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第24回 受験準備に50万円も必要な米国専門医試験今年は米国の専門医試験を受ける予定ですが、かなりお金がかかることに気付きました。循環器フェロー修了後に受けるCardiology board(米国循環器専門医試験)は、循環器専門医資格の取得のために必要な試験です。それ以外にもエコー専門医や核医学専門医を受ける人も多いです。とくに循環器フェロー修了後、インターベンション、EP(不整脈)、心不全などのサブスペシャルティーに進まず、一般循環器(General Cardiologist)になる場合、大半のフェローはエコー、核医学の専門医を取得しています。なぜなら、職場によっては採用の際にこれらの資格を求めてくるからです。このCardiology Boardですが、お金と時間がかかります。まず、受験料だけでも2,405ドル(26万円)かかります。さらに、試験勉強のためにACC(アメリカ循環器学会)が発行しているACCSAP(画像)という問題集を購入する必要があり(購入しない人は極めて珍しいと思います)、これに850ドルかかります。試験対策ですが、一般的にはMayo Clinicなどが主催する専門医試験対策の講習会に行くか、行けない場合は講習会のビデオを購入します。ビデオを購入するだけでも1,000ドル近くかかりますが、Liveで授業を聞くとなると、ホテルや飛行機を含めて2,000ドル近くになるでしょう。次に試験対策の時間ですが、少なくとも2ヵ月程度は勉強する必要がありそうです。これに落ちてしまうと、次の段階の専門医(EP、インターベンション、心不全、先天性心疾患)試験を受けられないなど、就職にも影響が出る可能性があるため、受験者も必死です。合格率は相対的に決まり、皆が勉強して臨むため、それ相応の分量を勉強するしかありません。実際の試験は2日間で行われます。米国の医学関係の試験(USMLE、内科専門医など)は、ほぼコンピュータベースの試験となっているため、最寄りのプロメトリックセンター(TOEFLを受けられるようなコンピュータベースの試験を行う専門のセンター)で受験します。以上をまとめると、4,000~5,000ドルの費用と、2ヵ月程度の時間が必要となり、経済的にも時間的にも結構な負担となることがわかっていただけると思います。私が日本で、循環器専門医試験を受験した頃と比べてみると、まず費用の面では、受験料が3万円と米国よりも格段に安く、問題集に関してもトレーニング問題をやる程度で済ませたので、1万円もかからなかったと思います。試験対策の勉強も1~2週間程度でした。サマリーの作成に結構時間を取られたものの、勉強自体ははるかに楽だったように思います。ちなみに合格率は日本の85~90%に対して、米国は90%前後と少し高めになっています。Cardiology Boardの合格率はプログラムにとって死活問題にもなりうるため、おのずとプログラムからもプレッシャーがかかります。極端に合格率が低いと、ACGMEという団体からプログラムの保護観察や停止の指定を受ける可能性もあります。このような背景もあり、フェローの採用時には、USMLEなどの点数が高く試験が得意なレジデンシーが好まれる傾向があります。受験料が高いのは、循環器専門医試験だけではありません。エコーの専門医は800ドルですし、EPやインターベンションの専門医試験は2,905ドルかかります。なぜ、こんなに高額なのかはまったくわかりませんが、受けないわけにはいきません。というのも、米国ではこれらの専門医の資格がないと循環器内科医として病院に雇ってもらえないからです。日本にいたころ、循環器内科の専門医資格を持たずに専門医として働いている方も見かけましたが、日本ではその分野における能力がある限り問題とはならないからでしょう。科の標榜などができない、診療報酬の点数が変わってくる、循環器研修認定施設になれないなど、多少のデメリットはあるかもしれませんが、個人の給料まで変わってくるということはあまりないのではないでしょうか。しかし今後、日本でも専門医制度が変われば、診療報酬加算や給料にもっと影響が出てくることが予想されます。米国では、2ヵ月の勉強を強いられる分、瞬間的には知識が向上しますが、その後維持できるかは、普段の診療内容によるところが大きいと思われます。米国内科専門医を受ける際もずいぶんと勉強しましたが、日々使わない知識を維持することは非常に難しいと感じています。時間ばかりとられる日本のサマリー制度もどうかとは思いますが、貧しいフェローに50万円もの負担を強いる米国の専門医試験も勘弁してほしいものです。アメリカ循環器学会発行の問題集。説明編と質問編に分かれており、9冊からなる