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第23回 【薬局サービス紹介】あちこちで薬を貰っていて困っていませんか?【使える!服薬指導箋】

第23回 【薬局サービス紹介】あちこちで薬を貰っていて困っていませんか?1)厚生労働省 平成30年度診療報酬改定について 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3 調剤報酬点数表

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次世代JROADでバイオマーカーの予測目指す/日本循環器学会

 高齢化とともに心不全罹患率は上昇傾向を示し、治療の発展からその予後は短期的から長期的へ変遷する。2018年12月には、「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立し、がん患者以外の緩和ケア医療も進んでいくだろう。2019年3月29~31日、横浜で開催された第83回日本循環器学会学術集会で、井手 友美氏(九州大学医学研究院循環器病病態治療講座准教授)が、循環器疾患診療時実態調査(JROAD)を活用した心不全に対する新たな取り組みについて講演した。JROADが新たな時代へ始動 JROAD研究がスタートしたのは2004年。全国的に循環器診療の実態調査を展開して診療実態を具体的な数で把握、得られたデータは会員や社会へ発信し、循環器診療の質を向上させることが目的であった。そして、この研究を行ったDPC対象施設のデータからデータベース構築を2014年から開始したのが、JROAD-DPC databaseである。 このJROAD-DPCから心不全による過去の報告では、男性:75±12歳、女性:81±12歳と、男女ともに高齢化が進んでいることが報告され、NYHA分類で重症なほど、死亡退院数は増加傾向であった。これに対し、井手氏は「心不全患者の老化、重症化、とくに女性の心不全患者が非常に多い」と、現況について懸念した。ほかの心不全レジストリ研究との比較 しかし、JROAD-DPCのデータからは、本当にその患者が心不全であるかどうか、また具体的な心不全の基礎疾患、長期予後については不明である。そこで、患者・施設・地域レベルの横断的かつ縦断的な分析を可能とする全国的データベースの構築を目的として、“JROADHF”を開始。これは、日本循環器学会が実施しているJROAD登録施設をランダム抽出し、2013年1月1日~12月31日の1年間にDPCによって急性心不全による入院とされた、心不全入院患者1万例を対象とした多施設共同後向き観察研究である。実際には、1万4,847例(128施設)が登録され、各施設にてDPCデータに追加してカルテレビューを行い、心不全の臨床情報の詳細、さらには2017年12月31日までの予後調査を追加で行った。約10.2%(1,515例)は非心不全症例であり、これに対し同氏は、「DPCからの急性心不全病名での入院症例のうち約90%が心不全症例であることが確認された」とし、「全症例の詳細な再調査により、短期予後は1万3,238例を、長期予後は、入院中の死亡例7.7%(1,024例)と予後調査データ欠測症例8%(1,078例)を除いた1万1,136例を解析対象症例とした」と述べた。 このJROADHF研究をこれまでの後向きレジストリと比較すると、心不全の診断精度が高く、入院中の医療介入のすべての情報が正確に得られる、患者数が大規模、全国調査が可能、短期・長期予後の調査も可能、データ取得に要する時間の早さなど、さまざまな点で質の高さが伺える。 一方、後向き研究が故に、現在問題視されるような評価項目を入れる事ができないため、新たな研究として“JROADHF-NEXT”が立ち上げられた。フレイル、認知・運動機能について評価 JROADHF-NEXTは、急性心不全による入院患者を対象に、JROADHF研究では得られなかった、最近の知見や治療内容を反映したデータベースを構築。臨床情報やバイオマーカーを用いた心不全発症・重症化の新たな予測指標・リスク層別化法を開発するとともに、その有効性を検証することを目的とした、多施設共同前向き登録観察研究である。患者登録は2019年4月より開始している。 この研究によって、心不全患者の全国規模のフレイル、サルコペニアを含めた新たな臨床情報に加え、バイオバンク(血漿、血清、尿)を構築することで新たなバイオマーカーなどの新規予後予測因子の同定を行う。そして、日本での心不全診療における新たなエビデンスの創出が期待されている。 最後に同氏は、「JROADHF研究は、全国の先生方にご参加・ご尽力いただき、質の高い全国規模の心不全レジストリ研究としてデータベース作成が可能となった。JROADHF研究における今後の解析を進めて、わが国発のエビデンスの構築を行う予定である。前向き研究であるJROADHF-NEXT研究も、全国の先生方と力を合わせて世界に誇れるわが国の心不全レジストリとしたい」と締めくくった。■参考日本心不全学会JROADHF-NEXT参議院法制局:健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法■関連記事HFrEF患者へのivabradine、日本人でも有用(J-SHIFT)/日本循環器学会サルコペニア、カヘキシア…心不全リスク因子の最新知識【東大心不全】

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第15回 発熱の症例・全てのバイタルが異常。何を疑う?-2【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回の症例は、発熱を来した症例です。発熱のため受診される高齢者は少なくありませんが、なかには早期に治療を開始しないと生命にかかわる場合もあります。患者さんDの場合◎経過──2 の続き観察とバイタルサインより今回の患者さんは、すべてのバイタルサインに異常があります。病態を知るためのヒントは数日間続いた発熱です。何らかの感染症(今回は尿路感染症)が増悪して、ABCのうちの呼吸や循環、さらに意識の状態にも異常を来したと考えられます。全身性炎症反応症候群(SIRS)と敗血症敗血症は、感染症によって生じた全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome; SIRS)と定義されます。と、いわれてもピンとこない人が多いと思いますので、図1をご覧ください。図1の右側の大きな円がSIRSで、感染症・外傷・熱傷・膵炎・その他の原因により、全身性に炎症反応を来した状態です。何らかの生体侵襲が加わると、まずは局所でサイトカインが産生されて炎症反応が起こります。さらに炎症が進むと炎症は局所に留まらず全身に広がります。そして、本来は有益であるはずの炎症反応が生体への破壊因子として働き、循環動態が悪くなり臓器不全が生じます。このように炎症反応は進行していきますが、表3の診断基準を満たすとき、私たちはSIRSと判断します。図1の左側の大きな円が感染症ですから、感染症によってSIRSを生じた場合(左右の大きな円が重なる部分です)、敗血症と診断されるわけです。ここで強調したいことは、SIRS診断基準の4項目〈表3〉のうち白血球数を除く3項目がバイタルサインであることです。詳しい診察や手間のかかる検査は必要なしにSIRSを見つけることができ、感染症があれば敗血症と診断できます。敗血症であれば一刻も早い抗菌薬の投与が必要になります。通常、補液(生理食塩液、乳酸リンゲル液)を開始しながら各種培養検査(細菌学的検査)を提出し、抗菌薬を開始しますが、この女性の場合は施設内での訪問診療なのでまずは補液を行いました。抗菌薬は広域の抗菌スペクトラムを持つ抗菌薬で開始し、細菌検査結果より狭域の抗菌薬にスイッチします。

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J-COSMO(ジェイ・コスモ)Vol.1 No.1

臨床医の世界に新たなCommon Senseを提供する!当直・救急、外来診療、そして病棟管理。現代の医療現場の最前線で活躍する医師には、ジェネラリスト・スペシャリストの別なく、幅広い臨床力が求められています。超高齢化、ITやAIの急速な浸透、医療保険制度の限界…、激変する環境の中で必要となる新たな「Common Sense」を提供する医学雑誌、それが『J-COSMO[ジェイ・コスモ]』です。救急・総合診療から神経内科・Rheumatologyなどのコンサルテーションのほか、医学教育・研究から医師のライフプランニングまで、30を超える選りすぐりの連載と、旬のテーマを扱った毎号の「Special Topic」があなたにワクワク・ドキドキを運びます。各科のあたりまえを、全科のあたりまえに。『J-COSMO』LIFT OFF!画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    J-COSMO (ジェイ・コスモ) Vol.1 No.1定価2,500円 + 税判型B5判頁数184頁発行2019年4月創刊 偶数月10日発行(隔月刊)編集主幹坂本 壮編集委員岡 秀昭/柴田綾子/高橋宏瑞/水野 篤/和足孝之Amazonでご購入の場合はこちら

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MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」【下平博士のDIノート】第23回

MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」今回は、選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)ブロッカー「エサキセレノン錠(商品名:ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg)」を紹介します。本剤は、中等度の腎機能障害およびアルブミン尿を有する2型糖尿病を合併する高血圧症患者にも投与することができ、これまでの高血圧症患者のアンメットニーズを満たす薬剤となることが期待されています。<効能・効果>本剤は、高血圧症の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年5月13日より発売される予定です。体液量の恒常性の維持に寄与するアルドステロンが作用するMR受容体の活性化を抑制することで降圧作用を示します。<用法・用量>通常、成人にはエサキセレノンとして2.5mgを1日1回経口投与します。なお、効果不十分な場合は5mgまで増量できます。本剤は、高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者や重度の腎機能障害のある患者、カリウム保持性利尿剤やカリウム製剤などを投与中の患者には禁忌となっています。<副作用>国内第III相臨床試験において、総症例1,250例中162例(13.0%)に、臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、血清カリウム値上昇51例(4.1%)、血中尿酸増加17例(1.4%)、高尿酸血症13例(1.0%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として高カリウム血症(1.7%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、血圧を上げるホルモン(アルドステロン)の働きを抑えることにより、血圧を低下させます。2.血圧が下がることにより、めまいなどが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意してください。3.飲み合わせに注意すべき薬や健康食品があるため、現在服用している薬やサプリメントがある場合は、医師・薬剤師にお伝えください。また、新たに薬を飲み始める場合は、あらかじめ相談してください。4.本剤を服用中は、体内のミネラルバランスを保つために、こまめな水分摂取や適度な運動を心掛け、脱水や便秘を予防してください。5.この薬の服用により、血中のカリウム値が上昇することがあります。手や唇がしびれる、手足に力が入らない、吐き気などの症状が現れた場合は相談してください。6.葉物野菜や芋類、豆類、バナナなど、カリウムを多く含む食物を食べ過ぎないように注意してください。カリウムは水に溶けやすいため、ゆでたり水にさらしたりすることで、カリウムを減らすことができます。<Shimo's eyes>MR拮抗薬は『高血圧診療ガイドライン2014』において、高血圧症治療の第1選択薬とはなっていないものの、ミネラルコルチコイドが関与する低レニン性高血圧症にとくに効果が期待でき、治療抵抗性高血圧症に対しても有用であるとされています。既存のMR拮抗薬としては、スピロノラクトン(商品名:アルダクトンA)とエプレレノン(同:セララ)が発売されています。スピロノラクトンのMR拮抗作用は強力ですが、女性化乳房や月経異常などの性ホルモンに関連した副作用を発現しやすいことが治療継続の課題となっています。MRへの選択性が高いエプレレノンは、性ホルモン関連副作用は軽減されていますが、中等度以上の腎機能障害患者や、微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者への投与は禁忌となっています。本剤はMR選択性を有し、本態性高血圧症患者を対象とした臨床試験においてエプレレノンに劣らない降圧作用が認められています。また、中等度の腎機能障害患者、および微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者に対しても、血清カリウム値の定期的な測定は必要ですが投与可能です。今までMR拮抗薬を使用できなかった血圧コントロール不良の患者の新たな治療選択肢となりうるでしょう。なお、2019年4月時点において、海外で承認されている国および地域はありませんので、副作用に関しては継続的な情報収集が必要です。

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第20回 医薬分業は必要か? 薬機法改正【患者コミュニケーション塾】

薬機法の改正に向けた10回の議論医薬品や医療機器にまつわる問題については、厚生労働省の医薬・生活衛生局が所管しています。そして、それらにまつわる問題についてさまざまな検討会が開催されますが、大きな問題はその親会である厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会)で議論することになっていて、私も委員の1人として参加しています。2018年4月から12月にかけては、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の見直しに向けて、医薬品・医療機器などを取り巻く現状や課題について10回にわたって議論を行いました。これは、薬事法が2013年11月に改正されて薬機法となった際、安全対策の強化や医薬品販売規制について施行後5年をめどに見直しをするという規定に基づくものです。ただ、この10回の部会の中で多くの時間を割いたのは、薬機法の改正に関わる項目よりも、薬剤師・薬局のあり方、医薬分業のあり方についてで、常に議論が紛糾しました。最終的にその議論は結論を得ることなく、今後も検討を続ける必要があるとして、「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」というとりまとめを別途行うに至ったのです。患者は医薬分業の意義を見いだせていないこの制度部会は医薬品業界の中で非常に注目され、毎回多くの医薬品関連のメディアや関係者が傍聴に訪れていました。初回から医師側の委員が、「医薬分業自体見直して、院内処方への回帰を考える必要がある」という「医薬分業廃止論」にもつながりうる主張をされたこともあり、議論の行方について関心が高まっていました。私も、一般的には医薬分業率がこの約30年で1割から7割に高まったとはいえ、そのメリットを多くの国民は享受しているとは言えない状況にあることを危惧していました。電話相談やミニセミナー患者塾などを通して一般の方々の本音をお聞きしていると、「院内処方のときよりも院外処方のほうが、経済的負担が重くなった」「病院で待たされて、また薬局でも待たされる。時間がかかるばかりだ」「なぜ薬局に行ってまで病気のことをこまごま尋ねられるのか」という不満ばかりが出てきます。これらの不満の多くは、薬局薬剤師の役割や意義について理解されていないためだと常々思ってきました。薬剤師が「薬のプロ」であることは知っていても、どのような役割を果たしているかを多くの人が理解できていないために、薬剤師に期待が向けられていない、という状態が問題だと思っていたのです。私自身、一般の方を対象に講演をするときには、患者が知っておいたほうがいい知識として、かかりつけ薬局を持つ必要性と、薬剤師の基本的な役割を必ず紹介しています。薬剤師の基本的な役割とは、(1)薬剤情報提供、(2)薬剤服用歴管理、(3)疑義照会、(4)残薬整理です。とくに(1)の薬剤情報提供については、2014年に薬剤師法が改正された際、「薬学的知見に基づく指導」をすることが義務付けられました。つまり、これまで以上に患者に踏み込んだ情報提供をしなければならなくなったのです。それなのに、法改正の後も薬局薬剤師が手にしているのは、病名も病状もわからない処方箋と、患者から得る情報のみです。もっと医療機関から確かな患者情報が得られなければ、薬学的知見に基づく指導なんてできないのではないかと思ってきました。そのため、医療機関と薬局とが連携して情報のやりとりをする、医療機関と薬局の薬剤師の“薬薬連携”こそが重要だと主張してきました。外来での治療が増える中で、求められる変化ところが、このような薬局薬剤師の役割について、多くの患者は理解できていません。それは薬局薬剤師の“役割の見える化”ができていないことに問題があります。そしてそれは、薬局薬剤師自身が、患者にその役割の説明をしていないためだと言い続けてきました。もちろん、すべての薬局・薬剤師に当てはまるわけではありませんが、このような状況を生んでしまっている要素として、調剤業務だけで経営が成り立っていること、薬局薬剤師が地域や多職種と連携できていない内向き傾向にあること、必要な情報を享受するための積極的姿勢に乏しく“待ちの姿勢”に甘んじていること、臨機応変なコミュニケーション能力が発揮できていないこと、などを問題視してきました。この制度部会でも、それらの考えに基づいてかなり積極的に発言を繰り返してきました。ところがその発言は、人の目を引く一部だけが切り取られ、さまざまな医薬品関連のwebニュースで取り上げられました。それによって、制度部会が回数を重ねるに従って、講演先で「どれだけ怖い人かと思って身構えていた」「攻撃だけをする人かと思っていたけれど、今日、話を聴いて薬剤師を応援してくれているのだと誤解が解けた」などと言われることが増えたのです。ときには報道をうのみにして厳しい言葉で非難・抗議するメールが届くことも珍しくなくなってきました。一度誤解されると、どれだけ丁寧に説明しても理解してもらえることは難しいだけに、何ともむなしい気分に陥ることもあるのは事実です。しかし、薬局は今、かなりの瀬戸際に立たされていて、薬剤師が薬局にこもって仕事をしていたのでは淘汰されてしまう。「ウチは一生懸命やっている」と自負していても、患者にその役割と存在意義が認められないと、共倒れになってしまうという危機感を私は肌で感じています。多くの疾患の治療が入院から外来にシフトする中で、患者の薬物療法の安全性を守り、きちんと情報提供してくれる薬剤師の役割は大きいと感じているだけに、一部の情報で批判されようとも、気持ちをなえさせずに主張を繰り返してきました。とりまとめられた内容とは12月に行われた制度部会のとりまとめでは、来年度の国会に提出する法案の骨子として、次のような内容がまとめられました。薬剤師は調剤して終わりではなく、患者が薬を服用している期間を通じてフォローアップする。薬剤師が上記のような役割を十分発揮できるように環境を整備し、そのような対人業務を充実させるために、対物業務の効率化を図る。在宅医療やがんの薬物療法など、専門性の高い薬学的管理が継続的に必要になるため、患者が自分に適した機能を持つ薬局を選択できるように環境を整える。そして、本来薬機法の対象とはならないにもかかわらず、多くの時間を割いた薬局・薬剤師のあり方や医薬分業についてのとりまとめでは、厳しい議論の内容が赤裸々に記されました。たとえば「現在の医薬分業は、政策誘導をした結果の形式的な分業であって多くの薬剤師・薬局において本来の機能を果たせておらず、医薬分業のメリットを患者も他の職種も実感できていない」「単純に薬剤の調製などの対物中心の業務を行うだけで業が成り立っており、多くの薬剤師・薬局が患者や他の職種から意義を理解されていないという危機感がない」「院内処方へ一定の回帰を考えるべきであるという指摘があった」という批判的な意見がそのままにつづられました。薬剤師が調剤時のみならず、服用期間中のフォローアップをすることを薬機法に盛り込むに当たっては賛否両論ありました。私は、本来当たり前に果たす必要のあるその役割について、多くの薬局において実施しているのであれば、わざわざ法律に書き込む必要はないと思います。しかし、これまで自浄作用を待っていたけれど、いつまで経っても自発的に実施する薬局が増えないのであれば、法律で義務化するしかないと主張しました。 反対される委員からは「法律に書き込めば、それは調剤報酬となってお土産を与えるだけだ」という反論がありました。しかし、法律に盛り込まれるということは、「やって当たり前の役割」と公になることです。それを新たな報酬として設けること自体おかしいとさらに反論しました。その結果、とりまとめでは「今回の制度部会での議論も十分踏まえ、患者のための薬局ビジョンに掲げた医薬分業のあるべき姿に向けて、診療報酬・調剤報酬において医療機関の薬剤師や薬局薬剤師を適切に評価することが期待される」と書き込まれました。これは、病院薬剤師の働きを報酬上もっと評価し、法制化したからといって薬局薬剤師の役割のさらなる報酬化につながってはいけないという意味が込められたと私は議論に参加した1人として解釈しています。この問題にご関心をお持ちくださった会員の皆さま、一委員からの報告という一部の切り取りではなく、議論の結果である20ページにわたるとりまとめ全文をどうぞ読んでみてください。そのうえで、ご意見・ご感想をお届けいただければ幸いです。参考「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」、「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」

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第34回 20年間在宅訪問に尽力する薬剤師のサプライズ告白【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回のゲストは山形県新庄市の有限会社メディカほし薬局の星利佳先生。「私のライフワークは在宅だけ」と言い切る星先生も、1998年の開業当時は在宅訪問で薬剤師は何ができるのか思い悩んでいたそうです。そんな時に突破口を開いてくれたある薬剤師とは?川添先生驚きの生告白!?病院、薬局、ドラッグストア、開業などさまざまな経験をされてきた星先生からのメッセージをお聞きください。

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認知症患者へのアミロイドPETが患者管理に影響/JAMA

 病因が不確定な軽度認知障害(MCI)および認知症の患者に対し、アミロイドPETを行ったところ、約6割の患者で施行前とは異なる患者管理に変更されたとの研究結果が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGil D. Rabinovici氏らが実施したIDEAS試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年4月2日号に掲載された。アミロイドPETは、アルツハイマー病の主要な神経病理学的特徴である脳アミロイド斑を検出する。アミロイドPETを臨床評価に追加すると、診断精度が向上するとされるが、アミロイドβの蓄積は他の神経変性疾患や認知機能が正常な高齢者にもみられるという。施行前後の患者管理の変更を評価する単群縦断研究 本研究は、MCIおよび認知症患者におけるアミロイドPET導入と、その後の臨床的管理の変更との関連を評価する単群縦断研究(米国Alzheimer's Associationなどの助成による)。 対象は、65歳以上のメディケア受給者で、過去24ヵ月以内にMCIまたは認知症の診断を受けた患者であった。また、次の3つのアミロイドPETの適正使用基準を満たすことが求められた。(1)専門医による包括的評価で認知機能障害の病因が不明、(2)アルツハイマー病の診断が考慮される、(3)アミロイドPETの導入で診断および患者管理の変更が予測される。 2016年2月~2017年9月に、米国の595施設の認知症専門医946人により1万6,008例が登録され、2018年1月までフォローアップが行われた。認知症専門医は、PET施行前と施行後90±30日時に、診断名と管理計画を記載した症例報告を作成した。 主要エンドポイントは、PET施行前後での患者管理の変更とし、アルツハイマー病の薬物療法、その他の薬物療法、安全性と将来の管理計画に関するカウンセリングを含む複合アウトカムで評価した。変更された患者の割合が30%の閾値を超えた場合に、臨床的に意味があると判定された。副次エンドポイントには、PET施行前後での診断名の変更(アルツハイマー病から非アルツハイマー病へ、またはその逆)の割合が含まれた。患者管理の変更の割合:MCI 60.2%、認知症63.5% 1万1,409例(71.3%、年齢中央値75歳[IQR:71~80]、女性50.9%)が試験を完遂し、最終解析の対象となった。このうち、MCIは6,905例(60.5%、75歳、49.6%)、認知症は4,504例(39.5%、77歳、52.8%)であった。また、アミロイドPET陽性は、MCIが3,817例(55.3%)、認知症は3,154例(70.1%)であった。9例のスキャンが評価不能だった。 PET施行による複合アウトカムの変更は、MCIでは6,905例中4,159例(60.2%、95%信頼区間[CI]:59.1~61.4)、認知症では4,504例中2,859例(63.5%、62.1~64.9)で行われており、いずれも30%の閾値を有意に上回っていた(p<0.001、片側検定)。 事後解析では、PET施行後のアルツハイマー病治療薬への変更は、MCIが43.6%、認知症は44.9%で、非アルツハイマー病治療薬(認知機能、気分、行動への作用薬、他の神経学的病態の治療薬、認知症のリスク因子の治療薬)への変更は、それぞれ22.9%、25.4%で行われ、カウンセリングが24.3%、20.7%で実施されていた。 また、病因診断がアルツハイマー病から非アルツハイマー病へ変更された患者は、1万1,409例中2,860例(25.1%、95%CI:24.3~25.9)で、非アルツハイマー病からアルツハイマー病への変更は、同1,201例(10.5%、10.0~11.1)で行われた。 著者は、「アミロイドPETが臨床アウトカムの改善に寄与するかを明らかにするには、さらなる検討を要する」としている。

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第20回 抗うつ薬の中止後症状は漸減した場合でも生じる?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 SSRIやSNRIなどの抗うつ薬の中止(とくに突然の中止)により、脳内セロトニン濃度が低下し、中止後症状が生じる可能性があることはご存じの方も多いと思います。それを予防するために、薬剤を急に中止せずに漸減するというのは比較的よく行われている対策ですが、どれほど効果があるのでしょうか? 今回は、SSRIやSNRIによる中止後症状について調査したシステマティックレビューを紹介します。1つ目は、PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)声明にのっとって書かれたシステマティックレビューです1)。fluoxetine(本邦未発売)、セルトラリン、パロキセチン、citalopram(本邦未発売)、エスシタロプラムなどのSSRIとプラセボまたは他の抗うつ薬を比較したランダム化比較試験15件、オープン試験4件、後ろ向き研究4件、症例報告38件に分けて解析が行われています。CINAHL、Cochrane Library、PubMed、Web of Scienceといったデータベースからの文献調査が2人の研究者によって独立して行われ、意見の不一致が生じた場合は他の研究者も交えて合意を形成しています。ランダム化比較試験において、漸減した場合と急に中止した場合を比較すると、中止後症状が発現する割合は変わらず、漸減が有意に優れているわけではありませんでした。なお、実薬での治療後にさらに実薬を継続した群よりも、プラセボに切り替えた群(急に中止した群)で有意に中止後症状が発現しやすいという結果でした。個人的な感想ですが、脳内セロトニン濃度を急激に下げない漸減は合理的な方法のように思えるのに、中止後症状を防げていないというのが意外でした。中止後症状として観察された症状は多岐にわたり、とくに多かったのがめまい、ふらつき、吐き気、頭痛、倦怠感、混乱などで、報告された症状は下表のとおりでした。中止後症状は、通常は薬剤中止後1~5日で生じ、数週間続いて徐々に治まりますが、長い場合では2ヵ月ほど続くこともあります。いずれのSSRIでも中止後症状が生じる可能性が示されており、とくにパロキセチンにおいてその頻度が高いという結果でした。著者のコメントとして、中止後症状というよりもベンゾジアゼピン系薬剤や抗精神病薬と同じく離脱症状と捉えるべきではないか、ということが書かれています。SNRI漸減でもSSRI同様に中止後症状が発現同じファーストオーサーにより、SNRIの中止後症状に関するシステマティックレビューも2018年に発表されています2)。同じくPRISMA声明にのっとり、PubMed、Cochrane Library、Web of Science、MEDLINEを含むデータベースから、デュロキセチン、ベンラファキシン、ミルナシプラン、SNRIなどのキーワードを用いて文献を調査しています。こちらも調査は独立した2人の研究者によって行われ、各研究者の文献評価で意見相違がある場合は他の研究者を含めて合意をとっています。ランダム化比較試験、オープン試験、前向き研究、後ろ向き研究、症例報告といった研究デザインを含む合計61の報告がレビューに含まれました。いずれも対象患者は18歳以上で、大部分は8週以上の治療期間の研究です。結果として、すべてのSNRI(ベンラファキシン、desvenlafaxine[本邦未発売]、デュロキセチン、ミルナシプラン、levomilnacipran[本邦未発売])で中止後症状が生じる可能性が示されています。その発現率はさまざまですが、ベンラファキシンの中止後が比較的高いことが示唆されています。プラセボ対照試験で見ると、プラセボ群の発現率が12%未満だったのに対し、ベンラファキシン37.5mg/日群で52%、75mg/日群で35%、150mg/日群で78%と有意に高く、とくに150mg/日を急に中止した場合に生じやすいことが報告されています。ランダム化比較試験とオープン試験の中止後症状の発現率は、ベンラファキシン23~78%、デュロキセチン6~55%、ミルナシプラン13~30%、levomilnacipran 9~10%と幅があります。症状として吐き気、めまい、頭痛などが比較的多いのは先の研究と同様です。SSRIのレビューで示唆されていることと同様、漸減の有無によらず多様な中止後症状の報告があり、その内容もSSRIの中止後に見られたものと類似しています。症状の多くは薬剤中止から24~48時間以内に起こり、数週間続く場合もまれにあるという結果でした。中止後症状が発現しやすいタイミング、消失する時期などを医師や患者さんに目安としてお伝えできると安心につながるとは思いますが、研究では幅があり過ぎるため、具体的に伝え過ぎると誤解を招くリスクもありそうです。投与再開または別の抗うつ薬へ切り替えることによって一時的な回復は期待できるかもしれませんが、長期的なメリットについては議論の余地があるところも扱いが難しいですね。1)Fava GA, et al. Psychother Psychosom. 2015;84:72-81.2)Fava GA, et al. Psychother Psychosom. 2018;87:195-203.

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資産形成はバーチャルがキーワード【医師のためのお金の話】第19回

資産形成はバーチャルがキーワード私は、レンタルスペース事業を運営していましたが、収益が伸び悩んだため撤退を余儀なくされました。レンタルスペースはBAR仕様の内装で、本物の設備を導入し、ワイングラスなどの消耗品もたくさん置いていました。これらを引き揚げるため、1年ぶりにレンタルスペース内に足を踏み入れました。久しぶりに見るスペース内はかなり荒れていてショックを受けました。2年半ほどたくさんの人が使い倒したので、当初ピカピカだった室内は見る影もありません。たくさんの時間とお金を費やして立ち上げたビジネスが、無残な結果に終わるのはとても悲しいことです。経年劣化しないモノが重要私は少し感傷的になっていましたが、そのことを割り引いても室内の荒れ方はひどく、物質的なものは壊れていくということを改めて認識しました。私は、汚れていたり壊れている物を見るのがあまり好きではありません。雑然としていることが嫌いなので、できるだけ物を所有しない生活を心掛けています。このような性格の人間なので、資産運用に関しても、経年劣化しない投資対象を選好していることに気付きました。具体的には以下のようなモノです。株式通貨不動産(土地)金(ゴールド)これらはすべて経年劣化しない資産です。経年劣化しないので、税金などの費用を除くとメンテナンスフリーです。経年劣化しない理由は、金(ゴールド)を除くと実在するものではなくバーチャルな存在だからです。株式、通貨、不動産(土地)は一応物質としての形はありますが、本質的には人の意識の中にだけ存在します。株式は会社の所有権という形のないものですし、通貨に価値があると思うのは使用する人の共同幻想です。そして、土地は所有権という権利にすぎません。建物はともかく土地に関しては、あくまでバーチャルな存在なのです。土地を例にして、バーチャルなモノは経年劣化しないことを説明します。土地は100年経っても面積や形が変わることはありません。また、土地の面積や形を維持するために、特別な修繕は必要ありません。もちろん、隕石が衝突するなどの大規模な自然災害が発生して土地が消滅したり、戦争が起こって国家体制が変わることで現在の所有権制度が無効になる可能性はあります。しかし、天変地異や国家体制転覆が発生しない限り、通常の環境であれば土地は永遠です。メンテナンスフリーが理想一方、不動産の中でも実物資産である建物に関してはどうでしょうか? 日本のように雨量の多い地域では、建物の損壊が激しいです。屋上防水工事や外壁塗装などの大規模修繕を10年ごとに行わないと建物の劣化が進みます。仮に定期的なメンテナンスを施していても、経年劣化から逃れることはできません。建築から数百年経過している建物もまれに存在しますが、絶え間ないメンテナンスなくして建物が長期間にわたって存続することは不可能です。このように、実物資産の価値を維持するためには、経年劣化との戦いが不可避です。つまり、実物の資産は維持するだけでコストがかかり続けることになります。これに対してバーチャルな資産は、税などを除くと基本的にメンテナンスは不要です。もちろん、会社のビジネスモデルの陳腐化やインフレによる通貨価値の下落などのために、バーチャルな資産の価値が減少することはあります。しかし、これらの要因を除くとバーチャルな資産はメンテナンスフリーであるため、長期保有して資産形成を行ううえでは非常に有利なのです。投資もビジネスもバーチャルを意識しよう!資産形成の方法はさまざまです。一般的に大きな資産を作るためには、ビジネスもしくは投資での成功が必要です。ビジネスにおいても、IT革命以降はバーチャルな要素が大きくなりました。昔のように大規模な設備投資が不要となる業態が多くなっているからです。効率の良い資産形成を考えると、これからの時代はできるだけ実物を伴わないバーチャルな投資対象を選好するとよいでしょう。メンテナンス費用が少ないと、それだけ資産形成のスピードが加速します。投資やビジネスでは物質的な部分を減らして、できるだけバーチャルな要素を増やすことに注力しましょう!

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第14回 発熱の症例・全てのバイタルが異常。何を疑う?-1【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回の症例は、発熱を来した症例です。発熱のため受診される高齢者は少なくありませんが、なかには早期に治療を開始しないと生命にかかわる場合もあります。患者さんDの場合◎経過──191歳、女性。脳梗塞による後遺症のため寝たきりの生活で、施設に入所しています。自力では起き上がることができず、介助により車いすに移乗します。食事も介助を必要とします。自分でトイレに行くことができないのでオムツを使用しています。本日、あなたが施設に薬を届けに行くと、いつもは車いすに座っているのですが、今日はぐったりした様子でベッドに横になっていました。「少し熱があるみたいなんです」と施設の職員が言いました。「そうですか...」あなたは本日嘱託医が処方した内服薬に、解熱鎮痛薬が含まれていることに気が付きました。その日のバイタルサインは、表1のとおりです。体温の調節と発熱私たちの体温は、脳の視床下部にある体温調節中枢で調節されており、病原体に感染したりして侵襲を受けると上昇します。これが発熱です。猛暑のときの高体温(熱中症)とは機序が異なり、治療法も異なることは知っておくべきです。また、体温が1℃上昇すると、脈拍数が約20回/分上昇することも、思い出しておいてくださいね。◎経過──2数日後、たまたま別の用件でその施設を訪れたあなたは、施設の職員に先日発熱していた女性が具合悪そうだと聞きました。昨日の夜から食事も摂れない状態でした。もともと元気のある方ではないのですが、先日よりぐったりして呼びかけても眼を開けません。呼吸は速いように見えます。手をとると体温がとても高いことがすぐにわかりました。手首の動脈(橈骨動脈)を触れると脈は速くて弱く、毛細血管再充満時間(capillary refilling time; CRT)は3秒にまで延長していました。あなたは「ショックの徴候がある...」と考えました。「先生への連絡は?」とあなたが職員に尋ねると、「先ほど連絡しましたから、もうそろそろ着く頃と思うのですが...」と言われました。あなたが確認したバイタルサインは、表2のとおりです。到着した医師・看護師は診察を行い、導尿(尿道に管を入れて尿を排出させること)すると、膿のような濁った尿が排出されました。「尿路感染による(敗血症)だ」医師はそうつぶやくと、職員に家族を呼ぶよう依頼しました。看護師は生理食塩液の点滴を末梢静脈から速い速度で開始しました。

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「薬剤師以外による調剤可能」通知の衝撃度【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第22回

薬剤師法第19条において、「自己の処方箋以外において、薬剤師以外の者が調剤してはならない」と定められていますが、実際には調剤業務という言葉の定義や範囲がグレーなこともあり、問題となることがありました。このたび、厚生労働省より初めてこの議論に終止符を打つ通知「調剤業務のあり方について」が2019年4月2日付で発出され、衝撃が走っています。結論としては、ピッキングや一包化などの調剤業務を非薬剤師が行うのは可能と明言するものですが、ただ単に調剤業務を非薬剤師に任せてよいというわけではないということに注意が必要です。全薬局薬剤師、薬局従事者が一字一句逃さずに読むべき通知ですが、ここでは大きく2つのポイントを示します。1. 調剤業務を薬剤師以外に行わせる方法と業務範囲「薬剤師の目が現実的に届く限度の場所で」「調剤した薬剤の品質などで患者に危害が及ぶことがなく」「当該業務を行う者が判断を加える余地に乏しい機械的な作業」の場合に非薬剤師に調剤業務を任せることができます。具体的には、PTPシートのピッキングや一包化された薬の数量確認が例として挙げられていますが、あくまでも最終的な確認は薬剤師が行う必要があり、軟膏剤、水剤、散剤などの計量、混合は含まれません。この通知を読んだ薬局従事者全員が、この業務はできる、この業務はできない、と同一の判断ができればいいのですが、薬局によって、また人によって調剤業務の解釈が異なる場合があります。そのため、薬局開設者は、誰が読んでも同一の解釈ができるように、手順書の作成、研修の実施、記録などの対応が求められています。調剤できる能力や理解があることを確認しているという意味で、テストなどを実施し、記録してもいいかもしれません。また、実際に非薬剤師が調剤業務を行った場合にも、誰が調剤したのかという記録は必要ですので、日々の業務における手順の共有や見直しなども必要になるでしょう。2. 通知の目的昨年末に厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会により出された「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」には、薬剤師の行う対人業務を充実させる観点から、対物業務の効率化を図る必要がある、と記載されています。調剤機器やIT技術などの活用により業務の効率化が可能になったことも踏まえ、薬剤師にしかできない本来業務を果たすために、今回の調剤業務のあり方についての通知が発出されたものと考えられます。何のためにこの通知が発出されたのか、ということを肝に銘じながら非薬剤師に調剤業務を任せるべきでしょう。調剤業務を非薬剤師に任せた場合、薬剤師はカウンターや患者さん宅でより薬学的な専門性の高い業務や医師への提案、投薬後の患者フォローを行う割合を増やすのが当然です。薬剤師は疾患についての勉強だけでなく、コミュニケーション力や他職種からの情報収集力など、対人スキルをよりいっそう磨く必要があるでしょう。この通知には、具体的な業務に関してはさらに整理を行い、別途通知を出す旨の記載があります。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の改正の議論のなかで、薬局や薬剤師のあり方について非常に辛辣な意見があったことや、「薬剤師の行う対人業務を充実させる」という目的と方向性を考えると、次の通知は非薬剤師に任せられる調剤業務という範囲にとどまらない可能性があります。私としては、今回の通知の事前情報の少なさと発出のタイミングにギョッ!としたのは事実ですが、このくらいのサプライズがまだほかにあっても不思議ではありません。引き続き、動向を見守りたいと思います。

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薬機法改正後、薬剤師法に追記される義務【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第12回

2019年3月19日、薬機法の改正案が閣議決定され、今国会での成立が目指されていることはご存じかと思います。国会に提出された法律案は厚生労働省のホームページで公表されていますが、もう皆さんは確認したでしょうか。まだ法律案の段階ですし、厚生労働省令等が決まるまで詳細はわからないところもあるとはいえ、薬剤師の業務を規定する重要な法律なので、一度は目を通しておいてもいいかもしれません。薬機法に併せて薬剤師法も改正される今回予定されている改正には、服用期間中のフォローの義務化、知事認定制度により年1回の更新が必要な「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の新設、薬局ガバナンスの整備など、皆さんの業務に影響を与える内容が盛り込まれています。たとえば、服用期間中のフォローとして、薬を渡したときの情報提供および指導だけではなく、必要に応じて服用期間中についても継続的かつ的確な把握などが義務付けられ、その内容について記録することも求められます。この点については、薬機法の改正と併せて薬剤師法も改正が予定されています。これまでも、薬剤師には以下のとおり、情報提供および指導義務がありました。薬剤師法(情報の提供及び指導)第25条の2 薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない改正では、これに加えて服用期間のフォローとして以下の追記が予定されています。第25条の2 第2項薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない改正法の施行前に準備を始めるべきこのような義務は、すべての患者に対してではなく「必要があると認める場合」とされています。どのような場合に必要があるかは、薬剤師の専門的な判断によることになりますが、適切な対応が必要であったにもかかわらず、そのような対応を行わず、患者に健康被害が起こってしまった場合などには、患者に対する損害賠償などの責任が発生することも否定できません。まだ法案の成立前ですし、施行まで時間もあるとは思いますが、このような義務が定められることを前提に、組織として今から準備を始めたほうがよいでしょう。また、今後予想されるその他の改正についても早めに検討し、個々人の認識を合わせるなどの対応が適切と考えられます。参考資料1)厚生労働省 第198回国会(常会)提出法律案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(平成31年3月19日提出)概要

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第33回 職場の雰囲気を内側から変える!のがお仕事という薬剤師【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回は札幌から株式会社サンクールあしたば薬局の大澤祐貴子先生との対談をお届けします。大澤先生は何かしらの問題を抱える店舗にスタッフとして赴任し、内側から店舗を改善するサポート推進課長です。スタッフのメンタルは仕事の効率や事故にも大きな影響を与えるそう。エリアマネージャーとは違った、大澤さんならではのアプローチとは?

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第22回 【薬局サービス紹介】自宅にお薬がたくさん余っていませんか?【使える!服薬指導箋】

第22回 【薬局サービス紹介】自宅にお薬がたくさん余っていませんか?1)厚生労働省 平成30年度診療報酬改定について 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3 調剤報酬点数表

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NSCLC:ニボルマブ治療後のドセタキセル・ラムシルマブ併用の有効性

 肺がんへの免疫療法後の化学療法による有効性を評価した論文が、国内で報告された。 今回、埼玉医科大学国際医療センターの塩野 文子氏らによる後ろ向き研究で、非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、抗PD-1抗体ニボルマブによる治療に病勢増悪後、ドセタキセルとラムシルマブを併用投与した場合、ニボルマブ投与なしのレジメンと比較して高い奏効率が得られた。Thoracic Cancer誌オンライン版2019年2月27日号に掲載。 本試験では、2016年2月~2017年12月に当施設でニボルマブを投与されたNSCLC患者152例から、ニボルマブ治療後にドセタキセルとラムシルマブを投与された20例について、全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)を調査した。 患者の年齢中央値は70歳(範囲:55~77歳)で、男性12例、女性8例だった。そのうち、16例が腺がん、3例が扁平上皮がん、1例がその他であった。 主な結果は以下のとおり。・18例(90%)に予防的なG-CSF製剤の投与が行われた。・20例の患者のうち、12例が部分奏効(PR)を達成し、ORRは60%だった。・6例が安定(SD)を示し、病勢コントロール率は90%だった。・PFSは169日、OSは343日だった。・消化器系の有害事象が19例の患者で観察された。

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第13回 緊急度が高い?歩くと息が切れる、夜中に目が覚める高血圧患者2【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

前回は循環不全・ショックのお話でした。今回の症例は高血圧です。高血圧の患者さんは多くの場合、緊急度は高くありません。しかし、なかには緊急度の高い高血圧も存在します。今回のポイントは「自覚症状があり緊急度の高い高血圧」です。患者さんCの場合◎経過──22週間後、「今日も血圧を測ってみよう」と訪問すると、かかりつけ医が先に到着していて診察を行っていました。訪問看護師もいます。そこには、ベッドに座り込んで苦しそうにしている患者さんがいました。訪問看護師が確認したバイタルサインは表2のとおりです。顔色は蒼白となり冷や汗をかいていて、肩を使って呼吸をしています。少し離れた場所にいても「ゼイゼイ」という呼吸の音が聞こえてきます。「昨日の...晩から...苦しく...ってねぇ...、ハハ...」といつものように強がっていますが、起坐呼吸※の状態で言葉も続きません。「心不全の症状だと思います。」医師は家族にそう説明すると、直ちに救急車を要請しました。※ 起坐呼吸横になる(臥位)と呼吸困難が増悪し、座る(座位)と楽になる状態。観察とバイタルサインよりバイタルサインの異常は「頻呼吸・頻脈・血圧の上昇」です。SpO2が低下していますから、低酸素の状態です。呼吸と循環に異常がありますが、今回は高血圧緊急症について考えたいと思います。高血圧緊急症とは血圧が高度に上昇することによって、身体の重要な臓器(脳・心臓・腎臓・大血管など)に急性の障害が生じている状態を、高血圧緊急症と呼びます。表3のような疾患が該当し、障害の進行を防ぐため、すぐにでも血圧を下げる治療を開始する必要があります。単に血圧が高いだけの高血圧症は通常は無症状ですが、高血圧緊急症では何らかの症状を伴います。比較的多いのは、「急性の臓器障害を伴う重症高血圧」の項にある疾患です。例えば、脳梗塞や脳出血では手足の麻痺やろれつの障害などを来しますし、くも膜下出血では突然の経験したことのないような激しい頭痛が起こります。急性冠症候群では胸が締めつけられるような症状(胸部圧迫感や胸部と呼びます)、急性大動脈解離では激烈な胸部痛や背部痛、急性左心不全では呼吸困難などの症状を来します。このように、本態性高血圧であっても二次性高血圧であっても、「自覚症状を伴うような高血圧」は急を要する場合があり要注意です。逆に、高血圧を見つけたときには、何か自覚症状がないかを確認する必要があります。画像を拡大する◎経過──3仕事を終えて帰宅したあなたは、心不全の症状について調べてみました。むくみ(浮腫)・息切れ・呼吸困難・起坐呼吸などのほか、「夜間発作性呼吸困難」も心不全に見られる症状です。夜間就寝中に突然起こる呼吸困難で、横になっていると下肢の静脈血が心臓に戻りやすくなり、心臓のポンプ機能が衰えていると、全身に血液を送り出す力が弱まっているわけですから、肺に血液がうっ滞することによって、呼吸が苦しくなります。エピローグ退院後、薬を届けに訪問すると、以前のように元気な笑顔で迎えてくれました。「ほら、こんなに元気になったよ」あなたが「少しやせました?」と聞くと、「あれ(顔がふっくらして、体重が増えたこと)は、むくみだったみたいだよ。病院の医者からは、毎日体重を測れって言われたんだ。塩も少なくしろってさ。私は漬け物が好きなんだがねぇ。特に漬け物の中でもね...」などなど、たくさん話をしてくれました。高血圧を見つけたら今回のポイントは「自覚症状があり緊急度の高い高血圧」です。高血圧を見かけたら、何らかの症状がないか確認しましょう。放っておいてはいけない症状があったり、血圧以外のバイタルサインにも異常があったりした時には、医師に連絡しましょう。

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ivabradineのHFrEF患者への投与、日本人でも有用(J-SHIFT)/日本循環器学会

 慢性心不全では、高い心拍数が心血管系イベントの独立したリスク因子となる。既存薬による治療を行っても心拍数の高い患者において、HCN(Hyperpolarization-activated Cyclic Nucleotide-gated)チャネル阻害薬ivabradineの上乗せ投与の有用性・安全性が検証された。2019年3月29~31日に横浜で開催された、第83回日本循環器学会学術集会で、日本人HFrEF(左室駆出率が低下した心不全)患者を対象とした第III相J-SHIFT試験の結果を、九州大学大学院医学研究院循環器内科学 筒井 裕之氏が発表した。ivabradine群で心不全悪化による入院が有意に減少 ivabradineは、心臓の洞結節に発現するHCNチャネルを阻害することで、過分極活性化陽イオン電流(If)を抑制し、心拍数を減少させる作用機序を持つ。 J-SHIFT試験は、日本人HFrEF患者(標準治療下にあるNYHA心機能分類II~IV、左室駆出率[LVEF]35%以下、洞調律下での安静時心拍数75回/分以上)を対象に、ivabradineの有効性と安全性を検討した第III相二重盲検無作為化並行群間比較試験。主要評価項目である「心血管死または心不全悪化による入院」のハザード比が1を下回ることの確認を目的とし、安静時心拍数、LVEF、安全性などがその他の評価項目として設定された。 ivabradineの投与は2.5mg(1日2回)から開始し、心拍数および忍容性に応じて2.5mg、5mg、7.5mg(それぞれ1日2回)に用量調節された。 日本人HFrEF患者を対象に、ivabradineの有効性と安全性を検討した主な結果は以下のとおり。・全体で254例が組み入れられ、ivabradine群とプラセボ群にそれぞれ127例ずつ無作為に割り付けられた。観察期間中央値は、589日であった。・平均年齢:61.2歳(ivabradine群) vs. 60.1歳(プラセボ群)、平均LVEF:27.9% vs. 26.6%。NYHAII/III/IVはivabradine群で78.7%/19.7%/1.6%、プラセボ群で80.3%/18.1%/1.6%であった。・既存薬による治療歴は、ACE阻害薬:44.9% vs. 52.8%、ARB:24.4% vs. 15.7%、MRA:83.5% vs. 71.7%、β遮断薬:96.1% vs. 94.5%であった。・心血管死または心不全悪化による入院は、ivabradine群26例(20.5%)に対しプラセボ群37例(29.1%)で、ハザード比[HR]は0.67(95%信頼区間[CI]:0.40~1.11、p=0.1179)であった。なお、心血管死については両群で差はみられず(HR:1.00、95%CI:0.36~2.79、p=0.9972)、心不全悪化による入院はivabradine群で有意に減少した(HR:0.53、95%CI:0.31~0.92、p=0.0242)。・安静時心拍数はivabradine群で有意に減少し(-15.2 vs.-6.1回/分、p<0.0001)、LVEFは有意に増加した(11.1% vs.6.6%、p<0.0001)。・有害事象として、軽度の光視症(6.3% vs.3.1%)、心房細動(2.4% vs.5.5%)、無症候性徐脈(両群とも0.8%)が報告されたが、症候性徐脈は認められなかった。 なお、ivabradineは本試験および、2010年発表の国際多施設共同試験SHIFT試験の結果に基づき、2018年12月に「洞調律下での安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全」の効能・効果で、国内製造販売承認申請されている。

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骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持つ骨粗鬆症薬「イベニティ皮下注105mgシリンジ」【下平博士のDIノート】第22回

骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持つ骨粗鬆症薬「イベニティ皮下注105mgシリンジ」今回は、世界に先駆けて日本で承認・発売されたヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体「ロモソズマブ(商品名:イベニティ皮下注105mgシリンジ)」を紹介します。本剤は、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用の2つの作用で骨密度を高め、骨折の危険性が高い骨粗鬆症患者の骨折リスクを低減することが期待されています。<効能・効果>本剤は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月4日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはロモソズマブとして210mg(シリンジ2本分)を1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与します。なお、投与は病院、診療所などで行われます。<臨床効果>プラセボと比較した臨床試験では、閉経後骨粗鬆症患者7,180例(うち日本人492例)において、投与開始12ヵ月後に新規椎体骨折リスクを73%低減し、その効果は24ヵ月まで持続しました。<副作用>骨粗鬆症患者を対象としたプラセボ対照国際共同第III相試験で、本剤の投与を受けた3,744例中615例(16.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、関節痛(1.9%)、注射部位疼痛(1.3%)、注射部位紅斑(1.1%)、鼻咽頭炎(1.0%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として低カルシウム血症、顎骨壊死・骨髄炎(頻度不明)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、骨形成を促すとともに骨吸収を抑えることで、骨密度を高めて骨折を予防します。2.本剤を投与中は、ブラッシングなどで口腔内を清潔に保ち、定期的に歯科検診を受けてください。顎の痛み、歯の緩み、歯茎の腫れなどを感じた場合は、主治医に連絡してください。3.本剤を使用中に歯の診察を受ける場合は、この薬を使っていることを必ず歯科医師に伝えてください。4.この薬により、低カルシウム血症が現れることがあります。指先や唇のしびれ、痙攣などの症状が見られた場合、すぐに医師・薬剤師に相談してください。<Shimo's eyes>本剤は、国内初の抗スクレロスチン抗体製剤です。スクレロスチンは、破骨細胞による骨吸収を促進し、骨芽細胞による骨形成を抑制する糖タンパク質です。本剤はこのスクレロスチンを阻害することで骨量を増加させ、骨折リスクを低下させます。本剤は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症に対して月1回皮下投与します。投与中は、副作用である低カルシウム血症の発現リスクを軽減するために、カルシウムおよびビタミンDの補給を行います。とくに重度の腎機能障害や透析を受けている患者さんでは、低カルシウム血症が発現しやすいので、積極的に検査値などを確認するようにしましょう。本剤による治療を終了・中止する場合、骨吸収が一過性に亢進する懸念があるため、原則として骨吸収抑制薬が使用されます。なお、海外で実施されたアレンドロン酸ナトリウムを対照とした比較試験では、本剤投与群における虚血性心疾患または脳血管障害の発現割合が高い傾向にありました。使用に関しては、脆弱性骨折の有無、骨密度値や原発性骨粗鬆症の診断基準などを目安として、投与が適切かどうか判断することが望ましいとされています。骨粗鬆症による高齢者の骨折は、要介護・要支援の原因となり、健康寿命の延伸、QOLの維持などを妨げることから、本人・家族だけでなく社会にも大きな影響を及ぼします。本剤は、著しく骨密度が低い場合やすでに骨折部位がある場合など、数年以内に骨折するリスクが高い患者さんの新たな治療選択肢となるでしょう。なお、2019年4月時点において、本剤は米国と欧州では審査中であり、海外で承認されている国および地域はありませんので、副作用に関しては継続的な情報収集が必要です。

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第32回 「処方見直しのプロセス」で1日11回の服用時点、どう見直す?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説薬物療法適正化のため厚労省は平成30年に「処方見直しのプロセス」のフローチャートを示しました。チャートの一番上にある高齢患者の評価には内服薬のほか認知機能、ADL、薬剤の嗜好など多面的要素が示されています。処方見直しでは薬の数だけではなく、かかる医療機関の数や服用タイミングの回数など、患者さんの生活全体にかかわる検討が必須。1日11回もの服用時点があった患者さんの症例をもとにお話しします。

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