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熱血講義!心電図 匠が教える実践的判読法

心電図“以外”の情報も踏まえて心電図を読む―臨床で本当に使える判読法を伝えます心電図の達人とは、心電図だけですべてを語る人ではなく、心電図の異常所見を拾い上げたうえで、患者の訴えと他の所見を総合して病態を把握し、的確な治療につなげられる人のこと。「Vサイン! ABCDE法」をかけことばに、代表的な不整脈・波形異常から病態を考える熱血10講義をクリアすれば、臨床力アップは間違いなし。各章末の解説「小笹流 私はこう読む」でポイントを整理して「確認テスト(解答と解説つき)」を終えるころには、あなたも心電図が読みたくなっているはず。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    熱血講義!心電図 匠が教える実践的判読法定価4,000円+税判型A5判頁数400頁発行2019年2月執筆杉山 裕章執筆協力小笹 寧子Amazonでご購入の場合はこちら

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前立腺がん患者のQOL、性機能とADTの影響に配慮を/Lancet Oncol

 昨今の医療のトピックに「治す医療から支える医療へ」がある。英国・リーズ大学のAmy Downing氏らは集団ベース研究により、進行前立腺がん患者と限局性前立腺がん患者とで、健康関連QOLアウトカムは大きく異なってはいないが、アンドロゲン除去療法を受けた患者ではホルモン機能と疲労に関してかなりの問題を抱えていることを明らかにした。著者は、「性機能障害がよくみられるものの、ほとんどの男性は有益な介入や支援を提供されていない。性機能リハビリの改善やアンドロゲン除去療法の影響を軽減するための対策が必要だ」とまとめている。Lancet Oncology誌2019年3月号の掲載報告。 研究グループは、あらゆるステージの前立腺がん患者の機能的アウトカムと健康関連QOLを報告し、医療の提供に対する影響を明らかにする目的で、英国のがん登録データベースを活用した検討を行った。前立腺がん診断後18~42ヵ月の男性を特定し、郵送によるアンケート調査を行った。 調査項目は、限局性前立腺患者の特異的QOL尺度であるEPIC-26による機能的アウトカム(尿失禁、排尿刺激・障害、排便、性機能、活力およびホルモン機能)、ならびに性機能障害に対する治療や一般的な健康関連QOLとした。また、一般的な健康関連QOLは、移動の程度、身の回りの管理、日常の活動、痛み/不快感、および不安/うつの5項目の健康状態をそれぞれ5段階で評価するEQ-5D-5Lを用いた。 対数線形および二項ロジスティック回帰モデル(年齢、社会経済的貧困、およびその他の長期的な健康状態の数で補正)を用い、前立腺がんのステージおよび治療法で機能的アウトカムと健康関連QOLを比較した。 主な結果は以下のとおり。・5万8,930例中3万5,823例(60.8%)から回答が得られ、そのうちStageを認知していたのは3万5,823例中3万733例(85.8%)であった。・StageI/IIは1万9,599例(63.8%)、StageIIIは7,209例(23.4%)、StageIVは3,925例(12.8%)であった。・EPIC-26の4項目(排尿、排便、性機能、ホルモン)のうち、性機能を除く3項目は平均補正後スコアが高く機能が良好であることが示されたが、性機能項目のスコアは非常に低かった。・アンドロゲン除去療法を受けている患者は受けていない患者と比較し、ほてり(30.7%[95%CI:29.8~31.6] vs.5.4%[95%CI:5.0~5.8])、活力低下(29.4%[95%CI:28.6~30.3] vs.14.7%[95%CI:14.2~15.3])、体重増加(22.5%[95%CI:21.7~23.3] vs.6.9%[95%CI:6.5~7.3])に関して、中程度~重大な問題があると報告した。・性機能障害はStageに関係なく一般的で(81.0%、95%CI:80.6~81.5)、半数以上の患者(1万8,782例、55.8%)はこの健康状態を改善するためのいかなる介入も提供されていなかった。・自己評価による健康状態は、StageI~IIIの患者では類似していたが、StageIVの患者ではわずかに低下しており、転移を有する患者でEQ-5D-5Lのどの項目についても問題がないと回答したのは23.5%であった。

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第19回 スタチンに片頭痛の予防効果はあるか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 スタチン系薬はコレステロールを降下させるための薬であることは言うまでもありませんが、片頭痛の予防にも有効なのではないかという説があります。脂質異常症も片頭痛も有病率が高いため、意図して、もしくは意図せずコレステロール値の高い片頭痛患者さんにスタチンが処方されていることもあるのではないかと思います。慢性頭痛の診療ガイドライン2013には、片頭痛発作が月に2回以上あるいは6日以上ある場合は片頭痛の予防療法を検討するという記載があり、第1選択薬としてバルプロ酸やトピラマートなどの抗てんかん薬、プロプラノロールやメトプロロールなどのβ遮断薬、アミトリプチリンなどの抗うつ薬が推奨されています(保険適用外含む)。予防療法の効果判定には少なくとも2ヵ月を要し、有害事象がなければ3〜6ヵ月継続し、コントロールが良好になれば薬を漸減・中止するというのがガイドラインの推奨です。私が調査した限りにおいては、現時点で日米英のガイドラインにスタチンについて特段の言及はありません。実際のところ、スタチンは片頭痛に有用なのでしょうか? 片頭痛が月6回以上生じる女性を対象に、プロプラノロール60mg群またはシンバスタチン20mg群に割り付け、比較したオープンラベルの試験では、いずれの群においても有効性が示されています。プラセボ効果が寄与した可能性も考慮しなければなりませんが、50%の頭痛発作減少のアウトカムを達成したのはプロプラノロール群で88%、シンバスタチン群で83%といずれも高率でした1)。またアトルバスタチンとプロプラノロールのランダム化比較試験でも、反復性片頭痛の予防効果は同等でした2)。二重盲検ランダム化比較試験もありますので紹介します。月に4日以上、反復性片頭痛がある成人患者57例をシンバスタチン20mg1日2回+ビタミンD3(コレカルシフェロール)1000IU群(実薬群)またはプラセボ群に割り付け、24週間フォローアップした研究です3)。なお、ビタミンDが併用されているのは、血漿中ビタミンD濃度が高いほうが、重度頭痛または片頭痛発作の発生が少ないという報告があるためです4)。この試験では、プライマリアウトカムとして、1ヵ月間に片頭痛を認めた日数のベースラインからの変化を観察しています。実薬群では、服用12週時点では8例(25%)で50%の頭痛発作減少のアウトカムが達成され、24週時点では9例(29%)で同様の結果が得られています。対して、プラセボ群ではそれぞれ1名(3%)のみでした。なお、以前から用いている片頭痛予防薬の使用は制限しておらず、有意差はなかったものの実薬群で予防薬の使用が多い傾向にあるので解釈に注意が必要です。また、24週以降は検討外であることから、長期的効果については判断できません。当初予定したサンプルサイズを下回る症例数で試験されていますが、実際の試験どおり介入群28例、プラセボ群29例の事後分析で85%の検出力(α=5%)ですので、症例数が増えればより確かなことが言えそうです。スタチンの抗酸化作用や抗炎症作用が片頭痛に影響かスタチンで頭痛が改善しうる理由の仮説として、スタチンのプレイオトロピック効果が挙げられています。スタチンには本来の脂質低下作用とは別に、抗酸化作用、血管内皮機能改善、血小板凝集抑制、血管の緊張や炎症の抑制など多面的な作用があるのではないかと考えられており、それがなんらかの形で片頭痛発作の減少に寄与したのかもしれないというものです。私が調査した限りにおいては、スタチンの種類によって効果が異なるのか、十分な根拠は見つけることができませんでした。いずれにしても、ビタミンD欠乏症だと片頭痛頻度が多いという説もありますから5)、まず十分な血清ビタミンD濃度が確保されているか確認することも大切です。あくまでもスタチンは片頭痛への効果を期待して処方されるものではありませんが、片頭痛の頻度に影響があるかもしれないということを知っていると、服薬指導で役に立つかもしれません。1)Medeiros FL, et al. Headache. 2007;47:855-856.2)Marfil-Rivera A, et al. Neurology. 2016;86:P2.2163)Buettner C, et al. Ann Neurol. 2015;78:970-981.4)Buettner C, et al. Cephalalgia. 2015;35:757-766.5)Song TJ, et al. J Clin Neurol. 2018;14:366-373.

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国内初のCAR-T「キムリア」が承認/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ株式会社は、2019年3月26日、「再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」を対象として、国内で初となるキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア)の製造販売承認を取得した。 チサゲンレクルユーセルは、患者自身のT細胞を遺伝子導入により改変し、体内に戻すことで、CD19発現B細胞性の腫瘍(B-ALLとDLBCL)を認識して攻撃する新しいがん免疫細胞療法。チサゲンレクルユーセルによる治療は、継続的な投与を必要とせず、投与は一度のみとなる(単回投与)。 今回の承認は、再発または難治性のCD19陽性のB-ALLとDLBCLを対象とした、CAR-T細胞療法の国際多施設共同第II相試験(ELIANA試験、JULIET試験)の結果に基づいている。 再発または難治性のCD19陽性B-ALLの小児及び若年成人患者を対象としたELIANA試験では、主解析時点までに92例が登録され、75例がチサゲンレクルユーセルの投与を受けた。主要評価項目とされた全寛解率(完全寛解[CR]または血球数回復が不十分な完全寛解[Cri])は、中間解析時点で82.0%(41/50例)であった。また主解析時点で、寛解を達成した患者における寛解持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値9.92ヵ月)であり、持続した寛解が得られている。チサゲンレクルユーセルが投与された患者で高頻度に認められた副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)(77%、58/75例)であり、重篤なCRSは63%(47/75例)に発現したが、死亡に至ったCRSはなかった。高頻度に認められたその他の副作用(承認時までの集計)は、低γグロブリン血症(39%)、発熱性好中球減少症(27%)、発熱、低血圧(各25%)、頻脈(24%)、脳症(21%)、食欲減退(20%)等であった。 それまでの治療に難治性あるいは、再発を繰り返して治療選択肢が限られた、再発または難治性のCD19陽性DLBCLの成人患者を対象としたJULIET試験では、追加解析時点までに165例が登録され、111例がチサゲンレクルユーセルの投与を受けた。主要評価項目とされた奏効率(完全奏効[CR]または部分奏効[PR])は、中間解析時点で58.8%(30/51例)であった。また、奏効が得られた患者における奏効持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値13.9ヵ月)であり、持続した奏効が得られている。チサゲンレクルユーセルが投与された患者で高頻度に認められた副作用は、CRS(58%、57/99例)であり、重篤な事象のCRSは29%(29/99例)に発現したが、死亡に至ったものはなかった。高頻度に認められたその他の副作用(承認時までの集計)は、発熱(25%)、低血圧(21%)等であった。 チサゲンレクルユーセルの治療を行う医療機関は、白血球アフェレーシスによる患者の細胞の採取、細胞の調製・凍結、同薬投与後に起こるサイトカイン放出症候群(CRS)や神経系事象といった副作用の管理などを綿密に行うことができる医療機関に限られる。また、今回の承認にあたって、厚生労働省より「緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍及び造血幹細胞移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、サイトカイン放出症候群の管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること」との承認条件が付与されており、今後、より具体的な要件が示される。 チサゲンレクルユーセルは、2017年8月、米国において、小児および若年成人の再発・難治性B-ALLを適応症として、初めて承認を取得したCAR-T細胞療法であり、2018年5月に2つ目の適応症である成人のDLBCLに対する承認を取得した。また、2018年8月、欧州において、小児・若年成人のALLおよび成人のDLBCLに対する販売承認を取得した。その後、カナダ、スイス、オーストラリアでも同様の適応で承認を取得している。

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第12回 緊急度が高い?歩くと息が切れる、夜中に目が覚める高血圧患者1【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

前回は循環不全・ショックのお話でした。今回の症例は高血圧です。高血圧の患者さんは多くの場合、緊急度は高くありません。しかし、なかには緊急度の高い高血圧も存在します。今回のポイントは「自覚症状があり緊急度の高い高血圧」です。患者さんCの場合◎経過──188歳、男性。過去に心筋梗塞を繰り返し、「心臓の機能は悪いですよ」と医師から言われています。杖歩行が可能で気丈な方ですが、家族が心配して、85歳時から訪問診療を受けています。本日、あなたが訪問すると、いつものように元気に笑顔で出迎えてくれました。「今日も調子はバッチリですよ。ほら、こんなに元気です」「よかったですね」と薬を渡し、血圧を測ると、160/90mmHgでした。「少し高めですね。医師とも相談してみましょう」そう言って、次のお宅に向かおうとすると、玄関で奥様から「最近歩くと息切れがあるみたいです。夜中に苦しくなって起きることもあるみたいで...、まあ、顔もふっくらして体重が少し増えたみたいですから、元気な証拠なのでしょうか...」そのお宅をあとにしたあなたは、今日の出来事をかかりつけ医に連絡しておきました。高血圧の原因高血圧症は「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されます。高血圧症の中でもはっきりとした原因(基礎疾患)がないものを本態性高血圧といい、高血圧症の約90%がこれにあたります。塩分の過剰摂取・運動不足・肥満・ストレスや遺伝的な要因が関与しているといわれています。それに対して、原因となる疾患が存在する高血圧症は二次性高血圧と呼ばれます。その主な疾患を表1に示します。二次性高血圧ではその基礎疾患によって何らかの症状を自覚することがあります。今回の患者さんは、以前入院していた時に二次性高血圧は否定され、本態性高血圧であることがわかっていました。画像を拡大する

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10連休中のトラブルを防ぐために【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第21回

皇太子さまが5月1日に新天皇に即位されることに伴い、今年のゴールデンウイークは4月27日~5月6日までの10連休となります。国内外問わずキラキラしたロイヤル行事が好きな私としては待ち遠しいのですが、一方で、医療機関の10連休の対応について気がかりな点もあります。今回の10連休の医療機関の対応については、厚生労働省より「本年4月27日から5月6日までの10連休における医療提供体制の確保に関する対応について」および「本年4月27日から5月6日までの10連休等の長期連休における診療報酬等の取扱いについて」という通知が発出されています。地域の医療者などと十分に調整するなど、連休であっても医療提供に支障のない体制を確保することが求められています。各都道府県知事に対する通知には、「比較的専門性がある入院を含む医療の提供が求められる区域である二次医療圏に関して、2月中旬をめどに状況を把握すること」とありますが、私の関係する地域では3月中旬になっても近隣の医療機関の対応はまだ明確になっていません。病院やクリニック、薬局がどういうスケジュールでお休みにするか、というのはその地域や施設ごとの判断になり、情報伝達は伝言ゲーム的に時間がかかるのだろうと推測しますが、多少の不安があります。広い範囲から患者が来ることを想定し、疑義照会の連絡先の確認を今回の通知や対応に関して気になる点がいくつかあります。1つ目は、疑義照会に関してです。当該通知には、「10連休中に行政機関や地域の医療関係者などの間で連絡を取ることができる体制(処方箋に疑義が生じた場合などに処方医と調剤を行う薬剤師が連絡を取ることができる体制などを含む)を確保すること」とあります。二次医療圏となると、通常のかかりつけの患者さんの範囲よりも広くなり、思いがけない医療機関が含まれることもあるのではないかと思います。地域の薬剤師会や医薬品卸会社の力を借り、少し広い範囲から患者さんが来ることを想定して、休診中のクリニックなどの連絡先を確認しておいたほうがいいかもしれません。とくに、近隣のクリニックなどが休診する場合は、この通知を根拠にして緊急の場合に連絡が取れるようにお願いしておいたほうがよいでしょう。2つ目は加算の取り扱いです。結論から言うと、調剤料はゴールデンウイークの10日間は夜間・休日等加算などを加算することになります。通常よりも支払額が多くなることを明確にしておかなくてはトラブルになりかねません。最後に、連休というといつも頭をよぎることがあります。それは、連休中に「あ、お薬がない!」と来局や電話をされる患者さんが毎年いらっしゃることです。今薬局を利用する患者さんの次の受診日は4月末や5月初旬ではありませんか? あらかじめ「連休中の薬はありますか?」と患者さんに確認を行うことで、お互いに楽しい10連休が過ごせるかもしれません。

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心電図の読み“型”教えます! Season 1

「Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター」を1冊にドンとまとめました!CareNet.comの人気WEB連載「Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター」を待望の書籍化。ライトで明快な語り口はそのままに、大幅に加筆修正を行って、盛りだくさんの内容になりました。何度も心電図の壁にぶつかりながらも、己の力で超えてきた著者だからこそ見いだせた、系統的な心電図判読法を伝授します。既存の心電図教育に一石を投じる、この型破りな読み“型”は、壁を超えるための強大な武器となるでしょう。章末クイズやコラムも充実。挫折を繰り返した人にこそおすすめしたい、確かな力が身に付く1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    心電図の読み“型”教えます! Season 1定価3,200円 + 税判型A5判頁数152頁発行2019年3月著者杉山裕章Amazonでご購入の場合はこちら

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第31回 川添、ついに薬機法について口を開く【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今期国会での改正が予定される医薬品医療機器等法(薬機法)。昨年12月の取りまとめでは「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」という文書も合わせて発表され、医薬分業が広まって約20年、薬事法改正5年が経過したいま、全薬剤師が注目すべき内容となっています。病院薬剤師と薬局薬剤師の両面を知る川添先生だからこそのメッセージ。

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サービス残業はどのくらい? 医師1,000人に聞きました

働き方改革が推進されることで、労働時間管理が行われるようになり、時間外割増賃金もきちんと支払われるようになる―。厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」では、改革による勤務医の働き方の変化の1つとして上記を提示しています。現状、先生方が「サービス残業だ」と感じている時間はどのくらいあるのでしょうか。ケアネットでは、CareNet.com会員医師約1,000人に、その実情をお聞きしました。時間外労働規制への意見についてまとめた結果は前編にて公開中です。結果概要約20%の医師が“サービス残業”週20時間以上と回答「週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じているか」という問いに対し、最も多い20時間以上と回答したのは19.5%。1日の法定労働時間が8時間であることを考えると、週に2日分以上がサービス残業だと感じているという過酷な現状がうかがえる。画像を拡大するさらに、現在の時間外労働時間数別にその結果をみると、年1,860時間を超える医師の71.2%が、週20時間以上がサービス残業になっていると回答している。画像を拡大する年代、勤務先の病床数や診療科別にみると…?年代別にみると、やはり20~30代の若い世代でより長い傾向がみられ、20代では「サービス残業はない」と回答した医師は4.5%に留まっている。病床数別では、200床以上で長く、逆に「ない」と答えた割合は0床が最も多かった(43.2%)。しかしどの規模の病院でも、それぞれ一定数サービス残業が「ない」医師も、「長時間ある」医師もいる状況がうかがえる結果となった。画像を拡大する画像を拡大する診療科別では、サービス残業が「ない」と答えた医師は、眼科(52.9%)、精神科(38.3%)、産婦人科(37.5%)などで多かった。一方で、「週20時間以上」と答えた医師は、脳神経外科(33.3%)で最も多く、総合診療科(30.8%)、糖尿病・代謝・内分泌科(28.6%)と続いている。サービス残業になっている時間が週5時間以下(49.3%)と、6時間以上(50.7%)で区切ると、眼科、精神科、皮膚科などでサービス残業がない・あるいは少ないと答えた医師が多く、臨床研修医、血液内科、糖尿病・代謝・内分泌内科などでサービス残業が多いと答えた医師が多かった(図は週5時間以下/6時間以上で区切り、降順)。画像を拡大する最も多い理由は“慣例・雰囲気”「サービス残業となっている理由」については、50.8%が「慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため」と回答。27.5%は「裁量労働制、あるいは年棒制のため」と回答し、「申告したが、認められなかったため」と答えた医師も7.8%であった。「その他」の自由記述では、「管理職のため」という回答のほか、「大学病院のため勉強とみなされる」「研究・教育のため(臨床業務でないから)」といった自己研鑽との線引きの問題が散見された。また、そもそも「勤務時間が決められていない。時間外は手術以外支払いがない」「申告の仕方を聞いたことがなく、申告する制度があるかどうかもわからない」といった労働時間管理そのものが機能していないと考えられる回答や、「時間外勤務の申告に上限がある」「申告しても圧縮される」「研修医には時間外が付かない仕組みになっている」など、理不尽に申告を制限されてしまうような状況がうかがわれる回答もみられた。画像を拡大する設問詳細※Q1~Q5の結果については、前編に掲載中。Q1.勤務先の病院についてお教えください一次救急医療機関(軽症・帰宅可能患者対応、休日夜間急患センター)二次救急医療機関(中等症~重症・一般病棟入院患者対応、当番制)三次救急医療機関(重症~危篤・ICU入院患者対応、救命救急センター)それ以外Q2.時間外労働時間について、検討会で示されている下記枠組みのうち、先生はどちらにあてはまりますか※1日8時間・週40時間(=5日)勤務を基準として、当直を含む時間外労働時間の合計としてあてはまるものを選択ください月45時間未満・年360時間以下(≒週7時間)月100時間未満・年960時間以下(≒週20時間)月100時間未満・年1,860時間以下(≒週40時間)上記を超えるQ3.時間外上限規制について現状提案されている、原則「月45時間・年360時間」、臨時的な必要がある場合に「月100時間未満・年960時間以下」、特例として指定された医療機関(および一定期間集中的な技能習得が必要な医師)では「月100時間未満・年1,860時間以下」に、賛成ですか?反対ですか?賛成どちらかといえば賛成どちらかといえば反対反対Q4.Q3の回答について理由をお教えください(自由記述)Q5.上記には「アルバイトの勤務時間も含まれる」ことを知っていましたか?知っていた知らなかったQ6.現状、週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じていますか?なし1~5時間6~10時間11~20時間20時間以上Q7.Q6でサービス残業となっている理由をお教えください申告したが、認められなかったため慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため裁量労働制、あるいは年棒制のためその他(自由記述)画像を拡大する

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利用規約

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喫煙する高血圧患者に厳格血圧管理は有用か~SPRINTの2次分析

 Systolic Blood Pressure Intervention Trial(SPRINT)では、収縮期血圧を120mmHg未満に厳格管理することにより、心血管系疾患の罹患率と死亡率が低下することが示された。しかし、厳格血圧管理による全体的なベネフィットがリスクの不均一性をマスクしていないだろうか。今回、マウントサイナイ医科大学のJoseph Scarpa氏らが実施したSPRINTデータの2次分析により、ベースライン時点に現喫煙者で収縮期血圧144mmHg超であった参加者では、標準治療群より厳格治療群で心血管イベント発生率が高かったことが報告された。JAMA Network Open誌2019年3月8日号に掲載。 本研究は、SPRINTの9,361例のデータにおける、探索的で仮説生成型のアドホック2次分析である。試験データの半分を使用し、潜在するHeterogeneous Treatment Effects(HTE)をランダムフォレストベースの分析を用いて調べ、残りのデータにおいて、Cox比例ハザードモデルにより潜在するHTEを検討した。オリジナルの試験は、2010年11月~2013年3月に米国の102施設で実施され、この分析は2016年11月~2017年8月に実施された。参加者は、目標収縮期血圧について120mmHg未満(厳格治療)もしくは140mmHg未満(標準治療)に割り付けられた。主要な複合心血管アウトカムは、心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、心血管系死因による死亡とした。 主な結果は以下のとおり。・SPRINTの9,361例のうち、ベースライン時に現喫煙者で収縮期血圧144mmHg超であった参加者は466例(5.0%)で、うち230例(49.4%)がトレーニングデータセット、236例(50.6%)がテストデータセットに無作為化された。男性は286例(61.4%)、平均年齢(SD)は60.7(7.2)歳であった。・ベースライン時に現喫煙者で収縮期血圧144mmHg超であった参加者において、3.3年間で1イベント引き起こされるための有害必要数(number needed to harm:NNH)は43.7であったことが、テストデータにおける主要アウトカムに関するCox比例ハザードモデルから明らかになった(標準治療群における主要アウトカムイベントの頻度が4.8%[6/126]に対し、厳格治療群では10.9%[12/110]、ハザード比:10.6、95%CI:1.3~86.1、p=0.03)。・このサブグループは、厳格血圧管理下で急性腎障害を経験する可能性も高かった(標準治療群における急性腎障害イベントの頻度が3.2%[4/126]に対し、厳格治療群で10.0%[11/110]、ハザード比:9.4、95%CI:1.2~77.3、p=0.04)。

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中年期の食事内容は認知症リスクと関連するか/JAMA

 中年期の食事内容とその後の認知症発症リスクに、関連は認められないことが示された。フランス・モンペリエ大学のTasnime N. Akbaraly氏らが、8,000例超を中央値25年間追跡した結果で、JAMA誌2019年3月12日号で発表された。これまでに、食事内容と認知機能との関連が観察試験で示されているものの、その多くは認知症の前臨床期を考慮するには追跡期間が不十分で、エビデンスが確認された介入試験はない。11項目の食事内容の質スコア「AHEI」を3期にわたり評価し、認知症発症者を追跡 研究グループは、1985~88年に住民ベースコホート試験を開始し、1991~93年、1997~99年、2002~04年に食事摂取内容に関する評価を行い、2017年3月まで追跡して認知症発症との関連を調べた。 食事摂取内容の評価は、食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)から、11項目の食事内容の質スコアを示す代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index:AHEI、スコア範囲:0~110)を導き出した。同スコアとその後の認知症発症リスクとの関連を検証した。 主要アウトカムは、電子カルテで確認された認知症発症とした。11項目のAHEIスコアとも、認知症発症との関連性みられず 1991~93年時点で認知症の認められなかった8,225例を対象に調査を行った。被験者は、平均年齢50.2歳(SD 6.1)、男性が5,686例(69.1%)だった。 中央値24.8年(四分位範囲:24.2~25.1)の追跡期間中に認知症を発症したのは344例だった。1991~93年、1997~99年(追跡期間中央値19.1年)、2002~04年(同13.5年)のAHEIスコア(三分位範囲値)と認知症発症率には、いずれも関連は認められなかった。 1991~93年の、AHEIスコアの最も不良な三分位範囲(食事の質が最も低いことを示す)の認知症発症率は、1.76(95%信頼区間[CI]:1.47~2.12)/1,000人年だったのに対し、中程度の三分位範囲の同発症率の絶対差は0.03(同:-0.43~0.49)/1,000人年、最良の三分位範囲の同差は0.04(同:-0.42~0.51)/1,000人年だった。 1997~99年では、AHEIスコアの最も不良な三分位範囲の認知症発症率は、2.06(95%CI:1.62~2.61)/1,000人年だったのに対し、中程度の三分位範囲の同発症率の絶対差は0.14(同:-0.58~0.86)/1000人年、最良の三分位範囲の同差は0.14(同:-0.58~0.85)/1,000人年だった。 2002~04年についても、AHEIスコアの最も不良な三分位範囲の認知症発症率は3.12(95%CI:2.49~3.92)で、その他の三分位範囲の同発症率の絶対差は、中程度スコアが-0.61(同:-1.56~0.33)/1,000人年、最良スコアが-0.73(同:-1.67~0.22)/1,000人年だった。  多変量解析において、AHEIスコアの1標準偏差増加による認知症発症の補正後ハザード比は、1991~93年、1997~99年、2002~04年それぞれで、0.97(95%CI:0.87~1.08)、0.97(同:0.83~1.12)、0.87(同:0.75~1.00)で、有意性は認められなかった。

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新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学

まずは医療者が正しい知識を! あらゆる「新型タバコ」の疑問に答えます2016年4月に全国販売された「加熱式タバコ」は、瞬く間に日本全国に普及。わずか2年後の2018年には、日本の成人の約10%が使用するほどの加熱ぶりをみせています。「有害物質約90%低減」など、健康リスク低減をイメージさせるキャッチコピーと積極的なプロモーション戦略により、急速に社会に浸透してきた加熱式タバコですが、その健康リスクは本当に“少ない"のでしょうか? 日本だけで爆発的に普及したのはなぜなのでしょうか? 「電子タバコ」とは何がどう違うのでしょうか? タバコ問題をメディアが書かない理由とはなんでしょう?本書では、タバコ問題研究の第一人者が、最新の研究成果と豊富なエビデンスをもとに、「新型タバコ」のあらゆる“疑問"に答えていきます。患者や健診受診者から寄せられる「加熱式タバコに替えた方がいいですか?」という質問に、科学的に回答するために。加熱式タバコについての相談に、的はずれな回答をしてしまうことを防ぐために。誰よりもまずはじめに、医療者の皆さんに手に取っていただきたい一冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。 新型タバコの本当のリスクアイコス、グロー、プルーム・テックの科学定価2,200円 + 税判型四六判頁数224頁発行2019年3月著者田淵貴大Amazonでご購入の場合はこちら

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第11回 循環の異常がある時2 ショックの徴候?直ちに医師・看護師に連絡【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は脈拍と血圧の異常について考えてみます。脈拍と血圧の異常からは循環の異常を察知します。バイタルサインに加え、患者さんを観察することにより循環の異常に気付くことがあるでしょう。循環の異常がある時、患者さんにはどのような変化が起こるのでしょうか。症例を通して考えたいと思います。患者さんBの場合経過──4「特に具合が悪くなったのは、今朝からでしたね」ショックと判断したあなたは、バイタルサインを記したメモを片手に、直ちに医師に連絡しました。連絡し終わった後、CRTを測定してみると、約3秒にまで延長していました。到着した訪問医師・看護師は、家族から今回の病歴を聴取し、バイタルサインを測定し、短時間で診察を終えた後、家族に説明し同意を得て救急車を要請しました。「循環」の3要素 プラス 「心臓外」の1要素ところで、循環に影響する要素は3つあります。それは「心臓」と「血液」と「血管」です。これらの3つは循環の3要素といわれていますが、さらにもう1つ「心臓外」の要素を加えると、ショックを4つに分類することができます。これら4つのいずれかまたは複数に異常を来すとショックとなるわけです。心臓:心原性ショック心臓のポンプ機能に何らかの異常があれば、循環動態は悪くなります。例:急性心筋梗塞血液:循環血液量減少性ショック心臓から送られる血液量が高度に減少すれば、いくら心臓のポンプ機能がよくても重要臓器には血液が行き渡りません。例:外傷による出血、消化管出血、熱中症による脱水血管:血液分布異常性ショック何らかの原因で血管が病的に拡張すると血圧は低下します。また、血管透過性が亢進して血管内にある水分が血管外に出てしまえば循環血液量が減少して循環不全となります。例:敗血症、アナフィラキシー心臓外:心外閉塞・拘束性ショック(閉塞性ショックともいわれます)心タンポナーデ※1など心臓の外から心臓の拡張が障害されたり、緊張性気胸※2など肺の異常により静脈灌流が障害されたりすると、循環動態が悪くなります。※1 心タンポナーデ心膜炎や急性心筋梗塞後の心破裂、外傷などにより心臓と心臓を覆う心外膜の間に体液・血液が貯留して心臓を圧迫し、血液を送り出す心機能が損なわれる状態。血圧低下、心拍動微弱、呼吸困難などの症状が現れる。※2 緊張性気胸肺胞の一部が破れて呼気が胸腔に漏れ出し、反対側の肺や心臓を圧迫している状態。呼吸しても息が吸えない。血圧低下、閉塞性ショックなどの重篤な状態に陥る。私たち(医師ら)は、一見して重症そうな患者さんを前にした時、バイタルサインのチェックとともにショックの徴候がないかをまず確認します。そして目の前の患者さんがショックであると察知した時、循環の3要素プラス心臓外の1要素(すなわちショックの分類です)を考えながらショックの原因を探り、ショックの状態から脱するように直ちに治療を開始します。経過──51週間後、訪問診療の医師と話をする機会がありました。「出血性胃潰瘍による、出血性ショック(循環血液量減少性ショック)でしたよ」あの日、救急車内で吐血したそうです。救急病院への搬送後、緊急内視鏡検査で大きな胃潰瘍から多量の出血が認められ、内視鏡を用いた止血術が行われました。いったんは集中治療室に入室しましたが、現在は一般病棟で落ち着いているそうです。みぞおちのあたりの痛みは胃潰瘍によるものだったのでしょう。黒色便は消化管出血の時にみられる所見です。抗血小板薬を内服中だったので、自然には出血が止まりにくかったと考えられました。エピローグ2週間後、退院の知らせを聞いてあなたが訪問すると、顔色の良くなった患者さんが笑顔で迎えてくれました。嬉しいひとときでした。ショックの徴候かも?と思ったら直ちに医師・看護師に連絡しましょう。とにかく、一人で判断しないこと、待たないことです。

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閉経後のホルモン補充療法でアルツハイマー症リスク増加か/BMJ

 閉経後女性への全身ホルモン補充療法では、エストロゲンと併用する黄体ホルモン製剤の種類や開始年齢にかかわらず、長期の投与によりアルツハイマー病のリスクが増大する可能性が、フィンランド・ヘルシンキ大学のHanna Savolainen-Peltonen氏らの検討で示された。ただし、膣内エストラジオール療法ではこのようなリスク上昇はなかった。研究の成果は、BMJ誌2019年3月6日号に掲載された。いくつかの観察研究により、ホルモン補充療法はアルツハイマー病のリスクに対し防御的な作用を有する可能性が示唆されているが、この知見はプラセボを対照とするWomen's Health Initiative Memory Study(WHIMS)では支持されていない。WHIMSでは実臨床とは異なり、ホルモン補充療法は65歳以上で開始されていることから、エストロゲンが神経保護的に働くのは、閉経が始まってすぐの時期に投与が開始された場合に限られるとの仮説が提唱されていた。フィンランドの約17万人の閉経後女性の症例対照研究 研究グループは、フィンランド人の閉経後女性において、ホルモン補充療法はアルツハイマー病のリスクに影響を及ぼすか、また、このリスクは治療開始年齢や治療期間と関連するかを検討する目的で、全国的な症例対照研究を実施した(ヘルシンキ大学病院などの助成による)。 1999~2013年のフィンランドの全国的な住民薬剤登録から、神経科医または老年病医によりアルツハイマー病の診断を受けた閉経後女性8万4,739例のデータを抽出した。対照として、フィンランドの全国的な住民登録から、年齢および病院の所在地域をマッチさせたアルツハイマー病の診断を受けていない閉経後女性8万4,739例のデータを得た。 条件付きロジスティック回帰分析を用いて、アルツハイマー病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。リスクが9~17%増加、開始年齢は決定因子ではない アルツハイマー病と診断された女性では、8万3,688例(98.8%)が60歳以上であり、4万7,239例(55.7%)は80歳以上であった。アルツハイマー病女性のうち、5万8,186例(68.7%)はホルモン補充療法を受けておらず、1万5,768例(18.6%)が全身療法(エストラジオール単剤、エストロゲンと黄体ホルモン製剤[酢酸ノルエチステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、その他の製剤または配合薬]の併用など)を、1万785例(12.7%)が膣内エストラジオール療法を受けていた。 アルツハイマー病群は対照群に比べ、全身ホルモン補充療法を受けている女性の割合が有意に高く(18.6% vs.17.0%、p<0.001)、膣内エストラジオール療法を受けている女性の割合は有意に低かった(12.7% vs.13.2%、p=0.005)。両群間で、全身ホルモン補充療法の施行期間に有意な差はなかった。 全身ホルモン補充療法の使用により、アルツハイマー病のリスクは9~17%増加した。全身ホルモン補充療法のうち、エストラジオール単剤(OR:1.09、95%CI:1.05~1.14)とエストロゲン+黄体ホルモン製剤併用(1.17、1.13~1.21)で、リスクに差はなかった。エストロゲン+黄体ホルモン製剤併用療法におけるアルツハイマー病のリスク上昇には、個々の黄体ホルモン製剤の種類による差はなく、いずれの薬剤でも有意にリスクが高かった。 一方、治療開始年齢が60歳未満の女性では、投与期間が10年以上に及ぶと、リスクが有意に上昇した(エストラジオール単剤のOR:1.07、1.00~1.15、p=0.04、エストロゲン+黄体ホルモン製剤1.20、1.13~1.26、p<0.005)。また、全身ホルモン補充療法の開始年齢はアルツハイマー病のリスク上昇の確固たる決定因子ではなかった。さらに、膣内エストラジオール療法を専用した場合、リスクへの影響は認めなかった(OR:0.99、95%CI:0.96~1.01)。 アルツハイマー病群では、全身ホルモン補充療法を受けた女性は、膣内エストラジオール療法を受けた女性や、ホルモン補充療法を受けていない女性に比べ、アルツハイマー病の発症時期がより早期であった。 著者は、「絶対値として、ホルモン補充療法を受けている70~80歳の女性1万人当たり、受けていない場合に比べアルツハイマー病の診断が年に9~18件多くなり(発症率:105件/1万人年)、とくに投与を10年以上継続している女性ではリスクが高いと推測される」とまとめ、「ホルモン補充療法の使用者には、アルツハイマー病の絶対リスクの上昇が小さくても、長期の使用に伴うリスクの可能性はあると伝えるべきだろう」としている。

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国内で開発された新規末梢性神経障害性疼痛治療薬「タリージェ錠2.5mg/5mg/10mg/15mg」【下平博士のDIノート】第21回

国内で開発された新規末梢性神経障害性疼痛治療薬「タリージェ錠2.5mg/5mg/10mg/15mg」今回は、「ミロガバリンベシル酸塩錠(商品名:タリージェ錠2.5mg/5mg/10mg/15mg)」を紹介します。本剤は、α2δサブユニットに強力かつ特異的に結合してカルシウムイオンの流入を抑制することで、興奮性神経伝達物質の過剰放出を抑制し、痛みを和らげることが期待されています。<効能・効果>本剤は、末梢性神経障害性疼痛の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年4月15日より販売されました。※2022年3月、添付文書改訂による「中枢性神経障害性疼痛」の効能追加に伴い、適応は「神経障害性疼痛」となりました。<用法・用量>通常、成人にはミロガバリンとして初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔を空けて漸増します。維持用量は、年齢・症状により1回10~15mgの範囲で適宜増減します。なお、腎機能障害患者に投与する場合は、投与量および投与間隔の調節が必要です。<副作用>日本を含むアジアで実施された臨床試験において、糖尿病性末梢神経障害性疼痛患者を対象とした854例中267例(31.3%)、帯状疱疹後神経痛患者を対象とした553例中241例(43.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、傾眠(12.5%/19.9%)、浮動性めまい(9.0%/11.8%)、体重増加(3.2%/6.7%)などでした(承認時)。なお、弱視、視覚異常、霧視、複視などの眼障害が現れることがあるため注意が必要です。<患者さんへの指導例>1.過敏になっている神経を鎮めることで、しびれ、電気が流れているような痛み、焼けるような痛みなど、末梢神経障害による痛みを和らげます。2.服用中は、めまい、強い眠気、意識消失などが現れることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。3.本剤の服用を長く続けたり量を増やしたりすることで、体重が増加することがあります。実際に体重が増加し始めた場合はご相談ください。4.この薬を突然中止すると、不眠、吐き気、頭痛、下痢、食欲低下などの症状が現れることがあります。自己判断で減らしたりやめたりしないでください。5.本剤を服用中に飲酒をした場合、注意力、平衡機能の低下を強める恐れがあるので注意してください。<Shimo's eyes>神経障害性疼痛は、『神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン(改訂第2版)』で「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛」とされ、神経の損傷部位によって“末梢性”と“中枢性”に分類されます。本剤の作用機序は既存薬のプレガバリンと同様ですが、神経障害性疼痛全般に使用できるプレガバリンとは異なり、本剤の適応は「末梢性神経障害性疼痛」に限られています。末梢性神経障害性疼痛の代表例としては、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病の合併症による神経障害性疼痛(痛み・しびれ)、抗がん剤の副作用による神経障害性疼痛などがあります。本剤は低用量から開始して、有効性や安全性を確認しながら維持量に漸増します。腎機能障害のある患者さんや高齢者では副作用が発現しやすいため、慎重に症状や副作用を聞き取りましょう。とくに高齢者ではめまいなどの副作用が生じると、転倒による骨折などを起こす恐れがあるため、細やかな投与量の調節が必要です。神経障害性疼痛は罹病期間が長引きがちで、さらに不安や睡眠障害を引き起こすこともあり、患者さんのQOLに与える影響は甚大です。末梢神経障害性疼痛の治療選択肢が増え、痛みに悩む患者さんの生活に改善がもたらされるのは喜ばしいことです。なお、2019年1月時点において、海外で承認されている国および地域はありませんので、副作用に関しては継続的な情報収集が必要です。※2022年3月、添付文書の改訂情報を基に一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 タリージェ錠2.5mg/タリージェ錠5mg/タリージェ錠10mg/タリージェ錠15mg

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第30回 住環境を踏まえた服薬指導、できてますか?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説WHOによる健康の定義は肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態とされています。つまり薬を必要としている患者さんの健康を支えるために、薬剤師はその3つの因子について知る必要があるのです。実は患者さんには心配事があるかもしれない、居住環境に問題があるのかもしれない。目に見える身体だけではなく、患者さんの心や、環境因子にも関心を寄せる事が大切です。

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クロザピンとアリピプラゾールの併用療法は統合失調症患者の再入院リスクが最も低い

 統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬多剤併用療法の有効性は疑問であり、複数の薬剤を使用することは、一般的に身体的健康状態に悪影響を及ぼすと考えられる。スウェーデン・カロリンスカ研究所のJari Tiihonen氏らは、精神医学的再入院と特定の抗精神病薬の組み合わせに関する研究を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2019年2月20日号の報告。クロザピンとアリピプラゾールの併用療法はクロザピン単剤療法より優れている 1996年1月~2015年12月に行われたフィンランドの全国コホート研究のデータを用い、統合失調症患者6万2,250例を対象に、クロザピンなど29種の抗精神病薬単剤療法および多剤併用療法のタイプについて、精神医学的再入院リスクの評価を行った。データ分析期間は、2018年4月24日~6月15日であった。再入院リスクは、選択バイアスを最小にするため、個別(within-individual)分析を用いて調査した。主要アウトカムは、個別の多剤併用療法 vs.単剤療法の精神医学的再入院のハザード比(HR)とした。 クロザピンなど29種の抗精神病薬単剤療法および多剤併用療法のタイプについて、精神医学的再入院リスクを評価した主な結果は以下のとおり。・対象患者6万2,250例中、3万1,257例が男性(50.2%)であり、年齢中央値は、45.6歳(四分位範囲:34.6~57.9歳)であった。・クロザピンとアリピプラゾールの併用療法は、精神医学的再入院リスクが最も低く、単剤療法の最良アウトカムであるクロザピン単剤療法よりも優れており、すべての多剤併用期間を含む分析においては14%(HR:0.86、95%CI:0.79~0.94)の差が認められ、90日未満の治療期間を除く多剤併用分析においては18%(HR:0.82、95%CI:0.75~0.89、p<0.001)の差が認められた。・初回エピソード統合失調症患者において、クロザピンとアリピプラゾールの併用療法は、クロザピン単剤療法と比較し、精神医学的再入院リスクの差がより大きかった。すべての多剤併用期間を含む分析においては22%(HR:0.78、95%CI:0.63~0.96)の差が認められ、90日未満の治療期間を除く多剤併用分析においては23%(HR:0.77、95%CI:0.63~0.95)の差が認められた。・総計レベルでは、抗精神病薬多剤併用療法は、単剤療法と比較し、精神医学的再入院リスクが7~13%低かった(範囲:[HR:0.87、95%CI:0.85~0.88]~[HR:0.93、95%CI:0.91~0.95]、p<0.001)。・精神医学的再入院リスクの低い治療法ベスト10の中で、唯一の単剤療法の薬剤はクロザピンであった。・すべての原因および身体的な入院、死亡率、その他の感受性分析に関する結果は、主要アウトカムと一致していた。 著者らは「クロザピンとアリピプラゾールの併用療法は、精神医学的再入院リスクが最も低く、統合失調症治療に特定の薬剤による多剤併用療法が適している可能性が示唆された。多剤併用療法は、単剤療法で効果不十分となった時点で行われるため、その効果は過小評価されている可能性もある。本結果は、すべての多剤併用療法が有用であることを示すわけではないが、統合失調症維持治療に対する抗精神病薬多剤併用療法を非推奨とする現在のガイドラインは、推奨の分類を修正すべきである」としている。■関連記事抗精神病薬の高用量投与は悪か統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大統合失調症患者の強制入院と再入院リスクとの関連~7年間のレトロスペクティブコホート研究

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