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8月4日 栄養の日【今日は何の日?】

【8月4日 栄養の日】〔由来〕「えい(8)よう(4)」(栄養)と読む語呂合わせから、栄養を学び、体感することをコンセプトに、食生活を考える日とすることを目的に日本栄養士会が制定。同会では、この日を中心に「栄養週間」として、全国の管理栄養士・栄養士とともに「栄養をたのしむ」生活を応援している。関連コンテンツすぐに使える!糖尿病の食事指導スライドビタミンAってなあに?【患者説明用スライド】心房細動/心房粗動の発症リスク、低亜鉛が影響認知症発症リスク、亜鉛欠乏で30%増骨折・転倒予防、CaとビタミンDに効果認めず~メタ解析/BMJ

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高用量ビタミンDでがん治療関連皮膚障害が改善する可能性

 化学療法や放射線療法に伴う皮膚障害は、疼痛や灼熱感、紅斑などによって患者のQOLを大きく低下させるだけでなく、抗がん治療の減量や中断の原因となる。今回、高用量ビタミンD内服により、化学療法・放射線療法関連皮膚障害が改善する可能性が示された。イリノイ大学(米国)のMihir K. Patil氏らによる本研究結果は、JAMA Dermatology誌オンライン版2026年7月15日号に掲載された。 本研究は2021年12月~2024年1月に米国の3つの医療機関で実施された後ろ向きケースシリーズだった。対象は化学療法誘発性紅斑(toxic erythema of chemotherapy:TEC)または急性放射線皮膚炎(acute radiation dermatitis:ARD)に対して高用量ビタミンDの経口投与を受け、10日以上追跡された33例だった。患者は平均年齢60.9歳、女性58%、TECが28例(85%)、ARDが5例(15%)で、コレカルシフェロールまたはエルゴカルシフェロール10万IUを1回または2回経口投与された。 主要評価項目は患者報告による症状改善までの期間、および医師評価による5段階リッカート紅斑スコアの改善とした。副次評価項目として血清カルシウム値の変化や抗がん治療継続の可否を評価した。 主な結果は以下のとおり。・症状評価が可能であった30例中26例(87%)で、投与後10日以内に自覚症状の改善が認められた。・症状改善までの期間中央値は5日(範囲:1~28日)であり、入院患者では3日(1~16日)と、より早期の改善がみられた。・客観的評価でもリッカート紅斑スコアが改善し、ベースラインの4.36±0.60から10日後には2.21±1.36へ低下した。・病型別では、好中球性エクリン汗腺炎およびスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症様サブタイプの患者でとくに速やかな反応が認められた。・血清カルシウム値に有意な変化は認められず、33例中24例(73%)が抗がん治療を中断することなく継続した。 著者らは、高用量ビタミンDの経口投与は症状および皮膚所見の速やかな改善と関連し、研究期間中に治療関連有害事象は報告されなかったと結論付けた。一方、本研究は後ろ向きのケースシリーズであり、症例数も33例と限られているため、有効性や最適な投与タイミング、対象患者の選択については前向き無作為化比較試験での検証が必要だとした。

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ビタミンA高値は喘息患者の良好な肺機能と関連

 ビタミンAは、喘息を有する人の肺機能の改善に役立つ可能性がある。ビタミンAおよびビタミンDの肺機能に対する影響を検討した新たな研究で、血液中のビタミンA濃度が高いことは、喘息を有する小児と成人の双方において良好な肺機能と関連することが示された。一方、ビタミンDについては、効果が見られたのは成人の喘息患者のみであった。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMichael McGeachie氏らによるこの研究結果は、「Thorax」に6月30日掲載された。 ビタミンAおよびDは遺伝子発現を調節し、肺の発達に影響すると考えられている。喘息患者ではビタミンA欠乏症が多く見られ、これは気道の過敏性と関連していることが報告されている。一方、ビタミンD欠乏症は、特に喘息患者において肺機能の低下や喘息増悪、病状コントロールの悪化と関連することが示されているが、食事や年齢、日照時間などの因子の影響が研究間で異なるため、一貫した結果が得られていない。ビタミンAは、ニンジン、サツマイモ、ほうれん草などの野菜のほか、卵、牛乳、魚にも含まれている。ビタミンDは、主に日光によって体内で合成されるが、食品やサプリメントからも摂取できる。 この研究でMcGeachie氏らは、ビタミンAおよびDと喘息患者の肺機能、生物学的老化、および遺伝子発現(マイクロ〔mi〕RNA、DNAメチル化)との関連を検討した。対象は、GACRS(Genetic Epidemiology of Asthma in Costa Rica Study)の小児コホート1,165人と、ODOLLFA(Omic Determinants of Longitudinal Lung Function in Asthma)の成人コホート1,041人であった。肺機能は、1秒量(FEV1)、努力肺活量(FVC)、1秒率(FEV1/FVC)で評価した。FEV1は最大吸気後に思い切り息を吐き出したときの最初の1秒間の呼気量、FVCは最大吸気後に可能な限り吐き出せる総呼気量を示す。FEV1/FVCは気道閉塞の指標であり、一般に0.70未満の場合に閉塞性換気障害が示唆される。 解析の結果、小児では血液中のビタミンA濃度が高いほどFEV1およびFVCは高値であった一方、FEV1/FVCは低値だった。ビタミンDと肺機能の指標との関連はいずれも統計学的に有意ではなかった。一方、成人では、いずれのビタミンもFEV1およびFVCと関連していたが、FEV1/FVCとの間に関連が認められたのはビタミンAのみであった。さらに、ビタミンDの充足は、成人では生物学的老化の進行が遅いことと関連していた。 さらに、ビタミンAおよびDと遺伝子発現調節機構との関連も示された。解析から、両ビタミンの血中濃度と関連する複数のmiRNAが同定され、その標的遺伝子は炎症・免疫関連の経路に集積していた。また、DNAメチル化解析では、ビタミンAおよびDの血中濃度と関連するDNAメチル化部位が多数同定され、特に免疫制御に関与するIRF5遺伝子では、ビタミンAおよびD濃度が高いほどDNAメチル化が低い傾向が、小児・成人の両コホートで一貫して認められた。媒介解析では、miRNAやDNAメチル化がビタミンAおよびDと肺機能および生物学的老化との関連を媒介することが示された。 研究グループは、「本研究は、ビタミン濃度と肺機能、さらにmiRNA発現やDNAメチル化といったエピジェネティック指標を、喘息の小児と成人の両方で統合的に解析した初めての研究である」と述べている。 これらの結果は、食事が喘息コントロールの一つの手段となり得る可能性を示唆している。研究グループは、「栄養が遺伝子発現をどのように変化させるかというエピジェネティックな機構が、喘息におけるビタミンAおよびDの影響を媒介している可能性があり、個別化栄養や治療戦略の標的となり得る」と結論付けている。

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第70回 あなたの体は何歳ですか?「老化時計」が明かす、臓器ごとに進む老いの正体

この100年で人間の平均寿命はおよそ2倍になりました。ところが、健康に過ごせる期間(健康寿命)は同じペースでは延びておらず、心臓病やがん、認知症、身体の障害などを抱えて暮らす人はむしろ増えています。この「長生きするけれど健康ではない」というギャップを埋める鍵として注目されているのが、老化の速さそのものを数値で測る「生物学的時計」です。今回はそんな概念を取り扱った論文をもとに最新の知見をシェアしていきます1)。老化は「一定のスピード」では進まないかつて老化は、誰の体でも年齢とともに一定の速さで進むものと考えられてきました。しかし近年の大規模な研究で、その常識は覆されつつあります。血液中のタンパク質やDNAの変化を数万人規模で追跡すると、老化は一定ではなく、人生のなかで何度か「波」となって加速することがわかってきたのです2)。論文の中では、成人期におよそ3つの大きな転換期があると指摘されています。目安は「30~40歳ごろ」「60~70歳ごろ」「80歳前後」。この時期に体内の分子レベルの変化が一気に進むことが、複数の独立した研究で繰り返し確認されています。つまり老化は坂道をなだらかに下るというより、階段を数段まとめて下りるようなイメージに近いのです。この転換期は、生活を見直したり対策を打ったりする「介入の窓」にもなりうると期待されています。脳と免疫の「若さ」が寿命を左右するもう1つの重要な発見が、同じ人の体の中でも臓器ごとに老化のスピードが違うということです。心臓は実年齢より若いのに、肝臓は老けている、といったことが実際に起こります。英国の大規模データを用いた研究では、ある臓器が実年齢より「老けている」人ほど、その臓器に関連する病気や死亡のリスクが高いことが示されました。とくに3つ以上の臓器で老化が進んでいる人では、その傾向がはっきりと強まります。また、脳の生物学的な老化が進んでいる人では、アルツハイマー病を発症するリスクが約3.1倍に上ったと報告されています。逆に、脳や免疫が「若い」状態を保っている人は長生きしやすい傾向がありました3)。老化時計を活用することで、症状が出るより何年も前に、リスクの高い人を見つけ出せる可能性もあるわけです。老化時計は遅らせられる?では、この時計の進み方は変えられるのでしょうか。論文によれば、運動、適度なカロリー制限、オメガ3脂肪酸やビタミンDの摂取などが、DNAの老化の指標をわずかに遅らせる可能性が報告されています4)。また、少し有名な話になりましたが、帯状疱疹ワクチンの接種者で認知症が少なく、老化が緩やかだったという研究も複数あります5)。糖尿病や肥満の治療に使われるGLP-1受容体作動薬にも、老化を遅らせる働きの可能性が指摘されています。ただし、過度な期待は禁物です。これらの効果は示されているとしてもまだ「わずか」で、長期的に寿命や健康寿命を本当に延ばすのかは未確認です。また、市販されている老化測定検査は測定方法がバラバラで標準化されておらず、同じ人が受けても結果が大きく食い違うことがあります。現時点では、個人が一度の検査結果に一喜一憂する段階にはありません。大切なのはおそらく、特別な検査を受けることよりも、運動・睡眠・食事といった昔から知られた生活習慣が、体の「老化時計」の進み方に確かに影響するという事実です。ただし、ここでご紹介した「老化時計」は、病気になってから治す「後追いの医療」から、リスクを早期に見つけて防ぐ「先手の医療」へと転換する、次の大きな一歩になろうとしているのもまた事実だと思います。1)Wyss-Coray T, et al. Biological aging clocks in health and disease. Nat Med. 2026;32:2383-2394.2)Oh HS, et al. Organ aging signatures in the plasma proteome track health and disease. Nature. 2023;624:164-172.3)Balachandran A, et al. Pace of aging associations of healthspan and lifespan in older adults in the US and UK. Nat Aging. 2025;5:1132-1142.4)Belsky DW, et al. DunedinPACE, a DNA methylation biomarker of the pace of aging. eLife. 2021;11:e73420.5)Kim JK, et al. Association between shingles vaccination and slower biological aging: evidence from a U.S. population-based cohort study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2026;81:glag008.

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サプリ「メーカー推奨量超え」約2割、長期使用や錠剤タイプで多い可能性

 健康維持のために利用されることの多いサプリメントだが、摂取量によっては栄養素の過剰摂取につながる可能性もある。今回、日本の成人を対象とした調査で、サプリメント利用者の約2割がメーカーの表示する推奨摂取量(メーカー推奨量)を超えて摂取していることが明らかになった。長期使用や錠剤タイプの製品で多い傾向もみられ、過剰摂取の実態と関連要因が示された。研究は、東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野の杉本南氏、同予防医療学分野の朝倉敬子氏らによるもので、詳細は3月19日付の「Interactive Journal of Medical Research」に掲載された。 近年、健康維持や栄養補給を目的としたサプリメントの利用は世界的に増加している。一方で、食事に加えてサプリメントから栄養素を摂取することで耐容上限量(UL)を超える可能性があり、過剰摂取による健康リスクが懸念されている。これまでにもサプリメント利用者における上限量超過の実態は報告されているが、メーカー推奨量を利用者が実際に守っているかについての研究は限られている。また、多くの研究は自己申告によるサプリメント使用情報に依存しており、製品特定や摂取量の正確性に課題があった。本研究では購入履歴データを活用し、メーカー推奨量を超えるサプリメント摂取の関連要因と、栄養素のUL超過の実態について検討した。 著者らは2024年11~12月にかけて、日本の成人を対象とした横断研究としてオンライン調査を実施した。消費者モニターを利用し、主要25種類のサプリメント製品のいずれかの購入履歴があり、直近1カ月以内に使用している、または日常的に使用している18~74歳の成人2,002人を対象とした。質問票で1日当たりのサプリメント摂取量を把握し、製品パッケージに記載されたメーカー推奨量と比較した。さらに、日本人の食事摂取基準に基づくULを基準とし、サプリメント由来のビタミンおよびミネラル摂取量のみからUL超過の有無を評価した。多変量ロジスティック回帰分析を用いて、推奨量を超える摂取と社会人口学的要因との関連を検討した。 参加者の平均年齢は43.7歳で、女性が75.6%を占め、平均BMIは21.6であった。調査対象2,002人のうち371人(18.5%)が、メーカー推奨量を上回ってサプリメントを摂取していた。 推奨量を超える摂取は、中年層、パートタイムまたはフルタイムで就労している人、錠剤型のサプリメント使用者(特に水溶性ビタミンの単剤錠)、サプリメントを6カ月以上継続している人、さらに意図的にメーカー推奨量を超えて摂取していることとも関連していた。メーカー推奨量を超えて摂取していた人のうち15.4%は、自ら過剰摂取であると認識していた。一方で57.1%は推奨量と同程度、10.8%は推奨量以下と認識しており、過剰摂取の自覚がないケースも多かった。 メーカー推奨量を超えて摂取していた群では、実際の摂取量がメーカー推奨量の数倍に達する例もみられ、平均すると水溶性ビタミン単剤では実際の摂取量がメーカー推奨量の3.9倍、葉酸や鉄を含む錠剤型サプリメントでは5.4倍に達していた。 ULが設定されている栄養素を含むサプリメントを摂取していた1,705人のうち、17.4%(297人)がメーカー推奨量を超えて摂取していた。このうち61.9%(184/297)は、少なくとも1種類の栄養素でULを上回っていた。特にビタミンA、ナイアシン、葉酸、マグネシウム、亜鉛では、メーカー推奨量を超えて摂取している人の40~60%がULを超過していた。 著者らは、中年層や長期使用者などでメーカーの表示するサプリメントの推奨量超過が多くみられたと指摘する。こうした摂取は栄養素の過剰摂取につながる可能性があり、過剰摂取の健康リスクについて認識を高める必要があるとしている。 なお、著者らは本研究の限界として、オンライン調査モニターを対象とした点や、摂取量が自己申告である点、複数サプリメントの併用を評価していない点などを挙げている。

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骨折・転倒予防、CaとビタミンDに効果認めず~メタ解析/BMJ

 これまでの系統的レビューでは、カルシウムおよびビタミンDは、単独では骨折の減少をもたらさず、これらを併用しても結果に一貫性はなく、転倒に対するビタミンDの効果にもばらつきがみられる。それにもかかわらず、ガイドラインなどは筋骨格系の健康維持にビタミンD(±カルシウム)の補充を推奨し、2000年代初頭以降、これらの処方量は大幅に増加しているという。カナダ・CIUSSS du Nord-de-l’Ile-de-MontrealのOlivier Masse氏らは、骨折および転倒の予防において、カルシウム、ビタミンD、またはこれらを併用した栄養補充製品の有益性はほとんど、あるいはまったく認められないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年5月20日号で報告された。骨折・転倒の予防効果をメタ解析で評価 研究グループは、成人における骨折および転倒に対する、カルシウム、ビタミンD、またはこれらを併用した栄養補充製品の効果を評価する目的で、関連文献の系統的レビューとメタ解析を行った(特定の助成は受けていない)。 対象は、骨粗鬆症の薬物治療を受けていない成人(18歳以上)において、骨折または転倒の予防法として、カルシウム、ビタミンD、またはこれらの併用補充製品を、プラセボまたは無治療と比較した無作為化比較試験とした。全骨折の予防効果はほとんどない 69件の試験(参加者15万3,902例)を解析の対象とした。60試験(87%)は地域在住の高齢者のみ、26試験(38%)は女性のみを対象とし、50試験(72%)の参加者は骨折や転倒のリスクが高いグループには属していなかった。全体の年齢中央値は71.2歳(四分位範囲:63.8~76.9)だった。 主要アウトカムである全骨折に関して、カルシウム補充製品(11試験、参加者9,067例、リスク比:0.91[95%信頼区間[CI]:0.81~1.01]、エビデンスの確実性:中)や、ビタミンD補充製品(36試験、9万2,415例、1.00[95%CI:0.95~1.06]、高)、併用栄養補充製品(15試験、5万1,126例、0.91[95%CI:0.84~0.99]、高)のいずれにおいても、予防効果はほとんど、あるいはまったく認めなかった。 大腿骨近位部骨折、非脊椎骨折、脊椎骨折についても、3つの補充製品とも、ほとんど予防効果はなかった。転倒の予防にも効果はない、他の介入法の可能性を 転倒の予防に関しても、カルシウム補充製品(2試験、参加者2,966例、リスク比:0.91[95%CI:0.78~1.06]、エビデンスの確実性:中)、ビタミンD補充製品(32試験、6万5,234例、1.01[95%CI:0.98~1.04]、高)、併用栄養補充製品(10試験、1万1,068例、0.92[95%CI:0.84~1.00]、中)のすべてで、予防効果はみられなかった。 また、複数のサブグループ解析により、異質性に関して広範な検討を行ったが、上記の知見の頑健性は保持されていた。 一方、高リスク例や在宅看護を要する患者については、カルシウム単独療法および併用補充療法の多くのアウトカムに関して、エビデンスは十分ではなかった。 著者は、「これらの知見は、骨折や転倒の予防を目的とするカルシウム、ビタミンD、これらを併用した栄養補充製品の日常的な摂取を支持しない」としている。また、「本研究の結果は、特定の骨疾患を有する患者、あるいは骨粗鬆症の薬物治療や、長期にわたりコルチコステロイドを使用している患者には一般化できない可能性がある」「今後は、骨折や転倒の予防に、これら以外の介入法の評価が行われる可能性があり、検討が期待される分野として、食事療法、医薬品の再評価、教育や行動変容へのアプローチ、多面的な介入、および転倒予防のためのデジタルツールなどが挙げられる」と指摘している。

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小児のアトピー性皮膚炎、確実な予防方法はないが治療の選択肢は豊富

 小児のアトピー性皮膚炎の発症を予防するために親ができることは極めて少ないことが、新たなガイドラインで示された。特別な食事療法、入浴を控えること、母乳育児、プロバイオティクスのサプリメントといった広く知られている対策が小児のアトピー性皮膚炎の予防に有効であることを示すエビデンスは見つからなかったという。一方、既にアトピー性皮膚炎を発症している小児には、皮膚のかゆみを和らげるための効果的な治療法が多くあるとしている。米国皮膚科学会(AAD)が作成したこのガイドラインは、「Journal of the American Academy of Dermatology」に4月7日掲載された。 AADによると、これは同学会が発表した初めての小児のアトピー性皮膚炎に関するガイドラインであるという。AAD会長のMurad Alam氏は、「アトピー性皮膚炎に罹患している小児は極めて多いが、症状の現れ方や経過は必ずしも成人と同じではない。アトピー性皮膚炎は小児や家族の生活の質(QOL)を低下させる可能性があるため、最善の治療が確実に行われるようにするためには、小児に特化したガイドラインが必要である」とニュースリリースで述べている。 ガイドラインを作成した研究グループが既存の医学的エビデンスを検討した結果、小児のアトピー性皮膚炎の発症を予防できる真に有効な方法はないとの結論に至った。ただし、保湿剤のみは生後6カ月~3歳の小児のアトピー性皮膚炎の発症を減少させるという目的で「条件付き推奨」の治療法として位置付けられた。条件付き推奨は、その治療法のベネフィットとリスクが拮抗している場合に示される。一方、食事療法や入浴を控えること、ビタミンDやプロバイオティクスのサプリメント、離乳食の早期導入、母乳育児、硬水の軟化、ダニなどのアレルゲンへの曝露を減らすといった他の予防法に関しては、十分なエビデンスがないと結論付けられた。 一方で、小児のアトピー性皮膚炎の治療に関しては、多くの治療法が「強い推奨」として位置付けられた。有効性が明らかにされている治療法には以下が含まれる。・皮膚の乾燥やかゆみの軽減を目的とした保湿剤・再燃時の第一選択薬となるステロイド外用薬・再燃の管理を目的としたカルシニューリン阻害外用薬(pimecrolimus〔国内未承認〕またはタクロリムス軟膏)・かゆみ軽減と再燃頻度の抑制を目的としたホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬(crisaborole軟膏、roflumilastクリーム〔いずれも国内未承認〕)・軽症~中等症の患者の乾燥やかゆみの重症度の軽減を目的とした外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(ルキソリチニブクリーム〔日本ではアトピー性皮膚炎に対する適応は未承認〕、タピナロフクリーム)・軽症〜重症患者における炎症軽減、皮膚バリア機能の改善、乾燥やかゆみを伴う皮膚症状の軽減を目的とした局所用アリル炭化水素受容体(AhR)アゴニスト(タピナロフクリーム)・中等症~重症の患者の症状の重症度低下、再燃の減少、かゆみの軽減を目的としたモノクローナル抗体(デュピルマブ、トラロキヌマブ、レブリキズマブ、ネモリズマブ〔外用薬と併用〕)・中等症~重症の患者の症状の重症度低下、かゆみの軽減を目的としたJAK阻害薬(ウパダシチニブ、アブロシチニブ、バリシチニブ) ガイドラインではまた、入浴、ウェットラップ療法、光線療法についても小児のアトピー性皮膚炎の治療法として条件付きで推奨している。一方で、ステロイドの経口薬や注射薬の使用については急激で重度の再燃が見られた患者に限定すべきであり、長期的には使用しないことを強く推奨するとされている。さらに、外用抗菌薬の使用や薬剤と光線療法を組み合わせたPUVA療法についても実施しないことが条件付きで推奨された。 AADのアトピー性皮膚炎ガイドライン作業部会の共同委員長であるDawn Davis氏は、「このガイドラインは、患者やケア提供者、そして医学会を教育し、彼らを支援することで、アトピー性皮膚炎の小児ができる限り最善の治療を受けられるようにするために作成された。早期からの積極的な介入によって、患者やその家族は症状やQOLの改善が期待できる」と述べている。

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心血管リスクが高い女性は骨折リスクも高い

 女性では心臓の健康状態が骨折のリスクと関連していることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のRafeka Hossain氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Regional Health-Americas」に3月27日掲載された。心血管イベントリスクが高い女性は、大腿骨近位部骨折のリスクもほぼ2倍に上るという。 論文の筆頭著者であるHossain氏は、「これまでの研究でも心血管疾患と骨折リスクの関連性が示唆されていたが、大腿骨近位部骨折のリスクとの関連の強さに驚いた」と述べている。また、「心血管イベントと骨折はいずれも非常に発生頻度が高く、治療費も高額となる」とし、「両者のリスクを抑制することで高齢者の生活の質(QOL)を向上させられるのではないか」と語っている。 この研究では、現在進行中の閉経後の女性を対象とする大規模観察研究「女性の健康イニシアチブ(WHI)」の参加者2万1,300人を、心血管イベントリスクの高さに基づき4群に分類し、骨折の新規発生との関連を検討した。心血管イベントリスクの評価には、米国心臓協会(AHA)が2023年に発表した、向こう10年間または30年間の心血管イベントリスクの高さを予測するツール「PREVENT」という計算式を用いた。 その結果、心血管イベントのリスクが最も高い(向こう10年で20.0%以上)と予測された群は、最もリスクが低い(同5.0%未満)群と比較して、大腿骨近位部骨折のリスクが93%高いことが明らかになった(ハザード比〔HR〕1.93〔95%信頼区間1.55~2.42〕)。心血管イベントリスクが2番目に高い(向こう10年で7.5~19.9%)群も、大腿骨近位部骨折リスクが33%高かった(HR1.33〔95%信頼区間1.14~1.56〕)。また、大腿骨近位部骨折発生までの期間が、心血管イベントリスクが最も低い群は中央値20.3年であるのに対して、心血管イベントリスクが最も高い群は同15.0年と短かった。 これらの結果に基づきHossain氏は、「心臓のための健康管理と骨のための健康管理は、切り離して考えるべきではない」と述べている。研究者らによると、慢性炎症、カルシウム代謝の変化、動脈硬化による骨の血流低下など、心臓と骨に悪影響を及ぼす可能性のある生物学的プロセスが数多く存在するという。閉経後のエストロゲンレベルの低下も、心血管疾患と骨量減少のリスクの双方を高め得るとのことだ。 一方、心血管イベントや骨折の予防についてHossain氏は、「心血管に対して保護的に働く多くの因子、例えば習慣的な運動、カルシウムとビタミンDを豊富に含む、バランスの取れた食事、禁煙、糖尿病や高血圧などの治療は、骨を守るのにも役立つ」と解説。また、「骨折リスクを抑制する効果的な治療法は多々ある。よって、心血管イベントリスクが中等度以上と判定された場合、特に閉経後の女性では、骨の健康状態に関するスクリーニング検査を受ける必要性について、医師に相談してみる価値があるのではないか」と付け加えている。ただし研究者らは、心血管イベントのリスクスコアを骨折リスク評価の標準的ツールに組み込むには、さらなる研究による検証が必要であることを強調している。

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在宅医療・介護の場で見逃してはいけない骨粗鬆症/日本シグマックス

 整形外科領域などで衛生材料や診療機器、サポーターなどの開発・販売を行う日本シグマックスは、2026年3月24日に都内で「在宅医療・介護で見過ごされがちな『骨粗鬆症』リスクと転倒・骨折予防の重要性」をテーマにメディアセミナーを開催した。 骨粗鬆症は自覚症状に乏しく、発見が遅れがちな疾患であり、転倒・骨折をきっかけに要介護へ移行するケースも多く、医療・介護双方で課題となっている。同社の代表取締役社長の鈴木 洋輔氏は、これらの課題の解決に「超音波医療機器の開発や機械の小型化といった知識の導入により、治療に貢献する製品を研究開発していく」と展望を述べている。 セミナーでは、骨粗鬆症の病態と予防の解説のほか、在宅医療の視点から骨折リスクとしての骨粗鬆症と在宅でできる予防法などが講演された。骨粗鬆症検診率は全国平均でまだ5% 「骨粗鬆症と骨折予防の意義」をテーマに山本 智章氏(新潟リハビリテーション病院 院長)が、骨粗鬆症の病態、高齢者と骨折、骨折予防などについて講演した。 ヒトの最大骨量は20~40代であり、男性は女性に比べてやや多い骨量となっている。とくに女性では閉経後に急激な骨量の減少がみられ、骨粗鬆症の1番の原因は閉経と老化とされる。若いときに最大骨量をいかに高められるかが、将来の骨粗鬆症の予防につながると近年の研究から判明し、生涯にわたり骨の健康を考えることが重要な時代となっている。 わが国は超高齢社会となり、2000年以降、骨折の概念は外傷性ではなく、脆弱性骨折へと変化している。実際、病院で受診する骨折患者のほとんどが脆弱性骨折であり、骨折はけがではなく、慢性疾患の中で起きる1つのイベントという認識が必要となる。 脆弱性骨折は、椎体や上腕骨、大腿骨近位部などさまざまな部位で発生する。とくに高齢者では、脊椎椎体と大腿骨頸部の骨折が多く、大腿骨近位部骨折の患者数は年々増加し、1980年代と比較すると5~6倍となり、2017年には約19万3,000例となっている1)。 大腿骨近位部骨折は、フレイル、骨粗鬆症、低栄養などさまざまな症状が併存した結果起こり、治療では手術が第1選択となる。また、骨折を起こすと医療費の増加、介護の発生、再発のリスクがあるほか、受傷1年後の患者の日常生活動作(ADL)を調査した研究によると1年以内の死亡が20%、永続的な能力障害が30%、歩行不能が40%、限定的な生活動作が80%と大きな生活上のリスクとなることが報告されている2)。そのため海外では、早期治療が有効であり、徹底して予防し、優先的に治療すべきとされている。 最近、社会的認知が広がっている「いつの間にか骨折」の椎体骨折の発生数について、ROAD研究から形態椎体骨折は420万件、臨床的椎体骨折は118万件と報告されている。多発脊椎圧迫骨折が進行すると脊柱後弯症となり、ADLの障害、慢性背部痛、呼吸換気不全などのQOLの低下を来す。また、体型バランスが変わることで転倒リスクが高くなり、さらなる転倒・骨折などを来す原因となる。 骨折について医療経済や介護環境についてみると、医療費の面で2018年の新潟県の後期高齢者入院の医療費では、「脆弱性骨折」が9.25%と1番高く、脳卒中が7.50%、そのほかの心疾患が7.40%の順で高かった。また、介護の主要因について厚生労働省の調査では、認知症が23.6%で1番高く、脳血管疾患が19.0%、骨折・転倒が13.0%と上位の3要因に入っている。骨折で介護が必要となった場合の5年間の自己負担額の試算では1,540万円と試算するデータもあり、これら介護の負担は、患者本人だけでなく、家族を巻き込み、社会的にも医療的にも問題となる。 骨折の原因となる骨粗鬆症治療を受けるべきターゲットは、「(1)(50歳以降に)骨折を起こした人、(2)骨密度の低下した人(若いときの70%以下の骨密度)のどちらかに該当する人は骨粗鬆症の治療を始めたほうがよい」と山本氏は提言する。 その一方で骨粗鬆症検診の現状は、全国平均で約5%と低く、地域によってはゼロというところもある。「健康日本21」では、「骨粗鬆症の検診率を15%まで引き上げる」という目標が設定され、今後積極的な取り組みがなされる。 わが国の高齢者の転倒発生率は80歳以上で11.1%、85歳以上で13.6%であり、その20%が治療適用となり、5~10%が骨折となる。転倒では、筋力の低下、バランス障害、歩行障害などが大きく寄与しており、正常なバランスの指標として「片足立ちができるかどうか」がある。片足でしっかり立てるということは、歩行も安定し、さまざまな場面でバランスも取れるということが転倒予防に重要となる。また、もう1つ重要なことが「環境」である。屋外はもちろん、屋内でも浴室や居間、階段などさまざまな場での転倒リスクをいかに低下させるかということを高齢者に指導していくことが重要となる。 最後に山本氏は「第28回 日本骨粗鬆症学会が新潟で開催される。『女性医学と整形老年病学』という若いときから女性がいかに元気でいられるかというテーマで開催されるので、多くの医療者に参加してもらいたい」と述べ、講演を終えた。病診連携では「再骨折予防手帳」を活用 「在宅だからこそ見逃される骨折リスクと地域連携の重要性」をテーマに山口 正康氏(医療法人社団 山口クリニック 院長)が、オンラインで在宅患者の骨粗鬆症リスクをいかに見つけ、どのように予防し、地域で支えていくかを講演した。 山口氏は、新潟市内で消化器内科を専門に、地域の在宅医療も行っている。往診先には寝たきりの患者、独居の認知症患者など、さまざまな患者が自宅で自分らしい生活を続けている中で、通院できない患者について骨折予防のため定期的に骨粗鬆症の治療も行っているという。 在宅医療患者の特性と骨折リスクとしては、身体的要因として転倒リスクが高い疾患が多いこと、服用薬の影響、加齢による骨・筋肉の脆弱化、通院できないことによる治療の放置がある。また、社会的要因として見守りの目が届きにくい住環境などに転倒誘因が多いほか、身体機能に合わない杖などの補助具の使用、閉じこもりによる身体の廃用性萎縮などがある。さらに在宅特有の診断困難性として、「DXA検査へのアクセス制限」「無症候骨折の看過」「既存骨折の未評価」「検査の遅れ」などもあり、骨折の診断・評価の機会損失が潜在化すると山口氏は警鐘を鳴らす。 骨粗鬆症財団の行った「診療所に通院する骨粗鬆症患者の合併症」の調査では、高血圧(55%)、脂質異常症(27%)、眼病(19%)、糖尿病と循環器疾患(13%)の順で多く、生活習慣病と骨粗鬆症は悪循環を形成し、心血管イベントのリスク因子となることも知られている3)。そのため在宅診療時には動脈硬化の進行度や心肺機能の検査も必要となる。 山口氏のクリニックでは、患者向けの骨粗鬆症の啓発に、疾患の説明や検査の内容を提示するとともに、待ち時間などの間に超音波測定法を用いた骨量測定器で測定なども行っている。そのほか骨粗鬆症の予防について万歩計を活用した1日8,000歩以上の励行や日常動作でのちょっとした運動の勧め、骨に関連するカルシウム、ビタミンD・Kなどの摂取について栄養士による指導も行っている。 高齢者が骨折や寝たきりの状態にならないためには、病診連携、多職種間、医療と介護、市町村と行政、患者(家族)と地域など幅広い連携が必要になる。とくに再骨折の予防のためには病診連携が重要であり、「正確な骨密度検査の結果と治療方針を病院、クリニック、患者と共有することが治療継続のための出発点となる」と山口氏は語る。 病診連携のメリットは専門医の診断により、治療方針が明確になることであり、病院の専門医と地域のかかりつけ医がそれぞれの役割を果たすことで地域全体による骨粗鬆症治療が活発化する。また、山口氏の地域では患者が病院からの紹介で受診される際、必ず「再骨折予防手帳」を持参するという。この手帳により患者の退院後の状態が容易に把握でき、病院の医師とかかりつけ医の情報共有ができ、患者の安心感につながっていく。 最後に山口氏は、「在宅医療における骨粗鬆症対策は、骨折する前に見つけることが最も重要な役割だと考えている。在宅特有の見逃されるリスクに目を向け、地域全体で骨折予防を支える体制作りを目指したい」と思いを述べ、講演を終えた。

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ベジタリアン家庭の幼児の成長が阻害される可能性は低い

 菜食主義(ベジタリアン)の家庭に生まれた子どもに、発育上の問題が現れる可能性は高くないことが報告された。出生体重は非菜食主義(雑食)の家庭の新生児よりも低く有意差が認められるものの、2歳時点での体重の差は有意ではなくなるという。ネゲヴ・ベン・グリオン大学(イスラエル)のKerem Avital氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に2月5日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「われわれの研究結果は、適切な環境であれば、植物性食品中心の食事は乳児の発育を損なわないことを示している」と述べている。 この研究の背景として著者らは論文の中で、植物性食品を重視する食生活は西側諸国で一般的になりつつあり、心臓病やその他の健康リスクの低下と関連付けられていると指摘。しかし、その一方で、特にビタミンB12、鉄分、ヨウ素、ビタミンD、カルシウム、長鎖オメガ3脂肪酸に関しては、妊娠中や乳幼児期に十分な量を摂取できているのかという懸念が依然として指摘されている。 研究には、イスラエルの子どもの約70%の発育状況が記録されている同国保健省の追跡データのうち、2014~2023年の記録が用いられた。在胎32週以降に出生した単胎児119万8,816人(平均在胎期間39.2±1.5週、男児53.2%)を解析対象とした。なお、重度の先天性疾患を有する子どもや極低出生体重児は対象から除外されている。 全体として98.5%の乳幼児は雑食の家庭で育てられ、1.2%はベジタリアンの家庭、0.3%はビーガン(完全菜食主義)の家庭で育てられていた。解析の結果、食事スタイルにかかわらず、どの家庭の子どもの成長パターンも類似したものだった。 具体的には、出生体重については雑食家庭の新生児が3.3±0.5kgであるのに対して、ベジタリアンやビーガン家庭の新生児はいずれも3.2±0.5kgであり有意に低かった。また生後60日時点で低体重であることの調整オッズ比(aOR)は、雑食家庭を基準としてベジタリアン家庭では1.21(95%信頼区間1.11~1.32)、ビーガン家庭では1.37(同1.15~1.63)だった。 しかし、この差は時間とともに縮小し、2歳時点での発育不全の割合は、雑食3.1%、ベジタリアン3.4%、ビーガン3.9%であり、有意差はなかった。また2歳時点では、低体重や過体重の有意差も認められなかった(低体重のaORはベジタリアンが0.80〔0.55~1.15〕、ビーガンは1.06〔0.50~2.23〕、過体重は同順に1.01〔0.86~1.18〕、0.91〔0.61~1.35〕)。 著者らは、「これらの研究結果はビーガン食であっても乳児の成長を阻害しないことを示唆している。しかし、妊娠中の母親や乳児期の子どもの栄養に関する指導が、子どもたちの発育をどのようにサポートし得るかを明らかにするために、さらなる研究が必要とされる」と結論付けている。

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PCOS、体外受精前のビタミンD補充で出生率は向上せず/BMJ

 体外受精を予定している多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者において、ビタミンD補充(4,000 IU/日)の最長90日間の継続は、プラセボと比較して血清中25-ヒドロキシ(OH)ビタミンD濃度(25-OHD)を上昇させるものの、初回胚移植後の出生率は改善しなかった。中国・浙江大学のKai-Lun Hu氏らVitD-PCOS trial groupが、同国の不妊治療センター24施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。観察研究では、PCOSの女性におけるビタミンD欠乏と生殖アウトカム不良との関連が一貫して示されており、先行研究でビタミンD補充が体外受精に有益な効果をもたらす可能性があることが小規模な検出力不足の臨床試験において示唆されていた。今回の結果は、体外受精を受けるPCOSの女性における補助療法としてのビタミンD補充の日常的な使用に疑問を投げ掛けるものである。BMJ誌2026年2月17日号掲載の報告。体外受精を予定しているPCOS患者が対象、ビタミンD補充とプラセボに無作為化 研究グループは、ロッテルダム基準に基づきPCOSと診断され、自己卵子での体外受精を予定している20~42歳の患者を、ビタミンD群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。3回以上の体外受精失敗歴がある女性などは除外した。 ビタミンD群では、体外受精開始前からトリガー日まで最大90日間、ビタミンDを 4,000 IU/日(1カプセル当たり800 IU、1日1回5カプセル)投与した。プラセボ群では同期間、プラセボカプセルを1日1回5カプセル投与した。 主要アウトカムは初回胚移植後の生児出生、副次アウトカムはトリガー日および妊娠検査日における血清25-OHDおよび妊娠アウトカムなど、安全性アウトカムは中等度または重症卵巣過剰刺激症候群などであった。生児出生率は52.0%vs.50.2%で有意差なし 2020年10月15日~2022年2月19日に1,272例がスクリーニングされ、876例が無作為化された。このうち、同意撤回などを除く865例が解析対象集団となった(ビタミンD群435例、プラセボ群430例)。 ベースラインの血清25-OHD平均値はビタミンD群16.5±7.2ng/mL、プラセボ群16.1±6.7ng/mLで、トリガー日にはビタミンD群がプラセボ群より有意に高値であった(32.3±11.2ng/mL vs.18.2±7.6ng/mL、補正後平均群間差:13.6、95%信頼区間[CI]:10.9~16.3)。 主要アウトカムである生児出生数は、ビタミンD群で226例(52.0%)、プラセボ群で216例(50.2%)であった(補正後リスク比:1.03、95%CI:0.91~1.18)。 妊娠検査陽性率、臨床妊娠率、妊娠継続率、ならびに無作為化後6ヵ月時および12ヵ月時の累積生児出生率に、両群間で統計学的な有意差は認められなかった。 重症の卵巣過剰刺激症候群は、ビタミンD群で3例、プラセボ群で6例に発生した(補正後リスク群間差:-0.7%、95%CI:-2.0~0.6)。

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多発性硬化症〔MS:multiple sclerosis〕

1 疾患概要■ 定義多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は、脳・脊髄・視神経からなる中枢神経系に炎症性脱髄が生じる慢性疾患である。病変は時間的多発性(再発)と空間的多発性(中枢神経系のさまざまな場所に病変が生じる)であることを特徴とする。自己免疫機序が病態の中心であると考えられているが、近年は神経変性機序の関与も推定されている。■ 疫学MSは若年成人に多く、20~40代で発症することが多い。女性に多く、高緯度地域で発症率が高い(わが国では北海道に多く、沖縄では少ない)。世界中で約300万人の患者が存在すると推定されている。従来は欧米に多い疾患とされてきたが、近年はアジア地域でも患者数が増加しており、わが国でも有病率は上昇している。診断技術の進歩に加え、環境因子の変化が背景にあると考えられている。■ 病因MSは遺伝的要因と環境因子が組み合わさって発症する多因子疾患である。特定の免疫関連遺伝子が発症リスクに関与する一方で、遺伝要因のみで発症が決まるわけではない。環境因子としては、ビタミンD不足、喫煙、肥満などが知られている。近年、Epstein-Barr virus(EBV)感染がMS発症と強く関連することが示され、免疫異常を引き起こす重要な因子と考えられている。■ 症状MSの症状は多彩であり、病変部位によって異なる。代表的な症状には、視力低下や眼痛(視神経炎)、手足のしびれや脱力、歩行障害、ふらつき、排尿障害などがある。また、易疲労感、疼痛、抑うつ、集中力低下など、外見からわかりにくい症状も多く、患者の日常生活や就労に大きな影響を与える。これらは看護師や薬剤師が関わるケアの場面でとくに重要な視点である。■ 分類MSは臨床経過により以下に分類される。1)再発寛解型(RRMS)再発と寛解を繰り返しながら少しずつ後遺症が蓄積する病型で、最も頻度が高い2)2次進行型(SPMS)RRMSの経過の後に、徐々に再発とは無関係の障害進行(progression independent of relapse activities:PIRA)が生じるようになった病型3)1次進行型(PPMS)発症初期からPIRAを認める病型、まれである以上の病型の理解は、治療方針を考えるうえで重要である。■ 予後現在は治療薬の進歩により、MSの長期予後は大きく改善している。しかし、PIRAの治療は開発途上にあるために、早期診断と治療介入が予後改善には重要である。近年は、治療初期から高い有効性を有する薬剤を導入する“early high-efficacy treatment(eHET)”の考え方が広まっている1)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)MSの診断は除外診断が基本である。とくに視神経脊髄炎スペクトラム障害やMOG抗体関連疾患は臨床像が類似するため、鑑別が重要である。ほかにも鑑別すべき疾患は多岐にわたり、悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患、脳血管障害、膠原病、神経サルコイドーシスや神経ベーチェット病といった炎症性疾患、感染症(梅毒、進行性多巣性白質脳症など)、さらに頸椎症性脊髄症や脊髄空洞症などの脊髄疾患、ミトコンドリア病、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、脊髄小脳変性症などが挙げられる。診断には臨床経過、MRI検査、脳脊髄液検査を総合的に評価するMcDonald診断基準が用いられる。本基準の本質は「炎症性脱髄病変が時間的・空間的に多発していること」を確認する点にある。2024年改訂では早期診断を支援する内容が加えられたが、診断はあくまで臨床判断を補助するものであり、慎重な運用が求められる2)。3 治療MSの治療は、再発時に行う急性期治療と、再発や進行を予防する病態修飾療法に大別される。急性期には副腎皮質ステロイドの大量静注療法(ステロイドパルス療法)が行われる。効果が不十分な場合には血漿交換療法が選択されることもある。再発や障害進行を抑えるため、維持期には病態修飾薬が使用される。近年では有効性の高い薬剤が増えており、早期から治療を開始することの重要性が強調されている。わが国で承認されている主要な病態修飾薬を表にまとめる。服薬管理、副作用モニタリング、多職種による支援が治療継続に不可欠である。表 MSの主要な病態修飾薬画像を拡大する4 今後の展望現在、新しい作用機序をもつ治療薬や、より精度の高い画像診断・血液バイオマーカーの研究が進行している。また、EBVを標的とした治療やワクチン研究も注目されており、将来的には個別化医療の実現が期待される。近年、MSの診療は、再発抑制を主目的とした治療から、PIRAの抑制を含む長期的な機能予後改善を目指す方向へと大きく変化している。この流れの中で、治療および診断の両面で新たなアプローチが研究・開発されている。治療分野では、Bruton型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬が新たな病態修飾療法として注目されている。BTK阻害薬は、B細胞の活性化や抗原提示機能を抑制するだけでなく、中枢神経内のミクログリア活性化を抑制する作用を併せ持つ点が特徴である。現在、RRMSに加え、SPMSやPPMSを対象とした第III相臨床試験が進行中であり、既存治療では十分に抑制できなかった進行性病態への効果が期待されている。とくに、PIRAに対する治療選択肢としての位置付けが注目されている。診断分野においては、疾患特異性や病勢評価を高める新たなバイオマーカーの研究が進展している。MRIでは、central vein sign(CVS)やparamagnetic rim lesion(PRL)といった所見が、MSに特徴的な病態を反映する補助的画像指標として注目されている。これらは鑑別診断や慢性活動性病巣の評価に有用である可能性が示されている。一方、体液バイオマーカーとしては、血清・髄液中の神経フィラメント軽鎖(NfL)やκフリーライトチェーン(κFLC)が、疾患活動性や予後予測の指標として臨床応用に近付いている。今後は、これらの新規治療薬および診断技術を組み合わせることで、疾患活動性・進行リスクに基づく層別化医療や個別化治療がより現実的になると考えられる。MS診療は、再発を抑制する医療から、長期的な障害蓄積を最小限に抑える医療へと進化しており、今後も基礎研究と臨床研究の橋渡しが重要となる。5 主たる診療科主な診療科は脳神経内科であるが、眼科、泌尿器科、リハビリテーション科、精神科などとの連携が重要である。看護師・薬剤師を含めた多職種チーム医療が不可欠である。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト診療、研究に関する情報難病情報センター 多発性硬化症/視神経脊髄炎  (一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本神経学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)医薬品医療機器総合機構(PMDA)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)MSキャビン(MSCABIN)(多発性硬化症の総合情報サイト:情報共有、患者・支援者向け知識ベース)MS International Federation(国際疫学、研究動向、教育・啓発リソースなど医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報日本多発性硬化症協会(患者とその家族および支援者の会)1)Rotstein D, et al. Nat Rev Neurol. 2019;15:287-300.2)Montalban X, et al. Lancet Neurol. 2025;24:850-865.公開履歴初回2026年2月20日

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ホールフード食、食べる量は増えても摂取カロリーは減少

 未加工の食品を丸ごと食べる「ホールフード食」は、たくさん食べても体重を減らせる可能性の高いことが、新たな研究で示された。2週間にわたりホールフードのみで構成された食事(以下、ホールフード食)を取った人は、超加工食品を中心とする食事(以下、超加工食品食)のみを食べていた人と比べて食事の摂取量が57%も多かったが、食事からの摂取カロリーは1日当たり平均330kcal少なかったという。英ブリストル大学実験心理学教授のJeff Brunstrom氏らによるこの研究の詳細は、「The American Journal of Clinical Nutrition」に12月29日掲載された。 この研究では、超加工食品食とホールフード食の影響を比較した2019年の画期的な臨床試験のデータが再解析された。この試験の参加者は、2週間にわたって超加工食品食とホールフード食のいずれかを取り、その後、もう片方の食事を2週間にわたって取った。その結果、いずれの食事もカロリーが同じになるよう調整されていたにもかかわらず、超加工食品食を取っていた期間には1日の総カロリー摂取量が平均508kcal多いことが示された。また、同期間には体重が約0.9kg増えていたが、ホールフード食の期間には約0.9kg減少していた。 今回の事後解析でBrunstrom氏らは、ホールフード食の期間に参加者が実際に何を食べていたのかを詳しく調べた。その結果、ホールフード食に割り付けられていた期間には、全ての参加者が大量の果物や野菜を食べることを選び、1食で数百グラム食べることもあったことが分かった。ホールフード食の期間には超加工食品食の期間と比べて、飲料を除く食事の摂取量が1日当たり平均57%(726gに相当)多かった一方で、飲料を除く食事からのカロリー摂取量は平均15.3%(330kcalに相当)少なかった。 Brunstrom氏らによると、参加者が摂取したさまざまな種類の大量の果物や野菜には、より高カロリーのホールフードを選んでいた場合には十分に得られなかった必須ビタミンやミネラルが含まれていたという。共著者の1人であるマギル大学(カナダ)のMark Schatzker氏は、「もし参加者が高カロリー食品だけを食べていたら、いくつかの必須ビタミンやミネラルが不足し、最終的には微量栄養素欠乏に陥っていたかもしれない。その微量栄養素の不足は、低カロリーの果物や野菜によって補われていたのだ」と述べている。 研究グループは、「この結果は、人間には生来、食品の選択に影響する『栄養知能』が備わっている可能性を示唆している」と説明している。Brunstrom氏は、「今回の研究から、未加工の食品の選択肢が与えられると、人々は直感的に食べる喜びと栄養、満腹感のバランスが取れた食品を選び、同時に全体的なエネルギー摂取量は減ることが示された。これは極めて興味深い」と言う。 栄養知能は超加工食品の中から食品を選ぶ場面でも働いていたが、悪い方向に影響していた。研究参加者は、しばしばビタミン強化食品を通じて微量栄養素の必要量を満たす食品を選んでいたが、そのような食品は同時にカロリーも極めて高かった。例えば、ビタミンAを最も豊富に含む超加工食品は、フレンチトースト・スティックやパンケーキといった高カロリー食品だった。一方、ホールフード食の場合には、多くの参加者が低カロリーのニンジンやホウレンソウからビタミンAを摂取していた。 論文の上席著者であるブリストル大学のAnnika Flynn氏は、「このことは、超加工食品から大量のエネルギー(カロリー)と微量栄養素が同時に提供されることで、カロリーと栄養素の間の有益なトレードオフが無効になり、カロリー過多を引き起こす可能性があることを示している。対照的に、ホールフードはこの健康に有益なバランスを保つ働きを促し、パスタや肉といった高エネルギーの食品よりも、果物や野菜のような微量栄養素が豊富な食品を優先して選ぶよう人々を導くのだ」と述べている。(HealthDay News 2026年1月20日)

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食事からの重金属摂取は2型糖尿病の発症因子か/国立環境研

 糖尿病の発症には、遺伝、環境、生活習慣因子などさまざまな原因がある。とくに食生活において海産物を多く摂取する日本人は、魚介類からごく微量の重金属も摂取している可能性がある。こうした重金属の摂取が、2型糖尿病の発症のリスク因子となるのであろうか。このテーマに関し、国立健康危機管理研究機構 臨床研究センター 疫学・予防研究部の伊東 葵氏らの研究グループは、健康診断の血液サンプルを用いて、水銀、鉛などと2型糖尿病発症との関連性を検討した。その結果、血清水銀濃度が高いほど2型糖尿病のオッズ比が高いことが判明した。この結果は、Clinical Nutrition誌2026年2月号に掲載された。水銀が2型糖尿病発症のリスク因子になる可能性 研究グループは、血清中の水銀、鉛、カドミウム、ヒ素と2型糖尿病発症との関連性を明らかにすることを目的に、2008~09年に人間ドックを受けた日本人勤労者4,754例を対象としたネステッドケースコントロール研究を行った。研究では、カドミウム、鉛、水銀、ヒ素濃度を誘導結合プラズマ質量分析法で測定した。2型糖尿病の発症は、5年間の追跡期間中に血漿グルコースやHbA1cが基準を満たした場合、または自己申告により判断した。発生密度法を用い、各症例に対し年齢、性別、ドック受診時期を基準に2例の対照群を無作為にマッチングした結果、2型糖尿病を発症した325例と対照群611例が得られた。その後、条件付きロジスティック回帰モデルを用いて、各重金属濃度の四分位群ごとに2型糖尿病のオッズ比と95%信頼区間を推定した。 主な結果は以下のとおり。・職業区分、交代勤務、喫煙、飲酒、余暇の身体活動、糖尿病家族歴、BMI、高血圧、および血清中長鎖ω3脂肪酸、ビタミンD、マグネシウム、セレン、鉛、カドミウム、ヒ素濃度を調整後も、血清水銀濃度が高いほど2型糖尿病のオッズ比は高かった。・血清水銀濃度の最低から最高四分位におけるオッズ比(95%信頼区間)は、それぞれ1(基準値)、1.15(0.70~1.90)、 1.41(0.85~2.36)、1.98(1.13~3.47)だった(P=0.01)。・カドミウム、鉛、ヒ素と2型糖尿病発症との間に関連は認められなかった。 なお、研究グループは、「血中水銀濃度が食事からの摂取量を直接反映するものではなく、水銀曝露あるいは魚摂取と2型糖尿病との関連についてはさらなる研究が必要」と述べている。

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紅茶は高齢女性の骨の健康に良い可能性

 足の付け根の周辺(大腿骨近位部)の骨折をできる限り防ぎたいという女性が自分で用意できる「処方箋」があるとすれば、それは「コーヒーではなく、紅茶を飲むこと」かもしれない。高齢女性を対象とした10年間にわたる研究で、紅茶を飲む人はコーヒーを飲む人に比べて、わずかながら骨密度(BMD)が高く、骨が強いことが示されたのだ。フリンダース大学(オーストラリア)医学・公衆衛生学部のEnwu Liu氏とRyan Liu氏らによるこの研究の詳細は、「Nutrients」に2025年11月23日掲載された。 この研究では、65歳以上の女性9,704人が10年間追跡され、コーヒーまたは紅茶の摂取とBMDの縦断的な関連が検討された。BMDは、骨がもろくなる病気である骨粗鬆症のリスクを評価するための重要な指標である。コーヒーおよび紅茶の摂取量は、2、4、5、6回目の訪問時に自記式質問票によって繰り返し評価された。また、大腿骨頸部および股関節全体のBMDは、二重エネルギーX線吸収測定法によって繰り返し測定された。 その結果、紅茶を飲む女性では、飲まない女性と比べて股関節全体のBMDがわずかに高いことが明らかになった。一方、紅茶の摂取と大腿骨頸部のBMDとの間に有意な関連は認められなかった。また、コーヒーの摂取と大腿骨頸部および股関節全体のBMDとの間にも有意な関連は認められなかったが、1日5杯を超えるコーヒーの摂取はBMDの低下と関連する可能性が示唆された。さらに、生涯のアルコール摂取量が多い女性はコーヒーの悪影響を受けやすい可能性があることや、紅茶の有益な効果は肥満の女性でより強く現れる可能性があることも示された。 研究グループは、紅茶の摂取と非摂取との間で見られたBMDの差はわずかであったことを認めつつも、統計学的には有意であったと説明。そのため、わずかな差でも、より大きな人口集団の健康を考慮すると重要な意味を持つ可能性があるとの見解を示している。 Enwu Liu氏は、「適量のコーヒーは安全であると考えられるが、摂取量が多過ぎるのは理想的とはいえないかもしれない。特に飲酒の習慣がある女性では注意が必要だ」とニュースリリースの中で述べている。 骨粗鬆症は年間数百万件の骨折を引き起こす原因となる疾患で、50歳以上の女性の3人に1人が罹患していると推定されている。Enwu Liu氏らは、何十億人もの人がコーヒーや紅茶を飲むことを毎日の習慣にしているため、これらの飲み物が骨に与える影響を理解することは重要であると指摘している。なお、同氏らによると、先行研究では相反する結果が示されているという。また、これほど多くの女性を10年という長期間にわたって追跡した研究は、これまでほぼなかったことも同氏らは付け加えている。 Ryan Liu氏は、お茶には骨量の減少の抑制や骨形成の促進に役立つ可能性のあるカテキンと呼ばれる化合物が豊富に含まれていると説明。「一方、コーヒーに含まれるカフェインは、実験室での研究でカルシウムの吸収や骨代謝を妨げることが示されている」とニュースリリースの中で述べている。ただし、その影響はわずかであり、ミルクを加えることで相殺される可能性があるとも付け加えている。 Enwu Liu氏は、今回の研究の結果について、「女性はコーヒーをやめたり、お茶を大量に飲み始めたりする必要があることを意味しているわけではない」と強調している。その上で同氏は、「カルシウムとビタミンDが骨の健康に不可欠なものであることに変わりはないが、普段飲んでいるカップの中身も影響する可能性がある。高齢女性にとって、いつもの1杯のお茶は単なる心安らぐ習慣にとどまらず、骨を強くするための小さな1歩になるかもしれない」と述べている。

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1月9日 風邪の日【今日は何の日?】

【1月9日 風邪の日】〔由来〕寛政7(1795)年の旧暦の今日、第4代横綱で63連勝の記録を持つ谷風 梶之助が風邪で亡くなったことに由来して制定。インフルエンザや風邪が流行する季節でもあることから、医療機関や教育機関で風邪などへの予防啓発で周知されている。関連コンテンツ今冬のインフルエンザ診療のポイント【診療よろず相談TV】急性呼吸器感染症の5類位置付けに関するQ&A【患者説明用スライド】風邪や咳症状に対する日本での市販薬使用状況は?「風邪のときのスープ」に効果はある?風邪予防にビタミンDは効果なし?~メタ解析

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ビタミンDの個別化投与で心筋梗塞リスクが半減

 成人の心臓病患者では、血中ビタミンD濃度が最適域に達するように患者ごとに用量を調整して投与すると、そうでない場合に比べて心筋梗塞の発症リスクが5割以上低下することが示された。米インターマウンテン・ヘルスの疫学者Heidi May氏らによるこの研究結果は、米国心臓協会(AHA)年次総会(Scientific Sessions 2025、11月7〜10日、米ニューオーリンズ)で発表された。 過去の研究では、血中ビタミンD濃度の低下は心臓の健康状態の悪化につながることが示されている。今回のランダム化比較試験(TARGET-D)では、急性冠症候群の成人患者630人(平均年齢63歳、男性78%)を対象に、血中ビタミンD濃度が最適(40ng/mL超〜80ng/mL以下)になるように、患者ごとに用量を調整してビタミンD投与することで、心筋梗塞の再発、脳卒中、心不全による入院、または死亡を予防できるかどうかを検証した。試験参加者の48%に心筋梗塞の既往歴があった。参加者は、3カ月ごとに血液検査で血中ビタミンD濃度を確認して投与量を調整する治療群か、ビタミンD濃度のモニタリングや用量調整を行わない標準治療群のいずれかにランダムに割り付けられた。 この研究手法についてMay氏は、「ビタミンDに関するこれまでの臨床試験では、参加者全員に同量のビタミンDを投与し、事前に血中濃度を確認せずにその潜在的な影響を検証していた」と指摘する。その上で、「われわれの取ったアプローチはこうした研究とは異なる。登録時と研究期間を通して各参加者の血中ビタミンD濃度を確認し、必要に応じて投与量を調整することで、血中ビタミンD濃度を40~80ng/mLの範囲に維持した」と説明している。なお、参加者全体の85%、治療群の52%は試験開始時のビタミンD濃度が40ng/mL未満であり、治療群が最適な血中ビタミンD濃度を達成するためには、FDAの1日当たりの推奨量である800IU(20μg)を大幅に上回る5,000IU(125μg)が必要であったという。 平均4.2年間の追跡期間中に、心筋梗塞、心不全による入院、脳卒中、死亡を含む主要心血管イベントが107件発生した(治療群15.7%、標準治療群18.4%)。解析の結果、治療群では標準治療群に比べて、心筋梗塞の発症リスクが52%低いことが示された。一方で、死亡、心不全による入院、脳卒中の発生に関しては、両群間で有意な差は認められなかった。 こうした結果からMay氏は、「心臓病に罹患している人は、自分に必要なビタミンDの量を決めるために、血液検査による血中ビタミンD濃度の測定やその投与量について、医療従事者と相談することを勧める」とニュースリリースで述べている。 研究グループは、心筋梗塞の既往歴がある人とない人の両方に対するビタミンD補充の有効性を検証するには、さらなる臨床試験が必要だと述べている。  なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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進行性家族性肝内胆汁うっ滞症のそう痒治療薬「ビルベイ顆粒200μg/600μg」【最新!DI情報】第51回

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症のそう痒治療薬「ビルベイ顆粒200μg/600μg」今回は、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬「オデビキシバット水和物(商品名:ビルベイ顆粒200μg/600μg、製造販売元:IPSEN)」を紹介します。本剤は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒の治療薬であり、そう痒に苦しむ本症患者のQOL改善が期待されています。<効能・効果>進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒の適応で、2025年9月19日に製造販売承認を取得しました。なお、ABCB11遺伝子変異を有する患者のうち、胆汁酸塩排出ポンプ蛋白質(BSEP)の機能を完全に喪失する変異を有する患者では本剤の効果は期待できません。<用法・用量>通常、オデビキシバットとして40μg/kgを1日1回朝食時に経口投与します。なお、効果不十分な場合には、120μg/kgを1日1回に増量することができますが、1日最高用量として7,200μgを超えないようにします。体重別の1日投与量は下表を参考にします(40μg/kg/日の場合)。<安全性>副作用として、血中ビリルビン増加、ALT増加、下痢、嘔吐、腹痛、ビタミンD欠乏(いずれも10%以上)、肝腫大、AST増加、ビタミンE欠乏(いずれも1%以上10%未満)があります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬です。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒を改善します。2.小腸に作用して、胆汁酸の再取り込みを減少させ、血液中の胆汁酸濃度を低下させます。3.朝食(1日の最初の食事)時に、飲食物とともに飲んでください。4.カプセルは容器なのでカプセルごと飲まず、飲む直前にカプセル型容器を開けて顆粒剤のみを服用してください。<ここがポイント!>進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、胆汁酸の分泌および輸送に関与する遺伝子の変異によって引き起こされる希少疾患であり、一般に乳児期および小児期初期に発症します。胆汁うっ滞により、ビリルビンや胆汁酸などの胆汁成分が肝臓内に蓄積すると、肝障害が進行し、肝硬変や肝不全、さらには肝細胞がんを発症することがあります。PFICと診断された小児では、黄疸に加えて重度のそう痒が認められることが多く、とくに重度のそう痒の緩和はQOL(生活の質)向上の観点からも重要な治療目標となります。PFICは、日本では厚生労働省の指定難病(#338)に指定されています。本剤の有効成分であるオデビキシバットは、腸管に存在する回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)に可逆的に結合し、門脈系への胆汁酸の再取り込みを減少させます。これにより、肝臓への胆汁酸負荷および血清中胆汁酸濃度が低下し、胆汁うっ滞に伴うそう痒の改善が期待されます。本剤はカプセル型容器に封入された顆粒剤です。カプセルは容器であることから、投与はカプセルごとではなく容器内の顆粒剤のみを全量投与します。PFIC-1およびPFIC-2の小児患者(生後6ヵ月以上18歳以下、体重5kg超)を対象としたプラセボ対照二重盲検海外第III相試験(A4250-005試験)において、主要評価項目である「24週時までに空腹時血清中胆汁酸濃度がベースラインから70%以上低下または24週時に70μmol/L以下に達した患者の割合」は、本剤群全体で33.3%であり、本剤40μg/kg/日群および120μg/kg/日群でそれぞれ43.5%および21.1%でした。片側検定によるプラセボ群との比較では、いずれの本剤群でも高く、本剤群のプラセボ群に対する優越性が検証されました(本剤群全体:片側p=0.0015、40μg/kg/日群:片側調整p=0.0015、120μg/kg/日群:片側調整p=0.0174)。

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骨粗鬆症、予防には若年からの対策が重要/J&J

 ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、10月20日の世界骨粗鬆症デーに関連し、疾患啓発イベント「親子で話す骨のこと」を開催した。慶應義塾大学 整形外科 教授の中村 雅也氏、歌手の早見 優氏が登壇し、若年期からの骨粗鬆症予防の重要性を伝えた。 骨粗鬆症の患者数は毎年増加傾向にあり、2023年のデータで受診者数は138万人、うち9割以上を女性が占める1)。中村氏は「女性は閉経後から骨密度が急速に低下し、70代以降では骨折リスクが大幅に上昇する。患者数増加は高齢化に加え、疾患への意識向上による受診増加も要因だと考えられる」と解説した。さらに中村氏は、「骨粗鬆症は進行するまで自覚症状が乏しいため、注意を払われにくい。高齢になって転倒や骨折を経験してから骨の健康を考えるのでは遅い。閉経期を迎える40~50代から骨密度変化に関心を持ち、早期に介入することが重要」と強調した。 そして、さらに早期からの介入の重要性についても言及。「骨の健康は中年~高齢期だけの問題ではない。骨密度のピークは10〜20代で形成されるが、20代で骨量が低い人は、その後の減少がより顕著になる傾向がある」と指摘。若い時期の十分な栄養、運動、日光浴によるビタミンD合成といった生活習慣が、将来の骨折リスクを左右するとした。「若い女性は過度なダイエットで十分な栄養素を摂れていないケースが多く、これが骨密度のピークを下げている可能性がある」と指摘した。さらに、運動と日光曝露の重要性も指摘、「日焼けを気にして屋内に閉じこもる人もいるが、少しの時間でも日光に当たり、体を動かすことが大切だ」とした。2人の娘の親である早見氏も「10代のしっかりとした食生活や運動による“骨貯金”が、40~50代になって効いてくるということですね」と応じた。骨粗鬆症に関する最新のエビデンスと推奨事項・40~50代では閉経後に骨密度が低下しやすくなる一方、10~20代の骨密度にも注目が集まっている。20代は骨密度のピークを迎える時期だが、生活習慣によってそのピーク値は変動し、将来の骨密度に影響を与えるとされる。若い時期の過度なダイエットや運動が骨密度低下の引き金になる可能性もある。・国内の大学による20年以上の追跡調査では、20代で骨密度が低かった人は、40代でより骨密度が低下しやすい傾向があることが明らかになっている。・骨への機械的刺激が骨形成を促進するため、骨密度を高めるためには、負荷のかかる下肢運動(階段昇降、かかと上げ、軽いジャンプなど)などが効果的。・運動環境にも注意が必要。日光を浴びない屋内ジムだけで運動していると、骨を強くするために必要なビタミンDの生成が不足する可能性がある。紫外線を気にする人が多いが、朝15分程度の日光浴でも十分な効果が期待できる。・カルシウムだけでなく、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質、ミネラルなどをバランスよく摂取することが骨の健康維持には不可欠。 中村氏は、臨床現場での課題として「骨粗鬆症は診断の機会が限られている」ことを指摘。とくに閉経前後や長期ステロイド使用中の女性、低BMI、家族歴を有する患者など、ハイリスク群への骨密度測定(DXA)の積極的実施を推奨した。中村氏は「骨粗鬆症の予防は、家庭での会話から始まる」とし、親世代が自身の骨の健康に関心を持ち、子供世代と共に学ぶことで、ライフコースを通じた骨粗鬆症予防の文化が形成されることの重要性を訴えた。

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ビタミンD欠乏症が10年間で有意に減少、骨折リスク低減に期待

 骨や筋肉の健康を守るうえで欠かせない栄養素、ビタミンD。その不足は骨粗鬆症や骨折リスクの増大と関わることが知られている。今回、日本の大規模調査で、一般住民におけるビタミンD欠乏の割合がこの10年で有意に減少したことが明らかになった。血中ビタミンD濃度も上昇しており、将来的に骨粗鬆症や骨折の発症リスク低減につながる可能性があるという。研究は東京大学医学部附属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座の吉村典子氏らによるもので、詳細は8月27日付で「Archives of Osteoporosis」に掲載された。 ビタミンDは骨密度の維持に不可欠だが、世界的に血中25(OH)D濃度の低値が報告されており、世界的にビタミンD欠乏は広くみられ、とくに南アジア・中東で顕著である。さらに閉経後女性では欠乏率が高く、東アジアでも90%に達するとの報告がある。日本においても閉経後女性のビタミンD不足は深刻である。国内で実施されている「Research on Osteoarthritis/Osteoporosis against Disability(ROAD研究)」は、運動器疾患の予防を目的とした地域住民コホート研究である。2005~2007年調査では、ビタミンD不足・欠乏が9割以上と高頻度に認められ、その傾向は男性よりも女性で顕著であった。その後も同一地域で追跡調査が継続されており、本研究では調査開始から10年後のデータを用いて、ビタミンD欠乏の10年間の推移を明らかにすることを目的とした。 ROAD研究のベースライン調査は2005~2007年に実施され、東京都板橋区(都市部)、和歌山県日高川町(山間部)、和歌山県太地町(沿岸部)の3地域から参加者を募った。都市部の参加者についてはベースライン時に骨密度測定が行われていなかったため除外し、本研究の解析対象は山間部および沿岸部の参加者1,690名とした。血液サンプルは1,683名(男性595名、女性1,088名)から採取され、血中25DおよびインタクトPTH(副甲状腺ホルモン)濃度を測定した。参加者は面接形式の質問票に回答し、骨密度測定とX線検査も受けた。第4回調査は2015~2016年に実施され、1,906名(男性637名、女性1,269名)が参加した。全参加者はベースライン調査と同一の評価を受けた。ビタミンD欠乏および不足は、それぞれ血中25D濃度が20ng/mL未満、20ng/mL以上30ng/mL未満と定義された。 平均血中25D濃度は、ベースラインで23.3ng/mL、第4回調査では25.1ng/mLとなり、有意な上昇が認められた(P<0.001)。ビタミンD不足および欠乏の有病率は、ベースラインでそれぞれ52.9%と29.5%であったのに対し、第4回調査では54.8%と21.6%となり、ビタミンD欠乏が有意に減少していた(P<0.001)。この傾向は男女ともに一貫して認められた。 骨密度に関しては、腰椎(L2-4)および大腿骨頸部のいずれも、第4回調査の方がベースライン調査より有意に高値を示した(腰椎P<0.001、大腿骨頸部P<0.05)。また第4回調査では、男女とも腰椎(L2-4)の骨粗鬆症有病率がベースラインより有意に低下していた(P<0.01)。 本研究について著者らは、「10年間隔の地域住民調査においてビタミンD欠乏症の有病率が有意に減少した。この好ましい傾向は、今後の骨粗鬆症および骨折発症率の低下に寄与する可能性がある」と述べている。 一方で、30~50代の女性では依然としてビタミンD欠乏症の割合が高く、この世代が今後閉経期を迎えて骨粗鬆症リスクの高い年齢層に入ってきた際には、将来的に骨粗鬆症の増加につながる可能性があると警鐘を鳴らしている。著者らは、この点を公衆衛生上の重要な課題として指摘した。

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