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第178回 COVID-19の後遺症、倦怠感が最多、女性に多く発症

<先週の動き>1.COVID-19の後遺症、倦怠感が最多、女性に多く発症2.大学病院勤務医の教育・研究の「研鑽」は労働時間と通知/厚労省3.保険医療機関に対する指導・監査、不正請求で19.7億円返還/厚労省4.救急車の過剰利用に対策、非入院患者に7,700円徴収開始/松坂市5.脳神経外科の不適切な手術記録や説明不十分な日赤病院に対して改善指示/京都市6.糖尿病を見落とし患者死亡、神戸徳洲会病院に改善命令/神戸市1.新型コロナウイルス感染症の後遺症、倦怠感が最多、女性に多く発症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が国内で初めて確認されてから4年が経過し、ウイルス感染後の後遺症が重要な課題となっている。世界保健機関(WHO)は「症状が少なくとも2ヵ月以上続き、ほかの病気の症状として説明がつかないもの」と定義し、通常はCOVID-19発症から「3ヵ月たった時点にもみられるもの」とされている。後遺症には疲労感、呼吸困難、集中力の低下など200以上のさまざまな症状が報告されており、北野病院の調査によると、後遺症患者のうち女性は68.8%で、男性は31.2%と女性が多かった。とくに働き盛りの年代で発症しやすい傾向があることが判明している。後遺症の原因としては、持続感染、免疫機能の異常、腸の具合の悪化などが指摘されている。また、後遺症の患者の約7割が女性であり、主な症状には倦怠感が最も多いことがわかってきた。後遺症のメカニズムについて、免疫機能に関わる物質の変化や、コルチゾールの減少、リンパ球の増加、ヘルペスウイルスの再活性化などが関連していることが示されている。ただ、後遺症の予防には、ワクチン接種が有効であり、ワクチン接種によって後遺症の発症を抑える効果があることが報告されている。一方で、治療法はまだ確立されておらず、対症療法が主になっている状況。後遺症の患者支援に、時短勤務や産業医の支援などが必要とされている。参考1)新型コロナ 国内で初確認から4年 感染と後遺症への対策が課題(NHK)2)多様なコロナ後遺症 国内発生4年 不明だった実態、徐々に明らかに(朝日新聞)3)コロナ後遺症、発症者の7割が女性 倦怠感が最多 民間病院調査(毎日新聞)4)働き盛りの女性がコロナ後遺症になりやすく 予防するには?(同)2.大学病院勤務医の教育・研究の「研鑽」は労働時間と通知/厚労省厚生労働省は、1月15日に「大学病院に勤務する医師の教育・研究活動に関連する「研鑽」を労働時間に含めるべき」とする通知を改正した。これは、医師の働き方改革の一環として行われたもので、2024年4月から勤務医の時間外労働に上限が設けられることに伴う措置。改正された通知では、大学病院勤務医の教育・研究活動が本来の業務に含まれることを明示し、これに関連する研鑽も労働時間に該当するとされた。具体的には、医学部生への講義、試験問題の作成・採点、学生の論文指導、入学試験や国家試験に関する事務などが含まれる。この改正は、教育・研究活動が自己研鑽として扱われることによる時間外労働の問題を解決するためのもので、医師と上司間のコミュニケーションを重視し、正しい理解を促すことを目的としている。参考1)医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」の一部改正について(厚労省)2)医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」の一部改正について 新旧対照表(同)3)大学病院勤務医、教育・研究の「研鑽」は労働に該当 厚労省が明示(朝日新聞)3.保険医療機関に対する指導・監査、不正請求で19.7億円返還/厚労省厚生労働省は、2022年度の保険医療機関と薬局に対する指導・監査の結果、不正請求などで保険指定が取り消された施設は計18件(取り消し相当を含む)であったことを明らかにした。厚労省の指導・監査によって、医療機関や薬局からの返還総額は約19.7億円となり、コロナ感染拡大の影響もあり前年度からは約28.7億円減少していた。取り消し処分を受けた施設の内訳は、医科7件、歯科9件、薬局2件で、医療保険者や医療機関の従事者からの通報・情報提供が処分のきっかけとなったケースが多かった。また、保険医や保険薬剤師の登録取り消しは計14人に上った。不正請求の内容は架空請求、付増請求、振替請求など多岐にわたり、監査は診療内容や診療報酬の請求に不正やいちじるしい不当が疑われる場合に実施された。指導・監査の実施件数は、個別指導が1,505件、新規個別指導が6,742件、適時調査が2,303件、監査が52件となっている。参考1)令和4年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について(厚労省)2)保険医療機関・薬局の指定取消計18件 22年度、返還19.7億円(CB news)3)不正請求等で18件・14人の医師等が保険指定取り消し等の処分、診療報酬20億円弱を返還-2022年度指導・監査(Gem Med)4.救急車の過剰利用に対策、非入院患者に7,700円徴収開始/松坂市三重県松阪市は、2024年6月1日から、市内の3つの基幹病院(松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院、松阪市民病院)に救急搬送されたが入院に至らなかった患者に対し、保険適用外の「選定療養費」として1件あたり7,700円(税込み)を徴収することを発表した。この措置は、救急車の過剰利用に歯止めをかけるために行われる。松坂市の救急車の出動件数は、2023年に過去最多の1万6,180件に達し、市は現行の医療体制が限界に近付いていると判断した。この新しい制度は、軽症者に救急車以外の選択肢を促し、医療従事者の負担軽減と緊急患者への適切な医療提供を目指している。ただし、紹介状を持参した患者や公費負担医療制度の対象者、医師の判断で必要とされる場合は徴収対象外とされる。参考1)6月から1件7,700円を徴収 救急車“便利使い”歯止め 三重・松阪市(夕刊三重)2)救急車はもはや“有料化”すべき? 出動件数「過去最高」というハードな現実、賛否渦巻くワケとは(Merkmal)3)三重・松坂の救急搬送、入院しなかったら「7,700円」徴収へ…出動急増で「助かる命が助からない」(読売新聞)5.脳神経外科の不適切な手術記録や説明不十分な日赤病院に対して改善指示/京都市京都市の京都第一赤十字病院の脳神経外科で、手術の説明や記録が不十分だった事例が発覚し、京都市は同病院に対して改善を求める行政指導を行った。この問題は、病院関係者からの通報を受け、京都市が立ち入り検査を実施した結果、明らかになったもの。市の調査では、脳腫瘍やくも膜下出血などの手術において、患者や家族への説明の不備や、医療安全管理委員会への報告不足が確認された。さらに、手術や治療後に患者が死亡した12件の重大なケースについても、市は再検証を要求している。京都第一赤十字病院は、行政指導を真摯に受け止め、適切に対応する意向を示している。参考1)手術説明不十分、京都第一赤十字病院に行政指導 患者死亡の重大事例12件も(産経新聞)2)京都第一赤十字病院、手術の説明や記録で不適切対応 京都市が行政指導(京都新聞)3)手術の説明や記録不十分 京都市が病院に改善求める行政指導(NHK)6.糖尿病を見落とし患者死亡、神戸徳洲会病院に改善命令/神戸市神戸市の神戸徳洲会病院で、70代の男性患者が糖尿病の治療を受けずに死亡した問題について、神戸市は医療法に基づく改善命令を出す方針を固めた。この患者は新型コロナウイルス感染症に感染し、肺炎の悪化により一時的に大学病院に転院した後、徳洲会病院に戻ったが、糖尿病の持病があるにも関わらず、主治医である院長がこれを見落とし、インスリンの投与などの必要な治療が行われていなかった。同病院は、この事態を内部で検証したが、結論を出さずに放置していたとされている。神戸徳洲会病院は、以前から安全管理体制に問題があり、昨年8月にはカテーテル治療を受けた別の患者が複数死亡した事件に関連して行政指導を受けていた。兵庫県内で医療法に基づく改善命令が出されるのはこれが初めて。参考1)糖尿病既往歴見落とし、入院患者死亡 神戸徳洲会病院に改善命令へ(毎日新聞)2)神戸徳洲会病院に市が改善命令へ 入院患者に糖尿病治療行わず(NHK)

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「GLP-1受容体作動薬ダイエット」に興味を持った患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第43回

■外来NGワード「あなたには使えません」(保険適用について説明せず)「この薬を使えば、痩せますよ!」(食事と運動療法について説明せず)■解説最近、「GLP-1ダイエット」という言葉が注目を集めています。SNSでは、単品ダイエット、脂肪燃焼スープ、食事時間制限、レモンコーヒーなどとともに、「GLP-1ダイエット」というワードが頻繁に検索されています。GLP-1受容体作動薬は、血糖依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン抑制や胃内容物排出遅延を介して血糖改善作用を発揮するだけでなく、食欲抑制を通じて減量効果も期待されます。肥満症を対象とした「セマグルチド(商品名:ウゴービ皮下注)」の適応は、高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病を有し、かつ食事療法や運動療法が不十分な場合、かつBMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害がある、またはBMIが35以上の患者に限定されています。ところが、「GLP-1ダイエット」では、「初診からオンラインで診察可能、自宅で手軽に実施でき、食事制限や運動不要で、太りにくい体質になる」などといった宣伝文句が並んでいます。一部には自己調整可能な投与量を強調するものも見受けられます。そのうえ、自由診療であるので価格が高額である一方で、副作用については詳細な説明が不足しています。その結果、副作用が発生した場合には、保険診療の医療機関を受診する必要が生じます。そして、自由診療においてGLP-1受容体作動薬が処方されることで、本来必要な糖尿病患者への供給が追いつかないとの指摘もあります。また、自由診療で処方された患者は、適切なライフスタイルの改善方法について充分な説明がなされていないため、薬を中止した際のリバウンドを心配しています。こうした「GLP-1ダイエット」の問題点について適切に理解し、説明することが重要です。■患者さんとの会話でロールプレイ患者この間、SNSを検索していたら、「GLP-1ダイエット」というのがでてきたのですが、どうですか?(糖尿病がない肥満者)医師最近、美容の世界や個人輸入している人もいるそうですね。患者痩せるんですか?医師正しく使えばね。ただし、自己流は禁物です。患者副作用はありますか?医師もちろん。薬ですから、副作用はありますよ。吐き気や嘔吐、胃腸障害など…。あと、専門家の指導のもとで薬の量を調整しないと、低血糖などで救急搬送された例もあるそうですよ。患者えっ、それ怖いですね。医師それに、薬を止めたら、体重がリバウンドするかもしれませんからね。患者確かに、ただ単に薬を飲むだけじゃ、痩せないということですね。医師そうです。こういった肥満症治療薬は食事療法と運動療法の補助として使います。そうすることがリバウンド予防になります。患者食事と運動はどんなことに気を付けたらいいですか?(興味深々)■医師へのお勧めの言葉「ただ、薬を飲むだけでは痩せることはできませんし、止めたらリバウンドは必至です。肥満症治療薬は食事療法と運動療法の補助として使います。その方が、最小限の薬になって副作用も少ないですし、薬を止めた際にもリバウンド予防につながります」 1)Ansari H UI H, et al. Endocr Pract. 2023:23;758-759.Endocr Pract. 2023 Nov 27.[Epub ahead of print]2)日本肥満学会、肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント3)最適使用推進ガイドラインセマグルチド(遺伝子組換え)

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インスリン療法を行っている妊娠中の糖尿病に、メトホルミンを追加することの意義は?(解説:小川大輔氏)

 妊娠前から2型糖尿病と診断されている方でも、妊娠後に糖尿病と診断された方でも、妊娠中の糖尿病の管理は食事療法とインスリン療法が基本となる。日本では妊婦に対するメトホルミンの投与は禁忌とされているが、海外では使用が可能となっている。糖尿病合併妊娠あるいは妊娠糖尿病患者を対象に、インスリン療法に加えてメトホルミンを追加した際の新生児期の有害事象に対する効果を検討した結果がJAMA誌に発表された1)。 米国17ヵ所の医療機関で、妊娠前に2型糖尿病と診断されている、または妊娠23週以前に妊娠糖尿病と診断されたインスリン治療中の被検者831症例を対象に、メトホルミン1,000mgを投与する群(メトホルミン群)と、プラセボを投与する群(プラセボ群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要アウトカムは周産期死亡、早産、新生児低血糖、在胎不当過大児あるいは在胎不当過少児、光線療法を必要とする高ビリルビン血症といった新生児複合有害事象であった。 多く認められた有害事象は早産、新生児低血糖、在胎不当過大児であり、主要アウトカムの発生率はメトホルミン群71%、プラセボ群74%と有意差はなかった。副次アウトカムも両群間で有意差を認めなかった。ただ、新生児複合有害事象の1つである、在胎不当過大児についてはメトホルミン群で有意にイベントが少なかった。著者らはこの効果について、さらなる検討が必要であると考察している。 今回の試験で、妊娠糖尿病あるいは2型糖尿病の妊婦に対し、メトホルミン追加投与による新生児有害アウトカムの抑制効果は示されなかった。インスリンを用いて厳格に血糖を管理すれば新生児の有害事象は減るので、その状況でメトホルミンを上乗せしてもさらなる効果は期待できないのかもしれない。しかし、インスリン療法にメトホルミンを追加することにより、新生児低血糖、在胎不当過大児、妊娠高血圧などのリスクが低下し、また早産や在胎不当過少児、周産期死亡などの有害事象は増加しないというメタ解析の報告もある2)。妊娠糖尿病でも肥満合併例やインスリン抵抗性の強い妊婦を対象として、インスリン療法にメトホルミンを併用する試験が行われることを期待したい。

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teplizumabの登場で1型糖尿病治療は新たなステージへ(解説:住谷哲氏)

 膵島関連自己抗体が陽性の1型糖尿病は正常耐糖能であるステージ1、耐糖能異常はあるが糖尿病を発症していないステージ2、そして糖尿病を発症してインスリン投与が必要となるステージ3に進行する1)。抗CD3抗体であるteplizumabはステージ2からステージ3への進行を抑制することから、8歳以上のステージ2の1型糖尿病患者への投与が2022年FDAで承認された。しかし、現実にはステージ2の1型糖尿病患者がすべて診断・管理されているわけではなく、臨床的に1型糖尿病を発症したステージ3の患者が多数を占めている。 teplizumabがステージ2と同様にステージ3の患者でも有効か否かについては、これまでに実施された複数の第I、II相臨床試験のメタ解析で、その有効性が示唆されていた2)。そこで実施されたのが第III相となる本試験PROTECT (Provention Bio’s Type 1 Diabetes Trial Evaluating C-Peptide with Teplizumab)である。 teplizumabは1コース12日間投与で26週後に2コース目が実施された。主要評価項目は、78週後に実施された食事負荷試験後のC-ペプチドAUCのベースラインからの変化量とされた。結果はプラセボ群に比較して、teplizumab投与群ではC-ペプチド値が有意に高値であった。副次評価項目であるインスリン投与量、HbA1cの変化量などには有意差を認めなかったが、主要評価項目が達成されたので本試験の結果はpositiveである。つまり、teplizumabは発症直後の1型糖尿病患者のβ細胞機能を維持する可能性があると考えられる。 わが国の1型糖尿病の発症率は欧米に比べると低い。欧米では2015年に1型糖尿病発症の自然史(ステージング)の概念が導入されたが、わが国では、ほとんど認知されていないのではないだろうか。1型糖尿病は発症予防可能な疾患になりつつある。わが国での発症率から考えて、ステージ2からステージ3への進行を抑制する薬剤としてのteplizumabが承認されなくても大きな問題はないだろう。しかし、teplizumabが発症直後の1型糖尿病患者のβ細胞機能保持薬として欧米で承認されれば、わが国でも早急に承認されることが期待される。

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肥満症へのチルゼパチドの効果、36週で中止vs.投与継続/JAMA

 過体重または肥満の集団において、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)/グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)共受容体作動薬であるチルゼパチドは、36週間の投与で20%以上の体重減少をもたらし、投与を中止すると体重が大幅に増加したが、投与継続により初期の体重減少を維持あるいはさらに増強することが、米国・Weill Cornell MedicineのLouis J. Aronne氏らが実施した「SURMOUNT-4試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年12月11日号に掲載された。36週の導入期間後に、投与継続とプラセボに無作為化 SURMOUNT-4試験は、4ヵ国(アルゼンチン、ブラジル、台湾、米国)の70施設が参加した第III相投与中止臨床試験であり、2021年3月~2023年5月に実施された(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。 本試験では、非盲検下にチルゼパチド(最大耐用量として10mgまたは15mg、週1回)を36週間皮下投与する導入期間の後、被験者を盲検下にチルゼパチドを継続する群またはプラセボに切り換える群に無作為に割り付け、52週間投与した。 対象は、BMI値が30以上、またはBMI値27以上で糖尿病を除く体重関連合併症(高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸、心血管疾患)を少なくとも1つ有する、年齢18歳以上の患者であった。 主要エンドポイントは、無作為化(36週目)から88週目までの52週間の体重の平均変化量とした。主な副次エンドポイントは、導入期間中の体重減少分の80%以上を88週目に維持していた患者の割合などであった。投与継続で体重がさらに5.5%減少 670例(平均年齢48歳、女性473例[70.6%]、白人80.1%、平均体重107.3kg、平均BMI値38.4、平均ウエスト周囲長115.2cm)が36週の導入期間を完了し、チルゼパチド継続群335例、プラセボ群335例に割り付けられた。チルゼパチド導入期間中に、体重は平均で20.9%減少した。 36週目から88週目までの体重の平均変化量は、プラセボ群が14.0%増加したのに対し、チルゼパチド継続群は5.5%減少し、有意な差を認めた(群間差:-19.4%、95%信頼区間[CI]:-21.2~-17.7、p<0.001)。 88週目に、導入期間中の体重減少分の少なくとも80%を維持していた患者の割合は、プラセボ群が16.6%(55例)であったのに対し、チルゼパチド継続群は89.5%(300例)と有意に優れた(p<0.001)。また、36週目から88週目までのウエスト周囲長の変化量は、プラセボ群が7.8cm増加したのに対し、チルゼパチド継続群は4.3cm減少し、有意に良好だった(p<0.001)。88週投与で体重25.3%減少、ウエスト22.4cm減少 0週目から88週目までに、体重(チルゼパチド継続群25.3%減少vs.プラセボ群9.9%減少、p<0.001)とウエスト周囲長(22.4cm減少vs.9.0cm減少、p<0.001)は、チルゼパチド継続群で有意に改善した。 36週目から88週目までに最も頻度の高かった有害事象は消化器イベントで、プラセボ群よりもチルゼパチド継続群で高頻度(下痢[10.7% vs.4.8%]、悪心[8.1% vs.2.7%]、嘔吐[5.7% vs.1.2%])であったが、多くが軽度~中等度だった。とくに注目すべき有害事象として、チルゼパチド継続群では悪性腫瘍(3例[0.9%]、プラセボ群も3例[0.9%])、主要有害心血管イベント(3例[0.9%])、重度または重篤な消化器イベント(6例[1.8%])、低血糖症(2例[0.6%])を認めた。 著者は、「これらの結果は、体重の再増加を予防し、体重減少の維持とこれに伴う心代謝系への有益性を保持するためには、チルゼパチドの投与を継続する必要があることを強調するものである」とし、「1年間プラセボに切り換えた後でも、体重が9.9%減少していた点は注目に値するが、心代謝系のリスク因子の最初の改善効果はほぼ消失しており、このような短期治療による長期の有益性とリスクを解明するために、さらなる研究を要する」と指摘している。

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妊娠糖尿病、インスリン+メトホルミン vs.インスリン単独/JAMA

 2型糖尿病を有するまたは妊娠初期に2型糖尿病と新規に診断された妊婦において、インスリン療法にメトホルミンを追加しても新生児の複合有害アウトカムは減少しなかった。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のKim A. Boggess氏らが、米国の17施設で実施した無作為化二重盲検第III相試験「MOMPOD試験」の結果を報告した。既往または妊娠初期に診断された2型糖尿病を有する妊婦には、インスリンの投与が推奨されるが、インスリンへのメトホルミンの追加により新生児の有害アウトカムが改善する可能性が示唆されていた。JAMA誌2023年12月12日号掲載の報告。妊娠22週までの2型糖尿病(新規診断を含む)を有する妊婦が対象 研究グループは2017年6月~2021年11月に、単胎妊娠10週0日~22週6日で2型糖尿病を有する、または23週より前にインスリンを必要とする糖尿病と診断された、18~45歳の成人女性を対象とした。施設、妊娠週数(18週未満、18週以上)、糖尿病診断時期(既往、妊娠初期)で層別化し、メトホルミン(1,000mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。全例がインスリンの投与を受け、それぞれ割り付けられた試験薬を出産まで1日2回経口投与した。 主要アウトカムは、周産期死亡(妊娠10~20週の胎児死亡、20週以上の死産、または出生後28日以内の新生児死亡)、妊娠37週以前の早産、新生児低血糖、出生時外傷(臍動脈pH<7.05、肩甲難産)、光線療法を必要とする高ビリルビン血症、在胎不当過大児、在胎不当過小児、2,500g未満の低出生体重児といった、新生児複合有害アウトカムであった。 事前に規定した副次アウトカムは、母体の低血糖と出生時の新生児脂肪量。また、主要アウトカムに関して、母体のBMIが30未満vs.30以上、2型糖尿病既往vs.妊娠初期の2型糖尿病診断、無作為化時の妊娠週数18週未満vs.18週以上23週未満で、サブグループ解析を行うことが事前に規定された。新生児複合有害アウトカムの発生率は71% vs.74% 2017年6月~2021年11月に、スクリーニングを受けた2,667例中831例が無作為化された。695例が出産し追跡調査を完了した後、データ安全性モニタリング委員会は無益性により試験の中止を勧告し、登録は同年11月に中止された。追跡調査は2022年5月に終了した。 無作為化された831例のうち、試験薬を少なくとも1回服用した794例が主要解析に組み入れられた(メトホルミン群397例、プラセボ群397例)。平均(SD)年齢は32.9(5.6)歳、234例(29%)が黒人、412例(52%)がヒスパニックであった。 主要アウトカムの発生は、メトホルミン群で280例(71%)、プラセボ群で292例(74%)に認められ、両群間に有意差はなかった(補正後オッズ比[OR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.63~1.19)。 両群において多く認められた主要アウトカムのイベントは、妊娠37週以前の早産(それぞれ34%、37%)、新生児低血糖(39%、42%)、および在胎不当過大児(26%、36%)であった。在胎不当過大児については、プラセボ群と比較したメトホルミン群でのイベントが少なかった(補正後OR:0.63、95%CI:0.46~0.86)。 事前に規定された副次アウトカム、ならびにサブグループ解析は、両群間で同等であった。 なお著者は、「インスリンへのメトホルミンの追加で観察された在胎不当過大児のオッズ比減少の効果については、さらなる検討が必要である」と述べている。

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Hybrid closed loop(HCL)療法は1型糖尿病合併妊娠においても有効である(解説:住谷哲氏)

 CGMが一般的になってTIR time in rangeも日頃の臨床でしばしば口にするようになってきた。TIRは普通70 -180mg/dLが目標血糖値とされているが、より厳格な血糖管理が要求される妊婦の場合は、これが63-140mg/dLに設定されている1)。1型糖尿病患者におけるHCL療法の有用性はほぼ確立されているが、1型糖尿病合併妊娠患者におけるエビデンスは、これまで存在しなかった。本試験によって、ようやくエビデンスがもたらされたことになる。 HCLシステムはCGM、インスリンポンプおよびそれを統合管理するアルゴリズムから構成される。本試験で用いられたのは、CGMがDexcomの Dexcom G6 (リアルタイムCGM)、インスリンポンプがSooilのDana Diabecare RS、そしてアルゴリズムがCamDiabのCamAPS(Cambridge Artificial Pancreas System) FX (version 0.3.71)、スマートフォンがSamsungのGalaxy S8-12(または本人希望の機種)が用いられた。従来治療群のほぼ全例がCGMを併用しており、さらに約半数がインスリンポンプ使用患者であった。目標血糖値は従来治療群で食前血糖値63-130mg/dL、食後1時間値140mg/dLとされた。一方、HCL群では目標血糖値は妊娠初期では100mg/dL、妊娠16週から20週では81-90mg/dL、それ以降分娩までは81mg/dLに設定された。 主要評価項目である目標血糖値63-130mg/dLの達成時間の割合の差である10.5%(約2.5時間に相当する)が臨床的にどれほどのインパクトを持つのだろうか? 先行する観察研究の結果からは、5%の差が母児の有害事象の減少と相関することが示されており2)、本研究で得られた10%の差が臨床的に意義のある可能性は高い。厳密には臨床的アウトカムをエンドポイントにしたRCTが必要であるが、膨大な時間と費用がかかることから実施される可能性は低いと思われる。 現在では、すべての1型糖尿病患者に対してHCLを推奨する流れになっている。より厳格な血糖管理が必要とされる1型糖尿病合併妊婦にとっても同様である。エビデンスとテクノロジーは十分にそろったといえる。

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新規発症1型糖尿病へのバリシチニブ、β細胞機能を維持/NEJM

 発症100日以内の10~30歳の1型糖尿病患者に対し、バリシチニブの48週間経口投与は、プラセボ投与と比較して、混合食負荷後のC-ペプチド濃度で測定したβ細胞機能を維持すると思われることが、オーストラリア・St. Vincent's Institute of Medical ResearchのMichaela Waibel氏らによる第II相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験で示された。バリシチニブなどJAK阻害薬は、サイトカインシグナル伝達を阻害することで、いくつかの自己免疫疾患に対して有効な疾患修飾薬である。バリシチニブが1型糖尿病のβ細胞機能を維持可能かどうかは明らかになっていなかった。NEJM誌2023年12月7日号掲載の報告。対プラセボで、2時間混合食負荷試験中のC-ペプチド濃度平均値を比較 研究グループは2020年11月~2022年2月に、オーストラリアの医療機関4ヵ所を通じて、1型糖尿病の診断後100日以内の10~30歳を対象に試験を開始した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはバリシチニブ(1日1回4mg)を48週間経口投与、もう一方にはプラセボを投与した。 主要アウトカムは、48週時点の2時間混合食負荷試験中の平均C-ペプチド濃度で、濃度-時間曲線下面積で算出した。副次アウトカムは、糖化ヘモグロビン値のベースラインからの変化、1日インスリン投与量、持続血糖モニタリングで評価した血糖コントロールの指標などだった。1日インスリン投与量、糖化ヘモグロビン値は両群同等 被験者総数は91例(バリシチニブ群は60例、プラセボ群は31例)だった。 48週時点の混合食負荷後平均C-ペプチド濃度の中央値は、バリシチニブ群は0.65 nmol/L/分(四分位範囲[IQR]:0.31~0.82)、プラセボ群0.43 nmol/L/分(0.13~0.63)だった(p=0.001)。 48週時点の1日インスリン投与量平均値は、バリシチニブ群0.41 U/kg/日(95%信頼区間[CI]:0.35~0.48)、プラセボ群で0.52 U/kg/日(0.44~0.60)だった。糖化ヘモグロビン値平均値も両群で同等だった。 一方で、48週時点の持続血糖モニタリングによる血糖値の変動係数平均値は、バリシチニブ群29.6%(95%CI:27.8~31.3)、プラセボ群33.8%(31.5~36.2)だった。 有害事象の発現頻度および重症度は両群で同程度で、重篤な治療関連有害事象は報告されなかった。

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糖質制限or脂質制限、向いている食事療法を予測/京都医療センター

 米国糖尿病予防プログラム(DPP)やフィンランド糖尿病予防研究では低脂肪食が糖尿病に有効との報告がある一方で、糖質制限が減量に有効であるとの報告もある。それでは、目の前の患者さんにどのような食事療法を指導していけばいいのだろうか。 この問題を解決するために、坂根 直樹氏(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室)らの研究グループは、PwCグループが開発した膵臓・肝臓・脂肪など臓器間のネットワークを含めたシミュレーションモデル(機序計算モデル)を用いて、糖尿病の食事療法の個別化分析を行った。PLOS ONE誌2023年11月30日号の報告。112例の糖質と脂質の割合を変えたシミュレーションを実施 糖尿病予防のための戦略研究J-DOIT1(研究リーダー:葛谷 英嗣氏)の2,607例(中央値4.2年のフォローアップ期間)のデータを用いた。生活習慣介入を受けた介入群(1,240例)から最も結果が良かった者と悪かった者を抽出し、それに合わせたデータセットを対照群(1,367例)から抽出した(合計112例)。体重とHbA1cの時間的変化について機序計算モデルを用いてシミュレーションを行った。生理学的なパラメーター(インスリン感受性など)とライフスタイルのパラメーター(食事摂取など)との関連性を評価した。最後に、体重減少と血糖改善のための個別に最適化されたダイエットを予測するためにシミュレーションを行った。 主な結果は以下のとおり。・本モデルを用いることで、生活習慣介入による体重とHbA1cの時間的変化(4年間)を、それぞれ1.0±1.2kgと0.14%±0.18%の平均予測誤差で予測することができた。・最も改善された生体標識と最も改善されなかった生体標識を持つ個人間では、モデル推定のエネルギーバランスに有意な差はみられず、エネルギーバランスだけでは体重の予測をする良い因子とはなり得なかった。・糖質と脂質の割合を変えたシミュレーションを行うことで、個別に糖質制限が向いているか、低脂肪食が向いているかを予測することができた。たとえば、被験者41が減量に成功(5~7%減)するには、炭水化物の割合を10~20%程度減らすとよいと予測されたのに対し、被験者44では炭水化物の割合ではなく、脂質を10~20%制限する必要があると予測された。・さらに、被験者41が減量だけでなく、血糖も改善(HbA1c0.1~0.2%減)するには脂質の割合を±20%程度に留めておく必要があると予測された。 この結果から坂根氏は「従来、平均化されたエビデンスから平均的な医療が提供されることが多かった。本モデルを用いることで、この人には緩やかな糖質制限、この人には脂質制限と糖尿病食事療法というように個別化できるようになる。さらに、極端に糖質制限をしなくとも、減量と血糖改善は可能であり、脂質はいくらでも増やしてもいいわけではないことも説明できる。今後は、このモデルを用いた生活習慣介入試験を実施する必要がある」と展望を語っている。

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ヴィーガン食の健康への影響を双子で比較すると…?

 ヴィーガン(完全菜食主義)食は環境負荷が低いだけでなく、健康にも良い影響を及ぼすことが報告されている。しかし、その多くは疫学研究に基づくものである。そこで、米国・スタンフォード大学のMatthew J. Landry氏らは、交絡を抑制するために一卵性双生児を対象とした臨床研究を実施し、ヴィーガン食の心代謝系への影響を検討した。その結果、ヴィーガン食は通常食と比べてLDLコレステロール(LDL-C)値、空腹時インスリン値、体重を有意に低下させた。本研究結果は、JAMA Network Open誌2023年11月30日号で報告された。 一卵性双生児22組44人(男性10人、女性34人)を対象とした単施設無作為化比較試験を実施した。双生児のうち片方をヴィーガン食を摂取する群(ヴィーガン食群)、もう一方を通常食を摂取する群(通常食群)に無作為に割り付け、8週間追跡した。1~4週時は提供した食品を摂取させ、5~8週時はそれぞれの群に適した食品を被験者に自ら用意させて摂取させた。主要評価項目は8週時におけるLDL-C値であった。副次評価項目は8週時における空腹時インスリン値、体重などであった。 主な結果は以下のとおり。・被験者の平均年齢(標準偏差[SD])は39.6(12.7)歳、平均BMI(SD)は25.9(4.7)であった。・主要評価項目の8週時におけるLDL-C値は、通常食群116.1mg/dLであったのに対し、ヴィーガン食群95.5mg/dLであり、ヴィーガン食群で有意に低下した(群間差:-13.9mg/dL、95%信頼区間[CI]:-25.3~-2.4、p=0.02)。・空腹時インスリン値と体重についても、ヴィーガン食群で有意な低下が認められた。詳細は以下のとおり。 -空腹時インスリン値:通常食群13.7μIU/mL、ヴィーガン食群10.5μIU/mL(群間差:-2.9μIU/mL、95%CI:-5.3~-0.4、p=0.03) -体重:それぞれ71.7kg、69.5kg(同:-1.9kg、-3.3~-0.6、p=0.01)

171.

肥満2型糖尿病患者に強化インスリン療法は必要か?(解説:住谷哲氏)

 本試験では基礎インスリンを投与しても、血糖コントロール目標が達成できない肥満2型糖尿病患者に対するチルゼパチド週1回投与と毎食前リスプロ投与による強化インスリン療法との有効性が比較された。結果は予想通り、HbA1c低下、体重減少、目標血糖値達成率、低血糖の回避のすべてでチルゼパチドが優れていた。 経口血糖降下薬のみでは血糖コントロール目標が達成できない場合の治療選択肢として、以前は基礎インスリンを併用するBOT basal-supported oral therapyが金科玉条であったが、現在では基礎インスリンを投与する前にGLP-1受容体作動薬(GIP/GLP-1受容体作動薬を含む)を追加投与することが推奨されている1)。しかし現在でもfirst injectionにGLP-1受容体作動薬ではなく基礎インスリンが選択されることが少なくない。その場合、まずは基礎インスリンを0.5U/kgまで増量する。それでも血糖コントロール目標が達成できない場合には、GLP-1受容体作動薬を併用しないのであれば、強化インスリン療法へ移行することになる。しかし肥満2型糖尿病患者における強化インスリン療法はもろ刃の剣であり、肥満の助長は避けては通れない。 本試験では、FBGはチルゼパチド群およびリスプロ群の両群で100-125mg/dLを目指してグラルギンを増量し、さらにリスプロ群では毎食前BG100-125mg/dLを目指してリスプロを増量するようにデザインされた。試験開始時のグラルギン投与量は両群で46U/日(0.5U/kg)であったが、チルゼパチド群ではグラルギン投与量は試験終了時52週後に13U/日(0.15U/kg)まで減少した。さらに15mg投与群では、19%の患者においてグラルギン投与が不要となった。一方、リスプロ群の52週でのグラルギン投与量は42U/日(0.45U/kg)、リスプロ投与量は62U/日(0.67U/kg)、1日総インスリン投与量は112U/日(1.2U/kg)となった。 筆者も強化インスリン療法で治療中の肥満2型糖尿病患者に、セマグルチドを併用することでインスリン投与から離脱した症例を経験したことがある。病態生理から考えても、高インスリン血症を伴っている可能性の高い肥満2型糖尿患者における強化インスリン療法には疑問がある。コストや有害事象などを考慮することが当然必要であるが、肥満2型糖尿病患者における強化インスリン療法は、基礎インスリンにGLP-1受容体作動薬を併用しても血糖コントロール目標が達成できない患者に対する最後の選択肢としての位置付けが適切だろう。

172.

アミロイド陽性アルツハイマー病患者の皮質萎縮に対する炭水化物制限の影響

 インスリンレベルを低下させる炭水化物制限は、アルツハイマー病(AD)発症を遅らせる可能性がある。炭水化物の摂取を制限するとインスリン抵抗性が低下し、グルコースの取り込みや神経学的健康が改善すると考えられる。ADの特徴は、広範な皮質の萎縮だが、アミロイドーシスが確認されたAD患者において、正味炭水化物摂取量の低下が皮質萎縮の軽減と関連しているかは、明らかとなっていない。米国・Pacific Neuroscience Institute and FoundationのJennifer E. Bramen氏らは、炭水化物制限を行っているアミロイド陽性アルツハイマー病患者を対象に、中程度~高度の炭水化物摂取の場合と比較し、皮質厚が厚いとの仮説を検証した。Journal of Alzheimer's Disease誌2023年10月号の報告。 アミロイド陽性アルツハイマー病患者31例を、正味炭水化物のカットオフ値130g/日に基づき2群に分類した。皮質厚は、FreeSurferを用いて、MRIのT1強調画像より推定した。皮質表面分析は、クラスタワイズ回帰分析を用いて、多重比較のために補正した。群間差異の評価には、両側独立サンプルt検定を用いた。交絡因子を考慮した連続変数として正味炭水化物を用い、線形回帰分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・正味炭水化物摂取量が低い群は、体性運動ネットワークおよび視覚ネットワークの皮質厚が有意に厚かった。・線形回帰では、正味炭水化物摂取レベルの低下は、前頭頭頂葉、帯状鞠膜、視覚ネットワークの皮質厚の厚さとの有意な関連が認められた。 著者らは「炭水化物制限は、AD患者の皮質萎縮を軽減する可能性がある。正味炭水化物摂取を130g/日未満に抑えることは、検証済みのMIND食を順守することにつながり、インスリンレベル低下による恩恵も受けることになるであろう」としている。

173.

統合失調症患者における抗精神病薬誘発性糖尿病性ケトアシドーシスのリスク評価~医薬品副作用データベース解析

 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、生命を脅かす重篤な状態であり、抗精神病薬により引き起こされる可能性がある。アジア人糖尿病患者は、白人と比較し、インスリン抵抗性が低いといわれている。これまでに報告されている抗精神病薬に関連したDKAの研究は、すべて欧米人を対象としているため、これらのデータが日本人でも同様なのかは、不明である。獨協医科大学の菅原 典夫氏らは、自発報告システムデータベースである日本の医薬品副作用データベースを用いて、抗精神病薬とDKAとの関連を分析した。その結果から、統合失調症患者のDKA発現にはオランザピン治療が関連していることが明らかとなった。とくに、男性患者において、DKAリスクが高いことも確認された。Journal of Psychosomatic Research誌オンライン版2023年10月19日号の報告。 2004年4月~2021年3月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出された有害事象報告書を用いて、レトロスペクティブにファーマコビジランスの不均衡分析を行った。対象集団は統合失調症患者7,435例であり、抗精神病薬に関連したDKAの報告は合計55件であった。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者のDKA症例55例のうち、DKA後の死亡した患者は3例(6%)であった。・DKAの兆候は、オランザピン治療後に報告されており、調整後報告オッズ比は有意であった(aROR:3.26、95%信頼区間[CI]:1.87~5.66)。・準選択法を用いた多変量ロジスティック回帰分析では、オランザピン治療症例1,399例において、DKA発現と関連していた因子は、男性であることだった(aROR:2.72、95%CI:1.07~6.90)。 結果を踏まえ、著者らは「本データは、統合失調症患者の抗精神病薬に関連するDKA発現を減少させるために、リスク管理やモニタリングに役立つであろう」としている。

174.

マクロ地中海食、乳がんの再発予防効果なし?

 いくつかの前向き研究で、食事の質の向上が乳がん患者の生存率改善と関連することが示唆されているが、乳がん特異的死亡率への影響については定まっていない。今回、イタリア・Fondazione Istituto Nazionale TumoriのFranco Berrino氏らがマクロ地中海食(地中海食に味噌や豆腐などの日本由来のマクロビオティックを取り入れた食事)による乳がん再発抑制効果を無作為化比較試験(DIANA-5試験)で検討したところ、再発抑制効果は示されなかった。しかしながら、推奨される食事の順守度による解析では、推奨された食事への変化率が上位3分位の女性では有意に予後が良好だったという。Clinical Cancer Research誌オンライン版2023年10月17日号に掲載。 本試験の対象は、再発リスクの高い(エストロゲン受容体陰性もしくはメタボリックシンドロームもしくは血中インスリン/テストステロン高値)乳がん患者1,542例で、食事介入群と対照群に無作為に割り付けた。食事介入群には、料理教室、コミュニティでの食事、食事推奨などで積極的に介入した。推奨される食品は全粒穀物、豆類、大豆製品、野菜、果物、ナッツ類、オリーブ油、魚などで、回避すべき食品は精製品、ジャガイモ、砂糖、デザート、赤肉、加工肉、乳製品、アルコール飲料である。食事順守の指標として、推奨される食品と回避すべき食品の差をDietary Indexとした。 主な結果は以下のとおり。・5年の追跡期間中に、食事介入群95例、対照群98例で乳がんが再発し(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.69~1.40)、差はみられなかった。・両群を合わせてDietary Indexの変化率が上位3分位の女性は、下位3分位の女性に対して、再発のHRが0.59(95%CI:0.36~0.92)であった。 著者らは「本結果は、今後の食事療法の研究において、推奨される食事をより順守し、無作為化した群間に十分な差別化を図ることの重要性を指摘している」としている。

175.

妊娠糖尿病に対する早期のメトホルミン投与の効果(解説:小川大輔氏)

 日本においてメトホルミンは「妊婦または妊娠している可能性のある女性」への投与は禁忌となっている。一方、海外ではメトホルミンは妊娠糖尿病に使用可能である。今回、妊娠糖尿病患者を対象に、妊娠早期からメトホルミン治療を開始する試験の結果がJAMA誌に発表された1)。 この試験はアイルランドの2ヵ所の医療機関で、妊娠28週以前に妊娠糖尿病と診断された被験者を登録して実施された二重盲検無作為化試験である。被験者510人(妊娠535件)を対象として、メトホルミンを投与する群(メトホルミン群)と、プラセボを投与する群(プラセボ群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要アウトカムは妊娠32週または38週時点での空腹時血糖高値(5.1mmol/L以上)、またはインスリン療法の開始であった。 主要複合アウトカムはメトホルミン群で56.8%、プラセボ群で63.7%と有意差を認めなかった(相対リスク:0.89、95%信頼区間[CI]:0.78~1.02、p=0.13)。母体に関する副次アウトカムのうち、インスリン開始までの時間、自己報告の毛細血管血糖コントロール、妊娠中の体重増加はメトホルミン群で有意に良好であった。新生児に関する副次アウトカムでは、出生時体重がメトホルミン群で有意に低値であった。 妊娠早期からのメトホルミン投与により、主要複合アウトカムは有意差がなかったが、インスリン療法の開始についてはメトホルミン群で38.4%、プラセボ群で51.1%と有意差を認めた(相対リスク:0.75、95%CI:0.62~0.91、p=0.004)。また、副次アウトカムでも妊娠中の血糖コントロールや母体の体重管理は、メトホルミン早期導入により改善することが示された。そのため今回の試験結果だけで、妊娠糖尿病に早期からメトホルミンを導入するべきではないと結論付けることは難しい。著者らが考察しているように、より規模の大きな臨床試験を行う必要があるだろう。 また、すべての妊娠糖尿病患者に早期からメトホルミンを投与する必要はないのかもしれない。インスリン分泌が低下しているのであれば早期からインスリン導入を検討するべきであるし、肥満を伴っていれば早期からメトホルミン投与を考慮してもよいだろう。今後試験デザインを再考し、対象となる症例を増やして妊娠糖尿病に対するメトホルミン早期導入の意義を検討する臨床試験が行われることを期待したい。 メトホルミンは妊娠中の血糖管理だけでなく、妊婦の体重増加や妊娠高血圧腎症などに有効かつ安全であることが報告されている2)。実臨床で血糖コントロールのために大量のインスリンを必要とし、体重管理に苦慮する妊娠糖尿病の症例をしばしば経験するので、日本でも妊娠糖尿病でメトホルミンが投与できるようになることを願う。

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11月14日 世界糖尿病デー【今日は何の日?】

【11月14日 世界糖尿病デー】〔由来〕糖尿病の治療に欠かせない「インスリン」を発見したカナダの医師フレデリック・バンティングの誕生日にちなみ、2006年に国際連合は11月14日を「世界糖尿病デー」に認定。世界各地で糖尿病の予防、治療、療養について啓発活動を行っている。わが国でも全国で糖尿病啓発などに関するイベントが開催されるほか、東京タワーや大阪城などの有名建築物が糖尿病のシンボルカラーのブルーでライトアップされている。関連コンテンツ高齢者糖尿病診療のコツDr.坂根の糖尿病外来NGワードDr.坂根のすぐ使える患者指導画集 Part2日本人2型糖尿病でのチルゼパチドの効果、GLP-1RAと比較/横浜市立大チルゼパチド追加の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」改訂版/日本糖尿病学会

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チルゼパチド追加の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」改訂版/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)は、11月2日に同学会のホームページで「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム 改訂版」を公開した。このアルゴリズムは、2022年9月に2型糖尿病治療の適正化を目的に初版が公開された。今回の改訂版では、チルゼパチドが追加された。主な改訂点は次のとおり。・Fig.2のStep1:病態に応じた薬剤選択における肥満[インスリン抵抗性を想定]の最後にチルゼパチドを追記。・「インスリン分泌不全、抵抗性は、糖尿病治療ガイドにある各指標を参考に評価し得る」の文言は改訂前より記載していたが、より病態を正確にとらえるための情報として「インスリン抵抗性はBMI、腹囲での肥満・内臓脂肪蓄積から類推するが、HOMA-IRなどの指標の評価が望ましい」を追記。・Step2:安全性への配慮、における「例2)腎機能障害合併者には、グリニド薬を避ける」と記載されていた箇所に「腎排泄型の」と追記。・Step2:安全性への配慮、における「例3)心不全合併者にはビグアナイド薬、チアゾリジン薬を避ける(禁忌)」と記載されていた順番を、「チアゾリジン薬、ビグアナイド薬」に入れ替え。・Fig.2の最下段に「目標HbA1cを達成できなかった場合は、Step1に立ち返り」と記載されていたのを「冒頭に立ち返り、インスリン適応の再評価も含めて」に改訂。・別表においては、チルゼパチドを追記したのに加え、考慮すべき項目に「特徴的な副作用」と「効果の持続性」の2つを追記。・本文でもチルゼパチドや特徴的な副作用など、図、別表の改訂に関する追記に加えて、アルゴリズムの図には記載されていないが、考慮すべき併存疾患として本改訂から非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を取り上げた。・インスリンの絶対的適応と相対的適応、血糖コントロール目標における熊本宣言2013や高齢者糖尿病の血糖コントロール目標などについても詳細を追記。

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1型DM、週1回insulin icodec vs.1日1回インスリン デグルデク/Lancet

 1型糖尿病の成人患者において、週1回投与のinsulin icodec(icodec)は26週時の糖化ヘモグロビン値(HbA1c)低下に関して、1日1回投与のインスリン デグルデクに対し非劣性であることが認められたが、臨床的に重大な低血糖または重症低血糖の合併が有意に高率であった。英国・Royal Surrey Foundation TrustのDavid Russell-Jones氏らが、12ヵ国の99施設で実施された52週間の無作為化非盲検第IIIa相試験「ONWARDS 6試験」の結果を報告した。著者は、「1型糖尿病の特性を考慮すると、基礎インスリン注射を毎日から週1回に変更することは困難な可能性があるが、持続血糖モニタリングのデータとリアルワールド研究のさらなる解析により、icodec週1回投与の低血糖リスク軽減のための投与量調節に関する洞察が得られる可能性はある」とまとめている。Lancet誌2023年10月17日号掲載の報告。1型糖尿病患者約600例を無作為化 研究グループは、インスリン治療歴が1年以上でHbA1c値が10.0%未満の1型糖尿病成人患者を、icodec週1回皮下投与群(icodec群)またはインスリン デグルデク1日1回皮下投与群(デグルデク群)に、1対1の割合に無作為に割り付けた。両群とも、インスリン アスパルト(1日2回以上、食直前皮下投与)との併用下で、52週間(icodecの最終投与は51週目)投与した。なお、本試験は、スクリーニング期間2週間、治療期間52週間(主要評価期間26週間、安全性延長期間26週間)、追跡期間5週間で構成された。 主要エンドポイントは、26週時におけるベースラインからのHbA1cの変化量で、無作為化されたすべての患者を解析対象とし、非劣性マージンを両群の差の95%信頼区間(CI)の上限が0.3%未満とした。 2021年4月30日~10月15日に655例がスクリーニングされ、このうち582例がicodec群(290例)またはデグルデク群(292例)に割り付けられた。全例が1回以上試験薬の投与を受け、有効性および安全性の解析対象集団となった。26週時点で血糖コントロール改善は同等だが、臨床的に重大な低血糖はicodecで多い icodec群およびデグルデク群のHbA1c値は、ベースラインでそれぞれ7.59%、7.63%から、26週時には推定平均変化量として0.47%、0.51%低下した。推定平均変化量の群間差は0.05%(95%CI:-0.13~0.23)であり、icodec群のデグルデク群に対する非劣性が確認された(p=0.0065)。 ベースラインから26週時までの臨床的に重大な低血糖(54mg/dL未満)または重症低血糖の発生頻度は、icodec群19.9件/人年、デグルデク群10.4件/人年で、icodec群が統計学的に有意に高かった(推定率比:1.9、95%CI:1.5~2.3、p<0.0001)。57週時の評価においても、icodec群ではデグルデク群と比較し臨床的に重大な低血糖または重症低血糖の発生頻度が統計学的に有意に高かった(17.0件/人年vs. 9.2件/人年、推定率比:1.8、95%CI:1.5~2.2、p<0.0001)。 重篤な有害事象は、icodec群で24例(8%)に39件、デグルデク群で20例(7%)に25件報告された。icodec群で頭蓋内出血による死亡が1例認められたが、icodecとの関連性は低いと判断された。

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1型DMへのteplizumab、β細胞機能を有意に維持/NEJM

 新規診断の1型糖尿病の小児・青少年患者において、抗CD3モノクローナル抗体のteplizumab(12日間投与の2コース)は、β細胞機能の維持(主要エンドポイント)に関してベネフィットがあることが示された。ただし、インスリン用量、糖化ヘモグロビン値などの副次エンドポイントに関しては、ベネフィットが観察されなかった。英国・カーディフ大学のEleanor L. Ramos氏らが、第III相の無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。teplizumabは、8歳以上のステージ2の1型糖尿病患者に対し、ステージ3への進行を遅らせるための投与が米国FDAに承認されている。新規診断の1型糖尿病患者におけるteplizumabの静脈内投与が疾患進行を抑制するかについては不明であった。NEJM誌オンライン版2023年10月18日号掲載の報告。78週後の負荷C-ペプチド値でβ細胞機能を評価 研究グループは、2019年3月~2023年5月にかけて、米国、カナダ、欧州の医療機関61ヵ所で、6週間以内に診断を受けた8~17歳のステージ3の1型糖尿病患者を対象に試験を行い、teplizumabまたはプラセボの12日間投与・2コースを比較した。 主要エンドポイントは、78週時点の負荷C-ペプチドの測定値でみたβ細胞機能のベースラインからの変化だった。重要な副次エンドポイントは、血糖値目標達成に要したインスリン用量、糖化ヘモグロビン値、血糖値目標範囲内の時間、臨床的に重要な低血糖イベントだった。C-ペプチドのピーク値維持はteplizumab群95%、プラセボ群80% 78週時点で、teplizumab群(217例)は、プラセボ群(111例)に比べ、負荷C-ペプチド値が有意に高かった(最小二乗平均群間差:0.13pmol/mL、95%信頼区間[CI]:0.09~0.17、p<0.001)。0.2pmol/mL以上の臨床的に有意なC-ペプチドのピーク値を維持した患者の割合は、teplizumab群が94.9%(95%CI:89.5~97.6)であったのに対し、プラセボ群では79.2%(67.7~87.4)だった。 重要な副次エンドポイントについて、両群で有意差はなかった。 有害事象は、主にteplizumabまたはプラセボの投与に関するもので、頭痛、消化器症状、発疹、リンパ球減少、軽度のサイトカイン放出症候群などだった。

180.

2型DM基礎インスリンへの追加、チルゼパチドvs.インスリン リスプロ/JAMA

 基礎インスリン療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者において、インスリン グラルギンへの追加治療として週1回のチルゼパチドは、食前追加インスリンと比べてHbA1c値の低下および体重減をもたらし、低血糖症の発現もより少なかったことが、米国・Velocity Clinical ResearchのJulio Rosenstock氏らによる第IIIb相国際多施設共同非盲検無作為化試験「SURPASS-6試験」で示された。チルゼパチドは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドおよびグルカゴン様ペプチド-1(GIP/GLP-1)受容体作動薬であり、2型糖尿病の治療に用いられているが、これまで上記患者の追加インスリン療法として食前追加のインスリンと比較した有効性と安全性については明らかにされていなかった。JAMA誌オンライン版2023年10月3日号掲載の報告。52週時のHbA1c値のベースラインからの変化量を評価 SURPASS-6試験では、インスリン グラルギンへの追加インスリン療法として、チルゼパチドvs.インスリン リスプロの有効性と安全性を評価した。15ヵ国(アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、チェコ共和国、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、メキシコ、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、トルコ、米国)の135施設で、2020年10月19日~2022年11月1日に基礎インスリン治療を受ける2型糖尿病患者1,428例を登録して行われた。 研究グループは被験者を、1対1対1対3の割合で次の4群に無作為化した。(1)週1回チルゼパチド5mgを皮下注射(243例)、(2)同10mgを皮下注射(238例)、(3)同15mgを皮下注射(236例)、(4)1日3回食前にインスリン リスプロを皮下注射(708例)。 主要アウトカムは、52週時点のHbA1c値のベースラインからの変化量でみた、インスリン グラルギンに加えたチルゼパチド(統合コホート)の同インスリン リスプロに対する非劣性(非劣性マージン0.3%)であった。重要な副次エンドポイントとして、体重の変化量、HbA1c値7.0%未満達成患者の割合を評価した。HbA1c値の変化量、チルゼパチド-2.1%、インスリン リスプロ群-1.1% 無作為化された1,428例(女性824例[57.7%]、平均年齢58.8歳[SD 9.7]、平均HbA1c値8.8%[SD 1.0%])のうち、1,304例(91.3%)が試験を完了した。 52週時点で、チルゼパチド(統合コホート)群vs.インスリン リスプロ群のHbA1c値のベースラインからの推定平均変化量は、-2.1% vs.-1.1%であり、HbA1c値は6.7% vs.7.7%となった(推定治療差:-0.98%[95%信頼区間[CI]:-1.17~-0.79]、p<0.001)。結果は非劣性基準を満たすもので、統計学的優越性も示された。 体重のベースラインからの推定平均変化量は、チルゼパチド群-9.0kg、インスリン リスプロ群3.2kgであった(推定治療差:-12.2kg[95%CI:-13.4~-10.9])。 HbA1c値7.0%未満達成患者の割合は、チルゼパチド群68%(483/716例)、インスリン リスプロ群36%(256/708例)であった(オッズ比[OR]:4.2[95%CI:3.2~5.5])。 チルゼパチド群で最もよくみられた有害事象は、軽症~中等症の消化器症状(悪心:14~26%、下痢:11~15%、嘔吐:5~13%)であり、低血糖症(血糖値<54mg/dLまたは重症低血糖症)の発現頻度は、チルゼパチド群0.4件/患者年、インスリン リスプロ群4.4件/患者年であった。

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