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糖尿病は前立腺がんの死亡リスクを2割以上増加させる

 2型糖尿病が前立腺がんによる死亡と全死因死亡のリスク増加に関連していることが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のLeah Bensimon氏らの大規模コホート研究で示唆された。著者らは、さらに「高インスリン血症などの糖尿病関連の代謝障害が、がんの悪性度と関連しているかもしれない」としている。Cancer causes & control誌オンライン版2014年1月3日号に掲載。 この研究は、英国における4つのデータベース(the National Cancer Data Repository、the Clinical Practice Research Datalink、the Hospital Episodes Statistics database、the Office for National Statistics database)を結合して実施した。1998年4月1日~2009年12月31日に新たに非転移性前立腺がんと診断された男性を2012年10月1日まで追跡した。2型糖尿病患者とそれ以外の患者を比較し、前立腺がんによる死亡および全死因死亡の調整ハザード比と95%信頼区間(CI)をCox比例ハザードモデルにて算出した。すべてのモデルを過度の飲酒、喫煙、合併症、前立腺がん関連変数を含む、多くの潜在的な交絡因子で調整した。 主な結果は以下のとおり。・コホートは1万1,920例で、そのうち当初から2型糖尿病であった患者は1,132例(9.5%)であった。・平均追跡期間4.7年(SD:3.0年)の間の死亡例は3,605例(6.4%/年)であり、そのうち前立腺がんによる死亡が1,792例(3.3%/年)であった。・2型糖尿病は、前立腺がんによる死亡リスクにおける23%の増加(HR:1.23、95%CI:1.04~1.46)、全死因死亡リスクにおける25%の増加(HR:1.25、95%CI:1.11~1.40)と関連していた。

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うつ病と糖尿病の合併患者、臨床像は発症時期により異なる

 うつ病と2型糖尿病併存の臨床像は、うつ病が糖尿病より先行しているか、糖尿病発症後にうつ病を発症したかによって、大きく異なることが明らかにされた。オーストラリア・西オーストラリア大学のDavid G. Bruce氏らが、Fremantle Diabetes Study Phase IIの被験者について、分析を行い報告した。結果を踏まえて著者は、「時間的パターンに留意することで、2型糖尿病患者におけるうつ病の、病因、診断や治療の研究を前進させることに結びつくだろう」と結論している。PLoS One誌2013年12月号の掲載報告。 研究グループは、住民ベースの観察研究Fremantle Diabetes Study Phase IIの2型糖尿病患者を対象とした。被験者は、うつ病(lifetime depression)の評価をBrief Lifetime Depression Scale(本研究のために開発・検証したスケール)を用いて受けており、最近のうつ症状(Patient Health Questionnaire-9;PHQ-9)と抗うつ薬の使用に関する情報も補足して分析した。 主な結果は以下のとおり。・評価は、患者1,391例(平均年齢65.7±11.6歳、男性51.9%)を4群に層別化して行った。第1群「非うつ病群」58.7%、第2群「糖尿病診断前にうつ病を診断されていた群」20.8%、第3群「うつ病と糖尿病を2年以内に診断されていた群」6.0%、第4群「糖尿病診断後にうつ病を診断された群」14.5%であった。・第2群「糖尿病診断前うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値15.6年前で発症時の年齢は37.2±14.7歳であった。・この第2群の患者の臨床的特徴は、セルフケア行動の減退、症候性末梢動脈疾患が多くみられることを除いて、非うつ病患者と類似していた。・第4群「糖尿病診断後うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値9.9年後で発症時の年齢は59.8±13.0歳であった。・この第4群の患者の糖尿病罹患期間は長く、血糖コントロールが不良で、より強化された治療を受けており、糖尿病性合併症を多く有していた。・また第4群は第2群患者よりも現在うつ病を有している患者が多く、しかし抗うつ薬を投与されている患者は少ない傾向がみられた。・以上のように、うつ病と2型糖尿病の臨床像は、それらの時間的関係性によってさまざまであることが示された。これらの知見は、糖尿病患者におけるうつ病の発症には複数のパターンがあり、それが診断と治療において重要な意味を持つことが示唆された。関連医療ニュース SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 「糖尿病+うつ病」に対する抗うつ薬の有効性は“中程度” 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

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ピーナッツを食べると長生き(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(162)より-

アーモンド、ピーナッツ、栗、クルミ、落花生などのナッツ類は、不飽和脂肪が豊富で、かつカリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラル、それにビタミンも多く含まれる栄養価の高い食べ物であることが知られている。 事実、内皮機能の改善やインスリン抵抗性を改善するという報告もある。本論文はナースヘルス追跡研究という約7万6,000人の女性を対象とした追跡調査と、ヘルスプロフェッショナル研究という約4万2,000人の男性を対象とした追跡研究という2つの大規模な疫学研究をまとめた結果で、ナッツ消費量多いほど死亡率が少ないという結論を示した。 ナッツを多く食べる人は、摂取量が少ない人にくらべて、ビタミン剤や果物、野菜の摂取が多く、かつ肥満が少なく、活動量も多いなどの交絡因子が数多くあるが、これらの因子で補正してもなお、死亡率は少ないという結果であった。また不健康な人、慢性疾患のある人はナッツなどは食べることができないといった因果の逆転もありうるが、本試験では悪性腫瘍や心疾患を有する例は試験参入から除外しているという。 ナッツはカロリー価が高いために、肥満を恐れて避ける人もいるが、本研究での結果は意外にも、ナッツ消費量の多い人ではむしろ体重は減少していたという。 DASH食はカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを多く摂り、飽和脂肪酸接収を減らすことで高血圧を予防することが知られているが、ナッツはそれと類似の効果があると考えられる。ただし今回の試験では塩分の摂取量は調査されておらず、テレビをみながら塩ピーナッツにビールの効果には言及していない。

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HbA1cの改善に加え患者QOLも向上―DPP-4阻害薬へのグラルギンの併用エビデンス(ALOHA2)

サノフィ株式会社池田勧夫氏近年DPP-4阻害薬は日本で急速に普及してきたが、DPP-4 阻害薬を含む経口血糖降下薬(OHA)を服用しても良好な血糖コントロールが得られない場合がある。そこで、池田氏らは、DPP-4 阻害薬を含むOHAで血糖コントロールが目標に達していない日本人の2 型糖尿病患者を対象にインスリン グラルギン(以下、グラルギン)を追加し、24週間観察した前向き研究(ALOHA 2)を行った。その結果が国際糖尿病連合の世界糖尿病会議(12月2~6日、メルボルン)で発表され、グラルギンの追加でHbA1cが大きく低下するだけでなく、治療満足度が有意に改善することが明らかとなった。OHA2剤でグラルギンを始めるケースが最も多い本研究の対象となったのは、これまでOHAによる治療を受け、グラルギンを開始する4 週間前のHbA1c が6.5%以上だった20歳以上の2,602例。これまでインスリンによる治療を受けたことがなく、経口薬への追加でグラルギンを開始し、24週まで継続した症例をBOT 群とした。BOT 群は1,629 例。観察期間は24 週間。BOT群のベースラインの患者背景は年齢が61.8 歳、HbA1cは9.58%、FPGは2 0 4.6 mg/dL、2 時間P PGは272.8mg/dL。糖尿病罹患期間は10年未満が3 4.7%、10~15年が19.5%、15年以上が23.9%、併存疾患は糖尿病性神経障害が22.5%、糖尿病性網膜症が14.6%、糖尿病性神経障害が14.9 %、高血圧が47.8%、脂質異常症が51.9% など。またベースラインで使用されていたOHAの数は、1 種類が29.3%、2 種類が34.8%、3 種類が26.9%、4種類が9.1%であり、観察期間中に高頻度に併用されたOH Aはスルホニル尿素薬が71.5%、DPP-4 阻害薬が60.7%、ビグアナイド薬が4 8.6 %などであった(表1)。画像を拡大するHbA1cはベースラインから1.6%低下、空腹時血糖値だけでなく食後血糖値も大きく改善基礎インスリンとDPP-4 阻害薬の併用療法は、2 型糖尿病患者の空腹時血糖値(FPG)と食後血糖値(PPG)の両方を管理し、良好な血糖コントロールが得られる治療法として注目されているが、本研究ではグラルギンの追加によりHbA1cがベースラインから最終評価時までで1.61%有意に低下していた(p

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自動停止機能付きインスリンポンプ治療は無自覚性低血糖がある1型糖尿病患者の重症低血糖を減らす(コメンテーター:荒木 厚 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(153)より-

DCCT研究により、1型糖尿病患者の厳格な血糖コントロールは糖尿病細小血管症を減らすが、頻回インスリン注射やインスリンポンプで治療した強化治療群では重症低血糖が多くなることが指摘された。この重症低血糖の原因の一つとして、無自覚性低血糖があり、1型糖尿病患者の約3分の1に見られる。無自覚性低血糖は、血糖値が60~70mg/dL以下になっても低血糖症状が消失するため、その対処がうまくいかず重症低血糖につながりやすい。無自覚性低血糖に対する対策としては、血糖認識トレーニングやリアルタイム持続ブドウ糖モニター(CGM)による警告などがあるが、重症低血糖を防ぐには未だ十分ではない。 本研究では、無自覚性低血糖を起こす1型糖尿病患者を対象に、自動停止機能付きインスリンポンプを用いた治療(自動停止ポンプ群)が、通常のインスリンポンプによる治療(標準ポンプ群)と比較し、人の助けを必要とする中等度低血糖や意識障害、けいれんなどの重症低血糖の頻度が減らすかを検討している。自動停止機能付きインスリンポンプとは、血糖が60mg/dL以下になると患者に対して警告を発し、応答がなければ2時間インスリンがストップして、その後通常の基礎インスリンの注入を再開するという機能がついたインスリンポンプである。 結果は、自動停止ポンプ群では、中等度または重症の低血糖のイベント発生数(100人・月当り)が、ベースラインの175件から6ヵ月後の35件へと低下した。一方、標準ポンプ群の低血糖は28件から16件へ低下した。自動停止ポンプ群は標準ポンプ群と比べて、夜間の血糖60mg/dL以下の時間帯も減少させた。さらに、このインスリン中止によるケトアシドーシスも起こらないという結果であった。 この結果は、自動停止ポンプつきのインスリンポンプによって、1型糖尿病の治療の質が今後大きく向上するであろうことを示している。この治療法は重症低血糖を減らすことにより患者のQOLの向上をもたらすばかりか、長期的には心血管疾患発症や死亡を減らす可能性もあり、今後さらなる長期間の検討が必要である。この研究ではHbA1cは両群間で差が見られなかったが、最近のメタアナリシスでは、自動停止機能つきのインスリンポンプは、SMBGを合わせて行った頻回のインスリン注射と比べて、HbA1cが0.68%減少することが示されている(Yeh HC et al. Ann Intern Med. 2012 ; 157: 336-347)。 したがって、自動停止機能付きのインスリンポンプは、無自覚低血糖そのものを根本的に治療するものではないが、中等症以上の低血糖や高血糖を減らすことに有用な治療の手段の一つとなることが期待される。

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エキスパートに聞く!「糖尿病診療」Q&A 2013 Part2

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。前回に引き続き、「糖尿病診療」のなかでも「インスリン療法」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。経口薬からインスリン治療を開始した患者に、経口糖尿病薬をどのように減量・中止させるべきかご教示ください。最近の外来では持効型インスリンインスリン治療を開始し、Basal-supported Oral Therapy(BOT)とすることが多いでしょう。持効型インスリンが発売された今、10年前までの超速効型3回打ちでの導入ではなく、先にBOTで導入しておいて、効果不十分例に対してBasal-Plus療法として超速効型インスリンを1日1回から上乗せする方法が主流となりつつあります。その場合、SU薬を一気に減らすとコントロールを急速に乱す恐れがあるので、例えばグリメピリド(商品名:アマリール)なら1㎎ずつ徐々に減らしていき、0.5㎎で十分なコントロールが得られるようなら食後高血糖の選択的改善を狙ってグリニド薬やDPP-4阻害薬に変更するとよいでしょう。SU薬を通常量使っていて食後高血糖があるからといってSU薬をグリニド薬やDPP-4阻害薬にいきなり変えると、こちらもコントロールを乱す恐れがあるので勧められません。αグルコシダーゼ阻害薬との併用は有効です。インスリン抵抗性を改善するビグアナイド薬やピオグリタゾン(同:アクトス)は、BOTを始めるような状況では、いったん止めて薬を整理してもよいと思います。BOTを始めた際には、できれば一度最小限の内服まで減らして、1剤1剤本当に効果があるのかどうか、再確認しながら再開するとよいでしょう。■参考文献弘世貴久. 続これなら簡単 今すぐできる外来インスリン導入. メディカルレビュー社; 2009.p. 60-61.食事を摂りにくいときのインスリン使用のコツについて、教えてください。超速効型インスリンを用いて、食直後に、食事摂取量に応じて打つことが可能です。例えば具体的には、食事摂取量インスリン量7割以上平常と同じ量4~6割平常の半量3割以下打たずある程度食事摂取量が落ち着いたら、食直前の決まった単位打ちに戻します。もし、血糖値が高くなってしまったら、平常の量の設定を増やすか、食前に測定した血糖値に応じて、インスリンを増量して打つこと(通常のスライディングスケールを併用すること)も可能です。例えば具体的には、食前血糖 < 200mg/dL上記スケールでのインスリン量のまま食前血糖 200~299mg/dL上記スケールのインスリン量に2単位増量食前血糖 300~399mg/dL上記スケールのインスリン量に4単位増量食前血糖 400以上上記スケールのインスリン量に6単位増量インスリンから離脱できる症例や継続したほうがいい症例など教えてください。インスリン離脱には、治療薬が不要になる場合と経口薬に切り替わる場合の2つがあります。前者が望ましいのですが、後者になる場合は、相当な理由がない限り、経口薬にSU薬を使って(SU薬を代替に)インスリンから離脱することは避けるべきだと思います。インスリンから離脱できる症例の特徴として、罹病期間が短く、インスリン投与量が少ないということが以前に報告されています1)。また、われわれの検討でも、より若年で体重が重く、インスリン投与量が少ない患者において、超速効型3回 + 持効型1回の強化インスリン療法からミチグリニド(商品名:グルファスト)3回内服 + 持効型1回に変更できることがわかりました2、3)。罹病期間が短いこと、インスリン投与量が少ないこと、若年で体重が重いということはすべて内因性インスリン分泌が保たれていることを示唆していると思われます。内因性インスリン分泌の指標としてCペプチドインデックス(空腹時血清Cペプチド/空腹時血糖×100)というものがあり、0.8未満でインスリン依存の可能性が高いと考えられています。●引用文献1)菅田有紀子ほか. 糖尿病. 2004; 47: 271-275.2)Yoshihara T, et al. Endocr J. 2006; 53: 67-72.3)Kumashiro N, et al. Endocr J. 2007; 54: 163-166.一人住まいの高齢の患者さんに対するインスリンの適切使用の確認と管理について教えてください。高齢者では、視力障害、上肢の麻痺や振戦、認知症、うつ症状などの理由でインスリン自己注射が困難な例も多く存在します。補助器具や文字が大きいダイヤル式のインスリン注入器も利用できますが、それでも困難な場合は家人、往診医、訪問看護師、介護ヘルパーなどと協議します。自己注射の継続が不可能と判断された独居高齢者の場合は、往診医に連日注射してもらうか、注射のためにかかりつけのクリニックなどを連日受診するよう指導します。自力で受診できない場合には、介護ヘルパーの付き添いで受診します。それも不可能で、インスリン注射の継続が困難と判断された独居高齢者の場合は、各種経口血糖降下薬で対処するしかありませんが、内服薬の選択は慎重に行います。正確な内服管理すら不可能な場合や急性代謝失調に陥る危険性が高い場合には、入院や老健施設への入所が必要です。このような状況では、厳格な血糖管理は低血糖を招く危険が高いので、低血糖と著しい高血糖を予防するような血糖管理を行います。■参考文献熊代尚記: 高齢者のインスリン療法の方法と注意点. 糖尿病薬物療法 BRUSHUP. 河盛隆造監, 綿田裕孝, 弘世貴久編, 日本医事新報社; 2011.p.114-116.超高齢者へのインスリン治療で、気をつけなくてはいけないポイントについて教えてください。超高齢者であっても、インスリン療法開始の目安は、SU薬2次無効、急性代謝失調、重症感染症、外科手術時、重症肝障害・腎障害など、一般の2型糖尿病患者と同じであり、治療目的も、(1)急性代謝失調の予防、(2)糖尿病性合併症の発症・進展防止、(3)QOLの維持・向上と、一般の患者さんと同じです。しかし、高齢者では糖尿病の罹病期間や糖尿病性合併症の進展度、ほかの合併疾患もさまざまであり、加えて個々の社会的環境も異なるため、治療方針は個別に考慮する必要があります。超高齢者に対するインスリンの不適切な使用は無自覚性低血糖、認知症傾向、うつ症状を来しやすいので注意が必要です。食事摂取が不安定な場合には、超速効型インスリンを毎食ごとに用いると調節しやすいでしょう。また、感染症、ほかの病気、外傷時などの際(シックデイ)の対策(食事の摂り方、インスリン用量の臨時の調節、主治医への連絡が必要な場合の判断など)を本人と家人に指導し、連絡体制を確立しておくことも大切です。■参考文献熊代尚記: 高齢者のインスリン療法の方法と注意点. 糖尿病薬物療法 BRUSHUP. 河盛隆造監, 綿田裕孝, 弘世貴久編, 日本医事新報社; 2011.p.114-116.

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糖尿病で活躍するスマホアプリの今

本項では、特集テーマに合わせ、糖尿病と医療ITの関係を寄稿としてお届けします。爆発的な広がりをみせる、スマートフォン。これに搭載されるさまざまな疾患の診療支援アプケーションも少しずつ充実しており、その中でも糖尿病領域では完成度が高いものも散見されます。今回は、こうしたアプリケーションの開発・サービス提供を行っている株式会社ウェルビ-より最新の状況をレポートいただきます。糖尿病の自己管理に、欧米ではスマートフォンツールの臨床活用が増える現在、日本でスマートフォン(以下「スマホ」)の普及に伴い、患者が個人で利用できる糖尿病関連のアプリケーション(以下「アプリ))は十種類にのぼる。糖尿病患者を対象としたニーズ調査においても「モバイルでの自己管理に興味あり」との回答は全体の約7割に上るなど、スマホの普及と利用者年齢層の拡大に伴い、今後も更なる広がりが予想される。一方、欧米ではすでに、臨床現場での利用が進み、一定の評価を得ている。「Diabetes Care」の論文などでも、糖尿病患者に血糖自己管理にモバイルアプリを活用することで一定の治療効果が確認されるなどの発表がされている。医療従事者が患者に薦めて、診療時のコミュニケーションを円滑にしたり、自己管理を効果的にサポートするためのツールとしても活用されている。医師の推薦が自己管理アプリ利用のきっかけに株式会社ウェルビーは、臨床現場での治療サポートツールとして、2011年より糖尿病患者向け自己管理アプリ「ウェルビー糖尿病」シリーズの提供を開始した。2013年10月時点で、登録会員数は約1万人に達している。この伸長の背景には、患者に接する医療従事者から、直接サービスを紹介されたことが大きな要因として存在する。患者に対面案内していただくためのリーフレットを用意し、病院・薬局の協力を得て、臨床の現場での認知を得られたことが、早い段階から利用促進に結びついた。医師、患者に求められるアプリとは糖尿病治療では血糖管理に加えて、薬剤、食事、運動などの総合的な管理が求められる。ウェルビーのアプリでは「血糖値」「食事」など各患者が自己管理する項目を選択してシンプルに記録できる仕様とし、その各履歴データを集約して管理できるマイページ機能として「ウェルビーマイカルテ(2013年12月リリース予定)」を提供することで、「各項目毎の記録」と「データを集約して管理」の両立を目指した。また、2013年8月には、患者の治療記録を医療従事者、家族にデータ共有できるWebサービス「ウェルビーシェア」をリリースしている。今後も、アプリによる記録、PCによるデータ集約と共有を一括して実現できるサービスとして、臨床現場での更なる普及を目指す。(ウェルビーのアプリラインナップ)血糖値ノート …血糖値、インスリン、ブドウ糖の結果を記録。履歴についてはグラフとカレンダーで視覚的に管理可能。入力したデータについては全てクラウドサーバに自動保存され、パソコンと連動して確認可能。食事ノート …1日の食事内容について入力することで、摂取カロリー、炭水化物、脂質、タンパク質を自動計算し、履歴を記録。近日リリース予定の食事写真記録アプリ「食事アルバム」では、写真履歴で食事内容の管理機能も提供予定。(ウェルビーのアプリと連携するWebサービス)ウェルビーシェア …アプリとシームレスにデータ連携し、患者が医療従事者、家族などとデータを共有(シェア)できる機能を有する。コメント、スタンプなどを送ることも可能。「患者を見守る」新しいコミュニケーションのカタチを提供し、治療の継続を支援する。インタビュー:臨床にいち早くアプリを導入、今後の開発に期待向ヶ丘久保田内科の久保田章(くぼた・あきら)氏は、糖尿病専門医として、診療支援のアプリをいち早く取り入れ、「患者さんと一緒に考える糖尿病診療」を実践している。久保田氏が導入し、試行するウェルビーのライフログ・アプリに関して、その使用感や効果ついて、お話をうかがった。--スマホやタブレット端末に、こうした糖尿病診療支援アプリを入れ、自己管理をしている患者さんの声をお聞かせください。久保田章氏 糖尿病関連のアプリは出始めたばかりで、これから普及していく段階です。患者さんの声は、そんなに多く聞くわけではありませんが、着実に増えてはいるようです。たとえば血糖自己測定(SMBG)であれば、今までは紙の手帳や記録用紙に、血糖値記録を毎日書き込み、その紙を診療ごとに主治医に示し、主治医はそれをカルテに貼って、患者さんの食動向、インスリンの効果などを分析・検討し、次の治療内容を決めていました。なかには、自分でパソコンの表計算ソフトで血糖値を管理されている患者さんもいますが、かなり少数です。現在アナログ的な管理が主流な中で、身近なツールであるスマホなどで自分の血糖値を、さっと入力するだけで記録から集計までできるので、「大変使いやすい」、「手軽に使えて便利だ」という声を患者さんから聞いてます。--医療側からみたこうしたアプリの効果としては、どのようなものがありますか?久保田章氏 実感できる効果として2つあります。ひとつには、患者さんが血糖値の自己管理などでアプリを使えば、手軽にしっかりと血糖値の記録が残せるので、治療意欲が向上していくのがわかります。糖尿病の治療では、インスリンをはじめ治療薬がかなり揃っています。患者さんがその気になれば、ほとんどの血糖値はコントロール出来るはずだと思いますが、大切なことは、患者さんにどれだけ、治療に対するモチベーションをもってもらえるかです。そういう意味では、血糖値の変化が数字ですぐにわかる、可視化されて理解しやすいことで自己管理と治療へのモチベーションの維持には効果的だと感じます。もうひとつの効果は、通常、「血糖値測定→食事→インスリンを打つ→血糖値測定→食事」という一連の流れの中で、食生活とインスリンの量をマッチさせるのが、インスリン治療での一番の肝になる医師の作業となります。その一連の行動の振り返りの時に、こうしたアプリを使い過去1ヵ月の食生活や血糖値の動きや平均値が簡単にでてくるツールがあれば、患者さんの役に立つだけでなく、われわれ医療側にも便利だということです。特にあらかじめ集計された患者さんの集計表をみて、医師が血糖値の問題点をすぐに指摘できるようになれば、限られた外来診療の時間で、今よりもさらに的確なアドバイスができるようになります。--今後、医師の視点からみて糖尿病治療の支援アプリに望まれる機能はありますか?久保田章氏 患者さんのデータが医療者と共有されれば、患者さんの状態がリアルタイムにわかり、医師や看護師などがタイムラグを生ぜず、関わっていくことができるようになります。たとえば、外来でインスリンを初めて注射した患者さん。現状では、インスリン注射を覚えてもらって、翌日か翌々日に糖尿病療養指導士の看護師などが電話をして患者さんに状況を聞いて確認します。しかし、アプリの使用で血糖値の数字が共有化されて、リアルタイムに医師や看護師が把握できれば、より安全にインスリン注射の治療を外来で行うことができ、その効果も測ることができます。また、GLP-1製剤などの新しい治療薬を導入して、どの様な血糖低下効果を発揮するのか関心が高いときなど、血糖値の動きについて早く知ることができるということもメリットのひとつになりますね。将来的には、患者さんが簡単な入力で済み、食事、血糖値、インスリンの量を統合して記録、分析できることで問題点の把握ができるものができたら、糖尿病診療で効果を発揮すると思います。インタビューを終えて糖尿病診療支援アプリは、まだ黎明期であり、これからさらなる進化と普及が期待される。患者の診療支援だけでなく、医療側にも診療時間の短縮やデータ収集などのメリットをもたらす一方で、保険適用の有無や個人情報のデータの管理など、今後乗り越えていくべき課題も指摘されている。糖尿病領域だけでなく、他の領域でも診療支援アプリが登場し、疾病の予防、診療、治療に寄与することを期待する。向ヶ丘久保田内科Welby糖尿病

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認知度が4割しかない1型糖尿病を支援する-日本イーライリリープレスセミナー 

 11月5日(火)、日本イーライリリー株式会社は、11月14日の「世界糖尿病デー」に先駆け、「多様化する糖尿病と患者さんの支援の重要性」と題して、プレスセミナーを開催した。 前半では、「多様化する糖尿病 ~多様化する患者さん一人ひとりの、糖尿病への向き合い方とその治療~」として内潟 安子氏(東京女子医科大学 糖尿病センター長/ 内科学第三講座主任教授)を講師に迎え、糖尿病の概要についてレクチャーが行われた。 厚生労働省の統計資料によれば、わが国の糖尿病患者数は、依然として増加を続け、成人の約3割が糖尿病かその予備群であり、約4割は未治療のままである。内潟氏からは糖尿病の類型について、とくに1型糖尿病に焦点を絞り説明がなされた。一般に糖尿病は、生活習慣などの乱れから発症する2型糖尿病がほとんどと考えられている中で、1型糖尿病は、小児期から思春期での発症が多く(成人での発症数も多い)、遺伝的素因や免疫学的異常などによる発症がある、とコンパクトに解説が行われた。 そのうえで、医療者は、患者さんの「良好な血糖コントロールを行うこと」と「合併症を予防すること」を念頭に診療にあたっていること、その一方で、患者さんは治療のために、日常生活の中で食事時間や内容、そのカロリー、そして、定期的なインスリン注射、治療薬の服用と毎日の規則正しい生活を行っていることを述べた。そして、周りの方にも糖尿病患者さんへの理解を深めてもらいたい、とレクチャーを終えた。 後半では、同社の綱場 一成氏(糖尿病・成長ホルモン事業本部 事業本部長)が、「糖尿病治療におけるベストパートナーとして」と題し、同社の取り組みと今後の展望を説明した。1923年よりわが国でインスリンを発売してきた同社は、小児糖尿病患者のサマーキャンプなど、これまで社会貢献活動などを活発に行ってきている。 綱場氏は、先ごろ行われた「1型糖尿病の認知度調査」の結果について、次のように概略を発表した(調査は、20代以上の各年代から男女100名ずつを選出。1,000名にインターネットで調査したもの)。その結果、「1型糖尿病」という名称さえ聞いたことがない人が約6割。1型糖尿病を知っている人でもその半数以上が、発症原因として「食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣」と回答したほか、患者タイプを「肥満型の人がなりやすい」と回答した人が約3割、発症により「日常生活の中で活動の制限を受ける」と回答した人が約9割に及び、認知度の低さ以外にも、さまざまな誤解があることが浮き彫りになった。 同社では、こうした状況を受けて、1型糖尿病患者のライフステージに応じて幅広いサポートをするため啓発小冊子を作成した。今後、医療機関で配布していくことで、1型糖尿病と診断された患者さんの心のケアに活用してもらい、糖尿病診療に寄与していきたいと抱負を語った。詳しくは、 日本イーライリリー(糖尿病・内分泌系の病気) ケアネットの特集「糖尿病 外来インスリン療法」 

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01)ブルーライトアップの意味は?【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者昨日は東寺がブルーになっていました。あれは何ですか?医師実は昨日は「世界糖尿病デー」なんです。患者世界糖尿病デー?医師そうです。11月14日は世界糖尿病デーなんです。患者どうして、11月14日なんですか?医師11月14日はインスリンを発見したカナダ人のバンティング先生の生まれた日なんです。みんなで糖尿病を克服していこう、という日なんです。患者そうなんですか。どうしてブルーなんですか?医師ブルーは、国連や空を象徴するブルーみたいですね。みんなで糖尿病を克服していこうということで、ブルーの輪がシンボルマークとなっています。患者わかりました。私も頑張ってみます。●ポイント「今日は何の日」などの話題から、療養指導の話が広がります

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エキスパートに聞く!「糖尿病診療」Q&A 2013 Part1

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。今回は「糖尿病診療」のなかでも「インスリン療法」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。早期から基礎インスリン療法を開始すべきかどうか教えてください。2型糖尿病診断初期から基礎インスリンのみならず、強化インスリン療法を用いて血糖値を正常化することが、経口糖尿病薬で治療するよりも、その後インスリン治療を止めて1年後の膵β細胞機能にとって望ましく、無治療でいられる人の割合も高いことが報告されています1)。また、平均推定罹病期間4.5年の2型糖尿病においても、中間型インスリンの2回打ちと超速効型インスリン3回の強化インスリン療法で、4週間血糖値を正常近くまでコントロールすることがインスリンのGIPとGLP-1に対する反応を改善することも報告されています2)。わが国においても、私の前職の順天堂大学にて、1型/2型糖尿病において持効型インスリンが外来で安全に使用でき、非常に有効な手段であることを報告してきました3)。HbA1c7%以上が続いている場合には、基礎インスリンによるBasal-supported Oral Therapy(BOT)でもよいので4)、積極的にインスリンを導入することが大切でしょう。●引用文献1)Weng J, et al. Lancet. 2008; 371: 1753-1760.2)Hojberg PV, et al. Diabetologia. 2009; 52: 199-207.3)Kanazawa Y, et al. Endocr J. 2007; 54: 975-983.4)弘世貴久. 続これなら簡単 今すぐできる外来インスリン導入. メディカルレビュー社; 2009.インスリンを使用したほうがよい患者さん、そうでない患者さんの鑑別をご教示ください。(1) 絶対的適応1型糖尿病が疑われる例、血糖コントロール不良の妊娠希望の女性、急性代謝失調発症者、または発症する危険性が高い患者さん(2) 相対的適応SU薬2次無効、無治療高血糖放置例、肝疾患、腎疾患合併例(3) 一時的なインスリン療法の適応急性感染症などのシックデイ、ステロイド治療時、中程度以上の外科手術時さらに詳しい解説は、以下の文献をご参照ください。●熊代尚記: 治療の目的と適応となる症例. インスリン療法最前線 第2版. 河盛隆造監, 弘世貴久, 綿田裕孝編, 日本医事新報社; 2008.p.21-24.●熊代尚記: インスリン療法開始の適応. 糖尿病薬物療法 BRUSHUP. 河盛隆造監, 綿田裕孝, 弘世貴久編, 日本医事新報社; 2011.p.82-84.インスリン導入を恐れる患者さんを説得するのに、よい言葉やいい回しをご教示ください。初めに血糖コントロール状況と合併症について説明します。自覚症状がなくても、慢性の高血糖が3大合併症や大血管障害の発症に関連していることを説明します。次に、患者を取り巻く家族や社会の状況を一緒に考え、本当に合併症が起きてもよいのか、合併症で身体が不自由な生活になっても困らないか話し合います。独り身で将来に希望がないような状況では、血糖コントロールをよくすることにまったく関心を持っていただけないかもしれません。しかし、糖尿病で通院を続けている患者さんたちは、何とかして欲しいという気持ちを少なからず持っているはずです。大事な家族や仕事、趣味などがあれば、それを守るために何とかしましょうと説得します。入院が望ましくても忙しくて入院ができない患者さんには、外来でも改善できますと安心させます。ここまで話して、インスリンについて話をします。安全性・有効性について、私はよく妊婦の話を出します。妊娠して、赤ちゃんがお腹にいて、糖尿病になる患者さんにわが国で唯一認められている治療薬がインスリンです。最も安全で生理的な薬だと説明します。そして、量を増やすことで確実に血糖値を下げることができると説明します。早ければ早いほど少量のインスリンで済むことが多いとも伝えます。さらに、どうしても不安、不信に思う患者さんには一時的な使用でもまったく構わないと伝えます。このような話に10~20分程度を要しますが、これで受け入れてもらえることが多いです。外来診療という限られた時間内で、どのようにインスリンを導入し、その後のフォローをしていけばよいか教えてください。インスリン注射に同意された後、実際にインスリンを導入する際に重要となるのは、いきなり低血糖を起こさないことです。ごく少量の基礎インスリン4単位くらいから始めると低血糖は問題になりません。受け入れの難しそうな患者さんには、まずはインスリン自己注射のみを指導して、後日、血糖自己測定(SMBG)を導入するほうが、抵抗が少ないです。実は痛みも、インスリン注射ではほとんどありませんが、SMBGでは針が太めでそこそこ痛いのです。また、効果が少ないインスリン量で始めているので、せっかく始めたインスリン療法に幻滅する恐れもあります。したがって、始めはインスリン自己注射のみ指導することが一つの有効な手段です。SMBG導入後、数日でインスリンの効果判定ができますが、診察間隔は予約状況次第です。数日おきに診察できるなら速やかにきめ細かくインスリン調節ができますが、予約の関係で1~数週間おきのフォローになるなら緩徐なインスリン調節が必要でしょう。このようなインスリン導入の際には、それまでの内服薬を一気に中止しないことも、導入後の急激な悪化を防ぐために重要です。そのほか、外来での導入では、看護師やその他のスタッフ教育もしっかり行い、協力していただくことが不可欠です。インスリンとほかの薬剤との安全な組み合わせの方法や、治療中に専門医へ紹介するタイミングなどをご教示ください。持効型インスリンとの併用としては、速効型インスリン分泌促進薬1)やα-グルコシダーゼ阻害薬やDPP-4阻害薬2)がよいでしょう。持効型インスリンは食前の血糖コントロールに適しているので、食後の血糖コントロールに適した内服を組み合わせることが望ましいです。一方、超速効型インスリンとの併用としては、グリメピリド(商品名:アマリール)0.5mgなどのごく少量のSU薬を夕食時に内服するかビグアナイド薬、チアゾリジン薬との併用がよいでしょう。超速効型インスリンは、食後の血糖コントロールに適しており、上述の内服で食前の血糖コントロールにも対応することができます。いずれの場合も注射薬の種類だけでなく病態によっても併用薬の選択肢は変わってきます。最近は高齢化で、患者さんも糖尿病以外にさまざまな合併症を患っていたりするので、併用する前にそれぞれの薬の適応の良否も判断しなければなりません。したがって、病状が複雑になってきた場合には、ご遠慮なく専門医へ紹介いただくのがよろしいかと思われます。●引用文献1)Kumashiro N, et al. Endocr J. 2007; 54: 163-166.2)Barnett AH, et al. Lancet. 2013 Aug 12.[Epub ahead of print].

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抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

 第二世代抗精神病薬(SGA)により誘発される、インスリン分泌異常の主要機序について、オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatrina Weston-Green氏らがレビューの結果を報告した。部分的な中枢および末梢神経でのムスカリンM3受容体(M3R)の阻害によると考えられ、M3Rが初期にインスリン分泌とグルコースホメオスタシスを破壊し、慢性治療中に次第にインスリン抵抗性や糖尿病に結びつく可能性があるという。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月10日号の掲載報告。第二世代抗精神病薬のM3Rに対する結合親和性が糖尿病リスクの予測因子 第二世代抗精神病薬は、さまざまな疾患に広く処方されているが、中心となるのが統合失調症と双極性障害である。第二世代抗精神病薬は、グルコース代謝異常を来し、インスリン抵抗性や2型糖尿病を引き起こすという副作用があるが、その機序についてはほとんどわかっていない。研究グループは、その主要機序および治療ターゲットとして、アセチルコリン(Ach)受容体のうちM3Rの可能性についてレビューした。 第二世代抗精神病薬がインスリン抵抗性や2型糖尿病を引き起こすとい主要機序についてレビューした結果は以下のとおり。・M3Rに対する第二世代抗精神病薬の結合親和性が、糖尿病リスクの予測因子であることが特定された。・オランザピン、クロザピンは、副作用として糖尿病の臨床発生率が最も高いが、強力なM3Rアンタゴニストであった。・膵臓のM3Rは、グルコース刺激インスリン分泌のコリン作動性経路を調整する。すなわち、β細胞の活性化がインスリン分泌を促進する一方で、M3R阻害がインスリン分泌を減少する。・マウス試験において、遺伝子組み換えM3Rは、インスリン濃度と耐糖能に強い変化をもたらした。・オランザピンは、視床下部や尾方脳幹の各核レベル、膵臓の迷走神経系支配を介してグルコースホメオスタシスおよびインスリン分泌を調整する部位の、M3R濃度を変化させる。・さらに、M3Rは、グルコースホメオスタシスに影響する主要なポジションに位置しており、膵β細胞への直接的な作用や、視床下部や脳幹におけるシグナル伝達を変えることが可能である。・SGAによって誘発されたインスリン分泌障害は、一部で中枢および末梢神経のM3R阻害による可能性がある。M3R阻害がインスリン分泌やグルコースホメオスタシスを破壊し、慢性治療中にインスリン抵抗性や糖尿病へと次第に結びついていく可能性がある。関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学/a> 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学

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低血糖を減少できる自動停止機能付きのインスリンポンプ/JAMA

 無自覚性低血糖がみられる1型糖尿病患者の低血糖イベントの管理において、自動停止機能付きインスリンポンプは標準的なインスリンポンプに比べ高い有効性を発揮することが、オーストラリア・プリンスマーガレット小児病院のTrang T Ly氏らの検討で示された。1型糖尿病の治療では低血糖が重大な問題となる。自動停止機能付きインスリンポンプは、すでにその安全性や血糖値が低血糖域にある時間を短縮することが確認されているが、実際に外来患者において重大な低血糖イベントの発生を低減するかは知られていなかった。JAMA誌2013年9月25日号掲載の報告より。中等度~重度の低血糖イベントの発生を無作為化試験で評価 研究グループは、自動停止機能付きインスリンポンプまたは自動停止機能のない標準的なインスリンポンプを装着した1型糖尿病患者において、中等度~重度の低血糖イベントの発生状況を評価する無作為化試験を行った。 対象は、年齢4~50歳、診断後1年以上が経過し、インスリンポンプによる治療を6ヵ月以上受けており、糖化ヘモグロビン≦8.5%で、無自覚性低血糖がみられる1型糖尿病患者であった。 自動停止機能付きインスリンポンプは、センサーを用いて血糖値があらかじめ設定された閾値(60mg/dL)を下回ると警告を発し、患者が警告に反応しない場合は最長2時間にわたりインスリン注入を停止し、その後標準的な基礎インスリンの注入を再開する装置。患者は、この2時間中にいつでもインスリンの注入を再開でき、停止したままにすることも可能である。 試験期間は6ヵ月で、患者はベースライン、3ヵ月、6ヵ月に受診した。中等度低血糖は治療を要するイベントの発生、重度低血糖は低血糖発作および低血糖昏睡の発生と定義し、主要評価項目はこれらの複合エンドポイントとした。夜間低血糖も良好に抑制、低血糖発作や昏睡は認めず 2009年12月~2012年1月までに95例が登録され、自動停止ポンプ群に46例、標準ポンプ群には49例が割り付けられた。全体の平均年齢は18.6(SD 11.8)歳、糖尿病罹病期間は11.0(8.9)年、インスリンポンプ治療期間は4.1(3.4)年であった。 ベースラインにおける100人月当たりの中等度~重度低血糖のイベント発症率は、自動停止ポンプ群が129.6件と、標準ポンプ群の20.7件に比べて高かった。6ヵ月後には、それぞれ28.4件、11.9件へと低下した。 複合エンドポイントのイベント発生数は、自動停止ポンプ群がベースラインの175件から6ヵ月後には35件へと低下したのに対し、標準ポンプ群は28件から16件へ低下した。6ヵ月後の100人月当たりの調整イベント発生率(0-inflated Poissonモデル)は、自動停止ポンプ群が9.5件、標準ポンプ群は34.2件となり、率比は3.6と自動停止ポンプ群で有意に良好であった(p<0.001)。 糖化ヘモグロビンは両群ともに変化しなかった(自動停止ポンプ群:ベースライン7.4%、6ヵ月後7.4%、標準ポンプ群:7.6%、7.5%)。低血糖に対するインスリン拮抗ホルモン反応(クランプ法による)にも変化はなかった。また、糖尿病性ケトアシドーシスや、ケトーシスを伴う低血糖のエピソードは認めなかった。 著者は、「自動停止機能付きインスリンポンプは、無自覚性低血糖がみられる1型糖尿病の外来患者において重大な低血糖イベントの発生の抑制に有効である」とまとめ、「夜間低血糖も標準ポンプより少なく、探索的検討ではあるが低血糖発作や昏睡はまったく認めなかった」としている。

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2型糖尿病のCVD予測に、6つのマーカーが有用

2型糖尿病における心血管疾患(CVD)予測因子として、NT-ProBNPを含む6つのバイオマーカーが有用であることが示唆された。関連のあったバイオマーカーは、NT-ProBNP、アポCIII(ApoCIII)、可溶性-RAGE(sRAGE)、高感度トロポニンT、IL-6およびIL-15の6つであった。演者のHelen C. Looker氏は、今回の結果についてIL-15が予測因子となることは新たな発見であり、ApoCIIIとsRAGEにおけるCVD発症との逆相関の関連についても、さらなる研究が必要であると語った。これまでに、2型糖尿病におけるCVD予測因子に有用とされるバイオマーカーは複数報告されている。そこで、CVD予測因子として有用なバイオマーカーを検索するため、5つのコホート研究の調査が実施された。本調査は、SUMMIT(SUrrogate markers for Micro- and Macrovascular hard endpoints for Innovative diabetes Tools)研究の一環である。対象となったコホート研究は、Go-DARTS(n=1,204)、スカニア糖尿病レジストリ(n=666)、MONICA/KORA(n=308)、IMPROVE(n=94)およびストックホルム研究(n=46)である。候補バイオマーカーとしては、糖尿病患者、非糖尿病患者を問わず、これまでの研究でCVDとの関連が報告された42のマーカーが選択された。年齢、性別、糖尿病罹患期間、BMI、血圧、HbA1c、トリグリセリド、LDL-C、HDL-C、eGFR、喫煙、薬物治療(降圧剤、アスピリン、脂質異常症治療薬およびインスリン使用を含む)を共変量として解析が行われた。主な結果は以下のとおり。2型糖尿病におけるCVD予測因子として、6つのバイオマーカー(NT-ProBNP、ApoCIII、sRAGE、高感度トロポニンT、IL-6、IL-15)が強い関連を認めた。●NT-ProBNP(OR = 1.74、95%CI:1.51~2.02)●ApoCIII(OR = 0.81、95%CI:0.73~0.91)●sRAGE(OR = 0.86、95%CI:0.78~0.96)●高感度トロポニンT(OR = 1.28、95%CI:1.12~1.47)●IL-6(OR = 1.19、95%CI:1.07~1.33)●IL-15(OR = 1.16、95%CI:1.05~1.28)NT-proBNPおよび高感度トロポニンTが2型糖尿病におけるCVD発症に関連していることが明らかになった。IL-6は一般的なCVD予測因子としても知られているが、2型糖尿病患者においても同じくCVD予測因子となることが本調査で確認された。IL-15と2型糖尿病におけるCVD発症の関連性が、今回新たに報告された。ApoCIIIとsRAGEにおいてCVD発症と逆相関の関連が示唆された。Looker氏は「2型糖尿病患者におけるCVD予測因子となるマーカーが、今後の研究によって、さらに明確化されることを願っている」と講演を終えた。

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日本人へのトホグリフロジン投与、単剤・併用での長期試験成績が発表

高選択的SGLT2阻害薬※トホグリフロジン(承認申請中)について、日本人における長期安全性と有効性を検討した成績が、山口大学の谷澤 幸生氏らにより報告され、トホグリフロジンの単独および併用における忍容性と有効性が確認された。演題では、食事療法・運動療法のみで血糖管理不十分な2型糖尿病患者に本剤を単独投与したMONO試験(安全性解析対象191例)、および既存の経口糖尿病治療薬(OAD)6種類のうちいずれかと併用したCOMBO試験(同593例)の結果が発表された。いずれもトホグリフロジン20mg群または40mg群にランダム化され、投与52週時の安全性と有効性が検討されている。主要評価項目は安全性、副次評価項目は52週時における、ベースラインからのHbA1c変化量、体重変化量を含むさまざまな代謝関連指標の変化量である。トホグリフロジンは、最も高選択的にSGLT2を阻害するとされる新しい経口血糖降下薬であり、現在国内で2型糖尿病を適応症として承認申請段階にある。結果は以下のとおり。総有害事象の頻度は単独・併用の両試験の合計で664例(84.7%)観察されたものの、重篤な有害事象は54例(6.9%)、投薬中止に至った有害事象は35例(4.5%)であった。5.0%以上の有害事象として、口渇、頻尿、低血糖、血中ケトン体増加などがあったが、臨床症状を伴うケトン体増加やケトアシドーシスはみられなかった。SU薬との併用時に他の経口薬との併用時と比べて低血糖頻度がわずかに高くなっていること、およびSU薬併用時のみで中等度の事象が3例起きていることに留意する必要があるものの、単剤・併用で重度の低血糖の報告はなかった。膀胱炎・尿路感染症の頻度は0.5%~4.7%、性器感染症の頻度は0.0%~3.4%であり、ほとんどが軽度かつ一過性なものであった。52週時のHbA1c変化量は、MONO試験で-0.67%、-0.66%(20mg、40mg)、COMBO試験で-0.77%、-0.87%(同)であり、COMBO試験ではいずれの経口薬と併用した場合においても同等の低下作用が確認された。体重変化量は、MONO試験で-3.06g、-3.44kg(同)、COMBO試験で-2.51kg、-2.98kg(同)で、体重低下は併用薬ごとに違いがあり、とくに40mg群ではαGIやメトホルミンとの併用時にわずかに強かった。その他、ウエスト周囲径の減少やアディポネクチンの増加、収縮期血圧の低下、HDL-C上昇などのメタボリックシンドローム関連因子やインスリン抵抗性指標であるHOMA‐IRが有意に改善していた。以上の結果より、トホグリフロジンの忍容性が確認され、トホグリフロジンは単独および既存の経口血糖降下薬との併用において2型糖尿病の新たな治療オプションとなることが示唆された。※高選択的SGLT2阻害薬は、腎尿細管において糖の再吸収に関与するトランスポーターのナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害し、血糖値依存的に尿糖排泄を促すことで血糖低下作用を発揮する。低血糖のリスクは低く、体重減少作用を有すると注目されている。

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『基礎インスリン+GLP-1アナログ』 で 広がる選択肢

2013年9月17日、2型糖尿病治療薬のリキシセナチド(商品名:リキスミア皮下注300μg)が発売された。リキシセナチドは、基礎インスリンとの併用が保険適応となった初のGLP-1受容体作動薬であり、エキセナチド(商品名:バイエッタ、ビデュリオン)、リラグルチド(同:ビクトーザ)に次ぐ3成分目の薬剤である。今回、この新薬についてサノフィ株式会社本社担当者に話を聞いた。リキシセナチドの特徴は、大きく3つリキシセナチドが従来製剤と大きく異なるのは、GLP-1受容体作動薬で初めて「基礎インスリンとの併用」について適応取得した点である。さらに、食後血糖降下作用のほか、胃内容排出遅延作用も認められている。この「基礎インスリンと併用可能」「食後血糖コントロール」「胃内容排出遅延作用」の3点がリキシセナチドの特徴といえる。基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬 のメリットとくに「基礎インスリンと併用可能」という特徴は新規性が高い。これまでGLP-1受容体作動薬の投与患者に対しインスリン投与を考える場合は、一度GLP-1受容体作動薬を中止したうえでインスリンへ切り替える必要があった。その点、リキシセナチドは中断の必要がなく汎用性が高い。また、基礎インスリンでは補いきれない食後高血糖についてのコントロールが期待できる。投与対象はBOTで血糖管理不十分な患者さんしかし、GLP-1受容体作動薬すべてに該当することだが、リキシセナチドも経口薬との併用に縛りがある。開発当初、SU薬が糖尿病治療薬の中心であった背景から、リキシセナチドと併用できる経口薬は「SU薬単独、またはSU薬とビグアナイド薬の併用」に限定されている。サノフィ株式会社の本社担当者は、「汎用性のある経口薬との適応拡大も視野に入れているが現実的には先の話になる」と断ったうえで、「発売時点では、『BOTで血糖改善が認められない患者さん』にお使いいただき、徐々にご評価いただきたい」と述べた。アジア人を対象としたリキシセナチドの効果リキシセナチドの血糖降下作用を示すデータとして、日本人を含むアジア人を対象としたGetGoal-L-Asia試験がある。これは基礎インスリン療法(±SU薬)で血糖コントロール不十分(HbA1c:7.0~10%)な2型糖尿病患者311例を対象にした追跡試験である。24週後のHbA1c値および朝食後2時間血糖値の変化は、リキシセナチド群で-0.88%、-141mg/dL、とプラセボに比べて有意な低下が認められている1)。従来と同程度の安全性。ただし、継続評価が大切安全性については、第III相試験において、HbA1c低下効果についてエキセナチドに対する非劣性が示されたうえで、嘔気・嘔吐を含む消化器系副作用や低血糖症の発現率が少ないとの報告がある。ただし、嘔気・嘔吐はGLP-1受容体作動薬に共通の副作用であることから、発売後の症例集積に伴う慎重な評価が求められるだろう。リキシセナチドにより、併用の選択肢が広がったリキシセナチドの投与法は、1日1回、朝食前1時間以内の皮下注射である。前出の担当者は「リキスミアと基礎インスリンの投与タイミングを朝に集中させることで、患者さんの負担軽減にもつながるのではないか」と期待を語った。リキシセナチドの登場により、併用療法に「基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬」という新たな選択肢が加わったといえるのではないだろうか。(ケアネット 佐藤寿美)1) Seino Y,et al.Diabetes Obes Metab. 2012;14:910-917.

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DPP-4阻害薬、糖尿病の心血管リスク増大せず/NEJM

 新規DPP-4阻害薬アログリプチン(商品名:ネシーナ)は、直近の急性冠症候群(ACS)既往歴のある2型糖尿病患者の治療において、心血管リスクを増加させずに糖化ヘモグロビン(HbA1c)を改善することが、米国・コネチカット大学のWilliam B. White氏らが行ったEXAMINE試験で示された。糖尿病患者では、血糖値の改善により細小血管合併症リスクが低下する可能性があるが、大血管イベントへの良好な効果は示されておらず、米国FDAをはじめ多くの国の監督機関は、新規の抗糖尿病薬の承認前後で、心血管系の安全性プロフィールの包括的な評価を求めている。本研究は、2013年9月2日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌に掲載された。心血管アウトカムをプラセボとの非劣性試験で評価 EXAMINE試験は、ACSの既往歴を有する2型糖尿病患者における、アログリプチンのプラセボに対する心血管アウトカムの非劣性を評価する二重盲検無作為化試験。対象は、HbA1c 6.5~11.0%(インスリン投与例は7.0~11.0%)で、DPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬以外の抗糖尿病薬の投与を受け、割り付け前15~90日にACS(急性心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症)を発症した2型糖尿病患者であった。 被験者は、2型糖尿病および心血管疾患の標準治療に加えて、アログリプチンまたはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイントであり、ハザード比(HR)の非劣性マージンは1.3に設定された。 アログリプチンの投与量は、ベースラインの推定糸球体濾過量に基づき71.4%には25mg/日が投与され、25.7%は12.5mg/日、2.9%は6.25mg/日の投与を受けた。最長40ヵ月、中央値18ヵ月のフォローアップが行われ、投与期間中央値は533日だった。約50ヵ国900施設、5,000例以上で、安全性を確認 2009年10月~2013年3月までに日本を含む49ヵ国898施設から5,380例が登録され、アログリプチン群に2,701例(年齢中央値61.0歳、男性67.7%、2型糖尿病罹病期間中央値7.1年、HbA1c 8.0%、BMI中央値28.7)、プラセボ群には2,679例(61.0歳、68.0%、7.3年、8.0%、28.7)が割り付けられた。 主要評価項目の発生率はアログリプチン群が11.3%(305例)、プラセボ群は11.8%(316例)であり、HRは0.96、信頼区間(CI)上限値は1.16であり、アログリプチンはプラセボに対し非劣性であった(非劣性:p<0.001、優越性:p=0.32)。 主要評価項目に入院後24時間以内の不安定狭心症による緊急血行再建術を加えた副次的評価項目の発生率は、アログリプチン群が12.7%(344例)、プラセボ群(359例)は13.4%であり、両群間に有意な差はみられなかった(HR:0.95、CI上限値:1.14、優越性:p=0.26)。 ベースラインから試験終了までのHbA1cの変化率は、アログリプチン群が-0.33%、プラセボ群は0.03%であり、最小二乗平均差は-0.36(95%CI:-0.43~-0.28)と有意な差が認められた(p<0.001)。 重篤な有害事象の発生率は、アログリプチン群が33.6%、プラセボ群は35.5%(p=0.14)であり、低血糖、がん、膵炎、透析導入の頻度にも両群間に差はなかった。 著者は、「アログリプチン投与により、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中がプラセボよりも増加することはなかった」とまとめ、「これらのデータは、心血管リスクが著しく高い2型糖尿病患者の治療において、抗糖尿病薬を選ぶ際の指標として有用と考えられる」と指摘している。

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