サイト内検索|page:40

検索結果 合計:784件 表示位置:781 - 784

781.

グリタゾン系薬剤は糖尿病合併心不全患者の予後増悪?:体系的レビュー

慢性心不全患者ではHbA1c低値が予後増悪の予知因子と報告されているが、予後を増悪させているのはチアゾリジン誘導体(グリタゾン系薬剤)で、メトホルミンではそのようなおそれが少ないことが示唆された。Institute of Health Economics(カナダ)のDean T. Eurich氏らがBMJ誌8月30日付けHPにて早期公開論文として報告した(その後本誌では9月8日号にて掲載)。メトホルミンでは増悪認めずEurich氏らは、血糖低下薬と死亡・入院の関係を糖尿病合併心不全患者で検討しており、チェックリストにより一定の質が認められた8試験(13論文)のデータを体系的にレビューした。その結果、まずインスリンは心不全患者の総死亡を増加させていた可能性が示唆された。SU剤も同様の可能性が示された。一方メトホルミンは、SU剤などと比較した2試験15,763例をプール解析したところ、「全入院」のリスクが有意に低下していた(オッズ比:0.85、95%信頼区間:0.76~0.95)。一方、グリタゾン系薬剤をSU剤などと比較したプール解析(4試験、22,476例)では、「全入院」のリスクがグリタゾン系薬剤群で有意に増加していた(オッズ比:1.13、95%信頼区間:1.04~1.22)。Eurich氏らは、ロシグリタゾンによる心不全増加が近年示唆されている点などを指摘しながら、「現状では心不全患者の予後を増悪させない唯一の血糖降下薬はメトホルミンである」と結論している。なお、米国医師会雑誌(JAMA)9月12月号に掲載されたWake Forest University(米国)のCurt Furberg氏らによるメタ解析は、当初Cleveland Clinic(米国)のSteven Nissen氏らによるメタ解析が見いだしたロシグリタゾンによる心イベント増加を否定している。Eurich氏らも述べているが、メトホルミンとグリタゾン系薬剤の直接比較が必要であろう。(宇津貴史:医学レポーター)

782.

インスリン不使用2型糖尿病患者では血糖値自己測定の有用性に疑問符

血糖値を自己測定しても血糖コントロールは改善されない可能性が示唆された。イギリス・オックスフォード大学のAndrew Farmer氏らが無作為化オープン試験であるDiGEM(Diabetes Glycemic Education and Monitoring)スタディの結果としてBMJのサイトにて早期公表した(6月25日付オンライン版、本誌掲載は7月21日号)。 血糖値の自己測定を推奨している米国糖尿病学会(ADA)による2007年ガイドラインなどを見直す必要性が示唆された形となった。1週間に2回血糖値を自己測定本スタディでは、インスリンを使用していない2型糖尿病患者を対象に、通常の血糖コントロール(通常治療群:152例)と、1週間に2日、3回/日(空腹時×1、食事2時間前・食後2時間値のいずれか×2)の血糖自己測定がHbA1cに及ぼす影響が比較された。血糖自己測定群はさらに、血糖測定後に低血糖または高血糖が認められた時に医師とコンタクトをとる「単純自己測定群」(150例)と、血糖値に応じた対処法を指導される「積極的自己測定群」(151例)に無作為化されている。対象患者の平均年齢は65.7歳、罹病期間中央値は3年間、HbA1c平均値は7.5%だった。1年後のHbA1cに有意差なし1次評価項目である1年後のHbA1c値は、しかし、3群間に有意差はなく、通常治療群7.49%、単純自己測定群7.28%、積極的自己測定群7.36%という結果だった(p=0.12)。試験開始時からの変化率で比較しても、3群間に有意差はなかった(p=0.38)。本試験の対象のように、すでにかなり良好な血糖コントロールが得られているインスリン不使用の2型糖尿病患者では、コスト等を考えるとルーチンな血糖自己測定は推奨できない──と筆者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

783.

女性における非空腹時TG値は心血管イベントとの強い関連示す

食後高トリグリセリド(TG)血症はアテローム性動脈硬化症を引き起こす重要な役割を果たす可能性がある、など論争の的になっているTG値と心血管疾患との関連について、アメリカ・ボストンのブリガム&ウーマン病院Sandeep Bansal氏らの研究グループが研究報告を行った。JAMA誌7月18日号の掲載報告から。米国女性26,509例を対象とした前向き研究Bansal氏らが行ったのは、空腹時と非空腹時それぞれのTG値と将来的な心血管イベントリスクとの関連を評価するというもの。Women's Health Studyに健康状態良好で参加登録した米国女性26,509例(1992年11月~1995年7月の間に登録、追跡調査期間中央値11.4年)を対象とした前向き研究で、TG値は、登録時の血液サンプル測定値が用いられた(空腹時群20,118例、非空腹時群6,391例)。主要評価項目は心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的虚血性発作、冠動脈再建または心血管死亡)の発生ハザード比。追跡期間中央値11.4年の間に心血管イベントを経験した参加者は1,001例(非致死的心筋梗塞276例、虚血性発作265例、冠動脈再建628例、心血管死亡163例)で、総発生率は3.46/1,000人年だった。空腹時TG値は独立した関連性を示さない空腹時群および非空腹時群の各TG値からの心血管イベントの予測は、年齢、血圧、および喫煙とホルモン療法について加味した補正後モデルにおいては、いずれも可能だった。しかし、さらに総コレステロール、HDLコレステロール、インスリン抵抗性を加味した補正後モデルでは、空腹時群TG値と心血管イベントとの関連は弱まってしまった。これに対して非空腹時群では強い関連を示し続けた。また2次解析の結果、食後2~4時間での測定TG値が、最もよく心血管イベントとの関連を示し、空腹時間が長くなるほど減少することも明らかとなった。これら結果からBansal氏らは、女性において、非空腹時TG値は、従来の心血管リスク因子や他の脂質レベル、インスリン抵抗性マーカーとは別個の、心血管イベントとの関連を示す強力な因子であると結論づけた。なお同日号で、「男性および女性における非空腹時TG値と心筋梗塞、虚血性心疾患および死亡とのリスク」と題するデンマークからの報告も寄せられており、合わせて読むと知見が深まる。(武藤まき:医療ライター)

784.

肥満児への体重管理プログラム介入の成果

米国では小児肥満が「蔓延」している状況にあり、2型糖尿病を含む共存症の原因となっている。肥満児の大半は肥満したまま成人になるため、若年で重篤な代謝性疾患を来すことも懸念される。この重大な健康問題に対処するため効果的な小児科学的介入が欠かせなくなっている。 エール大学医学部臨床研究センターのMary Savoye氏らは、肥満児に対する体重管理プログラムの介入を集中的に行った結果、体重、BMI、体脂肪、HOMA-IRなどで改善効果が得られたとする発表を行った。JAMA誌6月27日号からの報告。 体重管理プログラムと臨床的カウンセリングを無作為割り付けMary Savoye氏らは、体重管理プログラム(Bright Bodies)介入が肥満児の体脂肪蓄積と代謝性疾患に及ぼす影響を、対照群と比較しながら無作為化臨床試験を行った。参加者の募集と追跡調査はコネチカット州ニューヘーヴン市にあるエール小児肥満クリニックが担当、運動プログラムには日本製のダンスゲームが使われた。対象は、8歳から16歳までの様々な人種から、年齢・性別でBMI値が 95パーセンタイル値以上の者が選ばれ、体重管理群と対照群に割り付けられた。トータルで135例(60%)が6ヵ月間、119例(53%)が12ヵ月間の介入・追跡調査を受けた。介入は、体重管理群(n=105)は運動、栄養改善と行動変容を目的とした家族ぐるみの集中的なプログラムを、対照群(n=69)は従来型の臨床的体重管理カウンセリングを受けた。最初の6ヵ月は隔週で、その後は隔月に実施された。12ヵ月継続で体成分、インスリン抵抗性など改善の有効性を確認体重管理群と対照群の体重、BMI、体脂肪、HOMA-IRの変化を12ヵ月時点で測定した結果は次の通りで(平均値、[95%信頼区間])、Savoye氏らは、「Bright Bodies体重管理プログラムを12ヵ月継続した肥満児で、体成分やインスリン抵抗性の改善効果が得られた」と報告した。・体重(+0.3kg[-1.4~2.0]対+7.7kg[5.3~10.0])・BMI(-1.7[-2.3~-1.1]対+1.6[0.8~2.3])・体脂肪(-3.7kg[5.4~-2.1]対+5.5kg[3.2~7.8])・HOMA-IR(-1.52[-1.93~-1.01]対+0.90[-0.07~2.05])(朝田哲明:医療ライター)

検索結果 合計:784件 表示位置:781 - 784