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痩身クリームの効果は-0.46cm

 イタリア・ミラノ大学のF. Turati氏らは、塗るだけでセルライトを減らす(cellulite reduction)効果をうたうコスメ製品について、システマティックレビューとメタ解析を行った。同製品の有効性を調べたオリジナル研究論文は、過去10年間で急速に増加したが、これまでシステマティックレビューとメタ解析は行われていなかった。検討の結果、有効性は大腿囲減少についてわずかに認められるとする知見が得られたことを報告した。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌2014年1月号の掲載報告。 研究グループは、PRISMAガイドラインを適用しているヒトに対するin vivo のシステマティックレビューを行った。また、メタ解析的アプローチを用いて、1アーム10例以上の被験者を組み込み、転帰尺度として大腿囲減少を用いていた対照試験から痩身クリームの全体的な有効性を推算した。 主な結果は以下のとおり。・Medline、Embaseにより2012年8月までに発表された論文から適格試験を検索した。・結果、オリジナル試験は21件であった。全試験が臨床試験であり、大半は女性だけを対象としており、67%は患者内試験として設計されたものであった。・検証されていた痩身クリーム製品の約半数は、キサンテン、ハーブあるいはレチノイドのうち1種類の活性成分を含むだけのものであった。・その他の試験では、痩身クリームをより複雑な手法で検証していたが、試験対象の大部分がキサンテンを含むものであった。・メタ解析の適格基準を満たした対照試験は計7件であった。・治療群と対照群間の大腿囲減少のプール平均差は、-0.46cm(95%信頼区間[CI]:-0.85~-0.08)であった。試験間の不均一性は有意であった(p<0.001)。・以上を踏まえて著者は、「本稿は、セルライトを減らすというコスメ製品の有効性について、科学的エビデンスの系統的な評価を示すとともに、大腿囲減少の効果がわずかにあることを支持するものである」とまとめている。

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良質な有害事象報告は、システマティックレビューといえども半分程度/BMJ

 システマティックレビューの有害事象報告の質は不十分であると、カナダ・アルバータ大学のLiliane Zorzela氏らが報告した。309本の有害事象を評価していたシステマティックレビューまたはメタ解析論文をシステマティックレビューした結果、その多くで有害事象の定義が不明瞭であったり、介入の有害事象を評価する際にリスク因子や追跡期間を考慮していないものがみられ、良好と呼べるレビュー論文は約半数であったという。BMJ誌オンライン版2014年1月8日号掲載の報告より。主要アウトカムに有害事象を含むシステマティックレビュー論文を評価 研究グループは本検討において、システマティックレビューにおける有害事象報告の質を調べ、有害性レビュー報告に関するガイドラインの必要性を確定することを目的とした。 Cochrane Database of Systematic Reviews(CDSR)、Database of Abstracts of Reviews of Effects (DARE)をソースに、2008年1月~2011年4月に発表された、主要アウトカムに有害事象を含むシステマティックレビュー論文を検索した。 有害事象の定義は、あらゆる医療介入と関連した有害反応、危害、または合併症などとした。なお、介入の安全性プロファイルの調査を主要目的に含んでいた論文も検討対象とした。 各レビュー論文の有害事象報告の質を測定するために、37項目のリストを開発して評価を行った。良質なレビュー論文の割合は0.56 4,644本のレビュー論文が検索され、そのうち309本のシステマティックレビューまたはメタ解析論文が有害事象を主要評価に含んでいた。CDSRから選定された論文が13本、DAREからの論文が296本だった。 2008年から2010-11年の間の報告の質の差は、短期間の評価であるが有意な差はみられなかった(p=0.079)。 タイトルで有害事象に言及しているレビュー論文は半数に満たなかった(言及レビュー論文が占める割合:0.46、95%信頼区間[CI]:0.40~0.52)。 DAREからの選定レビュー論文のうち、約3分の1(0.26、95%CI:0.22~0.31)は有害事象の定義が明確でなく、方法論を含む試験デザイン選択の指定がなされていなかった。 約半数のレビュー論文(170本)が、介入の有害事象を評価する際に、患者のリスク因子や追跡期間を考慮していなかった。手術・手技などに関連した合併症のレビュー論文は67本あったが、介入者の有資格を報告していたのは4本のみであった。 全体として、良質なレビュー論文の割合は0.56(95%CI:0.55~0.57)であった。各年でみると、2008年0.55(同:0.53~0.57)、2009年0.55(0.54~0.57)、2010-11年0.57(0.55~0.58)だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「システマティックレビューの有害事象報告を改善することは、介入をバランスよく評価するためのステップとして重要である」と述べている。

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禁煙補助薬として抗うつ薬は有用なのか

 抗うつ薬は禁煙を助ける可能性があるといわれている。米国・バーモント大学のJohn R Hughes氏らは、抗うつ薬が禁煙を補助するかどうかを検討するため、Cochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを用いてレビューを行った。その結果、ブプロピオン(国内未承認)とノルトリプチリンは長期的に禁煙を補助する可能性があること、一方でSSRIやモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬は禁煙を助けないことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年1月8日号の掲載報告。ブプロピオンほか抗うつ薬治療による長期禁煙を助ける効果の安全性を評価 抗うつ薬が禁煙を助ける可能性があるとされる背景には、少なくとも3つの理由がある。第1に、ニコチン離脱によりうつ症状が引き起こされる、あるいは大うつ病エピソードが促される可能性があるため、抗うつ薬がこれらを軽減する可能性がある。第2に、ニコチンは抗うつ作用を有している可能性があり、それが喫煙の継続につながっていると考えられる。このため、抗うつ薬がニコチンの作用を代替しうるという理由である。3つ目の理由として、いくつかの抗うつ薬は、ニコチン依存の背景に存在する神経経路に対するMAO阻害や、受容体に対するニコチン性アセチルコリン受容体阻害など、特異的な作用を示す可能性が挙げられる。 本レビューでは、長期禁煙を助けるための抗うつ薬治療の効果と安全性を評価した。Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、PsycINFOにおける試験の報告、および2013年7月におけるその他のレビュー、会議録を含むCochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを検索した。禁煙について抗うつ薬とプラセボまたは代替の薬物療法を比較した無作為化試験を適格とし、再発予防、禁煙再開または喫煙量の軽減を図る薬物療法の用量比較試験も含めた。追跡期間が6ヵ月未満の試験は除外した。検討した抗うつ薬はブプロピオン、イミプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セレギリン、セルトラリン、ドキセピン(以下、国内未承認)、フルオキセチン、ラザベミド、モクロベミド、S-アデノシル-L-メチオニン [SAMe]、セントジョーンズワート、トリプトファン、ベンラファキシン、ジメリジンであった。データを抽出し、Cochrane Collaborationによる標準的手法でバイアスを評価した。主要アウトカムは、ベースライン時における喫煙者の追跡6ヵ月以降の禁煙とし、リスク比(RR)を算出した。禁煙については各試験で適用可能な最も厳格な定義を用い、可能であれば生化学的妥当性の割合を算出した。適切と考えられる場合は固定効果モデルを用いてメタ解析を行った。ブプロピオンとノルトリプチリンの作用機序はニコチン置換において有効 ブプロピオンほか抗うつ薬治療による長期禁煙を助ける効果の主な評価結果は以下のとおり。・2009年以降にアップデートされた24件の新しい試験が特定され、計90件の試験を検索した。このうちブプロピオンに関する試験が65件、ノルトリプチリンに関する試験が10件あり、大半はバイアスリスクが低いか不明であった。・単剤療法で質の高いエビデンスが認められた。ブプロピオンは長期禁煙を有意に延長させた(44試験、1万3,728例、RR:1.62、95%信頼区間[CI]:1.49~1.76)。・試験の数と被験者数が少ないため、中等度の質のエビデンスは限られていた。ノルトリプチリンは単剤療法において、長期禁煙を有意に延長した(6試験、975例、RR:2.03、95%CI:1.48~2.78)。・ニコチン置換療法(NRT)へのブプロピオン追加(12試験、3,487例、RR:1.9、95%CI:0.94~1.51)またはノルトリプチリン追加(4試験、1,644例、RR:1.21、95%CI:0.94~1.55)による長期的ベネフィットの追加について、十分なエビデンスは示されなかった。・直接比較のデータは限られていたが、ブプロピオンとノルトリプチリンの効果は同等で、NRTへの影響は同程度であった(ブプロピオン対ノルトリプチリン 3試験、417例、RR:1.30、95%CI:0.93~1.82/ ブプロピオン対NRT 8試験、4,096例、RR:0.96、95%CI:0.85~1.09/ ノルトリプチリンとNRTの直接比較試験はなし)。・ブプロピオンとバレニクリンを比較した4試験のプール分析から、ブプロピオンはバレニクリンと比較して有意に中断が少なかった(1,810例、RR:0.68、95%CI:0.56~0.83)。・メタ解析により、ブプロピオン服用者における重篤な有害事象の発現率について、有意な増加は検出されなかった。信頼区間が狭く有意差は出ていなかった(33試験、9,631例、RR:1.30、95%CI:1.00~1.69)。・ブプロピオン使用に際し、約1,000人に1人で痙攣のリスクがあることが示唆されていた。また、ブプロピオンには自殺のリスクもあるが、因果関係は明らかではない。・ノルトリプチリンは重篤な副作用を示す可能性があるが、禁煙に関する少数の小規模試験では重篤な副作用はみられなかった。・SSRIそのものによる有意な影響はみられなかった[RR:0.93、95%CI:0.71~1.22、1,594例、2試験はフルオキセチン、1試験はパロキセチン、1試験はセルトラリン]。また、NRTへの追加に関しても有意な影響はみられなかった (3試験フルオキセチン、466例、RR:0.70、95%CI:0.64~1.82)。・MAO阻害薬[RR:1.29、95%CI:0.93~1.79、827例、1試験はモクロベミド、5試験はセレギリン]、非定型抗うつ薬ベンラファキシン(1試験、147例、RR:1.22、95%CI:0.64~2.32)、セントジョーンズワートによるハーブ療法(ヒペリカム)(2試験、261例、RR:0.81、95%CI:0.26~2.53)、または栄養サプリメントSAMe(1試験、120例、RR:0.70、95%CI:0.24~2.07)において、有意な影響はみられなかった。・以上のように、抗うつ薬のブプロピオンとノルトリプチリンは長期禁煙を助け、両薬剤とも治療中断に至る重篤な有害事象はほとんどないことが判明した。ブプロピオンとノルトリプチリンの作用機序はその抗うつ作用に依存せず、ニコチン置換において同程度の有効性を示すことが示唆された。なお、ブプロピオンはバレニクリンと比較して有効性が低かったが、この知見を確認するためにはさらなる研究が求められる。

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大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA

 原発性大腸がんで根治目的の手術後、定期的にがん胎児性抗原(CEA)検査やCT検査を実施しても、症状がある時のみ診察するという最少のフォローアップに比べ、死亡率は減少しないようだ。一方で、再発した大腸がんに対する根治目的手術の実施率は、定期的にCEA検査やCT検査を行った群で有意に高率だった。英国・サウサンプトン大学のJohn N. Primrose氏らが行った無作為化前向き比較試験の結果、明らかにした。JAMA誌2014年1月15日号掲載の報告より。CEA検査、CT検査、CEA+CT検査、症状がある時のみフォローアップで比較 Primrose氏らは2003年1月~2009年8月にかけて、英国内39ヵ所のNHS病院を通じ、原発性大腸がんの根治目的の手術を行った1,202例について試験を行った。被験者は、適応があれば補助療法を行い、また残存病変の疑いはなかった。 研究グループは被験者を無作為に4群に分け、CEA検査のみ(300例)、CT検査のみ(299例)、CEA検査とCT検査(302例)、症状がある時のみフォローアップ(301例)を、それぞれ実施した。血中CEA値は、当初2年間は3ヵ月ごとに、その後3年間は6ヵ月ごとに測定した。胸部、腹部、骨盤部CT検査は、当初2年間は6ヵ月ごとに、その後3年間は毎年行った。 主要アウトカムは、再発時の根治目的手術の実施とした。副次アウトカムは、全死亡率と大腸がん死亡率、再発診断までの期間、再発後の根治目的手術後の生存率だった。CEAやCT実施の有無で、再発がんの手術率は有意差あるが全死亡率は有意差なし 平均追跡期間は4.4年(SD 0.8)だった。その間にがんの再発が認められたのは199例(16.6%)であり、再発時に根治目的手術を行ったのは71例(5.9%)だった。 それぞれの群について見てみると、症状がある時のみフォローアップした最少追跡群の再発がん手術率は2.3%(301例中7例)、CEA群で6.7%(300例中20例)、CT群で8%(299例中24例)、CEA+CT群で6.6%(302例中20例)だった。最少追跡群と比較した場合の同率絶対格差は、CEA群が4.4%、CT群が5.7%、CEA+CT群が4.3%といずれも有意に高率だった(各群の補正後オッズ比は3.00、3.63、3.10)。 一方、全死亡率については、最少追跡群が15.9%に対し、その他3群では18.2%と、有意差はなかった(絶対格差:2.3%、95%信頼区間:-2.6~7.1)。 著者は、「いずれのスクリーニング戦略をとっても、生存ベネフィットはわずかなようだ」と結論している。

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EC followed by paclitaxel(T) versus FEC followed by T, all given every 3 weeks or 2 weeks, in node-positive early breast cancer(BC) patients(pts). Final results of the Gruppo Italiano Mammella(GIM)-2 randomized phase III study -- Cognetti F, et al.

EC→T vs FEC→T:アンスラサイクリンへの5-FUの上乗せ及びタキサンdose denseの意義イタリアからの報告である。4群の無作為化比較試験(2×2要因計画)であり、リンパ節転移陽性の乳癌術後補助療法としてアンスラサイクリンとタキサンを用いる場合、1つは5-FUをアンスラサイクリンに上乗せすることの意義、もう1つはdose denseの意義を確かめるものである。レジメンとしてはEC(90/600)またはFEC(600/75/600)を4サイクル行った後、タキサンとしてパクリタキセル(P 175)を4サイクル行うものである。A群:EC x 4 → P x 4 q. 3 wB群:FEC x 4 → P x 4 q. 3 wC群:EC x 4 → P x 4 q. 2 w + PegfilgrastimD群:FEC x 4 → P x 4 q. 2 w + Pegfilgrastimプライマリエンドポイントは無再発生存率であり、セカンダリーエンドポイントは全生存率と安全性である。再発と第2の腫瘍、あるいは死亡について、20%のリスク低減が検出(OR=0.8)でき、α=0.05,1-β=0.80と仮定して、平均5.5~9年の観察期間で2,000例の必要症例数で、635例のイベントが要求された。最終的に2,091例が登録された(A:545例、B:544例、C:502例、D:500例)。閉経前後がほぼ半数ずつ、リンパ節転移1~3個が約60%、4~9個約25%、10個以上約15%であった。組織学的異型度はグレード1が6~8%、HER2陽性が20%以上に認められた。ホルモン受容体は約80%で陽性であった。治療完遂率はいずれもほぼ同様で、88~89%であった。EC(A+C)とFEC(B+D)を比較したとき、無再発生存率に差はなかった(p=0.526)。2週毎のdose denseと3週毎のstandardと比較したとき、dose denseのほうが有意に無再発生存率が高かった(p=0.002)。全生存率もdose denseで有意に良好であった。グレード3以上の有害事象は、好中球減少がdose denseに比べstandardで有意に多かったが、貧血はdose denseで有意に多かった。その他はほぼ変わりなかった。これらの結果からアンスラサイクリンとタキサンを逐次投与で併用するとき、5-FUによる生存率改善効果はないようにみえる。逆に5-FUが加わることによって、特有の有害事象が上昇する可能性はある。若干解釈を難しくしているのは、各薬剤の投与量の差である。さらに本邦の多くの施設ではFEC(500/100/500)が用いられており、EC(90/600)と比較するとE10、F500の増加および、C100の減少となる。参考になる過去の報告を挙げてみる。転移性乳癌390例におけるFEC3週毎6サイクルで、投与量500/50/500と500/100/500の比較では、奏効率はE100のほうが良いものの、無増悪生存期間、全生存期間にはまったく差がなかった(Brufman G, et al. Ann Oncol. 1997; 8: 155-162.)。このようなデータも加味すると、FEC(600/75/600、500/100/500あるいは500/50/500など)が、EC(90/600)に対して優越性をもっているとはいえない。タキサンが加わると投与量のわずかな差はさらに意味を持たなくなるだろう。またdose denseの意義であるが、本試験でのコントロールがパクリタキセル3週投与であり、これは標準とはいえない。通常臨床では術後補助療法でも転移性乳癌でもパクリタキセルの12回毎週投与が行われており、そのほうが効果も高いことが知られている(Sparano JA, et al. N Engl J Med.2008; 358:1663-1671. / Seidman AD, et al. J Clin Oncol. 2008;26: 1642-1649.)。そのことから本試験におけるdose denseが、効果面で真に現在のスタンダードレジメンより優れているかどうかは、少なくとも本試験からは不明である。後は治療期間、毒性、コスト、QOL評価も加味して今後の臨床での意義を議論していく必要があろう。過去の報告でも投与薬剤、投与量、投与スケジュールが一定していないため、何ら結論的なことを言うことはできない。本試験とは直接関係ないが、AC(60/600)とEC (90/600)ではどうだろうか。過去に治療効果と毒性の両面からしっかりした大規模な試験は残念ながら存在しない。小規模な臨床試験データを解釈するとエピルビシンのほうが毒性面(心毒性)で若干よいようにもみえるのだが、試験によって投与量や投与スケジュールが異なり、エピルビシンの明らかな優越性も証明できていない。エピルビシンはドキソルビシンに比べ高価であるという事実も加味して、日常臨床での使用を考えることが必要であろう。参考にdose denseに関する論文を2つ紹介するので、参考にしてほしい。Citron ML, et al. J Clin Oncol. 2003; 21: 1431-1439.米国からの報告で、リンパ節転移陽性乳癌に対する4群の無作為化比較試験(2×2要因計画)。1)sequential A(60) x4 → P(175) x4 → C(600) x4 with doses every 3 weeks2)sequential Ax4 → Px4 → Cx4 every 2 weeks with filgrastim3)concurrent ACx4 → Px4 every 3 weeks 4)concurrent ACx4 → Px4 every 2 weeks with filgrastim観察期間中央値36ヵ月,リンパ節転移1~3個59~60%、エストロゲン受容体陽性64~66%。無再発生存期間、全生存期間とも dose-dense>3週毎(p=0.010、p=0.013)。sequentialかconcurrentかでは差なし。Venturini M, et al. J Natl Cancer Inst. 2005; 97: 1724-1733.イタリアからの報告である。FEC(600/60/600) 6サイクルを2週毎(604例、Filgrastim使用)と3週毎(610例)で比較。リンパ節転移陰性36%、腫瘍のグレード15%、エストロゲン受容体陽性52%。観察期間中央値10.4年。死亡222例。10年生存率80%対78%(p=0.35)。無再発生存率63%対57%(p=0.31)。グレード1以上の有害事象はFEC2週群で多かったが、白血球減少は3週群で多かった(G-CSF)。グレード3以上の心毒性は両群とも0.2%。

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アリピプラゾールは急性躁病治療のファーストラインになりうるか

 急性躁病のファーストライン治療は薬物療法であり、まず初めに興奮、攻撃性、危険な行動を迅速にコントロールすることが目的とされている。非定型抗精神病薬アリピプラゾールは、躁病治療において、単独また他剤との併用いずれもが行われている。また、英国精神薬理学会(British Association of Psychopharmacology)のガイドラインでは、単独療法プラセボ対照試験において、アリピプラゾールを含む非定型抗精神病薬は急性躁病また混合性エピソードに有効であることが示唆されたとしている。そこで、英国・Oxford Health NHS Foundation TrustのRachel Brown氏らは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年12月17日号の掲載報告。 研究グループは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。また、アリピプラゾール治療に対する受容性、有害反応、またアリピプラゾール治療患者における全死亡率なども調べた。 評価は、Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Group's Specialised Registerにて2013年7月末以前に発表された文献を検索して行った。また、Bristol-Myers Squibb臨床試験レジスタ、WHO試験ポータル、ClinicalTrials.gov(2013年8月まで)の検索も行った。文献の適格基準は、急性躁病もしくは混合性エピソードの治療において、アリピプラゾールをプラセボあるいは他剤と比較した無作為化試験とした。2人のレビュワーがそれぞれ、有害事象など試験報告データを抽出し、バイアスを評価した。欠落データについては、医薬品製造会社または文献執筆者に問い合わせを行った。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、10試験(被験者3,340例)のデータが組み込まれた。・7試験(2,239例)が、アリピプラゾール単独療法とプラセボを比較したものであった。そのうち2試験が3比較アームを含んだ試験で、1試験はリチウムを(485例)、もう1つはハロペリドール(480例)を用いていた。・2試験は、アリピプラゾールを、バルプロ酸またはリチウムもしくはプラセボに追加した場合を比較したものであった(754例)。1試験は、アリピプラゾールとハロペリドールを比較したものであった(347例)。・全体のバイアスリスクは不明であった。また、大半の試験で被験者の脱落率が高く(8試験の各介入において20%超)、相対的な有効性の推定に影響がある可能性があった。・以上を前提とした解析の結果、アリピプラゾールは、プラセボと比べて、成人と小児・若者の躁症状の軽減に有効であることを示すエビデンス(格差はわずか)が認められた。軽減効果は、3週、4週時点でみられ6週時点ではみられなかった(Young Mania Rating Scale[YMRS]の3週時点のランダム効果による平均差[MD]:-3.66、95%信頼区間[CI]:-5.82~-2.05、6試験・1,819例、エビデンスの質:中程度)。・アリピプラゾールと他剤療法との比較は3試験(1試験は、成人対象のリチウム投与、2試験はハロペリドール)であった。躁症状の軽減について、アリピプラゾールと他剤療法との統計的な有意差は、3週時点(3週時点のランダム効果のYMRS MD:0.07、95%CI:-1.24~1.37、3試験・972例、エビデンスの質:中程度)、および12週までのいかなる時点においても示されなかった。・プラセボと比較して、アリピプラゾールは、運動障害をより多く引き起こしていた(Simpson Angus Scale[SAS]、Barnes Akathisia Scale[BAS]の測定と、参加者が報告したアカシジアによる、エビデンスの質:高度)。抗コリン作用性の薬物による治療を必要としていた患者で、より多く認められた(ランダム効果によるリスク比:3.28、95%CI:1.82~5.91、2試験:730例、エビデンスの質:高度)。・また、アリピプラゾール服用群は、胃腸障害(悪心[エビデンスの質:高度]、便秘)が多く、小児・若者でプロラクチン値の正常下限値以下への低下がみられた。・アリピプラゾールとその他治療とを比較した運動障害との関連に関するメタ解析には有意な不均一性があり、多くはリチウムとハロペリドールのさまざまな副作用プロファイルによるものであった。・3週間時点のメタ解析は、データ不足のためできなかった。しかし12週時点の解析において、ハロペリドールはアリピプラゾールよりも、有意に運動障害の発生が多かったことが、SAS、BASとAbnormal Involuntary Movement Scale(AIMS)、被験者報告のアカシジアの測定によって認められた。・一方12週時点までに、アリピプラゾールとリチウムとの差について、被験者報告のアカンジア(RR:2.97、95%CI:1.37~6.43、1試験・313例)を除き、SAS、BAS、AIMSに関しては研究者による報告はなかった。関連医療ニュース バイポーラの躁症状に対するアリピプラゾールの位置付けは? アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

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社会保障および経済成長のエンジンとしての医療 ―二つの視点から医療問題を考えよう シンポジウムのご案内

 京都大学大学院薬学研究科 医薬産業政策学講座は、2月14日(金)午後2時から7時まで、東京駅前の丸ビルホールにてシンポジウム「社会保障および経済成長のエンジンとしての医療 ―二つの視点から医療問題を考えよう」を開催する。開催概要は以下のとおり。【日時】平成26年2月14日(金) 14:00~19:00(開場13:30)【会場】丸ビルホール(東京駅)【プログラム】14:00  開会の辞 伍藤 忠春 氏(日本製薬工業協会理事長)14:10~17:00 第1部:パネリストによる講演 第1講演:社会保障の充実と効率性の両立―国民にとっての幸せとは      橘木 俊詔 氏(同志社大学教授) 第2講演:社会保障給付と負担をどうするか      土居 丈朗 氏(慶應義塾大学教授) 第3講演:国民負担率とは何か?医療費の増大は経済成長を阻害するのか?     促進するのか?      柿原 浩明 氏(京都大学教授) 第4講演:医薬品産業を日本のリーディング産業に       中村 洋 氏(慶應義塾大学教授)17:10  社会保障および経済成長のエンジンとしての医療     ―ディスカッションに期待すること      古川 俊治 氏(参議院議員・慶應義塾大学教授)17:25~18:45 第2部:パネルディスカッション     パネリスト:橘木 俊詔 氏、土居 丈朗 氏、柿原 浩明 氏、中村 洋 氏      司会:西村 周三 氏(国立社会保障・人口問題研究所所長)18:50  閉会によせて―わが国の医療と経済のあるべき姿を求めて       佐藤 敏信 氏(厚生労働省 健康局長)【参加費】無料【定員】400名(事前申し込み)※申し込み多数の場合は抽選【申込方法】E-mailにて、①氏名 ②ご所属 ③ご連絡先(Emailアドレスまたは電話番号)をお知らせください。【申込先】E-mail:iyaku@pharm.kyoto-u.ac.jp【お問い合わせ先】京都大学大学院薬学研究科 医薬産業政策学講座 事務局TEL/FAX:075-753-9273【後援】日本製薬工業協会、日本医師会、東京都医師会、医療経済フォーラムジャパン本シンポジウムの詳細はこちら

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新規抗スクレロスチン抗体、閉経後の骨密度を増大/NEJM

 閉経後に骨密度(BMD)が低下した女性に対する抗スクレロスチン抗体romosozumab投与は、腰椎BMDを12ヵ月で5~11%改善することが示された。米国・オレゴン骨粗鬆症センターのMichael R. McClung氏らが、romosozumabの有効性について検討した第2相臨床試験の結果、報告した。NEJM誌オンライン版2014年1月1日号で発表した。主要エンドポイントは腰椎BMDの変化 McClung氏らは、閉経後の55~85歳女性でBMDの低下が認められる419例を対象に、 12ヵ月間にわたるromosozumabの有効性と安全性を評価する第2相多施設共同国際無作為化プラセボ対照並行群(8群)試験を行った。被験者は、腰椎、全股関節あるいは大腿骨頚部のTスコアが-2.0以下、あるいは3部位いずれも-3.5以上だった。 研究グループは被験者を無作為に8群に分けて、70mg、140mg、210mgのromosozumab皮下投与を毎月、140mg、210mgを3ヵ月ごと、プラセボ、アレンドロン酸経口投与(70mg/週)、テリパラチド皮下投与(20μg/日)をそれぞれ投与した。 主要エンドポイントは、12ヵ月後の腰椎BMDのベースライン時からの変化だった。副次エンドポイントは、その他の部位である全股関節、大腿骨頚部のBMDの変化、骨代謝マーカーの値などだった。romosozumab投与群すべてで腰椎BMDが有意に改善 結果、romosozumab投与群では、すべての投与量群で腰椎BMDの有意な改善が認められた。210mg毎月投与群のベースライン時からの変化率は11.3%、140mg毎月投与群では9.1%、70mg毎月投与群では5.4%であり、3ヵ月ごとの210mg投与群は5.5%、同140mg投与群では5.4%だった。 一方、アレンドロン酸群の同BMDの変化は4.1%、テリパラチド群7.1%、プラセボ群-0.1%だった。 また、romosozumab投与は、全股関節と大腿骨頚部の骨密度を大幅に増加し、骨形成マーカーの一時的増加と、骨吸収マーカーの持続的減少に関与していた。 romosozumab投与群で軽度の注射部位反応が認められたほかは、各群の有害イベントは同等だった。 著者は、「romosozumabは骨密度が低下した閉経後女性において、骨密度と骨形成の増大、および骨吸収減少と関連することが認められた」と結論している。

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SSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのは

 うつ病患者において、抗うつ薬単独療法で寛解が得られるのは約3分の1にすぎず、その他の抗うつ薬に変更した場合でも累積寛解率は50~55%にとどまる。このような背景から、治療抵抗性うつ病のマネジメントとして増強療法への関心が高まっている。米国・IMS HealthのRolin L. Wade氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬/ 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI/SNRI)に、第二世代非定型抗精神病薬(SGAs)またはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のアドヒアランス、ならびに医療コストについて比較検討した。その結果、L-メチルフォレートのほうがSGAと比べて、抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれ、うつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことが示されたことを報告した。Journal of managed care pharmacy誌2014年1月号の掲載報告。 本研究では、以下の2点について検討を行った。・SGAsまたはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のSSRI/SNRIのアドヒアランスについて。アドヒアランスは、Healthcare Effectiveness Data and Information Set(HEDIS)急性薬物マネジメント(AMM)の改訂アプリケーションにより評価。・2種類の増強療法について、うつ病に特化したコストおよび全医療コストを比較する。 2006年1月1日~2009年12月31日(index date)にうつ病と診断され、SSRI/SNRIが投与され、SGAまたはL-メチルフォレートのいずれか(augmentation date)を併用した患者をMarketScan databaseにより特定し、231日間追跡した。index date前90日に抗うつ薬またはSGAを服用した者、index date前6ヵ月にL-メチルフォレートを服用した者、index date時18歳未満、index date前12ヵ月に妊娠していた、または認知症、精神病に関連する精神障害、アルツハイマー病、パーキンソン病と診断された者は除外した。 最終的な試験コホートの選択に当たり、年齢、性別、併存症、index SSRI/SNRIおよび index SSRI/SNRI 用量を共変数とし、傾向スコアマッチング(非定型抗精神病薬とL-メチルフォレートの比率は3:1)を行った。抗うつ薬のアドヒアランスは、augmentation date以降から測定し、改訂HEDIS(mHEDIS)AMMアプリケーションの急性期、慢性期、6ヵ月治療期を含めた。保険利用とコストの状況については、増強療法開始後6ヵ月間評価し、うつ病に特化したコストと、全医療コストを算出した。SGAおよびL-メチルフォレートコホート間の比較は、バイナリ変数に関してはカイ二乗検定で、連続変数に関してはt検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコアマッチング後、index date 12ヵ月以内のindex SSRI/SNRIにおいて、SGAによる増強療法が4,053例、L-メチルフォレートによる増強療法が1,351例に行われた。・比較グループは年齢、性別、併存症およびSSRI/SNRI の種類・用量において偏りがなくバランスがとれていた。・両群で効果増強が行われた主な抗うつ薬は、エスシタロプラム、デュロキセチン、ベンラファキシン(国内未承認)であった。・index dateからaugmentation dateまでの平均日数(標準偏差:SD)は、SGAが73.5(96.7)日、L-メチルフォレートが105.9(108.7)日であった(p <0.001)。・増強療法に最も多く使用されたSGAsは、クエチアピン、アリピプラゾール、リスペリドンであった。・L-メチルフォレートに関しては、主に7.5mg/日の用量が使用された。・mHEDIS AMM 急性期のアドヒアランスは、SGAコホートが68.7%、L-メチルフォレートコホートが78.7%であった(p<0.001)。・増強療法後のmHEDIS継続期のアドヒアランスは、SGAコホートが50.3%、L-メチルフォレートコホートが62.1%であった(p <0.001)。・医療費(入院、救急、外来)はSGA群で有意に高かったが、合計処方数はL-メチルフォレート群で有意に高かった。・増強療法後6ヵ月間の平均(SD)コストは、SGA群が8,499(1万3,585)ドル、L-メチルフォレート群が7,371(1万2,404)ドルであった(p=0.005)。・増強療法後6ヵ月間のうつ病関連コストは、SGA群が2,688(4,201)ドル、L-メチルフォレート群が1,613(2,315)ドルであった(p<0.001)。・以上より、SGAまたはL-メチルフォレート併用による増強療法において、mHEDIS AMM急性期のSSRI/SNRIのアドヒアランスは69~79%、継続期では50~62%であった。・これらのスコアは、2012年に国のベンチマークとして示された改訂前HEDIS AMMの値を上回るものであった。・以上のように、L-メチルフォレートによる増強療法は、SGAによる増強療法と比較して抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれることが示された・さらに、L-メチルフォレート増強療法群はSGAによる増強量群に比べてうつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことも示された。関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か

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若手医師の4割超が「子どもは3人以上欲しい」 「子どもを望まない」女性医師が男性医師を上回る

出生率低迷が続く日本。そんな中で、若手医師は「子どもを持つこと」をどのように考えているのか!「子どもはたくさん欲しい」のか?それとも「子どもは望まない」のか?また、子どもを産み育てていくために何が必要なことなのでしょうか?20代30代の若手医師にご自身の挙児に対する考えについて聞いてみました!コメントはこちら結果概要4割を超える若手医師が3人以上の子どもを希望20代30代の若手医師に希望する子どもの人数を尋ねたところ、40.5%の医師が「3人以上欲しい」と考えているという結果となった。希望する理由としては、「にぎやかで楽しそう」「兄弟で協力しあえる」「子どもの中で社会性が養える」「自分がそうだったから」などのコメントが多数寄せられた。また、2人希望(50.4%)を加えると、9割以上が複数人の子どもを希望しており、日本の現在の平均よりも多く子どもを持ちたいと考えている。「子どもを望まない」と回答した女性医師が男性医師を上回る一方で、子どもが欲しくないと答えた割合は、全体で3.4%とわずかだった。内訳を見てみると既婚0.9%に対し、未婚10.9%と大きな開きが見られた。男女比では男性2.3%に対し、女性6.8%と、女性医師の方が男性医師よりも「子どもを望まない」とする割合が高かった。その理由としては、「結婚するつもりはない」「産みたくない」といった意見が目立った。半数以上の医師が保育施設や産休育休制度の整備が必要と回答出生率を上げるために必要な施策を尋ねたところ、保育施設の整備・拡充(67.7%)、産休・育児休業制度の整備(56.2%)、子育て世帯の税制優遇(52.3%)が上位となり、それぞれ半数以上の医師が必要であると考えていることがわかった。フリーコメントの回答では「病児保育の充実」「不妊治療に対する助成」などの意見も見られた。設問詳細「日本の出生率」についてのお考えをお尋ねします。厚生労働省は2012年の合計特殊出生率が1.41と発表しました。前年と比較してわずかに上昇はしているものの、まだまだ低迷を続けています。 そこで20代、30代の先生にお尋ねします。Q1.先生ご自身が希望する子どもの人数をお選びください(必須)0人1人2人3人4人5人以上Q1-2.その理由をお聞かせください (任意)[            ]Q2.出生率を上げるために必要な施策は何だと思われますか(複数回答可)(必須)保育施設の整備・拡充教育の無償化子育て世帯の税制優遇児童手当の増額勤務先からの養育手当の支給・増額産休・育児休業制度の整備短時間勤務制度の整備非正規雇用の割合の引き下げ正規・非正規の均等待遇の確保地域社会の支えその他【  】Q3.コメントをお願いします(出生率についてのお考えや、その他ご意見など何でも結構です)(任意)[            ]2013年12月20日(金)~27日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com若手医師会員(20代・30代)コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)子育ては親だけではできません。教育なども含めて親が地域・社会に関わっていかないといけないなと、自分が親になって思います。仕事をしていると職場の人間関係だけになりがちですが、まず地域とのコミュニケーションを取る努力が必要だと思います。(30代,女性,既婚)医師だと年収が高くなるため、いろいろな場面で手当てが受けられないことがある。それならば、税の優遇措置をとってもらわないと不公平を感じる。(30代,男性,既婚)やはり、子育ては思った以上に体力も使いますし、お金もかかります。駆け出しの場合、経済的にきついので支えがなければやってられません(20代,男性,既婚)勤務先における養育環境の整備が最も重要課題であると考える。(30代,男性,未婚)子供を産みにくい社会は皆が生活しにくい社会になっているということだと思います。出生率の向上を目指すことにより、女性を含め社会的弱者が社会生活しやすい社会になればと思います。(20代,女性,未婚)仕事で夜勤や当直がある場合に24時間預けられる施設が必要、また保育施設に預けている間に発熱して迎えが必要になった場合に仕事を休めない、頼れる家族も近くにいない場合、仕事が続けられない。(30代,女性,既婚)子供は大切だと思いますが、まずは結婚相手を探すところからはじめなければいけませんね(笑)(30代,女性,未婚)出生率が低いことも危惧されるが、結婚する人の減少がさらに危惧される。(30代,男性,既婚)女性だけでなく、男性にも育児休暇などを取らせやすい環境を作らないと改善は難しいと思う。(30代,男性,既婚)正直なところ, 出生率を上げる必然性を感じない。高額所得者でも平等に補助が受けられるような制度が望ましい。子供が子どもを育てるような国に成り下がっているのが現状で,国力は落ちる一方だと思う。(30代,男性,既婚)日本の場合、「晩婚化・少子化、一生を独身で過ごす人の増加」といった問題があり、早期に対策すべきと思う。自分も早く結婚して、子供を育てたいと思う。(最近は、医師としてのキャリアを積む方が幸せか、子供をきっちり育てられる方が幸せかと、悩みつつある。)(20代,男性,未婚)いじめのIT化など、私たちの常識の通用しない社会に生きていく子供がたいへん。気楽に子ども増やせばとか言えない。親の育てる環境だけでなく、子どもを守るものも確立していったほうがいい。(IT専門家などの知識が必要)(30代,男性,未婚)勤務先の関係で欲しい子供の数を諦めざるをえません。(30代,女性,既婚)子供をほしいと思っている人はいっぱいいます。でも、晩婚化で、子供に恵まれず、不妊治療をしたり、また産まれても保育施設にいれることが困難であったりと問題はかなりあると思います。女性に対する仕事の調整ができたり(結婚前後、出産前後)保育施設がしっかりとできることで、経済がもっとまわるようになると思います。(30代,女性,既婚)不妊治療の助成をもっと積極的にやれば少しは上昇すると思う。(30代,男性,既婚)現状の日本の一番重要かつ対策が殆どなされていない問題です。人口減でもしょうがないという対策なのか、なんとか人口をあげようとしているのかが分かりづらく、明確な方向性を持った施策が必要と思っています。(30代,男性,既婚)若い世代が年金や非正規雇用などの問題で将来に希望が持てない社会だといつまでもこの傾向は進むであろう(20代,男性,未婚)晩婚化は時代の流れとして仕方ないので、不妊治療についての知識と重要性を普及すること。卵子の老化についてもきちんと教育し、パートナーが見つかる前に予め採卵を行っておくようなシステムも検討すべし。経済的なサポートももっと必要。(30代,女性,既婚)産休・育休、職場復帰を望んでいますが、職場の未婚女性からのプレッシャーが怖いです。(30代,女性,既婚)実際に三人の子育てをしつつ、パートタイムで週3日小児科医をしています。子供が幼児の間はまだいいのですが、小学生になったら、習い事の送り迎えや学校行事との兼ね合いをどうするかなど、悩みは満載です。週5日仕事に戻らないかというお話もいただきますが、なかなかその踏ん切りはつきません。(30代,女性,既婚)男性のトップの意識改革が最も重要と考えます。世界経済フォーラムから出ている、ジェンダーギャップレポートの結果について、ダイバシティーマネジメントについて、など今後の医療における国際競争力強化のために、何をすべきかを知らな過ぎると思います。(30代,女性,既婚)女性だけが子育てをがんばればいい、という雰囲気はまだまだ根強いです。交代勤務とそのシステムを充実させればいいと思います。(30代,女性,既婚)通常の保育施設に関しては整備を進めようとする試みがみられるようになってきているが、病児保育に関してはまだまだ整備が整っていない状態である。働き始めて大変なのは子供が病気になったときの対応である。病児保育に関して整備を進めるのも一つの手だと考える。(30代,男性,既婚)小児科受診を無料にするのは、無駄な受診が増えるのでそこは考えてほしいです。特に夜間。(30代,女性,未婚)まだまだ、職場での「常勤」の時短勤務、当番、当直の免除等の対応を取ってもらえないところが多いです。子育てをしている職員に対する意識がもっと高まれば、働きやすくなり、子どもを出産する人数も変わってくるのかな、と思います。(30代,女性,既婚)子供の教育費用や医療費が親の所得により違うのはおかしい。子供は平等。親から子供のことを考えるのではなく、子供を守るにはどうすればよいかを考えた政策を考えてほしい。(30代,男性,既婚)最近は昔よりも働いていても子供を作りやすい環境ができてきているとは思います。(30代,女性,既婚)経済的な問題ももちろん大きいが、娯楽が発達し過ぎて、いい大人の年齢であっても趣味、仕事などに熱中し、子供をもつほど精神的に成熟出来ていないのではないかと感じる。(30代,男性,既婚)3人欲しかったが、自分の年と、妊娠中の大変さと、経済面で2人でやめることにしている(今のところ)。このご時世、共働きはあたりまえ。保育所の拡充などは注目されて改善が見られると思うが、小学校時代の児童館の整備やせめて高校まで無償化などにしないと、自信をもって産もうとする人は減ると思う。(30代,女性,既婚)子供を持つ女性医師は、仕事がどうしても少ないように優遇される。その分男性医師の負担が大きい。給料は同じなのに。少子化対策では職場の理解を推進するという意見があるかもしれないが、他の医師の負担が増えるだけ。別の対策が望まれる。(30代,男性,既婚)第二次ベビーブーム世代の駆け込み出産も終わり、出生率はまた低下していくと思う。海外では働く女性が親やお手伝いさんに家事や育児を任せていることが多い。日本もそのような風習が根付き、産後の女性の社会復帰がしやすい環境になれば、出生率の低下を少しは食い止められるのではないだろうか。(30代,女性,既婚)女性の社会進出率の増加が悪影響を及ぼしている。主婦と仕事の両立は甘いものではない。(20代,男性,未婚)同年代の優秀な女性の多くに子供がいません(30代後半~40代前半)。これは医師に限りません。社会的に大きな損失と思います。仕事を継続しキャリアアップしていく上で、出産・育児が支障になり過ぎないような職場側の仕組みの改善は、緊急の課題と思います。(30代,女性,既婚)待遇面などは少しずつ改善はされてきていると思う。結婚率低下や高齢化問題もあるので、急に出生率が上がるのは難しいのではないか。(20代,男性,既婚)現在の日本に希望が持てないから出生率低下は当然(20代,女性,未婚)妊娠出産にかかる費用の減額、不妊治療に対する補助などの充実(30代,女性,既婚)3人4人生んでいる人と独身で全く生まない人の差や地域柄による差がひどく大きいと思う(20代,女性,未婚)子供は社会で育てるとか言っておきながらの所得制限、保育園料の違いなど納得できないことが多い(30代,男性,既婚)収入が少ない世帯には国の経済的な補助が出生率をあげる重要な施策となると思う。しかしある程度の収入があり、責任ある仕事を持っている女性にとっては、出産適応年齢を逃してしまうことへの対策、不妊治療の充実が必要かと思う。(30代,女性,既婚)一人で生きていける人が多い、楽しいことが多い、自分の食い扶持で手がいっぱい?都会はやることが多いので子供欲しいと思うまで年齢が必要になり、さて作ろうという時には、なかなかできない人が多い気がする。(30代,男性,既婚)子供が小さいときの当直は家族にも負担大です。(30代,男性,既婚)本当に女性の社会進出と出生率増加を両立させたいのであれば、男性でも育児休暇をとったり、あるいは子供の体調が悪いときに父親が仕事を休んで子供の面倒を見ることを「普通」と考えるように、われわれの観念を変えていかなければならない。(30代,男性,既婚)

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「二次災害としての感染症」「東アジアで急増するエイズ」に関する講演会のご案内

 2014年1月12日(日)、順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センターの坪内 暁子氏らが、科学教育の一環として「二次災害としての感染症」「日本ほか、東アジアで急増するエイズ」について講演する。本講演は、高校生などの若年層を対象にしているが、教員、その他の方々の聴講も歓迎している。【講演会の概要】■場所:法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎 薩埵ホール(6、7階)■日時:2014年1月12日(日)10:00~12:20(開場9:30) ポスター(PDF)●二次災害としての感染症 -知る!「体験」・「体感」する!「考え」る!- 坪内 暁子氏(順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター 助教) 内藤 俊夫氏(順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学 先任准教授)14:00~17:20(開場 13:30) ポスター(PDF)●日本ほか、東アジアで急増するエイズ-HIV/AIDSの世界の流行状況と問題点- 坪内 暁子氏●HIV Prevention Strategies among Blood Donors in the Kingdom of Swaziland Hosea Sukati氏(スワジランド王国 衛生部国家輸血センター センター長)●Human Immunodeficiency Virus -Related Opportunistic Parasitic Infections in Taiwan- Chia-Kwung Fan氏(台湾 台北医学大学医学系 教授)●日本におけるHIV/AIDSの現状-誰もが知っておくべきこと- 内藤 俊夫氏■問い合わせ先 坪内 暁子 e-mail:akiko@juntendo.ac.jp TEL:03-3813-3111 内線3294

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第4回 神戸医療イノベーションフォーラムのお知らせ

 神戸大学生命医学イノベーション創出人材養成センターは1月26日、第4回 神戸医療イノベーションフォーラムを開催する。 開催概要は以下のとおり。【日時】平成26年1月26日(日)13:00~19:00(12:30 受付開始)【会場】神戸ポートピアホテル 南館1F「大輪田の間」【参加費】無料(懇親会のみ有料)【定員】300名(※定員になり次第、受付を締め切り)【プログラム】《Introduction》 「生命医学イノベーション創出リーダー養成プロジェクト推進報告」  杉本 真樹 氏(神戸大学生命医学イノベーション創出人材養成センター) 《Session 1》「健康医療情報のシームレス連携による患者参加型医療の実現」  宮川 一郎 氏(習志野台整形外科内科院長/メディカクラウド株式会社代表取締役)「ハッピーエンドをささえるICT在宅医療」  遠矢 純一郎 氏(医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック 院長)「スマートフォンで医療現場を変える~システムを病院に導入するまで~」  高尾 洋之 氏(UCLA David Geffen School Of Medicine)「産学官そして民へ、iPadがつむぐ救急医療の未来」  円城寺 雄介 氏(佐賀県健康福祉本部医務課 主査 総務省 ICT地域マネージャー)「モバイルが変える緊急消防援助隊の情報戦略」  杉田 憲英 氏(消防庁広域応援室長)「モバイルで引き起こす医療チームの根本的変革」  畑中 洋亮 氏(I3Systems, Inc. 取締役社長室長)「スマートフォン医療 欧米最新現場レポート2014」  堀永 弘義 氏(Tlapalli, Inc 最高経営責任者)「薬局から始める地域医療イノベーション」  狭間 研至 氏(ファルメディコ株式会社 代表取締役社長)《Session 2》 特別講演「iPadビジネス戦略最前線:ワークスタイルイノベーション」   中山 五輪男 氏(ソフトバンクモバイルビジネス推進統括部首席エヴァンジェリスト)「21世紀デジタル産業革命 x 医療」  林 信行 氏(フリージャーナリスト・コンサルタント)《Session 3》スペシャルトークセッション「IT x 医療イノベーション 2014」   中山 五輪男 氏、林 信行 氏、杉本 真樹 氏《Session 4》「MRIを利用した繰り返しがんドック」   高原 太郎 氏(東海大学工学部医用生体工学科 教授)「デザインが医療を変えていく: なぜかっこいい白衣はなかったのか?」  大和 新 氏(クラシコ株式会社 代表取締役)「医療 x セキュリティハッカソン: いかに週末で世界を変えるか?」   山寺 純 氏(Eyes, Japan 代表取締役)「3Dプリンタ生体質感造形の開発:産学連携と知財戦略」  杉本 真樹 氏(神戸大学大学院医学研究科 消化器内科 特命講師)「デジタルネイティブと考える健康と教育の未来」  山本 恭輔 氏(県立千葉高等学校)「医療イノベーション神戸連携システム(MIKCS)」  石井 昭三 氏(神戸大学連携創造本部 客員教授) 《Session 5》プレゼンテーションセミナー「医療を変えるインセンティブ・プレゼンテーション」  有坂 好史 氏(神戸大学大学院医学研究科 内科学講座消化器内科学分野 特命准教授/神戸大学生命医学イノベーション創出人材養成センター)《情報交流懇親会》19:00~20:30参加費:一般 3,500円、学生 2,000円プログラム詳細はこちら(PDF)参加申し込みはこちら【主催】神戸大学生命医学イノベーション創出人材養成センター【協賛】医療イノベーション神戸連携システム(MIKCS)【お問い合わせ】神戸大学生命医学イノベーション創出人材養成センター事務局(秘書 三好)電話: 078-382-5881FAX: 078-382-6309E-mail: innova@med.kobe-u.ac.jp

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CPAPによって睡眠時無呼吸症候群の24時間血圧が低下/JAMA

 治療抵抗性高血圧と睡眠時無呼吸症候群(OSA)を有する患者について、12週間の持続的気道陽圧(CPAP)療法は、薬物療法のみの場合と比較して、24時間平均血圧や拡張期血圧が低下し、夜間血圧パターンを改善することが示された。スペイン・Hospital Universitario y Politecnico La FeのMiguel-Angel Martinez-Garcia氏らによる無作為化試験HIPARCOの結果、報告された。治療抵抗性高血圧患者では70%以上がOSAを有している。しかしこれまで、血圧へのCPAP療法の効果に関するエビデンスは、ほとんど示されていなかった。JAMA誌2013年12月11日号掲載の報告より。194例の患者を無作為化し12週間後に評価 HIPARCO試験は、OSAを有する治療抵抗性高血圧患者の血圧値と夜間血圧パターンについて、CPAP療法の効果を評価することを目的とした、オープンラベル無作為化多施設共同試験(スペイン国内の教育病院24施設)であった。エンドポイントはマスクされたパラレル群によるデザイン設定で行われた。 被験者は、無呼吸・低呼吸指数(AHI)15以上の治療抵抗性高血圧患者194例で、薬物療法で標準血圧コントロールを維持しながら、CPAPの介入または非介入を受けた。 2009年6月~2011年10月のデータが集められintention-to-treat(ITT)にて分析された。主要エンドポイントは、12週間後の24時間平均血圧の変化であった。副次エンドポイントには、その他血圧値の変化、夜間血圧パターンの変化などが含まれた。夜間血圧が10%低下するdipper型患者が、CPAP群は非CPAP群の2.4倍に 194例は、CPAP介入群98例、非介入(対照)群96例に無作為化された。平均AHIは40.4(SD 18.9)、1人当たりが服用していた降圧薬数は平均3.8剤だった。ベースライン時の24時間平均血圧は103.4mmHg、収縮期血圧(SBP)144.2mmHg、拡張期血圧(DBP)83mmHgだった。また、ベースライン時にdipper型(平均日中血圧と比べて平均夜間血圧が10%以上低下)を示していた患者は25.8%だった。 介入群で、CPAPを1日4時間以上使用した患者の割合は72.4%だった。 結果、試験期間全体における血圧の変化(ITT解析)は、24時間血圧[3.1mmHg、95%信頼区間[CI]:0.6~5.6、p=0.02]、24時間DBP[3.2mmHg、同:1.0~5.4、p=0.005]については、CPAP群のほうが有意に大きかった。24時間SBPについては、変化は有意ではなかった[3.1mmHg、同:-0.6~6.7、p=0.10]。 さらに、追跡12週間時点でdipper型を示した患者の割合は、CPAP群が有意に多かった(35.9%対21.6%、補正後オッズ比[OR]:2.4、95%CI:1.2~5.1、p=0.02)。 CPAP使用時間と、24時間平均血圧の低下(r=0.29、p=0.006)、SBPの低下(r=0.25、p=0.02)、DBPの低下(r=0.30、p=0.005)には、有意な正の相関関係が認められた。 これらの結果について著者は、さらなる研究により長期の健康アウトカムを評価していく必要があるとまとめている。

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冠動脈CT:カルシウム容積スコアと密度スコア(コメンテーター:近森 大志郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(164)より-

冠動脈カルシウム・スコアは従来の冠危険因子に加えて、心血管疾患イベント(心臓死・心筋梗塞・脳梗塞など)の独立したリスク因子として確立している。しかしながら、冠動脈石灰化は中膜に出現し、スタチンによる治療過程にて密度が亢進するとの基礎的報告もあることから、冠動脈プラーク病変の治癒過程を反映しているとの意見もある。このことは、冠動脈石灰化の容積と密度を合わせて評価している、従来のカルシウム・スコア(Agatston)の弱点となる可能性がある。 Criquiらは45~84歳の約3,400例を対象とした観察研究であるMESA(Multi-Ethinic Study of Atherosclerosis)試験の冠動脈石灰化のデータを再評価した。すなわち、従来のカルシウム・スコアを、カルシウム容積スコアと、4ポイントに半定量化したカルシウム密度スコアに分別して、心血管イベントとの関連性について検討した。 7.6年の追跡期間中に、175例の冠動脈イベントと90例のその他の心臓イベント、合わせて計265例の心血管イベントが発生した。多変量解析では、カルシウム容積スコアと冠動脈イベントおよび心血管イベントとの間には正の相関を認め、スコアが1標準偏差増大すれば、ハザード比はそれぞれ1.81および1.68へと増大することが判明した。これに対して、カルシウム密度スコアは冠動脈イベントおよび心血管イベントに対して負の相関を示し、スコアが1標準偏差増大すれば、ハザード比は0.73および0.71へと減少することが示された。さらに、これらのイベント予測は、従来のカルシウム・スコアと比較してカルシウム容積スコアとカルシウム密度スコアを別々に評価した予測モデルの方が優れていることが示された。 本研究は、基礎データおよび病態生理の見地から批判されていた、従来のカルシウム・スコアの弱点を臨床的に初めて実証したという点で重要である。心血管疾患イベントを予測する他の臨床病態因子として、負荷誘発性心筋虚血が挙げられるが、本指標は虚血の深さと広さが相乗的にリスクを増大する方向で作用することが知られている。これに対して、カルシウム・スコアは相反する方向に作用する因子を内在しており、このことが本指標の有用性を低下させている可能性がある。例えばNayaらはPET検査により負荷誘発性心筋虚血が認められない約900例を経過観察したところ、PETで評価した冠血流予備能はリスク層別化に有用であるが、従来のカルシウム・スコアは無効であったと報告している(Naya M et al. J Am Coll Cardiol. 2013; 61: 2098-2106.)。 Criquiらの報告は、密度の高い冠動脈の石灰化は心血管イベントに対して保護的に作用する、という興味深い概念を支持する研究結果である。しかしながら、肝心のカルシウム密度スコアについては、初期のMESA試験における冠動脈CTの再検討であり、半定量化されたデータに過ぎない。 今後、臨床の現場で有効となるためには、カルシウム密度測定の洗練化および標準化が必須である。次に、冠動脈イベントを保護するカルシウム密度スコアのカットオフ・ポイントを明らかにする必要がある。以上が確立すれば、冠動脈CTによって評価されるカルシウム密度スコアの臨床的有用性が高まると推測される。

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