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COVID-19流行下で不安募らせるがん患者、医師は受け身から能動へ?

 がん患者の自分が感染したら致命的なのではないか、治療を延期しても大丈夫なのか、この発熱は副作用かそれとも感染か―。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染が拡大する中、がん患者の不安は大きくなってしまっている。エビデンスが十分とはいえない中、また医師自身にも感染リスクがある中で、治療においてどのような判断をし、コミュニケーションを図っていけばよいのか。4月21日、「新型コロナ感染症の拡大を受け、がん患者・家族が知りたいこと」(主催:一般社団法人CancerX)と題したオンラインセッションが開催され、腫瘍科や感染症科など各科の専門医らが、患者および患者家族からの質問に答える形で議論を行った。がんの既往があると重症化リスクが高いのか?と聞かれたら 大須賀 覚氏(アラバマ大学バーミンハム校脳神経外科)は、現状のデータだけでは十分とは言えないとしたうえで、「すべてのがん患者さんが同じように重症化リスクが高いとはかぎらない」と説明。英国・NHSによるClinical guideから、とくに脆弱とされる状況を挙げた:• 化学療法を現在受けている• 肺がんで、放射線治療を受けている• 血液または骨髄のがん(白血病、リンパ腫、骨髄腫)に罹患している• がんに対する免疫療法または他の継続的な抗体治療を受けている• その他、免疫系に影響するタンパク質キナーゼ阻害薬やPARP阻害薬などの分子標的療法を受けている• 6ヵ月以内に骨髄移植や幹細胞移植を受けた人、または現在、免疫抑制剤の投与を受けている• 60歳以上の高齢• がん以外の持病がある(心・血管系疾患、糖尿病、高血圧、呼吸器疾患など) 市中に感染が蔓延している状況下では、病院へ行く頻度が高い人はやはり感染リスクが高くなるとして、治療によるベネフィットを考慮したうえで、受診の機会をどうコントロールしていくかが重要になると話した。感染のリスクと治療のベネフィットを、どう考えるか 大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター病院国際感染症センター)は今後の流行の状況について、「いま来ている波が落ち着いたとしても、また次の波に警戒しなければならない」とし、ある程度長い期間、寄せては返しを繰り返すのではないかと話した。先がみえない状況の中で、治療延期の判断、延期期間をどう考えていけばよいのか。 勝俣 範之氏(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科)は、「がん治療の延期・中止は非常に慎重に行うべき」として、病状が安定していて、半年に一度などのフォローアップの患者さんで、たとえば1ヵ月後に延期する、といったところから始めていると話した。 大須賀氏は、医療資源が確保できず安全な治療自体が行えない場合、いま治療を実施することによって感染リスクが高まると判断される場合は延期・治療法の変更が検討されるとし、治療自体の緊急性や効果といった個別の状況のほか、地域での感染状況などから総合的に判断されるというのが現状の世界での基本的見解だろうと話した。 そして、もし治療の延期や変更を決めた場合には、「なぜ延期/変更されたのかを患者さんが理解しないといけないし、医師は理解できるように説明できないといけない」と上野 直人氏(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科)。会場の参加医師からは、貴重な受診機会を効率的なものにするために、平時以上に、患者さんに事前に質問事項をメモして来院するよう伝えるべきではという声も聞かれた。続く緊張と感染への不安で食事がとれなくなっている患者も 秋山 正子氏(認定NPO法人マギーズ東京)は、感染を心配しすぎて過敏になり、食事や水分をまともにとれていないような状況もある、と指摘。電話相談などを受けていると、家にずっと閉じこもる状況下で緊張状態になり、身体をうまく休めることができなくなっている人もいるという。 天野 慎介氏(一般社団法人 全国がん患者連合会)は、「まず自分がストレスを感じていることを認めて受け入れる」ことが重要と話した。そのうえで、日本心理学会によるアウトブレイク下での精神的ストレスを軽減させるための考え方(もしも「距離を保つ」ことを求められたなら:あなた自身の安全のために)について、その一部を紹介した:• 信頼できる情報を獲得する• 日々のルーティンを作り,それを守る• 他者とのヴァーチャルなつながりをもつ• 健康的なライフスタイルを維持するつながらない代表電話、医師ができる積極的アプローチとは がん治療中に発熱した場合、それが化学療法による副作用なのか、あるいは感染の疑いがあるのか、患者自身が判断するのは不可能で、味覚障害や下痢なども、鑑別が難しい。佐々木 治一郎氏(北里大学病院 集学的がん診療センター)は、「がん治療中の患者さんに関しては、発熱などの何らかの症状があった場合、保健所ではなく、まず主治医に連絡してもらうようにしている」と話した。 しかし現在、多くの病院で代表電話は非常につながりにくい状況になっている。会場からは、各病院でもがん相談支援センターの直通電話は比較的かかりやすいといった情報が提供された。佐々木氏は、「自粛して1人あるいは家族だけと自宅にいる患者さんに、何らかの支援を提供できるよう動いていくときなのではないか」とし、医師は普段は受け身で相談を受けているが、今はこちらから電話をするなど、積極的なアプローチが必要なのではないかと話した。正しい情報にアクセスし、適切なサポートにたどり着いてもらうために 「10秒息を止められれば大丈夫」「水を飲めば予防できる」など、驚くようなデマが拡散し、そして思った以上に患者さんたちはそういった情報に翻弄されてしまっていると勝俣氏。信頼できる情報にアクセスできるように、医療者がサポートしていく必要性を呼び掛けた。また秋山氏は、「直接ではなくても、電話やネットなどのツールを活用し、誰かとつながって話すことで、かなり不安が軽減する」とし、電話相談の窓口などを活用してほしいと話した。本セッション中に登壇者や参加者から提供された情報源や相談窓口について、下記に紹介する。■新型コロナウイルスに関する情報臨床腫瘍学会「がん診療と新型コロナウイルス感染症:がん患者さん向けQ&A」チームオンコロジー「新型コロナウイルス(COVID-19)関連リンク集」日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)「新型コロナウイルス情報リンク集」大須賀 覚先生のnote■相談窓口などマギーズ東京「メールやお電話などのご案内」日本臨床心理士会「新型コロナこころの健康相談電話のご案内」厚生労働省「新型コロナウイルス感染症関連SNS心の相談」

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COVID-19、軽症患者の64%が嗅覚・味覚に異常/JAMA

 新型コロナウイルス感染時の症状としては発熱、倦怠感、筋肉痛、呼吸困難などに加え、嗅覚・味覚の異常についても報告されている。これまで、COVID-19感染者の嗅覚と味覚障害の有病率を評価した研究は1件のみ1)で全体の有病率は34%であったが、ほかの症状との関連における発症タイミングに関するデータはなかった。イタリアTreviso Regional Hospital を2020年3月19~22日に受診し、鼻咽頭および咽頭スワブの RT-PCR 検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、自宅待機可能な18歳以上の軽症患者202例を対象に嗅覚・味覚障害の発現状況を評価した。JAMA誌オンライン版2020年4月22日号のリサーチレターに報告された。 主な結果は以下のとおり。・202例の年齢中央値(四分位範囲)は56(20~89)歳、女性が52.0%だった。・嗅覚あるいは味覚異常を訴えたのは130例(64.4%:95%CI:57.3~71.0)だった。・Sino-nasal Outcome Test 22(SNOT-22)の中央値は4(四分位範囲:3~5)、最も重症のスコア5も48例(23.8%)いた。・嗅覚あるいは味覚異常を訴えた130例中、鼻閉も訴えたのは45例(34.6%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常の発現時期は、初発症状のものが24例(11.9%)、その他症状と同時に発現したものが46例(22.8%)、その他の症状の後に発現したものが54例(26.7%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常が唯一の症状だったものは6例(3.0%)だった。・嗅覚あるいは味覚異常があったのは、女性の72.4%(95%CI:62.8~80.7)、男性の55.7%(45.2~65.8)で、女性の頻度が高かった(p=0.02)。

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アトピー性皮膚炎を改善する世界初の外用JAK阻害薬「コレクチム軟膏0.5%」【下平博士のDIノート】第48回

アトピー性皮膚炎を改善する世界初の外用JAK阻害薬「コレクチム軟膏0.5%」今回は、外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬「デルゴシチニブ軟膏(商品名:コレクチム軟膏0.5%、製造販売元:日本たばこ産業)」を紹介します。本剤は、20年ぶりに登場した外用アトピー性皮膚炎治療薬で、世界初の外用JAK阻害薬です。免疫細胞および炎症細胞の活性化を抑制することで、皮膚の炎症とかゆみを改善することが期待されています。<効能・効果>本剤はアトピー性皮膚炎の適応で、2020年1月23日に承認され、2020年6月24日に発売予定です。<用法・用量>通常、成人には、1日2回、1回当たり最大5gまでの適量を患部に塗布します。なお、治療開始4週間以内に皮疹の改善が認められない場合は使用を中止します。症状が改善した場合には、継続投与の必要性について検討して、漫然とした長期使用を避ける必要があります。<安全性>軽症、中等症または重症のアトピー性皮膚炎患者352例を対象とした第III相長期試験(QBA4-2試験)において、副作用は69例(19.6%)に認められました。主な副作用は、適用部位毛包炎11例(3.1%)、適用部位ざ瘡10例(2.8%)、適用部位刺激感9例(2.6%)、適用部位紅斑7例(2.0%)でした。なお、重篤な副作用として、カポジ水痘様発疹が1例(0.3%)に認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、皮膚の炎症とかゆみを抑えることで、アトピー性皮膚炎を改善します。2.大人の人さし指の先端から第1関節まで出した量(1FTU=約0.5g)で、手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。塗った部分にティッシュが付く、または皮膚がテカテカする程度が適切な使用量の目安です。3.粘膜や皮膚の損傷、ただれている部位は避けて塗ってください。4.この薬を塗ったところに吹き出物ができるなど、気になる症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。5.万が一、眼に入った場合はただちに水で洗い流してください。<Shimo's eyes>本剤は、アトピー性皮膚炎に適応を有する世界初の外用JAK阻害薬です。従来、アトピー性皮膚炎治療は、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(免疫抑制薬)が中心となっています。しかし、ステロイド外用薬には皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイドざ瘡などの副作用、タクロリムス軟膏には皮膚刺激性などの副作用や投与条件の制約などの課題があるため、長期的な使用ができないこともあります。本剤は、JAK/STAT経路の活性化を阻害することで、種々のサイトカイン刺激により誘発される免疫細胞および炎症細胞の活性化を抑制し、アトピー性皮膚炎を治療する薬剤です。国内臨床試験において、抗炎症作用および抗そう痒作用による皮疹改善作用が確認されています。副作用としては、刺激感や紅斑などが報告されていますが、皮膚萎縮および血管拡張は認められていません。適用部位刺激感は、投与初期(0~4週後)に発現する傾向があるので、とくに初回の服薬指導時は注意を忘れないようにしましょう。なお、現在は16歳以上の患者が適応であり、ステロイド外用薬を併用する場合には、患者の状態を踏まえて部位によって使い分けるなど慎重に判断する必要があります。外用のアトピー性皮膚炎治療薬として、新たな治療選択肢になりうると期待されますが、世界で初めてわが国で承認された薬剤ですので、今後の安全性情報には注意しておきましょう。参考1)PMDA コレクチム軟膏0.5%

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細菌感染の可能性が低い炎症でのリンデロン-VG軟膏の変更提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第19回

 今回は、湿疹や皮膚炎で頻用されているベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏(商品名:リンデロン-VG軟膏)についてです。細菌感染の可能性が低くても処方される「ステロイドあるある」ともいえる乱用に対して、薬剤師として行った介入を紹介します。患者情報70歳、男性(グループホーム入居、要介護2)基礎疾患:高血圧、心不全、陳旧性心筋梗塞訪問診療の間隔:2週間に1回処方内容1.アスピリン腸溶錠100mg 1錠 分1朝食後2.ラベプラゾール錠10mg 1錠 分1 朝食後3.フロセミド錠40mg 1錠 分1 朝食後4.スピロノラクトン錠25mg 1錠 分1 朝食後5.カルベジロール錠2.5mg 1錠 分1 朝食後6.ニコランジル錠5mg 3錠 分3 朝昼夕食後7.オルメサルタン錠40mg 1錠 夕食後8.ヘパリン類似物質油性クリーム 50g 1日2回 全身に塗布本症例のポイント訪問診療の同行時に、上記患者さんの下腿の皮膚に赤みがあり、痒そうなので、以前処方されたリンデロン-VG軟膏を使ってもよいかという質問を施設スタッフより受けました。医師の診察では、心不全もあるのでうっ滞性皮膚炎の可能性があり、炎症を引かせるためにもリンデロン-VG軟膏でよいだろうという判断でした。リンデロン-VG軟膏は、外用ステロイドであるベタメタゾン吉草酸エステルとアミノグリコシド系抗菌薬であるゲンタマイシンの配合外用薬です。ゲンタマイシンは、表在性の細菌性皮膚感染症の主要な起炎菌であるブドウ球菌や化膿性連鎖球菌に有効ですので、その抗菌作用とベタメタゾンのStrongという使いやすいステロイド作用ランクから皮膚科領域では大変頻用されています。しかし、長期的かつ広範囲の使用によって、耐性菌の出現やゲンタマイシンそのものによる接触性皮膚炎のリスク、さらには腎障害や難聴の副作用も懸念されています。そこで処方内容への介入を行うこととしました。<抗菌外用薬による接触性皮膚炎>アミノグリコシド系抗菌薬は基本構造骨格が類似しており、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、フラジオマイシンで交叉反応による接触性皮膚炎が生じやすい。とくにフラジオマイシンで高率に生じると報告されている。処方提案と経過まず、医師にゲンタマイシンによる上記の弊害を紹介し、細菌感染の可能性が低いのであれば、抗菌薬が配合されているリンデロン-VGではなく外用ステロイド単剤で治療するのはどうか提案しました。なお、その際に医師がステロイド単剤のリンデロン-V軟膏やリンデロン-DP軟膏を認識していなかったことがわかりました。さらに、炎症の強さから外用ステロイドとしての作用強度がワンランク上のVery Strongが望ましいと感じましたが、リンデロン-DP軟膏だと患者さんや施設、および薬局での取り違えの可能性もあったことから、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏(商品名:アンテベート軟膏)を提案しました。その結果、今回は細菌感染の可能性が低いことからベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏がよいだろうと変更の承認を得ることができました。治療を開始して4日目には皮膚の発赤と掻痒感は改善し、既処方薬のヘパリン類似物質油性クリームのみの治療へ戻すこととなりました。Sugiura M. Environmental Dermatology. 2000;7:186-194.

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初診でもオンライン診療が可能に 薬局の課題は「なりすまし」をいかに防ぐか【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第46回

なかなか終わりが見えない新型コロナウイルス感染ですが、皆さんの薬局では何か影響はありましたでしょうか。日本保険薬局協会(NPhA)が実施したアンケートでは、会員企業のうち約60%が新型コロナウイルス感染拡大防止のためのオンライン診療に基づく処方箋を応需している一方で、約80%が「薬局の利用者が減っている」と回答するなど、患者さんの薬局利用や医療の流れが変わりつつあることがうかがえます。4月7日に緊急事態宣言が一部の地域に出され、その後その範囲が拡大されましたので、実際に来局される患者さんはさらに減って、オンライン診療・服薬指導が増えているのではないかと想像します。オンライン服薬指導は新型コロナウイルス感染拡大防止のために、2月28日の厚生労働省の事務連絡によって可能になりました。その後、4月10日にはさらに「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(いわゆる「0410通知」)が発出され、より具体的になりました。2月28日の事務連絡は廃止され、初診でもオンライン診療が可能になったことが一番の変化です。この通知では、オンライン診療・服薬指導の方法や処方箋のやり取り、医薬品の送付方法、患者のなりすまし防止措置など、具体的な事項が記載されています。「0410通知」の薬局における主な対応は以下のとおりです。初診で医師が患者の基礎疾患を把握できない場合は、処方日数は7日間が上限で、麻薬や向精神薬、抗がん剤などは調剤してはならない。患者がオンライン服薬指導を希望する場合は、備考欄に「0410対応」と記載した処方箋情報がFAXなどで保険薬局に送付される。保険薬局は送られてきた処方箋情報をもとに調剤し、その処方箋情報は後日入手した処方箋原本とともに保管する。患者のなりすまし防止のため、保険証の画像や口頭によって本人確認を行う。オンライン服薬指導が可能かどうかを薬剤師が判断し、対面での服薬指導が必要と判断した場合は対面を促すことができる。その場合の対応は薬剤師法の調剤応需義務に違反するものではない。調剤した薬剤は品質が保持され、確実に授与できる方法で患者へ配送し、実際に患者が授与したことを電話などで確認する。この通知を読んでオンライン服薬指導の具体的な運用を考えたときに、意外と患者のなりすましや虚偽申告が可能なのではないかと思ってしまいました。もちろん、初診で医師が基礎疾患を把握できない場合は、「処方日数は7日間まで」「麻薬や向精神薬、抗がん剤などは処方してはならない」とするなどの詐欺や悪用を阻止する対策はとられています。しかし、顔が見える通信手段ではなく普通の電話での処方も可能ですし、何度も通院している患者さんになりすました場合は上記から外れます。薬局でも本人確認のチェック項目を設け、患者さんと話をして感じ取った情報を薬歴に残すべきだと感じました。なお、そのような疑わしい事例があった場合は、都道府県に報告することが求められています。また、通知には記載されていませんが、偽造処方箋についても同様に注意が必要です。つい最近まで「オンライン診療って結局進まないよねー」なんて言っていたのが嘘のように、劇的に医療を取り巻く環境が変化しつつあります。現時点では新型コロナウイルス感染に対する特例ですが、オンラインで診察を受け、オンラインで服薬指導も受け、郵送で医薬品を受け取る…といういわゆるオンライン診療を経験した患者さんが増えていくのは間違いありません。少なくとも、この通知は「原則3ヵ月ごとに検証を行う」ことが明記されていますので、7月くらいまではこの通知が有効であると考えて、腰を据えて薬局内の手順を考えたほうがよさそうです。

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COVID-19の実効再生産数は公衆衛生介入で抑制か/JAMA

 中国・湖北省武漢市のCOVID-19集団発生(outbreak)では、都市封鎖(city lockdown)や社会的距離(social distancing)、自宅隔離、集約化された検疫・治療、医療資源の拡充など一連の多面的な公衆衛生的介入により、初発の確定症例や実効再生産数(2次感染の指標)が経時的に抑制されたことが、中国・華中科技大学のAn Pan氏らの調査で示された。COVID-19の世界的な大流行(pandemic)では、さまざまな公衆衛生的介入が行われているが、これによって集団発生状況が改善されたか明確ではないという。JAMA誌オンライン版2020年4月10日号掲載の報告。3万例以上で、公衆衛生的介入が及ぼした影響を評価 研究グループは、武漢市のCOVID-19集団発生において、公衆衛生的介入と疫学的特徴の関連を評価する目的で、5つの時期に分けたコホート研究を実施した(中国・主要大学基礎研究基金などの助成による)。 市の法定伝染病報告システムを使用し、2019年12月8日~2020年3月8日に、検査によりCOVID-19と確定された3万2,583例のデータを抽出した。データには、患者の年齢、性別、居住地区、職業、発病日(患者の自己申告による発熱、咳、その他の呼吸器症状が発現した日)、確定日(生体試料からSARS-CoV-2を検出した日)、重症度(軽度、中等度、重度、重篤)などが含まれた。 COVID-19の確定は、鼻腔および咽頭のスワブ検体を用い、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)または次世代シークエンシング法でSARS-CoV-2ウイルス陽性の場合と定義した。 公衆衛生的介入(防疫線、交通規制、社会的距離、自宅隔離、集約化検疫、全例症状調査など)が、新型コロナウイルスの感染に及ぼした影響を評価した。イベントや介入で5つの時期に分類、2次感染の指標も評価 春運期間の開始(2020年1月10日)、武漢市防疫線の開始(1月23日)、4つのカテゴリー(確定症例、推定症例、発熱・呼吸器症状患者、濃厚接触者)に分けて集約化された治療・検疫戦略の開始(2月2日)、全例症状調査の開始(2月17日)を起点として、以下の5つの時期に分類し、年齢別、性別、市内地区別の新型コロナウイルスの感染率を算出した。 I期(初期の非強力介入期、2019年12月8日~2020年1月9日、33日間、確定症例数550例)、II期(春節による大移動期、1月10日~22日、13日間、5,091例)、III期(都市封鎖/交通規制/自宅検疫期、1月23日~2月1日、10日間、1万3,880例)、IV期(集約化検疫・治療/医療資源拡充期、2月2日~16日、15日間、9,972例)、V期(集約化検疫/全例症状調査期、2月17日~3月8日、21日間、3,090例)。 また、各時期のSARS-CoV-2の実効再生産数(2次感染の指標。集団のある時刻における、典型的な初発患者が生み出した2次感染者数の平均値)も推算した。発症から確定までの期間は徐々に短縮 3万2,583例の年齢中央値は56.7歳(範囲:0~103、四分位範囲:43.4~66.8)、女性が1万6,817例(51.6%)で、40~79歳が2万4,203例(74.3%)であった。 多くの患者は1月20日~2月6日の期間に発症し、2月1日にこの日だけの感染者数の急上昇が認められた。発症から確定までの期間は、初期には実質的な遅延が認められたが、この遅延は経時的に短縮した(I~V期の発症から確定までの期間中央値の推移:26、15、10、6、3日)。 集団発生は、武漢市の都市部で始まり、5つの時期を通じて郊外および農村部へと徐々に拡大した。確定症例の割合は、地区によって大きく異なり、感染率は都市部が最も高かった。III期にピーク、医療従事者感染率はPPE普及後に低下 1日の確定症例数の割合は、I期の100万人当たり2.0件(95%信頼区間[CI]:1.8~2.1)から、II期には45.9件(44.6~47.1)へと上昇し、III期には162.6件(159.9~165.3)とピークに達したが、その後、IV期には77.9件(76.3~79.4)、V期には17.2件(16.6~17.8)へと低下した。また、全期を通じて、女性の感染率がわずかに高かった(100万人当たり43.7件/日vs.39.4件/日)。 一方、医療従事者の確定症例(1,496例)の割合は4.6%であった(I期3.8%、II期8.7%、III期5.5%、IV期3.0%、V期1.8%)。全期を通じて、100万人当たりの1日の確定症例の割合は、医療従事者が130.5件(95%CI:123.9~137.2)と、一般人口の41.5件(41.0~41.9)に比べて高かった。医療従事者の感染率はIII期にピーク(617.4件[576.3~658.4]/日/100万人)に達したが、包括的な個人用保護具(PPE)が広く使用可能となったIV期(159.5件[141.4~177.6])およびV期(21.8件[16.1~27.4])には低下した。 20歳以上では、1日の確定症例の割合はIII期にピークに達し、それ以降は低下したのに対し、小児や青少年(20歳未満)はその後も増加し続け、とくに1歳未満の増加が顕著であった。1歳未満の1日の確定症例の割合は100万人当たり7.9件(5.8~10.0)で、20歳未満の他の年齢層は2.0~5.4件だった。高齢者ほど重症化リスク高い、実効再生産数は介入後低下 重症度別の解析では、重度/重篤症例の割合は、I期の53.1%から、II期35.1%、III期23.5%、IV期15.9%、V期10.3%へと低下した(I期との比較でいずれも有意差あり)。 また、重症化のリスクは年齢が高くなるに従って増加した。20~39歳の重度/重篤症例の割合12.1%と比較して、80歳以上は41.3%(リスク比[RR]:3.61、95%CI:3.31~3.95)、60~79歳は29.6%(2.33、2.16~2.52)、40~59歳は17.4%(1.41、1.30~1.53)であったのに対し、20歳未満は4.1%(0.47、0.31~0.70)であった(いずれもp<0.001)。 一方、実効再生産数は、1月26日以前は3.0以上で著しく上下動し、1月24日にピーク値の3.82に達し、以降は下降に転じた。2月6日には1.0未満に低下し、3月1日以降は0.3未満に抑制された。 著者は、「これらの知見は、COVID-19の世界的な大流行との闘いにおいて、他の国や地域の公衆衛生上の施策に有益な情報をもたらす可能性がある」としている。

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COVID-19濃厚接触者の定義を変更し、網を拡大/国立感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「濃厚接触者」の定義について国立感染症研究所 感染症疫学センターは、4月20日に「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」を発表し、定義を変更した。 新しい「濃厚接触者」の定義では、「患者(確定例)」の感染可能期間(症状を呈した2日前から隔離開始までの間)に接触した者のうち、次の範囲に該当する者として4項目を示した。・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内などを含む)があった者・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液などの汚染物質に直接触れた可能性が高い者・その他:手で触れることのできる距離(目安として1m)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況など個々の状況周辺の環境や接触の状況など個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。 これにより、従来は発症日以降に接触した人から「発症の2日前から接触した人」に拡大され、また、「2m以内を目安に接触していた人」の定義を「1m以内を目安に15分以上接触した人」に変更された。 この定義は保健所などで聞き取り調査の際に使用され、より多くの感染疑い者の絞り込みに活用される。

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新型コロナ陽性および疑い患者への外科手術について、12学会が共同提言/日本外科学会など

 日本医学会連合、日本外科学会をはじめとする外科系12学会は4月1日、連名で「新型コロナウイルス陽性および疑い患者に対する外科手術に関する提言」を発出した。流行下での手術トリアージの目安のほか、気管挿管・抜管時のリスク回避策など、医療従事者の感染リスク防止のための方策がまとめられている。 本提言の内容は以下の通り:・患者および術式選択について・個人用防護具(PPE:Personal Protective Equipment)について・気管挿管・抜管時のリスク回避について・その他の手術リスクについて・手術後の対応について・帰宅時の対応について・緊急手術について なお、今後の状況に応じて提言は適宜見直されるとし、日本外科学会では4月14日に外科手術トリアージ表の改訂版を発表。4月21日には、提言の中で推奨された排煙装置の使用について、日本外科教育研究会により「新型コロナウイルス感染症とサージカルスモーク」の解説が提供されていることを紹介。この解説では、サージカルスモークによる感染を防ぐため、関連の参考文献とともに医療用マスクや排煙装置の防護法などについて記載されている。 日本外科学会ホームページでは、「新型コロナウイルス(COVID-19)特設ページ」が設けられており、これらの情報が随時更新されている。

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化学療法+ICI、初の長期フォローアップデータ【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第13回

第13回 化学療法+ICI、初の長期フォローアップデータ1)Gadgeel S, Rodriguez-Abreu D, Speranza G, et al. Updated Analysis From KEYNOTE-189: Pembrolizumab or Placebo Plus Pemetrexed and Platinum for Previously Untreated Metastatic Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer. J Clin Oncol. 2020 Mar 9. [Epub ahead of print]NSCLCの標準治療を大きく変えることになったKEYNOTE-189試験(化学療法+免疫チェックポイント阻害剤[ICI]vs.化学療法の第III相試験)。ICIを用いた多くの試験同様、アップデート解析が今回報告された。長期生存・長期無再発はどのような集団で得られているのか、PD-L1検査の意義は…簡潔に紹介する。アップデートの内容フォローアップ期間の中央値は当初報告(Gandhi L, et al. NEJM. 2018;378:2078-2092.)における10.5ヵ月から、今回23.1ヵ月となった。PFS、OSのアップデートに加え、PFS2の解析が追加されている。なおPFS2の定義は「ランダム化から、(1)主治医判断による2次治療の病勢進行(PD)まで、もしくは(2)2次治療をPD以外で終了した場合は3次治療開始まで、あるいは(3)これら以外の死亡まで」とされている。IMpower試験(アテゾリズマブ)で話題となった、肝・脳転移の有無に関するサブセット解析が追加された。なおKN189試験では全体の16~18%の症例が肝・脳転移を有している。結果以下、Pembro群vs.Placebo群:初回報告→アップデートの順に紹介する(単独の結果記載はアップデートデータのみ)。MST:未到達vs.11.3ヵ月(HR 0.49)→22.0ヵ月vs.10.7ヵ月(HR 0.56)2年生存率:45.5% vs.29.9%PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.42/0.55/0.59→0.59/0.62/0.52mPFS:8.8ヵ月vs.4.9ヵ月(HR 0.52)→9.0ヵ月vs.4.9ヵ月(HR 0.48)2年PFS率:20.5% vs.1.5%PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.36/0.55/0.75→0.36/0.51/0.64PFS2:17.0ヵ月vs.9.0ヵ月(HR 0.49)PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.47/0.59/0.46肝転移・脳転移の有無は予後不良因子ではあるが、ペムブロリズマブ追加の効果予測因子ではなかった。追加期間において、新規の免疫関連有害事象の発生は少なかった。解説本研究の強み・興味深い点化学療法+ICIにおける初めての長期フォローアップデータ。PD-L1の有無によらず、同程度のHRが示された。一方で、長期無再発の観点でPFSを見てみると、PD-L1 50%をカットオフとして差が顕著になっている。PD-L1≧50%で曲線がプラトーになりつつある一方で、1~49%、<1%ではほぼ全例が増悪を呈している。まとめると、3剤併用はPD-L1の有無によらず選択可能、ただしその後の戦略は大きく異なる。PD-L1≧50%では3人に1人が2年間以上無増悪を期待できる。PD-L1 50%未満では、10ヵ月前後で増悪する可能性が高く、次治療を考慮する。肝転移・脳転移の有無は治療選択には大きく影響しない。総じて、日常臨床に影響するようなデータはなし。その他のポイントコントロールアームの治療成績(MST 10.7ヵ月)が本邦の一般的な印象に比してかなり悪いので、HRの解釈には少し注意が必要かもしれない。PD-L1 50%未満に対して今後はどのような治療戦略が期待されるのか? 化学療法+ICIにさらなる薬剤追加はなかなか難しいと思われる(ベバシズマブは症例を選べば可能だが…)。2019年にはKRAS変異とPD-L1発現・化学療法+ペムブロリズマブの有効性を検討したサブ解析が話題を呼んだ(Gadgeel S, et al. ESMO-IO 2019.)。バイオマーカーについて、今後追加の報告があるのか、にも注目したい。

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COVID-19、早期診断や重症化の因子は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019、COVID-19)の予測モデルに関する公表・公表前の試験結果についてシステマティック・レビューを行ったところ、31個の予測モデルが見つかったが、大半でバイアスリスクが高く、それら予測モデルを医療現場で活用することには、信頼性の点で懸念があることが示された。オランダ・マーストリヒト大学のLaure Wynants氏らによる検討で、BMJ誌2020年4月7日号で発表した。COVID-19は世界中の医療システムに負荷をもたらしており、効果的な早期検出、診断および予後に関する差し迫ったニードが生じている。ウイルス学的検査、胸部CTは診断の標準方法となっているが時間を要する。一方、先行研究報告で、高齢で、慢性疾患(COPD、心血管疾患、高血圧)がある患者や呼吸器症状のある患者は、重症となりやすく死亡率も高まることが示唆されていた。PubMed、Embase、medRxivなどをレビュー 研究グループは、COVID-19の感染が疑われる患者の診断に関する予測モデル、および罹患者の予後に関する予測モデル、さらにCOVID-19で入院となるリスクがある人を一般集団で検出するための予測モデルについて、公表・公表前の報告をレビューおよび批評した。 PubMed、Embase、Ovid、Arxiv、medRxiv、bioRxivを基に、2020年3月24日までに発表されたCOVID-19に関する試験結果についてシステマティック・レビューを行った。COVID-19関連の多変量予測モデルの開発または検証に関する試験を抽出し、評価した。2人以上の著者がCHARMSチェックリスト(予測モデル試験のシステマティック・レビューのためのクリティカルな評価とデータ抽出を行うためのツール)を用いてそれぞれがデータの抽出を行った。診断モデル18件、予後予測モデルは10件 スクリーニングを行った2,696本の論文中に、27試験・31個の予測モデルの記述があった。 そのうち、一般集団における肺炎およびその他イベント(COVID-19肺炎の代替アウトカムとして)による入院の予測モデルは3個、COVID-19感染を検出する診断モデルは18個(うちCT画像検査の結果に基づく機械学習が13個)、死亡リスクや重症化進行リスク、および入院日数を予測する予後モデルは10個だった。また、中国以外の患者データを用いていたのは1試験のみだった。 感染が疑われる患者について最も多かった予測因子は、年齢、体温、徴候および症状であり、また、重症化について最も多かった予測因子は、年齢、性別、CT画像検査の所見、CRP、乳酸脱水素酵素値、リンパ球数だった。 予測モデルのC統計量は、一般集団を対象としたモデル(3モデルすべてで報告)は0.73~0.81、診断モデル(18モデルのうち13モデルで報告)は0.81~0.99超、予後モデル(10モデルのうち6モデルで報告)は0.85~0.98だった。 一方で、全試験についてバイアスリスクが高く、予測モデルを実際に活用した際の予測能は試験結果より低い可能性が高いとの評価が示された。理由としては、被験者にCOVID-19患者以外が含まれていない(診断モデル)、試験終了までに評価アウトカムが発生しなかった被験者は除外されている(予後モデル)、およびサンプルサイズが小さいことによるモデルの過剰適合などだった。 結果報告の質にもばらつきがあり、多くが試験対象集団や予測モデルの使用意図についての説明がなく、また予測の較正はほとんどされていなかったという。

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斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ! シーズン2

大好評だった「斬らレセプト」が帰ってきました。シーズン2では、2020年の改定を踏まえ、間違いやすい項目などについて解説します。つい起こしがちな間違い、漏れ、ミスなどを確認することで、請求漏れのないようにしていきましょう。解説執筆は、医療事務のエキスパートとして経営全般をサポートする、株式会社ソラスト。

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事例001 初診料の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説査定とは、レセプト請求内容が保険診療にそぐわないとして、バッサリと斬られて報酬が支払われないことを示します。多くの査定は、根拠がどこかに示されているにもかかわらず、気付かなかったことにあります。算定にかかる留意事項や添付文書の洪水に加えて難解な文章が、多忙な医師の手を煩わせることにつながっています。無駄な査定を避けるため、事例と解説をお届けします。医療安全と適正請求の一助にしていただけると幸いです。令和2年4月に診療報酬の定期改定が実施されました。初診料は、凍結されていた妊婦加算が廃止されたことを除き、点数と算定留意に変更はありませんでした。今回お届けする査定事例は改定前ですが、改定後も取扱いは同じとなります。事例を見てみます。何らの違和感がないにもかかわらず、初診料が再診料に査定されています。調べてみると、この患者は、前月にも急性胃炎の受診歴がありましたが、次回診療予約はなく、受診中止後の急性疾患の再燃として初診料を算定されていました。前回受診時の処方箋内容を見てみると、28日分処方されており、今回の初診と判断した診療日がこの処方日数内でした。審査支払機関において保存された電子データを照らし合わせる縦覧点検の結果、急性胃炎は、処方日数から判定して引き続きの服薬中と認められるため初診料の対象ではないと査定になったものと推測できます。さらに、事例の急性胃炎は「特定疾患療養管理料」の対象疾患となっていますので、処方期間内の受診であれば、再診料+外来管理加算+特定疾患療養管理料+処方箋料+特定疾患処方管理加算2(28日以上処方の場合)の算定となり査定を防ぎ、増収につながったものと思われます。

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第19回 服薬指導の電話は喜ばれるって本当?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説服薬後のフォローが薬剤師の義務となりましたが、患者さんはあまりその事実を知りません。当然「なぜあなたにそんなことを言われなくちゃいけないの?」と拒否されてしまうのではないかと不安にもなります。ましてや患者さんの家に電話なんてと驚くかもしれませんが、実は患者さんにとって電話は薬局よりもクローズドでリラックスして話せる“場所”だったんです。

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新型コロナウイルス検出用抗体、開発に成功/横浜市立大

 横浜市立大学大学院医学研究科の梁 明秀氏(微生物学・分子生体防御学 教授)らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を特異的に検出できるモノクローナル抗体の開発に成功したことを2020年4月20日に発表した。今後は、本抗体を用い簡便かつ短時間にSARS-CoV-2だけを正しく検出できるイムノクロマトキットの開発を目指す。 今回作製された抗体は、近縁のSARSコロナウイルスや風邪の原因となるヒトコロナウイルスとは交差反応を示さず、SARS-CoV-2抗原にだけ正確に反応するという。現時点でSARS-CoV-2のみを的確に検出できる高性能なモノクローナル抗体は実用化されておらず、この開発が進めば国内初の検査キットの実用化となる。 研究成果のポイントは以下のとおり。・ コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法により作製した高品質な抗原を用いて、SARS-CoV-2を正確に検出できるマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを複数株、樹立することに成功。・ 本抗体は、SARS-CoV-2だけに高い親和性を示し、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)、およびその他の一般の風邪症状を引き起こすヒトコロナウイルスとは交差反応しない。・ 今後、本抗体を用いて、簡便かつ短時間に、しかも正確にSARS-CoV-2が検出できるイムノクロマトキットが開発できれば、PCR法などの遺伝子検出法と比べて臨床現場の負担が軽くなり、検査数の大幅増が期待できる。

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添付文書改訂:コンサータの流通管理が厳格化/タケキャブに汎血球減少など追加/イクスタンジ、アーリーダに間質性肺疾患追加【下平博士のDIノート】第47回

コンサータ:流通管理体制が厳格化第1種向精神薬に指定されているAD/HD治療薬「メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ)」の流通管理が厳格化され、患者情報の登録が義務化されました。これまで処方していた医師と調剤していた薬局・薬剤師も、新管理システムへの登録が必要です。覚せい剤原料に指定されているAD/HD治療薬「リスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセル(同:ビバンセ)」と同様の扱いとなります。<対象薬剤>メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ錠18mg/27mg/36mg、製造販売元:ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>警告承認条件<Shimo's eyes>リスデキサンフェタミンメシル酸塩(商品名:ビバンセ)の承認申請の際に、メチルフェニデート塩酸塩徐放錠の不正使用が発覚したため、流通管理体制の見直し・厳格化が行われ、今回の改訂に至りました。新しい流通管理体制では、登録された医師が本剤を処方する前に、あらかじめ患者のイニシャル、性別、生年月日、第三者から得た患者の症状に関する情報源などを登録することが義務付けられました。登録情報は定期的な更新が求められています。登録薬局・薬剤師は、メチルフェニデート徐放錠やリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの処方箋を応需したら、「ADHD適正流通管理システム」ホームページにアクセスし、処方医師名や患者さんが持参したカードのIDを入力して検索します。そのため、調剤する前に、処方箋と同時に医師から交付される患者カードと身分証明書の確認が必要になります。なお、薬機法の改正に伴い、覚せい剤取締法および覚せい剤取締法施行規則等が一部改正され、2020年4月よりリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの取り扱いが変更されています。これにより、調剤済みの覚せい剤原料が薬局・病院でも回収できるようになったため、添付文書上の「適用上の注意(薬剤交付時)」に、「本剤が不要となった場合には、医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること」との内容が追加されました。ほかにも、薬局・病院に帳簿の設置と記録の義務化などの変更がありますので、通知には必ず目を通しておきましょう。参考PMDA コンサータ錠18mg/コンサータ錠27mg/コンサータ錠36mg厚生労働省 メチルフェニデート塩酸塩製剤(コンサータ錠18mg、同錠27mg及び同錠36mg)の使用にあたっての留意事項について厚生労働省 製造販売業者が実施する流通管理の概要厚生労働省 覚醒剤原料の取扱いについて(訂正版)タケキャブ:重大な副作用に汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少が追加ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の重大な副作用に「汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少」が追加になりました。本剤は、2019年3月にも、重大な副作用として、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、多形紅斑が追加されています。<対象薬剤>ボノプラザンフマル酸塩錠(商品名:タケキャブ錠10mg/20mg、製造販売元:武田薬品工業)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(同:ボノサップパック400/800、同上)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(同:ボノピオンパック、同上)<改訂年月>2019年10月<改訂項目>使用上の注意<Shimo's eyes>ボノプラザンフマル酸塩の国内症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果から、添付文書を改訂することが適切と判断されました。直近3年度の国内副作用症例の集積状況は、血小板減少関連症例19例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)、無顆粒球症、白血球減少関連症例15例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例4例)、汎血球減少17例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)が報告されています。汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少の初期症状については、出血しやすい、鼻血、歯ぐきの出血、発熱、寒気、喉の痛み、青あざができるなどに注意が必要です。これらの副作用について、ほかのプロトンポンプ阻害薬ではすでに注意喚起がなされています。参考PMDA タケキャブ錠10mg/タケキャブ錠20mg同 ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の「使用上の注意」の改訂についてイクスタンジ、アーリーダ:重大な副作用に間質性肺疾患追加前立腺がん治療薬エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)およびアパルタミド(同:アーリーダ)の重大な副作用に「間質性肺疾患」が追加されました。これに伴い、重要な基本的注意などが新設され、初期症状および胸部X線検査実施などの注意事項が追加されました。<対象薬剤>エンザルタミド錠、カプセル(商品名:イクスタンジ錠40mg/80mg、同カプセル40mg、製造販売元:アステラス製薬)アパルタミド錠(同:アーリーダ錠60mg、ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>慎重投与(新設)重要な基本的注意(新設)副作用重大な副作用(新設)<Shimo's eyes>過去3年の国内報告数のうち、医薬品と間質性肺疾患関連症例との因果関係が否定できない症例がエンザルタミドでは5例(死亡との因果関係が否定できない症例0例)、アパルタミドでは2例(死亡との因果関係が否定できない症例1例)報告され、国内症例が集積したと判断されて改訂されました。間質性肺疾患は、びまん性実質性肺疾患または浸潤性肺疾患とも呼ばれ、間質腔が傷害される多様な疾患の総称です。特徴的な症状は、肺胞中隔の肥厚、線維芽細胞の増殖、コラーゲン沈着、および疾患が進行した場合は肺線維化などです。患者さんには、間質性肺疾患の初期症状である息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱などについて説明するとに、症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう伝える必要があります。参考PMDA 使用上の注意改訂情報(令和元年11月15日指示分)ヤンセンファーマ 市販直後調査 アーリーダ錠60mg適正使用に関するお願い~間質性肺疾患のリスクについて~

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早期乳がん患者の認知障害、化学内分泌療法vs.内分泌療法/JCO

 がん治療に伴う認知機能障害(CRCI)は補助化学療法中によくみられ、持続する場合がある。米国・Wake Forest School of MedicineのLynne I Wagner氏らは、TAILORx試験(早期乳がん患者の補助療法として化学内分泌療法または内分泌療法単独に無作為に割り付け)において認知障害を前向きに評価したところ、3ヵ月と6ヵ月では化学内分泌療法のほうがCRCIが有意に多かったが、時間とともに差が縮小し12ヵ月以降では有意差は見られなかった。この結果から著者らは「化学内分泌療法は内分泌療法単独に比べて早期に認知障害を引き起こしたが持続的ではなく、補助化学療法によって再発リスク低減が示されている患者や医師に安心をもたらす」としている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年4月9日号に掲載。 本研究では、TAILORx試験に登録された患者のうち、21遺伝子再発スコアが11〜25の患者を化学内分泌療法群または内分泌療法単独群に無作為に割り付けた。認知機能障害は37項目Functional Assessment of Cancer Therapy-Cognitive Function(FACT-Cog)質問票を使用し、552例においてベースライン、3、6、12、24、36ヵ月に評価した。主要評価項目である20項目Perceived Cognitive Impairment(PCI)スケールはFACT-Cogに含まれる。臨床的に意味のある変化は経験的に定義し、ベースラインのPCIスコア、治療、その他の因子に基づくPCIスコアを線形回帰によりモデル化した。 主な結果は以下のとおり。・FACT-Cog PCIスコアは、両群におけるベースラインと比較して3、6、12、24、36ヵ月で有意に低く、認知障害が大きかった。・PCIスコアの変化は、内分泌療法単独群に比べて化学内分泌療法群において3ヵ月(事前に指定された主要評価項目)、6ヵ月で大きかったが、12、24、36ヵ月ではそうではなかった。・更年期のステータスと治療の相互作用は有意ではなかった。

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新型コロナで7都府県の健診中断へ/日本人間ドック学会

 2020年4月10日、日本人間ドック学会(理事長 篠原 幸人氏)は健診現場での感染拡大を防ぐため、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る緊急事態宣言を踏まえた人間ドック健診等における対応について」を通知した。 7都府県を対象とした「緊急事態宣言」が4月7日~5月6日まで発出されたことにより、国の定める法定健診(特定健康診査・特定保健指導、労働安全衛生法に基づく一般健康診断、学校保健安全法に基づく児童生徒等及び職員の健康診断)は、4月中の実施が見送られる。通知には以下の協力事項が記載されている。<人間ドック・健診施設へのご協力のお願い事項> 1)緊急事態宣言の対象地域内にある人間ドック・健診施設 人間ドック・健診等を受診される皆様に受診の延期をお願いし、少なくとも緊急事態宣言の期間中は、特定健康診査等は実施しないこと。2)緊急事態宣言の対象地域以外の人間ドック・健診施設 人間ドック・健診等を受診される皆様に対しては、受診の延期をお願いするか、もしくは新型コロナウイルスの感染拡大の防止策を徹底し、受診者(保険者)のご理解を得、充分な安全策を確認した上で実施されること。 *なお、緊急事態宣言の対象地域、対象地域外に関係なく、公的保険者以外が行う人間ドック・健診等は自粛対象事業には含まれておりませんが、自粛は当然必要とされております。また、対面形式や集合形式では行わない事が強調されております。従って受診者数、時間帯その他を十分考慮して戴き、呼吸機能検査などは後日施行して戴く、さらに結果説明や生活指導は工夫する事が成されれば実施は可能かもしれません。しかし、これは受診者・健診施設双方の自己責任で行われる場合に限ります。結論として当学会としては公的保険者以外が行う人間ドック・健診等に関しては一律の中止要請はしない事とします。3)本宣言が5月はじめに終了するとは限りません。当学会といたしましても今後を見据え、学会内に対策委員会を至急設置する予定です。

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第47回 肩の痛みには体の前面で開く服がおススメです【使える!服薬指導箋】

第47回 肩の痛みには体の前面で開く服がおススメです1)武富 由雄. 五十肩の理学療法-運動療法とその筋活動の分析. 日関外誌. 1989;8:3-10.2)福島 秀晃 ほか. 拘縮肩へのアプローチに対する理論的背景. 関西理学療法. 2014;14:17-25.

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相性の悪かった吸入器を変更して服薬習慣も改善【うまくいく!処方提案プラクティス】第18回

 今回は、喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)患者さんのアドヒアランスを上げるために、吸入器の変更を検討した処方提案です。内服薬の見直しと介護サービスの連携も同時に行うことで、QOLを改善することができました。患者情報75歳、男性(在宅、要介護1)基礎疾患:気管支喘息、肺気腫、末梢動脈疾患、両膝変形性関節症服薬管理:一包化介護状況:訪問介護(毎日午前中)喫  煙:20本/日処方内容1.エピナスチン錠20mg 1錠 分1夕食後2.モンテルカスト錠10mg 1錠 分1 夕食後3.ブロムへキシン錠5mg 3錠 分3 朝昼夕食後4.ロキソプロフェン錠60mg 2錠 分2 朝夕食後5.レバミピド錠100mg 2錠 分2 朝夕食後6.ツロブテロール錠1mg 2錠 分2 朝夕食後7.サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラー250ディスカス 1日2回 朝夕吸入本症例のポイント在宅訪問を開始する際に、この患者さんは服薬アドヒアランスが悪く、喘息発作のため何度も入退院を繰り返しているという話を訪問診療医から聞き取りました。初回面談時に両膝関節痛と呼吸苦を訴えていましたが、朝も夕もほとんど内服ができておらず、残薬がたくさんある状況でした。また、吸入薬もほとんど残数が減っていませんでした。詳しく聞いていくと、患者さんは治療の必要性や治療効果を十分に感じていないようで、具合が悪くても年のせいと諦めていて、服用忘れがあっても次の分の時に飲めばいいという認識でした。吸入薬に関しても、残薬カウンターに拡大レンズを付けていたものの、残数が見えにくく、吸入したかどうかわからないため吸入しないことが多々あることが判明しました。さらに、吸入器の操作にも難があり、薬装填レバーを繰り返し押してカウンターを無駄に回していました。本人としては、飲み薬は可能な限り減らして、吸入薬も残薬がわかりやすくて使いやすいものにしてほしいという希望があったため、介入を開始しました。処方提案と経過(1)服薬管理についてまず、ケアマネジャーに、毎朝の訪問介護スタッフに朝の内服と吸入薬の声掛けをしてもらうことは可能か相談しました。もともとケアマネジャーも服薬管理が困難であることを問題視していたため、快く受け入れてもらうことができました。そこで、医師に処方薬を下記の内容で1日1回朝にまとめることを訪問報告書で相談することにしました。(処方提案内容)エピナスチン錠、モンテルカスト錠を朝内服に変更ブロムへキシン錠をアンブロキソール徐放錠45mg 朝のみに変更ロキソプロフェン錠、レバミピド錠を中止し、ロキソプロフェンテープ(1日1回朝)に変更吸入薬にLABAが含有されているため、ツロブテロール錠を中止(2)吸入薬について適切に吸入できるようにするため、1日1回かつレバーを空けるだけで薬が装填可能で、残薬カウンターも見やすいビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステルドライパウダーインヘラーへの変更を検討しました。吸気確認や操作手順の確認をするために吸入練習器を使用したところ、吸気や操作手順に問題はなく、患者さんの受け入れもよかったため、上記の報告書に練習器の吸入状況も記載して報告し、ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステルドライパウダーインヘラーへの切り替えを提案しました。医師より電話連絡があり、提案書の内容で承認を得ることができ、翌日より朝1回の内服と吸入の管理が始まりました。訪問介護スタッフからは、変更後の吸入器は残数が見やすく、吸入できたかどうかの確認が容易なので声掛けがしやすいという報告をいただきました。その結果、服薬忘れがなくなり、頻回だった呼吸苦も改善しました。きちんと服薬すると体調が改善することを実感できたため、患者さん自ら服用忘れを防止するメモを書いてわかりやすい場所に置くなど、自分の体調を守ろうという意識に変化しました。その後、喘息発作の出現はなく、両膝関節痛も貼付薬で良好にコントロールできています。

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