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レポーター紹介2020 ASCO Virtual Scientific ProgramCOVID-19の影響で初のバーチャル開催となったASCO2020。オープニングセッションでは2019~20年のプレジデントであるDr. Howard A. “Skip” Burris IIIは冒頭のあいさつで、本会の約1年前に“Unite & Conquer: Accelerating Progress Together”というテーマを掲げた際には現在の世の中の在り方を想像だにしていなかったが、われわれの働き方、社交の仕方にとどまらず、ものの見方まで変えてしまったパンデミック状況下で、このテーマが新たな意味を持つことになったと述べています。確かに地域・人種・民族・性別・職種の多様性を超えて団結し進歩を加速することの必要性は、COVID-19という喫緊の課題を前により明確になりました。「われわれは今年の年次総会では同じ部屋にいませんが、これまで以上に団結しています」という言葉が印象的でした。さて、Scientific Programの中から注目の演題をピックアップして紹介するこのレポート、前立腺がん領域では新規ホルモン治療薬の臨床試験結果とPSMA-PET関連の報告が、尿路上皮がんと腎細胞がんでは免疫チェックポイント治療の話題が中心となっています。経口LHRHアンタゴニストは進行前立腺がんに対する抗アンドロゲン療法を変えるか経口LHRHアンタゴニストの安全性・有効性を検証したHERO試験(NCT03085095)の結果が口演発表で報告されました(Abstract#5602)。従来の進行性前立腺がんにおけるアンドロゲン除去療法(ADT)では、LHRHアゴニストあるいはアンタゴニストの注射が中心でしたが、1ヵ月から6ヵ月ごとの注射が必要になる点や、アゴニスト製剤の場合にはLHサージが起こる点などの問題点がありました。国際第III相HERO試験では初の経口GnRH受容体アンタゴニスト製剤であるレルゴリクスの安全性・有効性を、従来臨床で用いられている酢酸リュープロライド注射製剤と比較しました。本試験では去勢感受性進行性前立腺がん患者934例を2:1の比率で経口レルゴリクス(120mg/日)あるいは酢酸リュープロライド皮下注射(3ヵ月ごとに11.25あるいは22.5mg)に無作為割付を行いました。主要評価項目である血清テストステロン(T)値の去勢レベル(<50ng/dL)への抑制(29日目時点)とその維持(48週間)は、レルゴリクス群では96.7%(95%CI:94.9~97.9%)で、酢酸リュープロライド群の88.8%(84.6~91.8%)と比較して、非劣性・優位性ともに統計学的に証明されました。副次的評価項目として、4日目の去勢達成率も56対0%でレルゴリクス群が優れており、治療中断後のT回復を検討した184例の検討では、治療中止90日後のTレベルの中央値は、270.76対12.26ng/dLとレルゴリクス群が有意に優れていました。さらに、心血管イベントの発生率もレルゴリクス群において低いという結果が示されました(2.9対6.2%)。そのほかの点では、安全性と忍容性のプロファイルはほぼ同等でした。著者らは、酢酸リュープロライド皮下注射と比較してレルゴリクスは、素早く(4日目までに去勢達成率)より確実に(48週間にわたる去勢域維持)血清Tを抑制し、中止後はより早期にT回復をもたらし、心血管イベントを50%減少するなどの優位性を示し、今後進行性前立腺がん患者に対するADTにおいて新しい標準治療になる可能性があると結論付けています。なおレルゴリクスは本邦でも「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善」を適応としてすでに承認を受けています(用量は40mg/日)。本試験の結果はASCO2020における発表に合わせてNEJM誌(Shore ND, et al. N Engl J Med. 2020;382:2187-2196.)に発表されました。PSMA関連診断/治療モダリティは前立腺がんマネージメントのGame Changerとして期待PSMA関連では、3演題が口演発表に採択され、その注目度の高さがあらためて浮き彫りになったかたちです。診断関連では、根治治療後の生化学的再発(BCR)を来した前立腺がん患者の病巣部位確定における18F-DCFPyL(PyL)を用いたPSMA-PET/CT検査の有用性を検証した前向き第III相CONDOR試験(NCT03739684)の結果が紹介されました(Abstract#5501)。根治的治療後にPSAが上昇(PSA中央値0.8ng/mL[範囲:0.2~98.4])し、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどの標準的な画像検査では病巣がはっきりしなかった208例の前立腺がん患者がエントリーされ、PyL-PET/CTの所見を3人の評価者によって検討した結果、病巣が認められた患者の割合は69.3%(142/208例)でした。主要評価項目である病巣部位特定率は84.8%~87.0%で、63.9%の患者でPyL-PET/CTの所見を基に治療方針が変更されました。重篤な有害事象が認められたのは1例(過敏症)のみで、最も頻度が高かった有害事象は頭痛(4例)でした。PyL-PET/CTは、BCR患者において従来の画像検査では描出できない病巣の特定と、それに基づく治療方針決定に有用であると結論付けられています。また、診断関連ではもう1演題、前立腺全摘除術+骨盤内リンパ節郭清を受ける中〜高リスクの限局性前立腺がんの患者を前向きにエントリーし、術前の68Ga-PSMA-11 PETのリンパ節転移の診断精度を郭清リンパ節の病理所見(pN診断)を参照標準として評価した研究の結果が公表されました(Abstract#5502)。その結果、68Ga-PSMA-11 PETの感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率(95%CI)はそれぞれ、0.40(0.34~0.46)、0.95(0.92~0.97)、0.75(0.70~0.80)、0.81(0.76~0.85)だったとのことです。治療関連では、PSMAを発現する腫瘍に治療用β線を照射する放射性標識された小分子LuPSMAの安全性と治療効果を検証したランダム化第II相TheraP試験(NCT03392428)の結果も報告されました(Abstract#5500)。本試験ではドセタキセル不応性転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を対象とし、まず68Ga-PSMA-11および18F-FDG PET/CTを施行しました。両検査の結果、(1)PSMA強陽性の病変があること、(2)FDG陽性かつPSMA陰性の病変がないこと、という2つの条件を満たした患者をLuPSMA(6週ごと×最大6サイクル)あるいはカバジタキセル(20mg/m2/3週×10サイクル)による治療に無作為に割り付けました。主要評価項目は、PSAの50%以上の低下(PSA50-RR)で、副次的有効性エンドポイントには、PSA無増悪生存期間(PSA-PFS)および全生存期間(OS)が含まれていました。1次スクリーニングを受けた291例のうち200例がエントリー基準を満たし、LuPSMA群(n=99)あるいはカバジタキセル群(n=101)に割り付けられました。追跡期間の中央値は11.3ヵ月でした。PSA50-RRは、LuPSMA群のほうがカバジタキセル群よりも良好でした(65/99[66%、95%CI:56~75]vs.37/101[37%、95%CI:27~46]、p<0.001)。PSA-PFSにおいてもLuPSMAは有意に良好な結果を示しました(HR:0.63、95%CI:0.45~0.88、p=0.007)。OSデータは規定のイベント数に達していないため今回は示されていません。安全性に関して、Grade3〜4の有害事象(AE)発生率は、LuPSMA群で32%(31/98)に対し、カバジタキセル群では49%(42/85)でした。毒性による治療中止は、LuPSMA群で1%(1/98)、カバジタキセル群で4%(3/85)に認められました。治療に関連した死亡はありませんでした。著者らは上記要件を満たすmCRPC患者において、LuPSMAはカバジタキセルに比べてより治療活性が高く、AEが少ない治療法であると結論付けています。nmCRPC 3試験はだんご3兄弟かそれとも…前立腺がん領域ではこれ以外に、非転移性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)を対象とした新規アンドロゲン受容体(AR)シグナル阻害薬治療のOSアウトカムに関する報告がありました。ARAMIS試験(NCT02200614, Abstract#5514)、PROSPER試験(NCT02003924, Abstract#5515)、SPARTAN試験(NCT01946204, Abstract#5516)はそれぞれPSA倍化時間(PSA-DT)<10ヵ月のnmCRPC患者を対象に、それぞれダロルタミド、エンザルタミド、アパルタミドを投与する実薬群とプラセボ(PBO)群に2:1の比で割り付け、無転移生存(MFS)を主要評価項目としてその効果を検証するデザインで、すでにいずれの試験もMFSの延長を報告しています(ARAMIS試験 HR:0.41、95%CI:0.34~0.50、p<0.001 Fizazi K, et al. N Engl J Med. 2019;380:1235-1246.)(PROSPER試験 HR:0.29、95%CI:0.24~0.35、p<0.001 Hussain M, et al. N Engl J Med. 2018;378:2465-2674.)(SPARTAN試験 HR:0.28、95%CI:0.23~0.35、p<0.001 Smith MR, et al. N Engl J Med. 2018;378:1408-1418.)。今回発表されたOSに関する成績もMFSと同様、3試験ともほぼ同等と言ってよい結果でした(ARAMIS試験 未到達 対 未到達、HR:0.69、p=0.003)(PROSPER試験 67.0対56.3ヵ月、HR:0.73、p=0.0011)(SPARTAN試験 73.9対59.9ヵ月、HR:0.784、p=0.0161)。SPARTAN試験は2次治療後のデータ(2nd PFS)を報告しているという点で後続治療も考慮した、実臨床における治療選択に有用な情報を提供しているといえますが、ARAMIS試験はダロルタミドの有害事象(AE)プロファイルとしてPBO群とまったく遜色ない成績を報告しており、腫瘍学的転帰に関する成績がほぼ同等な3薬剤の選択に当たってはダロルタミドに有利なデータであると考えられます。切除不能/転移性尿路上皮がん:免疫チェックポイント阻害薬はこう使え!?尿路上皮がん(UC)では免疫チェックポイント阻害薬を従来の全身治療のさまざまなセッティングで用いる試みが報告され、今後の標準治療を考えるうえで大きな影響を与える可能性を感じさせる内容でした。なかでもLate-breaking abstractとしてプレナリーでJAVELIN Bladder 100試験(NCT02603432)の中間解析結果が報告され、大きな注目を集めました(Abstract#LBA1)。この無作為化第III相試験ではプラチナベースの1次化学療法(4~6コースのG-CDDPあるいはG-CBDCA)によって奏効(CR/PR)または安定(SD)を示した進行UC患者を、抗PD-L1抗体製剤であるアベルマブによる維持療法(10mg/kg IV 2週間ごと)+支持療法(BSC)とBSCのみのいずれかに割り付けました(n=350 vs.350)。その結果、主要評価項目であるOSはアベルマブ+BSC群で有意に良好でした(21.4 対 14.3ヵ月、HR:0.69、95%CI:0.56~0.86、片側p=0.0005)。サブグループ解析ではアベルマブ+BSC群の優位性に関して一様な傾向が示されました。副次的評価項目であるPFSも有意に良好でした(HR:0.62、95%CI:0.52~0.75、p<0.001)。Grade3以上のAEはアベルマブ+BSC群の47.4%、BSC群の25.2%で認められたと報告されています。現在のプラチナ適格・進行UCに対する標準治療は、1次治療がプラチナベースの化学療法、2次治療でペムブロリズマブという流れですが、本治験の結果に伴ってアベルマブが承認されると、1次治療がCR/PR/SDだった場合に維持療法としてアベルマブを投与するのか、いったんoff-treatmentとして再燃時にペムブロリズマブを投与する方針とするのか、選択を迫られることになります。今回公表されたデータによれば、JAVELIN Bladder 100試験のBSC群では進行時に2次治療を受けた患者は75.3%(PD-L1/PD-1阻害薬治療は52.9%)だったとのことです。一部患者において進行時に状態の悪化によって2次治療が受けられなかった結果なのか、あるいは本来実施可能であった適切な2次治療が施されなかった結果なのかによって、大きく解釈が変わる可能性があります。いずれにしても、ほかの切除不能/転移性尿路上皮がんに対する1次治療に関する治験で、免疫チェックポイント阻害薬単独あるいは免疫チェックポイント阻害薬+化学療法の併用レジメンが軒並み苦戦している現状で、本試験の結果は大きなインパクトがあり、1次治療からの治療シークエンスが大きく影響を受けることは間違いないと考えられます。周術期補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬と効果予測バイオマーカーUCに関する口演発表では膀胱全摘除術後の術後補助療法としてのアテゾリズマブの効果を検証したIMvigor010試験(NCT02450331)の結果が公表されました(Abstract#5000)。本試験では膀胱全摘標本を用いた病理学的病期が、(1)ypT2-4aまたはypN+(ネオアジュバント化学療法を受けた患者の場合)もしくは(2)pT3-4aまたはpN+(ネオアジュバント化学療法を受けなかった患者の場合)と診断された患者を対象に、アテゾリズマブ(1,200mg IV 3週間ごと)あるいは経過観察の2群に1:1の無作為割付を行い、無再発生存(DFS)を主要評価項目としました。今回はDFSの最終解析とOSの中間解析の結果が示されましたが、いずれもアテゾリズマブ群の優位性を示すことができませんでした(DFS 19.4対16.6ヵ月、95%CI:15.9~24.8対11.2~24.8ヵ月、HR:0.89、95%CI:0.74~1.08、p=0.2466、OS 未到達 対 未到達、HR:0.85、95%CI:0.66~1.09、p=0.1951)。転移性UCを対象としたIMvigor130試験(Doctors' Picks 2020年5月20日もご参照ください)と比較して、AEによる治療中断率が高かったことが原因として示唆されています。今後このセッティングでの免疫チェックポイント阻害薬の位置付けがどうなるかについては不透明なままとなっています。周術期補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬の話題としては、無作為第II相DUTRENEO試験(NCT03472274)の結果がClinical Science Symposiumで報告されています(Abstract#5012)。本試験では、シスプラチン適格の筋層浸潤性膀胱がん(MIBC,、cT2-T4a、N≦1、M0)と診断された患者を、まず腫瘍の炎症誘発性IFN-γシグネチャー(腫瘍免疫スコア、TIS)を基準に「ホット」あるいは「コールド」に分類しました。このTISは以前にPD-1経路阻害薬の効果を予測すると報告されています(Ayers M, et al. J Clin Invest. 2017;127:2930-2940.)。「ホット」と診断された患者は術前補助療法としてPD-L1阻害薬デュルバルマブ1,500mg+CTLA-4阻害薬tremelimumab 75mg×3サイクル(DU+TRE群)あるいはシスプラチンベースの化学療法(G-CDDPまたはdd-MVAC、標準CT群)に無作為割り付けされ、「コールド」と診断された患者は全例が化学療法に割り付けられました。合計61例がエントリーされ、「ホット」と診断された患者のうち22例が標準CTを、23例がDU+TREを受け、それぞれ36.4%(n=8)、34.8%(n=8)が主要評価項目であるpCRを達成しました(オッズ比:0.923、95%CI:0.26~3.24)。一方「コールド」と診断され標準CTを受けた16例の患者のうち68.8%(n=11)がpCRを達成しました。DU+TREの組み合わせは、MIBCに対する術前補助療法における効果的および安全なオプションであることが示されましたが、炎症誘発性IFN-γシグネチャーによる層別化では免疫チェックポイント阻害薬治療と標準化学療法のどちらから利益を得る可能性が高いかを予測することはできませんでした。免疫チェックポイント阻害薬治療の効果予測バイオマーカー研究としては、無作為第III相IMvigor130試験(NCT02807636)の患者における腫瘍の変異頻度(TMB)、PD-L1発現、Tエフェクター遺伝子発現(GE)および線維芽細胞TGF-β応答シグネチャー(F-TBRS)のバイオマーカーとしての有用性が報告されています(Abstract#5011)。これらのバイオマーカーは既報(Mariathasan S, et al. Nature. 2018;554:544-548.)によりアテゾリズマブ単独治療の効果予測因子として見いだされたものです。IMvigor130試験では転移性UC患者の1次治療としてアテゾリズマブ+プラチナベースの化学療法(PBC)、アテゾリズマブ単独、またはPBC単独に1:1:1で無作為割り付けされ、主要評価項目としてPFSとOSを検証しました(Doctors' Picks 2020年5月20日もご参照ください)。上記項目は本試験における探索的バイオマーカー分析の対象とされていました。全1,200例の組み入れ患者のうち851例でバイオマーカー解析が可能でした。PD-L1高発現(IC2/3)はアテゾリズマブ単独 対 PBCにおけるアテゾリズマブ群の良好なOSを予測し、さらにPD-L1高発現(IC2/3)と高TMB(>10変異/Mb)を組み合わせることによって、予測能が上昇しました。APOBEC関連変異は、アテゾリズマブ含有レジメンによるOSの改善と関連していました。このように、免疫チェックポイント阻害薬が進行性UCに対する1次治療あるいはMIBCに対する術前補助療法における治療オプションに入ってくるにつれて、治療効果予測に有用なバイオマーカーの重要性も高まってくることが予想されます。検体採取から検査を経て治療開始に至るまでの時間をいかに短縮できるかという点も、今後重要な課題となってくると思われます。腎細胞がん:免疫チェックポイント阻害薬+TKIの中長期予後腎細胞がん(RCC)領域は前立腺がん・尿路上皮がんに比べると今年はややおとなしい印象でしたが、その中で、KEYNOTE-426試験(NCT02853331)の追加フォローアップのデータが口演セッションで発表されたので取り上げたいと思います(Abstract#5001)。この試験では861例の進行性淡明細胞型RCC(cc-RCC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブ+アキシチニブとスニチニブを、OSとPFSを主要評価項目として比較しました。今回、中央値27.0ヵ月(範囲:0.1~38.4ヵ月)のフォローアップで、ペムブロリズマブ+アキシチニブ群のOS(HR:0.68、95%CI:0.55~0.85、p<0.001、24ヵ月OS 74% vs.66%)およびPFS(HR:0.71、95%CI:0.60~0.84、p<0.001、24ヵ月PFS 38% vs.27%)の延長効果が示されました。これらのベネフィットはIMDCリスク分類やPD-L1発現にかかわらず認められたということです。追加解析の結果、ペムブロリズマブ+アキシチニブ群においては腫瘍縮小率がOSと相関していたことも示されました。また、RCC領域でも免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測因子に関する探索的研究の結果が散見されました(Abstracts#5009, 5010)。おわりに総じて、前立腺がんでは新規ARシグナル阻害薬のより早期ステップでの使用とPSMA関連核医学検査/治療(いわゆるTheranostics)の話題が、UCとRCCでは免疫チェックポイント阻害薬のさまざまなセッティングにおける有効性・安全性と治療効果予測のためのバイオマーカー探索が中心となった年であったと考えられます。来年になるとAntibody-conjugated drug(ACD)も登場し、各腫瘍いよいよ「役者」が出そろってくることになり、治療効果予測のバイオマーカー探索、さらにはバイオマーカーベースの治療方針を決める前向き試験等が登場することを期待しています。