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第42回 あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?漫画・イラスト:かたぎりもとこ私たちが承継のお手伝いをしていく中で、「とにかく多くの物件を見ているのに、最終決断ができない」という方が一定数いらっしゃいます。このような方に共通するのは「自分にとっての成功・失敗の定義ができていない」ことです。このために不安に支配されてしまい、決断ができないのです。私たちはこうした方には「成功・失敗を数値で定義してみる」ことをお勧めしています。たとえば、下記のようなイメージです。自分にとっての成功:3年以内に年収を現在(勤務医時代)の2,000万円に戻し、5年以内に2,500万円にすること。自分にとっての失敗:3年以内に初期投資額である4,000万円を返済できないこと(3年間は年収1,500万円を維持する前提)。または、開業の軸として経済合理性以外の軸が重要である場合には、下記のようなものでも良いでしょう。自分にとっての成功:現在の年収1,500万円を下回ることなく、週のうち半分以上は家族と夕食を共にできる働き方を維持する。自分にとっての成功:年収1,000万円を下回ることなく、一人ひとりの患者さんに丁寧な診療(具体的には1人10分以上の診察時間を持てるような診療)を実現する。開業3年目までに実現できていれば成功。多くの物件を見ても意思決定できない方は、上記を整理・言語化できていない場合がほとんどです。これは本来ならば物件を見るより前に、自分の頭で一度整理してみるしかないことです。「決められない病」になってしまった方は、ぜひ「成功・失敗を定義する」という取り組みをしてみてください。