レポーター紹介高齢者におけるトラスツズマブ単独治療の意義:RESPECT試験高齢のHER2陽性乳がん患者に対して術後補助療法として、トラスツズマブ単独または化学療法と併用した群とで比較した本邦からの無作為化第III相試験である。これは名古屋大学の澤木 正孝先生がPIとなって進めていた試験である。一般的に無作為化比較試験の対象から除外されている70歳以上(80歳以下)の方を対象としている点が特筆すべきポイントである。PSにもよるが高齢者ではやや化学療法を行いにくい、しかしHER2陽性乳がんは予後不良なためできるだけ治療は行いたいという臨床上のジレンマがある。もしトラスツズマブ単独でも化学療法併用と同等の効果があれば、わざわざ毒性の高い治療を選択しなくてもいいのではないかという思いは皆持っているかも知れない。また高齢化社会がますます進んでいく中で、70歳以上の割合は明らかに増加していくため、このような試験の立案はとても重要にみえる。本試験は優越性試験でも非劣性試験でもなく、主要評価項目の優劣の判定域を臨床医のアンケート結果に基づいて設定したという点もユニークである。統計学的有意性=臨床的有用性ではないことはどのような試験であっても理解しておかなければならないが、本試験ではまさに臨床上の実を取ったという訳である。計275例の患者が割り付けされ、StageIが43.6%、StageIIAが41.7%、リンパ節転移陰性が78.5%と比較的早期がんが多くを占めていた。HR陽性は45.9%とやや少なかった。3年のDFSはH+CT94.8%に対してH単独89.2%で有意差はなかった(HR:1.42、0.68~2.95、p=0.35)。いずれの群もイベント数が少なく予後良好であった。H単独でも十分な治療効果があったのか、もともと予後が良かったのかは明らかではないが、HER2陽性乳がんの性質を考えると、H単独でも高齢者において比較的良い予後改善効果があったというべきだろうか。QOLに関しては術後1年ではHのほうが良いが3年では差がなくなっていた。最近注目されているDe-escalationという考え方からすると非常に良い結果だったとは言える。PSの良い70代は、本来さらに生存が期待できるので、3年より長期の経過も知りたいところである。QOLは化学療法レジメンによっても多少異なる可能性があり、近年では3cm以下のn0では、個人的にはPTX+HER12サイクルのみのレジメンも積極的に用いていて、しびれがなければ高齢者でも比較的使いやすい印象がある。論文化されるのを待ちたいが、少なくとも早期HER2陽性乳がんの一部ではHRの状況にかかわらず、H単独のオプションを提示してもよいだろう。アントラサイクリンとタキサンの順序は重要か?局所進行HER2陰性乳がんに対してAとTの順序の違いを比較する第II相試験で、NeoSAMBA試験と呼ばれる。ブラジルからの報告である。FAC(500/50/500)3サイクルおよびドセタキセル(100)3サイクルを、A先行とT先行で比較するため118例の患者が無作為に割り付けられた。HR陽性が70%以上であった。結果は、中断、輸血、G使用は同等であったが、減量はT先行で少なかった。Grade3以上の有害事象は、T先行で急性過敏反応が多く、A先行で高血圧、感染、筋関節痛が多かった。pCRはT先行で高く、DFS(HR:0.34、1.8~0.64、p<0.001)、OS(HR:0.33、0.16~0.69、p=0.002)ともにT先行で良好であった。本試験は単施設の第II相試験であり、局所進行がんに限定されている。しかし、薬剤の送達やpCR率は、過去の試験でも一貫してT先行で良好であり、やはりT先行を術前術後の化学療法の標準と考えたほうが良さそうである。ただし、経験上注意点が1つある。増殖率のきわめて高いTNBCでは、ときにタキサンでまったく効果がなく、治療中に明らかな増大を示すものがある。そのため、T開始から1~2サイクルでそのような傾向がみられたら、ちゅうちょせずにAに変更することが勧められる。DC(ドセタキセル75/シクロホスファミド600)の有用性ドイツから、HER2陰性乳がんにおける2つの第III試験であるWSG Plan B試験(ECx4-Dx4 vs.DCx6)とSUCCESS C試験(FECx3-Dx3 vs.DCx6)の統合解析の結果が報告された。Aを含む群2,944例、DC群2,979例と大規模である。中央観察期間62ヵ月でDFSにまったく差はなかった。サブタイプ別にみても、Luminal A-like、Luminal B-like、Triple negativeともにまったく差は認められなかった。ただし、pN2/pN3ではAを含む群でDFSは良好であった(HR:0.69、0.48~0.98、p=0.04)。SABCS2016の報告で、DBCG07-READ試験(ECx3-Dx3 vs. DCx6)の結果を紹介したが、一貫したデータである。したがって、pN2/pN3以外では、もはやAは不要かもしれない。また、以前から述べていることだが、乳がん術後補助療法において、4サイクル以上行って優越性を示しているレジメンは今のところみられず、DCは4サイクルで十分なのではないかと考えている。6サイクルのTCは毒性の面からやはり相当大変だと思われる。パクリタキセル類似の微小管重合促進作用を持つutideloneの有用性アントラサイクリンとタキサン不応性の転移性乳がんに対してカペシタビン(CAP)のみとutidelone(UTD1)を追加した群を比較した中国における第III相試験で、OSの結果が報告された。utideloneはepothiloneのアナログで、微小管を安定させ、血管新生を阻害する薬剤である。UTD1+CAPがCAP単独に比べてPFS、ORRがを改善していることはすでに報告されている。対象としては化学療法レジメンが4つまでと規定している。UTD1+CAPではCAPは1,000mg/m2(CAPのみの群では1,250)であり、UTD1は30mg2を最初の5日間ivを行い3週を1サイクルとしていて、患者は2:1に割り付けられている(CAP+UTD1 270例、CAP 135例)。PFSはUTD1+CAPで著明に改善しており(HR:0.47、0.37~0.59、p<0.0001)、OSもUTD1+CAPで良好であった(HR:0.72、0.57~0.93、p<0.0093)。安全性に関してはグレード3以上の末梢神経障害の割合がUTD1+CAPで25。1%と高い(CAP0.8%)。すでにFDAで認可されているixabepiloneでは、治療終了後6週間で末梢神経障害は改善しているようだが、UTD1においてはどうだろうか。また、安全性プロファイルも限られた情報しか提示されていなかったため、もう少し詳細をみてみたい。しかし、これだけ少数例の検討にもかかわらず明確にOSに差が出ていたため紹介することとした。今後同薬剤がどのように使われていくのか見守りたい。未発症BRCA保有者における乳房MRIの重要性未発症のBRCA変異保有者に対して、乳房MRIによるサーベイランスがリスク低減手術に代わるオプションとなりうるかを検討した試験(トロントMRIスクリーニング試験)である。1997年7月~2009年6月までに乳がんや卵巣がん未発症のBRCA変異保有者380例が登録され、年1回のマンモグラフィとMRIが行われた。研究中40例(41腫瘍)に乳がんが発見された(BRCA1/2各20例、年齢中央値48[32~68]歳)。18例は以前に卵管・卵巣摘出術が行われていた。がん診断までの期間中央値は14(8~19)年であり、脱落例はなかった。発見契機はMRI 38例、マンモグラフィ6例、中間期1例でありTステージは大半が1cm以内の発見であった(2cm以上は1例のみ)。n+は4例に認められた。化学療法は13例に行われた。遠隔再発による死亡は2例、他がんによる死亡が4例(自殺1例、卵巣がん1例、腹膜がん2例)で、遠隔転移を来した2例の腫瘍の特徴はBRCA1/3cm/グレード2/ER+PR-HER2-/n1、およびBRCA2/0.7cm/グレード2/ER+PR-HER2-/n0であった。カプラン・マイヤー法による10年間の乳がん特異的生存率は94.6%と良好であり、乳房MRIスクリーニングはリスク低減手術に代わる重要なオプションであることが証明されたと結んでいる。この研究は、未発症のBRCA1/2保有者に今後の対策について話し合う際に非常に貴重な資料となる。Li-Fraumeni症候群における全身MRIによるがん早期発見の評価:LIFSCREEN試験フランスからの報告である。乳がんの約1%に認められることが知られているLi-Fraumeni症候群(TP53胚細胞変異)では、小児期からさまざまな悪性腫瘍を発症しやすく、有効なスクリーニングの手段が必要である。がん発症リスク上昇の懸念から被曝は極力避けたいため、以前から全身MRIの有用性が報告されているが、本研究は国を挙げての無作為化比較試験であり、実に素晴らしいと言わざるを得ない。アームAは身体所見、脳MRI、腹部-骨盤超音波検査、乳房MRI+乳房超音波、血算であり、アームBはアームAの検査に全身MRI(拡散強調画像)を加えたものである。計105例が無作為に割り付けられ、18歳以上が80%以上、女性が70%以上を占め、家族歴のない患者が約半数であった。少なくとも3年以上の経過観察が行われた。全身MRIでは肺がん3例、脈絡叢がん1例(肺転移)、副腎皮質がん1例(超音波でも同定)、乳がん3例(乳房MRIでも同定)、脊髄グリオーマ1例が発見され、一方、骨髄腫1例、顎の骨肉腫1例、乳がん1例が発見されなかった。3年という短期間では両群でOSに差はなかった。全身MRIではとくに肺がんの発見率が良いようである。フランスでは、本試験の結果を基に、全身MRIをスクリーニング手段としてガイドラインに追加している。しかし多くの放射線科医が全身MRIの読影に慣れていないという大きな問題が存在する。また、全身MRIのプロトコールはさまざまであり、放射線科医は見逃しを少しでも減らし疾患の鑑別をしたいがために、どうしても長い撮像時間のプロトコールを組みたがるが、腫瘍があることが前提の精密検査ではなくスクリーニングであることを十分認識し、受診者負担、撮影装置の占有時間を少しでも減らすため撮像時間を可能な限り短縮したいものである。本報告では具体的な撮像法がわからなかったため、論文化された時点で撮像法の詳細を確認したい。

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オラパリブ・アビラテロン併用で去勢抵抗性前立腺がんのPFS改善/ASCO2018

 既治療の転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対して、抗アンドロゲン薬・アビラテロンにPARP阻害薬オラパリブを上乗せする効果を対プラセボで比較した無作為化第II相臨床試験の結果を、英国・The Christie and Salford Royal HospitalのNoel Clarke氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で報告した。 同試験の対象はドセタキセルの前治療を受けたmCRPCで、化学療法施行は2ライン以内、第2世代抗アンドロゲン製剤での治療歴のない患者。登録患者はアビラテロン1日1回経口1,000mg服用をベースに、オラパリブを1日2回300mgを併用したオラパリブ群とプラセボを併用したプラセボ群に割り付けられた。主要評価項目は画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)、副次評価項目は相同組み換え修復遺伝子変異(HRRm)別のrPFS、2次治療までの無増悪生存期間(PFS2)、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、末梢血中循環腫瘍細胞陽性転化率、安全性。登録症例は142例で、両群に71例ずつ割り付けられた。 rPFS中央値はオラパリブ群が13.8ヵ月、プラセボ群で8.2ヵ月で、オラパリブ群で有意な延長が認められた(HR:0.65、95%CI:0.44~0.97、p=0.034)。 HRRmは21例(全体の15%)で認められた。HRRm症例でのrPFS中央値はオラパリブ群が17.8ヵ月、プラセボ群が6.5ヵ月(HR:0.74、95%CI:0.26~2.12)、生殖細胞検査と血漿検査のいずれか、あるいは双方で変異がないと診断された野生型(HRRpc)のrPFS中央値はオラパリブ群が13.1ヵ月、プラセボ群が6.4ヵ月(HR:0.67、95%CI:0.40~1.13)、生検腫瘍組織で変異がないと診断された野生型(HRRwt)のrPFS中央値はオラパリブ群が15.0ヵ月、プラセボ群が9.7ヵ月(HR:0.52、95%CI:0.24~1.15)。HRRmの有無とrPFSに相関は認められなかった。 また、PFS2中央値はオラパリブ群が23.3ヵ月、プラセボ群で18.5ヵ月(HR:0.79、95%CI:0.51~1.21、p=0.28)、OS中央値はオラパリブ群が22.7ヵ月、プラセボ群で20.9ヵ月であった(HR:0.91、95%CI:0.60~1.38、p=0.66)。 ORRはオラパリブ群が27%、プラセボ群が32%、末梢血中循環腫瘍細胞陽性転化率はオラパリブ群が50%、プラセボ群が46%であった。 Grade3以上の有害事象発現頻度はオラパリブ群が54%、プラセボ群が28%。オラパリブ群で発現頻度が高かった主な有害事象は悪心、貧血、背部痛、便秘、無力症などで、Grade3以上としては貧血が最も多かった。 Clarke氏は「オラパリブとアビラテロンの併用は、アビラテロン単剤に比べ、有意なrPFS延長効果が得られた一方、有害事象の発現頻度は高まった。この結果を基に第III相試験を計画している」と説明した。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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ASCO2018レポート 肺がん-1

レポーター紹介2018 ASCO(American Society Clinical Oncology)Annual Meetingが、2018年6月1日~5日、米国・イリノイ州シカゴで開催された。第54回を数える今回の年次総会には、世界中からがん医療に関わる医師、看護師、薬剤師、患者、製薬企業などが多数参加しており、がんに関する幅広い研究成果や教育講演に接することができた。ここ数年、肺がん領域は毎年標準治療を変えるエビデンスが創出されているが、今年のASCOでもその勢いは続き、今年のガイドラインに掲載されうるエビデンスが多数報告された。免疫療法の到達点非小細胞肺がんの2次治療において、ニボルマブがドセタキセルに対して歴史的な勝利をおさめて3年ほどで、PD-L1高発現の患者集団の1次治療においてペムブロリズマブがプラチナ併用療法を凌駕することが示された。そして昨年末のESMO IO、今年に入ってからのAACR、そしてASCOと立て続けに、PD-L1の発現によらず、免疫チェックポイント阻害薬が1次治療を席巻するエビデンスが報告された。KEYNOTE-042PD-L1 TPS 1%以上の進行非小細胞肺がん患者を対象に、ペムブロリズマブとプラチナ併用療法を比較した第III相試験である。同様の患者集団に対しては、すでにニボルマブを用いたCheckMate 026試験が実施されており、ニボルマブは化学療法と同等であったが優越性を示すことはできなかった。KEYNOTE-042においてはそれに反して、hazard ratio 0.81(95%信頼区間:0.71~0.93)と統計学的にも有意に、ペムブロリズマブ単剤が化学療法に勝る結果が報告された。生存期間中央値では、ペムブロリズマブ群が16.7ヵ月、化学療法群が12.1ヵ月であった。CheckMate 026との違い、とくにニボルマブとペムブロリズマブの薬剤としての有効性の違いがあるのか、という点に注目が集まる結果である。試験の詳細を比較すると、KEYNOTE-042試験において、PD-L1 TPS 50%以上の患者集団の割合が高いこと、試験が免疫チェックポイント阻害薬未承認の国を中心として実施されているため、後治療でのクロスオーバーの割合が低いこと、などの点を考慮すると、薬剤の違いよりも他の相違点が結果に影響しているという考察がなされている。また、PD-L1 TPS 1~49%のサブセットにおいては、ペムブロリズマブの有効性は必ずしも化学療法よりも明らかに優れる結果ではなかったことから、化学療法実施不可の患者を除き、KEYNOTE-189で示された化学療法+ペムブロリズマブの選択が妥当とする見解が主流である。いずれにせよ、PD-L1陰性を除き、すべての非小細胞肺がん患者に対して免疫チェックポイント阻害薬単剤療法の使用を支持する結果が得られたことに高い評価が集まった。Pembrolizumab(pembro)versus platinum-based chemotherapy(chemo)as first-line therapy for advanced/metastatic NSCLC with a PD-L1 tumor proportion score(TPS)≧1%:Open-label, phase 3 KEYNOTE-042 study.(Abstract No: LBA4)Gilberto LopesKEYNOTE-407AACRで非扁平上皮非小細胞肺がんに対して実施されたKEYNOTE-189試験の結果が報告され、PD-L1の発現によらずプラチナ併用療法+ペムブロリズマブが新たな標準治療となる方向性が示された。KEYNOTE-407試験は、扁平上皮非小細胞肺がんに対して、PD-L1の発現によらずプラチナ併用療法+ペムブロリズマブの有効性を検証した第III相試験である。559人の患者を登録した本試験の結果、Co-primary endpointのOSとPFSともにペムブロリズマブ併用群が有意に生存を延長するという結果が得られた。OSではhazard ratio 0.64(95%信頼区間:0.49~0.85)、PFSではhazard ratio 0.56(95%信頼区間:0.45~0.70)であった。サブセット解析ではPD-L1の発現割合が高いほど有効性が増す傾向が示されたものの、PD-L1の発現によらない全集団でのOS、PFSの優越性が認められていることの意義は大きく、扁平上皮非小細胞肺がんの新たな標準治療が創出された試験となった。Phase3study of carboplatin-paclitaxel/nab-paclitaxel(Chemo)with or without pembrolizumab(Pembro)for patients(Pts)with metastatic squamous(Sq)non-small cell lung cancer(NSCLC).(Abstract No: 105)Luis G. Paz-AresIMpower 131PD-L1阻害薬であるアテゾリズマブとプラチナ併用療法を用いた試験のうち、扁平上皮非小細胞肺がんを対象としたものがIMpower 131試験である。本試験はアテゾリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルのArm A、アテゾリズマブ、カルボプラチン、アブラキサンのArm B、カルボプラチン、アブラキサンのコントロールとしてのArm Cを含む、3群のランダム化試験である。今回報告されたのは、その中でもArm BとArm Cの比較である。primary endpointであるPFSのhazard ratio 0.71(95%信頼区間:0.60~0.85)と、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が示された。一方、OSの中間解析も併せて報告されたがイベント数が不足しており、若干アテゾリズマブ群が良い傾向がみられたが、最終解析の結果を待つ必要がある結果であった。IMpower131: Primary PFS and safety analysis of a randomized phase III study of atezolizumab + carboplatin + paclitaxel or nab-paclitaxel vs carboplatin + nab-paclitaxel as 1L therapy in advanced squamous NSCLC.(Abstract No: LBA9000)Robert M. JotteCheckMate 227ニボルマブ、イピリムマブ併用療法、ニボルマブ、化学療法の併用療法、そして標準治療としての化学療法の3群のランダム化試験であるCheckMate 227試験からは、今回PD-L1陰性の進行非小細胞肺がん患者において化学療法と化学療法+ニボルマブを比較した解析結果が報告された。PFSのhazard ratioが0.74(95%信頼区間:0.58~0.94)と、ニボルマブと化学療法の併用によって、PD-L1陰性の患者集団においても無増悪生存期間が延長されるという結果が示されている。CheckMate 227試験に関しては、AACRにおいてTumor Mutation Burden(TMB)が高い患者集団におけるニボルマブ、イピリムマブ併用療法の良好な成績が報告されるなど、さまざまな解析が進行中である。最も重要な全集団におけるニボルマブ+化学療法の有効性に関する解析結果はまだ行われておらず、結果が待たれる。Nivolumab(Nivo)+platinum-doublet chemotherapy(Chemo)vs chemo as first-line(1L)treatment(Tx)for advanced non-small cell lung cancer(NSCLC)with<1% tumor PD-L1 expression:Results from CheckMate-227.(Abstract No: 9001)Hossein Borghaei

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膵がんアジュバントにおけるmFOLFIRINOXの可能性(PRODIGE 24/CCTG PA.6)/ASCO2018

 切除後の膵臓がんでは、術後補助化学療法を行ったにもかかわらず、7割の患者が2年以内に再発するとされる。そのため、より良好な成績の術後補助化学療法が求められている。この術後化学療法として、フルオロウラシルのボーラス投与を省いたmodified FOLFIRINOX(mFOLFIRINOX)療法とゲムシタビン単剤療法を比較した第III相試験PRODIGE 24/CCTG PA.6が行われ、その結果をフランス・Institut de Cancérologie de LorraineのThierry Conroy氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 試験の登録患者はR0、R1切除施行、術後12週間以内の腫瘍マーカーが180U/mL未満で化学療法、放射線療法の治療歴のないPS 0~1の膵がん患者。患者は、mFOLFIRINOX(オキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、イリノテカン180mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m246時間持続投与)を2週間ごと最大12サイクル施行したmFOLFIRINOX群と、ゲムシタビン1,000mg/m2を3または4週間ごとを最大6サイクル施行するゲムシタビン群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は無病生存期間(DFS)、副次評価項目は毒性、全生存期間(OS)、3年時点のがん特異的生存率(SS)、無転移生存期間(MFS)とした。 2012年4月~2016年10月に493例が登録され、mFOLFIRINOX群は247例、ゲムシタビン群は246例であった。追跡期間中央値は33.6ヵ月。 DFS中央値は、mFOLFIRINOX群が21.6ヵ月(17.7~27.6)、ゲムシタビン群が12.8ヵ月(11.7~15.2ヵ月)と、mFOLFIRINOX群で有意に延長した(HR:0.58、95%CI:0.46~0.73、p

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ASCO2018レポート 消化器がん

レポーター紹介本年度の米国臨床腫瘍学会年次総会が、2018年6月1日~5日まで例年どおり米国シカゴで開催された。消化器がん領域における注目演題についてレポートする。とくに胃がん領域においては、本邦より2人もの演者がoralで発表されており、日本人として大変誇らしく感じた。JACCRO GC-07 trial本邦の実臨床に最もインパクトがあった演題として、pStageIII胃がんにおけるドセタキセル+S-1(DS)併用療法のS-1療法に対する優越性が証明されたJACCRO GC-07 trialをまずは報告する。本邦では、pStageIII胃がんに対する術後補助化学療法として、S-1療法1年またはCapeOX療法6ヵ月を行うことが標準治療として位置付けられている。しかしながら、ACTS-GC試験のサブグループ解析では、手術単独群に対するS-1療法群の全生存期間におけるHR(ハザード比)がpStageIIIAで0.67、StageIIIBで0.86と報告されており、いずれも効果が不十分と考えられてきた。そこで、根治切除(胃切除+D2郭清)を行ったpStageIII胃腺がんを対象として、S-1療法に対するDS療法の優越性を検証したJACCRO GC-07 trialが行われた。主要評価項目は3年無再発生存(RFS)であり、S-1療法群の3年RFSを62%、HRを0.78とし、両側検定α=5%、検出力80%を確保するために、必要な症例数は1,100例と算出された。2回目の中間解析において(登録患者915例、イベント数216)、3年RFSがS-1療法群49.5%vs.DS療法群65.9%(HR=0.632、p=0.007)と、DS療法群で有意に良好であったことから、2017年9月に効果安全評価委員会において有効中止の勧告がなされた。登録された両群の患者背景には明らかな差が認められず、また明らかな交互作用は観察されなかった。再発部位は、リンパ節、腹膜、血行性転移いずれもDS療法群で少ない傾向であった。有害事象に関しては、白血球減少、好中球減少、発熱性好中球減少症がDS療法で多かったもののマネージメントは十分可能な範囲であった。演者らは、本試験の結果をもって、根治切除後のpStageIII胃がんに対して、DS療法は新たな術後補助療法の標準治療として推奨されると結論付けた。会場では、S-1療法群の成績が従来の本邦からの報告よりやや悪いことが指摘されていた。個人的には、本邦で行われた良質な第III相試験であること、昨年公表された欧州での第III相試験でFLOT療法(DTX+5FU+L-OHP)の有効性が示されていること、エビデンスレベルという点からも、術後DS療法は標準治療として位置付けられると考えられ、今後は実地臨床にも広く用いられることになるだろう。また、用量強度やOSのupdate解析などの報告にも注目したい。KEYNOTE-061試験現在、本邦では胃がん領域においても2017年9月から免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが実地臨床で用いられている。また、米国においては、ペムブロリズマブが既治療の胃がんに対してFDAで承認を受けている。本試験は、切除不能進行再発胃がん/食道胃接合部がんにおける2次化学療法として、ペムブロリズマブ療法とパクリタキセル療法をHead-to-Headで比較した第III相試験として実施された。当初は、PD-L1発現の有無にかかわらず患者が登録されたが、登録途中でPD-L1陽性(CPS≧1)のみを登録することに変更となった(CPS:combined positive score、PD-L1陽性の細胞数[腫瘍細胞、リンパ球、マクロファージ]/全生存細胞数×100)。主要評価項目は、PD-L1陽性例におけるOSとPFSとし、試験全体の片側α=0.025、OSにおける優越性を示すにはp<0.0135を達成する必要がある統計設計で実施された。登録された患者背景に両群で差は認めなかった。PD-L1陽性例における生存期間中央値(MST)は、ペムブロリズマブ療法9.1ヵ月vs.パクリタキセル療法8.3ヵ月、HR 0.82、片側p=0.042であり、両群で有意差はなかった。ただし、解析時点でペムブロリズマブ群では15例が投与継続(パクリタキセル群は0例)されており、実際に12ヵ月生存割合は39.8%vs.27.1%、18ヵ月生存割合は25.7%vs.14.8%とペムブロリズマブ群で長期生存例が多かった。PD-L1発現別の解析では、CPSが高いほどペムブロリズマブの効果が高まることが示された。また、MSI-High例(全体の5%)では、ペムブロリズマブ療法群でOS、奏効割合がともに良好であった(OSは未達、奏効割合46.7%)。主要評価項目であるPD-L1陽性例におけるOSにおいて、統計学的有意差は示せない結果となった。ただし、今後の進行胃がんの化学療法を考えるうえでは、非常に重要かつ示唆に富む結果が得られたと個人的に感じている。具体的には、先のATTRACTION-2試験(ニボルマブとプラセボを比較した、胃がんにおけるSalvage lineの第III相試験)では、PD-L1発現の有無ではニボルマブの効果予測は困難であったが、CPSというPD-L1陽性の定義を用いると免疫チェックポイント阻害薬の効果予測ができるかもしれない点や、既報と同様にやはりMSI-Hでは胃がんであっても高い奏効割合、治療効果が示される点などである。ディスカッサントからも指摘があったように、今後は、免疫チェックポイント阻害薬同士の併用療法や化学療法との併用療法などの結果が注目され、胃がん化学療法の進歩に期待したいところである。なお、本結果は発表同日にLancet誌に掲載され、インパクトあふれる発表であった。PRODIGE 24/CCTG PA.6試験膵がんの術後補助化学療法は、従来はゲムシタビン療法が標準治療として位置付けられていたが、近年、本邦で実施されたJASPAC-01試験の結果から本邦ではS-1療法が、欧米ではゲムシタビン+カペシタビン療法が確立された。また、遠隔転移を有する膵がんにおいては、FOLFIRINOX療法(5-FU+LV+イリノテカン+L-OHP)が標準治療として用いられている。そこで、切除後膵がんに対する術後補助療法としてのゲムシタビン療法に対するFOLFIRINOX療法の優越性を検証する第III相試験が計画された。本試験で用いられているFOLFIRINOX療法は、毒性の点からmodified FOLFIRINOX療法(mFFX、5-FU 2,400mg/m2+ロイコボリン400mg/m2+イリノテカン180mg/m2+オキサリプラチン85mg/m2、2週ごと、12サイクル)が採用された。主要評価項目は無病生存(DFS)期間として、3年DFS率のHRを0.74、両側α=0.05、検出力80%として必要な症例数は490例と算出された。なお、開始後30例でGrade3以上の下痢を20%に認めたため、以降はイリノテカンの用量が150mg/m2に変更されている。2012年4月~2016年10月までに493例が登録され、2018年2月に効果安全評価委員会において早期結果公表が勧告されたため、今回、データが発表された。登録された患者背景では、リンパ管腫瘍塞栓のみ群間差を認めたがその他は両群に有意な差は認めなかった。DFS期間の中央値は、mFFX療法群21.6ヵ月、ゲムシタビン療法群12.8ヵ月、HR 0.58(p<0.0001)であり、mFFXで有意に良好であった。OSの中央値は、mFFX療法群54.4ヵ月、ゲムシタビン療法群35.0ヵ月、HR 0.64(p=0.003)であった。有害事象として、好中球減少、発熱性好中球減少に差はなかったが、mFFX療法群でG-SCF使用の割合が有意に高かった。また、非血液毒性として、下痢、末梢性感覚ニューロパチー、疲労、嘔吐、口内炎がmFFX群で有意に高かった。以上から、演者らは、mFFX療法は、毒性が増すものの、全身状態が良好な患者における欧米における標準治療と結論付けている。本邦で行われたという点においては、JASPAC-01試験の結果から、毒性の点から、S-1療法は本邦における標準治療としての位置付けは揺るがないだろう。しかしながら、JASPAC-01試験、本試験ともに大規模第III相試験から得られた結果という点では、同等のエビデンスとも考えられ、すでに転移性の膵がんにおいては、FOLFIRINOX療法は実地診療で行われている。とくに、本試験のサブグループ解析では、mFFX療法でR1切除、N1切除の成績が良好であったことから、予後不良な症例にはmFFXは期待できるのかもしれない。

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ペムブロリズマブ、進行胃がんの2次治療の初回解析/Lancet

 化学療法施行後に病勢が進行した胃・食道胃接合部がん患者のアウトカムは不良である。国立がん研究センター東病院の設樂 紘平氏らは、PD-L1陽性の進行胃・食道胃接合部がんの2次治療において、抗PD-1抗体製剤ペムブロリズマブは標準治療のパクリタキセルと比較して、全生存(OS)を改善しないことを示した(KEYNOTE-061試験)。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年6月4日号に掲載された。米国食品医薬品局(FDA)は、PD-L1の発現がみられ、プラチナ製剤またはフッ化ピリミジン系薬を含む化学療法、あるいはHER2/neu標的療法による2ライン以上の治療で病勢が進行した局所再発進行または転移を有する胃・食道胃接合部がんの患者の治療において、ペムブロリズマブの迅速承認を認可している。日本を含む30ヵ国148施設に592例を登録 KEYNOTE-061試験は、プラチナ製剤およびフッ化ピリミジン系薬による1次治療で病勢が進行した進行胃・食道胃接合部がん患者における、ペムブロリズマブの有用性をパクリタキセルと比較する非盲検無作為化第III相試験(Merck Sharp & Dohmeの助成による)。 被験者は、ペムブロリズマブ200mgを3週ごとに最長35サイクル(約2年間)静脈内投与する群、またはパクリタキセル80mg/m2を、4週を1サイクルとしてDay 1、8、15に投与する群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、PD-L1 combined positive score(CPS)≧1の患者における全生存(OS)および無増悪生存(PFS)であった。CPSは、PD-L1陽性細胞数(腫瘍細胞、リンパ球、マクロファージ)を総腫瘍細胞数で除して100を乗じた数値と定義した。安全性は、CPSにかかわらず全例で評価した。OSは、p=0.0135(片側)を有意差の閾値とした。 2015年6月4日~2016年7月26日の期間に、日本を含む30ヵ国148施設に592例が登録され、ペムブロリズマブ群に296例(年齢中央値:62.5歳、男性:68%)、パクリタキセル群にも296例(60.0歳、70%)が割り付けられた。このうち395例がPD-L1 CPS≧1であり、ペムブロリズマブ群が196例、パクリタキセル群は199例だった。OS中央値:9.1 vs.8.3ヵ月、安全性プロファイルは良好 2017年10月26日時点で、追跡期間中央値は全症例が7.9ヵ月、PD-L1 CPS≧1の集団は8.5ヵ月であった。PD-L1 CPS≧1の集団のうち326例が死亡し、死亡率はペムブロリズマブ群が77%(151/196例)、パクリタキセル群は88%(175/199例)であった。 PD-L1 CPS≧1の集団におけるOS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が9.1ヵ月、パクリタキセル群は8.3ヵ月であり、両群に有意な差を認めなかった(ハザード比[HR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.66~1.03、片側検定:p=0.0421)。また、PFS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が1.5ヵ月、パクリタキセル群は4.1ヵ月であった(HR:1.27、95%CI:1.03~1.57)。 奏効率はペムブロリズマブ群が16%(31/196例)、パクリタキセル群は14%(27/199例)であった。奏効期間中央値はそれぞれ18.0ヵ月、5.2ヵ月であり、ペムブロリズマブ群のほうが持続的であった。 全症例における治療関連有害事象の発生率は、ペムブロリズマブ群が53%(155/294例)、パクリタキセル群は84%(232/276例)であった。Grade3~5の治療関連有害事象は、それぞれ14%(42例)、35%(96例)に認められ、治療中止は3%(9例)、5%(15例)だった。 有害事象プロファイルは、両群とも予想どおりであった。最も頻度の高いGrade3~5の有害事象は、ペムブロリズマブ群で貧血(2%)、疲労(2%)、パクリタキセル群では好中球数の減少(10%)、好中球減少(7%)であった。Grade3~5のとくに注目すべき有害事象として、ペムブロリズマブ群では肝炎が4例、下垂体炎が2例、肺臓炎が2例にみられた。 著者は、「長期の追跡に伴ってペムブロリズマブのベネフィットが明らかとなり、12ヵ月時および18ヵ月時の推定OS率は、それぞれ40%(パクリタキセル群:27%)、26%(同:15%)と、臨床的に意義のあるものであった。また、全身状態(ECOG PS)が良好、PD-L1発現レベルが高度、腫瘍組織のマイクロサテライト不安定性が高度の患者では、ペムブロリズマブの効果が高い可能性が示唆された」とし、「良好な安全性プロファイルとともに、これらのデータは、ペムブロリズマブ単剤療法のベネフィットを得る可能性の高い患者を同定するための探索の継続と、現在進行中の併用レジメンの開発を支持するものである」と指摘している。

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扁平上皮肺がん、ペムブロリズマブ+化学療法でPD-L1発現問わずOS、PFS改善(KEYNOTE-407)/ASCO2018

 転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、ペムブロリズマブ単剤治療は、PD-L1発現50%以上において、化学療法と比較して、有意に全生存期間(OS)を延長した。この有効性は扁平上皮、非扁平上皮ともに認められている。一方、ペムブロリズマブと化学療法の併用は、PD-L1発現状況にかかわらず、化学療法単独に比べ、有意なOS延長効果が認められている。この有効性が確認されているのは非扁平上皮においてのみであり、扁平上皮がんにおける、ペムブロリズマブと化学療法の併用の評価は次の課題といえる。 そのようななか、扁平上皮NSCLCへの化学療法に対するペムブロリズマブの上乗せ効果を比較する第III相試験であるKEYNOTE-407の結果をスペイン・Hospital Universitario 12 De OctubreのLuis G. Paz-Ares氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 同試験の対象は未治療のStageIV扁平上皮NSCLC患者。登録患者は無作為にペムブロリズマブ200mg 3週ごと+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルあるいはnab-パクリタキセル)群とプラセボ+化学療法(パクリタキセル群と同一レジメン)群に割り付けられた。 いずれの群も治療を4サイクル実施後、ペムブロリズマブ+化学療法群ではペムブロリズマブ、化学療法単独群ではプラセボを単独で最大31サイクルまで維持療法として実施した。なお、化学療法単独群では試験実施中に病勢進行(PD)となった場合、ペムブロリズマブ200mgの3週ごとをオプションクロスオーバーとした。 主要評価項目はOS、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性。なお、KEYNOTE-407の試験計画では1~3次中間解析と最終解析が予定されており、今回の結果はデータカットオフを2018年4月3日とした2次中間解析であり、主要評価項目として初めてPFSとOSを評価した(1次中間解析の主要評価項目はORR)。 登録患者数は559例で、ペムブロリズマブ+化学療法群が278例、化学療法単独群が281例。追跡期間中央値は7.8カ月。 主要評価項目のOS中央値はペムブロリズマブ+化学療法群が15.9ヵ月(13.2ヵ月~評価不能)に対し、化学療法単独群は11.3ヵ月(9.5~14.8ヵ月)で、ペムブロリズマブ+化学療法群が有意な延長効果を示した(HR:0.64、p=0.0008)。 PD-L1発現によるOSの層別解析では、TPS<1%がHR0.61、TPS1~49%がHR0.57、TPS≧50%がHR0.64と、PD-L1発現状況にかかわらず、ペムブロリズマブ+化学療法群が良好な結果を示した。 PFS中央値についてもペムブロリズマブ+化学療法群が6.4ヵ月(6.2~8.3ヵ月)、化学療法単独群が4.8カ月(4.3~5.7ヵ月)で、ペムブロリズマブ+化学療法群で有意な延長効果を示した(HR:0.56、p<0.0001)。 またPD-L1発現によるPFSの層別解析では、TPS<1%がHR0.68、TPS1~49%がHR0.56、TPS≧50%がHR0.37であり、OSと同じくPD-L1発現状況にかかわらず、化学療法単独群に比べ、ペムブロリズマブ+化学療法群が良好だった。 副次評価項目ではORRでペムブロリズマブ+化学療法群が58.4%、化学療法単独群が35.0%(p=0.0004)、DOR中央値でペムブロリズマブ+化学療法群が7.7ヵ月、化学療法単独群が4.8ヵ月。 Grade3以上の有害事象発現率は、ペムブロリズマブ+化学療法群が69.8%、化学療法単独群が68.2%。ペムブロリズマブ+化学療法群で有害事象による治療中止率や免疫関連有害事象発現率が高い傾向があったものの、確認された有害事象はいずれも各薬剤で既知のものであり、新たな安全性の問題は認められなかった。 Paz-Ares氏は「PD-L1発現にかかわらず、ペムブロリズマブ+化学療法群が化学療法群に優越性を示しており、この併用療法は転移のある扁平上皮NSCLCの1次治療で新たな標準治療となるべきものである」との見解を示した。

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Stage IV胃がん2次治療、ペムブロリズマブ対パクリタキセル(KEYNOTE-061)/ASCO2018

 現在、Stage IV胃がんでは、国際的には1次治療としてフッ化ピリミジン系抗がん剤と白金製剤の併用、2次治療ではタキサン系抗がん剤のパクリタキセルと分子標的治療薬のラムシルマブの併用、あるいはパクリタキセルドセタキセル、塩酸イリノテカンの単剤が用いられている。 一方、ペムブロリズマブは、KEYNOTE-059試験で、2ライン以上の治療歴のあるPD-L1陽性の胃/胃・食道接部がんで良好な効果と安全性を示している。こうしたことを受けて、進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者を対象に2次治療でペムブロリズマブとパクリタキセルの効果を比較する第III相試験 KEYNOTE-061が実施された。その初回解析の結果を国立がん研究センター東病院消化器内科の設樂紘平氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 対象はフッ化ピリミジン系抗がん薬と白金製剤の併用の1次治療を終了したStageIVの切除不能進行・転移性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者。登録患者はペムブロリズマブ(1回200mg)3週ごとの群とパクリタキセル(1日目、8日目、15日目に投与)4週ごとの群に割り付けられた。 登録患者では治療前検体で、22C3抗体を用いた免疫組織染色でPD-L1発現を測定。CPS(Combined Positive Score)1%以上をPD-L1陽性と規定した。主要評価項目はCPS1%以上の患者での全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)とし、副次評価項目は同じくCPS1%以上の患者での全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、安全性・忍容性とした。 登録総患者数は592例でペムブロリズマブ群とパクリタキセル群が各296例。このうちCPS1%以上はペムブロリズマブ群が196例、パクリタキセル群が199例だった。 主要評価項目であるPD-L1陽性でのOS中央値は、ペムブロリズマブ群で9.1ヵ月(6.2~10.7ヵ月)、パクリタキセル群で8.3ヵ月(7.6~9.0ヵ月)で、両群間に有意差はなかった(HR:0.82、95%CI:0.66~1.03、p=0.04205[片側])。またPFS中央値はペムブロリズマブ群で1.5ヵ月(1.4~2.0ヵ月)、パクリタキセル群で4.1ヵ月(3.1~4.2ヵ月)だった(HR:1.27、95%CI:1.03~1.57)。 副次評価項目では、ORRがペムブロリズマブ群で15.8%、パクリタキセル群で13.6%、DOR中央値がペムブロリズマブ群で18.0ヵ月(1.4~26.0ヵ月)、パクリタキセル群で5.2ヵ月(1.3~16.8ヵ月)。 Grade3以上の治療に伴う有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ群が14.3%、パクリタキセル群が34.8%。Grade1以上の有害事象全体で主なものは、ペムブロリズマブ群が疲労感(15.8%)、食欲不振(8.2%)、パクリタキセル群が脱毛(40.2%)、疲労感(23.2%)。 また、Grade3以上の免疫関連有害事象や注射部位反応の発現率は、ペムブロリズマブ群が3.4%、パクリタキセル群が1.8%で、ペムブロリズマブ群で多かった免疫関連有害事象は甲状腺機能低下症(7.8%)、甲状腺機能亢進症(4.1%)となっていた。 OS、PFSは両群間で有意差は認められなかったが、サブグループで解析すると、PD-L1陽性患者でECOG PS0の場合、OS中央値はペムブロリズマブ群で12.3ヵ月(9.7~15.9ヵ月)、パクリタキセル群で9.3ヵ月(8.3~10.5ヵ月)であり(HR:0.69、95%CI:0.49~0.97)、PD-L1陽性でもCPS10%以上ではペムブロリズマブ群で10.4ヵ月(5.9~17.3ヵ月)、パクリタキセル群で8.0ヵ月(5.1~9.9ヵ月)と(HR:0.64、95%CI:0.41~1.02)ともにペムブロリズマブが良好な傾向を示した。 また、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)陽性の患者のみに限定すると、OSはペムブロリズマブ群が未達成、パクリタキセル群が8.1ヵ月(2.0~16.7ヵ月)であり(HR:0.42、95%CI:0.13~1.31)、ORRはペムブロリズマブ群が46.7%、パクリタキセル群が16.7ヵ月と、ペムブロリズマブ群で良好な傾向を示した。 設樂氏は「今回のデータからペムブロリズマブ単独療法でベネフィットを得られる患者集団の特定に向けた研究が必要である」との見解を示している。■参考KEYNOTE-061試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ASCO2018消化器がんオンサイトレポート進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017〔6月19日 記事の一部に誤りがありましたので、修正いたしました。〕

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非扁平上皮肺がんの1次治療、アテゾリズマブ追加でPFS、OS延長/NEJM

 前化学療法歴のない転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(non-Sq NSCLC)の治療において、標準治療のベバシズマブ+化学療法にアテゾリズマブを追加すると、標準治療単独に比べ、PD-L1の発現やEGFR変異、ALK変異の有無にかかわらず、無増悪生存(PFS)および全生存(OS)が改善することが、米国・フロリダ・ホスピタル・キャンサー・インスティテュートのMark A. Socinski氏らが実施した「IMpower150試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年6月14日号に掲載された。抗PD-L1抗体製剤アテゾリズマブは、前化学療法歴のない患者において、プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法との組み合わせで有望な有効性と許容可能な安全性プロファイルを有することが報告されている。また、アテゾリズマブのがん細胞殺傷特性は、ベバシズマブによる血管内皮増殖因子(VEGF)介在性の免疫抑制の遮断作用によって増強される可能性があるという。3群のうちABCP群とBCP群の比較の結果を報告 研究グループは、VEGF遮断は免疫療法の有効性を増強するか、免疫療法と化学療法の併用は有効かという2つの課題に答えるための検討を行った(F. Hoffmann-La Roche/Genentech社の助成による)。今回は、前者の課題に関して、PFSの最終解析およびOSの中間解析の結果を報告した。 前化学療法歴のない転移を有する再発non-Sq NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0~1の患者を対象とした。被験者は、アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(ACP)、ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(BCP)、アテゾリズマブ+BCP(ABCP)を3週ごとに4または6サイクル投与後に、アテゾリズマブまたはベバシズマブ、あるいは双方による維持療法を行う群に、無作為に割り付けられた。 2つの主要エンドポイントは、1)野生型(WT)のintention-to-treat(ITT)集団(WT集団[EGFR変異およびALK変異を有する患者は除外])と、腫瘍のエフェクターT細胞(Teff)の遺伝子シグニチャーが高発現のWT集団(高Teff WT集団)における治験担当医の評価によるPFS、2)WT集団における治験担当医の評価によるOSであった。ACP群とBCP群の比較に先だって、ABCP群とBCP群の比較を行った。 2015年3月~2016年12月の期間に、日本を含む26ヵ国240施設に1,202例(ITT集団)が登録され、ACP群に402例、ABCP群に400例(年齢中央値:63歳、<65歳:53.8%、男性:60.0%)、BCP群に400例(63歳、56.5%、59.8%)が割り付けられた。WT集団は1,040例(86.5%)で、ACP群が348例、ABCP群が356例、BCP群は336例だった。追加により死亡リスクが22%低減 WT集団におけるPFS期間中央値は、ABCP群が8.3ヵ月と、BCP群の6.8ヵ月に比べ有意に延長した(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.52~0.74、p<0.001)。1年PFS率は、ABCP群が36.5%であり、BCP群の18.0%の約2倍であった。 また、高Teff WT集団のPFS期間中央値は、ABCP群が11.3ヵ月と、BCP群の6.8ヵ月と比較して有意に長かった(0.51、0.38~0.68、p<0.001)。EGFR変異、ALK変異例を含む全体のITT集団でも、PFS期間中央値はABCP群がBCP群よりも優れ(8.3 vs.6.8ヵ月、層別化HR:0.61、95%CI:0.52~0.72)、PD-L1が低発現または陰性の患者(8.0 vs.6.8ヵ月、非層別化HR:0.68、0.56~0.82)やTeff遺伝子シグネチャー低発現例(7.3 vs.7.0ヵ月、非層別化HR:0.76、0.60~0.96)、肝転移例(7.4 vs.4.9ヵ月、非層別HR:0.42、0.26~0.66)も同様であった。 WT集団におけるOS期間中央値は、ABCP群が19.2ヵ月と、BCP群の14.7ヵ月に比し有意に延長した(死亡のHR:0.78、95%CI:0.64~0.96、p=0.02)。客観的奏効率は、ABCP群が63.5%、BCP群は48.0%であった。 ABCP群の安全性プロファイルは、個々の薬剤の既報のリスクと一致していた。Grade 3/4の治療関連有害事象は、ABCP群が55.7%、BCP群は47.7%に発現し、頻度の高いものとして、ABCP群では好中球減少(13.7%)、好中球数の減少(8.7%)、発熱性好中球減少(8.4%)が、BCP群では好中球減少(11.2%)、好中球数の減少(6.3%)、高血圧(6.3%)がみられた。Grade 5の有害事象として、ABCP群で発熱性好中球減少が3例に認められた。 著者は、「Teff遺伝子シグネチャーは、PD-L1発現および既存の免疫能のサロゲートマーカーとされ、その高発現は優れたPFSベネフィットをもたらしたが、ベネフィットの程度はPD-L1高発現の場合と同等であった」と指摘している。

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扁平上皮肺がん1次治療、アテゾリズマブ+化学療法でPFS延長。高PD-L1群で顕著(IMpower131)/ASCO2018

 Stage IV扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療に対するアテゾリズマブと化学療法の併用に関する第III相試験IMpower131の結果が、米国・シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。 IMpower131試験は、化学療法未治療のStage IVの扁平上皮NSCLCを対象とし、アテゾリズマブと化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセルまたはパクリタキセル)の併用と、化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)単独の有効性および安全性を比較検討する、オープンラベル多施設共同無作為化第III相試験である。本試験には、下記の3群に1:1:1に無作為に割り付けた1,021例が登録された。・対象患者:化学療法未治療のStage IVの扁平上皮NSCLC・試験薬群 ・A群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(Atezo+CP) ・B群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(Atezo+CnP)・対照群 ・C群(対照群):カルボプラチン+nab-パクリタキセル(CnP)・主要評価項目:B群対C群の治験担当医評価によるITT集団における無増悪生存(PFS)およびITT集団における全生存期間(OS)。今回はB群対C群のPFSの発表。 主な結果は以下のとおり。・PFS中央値は、Atezo+CnP群6.3ヵ月に対し、CnP群5.6ヵ月(HR:0.71、p=0.0001)、12ヵ月PFS率はそれぞれ24.7%と12.0%であった。・PD-L1サブグループによるPFS  PD-L1高発現(TC3またはIC3)では、Atezo+CnP群10.1ヵ月に対し、CnP群5.5ヵ月であった(HR:0.44)。  PD-L1低発現(TC1/2またはIC1/2)では、それぞれ6.0ヵ月と5.6ヵ月であった(HR:0.70)。  PD-L1発現陰性(TC0かつIC0)では、それぞれ5.7ヵ月と5.6ヵ月であった(HR:0.81)。・奏効率は、Atezo+CnP群49%に対し、CnP群41%であった。・奏効期間は、Atezo+CnP群7.2ヵ月に対し、CnP群5.2ヵ月であった。・全有害事象発現率は、Atezo+CnP群99%に対し、CnP群97%。各治療法における既知の事項と同様であった。 OSベネフィットは次回の中間解析で発表される。■参考ASCO2018 AbstractIMpower131試験(Clinical Trials.gov)■関連記事アテゾリズマブと化学療法の併用、扁平上皮肺がん1次治療でPFS延長(IMpower131)アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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進行肺がん1次治療へのアテゾリズマブ併用療法 、OSハザード比0.78(IMpower150)/ASCO2018

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower150における全生存期間(OS)の中間解析結果を、フロリダ・ホスピタル・キャンサー・インスティテュートのMark A. Socinski氏が発表した。IMpower150は、Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)±ベバシズマブへのアテゾリズマブ併用療法の有効性と安全性を検討するオープンラベル無作為化多施設共同試験。 本試験では、1,202例の患者を以下の3群に1:1:1の割合で無作為に割り付け、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。A群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)B群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg)C群:カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg) 主要評価項目は、EGFRまたはALKの遺伝子変異陽性患者を除くITT解析集団(ITT-WT)ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団におけるPFS、およびITT-WT におけるOS。 主な結果は以下のとおり。・A群に349例、B群に359例、C群に337例、ITT-WTの患者が組み入れられた。年齢中央値は63歳、62%が男性、85%が現在あるいは過去の喫煙者で、42%がECOG PS:0であった。・データカットオフ(2018年1月22日)の追跡期間中央値は約20.0ヵ月。・B群とC群の比較において、OS期間中央値は、B群が19.2ヵ月と、C群の14.7ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.64~0.96、p=0.0164)。 ・PD-L1高発現患者(TC3またはIC3;136例)のOSは、B群25.2ヵ月、C群15.0ヵ月 (HR:0.70)、低発現患者(TC1/2またはIC1/2;226例)のOSは、それぞれ 20.3ヵ月と16.4ヵ月(HR:0.80)、発現なし(339例)のOSは、それぞれ 17.1ヵ月と14.1ヵ月(HR:0.82)であった. ・EGFR/ALK遺伝子変異陽性患者(104例)のOSは、B群NE、C群 17.5ヵ月であった(HR:0.54)。 ・ITT-WT集団のうちベースライン時に肝転移のあった患者(94例)におけるOSは、 B群13.2ヵ月、C群9.1ヵ月であった(HR:0.54)。・A群とC群の比較において、OSは、A群が19.4ヵ月と、C群14.7ヵ月に比べ延長傾向が確認された(HR:0.88、95%CI:0.72~1.08、p=0.2041)。・全患者において、Grade3以上の治療関連有害事象発現率は、A群43%、B群57%、C群49%であった。 この結果は、同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載された。■参考ASCO2018 AbstractSocinski MA, et al.N Engl J Med. 2018 Jun 4.[Epub ahead of print]■関連記事アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018抗PD-L1抗体アテゾリズマブ国内発売、肺がん治療に※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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胃がん術後化療、S-1+ドセタキセルがプラクティス変える?(JACCRO GC-07)/ASCO2018

 Stage II/IIIの治癒切除胃がんに対する標準治療として、本邦ではS-1による術後補助化学療法が用いられるが、Stage IIIにおけるアウトカムは十分とはいえない。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、名古屋大学医学部附属病院の小寺 泰弘氏が、Stage III の上記患者に対するS-1/ドセタキセル併用療法とS-1単独療法を比較したJACCRO GC-07(START-2)試験の結果を発表した。S-1/ドセタキセル併用の術後補助化学療法は安全で管理可能な治療法 同試験は、本邦の138施設が参加した第III相ランダム化比較試験。対象はD2リンパ節切除症例のうちR0手術後のStage III治癒切除胃がん患者で、施設、Stage(IIIA、IIIB、またはIIIC)および組織型(分化または未分化)によって層別化され、S-1/ドセタキセル併用療法群(併用群)とS-1単独療法群(対照群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、併用群における3年無再発生存期間(RFS)の7%増加(ハザード比[HR]:0.78、2-sidedα=0.05、β=0.2)で、その検出に必要な症例数は1,100例とされた。副次評価項目は、全生存期間(OS)、治療成功期間(TTF)、および安全性であった。 両群のレジメンは以下のとおり。・S-1/ドセタキセル併用群 サイクル1(3週間):S-1(80mg/m2)を1日2回、14日間連続投与し、7日間休薬 サイクル2~7(3週間ずつ):ドセタキセル(40mg/m2)を各サイクル初日に投与 し、S-1(80mg/m2)を1日2回、14日間連続投与し、7日間休薬 サイクル8以降(6週間ずつ):S-1(80mg/m2)を1日2回、28日間連日投与し、 14日間休薬 → 手術1年後まで繰り返す・S-1 単独療法群 S-1(80mg/m2)を1日2回、28日間連続投与し、14日間休薬を1サイクル (6週間)として手術1年後まで繰り返す 2017年4月に実施された、あらかじめ計画されていた2回目の中間解析の時点で、S-1/ドセタキセル併用群456例、対照群459例が本試験に組み入れられた。中間解析の結果、S-1/ドセタキセル併用群の3年RFSは対照群と比較して有意に良好であった(HR:0.632、95%信頼区間[CI]:0.400~0.998、p=0.0007)。そのため、独立の効果安全性評価委員会により、試験の有効中止が勧告された。S-1/ドセタキセル併用群では対照群と比較して、血行性、リンパ性および播種性を含むすべてのタイプで再発を抑制した。 Grade3以上の有害事象は、白血球減少症と好中球減少症、発熱性好中球減少症について併用群で頻度が高かったが、全体として、S-1/ドセタキセル併用の術後補助化学療法は安全で管理可能な治療法といえる。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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肺がん1次治療、PD-L1低発現でもペムブロリズマブ単剤?(KEYNOTE-042)/ASCO2018

 非扁平上皮および扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤の1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移を有するPD-L1陽性のNSCLC患者において、標準治療のプラチナベース化学療法とペムブロリズマブ単剤治療を比較する国際無作為化オープンラベル第III相試験。対象患者:PD-L1発現1%以上の局所進行または転移を有するNSCLC患者(いずれの組織型も含む)試験薬:ペムブロリズマブ3週ごと35サイクル対照薬:カルボプラチン+パクリタキセルまたはペメトレキセド3週ごと6サイクル評価項目:主要評価項目は全生存期間(OS)(TPS50%以上、20%以上、1%以上で評価)。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)(TPS50%以上、20%以上、1%以上で評価)、安全性(TPS1%以上) 主な結果は以下のとおり。・1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単剤治療またはプラチナベース化学療法に1:1で無作為に割り付けられた。・2年OS率は、TPS50%以上では、ペムブロリズマブ群44.7%に対して化学療法群30.1%(HR:0.69、p=0.0003)、20%以上では40.5%対29.6%(HR:0.77、p=0.0020)、1%以上では39.3%対28.0%であった(HR:0.81、p=0.0018)。・探索的研究での、TPS1~49%の2年OS率は、ペムブロリズマブ群34.6%に対して化学療法群26.5%であった(HR:0.92)。・2年PFS率はTPS50%以上では、ペムブロリズマブ群37.4%に対して化学療法群27.3(HR:0.81、p=0.017)、20%以上では32.4%対28.8%(HR:094)、1%以上では28.0%対26.6%であった(HR:1.07)。・ORRは、TPS50%以上では、ペムブロリズマブ群39.5%に対して化学療法群32.0%、20%以上では33.4%対28.9%、1%以上では、27.3%対26.5%であった。・治療関連有害事象発現は、ペムブロリズマブ群62.7%に対して化学療法群89.9%、免疫関連有害事象発現は、27.8%対7.2%であった。 ペムブロリズマブ単剤治療群は、PD-L1発現NSCLCの1次治療において、PD-L1の発現の程度にかかわらず、化学療法群に比べOSを有意に改善した。■参考ASCO2018 AbstractKEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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Stage III 肺がん、化学放射線療法+免疫療法が期待される理由

 2018年5月25日、第11回アストラゼネカ・オンコロジーサイエンス・メディアセミナー「肺がんの早期治療における免疫治療への期待」が開催された。山本 信之氏(和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 教授)、髙山 浩一氏(京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 教授)が登壇し、Stage III切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)治療における課題と免疫療法による可能性、およびこれまでほとんど明らかにされてこなかった、Stage III肺がん患者の心理的負担感をテーマに講演した。化学放射線療法と免疫療法の併用による可能性 はじめに山本氏は、NSCLC患者の約2割を占めるStage IIIの患者に対する治療では、根治を目指し、化学療法と根治的胸部放射線療法の併用が標準治療として推奨されていることを説明。第2世代レジメン(MVP)から、第3世代レジメン(カルボプラチン+パクリタキセル、シスプラチン+ドセタキセル等)へと新しい抗がん剤が登場しているものの、放射線と併用したときの生存期間延長という意味では、約20年間ほぼ治療の進歩がないことを指摘した。 一方、標準治療が化学療法のみとなるStage IVでは、分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬による治療の進歩が著しい。このうち分子標的治療薬については、「放射線との併用でベネフィットがある可能性はゼロではないが、薬剤性肺炎のリスクがあることから、大規模な臨床試験を実施してその効果を確かめることは難しい」と山本氏は語った。 そこで期待されるのが、免疫チェックポイント阻害薬だ。山本氏は、Stage IV肺がん患者対象の複数の試験で、腫瘍のPD-L1発現率が高いほど免疫チェックポイント阻害薬の奏効率が高いと確認されていること(KEYNOTE-0011)、CheckMate017/0572))、マウスによる実験段階ではあるが、放射線治療によりPD-L1発現が高まり、抗PD-L1抗体と放射線療法を併用すると、各単独療法よりも生存期間が延長すると示唆されていること3)から、「放射線療法が免疫療法の効果を高める可能性がある」と話した。 続いて山本氏は、放射線療法と免疫療法の併用により、放射線照射部位のみでなく、遠方の転移巣においても抗腫瘍免疫反応が活性化される“アブスコパル効果”について言及。悪性黒色腫に対する試験では、イピリムマブ+放射線療法によるアブスコパル効果が確認され、放射線を照射していない部位でも腫瘍縮小効果が確認されている4)という。免疫療法そのものの効果も、早期でより高い? 「腫瘍量が少ないほど免疫療法による治療効果が高いと示唆されていることも5)、Stage IIIでの免疫療法に期待ができる理由の1つ」と山本氏。より早期でより腫瘍量の少ない、手術適応の肺がん患者に対し、術前に免疫チェックポイント阻害薬を投与した結果、ほぼ全例で腫瘍縮小効果が確認されたデータ6)を紹介し、「早期の腫瘍量の少ない病変や微小転移に対し、免疫療法の効果はStage IVよりもさらに高いのではないかと期待される」と話した。心理的な不安感、進行期よりもStage IIIの患者でより強い傾向 続いて髙山氏は、インターネットによる患者調査の結果7)を基に、Stage III肺がん患者における心理的負担感について講演した。「進行期であるStage IVの患者さん対象の調査は行われてきたが、Stage IIIの患者さんの心理的負担感についてはほとんどわかっていなかった」と髙山氏。本調査では、心理的ストレスを数値化するための尺度として、HADS質問票を使用。この質問票は、不安7項目、抑うつ7項目の計14項目からなり、それぞれの状態を点数化して評価する。 調査の結果、化学放射線療法を受けた肺がん患者は、薬物療法を受けた肺がん患者と比較してHADSスコアが高くなる傾向がみられ、特に不安の度合いが高いことが確認された。なかでも、“だんだんと不安が大きくなっていくように感じた”という項目で化学放射線療法を受けた患者の負担感が高かったことに髙山氏は着目。「分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬が使われるStage IVよりも、従来の抗がん剤が使われるStage IIIの治療でより副作用による負担が大きい場合があること、また放射線療法後半における、食事摂取への影響などが背景にあるのではないか」と推察した。 さらに、「Stage IIIでは、初回治療後に無治療で経過観察をする期間が続く。いつ再発するかという不安を抱えながら、“何もしない”ことは大変なストレスだろう」と話し、「免疫療法を含め、このタイミングで何らかの治療の選択肢が生まれれば、心理面でも大きなプラスなのではないか。そしてもちろん、生存期間延長につながる治療法の登場が、病気と治療に直面する患者さんたちにとって、何よりの励みになると期待している」と結んだ。■参考1)Garon EB, et al. N Engl J Med.2015;372;2018-2028.2)Felip E, et al. ESMO 2017.3)Dovedi SJ, et al. Cancer Res.2014;74:5458-5468.4)Postow MA, et al. N Engl J Med.2012;366;925-931.5)Huang AC, et al. Nature.2017;545;60-65.6)Forde PM, et al. N Engl J Med. 2018;378;1976-1986.7)アストラゼネカ株式会社プレスリリース

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