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これまでの系統的レビューでは、カルシウムおよびビタミンDは、単独では骨折の減少をもたらさず、これらを併用しても結果に一貫性はなく、転倒に対するビタミンDの効果にもばらつきがみられる。それにもかかわらず、ガイドラインなどは筋骨格系の健康維持にビタミンD(±カルシウム)の補充を推奨し、2000年代初頭以降、これらの処方量は大幅に増加しているという。カナダ・CIUSSS du Nord-de-l’Ile-de-MontrealのOlivier Masse氏らは、骨折および転倒の予防において、カルシウム、ビタミンD、またはこれらを併用した栄養補充製品の有益性はほとんど、あるいはまったく認められないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年5月20日号で報告された。骨折・転倒の予防効果をメタ解析で評価 研究グループは、成人における骨折および転倒に対する、カルシウム、ビタミンD、またはこれらを併用した栄養補充製品の効果を評価する目的で、関連文献の系統的レビューとメタ解析を行った(特定の助成は受けていない)。 対象は、骨粗鬆症の薬物治療を受けていない成人(18歳以上)において、骨折または転倒の予防法として、カルシウム、ビタミンD、またはこれらの併用補充製品を、プラセボまたは無治療と比較した無作為化比較試験とした。全骨折の予防効果はほとんどない 69件の試験(参加者15万3,902例)を解析の対象とした。60試験(87%)は地域在住の高齢者のみ、26試験(38%)は女性のみを対象とし、50試験(72%)の参加者は骨折や転倒のリスクが高いグループには属していなかった。全体の年齢中央値は71.2歳(四分位範囲:63.8~76.9)だった。 主要アウトカムである全骨折に関して、カルシウム補充製品(11試験、参加者9,067例、リスク比:0.91[95%信頼区間[CI]:0.81~1.01]、エビデンスの確実性:中)や、ビタミンD補充製品(36試験、9万2,415例、1.00[95%CI:0.95~1.06]、高)、併用栄養補充製品(15試験、5万1,126例、0.91[95%CI:0.84~0.99]、高)のいずれにおいても、予防効果はほとんど、あるいはまったく認めなかった。 大腿骨近位部骨折、非脊椎骨折、脊椎骨折についても、3つの補充製品とも、ほとんど予防効果はなかった。転倒の予防にも効果はない、他の介入法の可能性を 転倒の予防に関しても、カルシウム補充製品(2試験、参加者2,966例、リスク比:0.91[95%CI:0.78~1.06]、エビデンスの確実性:中)、ビタミンD補充製品(32試験、6万5,234例、1.01[95%CI:0.98~1.04]、高)、併用栄養補充製品(10試験、1万1,068例、0.92[95%CI:0.84~1.00]、中)のすべてで、予防効果はみられなかった。 また、複数のサブグループ解析により、異質性に関して広範な検討を行ったが、上記の知見の頑健性は保持されていた。 一方、高リスク例や在宅看護を要する患者については、カルシウム単独療法および併用補充療法の多くのアウトカムに関して、エビデンスは十分ではなかった。 著者は、「これらの知見は、骨折や転倒の予防を目的とするカルシウム、ビタミンD、これらを併用した栄養補充製品の日常的な摂取を支持しない」としている。また、「本研究の結果は、特定の骨疾患を有する患者、あるいは骨粗鬆症の薬物治療や、長期にわたりコルチコステロイドを使用している患者には一般化できない可能性がある」「今後は、骨折や転倒の予防に、これら以外の介入法の評価が行われる可能性があり、検討が期待される分野として、食事療法、医薬品の再評価、教育や行動変容へのアプローチ、多面的な介入、および転倒予防のためのデジタルツールなどが挙げられる」と指摘している。