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米国で急性気道感染症への抗生物質投与率、過去10年間も継続的に減少

米国で、過去10年間の急性気道感染症への抗生物質投与率が低下してきていることがわかった。米国Vanderbilt大学のCarlos G. Grijalva氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年8月19日号で発表した。同投与率は、1990年代に減少傾向にあったが、その後も同傾向が続いていることが確認された。抗生物質耐性菌の感染症による死亡率が増加する中では朗報と言える。ARTIへの年間抗生物質投与率、5歳未満で36%、5歳以上で18%減少Grijalva氏らは、米国の外来治療に関するデータベース、「National Ambulatory Medical Care Survey」と「National Hospital Ambulatory Medical Care Survey」(1995~2006)をもとに調査を行った。その結果、5歳未満の中耳炎を含む急性気道感染症(acute respiratory tract infection;ARTI)による年間受診率は、1995~1996年と2005~2006年との比較で、人口1,000人当たり1,883件から同1,560件へと、17%(95%信頼区間:9~24)減少していた。これは、中耳炎による診察率が33%(同:22~43)減少したことが主な原因だった。それに伴い、ARTIへの年間抗生物質投与率は前述比較期間で、人口1,000人当たり1,216件から同779件へと、36%(同:26~45)減少した。年齢5歳以上については、ARTIによる年間受診率の減少は見られなかったものの、ARTIへの年間抗生物質投与率は同期間比較で、人口1,000人当たり178件から同146件へと、18%(同:6~29)減少した。アジスロマイシンがARTIと中耳炎の最も一般的処方薬になり投与率増加なかでも、抗生物質投与の適応が稀な、中耳炎以外のARTIに対する抗生物質投与率については、5歳未満では41%(同:22~55)減少し、5歳以上でも24%(同:10~37)減少した。また、抗生物質の種類についてみてみると、ペニシリン、セファロスポリン、サルファ薬やテトロサイクリンの投与率が減少した。一方で、アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)はARTIと中耳炎の際の最も一般的な処方薬となり、処方率は増加した。成人投与の中では、キノロン系の処方率も増加していた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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【書籍紹介】市中感染症診療の考え方と進め方-IDATEN感染症セミナー

日常診療で誰もが遭遇する市中感染症だが、医師は目の前の患者をどう診断し、治療していったらよいのか? 日本における臨床感染症診療と教育の普及・確立・発展を目的として設立された「IDATEN(日本感染症教育研究会)」メンバーが、そのプロセスをわかりやすく解説する。 主な内容第1章 市中感染症へのアプローチ  感染症診療の基本原則(青木 眞)  初期治療に反応しない場合の評価と治療のストラテジー(大野博司) 第2章 臨床でよく出遭う市中感染症のマネジメント  1.肺炎のマネジメント(岩渕千太郎)  2.細菌性髄膜炎のマネジメント(笹原鉄平)  3.皮膚・軟部組織感染症のマネジメント(大曲貴夫)  4.骨・関節・軟部組織感染症のマネジメント(岩田健太郎)  5.感染性心内膜炎のマネジメント(大曲貴夫)  6.胆道系感染症のマネジメント(矢野晴美)  7.急性下痢症のマネジメント(土井朝子)  8.尿路感染症のマネジメント(藤田崇宏)  9.急性腹症のマネジメント(岩田健太郎)  10.STI・骨盤内炎症性疾患のマネジメント(本郷偉元)  11.敗血症のマネジメント(大野博司)  12.急性咽頭炎・急性副鼻腔炎のマネジメント(上田晃弘)  13.深頸部感染症のマネジメント(具 芳明)  14.腹腔内感染症・腸管穿孔のマネジメント(大野博司) 第3章 臨床で重要な微生物  Introduction  グラム陽性球菌(山本舜悟)  グラム陰性桿菌(山本舜悟)  嫌気性菌(岩渕千太郎) 第4章 臨床で重要な抗菌薬  ペニシリン系抗菌薬(大野博司)  セフェム系抗菌薬(大野博司)  マクロライド系抗菌薬(大野博司)  キノロン系抗菌薬(大野博司)  判型 B5 頁 216 発行 2009年08月 定価 3,675円 (本体3,500円+税5%) ISBN978-4-260-00869-3  詳細はこちらへhttp://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=63002

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せき症状への抗生剤処方は無意味

カーディフ大学(イギリス・ウェールズ)プライマリ・ケア/公衆衛生部門のC C Butler氏らは、ヨーロッパ13ヵ国における外来患者への抗生剤処方について調査を行った。外来患者で最も多い主訴の1つ、せき症状に対する処方率・種類を調べ、回復との関連性を調べた。これまでもヨーロッパ各国間には、抗生剤処方に大きな違いがあること(下気道感染:オランダ27%、イギリス75%など)は知られていたが、そうした違いが、各国間の患者の回復に違いをもたらしているのかどうかは不明だった。結果は、BMJ誌2009年6月27日号(オンライン版2009年6月23日号)で掲載されている。13ヵ国3,400例のせき症状患者への抗生剤処方と回復状況を調査本研究は、13ヵ国14のプライマリ・ケア研究ネットワークを介して、臨床家(GP、ナース・プラクティショナー)の協力を得て行われた横断観察研究。ネットワークごとに臨床家を介して集約した、患者の症状および治療内容記録と、患者自身に記録してもらった症状日誌(毎日13項目について回復するまで、もしくは最長28日間記録)の情報を検討した。参加13ヵ国は、ベルギー、フィンランド、ドイツ、オランダ、ハンガリー、イタリア、ノルウェー、ポーランド、スロバキア、スペイン(2つのネットワーク)、スウェーデン、イギリス(ウェールズとイングランド)。試験適格患者とされたのは、新規もしくは増悪したせき症状、および下気道感染を示唆する臨床症状を呈した成人。2006年10、11月、2007年1~3月にわたって収集され、3,402例の参加を得た。回復率は、抗生剤処方がされた・されなかったとも同等3,402例の参加者のうち、臨床家からケースレポートが提供されたのは99%(3,368例)、患者日誌提出は80%(2,714例)だった。症状の重症度スコア(0~100点)の各国の平均点は、19点(スペインとイタリア)~38点(スウェーデン)の範囲だったが、抗生剤処方率は、ネットワーク間で20%(スペイン)~90%(スロバキア)と差が大きくあり(全体では53%)、処方された抗生剤の種類もさまざまだった。アモキシシリン(商品名:サワシリンなど)は概して最もよく処方されている抗生剤だったが、ノルウェーでの3%からイギリスでの83%までと違いが見られた。一方、フルオロキノロン(ニューキノロン、商品名:クラビッドなど)は、3つのネットワークでは最もよく処方されていたが(そのうちミラノが最も多く18%)、6つのネットワーク(イギリス・サウサンプストン、スペイン、ポーランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)では全く処方されていなかった。各国間の処方率の違いは、臨床症状および人口統計学的補正後も、ノルウェー(0.18)からスロバキア(11.2)まで、かなりの範囲にわたった。しかし回復率は、抗生剤処方がされた・されなかったとも同等だった(係数-0.01、P

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注射用ニューキノロン系抗菌製剤「パズフロキサシンメシル酸塩注射液 1000mg」製造販売承認申請

富山化学工業株式会社と田辺三菱製薬株式会社は15日、国内で共同開発を進めてきた注射用ニューキノロン系抗菌製剤「パズフロキサシンメシル酸塩注射液1000㎎」の製造販売承認申請を、11日に行ったことを発表した。「パズフロキサシンメシル酸塩注射液」は、2002年9月より1物2銘柄(製品名:富山化学「パシル点滴静注液」、田辺三菱製薬「パズクロス」)で並売をしていて、「パズフロキサシン」として300㎎、500㎎含量した2規格を販売している。近年、医療現場で問題となっている重症・難治性感染症に対して、本剤を増量して使用したいとの学会からの要望を受け、臨床試験を実施。今回、試験成績がまとまり、通常は「パズフロキサシン」として1日1000㎎を2回に分けて点滴静注する現在の用法・用量に加え、重症・難治性感染症等では1日2000mgを2回に分けて点滴静注するという用法・用量の取得を目指しているとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/090615.html(富山化学工業株式会社)http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2009/MTPC090615_P.html(田辺三菱製薬株式会社)

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シプロキサン注の用法・用量が一部変更 希釈せずに投与も可能に

バイエル薬品株式会社は5日、同社が販売中のニューキノロン系注射用抗菌剤「シプロキサン注」(一般名:シプロフロキサシン)200mgおよび300mgの「用法・用量」の一部変更承認申請が、6月1日付で承認されたと発表した。これに伴い、同社は添付文書の「用法・用量」および「使用上の注意」を改訂した。国内初のニューキノロン系注射用抗菌剤であるシプロキサン注は2000年11月の上市以後、肺炎をはじめとするさまざまな重症感染症の治療薬として汎用されているが、投与の際の点滴静注局所の血管痛や静脈炎の発現リスクを軽減するため、生理食塩液などで希釈することが用法・用量で定められていた。このため、例えば、心機能や腎機能が低下していて、著しい水分摂取制限下にある患者については、水分管理の観点からシプロキサン注の使用を見送らざるを得ないという問題が、発売当初から医療現場より提起されてきた。そのため、同社が集積されたデータを基に希釈の有無による忍容性について改めて検討を行った。その結果、著しい水分摂取制限により水分負荷がかけられない患者であると医師が判断した場合には、同剤による治療上の有益性を考慮し、シプロキサン注を希釈せずに投与ができるよう、用法・用量の一部変更承認申請を行い、このたび承認された。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-06-05.html

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結核に対するモキシフロキサシン追加の有効性を確認

結核の初期治療として、標準治療へのモキシフロキサシン(国内商品名:アベロックス)の追加投与はエタンブトール(同:エブトール、エサンブトール)の併用に比べ有効性が高く、治療期間の短縮も期待できることが、ブラジルRio de Janeiro連邦大学のMarcus B Conde氏らが実施した第II相試験で確認された。結核の治癒を目指す治療薬の開発では、治療期間の短縮と薬剤耐性菌に対する有効性が求められている。フルオロキノロン系抗菌薬であるモキシフロキサシンは、既存の抗結核薬との併用で相加効果を示すとして有望視されていたという。Lancet誌2009年4月4日号掲載の報告。単一施設における二重盲検ダブルダミー無作為化対照比較第II相試験研究グループは、Rio de Janeiro市の単一施設において、喀痰塗抹陽性の結核患者に対する初期治療としてのモキシフロキサシンの有効性と安全性を評価するための二重盲検ダブルダミー無作為化対照比較第II相試験を実施した。標準用量の標準治療〔イソニアジド(同:イスコチン、アイナーなど)、リファンピシン(同:リマクタン、リファジンなど)、ピラジナミド(ピラマイドなど)〕を受けた170例が、モキシフロキサシン400mg+プラセボを追加投与する群(85例)あるいはエタンブトール15~20mg+プラセボ投与群(85例)に無作為に割り付けられ、5日/週の治療を8週間にわたって施行された。主要評価項目は8週間以内に喀痰培養が陰性化した症例の割合とし、解析はintention-to-treat変法にて行った。ベースライン時に喀痰培養陰性の例、培養に失敗した例、薬剤耐性結核菌が検出された例は解析から除外した。8週間の治療結果が得られない場合は治療不成功とした。喀痰培養陰性化率は、モキシフロキサシン群80%、エタンブトール群63%モキシフロキサシン群の74例、エタンブトール群の72例が解析の対象となった。8週間の治療データは125例(モキシフロキサシン群:64例、エタンブトール群:61例)で得られた。データが得られなかったおもな理由は培養の失敗であった。治療8週の時点で、喀痰培養が陰性化した症例はエタンブトール群が72例中45例(63%)であったのに対し、モキシフロキサシン群は74 例中59例(80%)と有意に優れていた(群間差:17.2%、p=0.03)。薬剤関連の有害事象は、エタンブトール群でgrade 3の皮膚反応が1例に見られたのみであった。著者は、「モキシフロキサシンは結核の初期治療として喀痰塗抹培養の結核菌陰性化効果を改善する」と結論したうえで、「今回の知見は、モキシフロキサシン併用による治療期間短縮の可能性を評価するための臨床試験の実施を正当化するもの」としている。(菅野守:医学ライター)

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北米で抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が広がっている?

グラム陽性菌はもとよりグラム陰性菌に対しても強い抗菌力を発揮し頻繁に用いられるフルオロキノロン系抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が、北米で初めて出現したことが報告された。NEJM誌2009年2月26日号でEpidemic Intelligence Service Programに参画するHenry M. Wu氏らの疫学調査の短報が掲載されている。より広範な調査が求められる耐性菌が確認された症例はノースダコタから1例、ミネソタから2例の計3例で、いずれも同じB群株に由来する耐性菌だった。報告されたのは2007年1月~2008年1月の間で、同期間中に報告された髄膜炎死亡症例(33例)の9%を占める。ノースダコタの症例は2006年8月、同州東部にある保育所職員が髄膜炎菌性疾患と見込まれる症状で死亡したもの。髄液培養検査結果は無菌だったが、耐性髄膜炎菌はPCR陽性だった。シプロフロキサシンが同患者および同僚に投与され、子どもたちにはリファンピシンが投与された。二次症例は起きなかったが、患者1例が2007年1月に確認され、入院後セフトリアキソン治療で回復している。2008年1月にさらに2例が確認された。ミネソタの症例は、同州西部の成人死亡例と、セフトリアキソン治療で回復した同じく西部居住の大学生の例。3例には疫学的な関連はなく、またいずれも海外旅行の経験はなかった。一方、耐性菌の保因を調べるため、咽頭保因サーベイを行い、1例の無症候性保菌者からの耐性菌株を分離。耐性菌が遺伝子の突然変異によって起きたことが確認された。また同様の耐性菌は、2007年1月~2008年1月の間に報告された症例のうちカリフォルニアの症例で同定されている。Wu氏は、「耐性髄膜炎菌の感受性試験は、米国ではルーチンに行われていないが、今回のこの報告がより広範にわたるものなのかどうかわからず、まずはより広範な調査を行う必要がある」と提言している。(武藤まき:医療ライター)

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ブルセラ症にはアミノグリコシド系抗生物質を含む併用レジメンの長期投与が有効

ヒトのブルセラ症の治療では、アミノグリコシド系抗生物質を含む3剤あるいは2剤併用レジメンの有効性が高いことが、イスラエルRabin医療センターBeilinson病院のKeren Skalsky氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。ブルセラ症は世界で最も多い人獣共通感染症で、新規発症は毎年50万例以上に及ぶ。抗生物質の併用レジメンの無作為化対照比較試験が数多く行われているが、包括的なエビデンスは確立されていない。BMJ誌2008年3月29日号(オンライン版2008年3月5日号)掲載の報告。抗生物質レジメンの無作為化試験を系統的にレビュー研究グループは、ブルセラ症の治療レジメンの有効性の評価を目的に、個々の抗生物質レジメンと治療期間を検討した無作為化対照比較試験の系統的レビューおよびメタ解析を行った。2名の研究者が個々に、データベース(PubMed、CENTRAL、Lilacs)、カンファレンス記録集、文献目録を、言語、研究年、出版形態を問わずに検索した。選択および除外規準に基づいてデータを抽出し、試験方法の質を評価した。主要アウトカムは初期治療の失敗(failure)および再発とした。相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)を算出し、データは固定効果モデル(fixed effect model)を用いてプールした。30試験の77の治療法と治療期間を解析30試験の77の治療法が解析の対象となった。全体の治療失敗率はドキシサイクリン+リファンピシンが、ドキシサイクリン+ストレプトマイシンよりも有意に高く、そのおもな原因は再発率が高いためであった相対リスク(RR:2.80、95%CI:1.81~4.36、13試験)。ドキシサイクリン+ストレプトマイシンは、ドキシサイクリン+リファンピシン+アミノグリコシド系薬剤(3剤併用)よりも治療失敗率が有意に高かった(RR:2.50、95%CI:1.26~5.00、2試験)。ゲンタマイシンがストレプトマイシンに劣ることはなく(治療失敗のRR:1.45、95%CI:0.52~4.00、2試験)、キノロン系薬剤+リファンピシンはドキシサイクリン+リファンピシン、ドキシサイクリン+ストレプトマイシンよりも有意に効果が低かった(治療失敗のRR:1.83、1.11~3.02、5試験)。治療期間に大きな差がない場合は、単剤療法は併用療法よりも治療失敗のリスクが有意に高かった(RR:2.56、95%CI:1.55~4.23、5試験)。治療期間は、6週以上のほうが短期間の場合よりも有効性は高かった。Skalsky氏は、「ブルセラ症の治療では、現在の推奨レジメン間に有効性に関する有意な差が認められた。アミノグリコシド系抗生物質を含む3剤あるいは2剤併用レジメンがより有効と考えられる」と結論し、今回の解析に基づく第1選択レジメンとして、ドキシサイクリン(6週投与)+リファンピシン(6週投与)+ゲンタマイシン(2週投与)、あるいはドキシサイクリン(6週投与)+ゲンタマイシン(2週投与)を推奨し、代替レジメンとしてドキシサイクリン(6週投与)+ストレプトマイシン(2週投与)を挙げている。(菅野守:医学ライター)

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多剤耐性結核患児へのフルオロキノロン投与は侵襲性肺炎球菌疾患を招く

 多剤耐性結核(MDRTB)に罹患した子どもの治療にフルオロキノロンを使用すると、レボフロキサシン(LVFX)非感受性肺炎球菌およびその院内伝搬に起因する侵襲性肺炎球菌疾患(IPD)の発現を招くことが、Anne von Gottberg氏らGERMS-SA(南アフリカ)の研究グループによって明らかにされた。現在、抗生物質に対する肺炎球菌の耐性獲得が世界的な問題となっており、フルオロキノロンなど比較的新しい薬剤に対する耐性菌は、とくに市中肺炎の経験的治療(empiric treatment)において重要とされる。Lancet誌2008年3月29日号(オンライン版2008年3月21日付)掲載の報告。IPD例の中からLVFX非感受性肺炎球菌保有例を同定 南アフリカでは、2000~2006年に全国的な積極的サーベイランスを行っており、2003年には7州に導入された15の拠点病院においてサーベイランスを強化した。その結果、2万1,521例のIPDが同定された。 スクリーニングによりオフロキサシン耐性菌の保菌者1万9,404例(90%)を同定し、これらの患者においてLVFXの最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。MIC≧4mg/Lを、LVFX非感受性と定義した。LVFX非感受性肺炎球菌に起因するIPDが検出された2つの結核専門施設で、65例の患児において肺炎球菌の鼻咽頭保菌を評価した。LVFX非感受性菌によるIPDと結核治療歴、院内感染率が関連 15歳以下の子どものうちLVFXに非感受性のIPDは12例であった。すべての分離株がリファンピシンに耐性を示した。このうち11例の転帰が判明し、5例(45%)が死亡した。 LVFXに感受性の肺炎球菌の感染児のうち結核治療歴を有する者の割合は18%(396/2,202例)であったのに対し、非感受性菌感染児では89%(8/9例)であり、非感受性菌によるIPDと結核治療歴の関連が示唆された(相対リスク:35.78、p<0.0001)。 また、感受性菌感染児の院内感染率は4%(109/2,709例)であったのに対し、非感受性菌感染児では80%(8/10例)であり、非感受性菌によるIPDと院内感染にも関連が認められた(相対リスク:88.96、p<0.0001)。 肺炎球菌の保菌者35例のうち31例(89%)がLVFX非感受性の菌を有していた。 これらの知見により、Gottberg氏は「子どものMDRTBの治療にフルオロキノロンを使用すると、LVFX非感受性肺炎球菌およびその院内伝搬に起因するIPDの発現を招くことが示唆された」と結論している。

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キノロン系抗菌剤「ジェニナック」発売

アステラス製薬、大正富山医薬品、富山化学の3社は5日、新タイプのキノロン系経口合成抗菌剤「ジェニナック」(一般名:メシル酸ガレノキサシン水和物)を新発売した。幅広い抗菌作用を持ち、1日1回の経口投与で効果を発揮する。(1回400mg)また、合成抗菌剤で初めてペニシリン耐性肺炎球菌が適応菌種に明記されたことから、既存薬剤の薬価と比較して有用性加算が認められた。適応菌種ガレノキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ) 適応症咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎

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