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ナノリポソーム型イリノテカン、膵がん2次治療の新しい選択肢/日本臨床腫瘍学会

 膵がん治療においては、1次治療でゲムシタビンを含む化学療法を行った場合、2次治療の選択肢はFOLFIRINOX療法もしくはS-1単独療法の2つが選択肢であった。 昨年、イリノテカンをリポソームのナノ粒子に封入したオニバイドが発売されたことで、膵がんの2次治療に新しい選択肢が加わった。長期間新薬の承認がなかった膵臓がん領域における新規治療薬の実力は? 日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにおいて、国立がん研究センター東病院の今岡 大氏がオニバイドの海外第III相試験であるNAPOLI-1試験について解説した。 NAPOLI-1試験ではゲムシタビンを含む化学療法後に増悪した遠隔転移を有する膵がん患者417例を対象に、オニバイド+5-FU/LV群と5-FU/LV群を比較した。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は治験担当医指標化に基づく無増悪生存期間(PFS)などであった。 主な結果は以下のとおりである。 OS中央値はオニバイド+5-FU/LV群で6.1ヵ月、5-FU/LV群で4.2ヵ月であり、オニバイド+5-FU/LV群で有意な延長が検証された。[ハザード比0.67(95%CI:0.49~0.92)] また、PFS中央値はオニバイド+5-FU/LV群で3.1ヵ月、5-FU/LV群で1.5ヵ月であり、PFSにおいてもオニバイド+5-FU/LV群で有意な延長が検証されている。[ハザード比0.56(95%CI:0.41~.75)]待望の新治療、気を付ける点は? 医療従事者だけでなく患者からのニーズも高かった新しい治療選択肢であるオニバイドであるが、適切な副作用マネジメントが必要である。 NAPOLI-1試験での副作用は5-FU/LV群で134例中93例、69.4%に対してオニバイド+5-FU/LV群では117例中107例、91.5%に認められている。オニバイド+5-FU/LV群での主な副作用は下痢、悪心、嘔吐であった。 Grade3以上の有害事象はオニバイド+5-FU/LV群で117例中90例、76.9%で認められ、主なGrade3以上の有害事象は好中球減少症や疲労、下痢などであった。 対応について、適切な支持療法を行うとともに、患者の状態を見極めて適宜オニバイドの減量を考慮する。その際の投与量について添付文書に記載されており、それらを参考に投与量を決定できる点もイリノテカンとの違いだと今岡氏は述べている。

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ダロルタミド、転移前立腺がんのOS延長/NEJM

 転移を有するホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の治療において、標準治療であるアンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルに、経口アンドロゲン受容体阻害薬であるダロルタミドを併用すると、プラセボの併用と比較して、全生存期間が有意に延長し、有害事象の発現は増加しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが実施した「ARASENS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年2月17日号で報告された。23ヵ国286施設のプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、mHSPCの治療における、標準治療へのダロルタミド追加の有用性を評価する目的で、国際的な二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施し、2016年11月~2018年6月に日本を含む23ヵ国286施設で参加者の登録を行った(BayerとOrion Pharmaの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、組織学的または細胞学的に前立腺がんと確定され、画像検査で転移病変が検出され、担当医によってADT+ドセタキセルによる治療が予定されている患者であった。 被験者は、ADT+ドセタキセルに加え、ダロルタミド(600mg[300mg錠剤2錠]、食事と共に1日2回経口投与)またはプラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは全生存期間とされた。副次エンドポイントも5項目で改善 1,306例が登録され、このうち1,305例が最大の解析対象集団(FAS)に含まれた(ダロルタミド群651例、プラセボ群654例)。全体の年齢中央値は67歳で、71.1%はECOG PSスコアが0点であり、78.2%はGleasonスコアが8点以上であった。ベースラインで全例が転移病変を有しており、79.5%は骨転移(M1b)、17.5%は臓器転移(M1c)であった。86.1%は初回診断時に転移病変が認められた。血清前立腺特異抗原(PSA)中央値は、ダロルタミド群が30.3ng/mL、プラセボ群は24.2ng/mLであった。 主解析のデータカットオフ日(2021年10月25日)の時点において、ダロルタミド群はプラセボ群より治療期間中央値が長く(41.0ヵ月、16.7ヵ月)、治療継続中の患者の割合が高かった(45.9%、19.1%)。全生存期間のフォローアップ期間中央値は、ダロルタミド群が43.7ヵ月、プラセボ群は42.4ヵ月だった。 全生存期間中央値は、ダロルタミド群が評価不能、プラセボ群は48.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:44.4~評価不能)であり、死亡リスクがダロルタミド群で32.5%低下した(ハザード比[HR]:0.68、95%CI:0.57~0.80、p<0.001)。4年全生存率は、ダロルタミド群が62.7%、プラセボ群は50.4%だった。 副次エンドポイントの階層的検定では、次の主な5項目についてダロルタミド群で有意に良好な結果が得られた。去勢抵抗性前立腺がん発現までの期間(HR:0.36、95%CI:0.30~0.42、p<0.001)、疼痛増悪までの期間(0.79、0.66~0.95、p=0.01)、症候性骨関連事象のない生存期間(0.61、0.52~0.72、p<0.001)、症候性骨関連事象発現までの期間(0.71、0.54~0.94、p=0.02)、他の全身性の薬物療法開始までの期間(0.39、0.33~0.46、p<0.001)。 有害事象の発現は両群で同程度であった。最も頻度の高い有害事象の発生率は、両群ともドセタキセル投与と重なった時期に高かった。Grade3/4の有害事象は、ダロルタミド群66.1%、プラセボ群63.5%で認められ、最も頻度が高かったのは好中球減少症(33.7%、34.2%)であった。重篤な有害事象はそれぞれ44.8%および42.3%で発現し、試験薬の恒久的な投与中止をもたらした有害事象の割合は13.5%および10.6%、有害事象による死亡は4.1%および4.0%であった。 著者は、「ダロルタミドの生存ベネフィットは、プラセボ群で後治療として延命のための全身療法を受けた患者の割合が高かったにもかかわらず観察され、ほとんどのサブグループで一致して認められた」としている。

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食道扁平上皮がん、術前の3剤併用化学療法でOS延長(JCOG1109)/日本臨床腫瘍学会

 切除可能局所進行食道がんの術前療法は、日本では5-FU+シスプラチン(CF療法)が標準療法だが、欧米においては化学放射線療法が標準となっている。日本と海外は術式や組織型が異なるため、海外の臨床試験の結果をそのまま受け入れるのは難しいと考えられていたが、CF療法にドセタキセルを加えたDCF療法が頭頸部がんなどで有望な効果を示しており、食道がん術前治療でも有望な成績が報告されている。JCOG1109試験が食道扁平上皮がんの術前DCF療法の有用性を世界で初めて示唆 これを受け、切除可能な局所進行扁平上皮食道がん患者を対象に、術前療法としてCF療法、DCF療法、CF療法+放射線療法(CF-RT)の3群を比較したJCOG1109試験が行われ、その結果を第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で加藤 健氏(国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科)が発表した。[JCOG1109試験]・対象:治療歴のない切除可能局所進行食道がん患者(PS0~1)・試験群:以下の3群に1対1対1の割合で無作為に割り付けCF群:シスプラチン+5-FU(3週ごと2コース)DCF群:ドセタキセル+シスプラチン+5-FU(3週ごと3コース)CF-RT群:シスプラチン+5-FU+放射線(4週毎2コース)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性など 切除可能局所進行扁平上皮食道がんの術前療法としてCF療法、DCF療法、CF療法+放射線療法を比較したJCOG1109試験の主な結果は以下のとおり。・2012年12月~2018年7月に日本の44施設から601例が登録され、CF群:199例、DCF群:202例、CF+RT群:200例に無作為に割り付けられた。・3年生存割合は、CF群62.6%(95%信頼区間:55.5~68.9%)に対しDCF群72.1%(95%信頼区:65.4~77.8%)と10%近く高く、ハザード比0.68(95%信頼区間:0.50~0.92、p=0.006)とDCF群の優越性が示された。また、CF+RT群の3年生存割合は68%(61.3~74.3%)で、CF群との比較においてハザード比0.84(0.63~1.12、p=0.12)と、CF+RT群の優越性は示されなかった。・有害事象については、Grade3以上の発熱性好中球減少がDCF群で16.3%とやや多かったが、支持療法を適切に行うことで対応可能な範囲だった。また周術期合併症発生割合については明らかな違いは見られなかった。 加藤氏はJCOG1109試験の結果は「1月に開催された米国臨床腫瘍学会消化器シンポジウム(ASCO-GI)で発表され、今後の食道扁平上皮がんに対する術前DCF療法の有用性を世界で初めて示した試験となった。今後同対象に対する新たな標準治療になると考えられる」とした。さらに免疫チェックポイント阻害薬を術前DCF療法に併用する研究(JCOG1804E)が進行中だという。

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HR+HER2-転移・再発乳がん、ベバシズマブ+パクリタキセル導入療法後に内分泌療法+カペシタビン維持療法の戦略で長期のOSを確認/日本臨床腫瘍学会

 ホルモン受容体陽性(HR+)HER2 陰性(HER2-)転移・再発乳がんに対するベバシズマブ+パクリタキセル導入化学療法後の維持療法の有効性を検討した国内多施設無作為化第II相試験(KBCSG-TR1214)において、内分泌療法+カペシタビン併用維持療法が内分泌療法単独に比べ無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことがすでに報告されている。今回、この治療戦略の全生存期間(OS)への影響を評価するために、本試験を事後解析した結果について、大阪大学の吉波 哲大氏が第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表した。[KBCSG-TR1214試験]・対象:HR+HER2-の遠隔転移があるか手術適応とならない再発乳がん(PS 0または1)で、転移・再発がんへの化学療法歴が1レジメン以下の患者・方法:導入化学療法としてベバシズマブ+パクリタキセルを4~6サイクル実施し、病勢進行を認めなかった90例を、維持療法として内分泌療法+カペシタビン(EC群)または内分泌療法(E群)に無作為に割り付けた。維持療法で病勢進行した場合は、ベバシズマブ+パクリタキセル再導入療法を実施した。・評価項目:[主要評価項目]維持療法のPFS[副次評価項目]無作為化からのTime to failure of strategy(TFS)、導入療法からの全生存期間(OS)、再導入療法からのPFSなど 事前に計画された解析には無作為化に至らなかった26例は含まれておらず、今回は、ベバシズマブ+パクリタキセル導入化学療法を開始した116例(E群46例、EC群44例、非無作為化26例)のデータを解析した。 主な結果は以下のとおり。・116例全例におけるOS中央値は34.5ヵ月(95%CI:28.0~43.2)だった。・主に病勢進行のため無作為化されなかった26例におけるOS中央値は15.7ヵ月(95%CI:7.75~30.8)で、E群34.9ヵ月(同:23.3~NA)、EC群43.8ヵ月(同:33.7~NA)より短い傾向があった。・本治療を1次治療で受けた102例のOS中央値は36.0ヵ月(95%CI:29.2~46.2)、2次治療で受けた14例では25.7ヵ月(同:17.6~37.5)だった。 本解析から、ベバシズマブ+パクリタキセル導入化学療法後に維持療法を実施する治療戦略により、導入化学療法での病勢進行例を含めても長期のOSが達成されることが示された。

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早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブによるEFS、アジア人での解析(KEYNOTE-522)/日本臨床腫瘍学会

 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象に、術前補助療法としてペムブロリズマブ+化学療法併用を化学療法単独と比較、さらに術後補助療法としてペムブロリズマブとプラセボを比較した第III相KEYNOTE-522試験において、4回目の中間解析までにペムブロリズマブ群が術前補助療法による病理学的完全奏効率(pCR)および無イベント生存期間(EFS)を有意に改善した。今回、本試験のアジア人集団の 4 回目の中間解析結果について、北海道大学/国立病院機構北海道がんセンターの高橋 將人氏が、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表した。KEYNOTE-522試験、アジアから216 例が組み入れられた[KEYNOTE-522試験]・対象:治療歴がなく、原発巣の腫瘍径2cm以下でリンパ節転移あり(T1c、N1~2)またはリンパ節転移に関係なく腫瘍径2cm超(T2~4d、N0~2)で、遠隔転移がない(M0)ECOG PS 0/1のTNBC患者・試験群:術前に化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルを4サイクル後、ドキソルビシン/エピルビシン+シクロホスファミドを4サイクル)+ペムブロリズマブ(3週ごと)、術後にペムブロリズマブ(3週ごと)を9サイクルあるいは再発または許容できない毒性発現まで投与(ペムブロリズマブ群)・対照群: 術前に化学療法+プラセボ、術後にプラセボを投与(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]pCR(ypT0/Tis ypN0)、EFS[副次評価項目]pCR(ypT0 ypN0およびypT0/Tis)、全生存期間(OS)、PD-L1陽性例におけるpCR・EFS・OS、安全性 KEYNOTE-522試験のアジア人集団における主な結果は以下のとおり。・アジア(韓国、日本、台湾、シンガポール)からKEYNOTE-522試験には216 例が組み入れられた(ペムブロリズマブ群136例、プラセボ群80例)。・データカットオフ(2021年3月23日)時点で、観察期間中央値は39.7ヵ月(範囲:10.0~46.9)、ペムブロリズマブ群およびプラセボ群でEFSイベントは13例(9.6%)および20 例(25.0%)で観察された。・EFSのハザード比(HR)は、全集団の0.63(95%信頼区間[CI]:0.48~0.82)に対し、アジア人集団では0.35(95% CI:0.17~0.71)だった。・術前補助療法でpCRを達成した患者と得られなかった(non-pCR)患者に分けて評価した場合、3年EFSは、pCR達成患者ではプラセボ群94.4%に対してペムブロリズマブ群100%、non-PCR患者ではプラセボ群62.8%に対してペムブロリズマブ群77.7%であった。・安全性プロファイルは、アジア人集団において各レジメンや以前の解析と同様であった。 高橋氏は、KEYNOTE-522試験でEFSの結果がアジア集団でより有効に見えることについて、「アジア人集団は症例数が少ないので差があるとは言えず、ただ全集団と少なくとも同等の効果が期待できると言える」と述べた。また、non-pCRの場合の術後補助療法におけるカペシタビンの使用については、「ペムブロリズマブにカペシタビンを追加するのか、ペムブロリズマブを中止してカペシタビンを投与するのかは、トランスレーショナルに検討していく必要がある」とした。

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IPF合併肺がんに対するニンテダニブ+化学療法(J-SONIC)/日本臨床腫瘍学会

 特発性肺線維症(IPF)は高率に肺がんを合併する。IPF合併肺がんの大きな問題はIPFの急性増悪であり、ときに急速な呼吸不全から致死的となる。しかし、IPF合併例は進行非小細胞肺がん(NSCLC)の臨床試験のほとんどで除外されている。ニンテダニブ+化学療法はIPF合併肺がんに対する治療オプションとなる 北九州市立医療センターの大坪孝平氏らは、IPF合併進行NSCLCに対し、ニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験を、わが国の複数の臨床試験グループ間で行った。J-SONIC試験はIPF合併肺がんでは、世界初となる第III相無作為化比較試験である。・対象:化学療法未施行のIPF合併進行NSCLC(IPF GAP stage I~II:%FVC50%以上、%DLco36〜79%)・試験薬群:化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)3週ごと4サイクル+ニンテダニブ・対照群:化学療法(同上)単独群 3週ごと4サイクル・評価項目:[主要評価盲目]IPF 無増悪生存期間(EPF)[副次評価項目]全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存率(OS)、安全性など IPF合併肺がんに対してニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験の主な結果は以下のとおり。・2017年5月~2019年2月に、全国72施設から243例が登録され、ニンテダニブ併用群(121例)と化学療法単独群(122例)に無作為に割り付けられた。・主要評価項目のIPF EPF中央値は、化学療法+ニンテダニブ群で14.6ヵ月、化学療法群で11.8ヵ月、ハザード比(HR)は0.89(90%信頼区間[CI]:0.67~1.17)であった(p=0.24)。・ORRはニンテダニブ+化学療法群69%、化学療法群56%であった(p=0.04)・PFS中央値は、化学療法+ニンテダニブ群6.2ヵ月、化学療法群5.5ヵ月、HRは0.68(95%CI:0.50~0.92)、とニンテダニブ併用による改善を認めた。・OSは非扁平上皮がんにおいて改善を示し、ニンテダニブ+化学療法群では16.1ヵ月、化学療法群では13.1ヵ月、HRは0.61(95%CI:0.40~0.93)であった。・ニンテダニブ併用により発熱性好中球減少症や下痢、蛋白尿が多く認められたが、QOLは両群で差はなかった。 J-SONIC試験では主要評価項目は達成されなかったものの、ニンテダニブと化学療法の併用はIPF合併進行NSCLC(とくに非扁平上皮癌がん)に対する治療オプションとなるものと考えられる、と大坪氏は述べた。

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アテゾリズマブによるNSCLCアジュバント アジア人の成績(IMpower010)/日本臨床腫瘍学会

 完全切除非小細胞肺がん(NSCLC)における化学療法アジュバント後のアテゾリズマブを評価した無作為化第III相非盲検試験IMpower010のアジア人解析を、静岡県立静岡がんセンターの釼持広知氏が第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表。全体集団と同じく、アジア人集団でもアテゾリズマブの良好な成績が示された。・対象:Stage IB~IIIAで術後化学療法(プラチナ+ペメトレキセド/ドセタキセル/ゲムシタビン/ビノレルビン)、21日ごと最大4回サイクル)受けた完全切除NSCLC患者(ECOG PS 0~1)・試験群:アテゾリズマブ1,200mg/日 3週ごと16サイクル(Atezo群)・対照群:ベストサポーティブケア(BSC群)・評価項目[主要評価項目]治験責任医評価の無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)[副次評価項目]Stage II~IIIAのPD-L1(TC)≥1%のDFS、Stage II~IIIA全患者の DFS、ITT集団(Stage IB-IIIA)のDFS、ITT集団のOS(階層的に検証)、安全性 主な結果は以下のとおり。・アジア人集団(日本、中国、台湾、韓国、香港)は223例で全体の23.2%を占めた。・アジア人集団のPFS中央値はAtezo群42.3ヵ月、BSC群で31.4ヵ月、ハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.37〜1.09)であった。また、この成績は全体集団の結果と同様であった。・OS中央値は未到達であった。・アジア人集団におけるAetzo群の安全性プロファイルは、全集団と同様に既知のものであったが、肝炎、皮疹はアジア人集団で多い傾向にあった。

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cemiplimab、再発子宮頸がんに有効/NEJM

 プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に再発した子宮頸がん患者の治療において、完全ヒトプログラム細胞死1(PD-1)阻害モノクローナル抗体cemiplimabは単剤の化学療法と比較して、全生存期間が延長し、無増悪生存期間への効果は明確ではないものの、客観的奏効率や奏効期間も良好であることが、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のKrishnansu S. Tewari氏らが実施した「EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年2月10日号に掲載された。全生存期間を評価する国際的な無作為化第III相試験 研究グループは、再発・転移を有する子宮頸がんの治療におけるcemiplimabの有効性と安全性の評価を目的に、日本を含む14ヵ国が参加する非盲検無作為化第III相試験を実施し、2017年7月~2020年8月の期間に患者の登録を行った(Regeneron PharmaceuticalsとSanofiの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に病勢が進行した再発・転移を有する子宮頸がん患者で、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現の有無は問われなかった。 被験者は、cemiplimab(350mg、3週ごと、静脈内投与)の投与を受ける群、または担当医が選択した単剤化学療法(ペメトレキセド、トポテカン、イリノテカン、ゲムシタビン、ビノレルビンのいずれか)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは全生存期間とされ、無増悪生存期間や安全性の評価も行われた。 本試験は、予定されていた2回目の中間解析(追跡期間中央値16.8ヵ月)で、扁平上皮がんにおける有効性に関する事前に規定された基準に則り、中止となった。死亡リスクが31%低減、奏効率と奏効期間は2倍以上に 608例の女性患者が登録され、2つの群に304例ずつが割り付けられた。全体の年齢中央値は51歳(範囲22~87)で、473例(77.8%)が扁平上皮がん、135例(22.2%)は腺がんまたは腺扁平上皮がんであった。また、259例(42.6%)が再発病変に対する全身治療を2ライン以上受けており、296例(48.7%)はベバシズマブによる治療歴を有していた。 治療期間中央値は、cemiplimab群が15.2週(範囲1.4~100.7)、化学療法群は10.1週(1.0~81.9)で、全体の追跡期間中央値は18.2ヵ月(6.0~38.2)だった。 全生存期間中央値は、cemiplimab群が12.0ヵ月と、化学療法群の8.5ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.56~0.84、両側検定のp<0.001)。化学療法群の全生存期間中央値は、トポテカンの6.5ヵ月からイリノテカンの11.9ヵ月までの幅が認められた。 組織型別の全生存期間中央値は、扁平上皮がん(11.1ヵ月vs.8.8ヵ月、HR:0.73、95%CI:0.58~0.91、両側検定のp=0.006)および腺がん/腺扁平上皮がん(13.3ヵ月vs.7.0ヵ月、0.56、0.36~0.85)のいずれにおいても、cemiplimab群で良好であった。 また、無増悪生存期間中央値は、両群間に大きな差はなかったものの、有意差がみられ、cemiplimab群で良好であった(HR:0.75、95%CI:0.63~0.89、両側検定のp<0.001)。扁平上皮がん(0.71、0.58~0.86、同p<0.001)では有意差があったが、腺がん/腺扁平上皮がん(0.91、0.62~1.34)では差がなかった。 客観的奏効率は、cemiplimab群が16.4%(95%CI:12.5~21.1)と、化学療法群の6.3%(3.8~9.6)に比し、有意に優れた(両側検定のp<0.001)。cemiplimabの投与を受けた患者のうち、腫瘍細胞のPD-L1の発現が1%以上の患者の客観的奏効率は18%で、発現が1%未満の患者でも11%であった。また、奏効期間中央値は、cemiplimab群が16.4ヵ月(95%CI:12.4~未到達)、化学療法群は6.9ヵ月(5.1~7.7)だった。 Grade 3以上の有害事象は、cemiplimab群が45.0%、化学療法群は53.4%で発現した。最も頻度の高いGrade 3以上の有害事象は、貧血(cemiplimab群12.0%、化学療法群 26.9%)、尿路感染症(5.0%、2.8%)、好中球減少(1.0%、9.0%)であった。治療中止の原因となった有害事象は、それぞれ26例(8.7%)および15例(5.2%)で発現した。免疫関連有害事象の発現率は、15.7%および0.7%だった。 著者は、「この試験では、腫瘍細胞のPD-L1の発現が1%未満の患者でも客観的奏効が得られた。PD-L1の発現状況の評価が可能な患者が少なく、cemiplimab治療の奏効におけるPD-L1の役割をどう解釈するかは、評価が難しい問題ではあるが、PD-L1陰性例にもcemiplimabが奏効する患者が存在する可能性があることが示唆される」としている。

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TN乳がん1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法、アジア人解析結果(KEYNOTE-355)/日本臨床腫瘍学会

 未治療の手術不能または転移を有するPD-L1 CPS 10以上のトリプルネガティブ(TN)乳がん患者において、ペムブロリズマブ+化学療法はプラセボ+化学療法と比較して、全生存(OS)期間を有意に改善したことが、ESMO 2021で発表されている。同試験のアジア人サブグループの解析結果を、がん研有明病院の高野 利実氏が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表した。なお本邦では、PFSを有意に改善した同試験の中間解析結果を基に、2021年8月に承認されている。[KEYNOTE-355試験]・対象:18歳以上の手術不能な局所再発または転移を有するTN乳がん(ECOG PS 0/1)・試験群(2:1の割合で下記2群に無作為に割り付け):ペムブロリズマブ群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+化学療法(ナブパクリタキセルパクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンの3種類のうちいずれか)プラセボ群:プラセボ+化学療法 ・層別化因子:化学療法の種類(タキサンかゲムシタビン/カルボプラチン)、PD-L1発現(CPS≧1かCPS<1)、術前/術後化学療法の有無・評価項目:[主要評価項目]PD-L1陽性患者(CPS≧10およびCPS≧1)およびITT集団におけるOSと無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性 アジア人サブセットにおける主な結果は以下のとおり。・データカットオフは2021年6月15日。ITT集団における追跡期間中央値は43.8ヵ月だった。・アジア人サブセットには160例(ペムブロリズマブ群113例、プラセボ群47例)が含まれた(日本人は87例)。・ベースライン特性を全体集団と比較すると、ECOG PS1の患者および化学療法としてタキサンの投与を受けた患者の割合が若干少なく、同クラスの化学療法歴のある患者がプラセボ群に若干多かった。[OS中央値]CPS≧10:ペムブロリズマブ群26.7ヵ月 vs.プラセボ群17.4ヵ月(ハザード比[HR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.28~1.04)全体集団では23.0ヵ月 vs.16.1ヵ月(HR:0.73、95% CI:0.55~0.95、p=0.0093)CPS≧1:22.0ヵ月 vs.16.9ヵ月(HR:0.62、95%CI:0.40~0.97)全体集団では17.6ヵ月 vs.16.0ヵ月(HR:0.86、95% CI:0.72~1.04、p=0.0563)ITT集団:24.1ヵ月 vs.17.2ヵ月(HR:0.57、95%CI:0.39~0.84)全体集団では17.2ヵ月 vs.15.5ヵ月(HR:0.89、95% CI:0.76~1.05)[PFS中央値]CPS≧10: 17.3ヵ月 vs. 5.6ヵ月(HR:0.48、95% CI:0.24~0.98)全体集団では9.7ヵ月 vs.5.6ヵ月(HR:0.66、95% CI:0.50~0.88)CPS≧1:7.7ヵ月 vs.5.6ヵ月(HR:0.58、95%CI:0.37~0.91)全体集団では7.6ヵ月 vs.5.6ヵ月(HR:0.75、95% CI:0.62~0.91]ITT集団:8.8ヵ月 vs.6.7ヵ月(HR:0.66、95%CI:0.44~0.99)全体集団では7.5ヵ月 vs.5.6ヵ月(HR:0.82、95% CI:0.70~0.98)・Grade3以上の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ群77.9% vs.プラセボ群78.7%と全体集団と比較して若干多く報告された(全体集団では68.1% vs. 66.9%)が、安全性について全体の傾向は同様で、管理可能であった。 高野氏は、ペムブロリズマブ群におけるベネフィットがアジア人でより大きい傾向がみられることについて、症例数の限られたサブグループ解析であり、慎重に解釈する必要があるとの見解を示しつつ、新たな臨床研究で検討すべき重要なポイントであると述べた。

270.

化学療法+ニボルマブ+ベバシズマブによるNSCLC1次治療の全生存期間(TASUKI-52)/日本臨床腫瘍学会

 非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対するニボルマブとプラチナダブレットおよびベバシズマブ併用の1次治療を評価する国際無作為化二重盲検第III相TASUKI-52試験の全生存期間(OS)の成績が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表された。同併用群はOSについても改善を示した。・対象:未治療のStage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者(PD-L1発現問わず)・試験群:ニボルマブ(360mg)+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(3週間ごと6サイクル)→ニボルマブ+ベバシズマブ(ニボルマブ群)・対照群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ→プラセボ+ベバシズマブ(プラセボ群) ニボルマブ/プラセボ+ベバシズマブは、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続・評価項目:[主要評価項目]独立放射線審査委員会(IRRC)評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・最小追跡期間は19.4ヵ月であった。・OS中央値はニボルマブ群30.8ヵ月、プラセボ群24.7ヵ月、とニボルマブ群で有意に良好であった(HR:0.74、95%CI:0.58~0.94、p=0.0135)・18ヵ月OS率はニボルマブ群69.0%、プラセボ群61.9%、24ヵ月OS率はそれぞれ59.8%と50.3%で、その差は開いている。・OSのサブグループ解析では、ほとんどの項目でニボルマブ群が優位であった。・PD-L1発現レベルによるOSのHRはPD-L1<1%集団で0.84、1~49%集団で0.59、≧50%で0.83、と発現レベルをとわずニボルマブ群で良い傾向であった。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、ニボルマブ群98.5%に対しプラセボ群99.6%、治療中止にいたったTRAEはそれぞれ16.5%と4.4%であった。 この結果は、非扁平上皮NSCLCの1次治療におけるニボルマブとプラチナ含有化学療法およびベバシズマブの併用をさらに支持するものだと発表者は述べている。

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早期TN乳がん、術前PEM+化学療法と術後PEMでEFS改善/NEJM

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対し、術前補助療法でペムブロリズマブ+化学療法→術後補助療法でペムブロリズマブによる治療は、術前補助療法での化学療法のみと比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に延長することが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが21ヵ国181施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験「KEYNOTE-522試験」で示された。すでに本試験の最初の解析において、術前補助化学療法にペムブロリズマブを追加することで、根治的手術実施時に病理学的完全奏効(pCR)(乳房内に浸潤がんがなく、リンパ節転移陰性と定義)を得られた患者の割合が有意に増加することが報告されていた。NEJM誌2022年2月10日号掲載の報告。術前化学療法へのPEM追加+術後PEMの有効性を、プラセボと比較 研究グループは、未治療の早期TNBC患者(AJCC/TNM分類でT1c N1-2またはT2-4 N0-2、ECOG PS 0/1)を、ペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群に2対1の割合で無作為に割り付けた。 ペムブロリズマブ+化学療法群では、術前補助療法としてペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+パクリタキセル(80mg/m2、週1回)+カルボプラチン(AUC 1.5、週1回またはAUC 5、3週ごと)を4サイクル投与後、ペムブロリズマブ+シクロホスファミド(600mg/m2)+ドキソルビシン(60mg/m2)またはエピルビシン(90mg/m2)を3週ごとに4サイクル投与し、術後補助療法としてペムブロリズマブを3週ごとに9サイクル投与した。プラセボ+化学療法群では、術前補助療法でプラセボ+化学療法(同上)、術後補助療法でプラセボを投与した。 主要評価項目は、pCRおよびEFS(無作為化から、根治的手術不能となる病勢進行、局所または遠隔再発、2次原発がんの発生、または全死因死亡までの期間と定義)とし、安全性についても評価した。3年EFS率は84.5% vs.76.8% 2017年3月~2018年9月に計1,174例が割り付けられた(ペムブロリズマブ+化学療法群784例、プラセボ+化学療法群390例)。 計画されていた今回の第4回中間解析(データカットオフ日:2021年3月23日)における追跡期間中央値は39.1ヵ月(範囲:30.0~48.0)で、EFSのイベントはペムブロリズマブ+化学療法群で123例(15.7%)、プラセボ+化学療法群で93例(23.8%)に認められた。 3年無イベント生存率は、ペムブロリズマブ+化学療法群84.5%(95%信頼区間[CI]:81.7~86.9)、プラセボ+化学療法群76.8%(72.2~80.7)であった(イベントまたは死亡のハザード比:0.63、95%CI:0.48~0.82、p<0.001)。 有害事象は主に術前補助療法期に発現し、ペムブロリズマブおよび化学療法ですでに確立されている安全性プロファイルと一致していた。

272.

再発卵巣がん、トラメチニブでPFS有意に延長/Lancet

 米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのDavid M. Gershenson氏らは、再発低悪性度漿液性卵巣がん患者を対象とした多施設共同非盲検無作為化第II/III相試験「GOG 281/LOGS試験」において、MEK阻害薬トラメチニブが標準治療と比較して無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、新たな治療選択肢となる可能性があることを示した。卵巣または腹膜の低悪性度漿液性がんはMAPKシグナル伝達経路の異常が特徴であり、高悪性度漿液性がんに比べ化学療法に対する感受性が低い。これまでの研究で、MEK阻害薬は有効性が期待される治療戦略であることが示唆されていた。Lancet誌2022年2月5日号掲載の報告。トラメチニブの有効性および安全性を医師選択の標準治療と比較 研究グループは、米国および英国の84施設において、RECIST ver.1.1に基づく測定可能病変を有する18歳以上の再発低悪性度漿液性がん患者を、トラメチニブ群または標準治療群のいずれかに、地域(米国、英国)、前治療レジメン数(1、2、3以上)、PS(0、1)、計画された標準治療を層別因子として、1対1の割合で無作為に割り付けた。5つの標準治療薬すべてではなく、少なくとも1つのプラチナ製剤を含むレジメンによる治療を受けたことがある患者を適格とし、化学療法歴のレジメン数は問わなかった。また、漿液性境界型腫瘍、または低悪性度漿液性がんと高悪性度漿液性がんを含む腫瘍を有する患者は除外した。 トラメチニブ群は2mgを1日1回経口投与し、標準治療群は次の5つのうち医師が選択した治療を行った。パクリタキセル(80mg/m2を1、8、15日目に静脈内投与、28日ごと)、ペグ化リボソームドキソルビシン(40~50mg/m2を4週に1回静脈内投与)、トポテカン(4mg/m2を1、8、15日目に静脈内投与、28日ごと)、レトロゾール(2.5mg 1日1回経口投与)、タモキシフェン(20mgを1日2回経口投与)。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における無作為化された治療を受けている間のPFS(治験責任医師評価)とし、ベースライン、続く15ヵ月間は8週ごと、それ以降は3ヵ月ごとに画像診断を行った。トラメチニブ群でPFS中央値が約6ヵ月有意に延長 2014年2月27日~2018年4月10日の期間に260例が登録され、トラメチニブ群(130例)と標準治療群(130例)に無作為化された。観察期間中央値は、トラメチニブ群31.5ヵ月(IQR:18.1~43.3)、標準治療群31.3ヵ月(15.7~41.9)であった。 主要解析において、PFSイベントは217例確認され、トラメチニブ群101例(78%)、標準治療群116例(89%)であった。PFS期間中央値は、トラメチニブ群13.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:9.9~15.0)、標準治療群7.2ヵ月(5.6~9.9)で、ハザード比は0.48(95%CI:0.36~0.64、p<0.0001)であった。 主なGrade3/4の有害事象は、トラメチニブ群(128例)が皮疹(17例、13%)、貧血(16例、13%)、高血圧(15例、12%)、下痢(13例、10%)、悪心(12例、9%)、疲労(10例、8%)であり、標準治療群(127例)が下腹部痛(22例、17%)、悪心(14例、11%)、貧血(12例、10%)、嘔吐(10例、8%)であった。治療に関連した死亡は確認されなかった。

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子宮内膜がん、レンバチニブ+ペムブロリズマブでPFS/OSを延長/NEJM

 進行子宮内膜がん患者において、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長した。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのVicky Makker氏らが、21ヵ国167施設で実施した非盲検第III相試験「Study 309/KEYNOTE-775試験」の結果を報告した。プラチナ製剤による化学療法後の進行性子宮内膜がんに対する治療選択肢は、限られていた。NEJM誌オンライン版2022年1月19日号掲載の報告。レンバチニブ+ペムブロリズマブvs.ドキソルビシンまたはパクリタキセル 研究グループは、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による化学療法の治療歴のある進行子宮内膜がん患者を、レンバチニブ(20mg、1日1回経口投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと静脈投与)併用群、または化学療法(治験医師選択によるドキソルビシン60mg/m2の3週ごと静脈投与、またはパクリタキセル80mg/m2の週1回静脈投与3週・1週休薬)群のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。 有効性の主要評価項目は、RECIST v1.1に基づく盲検下独立中央画像判定によるPFS、およびOSで、全体集団およびミスマッチ修復機構を有する(mismatch repair proficient:pMMR)集団を対象としてintention-to-treat解析を行った。安全性についても同様に評価した。 2018年6月11日~2020年2月3日に計827例(pMMR患者697例、ミスマッチ修復機構欠損患者130例)が、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用群(411例)および化学療法群(416例)に割り付けられた。データカットオフ日は2020年10月26日。レンバチニブ+ペムブロリズマブでPFSおよびOSが有意に延長 PFS期間中央値は、全体集団(7.2ヵ月vs.3.8ヵ月、ハザード比[HR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.47~0.66、p<0.001)、pMMR集団(6.6ヵ月vs.3.8ヵ月、0.60、0.50~0.72、p<0.001)のいずれにおいても、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用群が化学療法群より有意に延長した。 OS期間中央値も同様に、全体集団(18.3ヵ月vs.11.4ヵ月、HR:0.62、95%CI:0.51~0.75、p<0.001)、pMMR集団(17.4ヵ月vs.12.0ヵ月、0.68、0.56~0.84、p<0.001)のいずれにおいても、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用群が化学療法群より有意に延長した。 Grade3以上の有害事象の発現率は、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用群88.9%、化学療法群72.7%であった。

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サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2021)レポート

レポーター紹介2021年12月7日から10日まで4日間にわたり、SABCS 2021がハイブリッド形式で開催された。米国では現地サンアントニオに集まって学会が行われ、近い将来、日常が戻ってくる予兆を感じさせるものであった。もう2年リバーウォークを歩いておらず寂しい気持ちでいっぱいであるが、今年も乳がんについて網羅的に勉強する良い機会となった。今年のSABCSは直接日常臨床を変えるものは多くなかったが、近い将来どのように変化していくかを示唆するものが多かった。今回は、それらの中から4演題を紹介する。EMERALD試験近年、経口選択的エストロゲン受容体分解薬(selective estrogen receptor degrader:SERD)の開発が非常に活発に行われ、製薬企業は各社しのぎを削っている状況である。その中で、初の第III相試験の結果としてSABCSで報告されたのがelacestrantのEMERALD試験である。SERDは理論的にホルモン耐性の中で最も強力なESR1変異に有効な薬剤として知られるが、elacestrantは現在臨床で使えるSERDであるフルベストラントよりさらに効果が高いことが基礎実験で示されている。本試験は、内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用療法の治療歴があるホルモン受容体陽性HER2陰性転移乳がん(metastatic breast cancer:MBC)において、主治医選択治療に対するelacestrantの優越性を検証したランダム化試験である。主治医選択治療としてはフルベストラント、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタンが許容されていた。主要評価項目は全患者における無増悪生存期間(progression free survival:PFS)と、ESR1変異のある患者(mESR1)におけるPFSであった。477例がランダム化され、239例がelacestrant群に、238例が標準治療群に割り付けられた。主要評価項目の全患者におけるPFSにおいて、elacestrant群で2.79ヵ月、標準治療群で1.91ヵ月(ハザード比[HR]:0.697、95%CI:0.552~0.880、p=0.0018)とelacestrant群で有意に良好であった。さらにmESR1では3.78ヵ月 vs.1.87ヵ月(HR:0.546、95%CI:0.387~0.768、p=0.0005)であり、mESR1でより効果が高かった。同効薬であるフルベストラントとの比較においても同様の傾向であり、elacestrantが有意に良好であった。全生存期間(overall survival:OS)は統計学的有意差を認めなかったものの、全患者でもmESR1でもelacestrantで良好な傾向を認めた。有害事象はelacestrantで多い傾向を認めたが、Grade3以上の有害事象は7.2%であり、頻度としてはさほど高くないと考えられた。とくに悪心の頻度が高かった。現在、経口SERDは多くの試験が行われており、近い将来、標準治療の1つとなっていくと考えられる。PADA-1試験ホルモン受容体陽性MBCにおいて、1次治療としてアロマターゼ阻害薬(aromatase inhibitor:AI)ベースの治療が有効であるか、SERDベースの治療が推奨されるかは1つの大きな議論となっている。とくにESR1変異によるAI耐性をSERDで回避可能かを検証する試験が実施されてきた。PADA-1試験はそのような試験の1つであり、循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA:ctDNA)を用いた治療戦略を検証した試験である。PADA-1試験ではAI+パルボシクリブによる治療中にctDNAによるESR1変異が検出され、画像上の病勢進行(progressive disease:PD)が認められない患者を対象として、AI+パルボシクリブ継続とフルベストラント+パルボシクリブへの治療変更をランダム化し、主要評価項目として安全性と主治医判断によるPFSを検証した。1,017例のAI+パルボシクリブ投与中の患者が登録され、279例でctDNAによるESR1変異が検出された。172例でPDが認められずランダム化が実施され、84例がAI継続、88例がフルベストラントへのスイッチに割り付けられた。術後治療としてAI治療歴のある患者が35%前後、ctDNAによるESR1変異が見つかるまでの期間が12ヵ月以上ある患者が60%強であった。ランダム化後のPFSはAI群で5.7ヵ月に対しフルベストラント群で11.9ヵ月(HR:0.63、95%CI:0.45~0.88、p=0.007)と、約6ヵ月の差をもってフルベストラント群で有意に良好であった。サブグループ解析では、ほとんどのグループでフルベストラント群が良好であった。骨転移単独ではAI群で良好な傾向が見られたが、症例数が少なく結論は出せない。毒性は両群で大きな差はなく、頻度の高い有害事象は血球減少であり、パルボシクリブによるものと考えられた。AI群でPD後にフルベストラントへクロスオーバーした患者のクロスオーバー後のPFSは3.5ヵ月(95%CI:2.7~5.1)であり、AI治療中と合計してもPFSはフルベストラント群で良好であった。現在、日本では繰り返し測定できる承認されたctDNAアッセイはないが、今後ctDNAによるモニタリングを行いながら、画像上のPDの前に治療を変更する戦略が標準治療となってくる可能性がある。TROPION-PanTumor01試験皆さんご存じように、現在は多数の抗体医薬複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)が開発されている。2019年のSABCSで発表されたトラスツズマブ デルクステカン(trastuzumab deruxtecan:T-DXd)の有効性を見た時の驚きは記憶に新しい。また、2020年のESMOで発表され、すでに米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration:FDA)に承認されているsacituzumab govitecan(SG)も、トリプルネガティブ乳がん(Triple-Negative Breast Cancer:TNBC)の治療を大きく変えた。datopotamab deruxtecan(Dato-DXd)は、SGと同様にTrophoblast Cell-Surface Antigen 2(TROP-2)を標的分子としたADCで、ペイロードとしてDXdが結合されている。TROPION-PanTumor01試験はDato-DXdの安全性を確認する第I相試験で、非小細胞肺がん、TNBC、HR+/HER2-乳がんなどで拡大パートの開発が実施されている。SABCSでは、そのうちTNBCパートの結果が発表された。44例の患者が登録され、現在13例(30%)が治療継続中である。前治療歴の中央値は3レジメンで、2ライン以上の治療歴のある患者が68%であった。30%にTopo I阻害薬ベースのADC(SG、T-DXdなど)の治療歴があった。奏効率は34%、Topo I阻害薬ベースのADC治療歴がない患者に限ると52%であり、高い有効性を示した。Grade3以上の有害事象は45%で認め、頻度の高い有害事象は悪心、口内炎、嘔吐、倦怠感、脱毛、血液毒性などであった。TNBC治療ではすでに免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)やPARP阻害薬が標準治療となっているが、新たなADC製剤への期待も大きく、TNBCの治療戦略は今後大きく変わる可能性が高い。KEYNOTE-522試験転移TNBCではICIが標準治療となった。PD-L1陽性転移TNBCでは、アテゾリズマブとnab-PTXの併用、あるいはペムブロリズマブと化学療法の併用が1次治療の標準治療である。TNBCに対するICIの開発は術前でも活発に行われており、KEYNOTE-522試験はその1つである。本試験では術前化学療法としてのカルボプラチン+パクリタキセル→アンスラサイクリンにペムブロリズマブ/プラセボを上乗せすることの有効性を、病理学的完全奏効(pathological complete response:pCR)と無イベント生存(event free survival:EFS)を主要評価項目として検証した。術後は、ペムブロリズマブ/プラセボがpCR/non-pCRにかかわらず投与された。pCRの結果は以前に発表され、ペムブロリズマブの上乗せ効果が証明されていたが、EFSについてはESMOならびに今回のSABCSで詳細が発表されている。本試験では1,174例が登録され、784例がペムブロリズマブ群に、390例がプラセボ群に2:1で割り付けられた。3年EFSはペムブロリズマブ群で84.5%、プラセボ群で76.8%(HR:0.63、95%CI:0.48~0.82、p=0.00031)とペムブロリズマブ群で有意に良好であった。今回の発表では打ち切りの条件をさまざまに変更したsensitivity analysisが実施されたが、いずれも主解析と同様の結果であり、ペムブロリズマブの有効性が再確認された。リンパ節転移の陽陰性、病期(StageII or III)でのサブ解析も実施されたが、ベースラインのリスクにかかわらず上乗せ効果があることが示された。悩ましいのは、(今回の発表には含まれていないが)pCR、non-pCRのいずれにおいてもペムブロリズマブのEFSに対する上乗せ効果があることである。すでに国内から出されたエビデンスによって、TNBCの術前化学療法でnon-pCRの場合にはカペシタビンが術後治療の標準治療である(国内未承認)。また、生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子変異がある場合はPARP阻害薬であるオラパリブが術後治療の候補となる(国内未承認)。今回の結果をもって、術前化学療法とペムブロリズマブの併用を実施した場合は、術後にペムブロリズマブを使用することが標準治療となる。その場合に、他の治療(カペシタビン、オラパリブ)とどのように使い分けていくのか(あるいは併用のエビデンスを出していくのか)、今後の議論が重要となってくるであろう。

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レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法が 進行・再発の子宮体がんに承認/エーザイ・MSD

 エーザイとMSDは、2021年12月24日、経口チロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ(製品名:レンビマブ)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の併用療法について、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」の適応で、厚生労働省より承認を取得した。 同承認は、日本におけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法の初めての承認である。同併用療法は、進行性子宮体がん(米国と欧州では進行性子宮内膜がん)に係る適応で、日本、米国および欧州において承認されたことになる。 今回の承認は、臨床第III相309試験/KEYNOTE-775試験の結果に基づいたもの。この試験において、対照薬の化学療法(治験医師選択によるドキソルビシンまたはパクリタキセル)と比較して、同併用療法は、全生存期間を統計学的に有意に延長し、死亡リスクを38%減少させた(ハザード比:0.62、95% 信頼区間:0.51~0.75、p<0.0001)。無増悪生存期間も統計学的に有意に延長し、増悪または死亡のリスクを44%減少させた(HR=0.56、95% CI:0.47~0.66、p<0.0001)。

276.

早期乳がん、タキサンへのアントラサイクリン追加のベネフィットとリスク~メタ解析/SABCS2021

 早期乳がんに対するタキサンとアントラサイクリンをベースとした化学療法は、アントラサイクリンによる心毒性と白血病リスク増加の懸念から、アントラサイクリンを含まないレジメン、とくにドセタキセル+シクロホスファミド(DC)が広く使用されている。アントラサイクリン併用のベネフィットとリスクは複数の無作為化試験で検討されているが、結果が一致していない。今回、Early Breast Cancer Trialists Collaborative Group(EBCTCG)が、2012年以前に開始された16件の無作為化比較試験から約1万8,200例のデータのメタ解析を実施した。その結果、アントラサイクリン併用で、乳がん再発リスクが相対的に15%減少し、また同時投与レジメンで最大の減少がみられたことを、英国・オックスフォード大学のJeremy Braybrooke氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2021)で発表した。・比較試験の種類:(A)アントラサイクリン+DC同時投与6サイクル vs. DC 6サイクル(タキサン累積投与量が両群で同じ)3試験(B)アントラサイクリン/タキサン逐次投与 vs. DC 6サイクル(タキサン累積投与量が併用群で少ない)8試験(C)タキサン+アントラサイクリン vs. タキサン±カペシタビン3試験(D)タキサン+アントラサイクリン vs. タキサン+カルボプラチン2試験・主要評価項目:再発率、乳がんによる死亡率 主な結果は以下のとおり。・全試験でのメタ解析では、タキサンに対するタキサン+アントラサイクリンでの再発リスクの相対的減少は15%(RR:0.85、95%CI:0.78~0.93、2p=0.0003)、10年での絶対的減少は2.5%(95%CI:0.9~4.2)だった。乳がん死亡リスクの相対的減少は13%(RR:0.87、95%CI:0.78~0.98、2p=0.02)、10年での絶対的減少は1.6%(95%CI:0.1~3.1)だった。・再発リスクの相対的減少は、アントラサイクリン同時投与の有無による比較(A)で42%(RR:0.58、95%CI:0.43~0.79)と最大だった。一方、アントラサイクリン/ドセタキセル逐次投与とDCの比較(B、ドセタキセル累積投与量が併用群で少ない)では、アントラサイクリン併用による有意なベネフィットはなかった(RR:0.92、95%CI:0.78~1.09)。・再発率の相対的減少について、エストロゲン受容体の発現状況やリンパ節転移の個数による違いはなかった。・心血管疾患や白血病による死亡の有意な増加は示されなかった(長期フォローアップが必要)。

277.

TN乳がん1次治療でのペムブロリズマブ、適切なCPSカットオフ値は?(KEYNOTE-355)/SABCS2021

 手術不能な局所再発または転移を有するPD-L1陽性のトリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療において、ペムブロリズマブ+化学療法による治療ベネフィットが期待される患者の定義としてCPS 10以上が適切であることを示唆する、第III相KEYNOTE-355試験のサブグループ解析結果を、スペイン・International Breast Cancer CenterのJavier Cortes氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2021)で発表した。 本試験では、化学療法+ペムブロリズマブが、未治療のPD-L1陽性(CPS 10以上)の手術不能な局所再発または転移を有するTN乳がん患者において、化学療法+プラセボと比べ、有意に全生存(OS)および無増悪生存(PFS)を改善したことがすでに報告されている。しかし、CPS 1以上の集団では有意なベネフィットは示されなかった。今回は、CPS 1未満、1~9、10~19、20以上のサブグループに分けてOSとPFSを解析した。・対象:18歳以上の手術不能な局所再発または転移を有するTN乳がん(ECOG PS 0/1)847例・試験群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+化学療法(ナブパクリタキセルパクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンの3種類のうちいずれか)566例・対照群:プラセボ+化学療法 281例・評価項目:[主要評価項目]PD-L1陽性患者(CPS 10以上、1以上)およびITT集団におけるPFSとOS[副次評価項目]奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、安全性 主な結果は以下のとおり。・最終解析時点(データカットオフ:2021年6月15日)で、無作為化~データカットオフの期間の中央値は44ヵ月だった。・OSについては、報告済みのハザード比(95%信頼区間)は、CPS 10以上で0.73(0.55~0.95)、CPS 1以上で0.86(0.72~1.04)、ITT集団で0.89(0.76~1.05)だった。今回のサブグループ解析では、CPS 1未満で0.97(0.72~1.32)、1~9で1.09(0.85~1.40)、10~19で0.71(0.46~1.09)、20以上で0.72(0.51~1.01)で、CPS 1~9ではペムブロリズマブ群とプラセボ群で変わらず、10~19と20以上ではペムブロリズマブの追加による治療ベネフィットが同等だった。 ・PFSについては、報告済みのハザード比(95%信頼区間)は、CPS 10以上で0.66(0.50~0.88)、CPS 1以上で0.75(0.62~0.91)、ITT集団で0.82(0.70~0.98)だった。今回のサブグループ解析では、CPS 1未満で1.09(0.78~1.52)、1~9で0.85(0.65~1.11)、10~19で0.70(0.44~1.09)、20以上で0.62(0.44~0.88)だった。

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固形がん患者へのブースター接種、抗体価の変化は?/JAMA Oncol

 積極的な治療を受けている固形がん患者では新型コロナウイルス感染症により予後が悪化するリスクが高く、また、化学療法を受けているがん患者ではBNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer/BioNTech)による体液性応答が低下することが報告されている。今回、イスラエル・Hadassah Medical CenterのYakir Rottenberg氏らが、主に化学療法を受けた固形がん患者でのBNT162b2ワクチンの3回目(ブースター)接種後30日未満の体液性応答を調査したところ、ほとんどの症例でブースター接種後早期に抗体反応がみられたことがわかった。JAMA Oncology誌オンライン版2021年11月23日号に掲載。ブースター接種後にほぼすべてのがん患者で高い抗体価 本研究の対象は、Hadassah Medical Centerにおいて化学療法、生物学的製剤、免疫チェックポイント阻害薬、もしくはこれらの組み合わせで治療された固形がん患者で、BNT162b2ワクチンを2回接種していた患者。血液サンプルの採取日の中央値は、ブースター接種後13日(範囲:1~29)で、スパイクタンパク質結合抗体について分析した。 がん患者のブースター接種後の体液性応答を調査した主な結果は以下のとおり。・2021年8月15日~9月5日に37例がブースター接種後に血清学的検査を受けた。2回目接種とブースター接種との間隔の中央値は214日(範囲:172~229)、2回目接種と2回目接種後抗体測定の間隔の中央値は86日(範囲:30~203)だった。・年齢中央値は67歳(範囲:43~88)で、11例(30%)は転移がなく、19例(51%)は化学療法を受けていた。・1例(40代、dose-dense AC療法後パクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブによる術後補助療法中)を除いた患者が血清学的検査で陽性だった。さらに、化学療法の有無に関係なく、2回目接種後の反応が中程度または最小だったがん患者で、ほぼすべてのがん患者が高い抗体価を示し、有意に抗体価が増加した。・多重線形回帰の結果、2回目接種後の抗体価(p<0.001)と高齢者(p=0.03)がブースター接種後の高い抗体価と関連した。一方、性別、化学療法の有無、3回目接種と抗体検査の間隔との関連はみられなかった。

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トラスツズマブ、唾液腺がんに適応拡大/中外

 中外製薬は、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体トラスツズマブ[一般名:ハーセプチン)について、「HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」の効能・効果、および用法・用量の追加について、2021年11月25日、厚生労働省より承認を取得したと発表。同適応症に対しては、2021年3月11日に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。 唾液腺がんは、頭頸部がんの一部に含まれ、国内の罹患数は年間1,000例未満の希少がんである。従来、唾液腺がんに対する標準治療は手術を中心としており、薬物治療の治療方法は確立されていない。また、他の頭頸部がんと異なり病理組織型が多く、組織型により遺伝子変異や予後の状況が大きく異なることが知られている。唾液腺導管がんにHER2陽性が比較的多いことが知られており、国内における唾液腺がん全体でのHER2陽性率は、15%弱であると考えられている。 今回の承認は、HER2陽性の進行・再発唾液腺がん16例を対象に実施された、医師主導の国内第II相臨床試験(HUON-003-01試験)の成績に基づいたもの。同試験は、ハーセプチンとドセタキセルの併用による有効性および安全性を検討した。主要評価項目である奏効率は60%であった。主な有害事象は、好中球数減少、白血球数減少、脱毛症、貧血、口内炎及び低アルブミン血症等であった。 HER2タンパクの検出ならびにHER2遺伝子増幅度の測定は、ロシュ・ダイアグノスティックスの組織検査用キット「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」および「ベンタナ DISH HER2 キット」によって行う。

280.

アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法のNSCLC1次治療、EGFR変異、肝臓/脳転移例への有効性(IMpower150)/JTO

 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ABCP)またはアテゾリズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ACP)とベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(BCP)を評価する第III相IMpower150試験の、EGFR変異および肝臓または脳転移サブグループに関する全生存(OS)の最終解析が報告された。 IMpower150試験の対象は、化学療法未治療の切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,202例。安定した既治療の脳転移症例は許可されている。 試験群はABCP群とACP群で対照群はBCP群である。対象患者は各群に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時(2019年9月13日)の追跡期間中央値は39.3ヵ月であった。[ABCP群対BCP群]・EGFR変異症例全体のOSハザード比[HR]は0.60(95%CI:0.31~1.14)、EGFR-TKI既治療例のHRは0.74(95%CI:0.38~1.46)、とABCP群はBCP群に比べOSの改善を維持した。・ベースライン時に肝転移を有する症例のOS HRは0.68(95%CI:0.45~1.02)、とABCP群のOS改善が維持されていた。[ACP群対BCP群]・EGFR変異症例全体のOS HRは1.0(95%CI:0.57~1.74)、EGFR-TKI既治療例のHRは1.22(95%CI:0.68~2.22)、とACP群は生存ベネフィットを示せなかった。・ベースライン時に肝転移を有する症例のOS HRは1.01(95%CI:0.68~1.51)、とACP群の生存ベネフィットを示されなかった。[脳転移]・新たな脳転移の発症全体は100例(8.3%)にみられた。・正式な評価ではないが、ABCP群ではBCP群に比較して、新たに脳転移が発現するまでの時間(TTD)に改善が見られた(HR:0.68、95%CI:0.39~1.19)。 今回の探索的研究の最終解析は、EGFR変異症例および肝転移を有する症例において、ABCP群のBCP群に対するOSベネフィットを示した。一方、ABCP群の脳病変のTTD延長については、さらなる調査が必要だと筆者は述べている。

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