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抗血小板薬2剤併用、CABG後グラフト開存率を改善/JAMA

 チカグレロル+アスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は、アスピリン単剤に比べ、冠動脈バイパス術(CABG)後1年時の伏在静脈グラフトの開存率を改善することが、中国・上海交通大学医学院附属瑞金医院のQiang Zhao氏らが行った多施設共同試験(DACAB試験)で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年4月24日号に掲載された。CABG後の伏在静脈グラフトの開存に及ぼす、アスピリン+P2Y12受容体拮抗薬によるDAPTの効果については、いくつかの小規模な短期的臨床試験で相反する結果が報告されているという。1年後のグラフト開存率を3群で比較 研究グループは、CABG後の伏在静脈グラフトの開存におけるチカグレロル+アスピリンおよびチカグレロル単剤の効果を、アスピリン単剤と比較する非盲検無作為化試験を実施した(AstraZeneca社の助成による)。 対象は、年齢18~80歳の待機的CABGの適応例であった。緊急血行再建術、他の心臓手術の併用、CABG後にDAPTまたはビタミンK拮抗薬を要する患者や、重篤な出血のリスクを有する患者は除外された。 被験者は、CABG後24時間以内にチカグレロル(90mg×2回/日)+アスピリン(100mg/日)、チカグレロル単剤(90mg×2回/日)、アスピリン単剤(100mg/日)を投与する群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、1年間の治療が行われた。 主要アウトカムは、1年後の伏在静脈グラフトの開存(FitzGibbon分類:GradeA[狭窄<50%])とし、割り付け情報を知らされていない審査委員会が独立に判定を行った。探索的な事後解析として、グラフト非閉塞(GradeA+B[狭窄≧50%])の評価も行った。開存の評価には、マルチスライスCT血管造影法または冠動脈血管造影法を用いた。 2014年7月~2015年11月の期間に、中国の6つの3次病院に500例が登録された。2剤併用群に168例、チカグレロル単剤群に166例、アスピリン単剤群には166例が割り付けられた。1年グラフト開存率:88.7%、82.8%、76.5% ベースラインの全体の平均年齢は63.6歳で、91例(18.2%)が女性であった。461例(92.2%)が試験を完遂した。 1年時のグラフト開存率は、併用群が88.7%(432/487グラフト)、チカグレロル単剤群が82.8%(404/488グラフト)、アスピリン単剤群は76.5%(371/485グラフト)であった。併用群とアスピリン単剤群の差は12.2%(95%信頼区間[CI]:5.2~19.2)であり、有意な差が認められた(p<0.001)のに対し、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群の差は6.3%(-1.1~13.7)と、有意差は認められなかった(p=0.10)。 7日時のグラフト開存率には、併用群とアスピリン単剤群(94.9 vs.91.1%、p=0.11)、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(94.3 vs.91.1%、p=0.17)のいずれの比較においても、有意な差はみられなかった。 事後解析では、1年時のグラフト非閉塞率は、併用群がアスピリン単剤群に比べ高かった(89.9 vs.80.6%、p=0.006)が、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(86.1 vs.80.6%、p=0.17)には差がなかった。また、7日時の非閉塞率は、併用群とアスピリン単剤群(95.3 vs.92.8%、p=0.26)、チカグレロル単剤群とアスピリン単剤群(95.7 vs.92.8%、p=0.16)のいずれの比較においても、有意な差はなかった。 主要有害心血管イベント(MACE:心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中)は、併用群が3例(1.8%)、チカグレロル単剤群が4例(2.4%)、アスピリン単剤群は9例(5.4%)で発現し、大出血は併用群が3例(1.8%)、チカグレロル単剤群は2例(1.2%)に認められた。 著者は、「相対的な出血リスクの評価には、患者数を増やしたさらなる検討を要する」としている。

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第1回 外食で陥りがちな“1人前”の落とし穴【実践型!食事指導スライド】

第1回 外食で陥りがちな“1人前”の落とし穴医療者向けワンポイント解説その1杯、本当に「1人前」ですか?普段の食生活で、問題となってくるのが主食です。主食量を意識することで、カロリーや糖質量などに大きく違いが出てくるため、栄養指導などでも、主食量についての分量をお話しする機会も多くあります。1回量を考えて食べている糖尿病患者さんも多くいますが、そんな患者さんたちでも気付かない落とし穴、「自分の1人前と外食での一人前の違い」があります。一般的に、自宅などで食べる1人前に比べ、外食で提供される「1人前」は圧倒的に量が多くなっています。とくに主食(米飯、麺類、パン類)は顕著です。患者さんの多くは、その落とし穴に気付かず、当たり前のように1人前として食べてしまい、知らないうちにバランスを崩している場合があります。また、外食での量の誘惑に負けてしまい、「ちょっと多いかな…」と思いつつ、食べる量が増えてしまうこともあります。今回は、外食の中でも丼物、うどん、そばといった単品で急いで食べるメニューに特化し、外食の主食量を調べました。牛丼並は、店によって320g、230gと設定が異なりますが、いずれにしても確実に家で食べる1膳(約150g、3単位)よりも多くなります。うどんやそばの場合も同様です。こうした丼物、麺類は「急いで食べる」シチュエーションで選ぶことが多いため、普段よりも多くの量を食べても満足感が低いことが多く、さらに「大盛り」を求める場合もあります。これを防ぐ最大の方法は、「ゆっくり食べること」なのですが、それを伝えても実行できない患者さんのほうが多いのが実情です。ここで食行動変化を起こさせるポイントは、「トッピングをすること」です。トッピングとしては、低カロリーでビタミンやミネラル食物繊維を含むネギやほうれん草、わかめ類、タンパク質が豊富な卵などがお薦めです。ご飯や麺の量を増やすのではなく、トッピングをすることで栄養バランスが整うほか、噛みごたえや食感の変化が生まれ、満足度を高めることができます。外食が多い患者さんには、「外食での主食は多く摂取しがちであること」「せめて主食量だけは、家で食べている量を思い出して調整すること」「丼や麺類は、トッピングをすること」をポイントに指導されると、食行動が変わりやすくなります。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第44回

第44回:CKD(慢性腎臓病)の評価方法監修:表題翻訳プロジェクト監訳チーム 2002 年に米国で提唱されたChronic Kidney Disease(慢性腎臓病:CKD)の概念は、現在、世界中に普及し、日常の外来でも多く遭遇します。厚生労働省「平成26年患者調査の概況」によると、国内のCKD総患者数は29万6,000人(男性18万5,000人、女性11万人)とされています。 今回は、CKDの検出や初期評価に関してまとめましたので、参考にしてみて下さい。なお、国内では「CKD診療ガイド」1)や「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」2)が上梓されています。この機会にぜひ併せてご覧ください。 以下、American family physician 2017年12月15日号3)より【CKD定義・重症度分類】本邦指針では、下記の定義が定められている1)。(1)尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか。とくに、0.15 g/gCr 以上の蛋白尿(30 mg/gCr 以上のAlb尿)の存在が重要(2)GFR<60 mL/分/1.73 m2(1)、(2)のいずれか、または両方が3 ヵ月以上持続する。CKDの重症度分類に関しては、2012年KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)において、従来の糸球体濾過量(GFR)のみによる病期分類がGFR と尿蛋白Alb尿を組合せた形式となり、著聞されている通りです。【CKD評価時のClinical recommendation】CKD評価時のClinical recommendationとしては、下記の項目が挙げられている。なお、Evidence RatingはいずれもC(=consensus, disease oriented evidence, usual practice, expert opinion, or case series)である。GFRの初期評価には、血清Cre値と血清Cre値を用いたeGFRを用いるべきである。CKD患者の初期評価における早朝スポット尿のAlb/Cre比は、タンパク尿評価よりも好ましい。血中シスタチンCは、血清Cre値が上昇しているが、既知のCKD、危険因子、Alb尿症も有しない患者において、GFRの減少が偽陽性かどうかを決めるときに測定すべきである。CKDは、eGFRおよびAlb尿症の程度を用いて分類されるべきである。CKDを有する患者は、少なくとも年一回、血清Hb値を測定すべきであり、CKDの重症度でその頻度を増す。骨密度のルーチン評価は、結果が不正確である可能性があるため、eGFR<45mL /分/1.73m2の患者では行わない。ステージ3a~5の CKD(eGFR<45mL /分/1.73m2)の患者評価には、血清Ca、P、副甲状腺ホルモン、ALPおよび25‐ヒドロキシビタミンD値の測定が含まれるべきである。【CKDを疑う際の初期診断アプローチ】下記の表を参考に、CKDのリスクや病因を評価する。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 社団法人 日本腎臓学会編「CKD診療ガイド2012」 2) 社団法人 日本腎臓学会編「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」 3) Gaitonde DY, et al. Am Fam Physician. 2017 Dec 15.

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ビタミンDのがん予防効果、日本人で確認/BMJ

 血中ビタミンD濃度が高い集団は男女とも、がん全体の罹患リスクが低いことが、日本人を対象に国立がん研究センターのSanjeev Budhathoki氏らが実施したJapan Public Health Center-based Prospective(JPHC)研究で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年3月7日号に掲載された。ビタミンDは、さまざまな抗腫瘍性の特性を持つ強力な生物活性化合物の前駆物質として、がんの予防効果をもたらすとの説がある。血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんの罹患リスクが低下する傾向がみられることが報告されているが、他の部位のがんやがん全体のエビデンスには一貫性がなく、アジア人のデータは十分でないという。血中濃度別の罹患リスクを評価するネステッドケースコホート研究 研究グループは、JPHC研究のデータを用いて、診断前の血中ビタミンD濃度と、がん全体および部位別のがん罹患リスクの関連を評価するネステッドケースコホート研究を行った(国立がん研究センターなどの助成による)。 JPHC研究の参加者(40~69歳)のうち、ベースラインの質問票に回答し、血液サンプルが得られた3万3,736人をベースコホートとした。このうち、3,301人が2009年12月31日までにがんに罹患した。また、ベースコホートからランダムに選択した4,044人をサブコホートとした。サブコホートには、がん患者が450人含まれた。 血漿25-ヒドロキシビタミンD(25-OHビタミンD)濃度の季節による変動を考慮して、サブコホートを男女別に4分位に分けた(罹患数が130未満のがんは3分位)。重み付きCox比例ハザードモデルを用い、血漿25-OHビタミンD濃度が最も低い集団を基準として、血漿濃度別のがん全体および部位別のがんに関して、多変量で補正したハザード比(HR)を算出した。ほぼすべての部位の罹患リスクが低下傾向 がん患者はサブコホートに比べ、平均年齢が高く(56.2[SD 7.5] vs.53.7[7.9]歳)、男性が多く(52.4 vs.34.2%)、重度喫煙者や重度飲酒者が多く、糖尿病既往歴やがん家族歴の頻度が高かった。また、サブコホートでは、血漿サンプルの採取時期が夏/秋の集団のほうが冬/春に比べ、25-OHビタミンD濃度中央値が高く、濃度が高い集団のほうが低い集団に比べ高齢で、余暇身体活動量が多く、がん家族歴の頻度が低いなどの傾向がみられた。 血漿25-OHビタミンD濃度とがん全体の罹患リスクには逆相関の関係が認められ、血漿濃度が最も低い集団と比較した2番目に低い集団、3番目に低い集団、最も高い集団の多変量補正HRは、それぞれ0.81(95%信頼区間[CI]:0.70~0.94)、0.75(0.65~0.87)、0.78(0.67~0.91)であった(傾向検定:p=0.001)。 部位別のがんのうち、肝がんで血漿濃度と罹患リスクに逆相関の関係がみられ、血漿濃度が最も低い集団と比較した多変量補正HRは0.70(95%CI:0.44~1.13)、0.65(0.40~1.06)、0.45(0.26~0.79)と、濃度が高くなるほど低下した(傾向検定:p=0.006)。ほぼすべての部位のがんで、罹患リスクが低下する傾向がみられた。 サブグループ解析では、男女の間に、25-OHビタミンDの効果の差はなかった。また、感度分析では、がん患者全体から部位別のがん患者を1部位ずつ交互に除外して再解析を行ったところ、いずれの解析でも、HRはがん全体と比較してほとんど変化せず、25-OHビタミンDによるがん全体の罹患リスク低減効果は、個々の部位のがんに対する小さな効果の積み重ねの結果である可能性が示唆された。 著者は、「これらの知見は、ビタミンDがさまざまな部位のがんの予防効果を有するとの仮説を支持するものである」としている。

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リファキシミンの腸内細菌叢への調整作用で肝性脳症を抑える

 2018年1月31日、あすか製薬株式会社は、同社が販売する経口難吸収性抗菌薬リファキシミン(商品名:リフキシマ)の処方制限が昨年12月に解除され、長期投与が可能となったことを機に、都内において肝性脳症に関するプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、「『肝性脳症』診断・治療の最新動向 腸内細菌への働きかけによる生存率向上への兆し」をテーマに、吉治 仁志氏(奈良県立医科大学 内科学第三講座 教授)を講師に迎え、レクチャーが行われた。原因不明の認知症10%に潜む肝性脳症 はじめに、認知症の概要が語られた。2025年には、認知症患者が推定730万人になると予想される。そして、認知症の原因ではアルツハイマー型が一番多く、次いで脳血管性型、レビー小体型と続き、そのほか原因不明も全体の1割(70万人以上)を占めるという。現在の『認知症疾患診療ガイドライン』では、認知症と鑑別が必要な疾患として、「ビタミン欠乏症」「甲状腺機能低下症」「神経梅毒」「肝性脳症」「特発性正常圧水頭症」の5つが規定されている。なかでも「肝性脳症」では、認知症やうつ病と同じように睡眠異常、指南力低下、異常行動、物忘れなど共通する症状がみられ、正確に診断されていない例もあると指摘した。 肝性脳症は、肝臓の線維化によりアンモニアの分解能が落ちることで、アンモニアが体内に蓄積され、さまざまな認知機能を障害する。その原因となる肝細胞障害、とくに肝硬変はC型肝炎ウイルスによるものが多く、そのウイルス保菌者数は年齢に比例して増加することから、肝性脳症が発症した場合、認知症と診断されている例もあると示唆した。服薬アドヒアランスを上げるリファキシミン 肝性脳症の症状は、人格・行動の微妙な変化から始まり、判断力の低下、睡眠の不規則、見当識障害、興奮・せん妄、昏睡状態へと進展する。典型的な患者の訴えでは、「頭がボーッとする」「足がつまずく」「手が震える」などが聞かれ、家族の訴えでは「目つきがおかしい」「おかしなことを言う」「食事を摂らない」などがある。 本症の診断では、身体所見など一般的な診断のほかに、認知症との鑑別のためナンバーコネクション、ブロックデザインテストなども行われ、「本症を疑った場合、アンモニア値の検査も重要」と吉治氏は述べる。 本症の治療では、これまで合成二糖類、カルニチン・亜鉛、BCAA製剤などの治療薬が使われてきたが、服用のしにくさや副作用などでアドヒアランスは決して良好とはいえなかった。 そこで、今回長期投与が可能になったリファキシミンは、こうした問題に対応し、他の治療薬の減量・削減の可能性、全身症状の改善、医療コストの削減などで期待されている。リファキシミンの作用機序は腸管内でのアンモニアの産生を防ぐことで、血中濃度が低下し、脳へのアンモニア移行を減少、肝性脳症を改善し、便と共に排泄される作用を持つ。リファキシミンは欧米では30年以上前より使用されてきたが、わが国では2016年に保険適用となった。 エビデンスでは、リファキシミンは使用群とプラセボ群との比較で、本症の再発を0.42ポイント有意に軽減したほか1)、5年間の長期投与でも肝硬変患者の生存率を改善したことが報告されている2)。リファキシミンの腸内細菌叢の調整機能 次に、わが国で増えている肥満型の肝硬変患者に触れ、現在1,000万人と推定される非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者のうち、約200万人が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に移行すると考えられ、今後の肝硬変の患者数増加に警鐘を鳴らした。 さらに最近の話題として、腸内細菌叢について語った。この細菌叢のバランスの崩れから起こる疾患として、NAFLD、NASH、肝硬変、炎症性腸疾患などを挙げ、近年この腸内細菌叢の構成に注目が集まっているという。 肝硬変患者に、実際にリファキシミンを投与した前後で腸内細菌叢を調べた結果、細菌叢の多様性に変化はなかったものの、属レベルでは、肝硬変患者で増加するとされていた細菌が減少したと自験例を報告した3)。また、リファキシミンは、腸内細菌モジュレーターとして、肝硬変患者の予後を改善することが示唆されると期待を寄せた。 最後に吉治氏は、「今後、リファキシミンの腸内細菌叢の調整機能も踏まえ、日本人の長期投与効果の研究を行い、日本発のエビデンスを出していきたい」と今後の展望を語り、セミナーを終了した。

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境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者に対するオメガ3(ω3)脂肪酸の有効性について、いくつかのエビデンスが報告されている。以前行われたBPD患者43例を対象とした12週間のランダム化比較試験において、バルプロ酸単独療法と比較し、イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)とバルプロ酸の併用療法の有効性が評価されている。併用療法は、バルプロ酸単独療法(対照群)との比較で、衝動性行動制御、怒りの噴出、自傷行為など、いくつかのBPD症状に対し、より有効であった。イタリア・トリノ大学のPaola Bozzatello氏らは、ω3脂肪酸の投与中止後、両群間の有効性の差が維持されているかを評価するため、24週間のフォローアップ試験を行った。Clinical drug investigation誌オンライン版2018年1月5日号の報告。 12週間のランダム化比較試験を完了した34例に対し、フォローアップを行った。12週間の試験後に両群間で有意な差を認めた評価尺度を用い、フォローアップ期間の開始時および終了時に評価を行った。評価尺度には、境界性パーソナリティ障害重症度指数(Borderline Personality Disorder Severity Index:BPDSI)の「衝動性(impulsivity)」および「怒りの噴出(outbursts of anger)」の項目、バラット衝動性尺度(Barratt Impulsiveness Scale-Version 11:BIS-11)、自傷行為インベントリ(Self Harm Inventory:SHI)が含まれた。統計分析には、反復測定による分散分析(ANOVA)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間終了時、併用療法群内では、評価を行った4つの尺度すべてにおいて有意な差が維持されていたが、群間比較では、怒りの噴出のみで有意な差が維持されていた。・フォローアップ期間中の忍容性に関しては、臨床的に有意な副作用は認められなかった。 著者らは「BPD患者に対するバルプロ酸とω3脂肪酸の併用療法は、怒りのコントロールに関して、併用中止後も継続的な効果を示した」としている。■「DHA効果と脳」関連記事EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

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脳内出血後の院内死亡、ワルファリンvs. NOAC/JAMA

 脳内出血(ICH)患者の院内死亡リスクを、発症前の経口抗凝固薬(OAC)で比較したところ、OAC未使用群に比べ非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)あるいはワルファリンの使用群で高く、また、NOAC使用群はワルファリン使用群に比べ低いことが示された。米国・デューク大学メディカルセンターの猪原拓氏らが、米国心臓協会(AHA)/米国脳卒中協会(ASA)による登録研究Get With The Guidelines-Stroke(GWTG-Stroke)のデータを用いた後ろ向きコホート研究の結果、明らかにした。NOACは血栓塞栓症予防としての使用が増加しているが、NOAC関連のICHに関するデータは限られていた。JAMA誌オンライン版2018年1月25日号掲載の報告。脳内出血患者約14万1,000例で、抗凝固療法と院内死亡率との関連を解析 研究グループはGWTG-Strokeに参加している1,662施設において、2013年10月~2016年12月にICHで入院した患者を対象に、ICH発症前(病院到着前7日以内)の抗凝固療法による院内死亡率について解析した。 抗凝固療法は、ワルファリン群・NOAC群・OAC未使用群に分類し、2種類の抗凝固薬(ワルファリンとNOACなど)を用いていた患者は解析から除外した。また、抗血小板療法については、抗血小板薬未使用・単剤群・2剤併用(DAPT)群に分類し、3群のいずれにも該当しない患者は解析から除外した。 解析対象は14万1,311例(平均[±SD]68.3±15.3歳、女性48.1%)で、ワルファリン群1万5,036例(10.6%)、NOAC群4,918例(3.5%)。抗血小板薬(単剤またはDAPT)を併用していた患者は、それぞれ3万9,585例(28.0%)および5,783例(4.1%)であった。ワルファリン群とNOAC群は、OAC未使用群より高齢で、心房細動や脳梗塞の既往歴を有する患者の割合が高かった。NOAC群は、未使用群よりは高いがワルファリン群よりも低い 急性ICHの重症度(NIHSSスコア)は、3群間で有意差は確認されなかった(中央値[四分位範囲]:ワルファリン群9[2~21]、NOAC群8[2~20]、OAC未使用群8[2~19])。 補正前院内死亡率は、ワルファリン群32.6%、NOAC群26.5%、OAC未使用群22.5%であった。OAC未使用群と比較した院内死亡リスクは、ワルファリン群で補正後リスク差(ARD)9.0%(97.5%信頼区間[CI]:7.9~10.1)、補正後オッズ比(AOR)1.62(97.5%CI:1.53~1.71)、NOAC群でARDは3.3%(97.5%CI:1.7~4.8)、AORは1.21(97.5%CI:1.11~1.32)であった。 ワルファリン群と比較して、NOAC群の院内死亡リスクは低かった(ARD:-5.7%[97.5%CI:-7.3~-4.2]、AOR:0.75[97.5%CI:0.69~0.81])。 NOAC群とワルファリン群の死亡率の差は、DAPT群(NOAC併用群32.7% vs.ワルファリン併用群47.1%、ARD:-15.0%[95.5%CI:-26.3~-3.8]、AOR:0.50[97.5%CI:0.29~0.86])において、抗血小板薬未使用群(NOAC併用群26.4% vs.ワルファリン併用群31.7%、ARD:-5.0%[97.5%CI:-6.8%~-3.2%]、AOR:0.77[97.5%CI:0.70~0.85])より数値上では大きかったが、交互作用p値は0.07で統計的有意差は認められなかった。 なお、著者は、GWTG-Strokeの登録データに限定していることや、NOAC群の症例が少なく検出力不足の可能性があることなどを、研究の限界として挙げている。

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肥満DM患者に胃バイパス手術を加える必要性は?/JAMA

 肥満を伴う2型糖尿病患者に対して、生活習慣介入に力点を置いた医学的管理のみを行った場合と比べて、ルーワイ胃バイパス術を併用したほうが、5年追跡時点の糖尿病の3つの評価項目(HbA1c、脂質、収縮期血圧)は、有意に良好さを維持していたことが示された。米国・ミネソタ大学のSayeed Ikramuddin氏らが、2つの無作為化試験「Diabetes Prevention Program」と「LookAHEAD試験」(それぞれ介入期間は2年)の被験者の観察フォローアップの延長試験の結果、報告した。ルーワイ胃バイパス術は、糖尿病をターゲットとした治療として有効性が確立しているが、効果の持続性については明らかになっていなかった。JAMA誌2018年1月16日号掲載の報告。複合エンドポイント(HbA1c、脂質、収縮期血圧)の達成割合を比較 研究グループは、米国と台湾の4地点(ミネソタ大学、コロンビア大学医療センター、メイヨークリニック、台湾国立大学病院/ Min Sheng General Hospital)で行われた無作為化試験の被験者のうち、適格要件(HbA1c値8.0%以上、BMI値30.0~39.9)を満たした120例(2008年4月~2011年12月に登録)について、5年間の観察フォローアップを行った(最終評価は2016年11月)。 被験者には、2年間にわたる「Diabetes Prevention Program」と「LookAHEAD試験」をベースとした、生活習慣介入に力点を置いた医学的管理(体重記録管理、食事療法、運動療法)と、ルーワイ胃バイパス術の併用(60例)または非併用(60例)が行われた。 主要評価項目は、5年時点の米国糖尿病協会規定の3つの複合エンドポイント(HbA1c値7.0%未満、LDLコレステロール値100mg/dL未満、収縮期血圧130mmHg未満)の達成割合であった。5年時点で達成割合は、併用群23%、非併用群は4% 無作為化試験の被験者(120例)の当初の特性は、平均年齢49歳(SD 8)、女性が60%であった。5年間のフォローアップを完了したのは98例(82%)であった。 生活習慣修正のみ介入(非併用)群と胃バイパス術併用群の、ベースライン特性は類似していた。平均BMI値はそれぞれ34.4(SD 3.2)、34.9(3.0)、HbA1c値は9.6%(1.2)、9.6%(1.0)であった。 5年時点で、3つの複合エンドポイントを達成していたのは、胃バイパス術併用群13例(23%)に対し非併用群は2例(4%)であった(差:19%、95%信頼区間[CI]:4~34、p=0.01)。 5年目に、HbA1c値7.0%未満を達成していたのは、胃バイパス術併用群31例(55%)に対し非併用群は8例(14%)であった(差:41%、95%信頼区間[CI]:19~63、p=0.002)。 一方で、胃バイパス術併用群のほうが、重篤な有害事象の発生が多かった(66例 vs.38例)。頻度が高かったのは消化管イベント、手術関連の合併症(狭窄、小腸閉塞、リークなど)であった。胃バイパス術併用群で甲状腺ホルモンの上昇が大きかったが、ビタミンB12欠乏について差はみられなかった。 なお結果について著者は、「いずれにせよエフェクトサイズは5年間で減少しているので、さらなるフォローアップを行い、改善の持続性を確認する必要がある」とまとめている。

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日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関

 ビタミンDの心血管の健康に及ぼす重要性に関する報告が増えている。今回、JACC研究(The Japan Collaborative Cohort Study)で日本人集団における食事でのビタミンD摂取量と脳卒中・冠動脈疾患死亡リスクの関連を調べたところ、ビタミンD摂取量が脳卒中死亡と逆相関することが示唆された。Stroke誌オンライン版2018年1月8日号に掲載。 本研究は、40~79歳の健康成人5万8,646人(男性2万3,099人、女性3万5,547人)を対象とした前向き研究で、追跡期間中央値は19.3年(1989~2009年)。食事によるビタミンD摂取量を自記式食物摂取頻度調査で評価した。ビタミンD摂取量で分類し、死亡のハザード比および95%信頼区間を計算した。 主な結果は以下のとおり。・96万5,970人年の追跡期間中、脳卒中による死亡は1,514例、冠動脈疾患による死亡は702例報告された。・ビタミンD摂取量は、脳卒中全体、とくに脳実質内出血による死亡リスクとの間に逆相関が示されたが、冠動脈疾患による死亡リスクとは示されなかった。・ビタミンD摂取量が最低のカテゴリー(110IU/日未満)に対する、最高のカテゴリー(440IU/日以上)の多変量ハザード比(95%信頼区間)は、脳卒中全体で0.70(0.54~0.91、傾向のp=0.04)、脳実質内出血では0.66(0.46~0.96、傾向のp=0.04)であった。

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高齢者のCaやビタミンD補給、骨折を予防せず/JAMA

 自宅で生活する高齢者について、カルシウム、ビタミンD、またはその両方を含むサプリメントの使用は、プラセボや無治療と比較して骨折リスクの低下と関連しないことが、中国・天津病院のJia-Guo Zhao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で明らかにされた。骨粗鬆症関連の骨折による社会的および経済的負荷が世界的に増加しており、骨折を予防することは公衆衛生上の大きな目標であるが、カルシウム、ビタミンDまたはそれらの併用と、高齢者における骨折の発生との関連性については、これまで一貫した結果が得られていなかった。著者は、「施設外で暮らす一般地域住民である高齢者に対し、こうしたサプリメントの定期的な使用は支持されない」と結論付けている。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。カルシウム/ビタミンDとプラセボ/無治療を比較した無作為化試験についてメタ解析 研究グループは、PubMed、Cochrane Library、Embaseを用い、「カルシウム」「ビタミンD」「骨折」のキーワードで2016年12月24日までに発表された論文を系統的に検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。 組み込まれた研究は、50歳以上の地域在住高齢者を対象とした、カルシウム・ビタミンD・カルシウム+ビタミンD併用サプリメントとプラセボまたは無治療とで骨折の発生を比較した無作為化臨床試験。なお、新たに公表された無作為化試験の追加検索を、2012年7月16日~2017年7月16日の期間で実施した。 2人の独立した研究者がデータを抽出し、研究の質を評価した。メタ解析では、ランダム効果モデルを用いてリスク比(RR)、絶対リスク差(ARD)、95%信頼区間(CI)を算出した。 主要評価項目は股関節骨折で、副次評価項目は非脊椎骨折、脊椎骨折および全骨折であった。カルシウム、ビタミンD、またはその併用は、骨折リスクと関連なし 33件の無作為化試験(計5万1,145例)が、基準を満たし組み入れられた。プラセボ/無治療と比較し、カルシウム/ビタミンD使用と股関節骨折リスクとの有意な関連は認められなかった。カルシウム使用群のRR:1.53(95%CI:0.97~2.42)、ARD:0.01(95%CI:0.00~0.01)、ビタミンD使用群のRR:1.21(95%CI:0.99~1.47)、ARD:0.00(95%CI:-0.00~0.01)。 同様に、カルシウム+ビタミンD併用群も股関節骨折リスクと関連していなかった(RR:1.09[95%CI:0.85~1.39]、ARD:0.00[95%CI:-0.00~0.00])。また、カルシウム、ビタミンD、またはカルシウム+ビタミンD併用は、非脊椎骨折、脊椎骨折または全骨折の発生とも有意な関連は確認されなかった。 サブグループ解析の結果、これらの結果は、カルシウム/ビタミンDの用量、性別、骨折歴、食事からのカルシウム摂取量、ベースライン時の血清25-ヒドロキシビタミンD濃度にかかわらず一貫していることが示された。

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スクリーニング実施で高齢女性の骨折リスクが低減/Lancet

 高齢女性の骨折リスクを評価する地域ベースのスクリーニングプログラムは、骨折全般の発症は抑制しないものの、大腿骨近位部骨折のリスク低減には有効であることが、英国・イースト・アングリア大学のLee Shepstone氏らが実施したSCOOP試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年12月15日号に掲載された。骨粗鬆症およびその関連骨折については、有効な評価法や薬物療法があるが、英国では現在、骨折リスクのスクリーニングは提唱されていない。FRAXによるスクリーニングと通常管理を比較 SCOOP試験は、高齢女性の骨折予防スクリーニングプログラムの有用性を評価するプラグマティックな非盲検無作為化対照比較試験(Arthritis Research UKと英国医学研究協議会[MRC]の助成による)。 対象は、70~85歳の女性で、骨粗鬆症治療薬(ビタミンDとカルシウムは除く)を処方中の女性は除外したが、過去にこれら薬剤の投与歴のある女性は可とした。また、試験への参加が不適当と判断された場合(認知症、終末期の状態、近親者を亡くしたばかりなど)も除外することとした。 被験者は、骨折リスク評価ツール(Fracture Risk Assessment Tool:FRAX)を用いたスクリーニングプログラムを受ける群(スクリーニング群)、または通常管理を受ける群(対照群)に無作為に割り付けられた。スクリーニング群のうち、FRAXで10年の大腿骨近位部骨折リスクが高いと判定された女性には、高リスク例として治療が推奨された。 主要アウトカムは、5年時の骨粗鬆症関連骨折を1つ以上発症した女性の割合とした。事前に規定された副次アウトカムは、1つ以上の大腿骨近位部骨折、すべての臨床的骨折、死亡のほか、不安や健康関連QOLに及ぼすスクリーニングの効果が含まれた。骨粗鬆症関連骨折、臨床的骨折、不安、QOLには差がない 2008年4月15日~2009年7月2日に、英国の7地域(バーミンガム、ブリストル、マンチェスター、ノリッチ、シェフィールド、サウサンプトン、ヨーク)の100のGP(general practitioner)施設から1万2,483例が登録され、スクリーニング群に6,233例、対照群には6,250例が割り付けられた。スクリーニング群のうち898例(14%)が、高リスク例として治療が推奨された。1年時の骨粗鬆症治療薬の使用率は、スクリーニング群が15%と、対照群の4%に比べて高く、とくに高リスク例での使用率は6ヵ月の時点で78%に達していた。 スクリーニング群は対照群と比較して、5年時の骨粗鬆症関連骨折率(12.9% vs. 13.6%、ハザード比[HR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.85~1.03、p=0.178)および臨床的骨折率(15.3% vs.16.0%、HR:0.94、95%CI:0.86~1.03、p=0.183)に有意な差は認められなかったが、大腿骨近位部骨折率(2.6% vs.3.5%、HR:0.72、95%CI:0.59~0.89、p=0.002)は有意に低かった。 5年時の死亡率(8.8% vs.8.4%、HR:1.05、95%CI:0.93~1.19、p=0.436)は両群間に差はなく、不安の発症率(p=0.515)にも差はみられなかった。また、EQ-5DおよびSF-12で評価したQOLも両群で同等であった。 著者は、「FRAXを用いた地域ベースのスクリーニングは実行可能であり、大腿骨近位部骨折の発症率を低減する可能性があるが、この知見の解釈には注意を要する」とまとめ、「現在、費用対効果の解析が進行中だが、本試験は、英国や他の地域で大腿骨近位部骨折の発症を低減する可能性を有する有望な骨折管理戦略をもたらすものである」としている。

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心房細動患者の脳卒中予防に対するDOACのメタ解析/BMJ

 心房細動(AF)患者に対する直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の脳卒中予防効果について、英国・ブリストル大学のJose A. Lopez-Lopez氏らがネットワークメタ解析による有効性、安全性および費用対効果の解析を行い、BMJ誌2017年11月28日号で発表した。解析の結果、DOACはクラスとしてワルファリンよりも、AF患者の脳卒中および死亡リスクを抑制し、国際標準比(INR)2.0~3.0維持用量での大出血および頭蓋内出血に関してより安全であり、数種のDOACはコスト高にもかかわらずネットベネフィットが認められることが示された。予想される増分純便益(incremental net benefit:INB)は、アピキサバン5mgを1日2回投与が最も高く、次いでリバーロキサバン20mgを1日1回、エドキサバン60mgを1日1回、ダビガトラン150mgを1日2回であったという。ネットワークメタ解析で23試験を包含し有効性、安全性、費用対効果を解析 検討は、Medline、PreMedline、Embase、The Cochrane Libraryをデータソースとし、AF患者の脳卒中予防効果に対するDOAC、ビタミンK拮抗薬または抗血小板薬の使用を評価した、公表されている無作為化試験をシステマティックレビュー検索して行われた。 検索により、患者9万4,656例が関与した23試験が適格基準を満たし、解析に組み込まれた。このうち、INR 2.0~3.0目標達成用量についてDOACとワルファリンを比較検討していたのは13試験であった。また、解析に包含された介入法は27種あった。 被験者は、平均年齢70.0歳、男性63.3%、BMI値28.0、脳卒中既往20.2%(いずれも中央値)などであった。また、ワルファリン群の治療期間中に占めたTTR(time in therapeutic range)の割合は、中央値63.8%(範囲:45.1~83.0)であった。大半のアウトカムでアピキサバン5mgの1日2回投与が最高位にランク 有効性と安全性に関する解析の結果、ワルファリンと比較して脳卒中または全身性塞栓症リスクを抑制したのは、アピキサバン5mgを1日2回(オッズ比[OR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.66~0.94)、ダビガトラン150mgを1日2回(0.65、0.52~0.81)、エドキサバン60mgを1日1回(0.86、0.74~1.01)、リバーロキサバン20mgを1日1回(0.88、0.74~1.03)であった。DOAC間における比較では、ダビガトラン150mgを1日2回よりも、エドキサバン60mgを1日1回(1.33、1.02~1.75)、リバーロキサバン20mgを1日1回(1.35、1.03~1.78)が、脳卒中または全身性塞栓症リスクが高いとのエビデンスが認められた。 全死因死亡リスクは、ワルファリンと比較して、すべてのDOACで抑制効果が認められた。 大出血リスクは、ワルファリンと比較して、アピキサバン5mgを1日2回(0.71、0.61~0.81)、ダビガトラン110mgを1日2回(0.80、0.69~0.93)、エドキサバン30mgを1日1回(0.46、0.40~0.54)、エドキサバン60mgを1日1回(0.78、0.69~0.90)で低かった。頭蓋内出血リスクは、ほとんどのDOACでワルファリンよりも大幅に低かった(ORの範囲:0.31~0.65)。一方で消化管出血リスクがワルファリンよりも高いDOACが一部で認められた(ダビガトラン150mgを1日2回のOR:1.52[95%CI:1.20~1.91]、エドキサバン60mgを1日1回のOR:1.22[1.01~1.49]など)。 アピキサバン5mgを1日2回は、大半のアウトカムについて最高位にランクしており、ワルファリンとの比較によるINBは7,533ポンドで、費用対効果も最も認められた(その他投与群のINBは、ダビガトラン150mgを1日2回が6,365ポンド、リバーロキサバン20mgを1日1回が5,279ポンド、エドキサバン60mgを1日1回が5,212ポンド)。 著者は、「ネットワークメタ解析はDOACの直接比較の試験を不要なものとし、AF患者における脳卒中予防に関する選択肢を知らしめてくれるものである」と述べ、「作用機序が類似するDOACの中で、アピキサバンの常用量が最も有効かつ安全であり、費用対効果があると思われた」とまとめるとともに、「さらなる長期データで安全性に関する洞察を深め、DOACからベネフィットを得られない患者を特定し、各DOACの中和薬を開発することが重要である」と指摘している。

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学歴はアルツハイマー病リスクと関連/BMJ

 従来の観察研究では、教育歴はアルツハイマー病のリスクと関連することが示されている。スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C Larsson氏らは、今回、修正可能なリスク因子の代替指標として遺伝学的変量を用いたメンデル無作為化試験を行い、学歴が高いとアルツハイマー病のリスクが低いことを明らかにした。研究の成果はBMJ誌2017年12月6日号に掲載された。アルツハイマー病との関連が示唆される修正可能なリスク因子のデータは、主に観察研究によるものであるため、交絡への脆弱性や逆因果バイアスの可能性があり、より頑健なエビデンスが求められている。アルツハイマー病とリスク因子の関連を検証する無作為化試験 研究グループは、社会経済的、生活習慣/食事、循環代謝、炎症に関する修正可能なリスク因子と、アルツハイマー病の関連を検証するメンデル無作為化試験を行った(欧州連合のホライズン2020などの助成による)。 解析には、4つのゲノムワイド関連研究のデータセット(ADGC、CHARGE、EADI、GERAD)から収集した欧州人家系のアルツハイマー病患者1万7,008例と対照3万7,154例からなるデータと24の修正可能なリスク因子が含まれた。Bonferroni法による閾値p=0.002を「有意差あり」とし、p<0.05の場合は「関連の可能性を示唆するエビデンス」と判定した。学歴が高いとアルツハイマー病のリスクが低減 学歴(終了した教育の期間、大学卒業)はアルツハイマー病と有意に関連することが、遺伝学的に予測された。教育年数のオッズ比(OR)は0.89(95%信頼区間[CI]:0.84~0.93、p=2.4×10-6)、大学卒業(college/university)のORは0.74(95%CI:0.63~0.86、p=8.0×10-5)であり、それぞれアルツハイマー病のリスクが11%、26%低減した。 知性(intelligence)が1標準偏差(SD)高い場合のORは0.73(95%CI:0.57~0.93、p=0.01)であり、知性が高いとアルツハイマー病のリスクが低い可能性を示唆するエビデンスが得られた。 また、喫煙量(1日喫煙本数10本増のOR:0.69、95%CI:0.49~0.99、p=0.04)および25-ヒドロキシビタミンD濃度(血中濃度20%高のOR:0.92、95%CI:0.85~0.98、p=0.01)はアルツハイマー病のリスクが低い可能性が示唆され、コーヒー飲用(1日1杯増のOR:1.26、95%CI:1.05~1.51、p=0.01)はアルツハイマー病のリスクが高い可能性が示唆されるエビデンスが得られた。 アルコール摂取、血清葉酸、血清ビタミンB12、ホモシステイン、循環代謝因子(血糖、インスリン、血圧、脂質など)、C反応性蛋白には、アルツハイマー病との関連は認められなかった。 著者は、「これらのメンデル無作為化による解析結果は、高い学歴はアルツハイマー病のリスクが低いことと関連するとの従来のエビデンスを支持するものである。喫煙とコーヒーは従来の解析とは逆の結果であった」とし、「これらの関連の基盤となる経路を理解するために、さらなる検討を要する」と指摘している。

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妊娠中のビタミンD補充は有益か/BMJ

 妊娠中のビタミンD補充の効果について、カナダ・トロント大学のDaniel E Roth氏らは、無作為化試験を対象としたシステマティックレビューのメタ解析を行った結果、「2017年9月までに行われた試験の大半は、小規模で質が低く、現状では臨床的または政策として勧告するに足りる十分なエビデンスはない」ことを報告した。これまでに行われた多くの無作為化試験およびシステマティックレビューでは、相反する結果が発表され、ビタミンDに関する勧告は医療関連の学術団体の間で大きくばらついているが、WHOは現在、ビタミンD補充を推奨している。Roth氏らは11の母体アウトカムと27の新生児/幼児アウトカムに関する妊娠中のビタミンD補充の効果を評価する検討を行った。BMJ誌2017年11月29日号掲載の報告。43試験、被験者8,406例を包含しメタ解析 研究グループは今回の検討で、試験のアウトカムデータの欠落、未報告あるいは相反する報告がなされていた頻度を明らかにし、継続中または計画中の登録試験の貢献度を明らかにした。 Medline、Embase、PubMed、Cochrane Database of Systematic Reviews、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを発刊から2017年9月時点まで検索。電子的検索で特定されたシステマティックレビューの参照リストや、未発表の継続中または計画中の試験のオンライン試験レジストリの手動検索も行った。 試験選択の適格条件は、妊娠中のビタミンD補充に関する無作為化試験で、対照群がプラセボ、非ビタミンD、ビタミンD補充量600 IU/日以下(またはその等量物)で、ピアレビューが行われている学術誌で発表されたものとした。 検索により43試験(被験者8,406例)が、メタ解析に組み込まれた。サンプルサイズの中央値は133例であった。出産児の3歳時点までの喘息リスク低下については強いエビデンス? ビタミンD補充により、25-ヒドロキシビタミンDの母体/臍帯血血清濃度の上昇が認められたが、用量反応の影響は弱かった。母体の臨床的アウトカムは、ほとんど確認・報告されておらず、入手したデータから有益であるとのエビデンスは示されなかった。 全体で、ビタミンD補充群は、平均出生体重が58.33g(95%信頼区間[CI]:18.88~97.78)増加し(37比較)、在胎不当過小(SGA)のリスクが低かった(リスク比:0.60、95%CI:0.40~0.90、7比較)。しかし、感度解析やサブグループ解析において、それらの確固たる所見はみられなかった。また、早産への効果は認められなかった(1.0、95%CI:0.77~1.30、15比較)。一方で、妊娠中のビタミンD補充が、出産児の3歳時点までの喘息リスクを低下させたとの強いエビデンスが認められた(リスク比:0.81、95%CI:0.67~0.98、2試験)。 しかし、メタ解析に包含された大半のアウトカムのデータは、小規模試験からのものであった。また、バイアスリスクが全体として低かった試験は、8/43試験(19%)に過ぎなかった。 継続/計画中の無作為化試験は5件、1万2,530例あった。著者は、「これらが将来のレビューに寄与する可能性はある」とした上で、「今後は、妊娠に関連した母体の症状(子癇前症など)や出産児の発育、呼吸器系のアウトカムなどの臨床的エンドポイントを調べるようデザインされた、検出力のある試験を行うべきであろう」と提言している。

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抗血栓治療でPPAPは成立するか?(解説:香坂俊氏)-777

 動脈系血栓予防(冠動脈疾患など)に最適とされている薬剤はアスピリンである。静脈系血栓予防(深部静脈血栓や心房細動など)には長らくワルファリンが用いられてきた。では、冠動脈疾患に心房細動が合併したりして、その2つを一度に行わなければならないときはどうするか? 数年前までは何も考えずこの2剤を併用してきた。2016年の流行語にPPAP(PEN-PINAPPLE-APPLE-PEN:ペンパイナッポーアッポーペン)というものがあったが、まさに・動脈系血栓予防にはASPIRIN・静脈系血栓予防にはWARFARIN・それをくっつけASPIRIN-WARFARIN-APPLE-PENといった塩梅である(苦しいですが、年の瀬なので許してください)。 しかし冠動脈疾患の治療にステントが使われるようになると、インターベンション治療(PCI)を行った患者にはアスピリンに2剤目の抗血小板薬(クロピドグレルやプラスグレル)をかぶせなければならなくなった。いわゆるDAPT(Dual AntiPlatelet Therapy:抗血小板2剤併用療法)である。すると、例えばステント治療を行った心房細動患者にはDAPTに加えさらにワルファリンを投与することになり「ちょっと多いかもな」ということになる。これが杞憂でないことはWOESTという医師主導の臨床試験で立証され、3剤で行くよりもアスピリンを抜いた2剤(クロピドグレル+ワルファリン)のほうが出血イベントが半分程度になることがわかった(DOI)。 その後、ワルファリンの代替薬としてNOAC(Non-Vitamin K Oral Anticoagulant:非ビタミンK経口抗凝固薬)が使われる時代になり、メーカーがこうした臨床試験に協力してくれるようになった。そうした流れの中で初代NOACであるダビガトランを用いて行われたのがRE-DUAL PCI試験である(これより前にリバーロキサバンでPIONNEER AF-PCI試験が行われており[DOI、さらにアピキサバンでもAUGUSTUS試験が現在行われている)。 結果の詳細は別記事(CareNet該当記事参照)に譲るが、・ダビガトラン 150mg BID+P2Y12阻害薬単剤(2剤)・ダビガトラン 110mg BID+P2Y12阻害薬単剤(2剤)・ワルファリン+DAPT(3剤併用) の3群で比較され、WOESTとほぼ同様の結果が得られている。 掲載誌のEditorialにはこれまでの3つの試験(WOEST、PIONNEER、RE-DUAL)のメタ解析が掲載されているが、出血イベントに関する安全性はもちろんのこと(OR:0.49、95%CI:0.34~0.72)、2剤のほうが虚血イベント抑制に関しても有利でありそうだ(OR:0.80、95%CI:0.58~1.09)という結果が示されている。これは、出血に伴い血栓傾向が強まることを考え合わせると(以下の3つのメカニズムによる)首肯できる結果である。(1)抗血小板薬や抗凝固薬の中止を余儀なくされる(2)出血そのものが炎症反応を惹起する(3)輸血や止血手技でも同様に炎症反応が惹起される 昨今、効果に差を見出すのではなく(Efficacy Trial)、安全性やQOLの確保に重点をおいた減算型の臨床試験が多く行われているが、RE-DUALもその好例といえる(3剤から2剤に引いても安全ですよということを明示)。今後おそらくこの領域では、安易な足し算の発想(PPAP式?)で3剤併用が行われることは【圧倒的】に少なくなることが予想される。

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加齢黄斑変性の5年発症リスク、出生世代ごとに減少

 米国・ウィスコンシン大学マディソン校のKaren J. Cruickshanks氏らは、ビーバーダム眼研究およびビーバーダム子孫研究のデータを解析し、加齢黄斑変性(AMD)の5年発症リスクは20世紀の出生世代ごとに減少してきていることを明らかにした。著者は、「このリスク低下を説明する因子は不明である」としたうえで、「しかしながらこのパターンは、心血管疾患および認知症のリスク低下の報告と一致しており、高齢となったベビーブーム世代(1946~64年生まれ)は前の世代に比べ、高齢でも網膜が健康である可能性を示唆している」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年11月16日号掲載の報告。 研究グループは、AMDの5年発症リスクが世代により低下しているかを明らかにし、リスク改善に寄与する因子を特定する目的で、ビーバーダム眼研究(1988年3月1日~1990年9月15日、1993年3月1日~1995年6月15日)およびビーバーダム子孫研究(2005年6月8日~2008年8月4日、2010年7月12日~2013年3月21日)のデータを解析した。これらは地域住民を対象とした研究で、ウィスコンシン州ビーバーダム市の43~84歳(1987~88年当時)の住民、およびその子孫で2005~08年時に21~84歳の住民が登録された。 解析対象は、登録時の眼底写真でAMDを発症するリスクが認められた4,819例(ベースライン時の平均年齢[±SD]54[±11]歳、男性2,117例[43.9%]、女性2,702例[56.1%])。2016年2月18日~2017年6月22日にデータを解析し、2017年9月22日に追加の解析を終えた。 Wisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemを用い、眼底写真からAMDを分類。主要評価項目は5年追跡時におけるAMDの発症で、発症は萎縮型または滲出型黄斑変性、色素上皮異常を伴うドルーゼン、または色素上皮異常を伴わない軟性ドルーゼンの存在と定義した。 主な結果は以下のとおり。・年齢および性別で調整したAMDの5年発症率は、「最も偉大な世代」(1901~24年生まれ)が8.8%、「沈黙の世代」(1925~45年生まれ)が3.0%、「ベビーブーム世代」(1946~64年生まれ)1.0%、「ジェネレーションX」(1965~84年生まれ)0.3%であり、各世代は前の世代よりAMD発症が60%超減少した(相対リスク:0.34、95%信頼区間[CI]:0.24~0.46)。・AMD発症リスク低下と世代との関連は、年齢、性別、喫煙、教育、運動、non-HDL コレステロール濃度および高感度CRP値、ならびに非ステロイド性抗炎症薬・スタチン・マルチビタミンの使用について調整後も有意なままであった(相対リスク:0.40、95%CI:0.28~0.57)。

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せん妄と関連する薬剤は

 これまで、集中治療室(ICU)内でのせん妄に関する研究はよく行われているが、ICU外のデータは限られている。米国・Methodist Dallas Health SystemのAnthony Cahill氏らは、非クリティカルケア病棟(NCCA:non-critical care areas)におけるせん妄の発生率および関連する危険因子をプロスペクティブに評価を行った。The journal of trauma and acute care surgery誌オンライン版2017年10月16日号の報告。 IRB承認後、2015年12月~2016年2月まで都市のレベルI外傷センターにおいてプロスペクティブコホート研究を実施した。対象は、外傷外科医により指定されたNCCAに入院したすべての患者とした。退院まで12時間ごとのせん妄評価(CAM:Confusion Assessment Method)と、せん妄発生(CAM+)患者の重症度を定量化するCAM-Sを実施した。患者背景、検査値データ、入院時の薬物リストを分析した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者148例中、CAM+患者12例(8%)、CAM-患者136例(92%)であった。・CAM+患者の平均CAM-Sは、7±3であった(平均年齢:52±20歳、男性率:45%)。・65歳以上の患者では、9例(21%)がCAM+であった。・せん妄と関連する薬剤は、albuterol(p=0.01)、アトルバスタチン(p=0.01)、デュロキセチン(p=0.04)、セルトラリン(p=0.04)、葉酸(p=0.01)、チアミン(p=0.01)、ビタミンD(p<0.001)、ハロペリドール(p=0.04)、メトプロロール(p=0.02)、バンコマイシン(p=0.02)であった。・せん妄と関連する異常な検査値は、アルブミン(p=0.03、OR:7.94、CI:1.1~63.20)、カルシウム(p=0.01、OR:4.95、CI:1.5~16.7)、ナトリウム(p=0.04、OR:3.91、CI:1.13~13.5)、ヘマトクリット(p=0.04)、平均血中ヘモグロビン濃度(p<0.05、OR:5.29、CI:1.19~23.46)であった。 著者らは「本研究では、NCCA入院患者の8%でせん妄が発生し、65歳以上の発生率は21%に上昇した。NCCA患者において同定された多くのリスク因子は、ICU患者での報告と一致しているが、これまでせん妄発生に関連していなかったリスク因子をCAM+患者が有していた。せん妄に対するNCCA患者のスクリーニングが考慮されるべきである」としている。■関連記事せん妄に対する非定型 vs.定型 vs.プラセボうつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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ビタミンDはがんを予防するのか?/BMJ

 ビタミンDの血中濃度とがんリスクに因果関係は存在するのか。ギリシャ・University of IoanninaのVasiliki I Dimitrakopoulou氏らは、同関連を明らかにするため、大規模遺伝子疫学ネットワークのデータを用いたメンデルランダム化試験にて検討を行った。その結果、評価を行った7種のがんいずれについても、線形の因果関係を示すエビデンスはほとんどなかったという。ただし、臨床的に意味のある効果の関連を、完全に否定はできなかった。BMJ誌2017年10月31日号掲載の報告。大規模遺伝子疫学ネットワークを用いて、7種のがんについて関連を評価 検討は、がんにおける遺伝的関連とメカニズム(Genetic Associations and Mechanisms in Oncology:GAME-ON)、大腸がんの遺伝的研究・疫学コンソーシアム(Genetic and Epidemiology of Colorectal Cancer Consortium:GECCO)、前立腺がんのゲノム変異に関する研究グループ(Prostate Cancer Association Group to Investigate Cancer Associated Alterations in the Genome:PRACTICAL)とMR-Baseプラットホームを通じて、がん患者7万563例とその対照8万4,418例のデータを入手し評価を行った。 がん患者の内訳は、前立腺がん2万2,898例、乳がん1万5,748例、肺がん1万2,537例、大腸がん1万1,488例、卵巣がん4,369例、膵臓がん1,896例、神経芽細胞腫1,627例であった。 ビタミンDと関連する4つの一塩基遺伝子多型(rs2282679、rs10741657、rs12785878、rs6013897)を用いて、血中25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)のマルチ多型スコアを定義し評価した。 主要アウトカムは、大腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、肺がん、膵臓がん、神経芽細胞腫の発生リスクで、逆分散法を用いて特異的多型との関連を評価した。尤度ベースアプローチでの評価も行った。副次アウトカムは、性別、解剖学的部位、ステージ、組織像によるがんサブタイプに基づく評価であった。関連を示すエビデンスはほとんどない 7種のがんおよびそのサブタイプすべてにおいて、25(OH)Dマルチ多型スコアとの関連を示すエビデンスは、ほとんどなかった。 具体的に、25(OH)D濃度を定義した遺伝子の25nmol/L上昇当たりにおけるオッズ比は、大腸がん0.92(95%信頼区間:0.76~1.10)、乳がん1.05(0.89~1.24)、前立腺がん0.89(0.77~1.02)、肺がん1.03(0.87~1.23)であった。この結果は、その他2つの解析アプローチの結果と一致していた。なお、試験の相対的効果サイズの検出力は中程度であった(たとえば、大部分の主要がんアウトカムについて、25(OH)Dの25nmol/L低下当たりのオッズ比は1.20~1.25であった)。 著者は、「これらの結果は、既報文献と合わせて、がん予防戦略として、ビタミンD不足の広範な集団スクリーニングとその後の広範にわたるビタミンDサプリメントの推奨をすべきではないとのエビデンスを提供するものであった」とまとめている。

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がん治療の末梢神経障害、皮膚障害に指針/日本がんサポーティブケア学会

 Supportive care。日本では支持療法と訳されることが多い。しかし、本来のSupportive careは、心身の異常、症状の把握、がん治療に伴う副作用の予防、診断治療、それらのシステムの確立といった広い意味であり、支持療法より、むしろ支持医療が日本語における適切な表現である。2017年10月に行われた「第2回日本がんサポーティブケア学会学術集会」のプレスカンファレンスにおいて、日本がんサポーティブケア学会(JASCC)理事長 田村和夫氏はそう述べた。『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』発刊 JASCC神経障害部門部会長である東札幌病院 血液腫瘍科 平山泰生氏が『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』発刊について紹介した。 がん薬物療法の進化によるがんの治療成績向上と共に、抗がん剤による副作用も対処可能なものが増えてきている。しかし、本邦における4,000例以上のがん患者の追跡調査では、化学療法終了後1ヵ月以内の神経障害の発生頻度は7割、6ヵ月以降でも3割であった。神経障害はいまだに患者を苦しめているのが現状である。 この神経障害に対する有効な薬物は明らかではない。JASCCが行った調査では、がん専門医の神経障害に対する処方は、抗けいれん薬(97%)、ビタミンB12(78%)、漢方薬(61%)、その他抗うつ薬、消炎鎮痛薬、麻薬など、さまざまな薬剤を用いており、薬剤の有効性かわからない中、医療現場の混乱を示唆する結果となった。 一方、米国では2004年にASCOによる「化学療法による末梢神経障害の予防と治療ガイドライン」が発行されている。しかし、ビタミンB12、消炎鎮痛薬などの記載がないなど日本の状況とは合致していない。そのため、本邦の現状を反映した臨床指針が望まれていた。 Mindsの作成法に準じて作られた『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』では、この分野のエビデンスが少ないため、ガイドラインとは銘打たず"手引き"としている。同書には薬物の有効性に関するクリニカルクエスチョンも掲載されており、ビタミンB12、漢方、消炎鎮痛薬、麻薬など、日本でしか使われていないような薬剤についても記載がある。「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」出版を目指す JASCC皮膚障害部門部会長である国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科の山崎直也氏が「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」の出版について紹介した。 がん治療の外来への移行、抗がん剤開始時期の早期化、生存期間の延び、長期間にわたり社会と触れ合いながら治療を受けるがん患者が増えている。一方で、分子標的薬をはじめ、皮膚有害事象を発現する薬剤も増えている。このような社会で生きるがん患者にとって、アピアランスケアは非常に重要な問題である。 皮膚障害の治療に対するエビデンスは少なく、世界中が医療者の経験値で対応しているのが現状である。そのような中、昨年(2016年)がん患者の外見支援に関するガイドラインの構築に向けた研究班により「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」が作成された。さらに、目で見てすぐわかる多職種の医療者に伝わるようなものをという考えから、JASCC皮膚障害部門を中心に「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」を作成している。 その中では、最近の分子標的薬の皮膚障害を中心に取り上げているが、治療進歩の速さを鑑み、免疫チェックポイント阻害薬についても収載。総論、発現薬剤といった基本的事項に加え、重要な重症度評価およびそれに対する診断・治療のポイントを、症状ごとに症例写真付きで具体的に説明している。年内には発売できる見込みだという。

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ワルファリンの可能性(解説:後藤信哉氏)-756

 日本は、非弁膜症性心房細動などにいわゆるNOACsが多く使用されている国である。しかし、世界の抗凝固薬の標準治療は安価なワルファリンである。日本では2mg/日で開始すれば多くの場合、INR 2以下くらいにコントロールできる。 30年ワルファリンを使用している筆者には経験がないが、2mg/日でも過剰でINRが延長してしまう症例がいるらしい。まれに2mg/日ではINRが延長せず、漸増させて10mg/日程度が必要な症例は経験する。圧倒的多数の症例は2mg/日で問題なく、一部に過剰、過小の症例がいる原因にワルファリンの代謝が寄与するとされる。血漿蛋白に結合していないワルファリンが肝臓で活性型に転換する。その酵素はチトクロームP450のCYP2C9とされる。ビタミンK還元酵素複合体にも遺伝子型に応じた酵素活性の差異がある。 この2種の酵素の遺伝子型を事前に知っていれば、ワルファリンの初期投与量、維持量を個人ごとに予測できる、との仮説が過去に臨床的に検証された。2本のNEJM誌の論文の結果は相互に矛盾していた。 今回JAMA誌に発表された論文では対象を膝または腰の置換術にして症例を均質化した。その結果、予想どおり、遺伝子型を考慮に入れたワルファリン治療において重篤な出血が少なく、INR 4以上の過剰投与も避けられた。 疾病一般の予後が改善して、時代は「平均的症例の標準治療」、「One dose fit all」を目指すEBMの時代から、個別症例の最適治療を目指す「Precision Medicine」に転換しようとしている。主作用と副作用イベント発症率相関性のあるバイオマーカーとしてのPT-INRがあるワルファリンは、個別最適化に向いた薬剤である。抗凝固効果のポテンシャルは選択的抗トロンビン薬、抗Xa薬よりも大きく、薬剤の価格は安い。丁寧に使用すれば安全性も高い。安い薬を日本人医師の職人魂にて個別最適化して使用すれば、有効、安全、安価な医療を実現できる。 日本の圧倒的多数は2mg/日にて大きな問題はないと考えるが、遺伝子型により特殊な少数例を弁別できるので日本での応用性もあると考える。

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