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077)転職のとき重視されるポイントは?【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第77回 転職のとき重視されるポイントは?ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆先日、以前お世話になったことのある転職エージェントさんから、「久しぶりに会いたい」との連絡を受け、近くの喫茶店でお話してきました。私自身、キャリアに悩むところもあり、最近の転職事情など、いろいろと参考になる話を聞くことができました。エージェントの担当者さん曰く、「新専門医制度の導入で更新の条件が変わってからは、勤務時間の条件をクリアできる転職先はないか?」という相談が増えたそうで。とくに女性では子育てとの両立に悩むケースが多く、条件を満たす勤務先に転職して専門医を維持する人もいれば、生活の面を重視して専門医更新をあきらめ、バイトで勤務する人もいるとのこと。育児以外にも介護など、家族、身内を支えなければならない立場にあると、頼れる親族がいない場合は、なかなか両立が難しいのが現状ではないでしょうか。転職するにあたり、「専門医資格がないとダメなのか?」というと、そんなことはなく、むしろ重視されるのは、「何ができるか?」というポイント。たとえば皮膚科であれば、レーザー治療や手術や手技、専門外来など。医療機関側への『売り』として、何か得意な専門分野があるかどうかのほうが、専門医を持っているかどうかよりも重視される傾向があるようです。開業となればまた話は別かもしれませんが、勤務医としてやっていくのであれば、そこまで専門医にこだわる必要はないのかもしれません。あくまで一個人としての感想ですが。専門医の更新条件が厳しくなったことで、いよいよ若い人の専門医離れ、学会離れが加速してしまうのではないか? そんな気がしています。一度きりの人生、納得のいく選択をしたいものです。今回ちょっと真面目に語ってしまいました。それでは、また〜!

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William Osler先生とJ-OSLER、内科専門研修を考えてみた【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第54回

第54回 William Osler先生とJ-OSLER、内科専門研修を考えてみたオスラー先生の格言ウイリアム・オスラー(William Osler)の名前を耳にしたことはあると思います。カナダ生まれの医学者・内科医・教育者です(1849~1919)。ペンシルベニア大学、ジョンズ・ホプキンス大学、オックスフォード大学などで教授を務め、カナダ、米国、英国の医学の発展に多大な貢献をしました。遺伝性出血性末梢血管拡張症であるオスラー病や、感染性心内膜炎でみられる指趾掌蹠の有痛性結節であるオスラー結節などに名前を残しているように研究者としても一流でした。何よりも医学教育に情熱をそそぎ、彼の思想は今も医療の現場で受け継がれています。日本の名医・日野原 重明も感銘を受け、「医学の中にヒューマニズムを取り戻し、人間を全人的に診る」というオスラー先生の姿勢を世に広めるため「日本オスラー協会」を発足させています。『The Principles and Practice of Medicine』(医学の原理と実際)など名著だけでなく、100年後の今も受け継がれる数々の格言も有名です。Listen to your patient, he is telling you the diagnosis.患者の言葉に耳を傾けよ、患者はあなたに診断を告げている。これは、オスラー先生の言葉のなかでも小生が最も感銘を受けた一文です。循環器内科医として狭心症・心筋梗塞を診断するにあたり、心電図や採血でのトロポニン上昇も大切ですが、なによりも病歴聴取が一番重要と日々感じているからです。今日の医学教育の父として世界にその名を馳せたオスラー先生ですが、日本中の大学病院や研修指定病院で毎日のように彼の名前が叫ばれていることをご存じでしょうか。それは、ウイリアム・オスラーではなくジェイ・オスラー(J-OSLER)です。J-OSLERをめぐる専攻医と指導医のリアルJ-OSLERについて説明しましょう。2013年に厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」から、専門医制度改革が必要であると報告されました。日本専門医機構が中心となり、各領域の専門医制度は再整備されることとなりました。日本内科学会でも「新・内科専門医制度」を整備することとなり、具現化するために導入されたシステムがJ-OSLERです。正式には以下の文言による造語です。「Online system for Standardized Log of Evaluation and Registration of specialty training System」を直訳すれば「専門研修の標準化を図るためオンラインで研修実績の登録と評価ができるシステム」で、この頭文字がOSLERです。そこに日本を意味するJが冠されてJ-OSLERとなっています。高名なオスラー先生を意識した素晴らしいネーミングです。このJ-OSLERをめぐる現場での苦労を紹介させていただきます。J-OSLERを実際に使用するのは、初期研修を修了して内科専門研修プログラムを選択した卒後3年次から5年次の医師が中心です。彼らを専攻医と呼称します。新内科専門医制度において研修履歴や実績を登録し審査を受ける仕組みが導入されました。具体的には専攻医はJ-OSLERを用いて症例登録と病歴要約が義務付けられています。症例登録は、一言でいうと症例の概要と省察を含むサマリーで56分野から160症例以上を登録します。指導医の評価を受け、修正に応じて承認を得る必要があります。これは、1例を入力するのに数十分ほど要します。症例登録した中から29症例について病歴要約を作成します。これは症例の詳細なサマリーで、学会発表での症例報告のような丁寧さと緻密さが要求され、A4判2ページほどの分量となります。病歴要約は、まず指導医と研修プログラム統括責任者が1次評価を行います。さらに専攻医の所属外の施設の査読委員が2次評価を行います。1次・2次評価ともに29症例ごとに、Accept(受理)、Revision(要修正)、Reject(要差し替え)の3段階で評価されます。全症例がAccept(受理)となるまで修正を繰り返します。1例の入力には短くても半日ほどの作業への集中が必要となります。症例登録は全分野をカバーしての量の面で、病歴要約は緻密な記載を求められる質の面で、それぞれ大変な作業となります。えらいこっちゃ!?事務作業に注力する余りベッドサイド診療が…新専門医制度にあわせて導入されたJ-OSLERの評判は、専攻医と指導医の双方から必ずしもいいわけではありません。たしかに、質の高い内科専門医を育成することは、社会がより高い水準で医療の恩恵を受けるために重要なことです。J-OSLERによる症例登録と病歴要約は、専攻医が個々の症例の理解を深め、さらには研修制度の標準化にも寄与することに異論はありません。一方で、J-OSLERの登録と評価における専攻医の負担も軽視できないレベルと感じます。専攻医は日常臨床業務だけでも大変です。この専門研修期間中に複数の施設での勤務が求められるために、勤務先の入職・退職と住居の転入・転出を繰り返して行うこととなり、手続きだけも多くの時間を要します。女性医師においては出産や育児などのライフイベントとも重複する時期となります。昨今、働き方改革が声高に論じられる中、専攻医だけでなく指導医にとっても、システム入力が困難と感じる場面があることは事実です。オスラー先生の格言を紹介します。Fifteen minutes at the bedside is better than three hours at the desk.3時間机で勉強するよりもベッドサイドの15分が勝る。J-OSLERの症例登録・病歴要約により机でレポートを書く時間が増えたことは皮肉といえます。机上の事務作業に注力する余りベッドサイド診療が疎かになりかねない現状はJ-OSLER本来の意義からも望ましいことでは無いように思います。高邁な理念のもとに導入されたJ-OSLERを揶揄するつもりはありません。しかしウィリアム・オスラーは「えらい」先生なのですが、ジェイ・オスラーは「えらいこっちゃ」というのが本音です。新専門医制度による研修が開始され数年しか経過していません。課題もこれから明らかになってくるのでしょう。よりよい新専門医制度となるよう制度が洗練されていくことを期待しております。今回は、日本内科学会に直訴状を提出する気構えで気合をいれて書かせていただきました。

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診療科別、専門医の平均取得数は?/1,000人アンケート

 2018年からスタートした新専門医制度は、昨年初の機構認定の専門医が誕生し、新制度への移行が進む予定となっている。一方、サブスぺ領域の認定や、学会認定の専門医との位置付けなど、課題も多く指摘されている。CareNet.comの20~50代の会員医師1,000人を対象に、現在の専門医取得状況や今後の取得・更新意向について聞いた(2022年7月28日実施)。専門医の取得数が多い傾向がみられた診療科は? 全体で、専門医取得数を2つ以上と回答した医師は51%だった。少数派ではあったが、1.7%の医師が6つ以上と回答した。年代別にみると、30代では2つ以上と回答したのが42.3%だったのに対し、40代では62.5%まで増加、40代と50代はほぼ横ばいだった。 診療科別にみた専門医取得数の平均値(中央値)は以下のとおり。消化器は外科・内科ともに専門医取得数が多かったほか、神経内科や腎臓内科も高い傾向がみられた。一方、精神科や皮膚科では少ない傾向がみられた。消化器外科[n=24]:3.4(3)神経内科[n=26] :3.0(3)消化器内科[n=58]:3.0(3)腎臓内科[n=25]:2.9(3)感染症内科[n=4]:2.8(3)腫瘍科[n=10]:2.7(2.5)外科[n=33]:2.7(2)脳神経外科[n=25]:2.6(3)循環器内科[n=59]:2.5(2)糖尿病・代謝・内分泌内科[n=31]:2.4(2)呼吸器内科[n=34]:2.2(2)心臓血管外科[n=11]:2.1(2)救急科[n=10]:1.9(2)整形外科[n=55]:1.9(2)産婦人科[n=18]:1.9(2)形成外科[n=11]:1.8(1)内科[n=183]:1.7(2)血液内科[n=8]:1.6(2)小児科[n=45]:1.6(2)呼吸器外科[n=4]:1.5(1.5)リハビリテーション科[n=12]:1.5(1)放射線科[n=27]:1.5(1)総合診療科[n=15]:1.5(1)病理診断科[n=9] :1.4(2)耳鼻咽喉科[n=15]:1.3(1)泌尿器科[n=20] :1.3(1)その他[n=21]:1.2(1)麻酔科[n=27] :1.1(1)眼科[n=16]:1.0(1)膠原病・リウマチ科[n=7]:1.0(1)皮膚科[n=22] :0.8(1)精神科[n=76] :0.8(1)臨床研修医[n=59]:0.3(0)58%の医師が持っている専門医をすべて更新予定と回答 現在持っている専門医資格について聞いた質問では、認定内科医が24.5%と最も多く、総合内科専門医(18.8%)、外科専門医(8.4%)が続いた。新専門医制度の基本19領域と認定内科医、総合内科専門医以外の資格(“その他”として自由回答)を持つと回答した医師も14.4%おり、各学会認定の多様な専門医資格を取得している状況がわかる。 今後の更新予定については、現在持っている専門医資格について、58.6%の医師が「資格をすべて更新予定」と回答。「一部は更新しない予定」は3.0%、「すべてを更新しない予定」は1.1%に留まった。専門医取得による給与・待遇の向上があったと回答したのは14% 専門医を取得することによるメリットについては、「知識向上やスキルアップができた」が39.6%と最も多く、「開業時に役立った(15.8%)」「他の医師・スタッフから信頼が得られた(14.6%)」という回答が続いた。「給与や待遇が向上した」と回答したのは14.1%だった。 一方のデメリットについては、「受験料、更新料、学会参加などで費用がかかる」が36.3%と最も多く、「学会での単位取得など、時間的な負担が大きい(31.3%)」「評価システムへの登録等、手続きが煩雑(15.7%)」といった時間・手間等の負担を挙げる声が多く上がった。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。会員医師の専門医取得状況は―医師1,000人に聞きました

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第106回 コロナ受け入れ病院、専用病棟の開設は不要に/厚労省

<先週の動き>1.コロナ受け入れ病院、専用病棟の開設は不要に/厚労省2.アジアにも広がるサル痘、現時点では緊急事態に当たらず/WHO3.日本医師会長選、新会長は常任理事の松本 吉郎氏に4.相次ぐサイバー攻撃、今年3月に続きガイドライン再改定へ/厚労省5.医師不足の地域、新研修医制度の特別枠で対応を/厚労省6.手術動画提供で現金受け取り、さらに4病院で判明1.コロナ受け入れ病院、専用病棟の開設は不要に/厚労省厚生労働省は20日、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの提言をもとに、都道府県に対して事務連絡を発出した。これまで医療機関において、新型コロナウイルス感染患者を受け入れる場合は専用病棟の開設を求めていたが、今回の通知では、個室での療養を行えば、病棟全体のゾーニングは行わずともコロナ患者の受け入れが可能とした。(参考)コロナ患者の入院「専用病棟設けなくても可能」…厚労省、受け入れ拡大狙う(読売新聞)効果的かつ負担の少ない医療現場における感染対策について(厚労省)2.アジアにも広がるサル痘、現時点では緊急事態に当たらず/WHO世界保健機関(WHO)は23日、アフリカから欧州・北米と世界に広がっている動物由来のウイルス感染症「サル痘」について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当するかを検討する緊急委員会を開催した。PHEIC(Public Health Emergency of International Concern)とは「他の国々に公衆衛生上の危険をもたらすと認められ、緊急に国際的な調整が必要な事態が発生したとき」に宣言が出される。WHOのテドロス事務局長は25日、現時点では「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態には当たらない」と表明した。アジアにおいても韓国・台湾などで確認されているが、木原官房副長官は23日の記者会見で「注視する」とコメントしている。(参考)WHO 「サル痘」は緊急事態にはあたらずと発表(NHK)サル痘、緊急事態宣言せず=抑止へ集中対応を―WHO(時事通信)サル痘の流行について 現時点で分かっていること(忽那 賢志)(Yahoo!)3.日本医師会長選、新会長は常任理事の松本 吉郎氏に25日、中川 俊男氏の任期満了により、日本医師会の会長選が日医会館にて行われ、常任理事の松本 吉郎氏が副会長の松原 謙二氏を破り、新会長として選出された。任期は2年。副会長には大阪の茂松 茂人氏、東京の猪口 雄二氏、角田 徹氏がそれぞれ副会長として選出された。これまで新型コロナ対策やオンライン診療に対する規制緩和に批判的な意見もあり、医師会に対する信頼回復が求められる。(参考)第151回日本医師会定例代議員会 選挙結果報告(日本医師会)日本医師会の新会長に松本吉郎氏、埼玉の皮膚科形成外科医院の院長…中川会長は出馬見送る(読売新聞)日医会長選 新会長に松本吉郎氏 副会長に茂松氏、猪口氏、角田氏の3氏 副会長候補の今村氏は及ばず(ミクスonline)4.相次ぐサイバー攻撃、今年3月に続きガイドライン再改定へ/厚労省19日、徳島県鳴門市の「鳴門山上病院」がランサムウェア(身代金ウイルス)によるサイバー攻撃を受け、電子カルテへのアクセスが困難となり、20日から新規患者の受け入れを停止していた。幸いにもサイバー攻撃以前に行っていたバックアップから復旧したが、厚労省は、今回のような事件が相次ぐため、今年3月に改定した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5.2版」を今年度内に再改定することとなった。また、日本医師会や関係団体が厚労省と協力して、サイバー攻撃に関する情報を収集・分析する新組織を年内に発足させることも明らかとなった。(参考)サイバー攻撃受けた徳島の病院、22日から通常診療 電子カルテ復旧(朝日新聞)医療界がサイバー攻撃対策で新組織 厚労省と協力、年内にも(産経新聞)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.2版(厚労省)5.医師不足の地域、新研修医制度の特別枠で対応を/厚労省医道審議会・医師分科会の「医師専門研修部会」が22日に開催され、医師がきわめて不足している東北地域において、新専門医制度のシーリング枠外として「特別連携プログラム」という新たな仕組みの創設が検討された。具体的には、3年の研修期間のうち1年以上を「医師の不足度合がきわめて顕著な地域(医師充足率が70%未満)」で研修することを義務付けるほか、特別連携プログラムの専攻医には「地域医療講習の受講を免除する」などのインセンティブ付与などが提案されたが、参加した委員からは懸念が表明された。厚労省はあらためて部会で議論を行う見込み。(参考)「医師不足が極めて顕著な地域」(主に東北)で1年以上研修する新専門医研修の新たな仕組み検討―医師専門研修部会(Gem Med)令和4年度 第1回医道審議会医師分科会 医師専門研修部会 資料(厚労省)6.手術動画提供で現金受け取り、さらに4病院で判明医療機器メーカー「スター・ジャパン」が、全国の眼科医から学術目的として自社のレンズを使った手術動画の提供を受け、提供者に現金を支払っていた問題について、さらに4病院で新たに発覚した。今回明らかになったいずれの病院においても、医師側はあくまでも学術・教育目的として動画を提供していたが、メーカー側はレンズの売り上げを確保する目的で謝礼金を渡していたと見られる。(参考)“手術動画提供で現金”新たに4病院の医師が無断提供(NHK)眼科医の動画提供新たに4病院判明 メーカーから謝礼(産経新聞)

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第104回 教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会

<先週の動き>1.教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会2.HPVワクチン副反応疑い症例15件、安全性に重大な懸念なし/厚労省3.感染症法改正で、民間病院に対する自治体の指揮権を強化へ4.骨太方針2022を閣議決定、デジタル化で医療制度改革を加速へ/政府5.医療保護入院の縮小は削除、虐待通報義務化も明記せず/厚労省6.手術動画の外部提供と利活用、指針作りを/コンピュータ外科学会1.教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会日本内科学会は、新潟大学医学部の教授に対し3年間の指導医停止の処分をしたことが明らかになった。報道によると、処分を受けたのは消化器内科教授で同大病院の内科医科長。去年2月、専門医認定試験の受験要件に満たない9人の医局員に対して、研修時間に大学院での研究や当直勤務の時間を合わせて申告するよう指示していた。内科専門医の受験には、2年間の初期研修と、臨床病院で常勤する3年間の後期研修が原則必要だが、新潟大消化器内科では後期研修中の一部期間も大学院で研究に従事させた。学会への匿名の告発を受けた研修先の新潟大病院による調査で問題が発覚し、9人は受験できなかった。同時に研修プログラム責任者の別の特任教授も指導医を6ヵ月停止とする処分が出ているが、同大は別の医師を責任者とし、内科専門医の研修を続けている。今回、現行の専門医制度が2018年度に開始されて以降、最も重い処分となった。(参考)研修時間の水増し申告指示、新潟大医学部教授を処分 日本内科学会(朝日新聞)2.HPVワクチン副反応疑い症例15件、安全性に重大な懸念なし/厚労省厚生労働省は10日に第80回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を開催し、HPVワクチンの副反応について検討を行った。HPVワクチン接種は2013年に定期接種となったが、副反応が報道されたのを機に積極的な接種推奨が中止されており、9年ぶりの2022年4月に再開された。積極的勧奨の再開後に報告された「サーバリックス(2価)」「ガーダシル(4価)」ならびに定期接種対象外の「シルガード9(9価)」の有害事象についてそれぞれ検討を行ったが、現時点でワクチンの安全性に重大な懸念はないとする見解がまとめられた。厚労省は今後も、およそ1ヵ月ごとに部会を開いて検証するという。(参考)子宮頸がんなど防ぐHPVワクチン 副反応疑い症例 15件報告(NHK)HPVワクチン「安全懸念なし」 厚労省専門部会、再開後初評価(毎日新聞)3.感染症法改正で、民間病院に対する自治体の指揮権を強化へ政府は、新型コロナウイルスの感染拡大時に、感染症指定医療機関だけでは感染者の受け入れをしきれず、病床確保に取り組んだものの適切な医療を維持できなかったことから、民間病院に対する自治体の指揮権を強化する感染症法改正案をまとめた。改正案では、公立・公的医療機関や大学病院に対して有事を想定した病床確保計画の策定を求め、自治体と協定の締結を行い、国や自治体の指示に従わない場合は医療機関名を公表できるようにする。岸田内閣は、内閣官房の新型コロナ感染症対策推進室と厚生労働省の対策推進本部などを統合した「健康危機管理庁」の創設を検討しており、国会へ法案の提出を目指し、今後の感染症対策に役立てたいとしている。(参考)病床確保、政府が医療機関へ指示権限 感染症法改正案、概要判明(毎日新聞)民間病院に直接指示 政府、新感染症に備え病床確保(日経新聞)感染症対策の司令塔、「健康危機管理庁」創設へ…厚労省と内閣官房の部署統合も検討(読売新聞)4.骨太方針2022を閣議決定、デジタル化で医療制度改革を加速へ/政府7日、岸田内閣は初の「経済財政運営と改革の基本方針」(通称:骨太の方針)をまとめた。この中で、経済社会活動の正常化に向けた感染症対策として、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた医療提供体制の強化とともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払い段階的な見直しを行い、経済社会活動の正常化を目指す。また、医療DXを推進し、医療情報の基盤整備とともにG-MISやレセプトデータ等を活用し、病床確保や使用率、オンライン診療実績など医療体制の稼働状況の徹底的な「見える化」を進める。さらにワクチン接種証明書のデジタル化等により、入国時での効率的なワクチン接種履歴の確認など円滑な確認体制を進め、今後、医療のデジタル化推進にマイナンバーカードなどを活用することが盛り込まれている。政府はこれをもとに来年度の予算編成を行う方針だ。(参考)経済財政運営と改革の基本方針2022(内閣府)骨太方針2022を閣議決定、コロナ禍踏まえた医療提供体制改革、データヘルスの推進などの方向を明確化(Gem Med)骨太方針2022を閣議決定 「医療DX」は実行フェーズに 国民目線の医療・介護提供体制の改革へ(ミクスonline)5.医療保護入院の縮小は削除、虐待通報義務化も明記せず/厚労省厚労省は9日に「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の報告書を取りまとめ、公表した。精神疾患を有する患者の数は増加傾向であり、2017年には約420万人となっている一方、自殺者数は2017年以降10年連続で減少していたが、2020年には増加に転じている。入院医療を必要最小限にするための予防的取り組みを充実させるとともに、精神障害者が強制入院(医療保護入院)となった場合、入院中に患者が同意できる状態になったら、「速やかに本人の意思を確認し、任意入院への移行や入院治療以外の精神科医療を行うことが必要である」とされる。当初案にあった医療保護入院の縮小方針は削除され、虐待通報義務化も明記されないなど、当事者や障害者団体からは「患者の権利が守られない」と批判の声が上がっている。(参考)「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(厚労省)虐待通報義務化、明記せず 強制入院の縮小方針も削除 精神医療、厚労省検討会(共同通信)医療保護入院中の患者「意思確認し任意入院へ」厚労省が検討会報告書を公表(CB news)6.手術動画の外部提供と利活用、指針作りを/コンピュータ外科学会6月9~10日に東京で開かれた第31回日本コンピュータ外科学会大会において、手術動画の外部提供や利活用について討論がされた。今年、医療機器メーカーに白内障治療用眼内レンズの手術動画を提供した医師に、販売促進目的に現金提供がされたことが問題になったこともあり、手術動画の活用に当たって、ガイドラインの策定を求める声が上がった。(参考)“手術動画の活用 指針作り検討すべき” シンポジウムで意見(NHK)“手術動画”で医師に現金提供 業界団体がメーカーを調査(NHK)

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新「内科専門医」と「総合内科専門医」、年代・診療科別の取得予定は?医師1,000人に聞きました

 9月に実施が予定されていた「総合内科専門医」試験は来年度に延期となったが、新「内科専門医」試験は2021年7月に初めて実施され、従来の「認定内科医」試験は6月が最後の試験となった。今後の取得予定について、医師たちはどのように考えているのか? CareNet.comの内科系診療科の会員医師1,000人を対象にアンケートを行った(2021年度総合内科専門医試験について延期発表前の2021年8月12日~13日実施)。新「内科専門医」は約27%が取得予定と回答 回答者の属性としては、30代が35.6%と最も多く、40代(26.6%)、50代(20.5%)と続いた。既取得の認定医・専門医・指導医資格としては「内科認定医」が最も多く、60%以上が取得していた。総合内科専門医についても約36%の医師が既取得であり、約14%が内科指導医資格を有していた。 今年初めて試験が実施され、機構認定の内科系のサブスぺシャリティ領域専門医の基本領域資格となる新「内科専門医」については、26.6%の医師が取得予定(受験済も含む)と回答。年代別にみると20代は78.7%、30代では29.3%、40代では26.6%が取得予定と回答した。また、20~50代の各年代でそれぞれ10%ほどが「迷っている」と回答している。 母数等が異なるため厳密な比較はできないが、診療科別にみると、血液内科(37.5%)、腎臓内科(36.7%)、糖尿病・代謝・内分泌内科(35.1%)などで取得予定と答えた医師が多い傾向がみられた。「総合内科専門医」は取得済・取得予定を合わせると半数以上 「総合内科専門医」を取得予定と答えたのは17.0%で、取得済の36.1%と合わせると過半数となった。年代別では、40代(58.1%)、50代(50.2%)で既取得の医師が多かった一方、20代で取得予定と回答したのは17.6%に留まり、新「内科専門医」と比較すると低かった。 診療科別にみると、腎臓内科(46.7%)や呼吸器内科(46.3%)で既取得の医師が多く、取得予定と合わせると6~7割を占める一方、総合診療科(既取得:16.7%、取得予定:23.3%)や膠原病・リウマチ科(既取得:21.4%、取得予定:32.1%)では低い傾向がみられた。J-OSLERへのリアルな悲鳴、制度の複雑さ嘆く声など 新専門医制度に対する疑問や困っている点について自由記述で尋ねた問いに対しては、さまざまな回答が寄せられた。20~30代の医師からは、「J-OSLERにより取得過程の負担が増加している(20代、神経内科)」、「J-OSLERの登録を臨床を行いながら行うのは非常に難しい(30代、神経内科)」など、専攻医登録評価システム(J-OSLER)の煩雑さを指摘する声のほか、「コロナ禍で剖検症例が圧倒的に不足している(20代、糖尿病・代謝・内分泌内科)」、「試験の延期も対応が中途半端で内科学会に振り回されている(30代、呼吸器内科)」などの声が上がった。また、サブスぺ領域がどうなるのかの正式な発表が遅れていることを指摘する声も多くみられた。 40~60代の医師からは、「正直わけがわからなくなっています(50代、内科)」、「複雑すぎる。提唱している水準は担保されているのか? お金集めだけにもみえる(60代、内科)」といった率直な声のほか、「旧制度、新制度両方に言えるが、職場からは取得して欲しいと頼まれるが、それに対する金銭的なサポートが全くない。専門医更新にもお金がかかる(40代、糖尿病・代謝・内分泌内科)」など、取得のメリットとそのサポート体制の不足を指摘する声が多くみられた。 アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。新「内科専門医」・「総合内科専門医」の取得予定は?-会員1,000人アンケート

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第62回 ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か

<先週の動き>1.ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か2.今年4月の診療報酬がコロナ前を上回り、回復のきざし3.新制度による専門医資格、今秋から広告可能に4.来年度の社会保障費、高齢化で自然増6,600億円見込み5.外来化学療法や日帰り手術など、高度医療の状況報告へ6.20年度の医薬品回収は前年までの2倍超、今後の影響は?1.ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か新型コロナワクチンBNT162b2(商品名:コミナティ筋注)を開発した米国・ファイザーとドイツ・BioNTechは、世界的に感染が広がる新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に特化したワクチンの開発を進めていることを、8日付のプレスリリースで明らかにした。臨床試験は早ければ8月に開始予定という。また、デルタ株に対しては、従来型ワクチンの2回接種でもある程度の抗体ができるほか、3回目の追加接種によって、さらに抗体価を高めることが可能との見方も示した。3回目接種については、すでに治験で良好な結果が出ており、8月にも米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する見込み。一方、今回の発表について、FDAとCDCは共同声明を発表し、現在使われているワクチンについて「接種を完了した人はデルタ株を含めた変異ウイルスに対しても重症化や死亡から守られている。現時点で、接種を完了した人に追加の接種は必要ない」としている。追加の接種に関しては、今後の科学的な知見に基づいて必要性が判断される。(参考)米ファイザー、デルタ株ワクチン開発 8月治験開始(時事ドットコム)ファイザー 変異ウイルス対応の新ワクチン 8月にも臨床試験へ(NHK)2.今年4月の診療報酬がコロナ前を上回り、回復のきざし厚労省は、新型コロナウイルス感染症による医療機関の収入の変化を、7日に開催した中央社会保険医療協議会の総会において報告した。今年4月分の診療報酬は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年同月比で、レセプト件数は-3.8%であるものの、総点数は+2.0%であった。受診患者数は増えない中も、さまざまな感染拡大防止策による診療報酬の加算によるものと考えられる。(参考)4月診療分総点数がコロナ前上回る、小児科診療所もプラス 厚労省、件数は依然戻らず(CBnewsマネジメント)資料 中央社会保険医療協議会 総会-コロナ・感染症対応(その1)(厚労省)3.新制度による専門医資格、今秋から広告可能に厚労省は8日、日本専門医機構による新専門医制度について、今秋からの認定開始に合わせて、基本領域19の専門医資格を広告可能とすることを「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で承認した。現行のルールでは、同機構の規模等が基準を満たしていないため、専門医の資格名を広告することができなかった。一方、より専門性の高いサブスペシャルティ領域の専門医については、機構内で認定の範囲が定まっていないため、今後議論を重ねていくこととなる。(参考)専門医資格、基本領域は今秋から広告可能 サブスぺ領域は保留に(CBnewsマネジメント)資料 専門医に関する広告について(厚労省)第18回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(同)4.来年度の社会保障費、高齢化で自然増6,600億円見込み政府は、2022年度予算の概算要求基準で、高齢化に伴う社会保障費の自然増として6,600億円程度を見込んでいることが、6日に開催された経済諮問会議にて明らかとなった。2022年度の予算の全体像で示された社会保障改革は、将来の医療需要に沿った病床機能分化・地域連携の推進や、包括払いの在り方の検討、オンライン診療の適正かつ幅広い活用など診療報酬の見直しを求めている。今後は、全世代型社会保障に向けた実施状況の検証や、持続可能な社会保障の総合的な検討を行っていく。(参考)社会保障費自然増6600億円 高齢化進展でー22年度概算要求基準(時事ドットコム)各省庁からの予算要求、100兆円突破の見通し…団塊世代「後期高齢者」で社会保障膨らむ(読売新聞)令和3年第10回経済財政諮問会議(内閣府)5.外来化学療法や日帰り手術など、高度医療の状況報告へ厚労省は、7日に「外来機能報告等に関するワーキンググループ」を初開催し、今後、人口減少や高齢化などにより地域ごとに「担い手の減少」や「需要の質・量の変化」が進むことを含めて、地域において外来機能の明確化・連携を進めていくため、2022年度から病院に対して、外来化学療法や日帰り手術などの高度な「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を報告させることを明らかにした。また、200床以上の一般病床がある病院には、紹介状なしで受診した外来患者から定額負担の徴収を義務付け、かかりつけ医との連携を進める方向で、今後、さらに検討を進めていく。(参考)外来医療、基幹病院を明確化 厚労省 22年度から(日経新聞)外来医療の拠点機関を位置付けへ、厚労省 一般200床以上なら定額負担徴収を義務化(CBnewsマネジメント)資料 外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書(厚労省)第1回外来機能報告等に関するワーキンググループ(同)6.20年度の医薬品回収は前年までの2倍超、今後の影響は?9日、厚労省は「医薬品・医療機器等の回収報告の状況について」を公表し、2020年度の医薬品の回収件数は341件で、前年までと比較して2倍以上に急増したことを明らかにした。同日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会での報告。過去10年間、医薬品回収は200件を上回ることがなかったが、今年度は後発医薬品メーカーの製造体制を巡る問題をきっかけに、他メーカーも余波を受け、今年度に入っても状況は改善していない。この影響はしばらく続くと思われる。(参考)資料 医薬品・医療機器等の回収報告の状況について(厚労省)令和3年度 第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会(同)

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新「内科専門医」と「総合内科専門医」の試験と位置付け教えます

 従前からアナウンスされていた、日本内科学会の専門医制度改革がいよいよ現実のものとなる。今年7月には、初めての「内科専門医」試験が実施され、今後、内科専門医が続々誕生していく一方、従来の「認定内科医」試験は今年6月が最後となる。近年受験者が急増していた「総合内科専門医」と内科専門医はどのようなすみ分けになるのか? 認定内科医との試験内容の違いは? CareNeTVで総合内科専門医試験対策のレクチャーを手がけている長門 直氏(JCHO東京山手メディカルセンター 呼吸器内科・感染症内科)に解説してもらった。=============== 内科の専門医制度変更に伴い、しばしば質問される3つのテーマについて述べていきたいと思います。1)内科専門医と認定内科医の位置付け 日本内科学会の専門医制度改革の大枠は、認定内科医・総合内科専門医→内科専門医・総合内科専門医への変更だといえます。他学会でも、認定医→専門医→指導医というステップアップ制度を採用していたところは過去ありましたが、何回も試験を受けないといけない医師側の負担、患者側から見てどちらが上位資格かわかりにくく誤解を招くといった理由から、次第に「認定医」がなくなって、専門医→指導医の2階建てとなり、現在この形がほぼスタンダードになっています。 内科に関しては、認定内科医取得と前後して、後期研修から循環器、呼吸器、消化器などのサブスペシャリティ診療科に分かれてしまい、体系的な内科診療、総合内科的な思考が十分に修得できないという問題点が指摘されていました。それにより、実際に患者が不利益を被る事例も少なくありません。たとえば、腹痛患者が時間外受診し、当直医が呼吸器内科であったりすると「専門外だから」と診療拒否して、離れた医療機関に搬送になり、搬送中に急変する、といった事態です。 内科医であるにもかかわらず、「臓器専門外だからお断り」といったことが次第に目立つようになってきて、地域の医療ネットワークにも支障が出てきたのです。そのため、日本内科学会は、内科の臓器別の専門研修に進む前に、内科全般の研修期間をしっかり設けて、体系的に内科診療ができるように制度を変更することにしたのです。それが従来の認定内科医より高い内科の臨床レベルが求められる、新しい内科専門医となります。 一方で、認定内科医は内科のサブスペシャリティ専門医取得のための必須条件となっています。実際に、認定内科医→サブスペシャリティ専門医という今までのプロセスを経ているベテラン内科医が数多く存在します。学会としては、その先生方に認定内科医を廃止するので、改めて内科専門医試験を受験してくださいというわけにもいかず、新規に「認定医」の認定は行わないが、既取得に限って更新を認めるという形に落ち着きました。 今後、新規に認定内科医を認定しなくなると、内科専門医の取得が内科のサブスペシャリティ専門医に進むための必須要件になります。端的に言うと、認定内科医は既存の内科サブスペシャリティ専門医の資格維持のためだけに存続するものとなり、将来的には「絶滅」する資格となります。2)内科専門医と総合内科専門医の試験の難易度 日本内科学会のホームページに、新内科専門医は「認定内科医試験と総合内科専門医試験の中間」、総合内科専門医は「(現行の)総合内科専門医」を踏襲すると明確に記載されています。そのうえで筆者が、後輩によく質問されるのは、「認定医試験と総合内科専門医試験の中間とは一体どういう意味?」ということです。 ここで「認定内科医試験」をまず振り返ります。 認定内科医の最後の資格試験は、昨年実施の予定だったのですが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、今年2021年6月にずれ込みました。問題数は300問で、一般問題と臨床問題の割合は非公表ですが、一般問題が臨床問題より多い、もしくは同数程度です。 新内科専門医試験は、問題数250問で一般問題100問・臨床問題150問と公表されており、臨床問題に比重が置かれています。一般問題はほぼ「暗記」で乗り切れるのですが、臨床問題は体系的な思考が要求されるので、当然難易度は上がります。 また、学会関連の会議や研修のたび、「内科専門医は初診患者や救急患者の初期対応がしっかりできるレベルを求めている」と聞いていますので、新内科専門医試験は希少疾患よりも患者数の多いいわゆるメジャー内科疾患中心に出題されると予想されます。この傾向は、認定内科医の臨床問題の傾向でもありましたので、新内科専門医試験は診断基準や法的問題・禁忌など暗記が必須である一般問題対策をしつつ、「内科初診や時間外で診ることの多いメジャーな内科疾患に関する臨床問題対策」に重きを置いて勉強することが大事だと考えます。 後輩たちからよく「up to date問題は出題されますか?」とよく質問されますが、新内科専門医試験でup to date問題はあまり出題されないと考えます。その理由は、抗体薬を含めた新規薬剤はよく話題にはなりますが、実際には、臓器別専門医がしっかりトレーニングした上で使用するものです。処方に当たっては、医師側にもいろいろと条件が定められているので、この種の知識は、大半が内科サブスペシャリティ専門医資格を有している医師が受験する「総合内科専門医試験」で問われる領域になると考えます。 なお、「総合内科専門医試験」は2021年度までは問題数250問で一般・臨床(up to date含む)の割合は非公表でしたが、2022年度より問題数は200問と少なくなり、一般50問・臨床150問(up to date含む)になることが公表されています。3)内科専門医と総合内科専門医の今後のキャリア 新しい内科専門医制度によって、内科専門医、総合内科専門医はそれぞれどのような意味を持ち、内科医のキャリアに影響してくるのでしょうか。ここでカギになるのは「内科指導医」です。 病院が内科研修プログラムを提供するためには、一定数の内科指導医が必要ですが、現在の認定内科医保有の内科指導医は2025年までの暫定措置とされました。現在、「認定内科医+サブスペシャリティ専門医」資格保有での内科指導医が依然多く、そのままだと、2025年をもって「内科指導医」から退かなくてはなりません。 2026年以降も指導医の継続を希望する場合、「総合内科専門医」もしくは「内科専門医」の資格が必要となります。また、内科指導医は「総合内科専門医であることが望ましい」と明記されており、さらに「内科専門医」は1回以上更新していることが条件なので、基幹病院で指導的な立場で仕事をしたいという気持ちがあるならば、事実上「総合内科専門医」は必須資格と言えるでしょう。 とくに近年の新型コロナ感染拡大による医療環境の変化や、それに伴う専門医試験実施内容の変更を踏まえると、心乱さず仕事するには、やはり「総合内科専門医」まで取得しておく必要があると考えます。実際、2026年に「内科指導医」の数が減ることも考えられるので、医療機関によっては研修に必要な指導医数が充足できないという事態も考えられます。2026年に指導医数が不足する恐れがある病院では、「総合内科専門医」資格はことさら重宝される可能性が高く、キャリア形成有利に働くと予想されます。■CareNeTV関連番組:『総合内科専門医試験2021』完全対策

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第58回 コロナ禍、日医会長政治資金パーティ出席で再び開かれる?“家庭医構想”というパンドラの匣(前編)

2日連続の社説で“大胆”な提言を行った日経新聞こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。今週の個人的なビッグニュースは大谷 翔平投手の13号ホームラン、ではなく、MLBのタンパベイ・レイズをクビになった筒香 嘉智選手を、ロサンゼルス・ドジャースが5月15日(現地時間)に獲得したことです(同じくロサンゼルス・エンジェルスをクビになったアルバート・プホルズ選手も獲得)。レイズは5月11日、筒香選手がメジャー出場の前提となるロースター40人枠から外し、戦力外としていました。2年契約最終年の今季は26試合出場し、打率.167、0本塁打、5打点と打撃が振るわなかったことが原因とされています。最近はほぼ代打要員で、ベンチの隅っこにおとなしく座っている姿が印象に残っています。米紙などは「(レイズが筒香と契約したのは)前例のないほどの大失敗」「今後、日本の球団に所属する日本人野手のポスティング移籍に悪影響を及ぼす」と酷評。日本のネット上でも、「投手の球速がパ・リーグより遅いセ・リーグにいて、かつ狭い横浜球場でしかホームランを量産できなかった筒香が活躍できるわけがなかった」などと、厳しい意見が飛んでいました。3Aで鍛え直すか、日本に戻って来るか、その動向が注目されていましたが、なんとドジャースがトレードで獲得するとは…。故障者が復帰するまでのつなぎとの話もありますが、他球団でクビになった2選手を、昨年世界一のドジャースがどう使っていくのか注目されます。さて、北海道、岡山、広島の3道県にも、16日から今月31日までの期間、緊急事態宣言が発出されました。「まん延防止等重点措置」については群馬、石川、熊本の3県が追加されました。北海道、岡山、広島については、政府の諮問案になかったものを、専門家でつくる分科会でより強い措置が必要だという意見が相次ぎ変更された、とのことです。ワクチン接種も各地でドタバタが続き、医療提供体制の逼迫も深刻さを増しています。今回は、少し古い話になりますが、そんな日本の医療提供体制に対し、5月の連休中、社説を2日も連続して使って“大胆”な提言を行った日本経済新聞の報道と、その中で取り上げられた「家庭医」について書いてみたいと思います。「非常時には医療機関の『経営の自由』を制限せよ」日本経済新聞は、5月4日、5日と連続で、「医療提供体制を問い直す」という社説を掲載しました。通常、社説は1日2テーマないし1テーマで、連続して同じテーマが掲載されることはありません。ゴールデンウィークで話題がなかったという事情もあるとは思いますが、極めて異例なことです。同紙は5月1日、2日の朝刊でも、「コロナ医療の病巣 機能不全の実相」という連載記事を掲載、コロナを診療拒否する医療機関の現状や、非常時における民間病院の「経営の自由」の問題点を指摘しています。社説はその総まとめ、という位置づけのように感じました。社説の内容は、ある筋の人が読めば相当カチンと来るだろう“刺激的”なものでした。5月4日の社説「医療体制を問い直す(上) 非常時の病床確保に強力な措置を」では、「新型コロナウイルスの感染拡大は、日本の医療提供体制のもろさを浮き彫りにした」として、「今後の人口減少社会で医療の質を維持するためにも、日本の医療体制に早急にメスを入れる必要がある」と提言、「小規模に分散した医療資源でコロナ病床を増やすには、医療機関の役割分担を徹底するしかない」と、日経がこれまで主張してきた論を改めて強く主張しています。その上で、大規模病院、中規模以下病院、療養型病院や高齢者施設の役割を明示、「非常時には医療機関の『経営の自由』を制限し、強制力を持って医療機関に病床を確保させることができる仕組みを早急に整えるべき」として、経営を医療機関の自由に任せている現状は「非常事態に対応できない致命的な欠陥」と断じています。「患者はまず家庭医にかかるのを原則」とせよ続く5月5日の社説「医療体制を問い直す(下) 初期診療をこなす家庭医を増やせ」では、その矛先は診療所の開業医(つまり日本医師会)にも向けられました。「世界に冠たる」と言われて来た国民皆保険が「幻想にすぎなかった現実をあぶり出したのがコロナ禍である」、「人口あたりの病床数は格段に多いにもかかわらず、治療体制のゆき詰まりが露見した」と厳しく批判。その上で、「医療の主役である患者第一を貫きつつ、効果が高くコストが低い医療体制に向けた再構築のカギを握るのは、欧州などで一般化している家庭医制度の普及である」と主張、どの病院・診療所にもかかれる「フリーアクセス」制度が大病院志向を生む要因にもなっているとして、「患者はまず家庭医にかかるのを原則」とせよ、と論じています。さらに「患者はGPと呼ばれる資格を持つ家庭医に登録し、病院ではなく登録GPにかかるのを基本とする」 という英国のNHS(National Hearth Service)の家庭医制度を紹介。「日本は一般に、開業医に比べ勤務医の労働環境が過酷」として、「働き方改革を推し進めるためにも大学医学部は家庭医養成を急いでほしい」としています。日本医師会ではタブーだった「家庭医」私自身は日経のこの社説、全体として正論だと思いました。実際、コロナ対応に積極的でない民間病院の存在や、コロナ診療における診療開業医の存在感のなさは、これまで医療提供体制に疎かった一般の人ですら認識、批判するまでになっています。それにしても、「医療機関の経営の自由制限」「フリーアクセスの問題点指摘」「家庭医制度の普及」と、日本医師会がカチン(一昔前なら激怒)と来そうなキーワードをわざわざ用いて、日本の医療提供体制に大胆に“物申し”た姿勢はあっぱれと言えるでしょう。私がとくに驚いたのは「家庭医」という言葉を使っていたことです。「家庭医」は、日本医師会にとって40年近くもタブーとされてきた言葉です。総合医、総合診療医、あるいはかかりつけ医という差し障りのない言葉ではなく、「家庭医」という言葉を敢えて使っていたとしたら、それは相当挑戦的、かつ挑発的なことです。患者登録制と人頭払いを嫌った日本医師会「家庭医」は、日本医師会の中では使ってはいけないタブーの言葉となった原因は、今から36年も前に繰り広げられた「家庭医論争」にあります。1985年から87年にかけて、地域の診療所開業医の新しい機能・役割として家庭医の制度化が議論され、「家庭医論争」が巻き起こりました。厚生省(当時)は「家庭医懇談会小委員会」を設け、地域における家庭医の必要性、家庭医療学確立の重要性などが議論されました。しかし、日本医師会は「家庭医の制度化は開業医療に対する国家統制だ」という論陣を張り猛反対、最終的に制度化は見送られ、家庭医構想そのものも葬り去られました。この時も、NHSの家庭医(GP)制度が一つのモデルとして紹介されました。しかし、GPは患者登録制で報酬体系も人頭払い主体であったため、「フリーアクセス」「自由開業」「出来高払い」を金科玉条のごとく堅持することで存在意義を保ってきた日本医師会の逆鱗に触れたわけです。以降、「家庭医」という言葉を、日本医師会の幹部が建設的な意味合いで使うことはなくなりました。2018年から新しい専門医制度において総合診療専門医が位置づけられましたが、その議論の過程でも「家庭医」という言葉はほとんど使われていません。「出席した人は全取っ替えしないとダメです」と長嶋氏が、しかし、新型コロナ感染症の感染拡大によって、「フリーアクセス」や「自由開業」、そして日経新聞の言う「自由な経営」が、非常時における効率的な医療提供体制の構築に大きな足かせになっていることが明白になってきました。さらに、日本医師会が推し進めてきた「かかりつけ医」(第29回 オンライン診療恒久化の流れに「かかりつけ医」しか打ち出せない日医の限界を参照)も、このコロナ禍でたいした機能を発揮していないことは誰の眼にも明らかです。病院の機能再編に加え、「家庭医」や「かかりつけ医」の再定義や制度化は、正真正銘待ったなしの状況になってきたと言えるでしょう。そんな中、ここに来て、家庭医、かかりつけ医の制度化を改めて進めようという動きが出てきました。財政制度等審議会・財政制度分科会や経済財政諮問会議などでの提言・議論がそれです。折しも、政治資金パーティ出席で日本医師会の中川 俊男会長は国民の信頼を大きく損ない、「出席した人は全取っ替えしないとダメです。今後この人の言うことを聞きますか?」(5月16日に放映されたフジテレビ系の情報番組「ワイドナショー」でのタレントの長嶋 一茂氏の発言)という声すら出ています。パーティがあった翌日(4月21日)、中川氏は日本医師会の定例記者会見で「3度目の緊急事態宣言は不可避の状況」との見解を示し、早急に厳しい制限を伴った緊急事態宣言の発令を政府に要望していました。医療体制逼迫を訴えるのとは裏腹に、自分だけ政治家パーティに出席(つまり医師会の利益のための活動を最優先)していたという事実は、日本医師会にとって(自分たちが考える以上の)相当大きなダメージとなるでしょう。ひょっとしたら、封印されていた“家庭医構想”というパンドラの匣(日本医師会にとっての)が再び開くことになるかもしれません(この項続く)。

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「腫瘍内科専門医」は新専門医制度で何が変わる?/日本臨床腫瘍学会

 日本臨床腫瘍学会の専門医制度は、新専門医制度の中で主に内科を基本領域とする「サブスペシャルティ領域専門医」として日本専門医機構より認定された。名称は「腫瘍内科専門医」とされ、今秋・遅くとも来春からの研修開始を目指して最終調整が進められている。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)ではこの新専門医制度についてシンポジウムが開催された。本稿では、その概要について解説した田村 研治氏(島根大学医学部附属病院先端がん治療センター)の講演内容を紹介する。「腫瘍内科専門医」への名称変更に紆余曲折 2018年、日本専門医機構は「がん薬物療法専門医」を新専門医制度における「サブスペシャリティ領域専門医」として承認した。しかし2019年に厚生労働省・医道審議会医師分科会・医師研修部会が発足し、同新制度の問題点を指摘。サブスペシャリティ領域の承認基準や整備指針に不十分な点があるのではないかということで、見直しが図られた。 その結果、最終的に「がん薬物療法専門医」は「腫瘍内科専門医」に名称が変更され、内科のサブスペシャリティ領域の1つとして承認された。腫瘍内科と呼吸器内科で異なるサブスぺ領域の類型とは? サブスペシャリティ領域は、研修実施の時期や考え方に応じて以下の3類型が設けられている。1)連動研修を行い得る領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修中に、いくつかの症例について連動して研修可能(消化器内科、呼吸器内科、血液内科など)2)連動研修を行わない領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修後に開始(腫瘍内科、アレルギー、感染症など)3)少なくとも1つのサブスペシャリティ領域を修得した後に研修を行う領域:(消化器内科→肝臓内科、消化器内視鏡など) このうち、腫瘍内科は2)連動研修を行わない領域に位置づけられ、3年間の基本領域研修中にがんの症例を経験したとしても、研修経験は共有できない。また、複数のサブスペシャリティ領域の同時登録はできないため、例えば連動研修として呼吸器内科の研修を開始していた場合に、同時期に腫瘍内科での研修を開始することはできない。 しかし、サブスペシャリティ領域どうしの症例のオーバーラップは可能であり、田村氏は「例えば呼吸器内科領域で肺がんの症例を診ていて、2つめのサブスぺ領域として腫瘍内科を選択した場合には、双方の学会の同意のもと、腫瘍内科での症例としても認められることとなっている」と説明した。また、新専門医制度は5年をめどに制度が見直されることとされており、「将来的には、腫瘍内科についても連動研修が可能となるよう目指して体制の整備含め動いていきたい」と展望を示した。腫瘍内科専門医は日本内科学会を基本領域とする 旧専門医制度での「がん薬物療法専門医」取得にあたっては、内科のほか外科、産婦人科、泌尿器科など14学会の専門医資格を基本資格としている。しかし、新専門医制度では、「腫瘍内科専門医」は日本内科学会を基本領域とする。この背景には、新制度では多くのサブスペシャリティ領域専門医の取得が実質的に難しいこと(原則として2領域)、「がん薬物療法専門医」取得者の基本領域は86%を日本内科学会が占めることがある。ただし、日本外科学会を基本領域としている医師も10%ほどおり、田村氏は「とくに乳がん領域で多く、今後日本外科学会については基本領域としての追加を検討していきたい」と話した。 なお、この変更は旧専門医制度「がん薬物療法専門医」取得者の更新には影響せず、例えば皮膚科を基本領域として「がん薬物療法専門医」を取得している医師の資格は失われない。腫瘍内科専門医が2024年度頃に誕生の見通し 新専門医制度における内科専門研修1期生は、2018年から3年間の基本領域プログラムを受けており、本来であれば、2021年4月から腫瘍内科等のサブスペシャリティ領域の研修がスタート予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響で遅れが出ており、基本領域の試験は2021年7月4日に予定されている。「腫瘍内科専門医のモデルカリキュラムは9月頃にはホームページ上で公開予定となっており、J-OSLERの開始も遅くとも来春までには整えたい」と田村氏は説明した。なお、2021年4月からの症例については、さかのぼって実績に含めることができる。 今後数年は旧制度と新制度が並行する形となるが、2024年度頃におそらく最初の腫瘍内科専門医が誕生し、その後最終的には、旧制度は終了する予定との見通しを同氏は示した。参加者からは、「外科などの内科以外を基本領域とするがん薬物療法専門医は腫瘍内科専門医へ移行可能か?」という質問が寄せられた。同氏は、旧制度のがん薬物療法専門医は順次更新が行われるので、新専門医制度による影響は受けないことを説明。名称については今後更新の際に「がん薬物療法専門医」→「腫瘍内科専門医」と変更される可能性はあるが、資格としては変わらず更新が可能とした。

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第28回 研修医マッチング、大学病院より地域の臨床研修病院が選ばれる傾向

<先週の動き>1.研修医マッチング、大学病院より地域の臨床研修病院が選ばれる傾向2.新型コロナ受け入れ病院は全体の2割、多くは実績のある医療機関3.医師免許などの国家資格、マイナンバーでの活用検討4.マイナンバーカードの健康データ、医療・介護研究などへ活用5.オンライン診療の普及促進、デジタル技術を用いた新たな技術導入へ6.保健所などで働く公衆衛生医師不足があらわに1.研修医マッチング、大学病院より地域の臨床研修病院が選ばれる傾向22日に今年度の医師臨床研修マッチング結果が発表された。2004年度から新たな臨床研修医制度となり、臨床現場に立つ前に医師は2年間以上の初期臨床研修を受けることが必修化され、研修医はマッチングシステムを通して研修病院を選ぶことになっている。今年の全体のマッチ率は92.1%と前年度(92.4%)とほぼ変わらないが、大学病院にマッチしたのは38.1%と前年度(38.9%)からさらに低下した。発足当時には大学病院が55.8%と半数以上を占めていたが、年々大学病院を選ぶ学生が減り、地域の臨床研修病院で研修を希望する研修医が増えている。また、大都市部と地方における医師の需給格差の問題を背景に、東京都などでは募集定員を削減したため、東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・福岡県の6都府県における内定者数は減少していることが明らかとなった。(参考)令和2年度の医師臨床研修マッチング結果をお知らせします(厚労省)2.新型コロナ受け入れ病院は全体の2割、多くは実績のある医療機関厚生労働省は、新型コロナウイルス感染患者の入院を受け入れた病院が全体の2割に止まっていることを21日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」で明らかにした。全国8,280医療機関のうち、新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)で回答した7,307医療機関において、受け入れ可能と回答したのは23%、そのうち実績ありは19%だった。全体の4%が人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使う重症患者を扱っていた。新型コロナ患者の受け入れ状況は、医療機関の病床規模が大きいほど割合が大きくなる傾向があり、100床未満の病院では5%程度だった。また、感染患者の受け入れ可能あるいは実績のある医療機関の数は、「公的等」が最も多く、「公立」と「民間」は同程度だった。人口20万人未満の地域医療構想区域では「公立」の割合が最多であり、20万人以上100万人未満の区域では「公的等」、100万人以上では「民間」がそれぞれ最も多いこともわかった。厚労省は、2025年を見据えた5疾病5事業を中心に二次医療圏での医療機関の再編を進めているが、今回の新型コロナ感染拡大を踏まえ、見直しの声が高まっている。(参考)患者受け入れ病院2割のみ 中小で17〜5% 厚労省、病院再編統合を再検討(毎日新聞)新型コロナウイルス感染症を踏まえた地域医療構想の考え方について(第27回 地域医療構想に関するワーキンググループ 資料)3.医師免許などの国家資格、マイナンバーでの活用検討厚労省は、「社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会」の第1回を20日に開催した。今後、医療・介護分野での人材不足に対して、国家資格を有する人材の確保などの観点から、ITを活用した有資格者等の掘り起こしや再就職の支援を行うため、各種免許・国家資格、教育などについての情報をマイナンバーに紐付けて、届け出の簡易化を通して効果的な就労支援を目指す。対象とされるのは医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師など31職種。今後、各職能団体に対してマイナンバー制度利活用に関する意向調査を行い、提言を取りまとめる予定。(参考)社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会(第1回) 資料(厚労省)4.マイナンバーカードの健康データ、医療・介護研究などへ活用厚労省は、21日に「第4回 健康・医療・介護情報利活用検討会」「第3回 医療等情報利活用WG」「第2回 健診等情報利活用WG」の合同会議を開催し、新型コロナの感染拡大を反映して、新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランについて討議を行った。2020年7月のデータヘルス改革に関する閣議決定により、次世代型行政サービスの強力な推進するため、マイナンバーカードを活用して、生まれてから生涯にわたる健康データを一覧性をもって提供できるよう取り組み、さらに健康データの医療・介護研究等への活用に向け検討を行った。今回は「全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大」「電子処方箋の仕組みの構築」「自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大」の3つのACTIONについて、2021年に必要な法制上の対応を行い、2022年度中に運用開始を目指し、効率的かつ迅速にデータヘルス改革を進めることを確認した。(参考)第4回 健康・医療・介護情報利活用検討会、第3回 医療等情報利活用WGおよび第2回 健診等情報利活用WG 資料データヘルスの集中改革プラン、3つの項目で論点整理 厚労省(ケアマネタイムス)5.オンライン診療の普及促進、デジタル技術を用いた新たな技術導入へ政府・規制改革推進会議の医療・介護ワーキング・グループは、19日に第1回目を開催した。初回のテーマは「新規領域における医療機器・医薬品の開発・導入の促進」で、SaMD(Software as a Medical Device)の普及促進についてルールの整備などであったが、21日に開催された第2回では「オンライン診療・オンライン服薬指導の普及促進」について話し合われ、患者の受診機会の確保・医療サービスの効率的な提供を実現する手段としてのオンライン診療・服薬指導の普及・定着に取り組むための議論を行った。これからデジタル技術を使い、医療・介護サービスの充実のために新たな技術導入が進むとみられ、今後の議論展開に注目される。(参考)第1回 医療・介護ワーキング・グループ 議事次第(内閣府)第2回 医療・介護ワーキング・グループ 議事次第(同)6.保健所などで働く公衆衛生医師不足があらわに新型コロナウイルスの拡大に伴い、全国の保健所では医師不足に直面している。2018年末に行政機関に勤める医師は全体の0.6%(1,835人)だが、全国469保健所の所長の1割は兼務であるなど、現場でのニーズは高い。一方、一般病院の臨床医に比べると、給与など待遇面がよくないため、これまであまり注目されていなかった。2017年に始動した社会医学系専門医制度を通して、キャリアパスの周知徹底並びに若手育成を進めている。専攻医の希望者も初年度から100人を超える応募があり、2019年度には350人が研修プログラムに参加しているなど、今後の活躍が期待される。(参考)保健所の医師不足、3割が空席・兼務 学生に認知度低く(朝日新聞)一般社団法人 社会医学系専門医協会 理事長 宇田 英典先生インタビュー(マイナビRESIDENT)

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肺がん治療を変えたものは?医師が選ぶベスト10を発表

 2019年12月6日~8日まで日本肺癌学会学術集会が行われた。60回目という節目を迎えた今回は、特別企画として「肺がん医療のこれまでの60年を振り返り、これからの60年を考える」と題したシンポジウムが行われた。ここでの目玉は、学会員にアンケート形式で聞いた「肺がん治療史ベスト10」。肺がん治療において画期的だったと思われる出来事をランキング形式で挙げるというこの企画、当日発表されたベスト10は以下の通りだった。 1位 遺伝子変異の発見・分子標的薬の登場 2位 免疫療法の発見・承認 3位 低侵襲性手術の導入 4位 CTの開発・導入 5位 ゲノム医療・NGS/プレシジョンメディシン 6位 放射線治療の進歩 7位 気管支鏡検査 8位 シスプラチン(プラチナ製剤)の登場 9位 支持療法の進歩 10位 肺縮小手術の確立 1位の「分子標的薬の登場」は90年代後半、2位の「免疫療法の発見・承認」にいたっては2010年代に入ってからのトピックスであり、肺がん治療のここ数十年での急激な進展を学会員も実感していることが浮き彫りとなった。会場では、会長の光冨 徹哉氏(近畿大学)をはじめ、年代の異なる医師3人と患者連絡会の代表が、それぞれの立場からランキング結果への感想や治療法への思いを述べた。 「肺癌学会に望むこと」を聞いたアンケート結果も発表され、「認定医や専門医制度の発足」「より一層の国際化」「学会に行かなくても教育的講演を聞けるようにしてほしい」などの声が寄せられていた。

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032)学会会場で繰り広げられる質疑応答バトル【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第32回 学会会場で繰り広げられる質疑応答バトルしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆皆さまにとってもおなじみであろう、学術集会。皮膚科は、年に一度の総会をはじめ、地方会や支部会、真菌やアレルギーといった専門分野ごとなど、毎月何かしらの学会が各地で催されています。症例報告や教育講演など、毎回とても勉強になる内容で、私も時間がとれる限り参加しているのですが、講演後の質疑応答はたびたび目にする場面ですよね。今回は、つい先日の学会での一幕。お互いに専門分野をお持ちの先生方同士、譲れない主張をお持ちなのでしょう。そのやりとりもまた勉強になる内容ではありますが、なにぶん限られた時間でのこと。なかなか終結しない議論に、見ているこちらもハラハラしてしまいます。最終的に、座長の一声でまとまる(もしくは強制終了する)訳ですが、それを待つ間のなんとも言えない緊張感、学会あるある!(笑)一番ハラハラしているのは、実はその場を収めなければならない座長の先生かもしれませんね。ところで、新専門医制度が始まって以来、どこの学会会場も盛況な気がしています。人気セッションで立ち見が出たり、ランチョンチケットの争奪戦だったり・・・。そういった、質疑応答とはまた違った意味での緊張感も生まれている気がします。今後の会場キャパシティ拡大に期待を寄せつつ…!それでは、また~!

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会員医師が感じる医師不足・偏在の問題

 2月15日に厚生労働省において「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第28回)」が開催され、将来の医師数不足、診療科による医師数偏在に関する資料が公開された。CareNet.comでは、この発表をうけ、「現在・将来の医師不足、偏在について」をテーマに緊急アンケートを会員医師に行った。今回、その結果がまとまったのでお伝えする。 調査は、2019年2月20日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は340名。約6割の医師が「医師不足、診療科偏在を実感」 Q1で「今回発表された医師不足や偏在、将来の推計の数字への実感の有無」を質問したところ、「実感できる」という回答が58.2%、「実感できない」という回答が41.8%だった。 Q2でそれぞれの理由について聞いたところ、「実感できる」と回答した会員医師では、「東京一極集中への懸念」「医師の都会志向」を危惧する声が一番多く、続いて「外科、小児科、産婦人科医の成り手不足」「小児科医の高齢化、産科の閉院」「開業する医師の増加」など診療科の偏在を心配する声が多かった。また、「医局人事の崩壊」「地方での医療崩壊」「医師の就業環境が悪化の一途」など医療全般や労働環境からの声もあった。 一方、「実感できない」と回答した会員医師では、「医師数だけは足りている」「患者の過剰受診が問題」「医師が医療に専念できない環境に問題」など医師の人数よりもその働き方や偏在への是正を求める声が多かった。医師不足はマイナー診療科を超えた! Q3で「医師が不足していると思う診療科」を質問したところ、「産婦人科」(175)、「外科」(155)、「小児科」(139)、「内科」(136)、「救急科」(119)、「病理科」(77)、「麻酔科」(58)、「脳神経外科」(57)の順番で多かった(以上は複数回答)。少子化による人口減少社会の中で「産婦人科」「小児科」の担い手が減少、多忙な勤務環境や訴訟リスクなどから「外科」「救急科」を目指す医師が少なくなっているだけでなく、地方の医療機関では高齢者医療の担い手である内科医師の不足も顕在化しつつあることが示唆された。地方で勤務する医師には特別な配慮を Q4で「医師不足・偏在」への解決策について質問したところ、「病院・診療所・クリニックの適正配置」(155)、「診療報酬で地域差を設ける」(119)、「医師の就業の流動性」(107)、「患者の診療抑制の実施」(100)、「専門医制度の改革」(76)などの順番で多かった(以上は複数回答)。 また、具体的な提言について質問したところ「地方勤務医師の専門医資格の緩和」「地域枠採用の医師の拡大と固定化」「医師免許の2段階化」など、地方と都会で働く医師に差を設ける施策を求める声が多かった。また、医療制度全般では「外科の診療報酬増額」「患者の多い診療科の診療報酬減額」「大学医学部の再編成と地域義務医療の創設」など診療報酬制度や医学教育制度への変革を求める声があった。 今回の調査の詳細と、寄せられた具体的なコメントなどはCareNet.comに掲載中。■参考医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第28回)■関連記事推計1万6,226人の内科医が2030年に不足16県が医師少数、改正医療法で是正となるか?

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会員医師の約6割が医師不足・偏在を実感(会員医師アンケート調査報告)

CareNet.comでは、過日、会員医師の方々に「現在・将来の医師不足、偏在について」をテーマにアンケートへのご協力をお願いしました。今回、その結果がまとまりましたので報告いたします。2019年2月20日にCareNet.comの会員医師を対象にインターネット上でアンケートを実施、回答者総数は340名でした。結果概要医師不足・偏在を実感している会員医師は約6割Q1 今回発表された医師不足や偏在、将来の推計の数字は実感できますか。(回答は1つ)1 実感できる2 実感できない「医師の都会志向」「医局人事」など複雑に絡み合う理由Q2で「実感できる」・「実感できない」の具体的理由についてお聞きしたところ、「実感できる」と回答した会員医師のコメントでは「医師の都会志向」、「へき地人口のさらなる減少」、「医局人事が厳しい」などのコメントがあった。また、「実感できない」と回答した会員医師のコメントでは、「医師の絶対数よりも偏在」、「厚生労働省の統計への信頼性」、「医師の頭数ではなく緊急対応の有無」などのコメントが寄せられた。Q2 「Q1」の回答の理由をお聞かせください。「1 実感できる」回答のコメント(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)●地域偏在の問題都市部への集中、へき地医療の衰退医師の将来設計が都会志向地方に医師が残らず、内科志望者も激減都会での勤務を希望する医師が多いという実感地方中核都市でさえ医師が不足している東京への一極集中が問題医師不足地域で勤務しているが、医師1人に対する負担は東京での勤務時とは比べものにならないくらい大変●診療科偏在の問題主要診療科のなり手が減ってきた外科、小児科、産婦人科では医師不足が進むと思う外科や産婦人科の医師がどんどん疲弊している新専門医制度により、さらに内科系が減る可能性近隣の産科が閉院している診療科によって忙しさが違いすぎる内科、とくに循環器、糖尿病内分泌、脳神経内科の医師が少ないように感じる当地域ではマイナー科も不足し、皮膚科受診をする際は予約が3日後になっている近隣の小児科開業医の高齢化が顕著休日、夜間の救急体制では、顕著に医師数が不足当直勤務後に引き続き勤務する先生方が多い都心部では、皮膚科や耳鼻科が非常に多い印象●医学教育、行政の問題医局人事が大変厳しい将来の見通しが立っていたのに、厚生労働省の対応が遅すぎる自分の医療圏では公的病院の医師がどんどん辞めていくどこの医療機関も医師確保に苦労している地域枠で入学した医師はまず不足地域で働くべき身近で医療崩壊が起こっている若い医師の派遣がない●医療そのものの問題医師の就業環境が劣悪すぎるしばらくは高齢者が増加するため、医師が必要になるのは明らか医師の絶対数がやはり不足「2 実感できない」回答のコメント偏在は実感できるが、医師の絶対数が不足しているとは思えない医療の現場で感じる実感と違うが、将来は不足すると思う医師の不足よりも、フリーアクセスや自己負担が少ないことによる過剰受診が問題表面上の数字よりも医師の雑用や勤務内容などの改善が先だと考える厚生労働省の統計はうのみにできない人口過疎地に医療だけ充実させても解決にはならない人口そのものも偏在があるのではないか医師不足県にいるが、実際周囲で医師が不足しているとの声は聞かれない産婦人科や小児科は頭数ではなく、当直や緊急対応ができるか否かが問題コンビニ出店並のクリニック密集地域に住んでいるので実感がない意外にも「内科」も医師不足Q3で「医師不足だと思う診療科」を尋ねたところ、多い順番で「産婦人科」(175)、「外科」(155)、「小児科」(139)、「内科」(136)、「救急科」(119)の順だった。「内科」の回答が多かった点、ひと頃問題になった「麻酔科」を挙げる会員医師が少なかった点から現場のニーズが垣間見られた。Q3 現在、医師が不足していると思う診療科をお選びください。(回答はいくつでも)1 内科2 小児科3 皮膚科4 精神科5 外科6 整形外科7 産婦人科8 眼科9 耳鼻咽喉科10 泌尿器科11 脳神経外科12 放射線科13 麻酔科14 病理科15 救急科16 形成外科17 リハビリテーション科18 その他19 不足していると思う診療科はない画像を拡大する必ずしも医師数増加だけでない解決策もあるQ4で「医師不足・偏在」への解決策について尋ねたところ、多い順に「病院・診療所・クリニックの適正配置」(155)、「診療報酬で地域差を設ける」(119)、「医師の就業の流動性」(107)の順だった。医師への待遇改善と偏在をなくすことで解決できる内容が多くを占めた。また、「8 その他」へ寄せられた提言として、「医師免許の全国区と地域区の2本立て化」、「女性医師の待遇改善」、「患者数の多い診療科の報酬減」、「患者の受診への意識改革と啓発」などの声が寄せられた。Q4 医師不足や偏在の解決には何が必要だと思われますか。(回答はいくつでも)1 医学部の定員増員2 医師の就業の流動性3 専門医制度の改革4 病院・診療所・クリニックの適正配置5 患者の診療抑制の実施6 診療報酬で地域差を設ける7 外国人医師や医師以外の医療者の活用8 その他画像を拡大する「8 その他」で寄せられたコメント(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)●医師や専門医資格への提言地方に魅力ある教育病院を設置し、若手医師を勤務させる地方医師の専門医更新の免除医師国家試験の合格基準を2段階とし、上位は全国区免許、下位は医師不足県限定免許とする。診療実績で全国区免許へ格上げする女性医師の待遇を改善する医師不足が指摘されている診療科へ進む医師へのメリットを増やす勤務医の所得を増やす医学部の地域合格枠の拡大と地域義務年限の引き上げ医師のボランティア的な仕事に対しての十分な報酬適切な人材を医師にすること●医療制度や診療報酬への提言地域枠への補助金制度を直接医師に支払う急性期病院の内科・外科の診療報酬を上げる患者数が多い診療科の診療報酬を削減する開業医を減らす方策、たとえば勤務医の給与控除を増やす医局制度の復活と強制的な医師のローテーション応召義務の廃止都会の大学医学部の統廃合または自治医大化医師の強制配置●社会への提言医師法など時代に合わせたフレキシブルな改正患者の受診への意識改革と啓発アンケート概要内容「現在・将来の医師不足、偏在についてお聞かせください」実施日2019年2月20日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師340名アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。関連記事推計1万6,226人の内科医が2030年に不足16県が医師少数、改正医療法で是正となるか?

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東京医大入試減点問題、若いほど理解できる? 男女の医師1,000人に聞きました

東京医科大学の入学試験で、女性の受験者への一律減点が行われていたことが明らかになった。この問題を受け、文科省は全国に81ある医学部医学科を対象に、入試の公正性に関する緊急調査を開始している。現場で働く医師たちにとって、この問題はありえないことなのか、理解できることなのか。ケアネットはCareNet.com会員である男性医師504人、女性医師501人の計1,005人にその実情と意見を聞いた。結果概要男性で67.9%、女性で69.5%が女性の減点問題に一定の理解入試での女性減点問題に「理解できる」と答えた医師は、男性14.9%、女性13.8%と若干男性医師に多い傾向がみられたが、「不公平ではあるが、ある程度理解できる」という医師を含めると、男性67.9%、女性69.5%と女性のほうが多い傾向となり、減点される側の立場である女性医師も、この問題に一定の理解を示していることがうかがえる。その理由としては、「実際に常勤医で戦力として残っている女医は少ないから(麻酔科・40代女性)」、「男性に向いている科は確かに存在するし、力が必要な時もあるから。制限をつけないでとると、女性だらけになってしまう(小児科・20代女性)」、「女医が増えたら、眼科・皮膚科だらけになる。今でも医師の偏在が問題になっているのに、もっと困ることになる(内科・40代女性)」などの声が上がっている。また、「医局で働いている途中で、とくに若手で妊娠してしまうと、当直やオンコールはじめ周囲へのしわ寄せが大きくなってしまうので、罪悪感からとてもこのような状況では妊娠できないと感じていた(内科・30代女性)」、「子持ち女医ですが、夜も休日も働けず、迷惑をかけています。男性は子持ちでもそれがない。周りの多くの女医は、クリニックや健診など、楽で給料のよいところに行ってしまい、人の足りない総合病院には残らない。やはり男性が必要でしょう(産婦人科・40代女性)」など、出産・育児と医師として求められる仕事の両立に、難しさや周囲への罪悪感を感じていることがうかがえた。男性側も、「子供ができたのちキャリアダウンしようとする女医の数は少なくないので、仕方がない(循環器内科・30代男性)」、「現実問題として現在の医療現場の忙しさからいえば、女性医師が増えると回らなくなるのは正直なところ(皮膚科・20代男性)」などの声がある一方で、「父親も育児参加が求められる中で、女性医師ばかりが当直免除などの恩恵を受けるのは仕方ないと思う反面、腑に落ちない面も残る(精神科・30代男性)」、「男女平等は強調されるが、男女公平が議論されない。男性医師が育児休暇を公平にとれる体制や理解が、現状の医療体制で整うとは思えない(神経内科・30代男性)」など、出産・育児による休暇取得や当直免除などが、男性ではより実現しにくい現状も垣間見えた。画像を拡大する男女ともに年代が低いほど理解を示す傾向年代別に回答を見てみると、「理解できる」と答えた医師は、男女ともに年齢が上がるにつれ減少。「不公平ではあるが、ある程度理解できる」という医師を含めると、50代の男女で最も少なく、「理解できない」と答えた医師の割合が高かった(男性:39.9%、女性:42.2%)。画像を拡大する診療科別では、外科(42.9%)、泌尿器科(38.5%)、精神科(38.2%)、小児科(36.5%)、脳神経外科(36.2%)の順に「理解できない」という回答が多かった。画像を拡大する男性で38.5%、女性で28.3%が入試での女性比率の制限は「必要」と回答入試での女性比率の制限については、男性の38.5%が「必要」と答え、「不要」と答えた人(34.9%)を上回った。「必要」と答えた人の理由としては、「差別ではなく区別は必要。定員として男子・女子各何人と明確にすればよいと思う(皮膚科・40代男性)」、「こっそり減点は駄目だと思うが、制限するとあらかじめオープンにして試験をすればよい(眼科・50代男性)」などの声がきかれた。また、「年代別に男性、女性が医師として働いている割合、どのような形態(常勤/非常勤、終日/パート、当直の有無、回数、勤務場所など)で勤務しているか調べてみればよい(整形外科・60代男性)」、「データに基づいて比率を決定すべき(眼科・30代男性)」といった意見や、「男女平等を言うならすべて同じにしないといけない。女性医師は出産・育児で優遇される。その分のしわ寄せは男性医師にくる。最初から比率を決めて入試すればすむ(外科・40代男性)」といった意見もみられた。女性では、「不要」と答えた人(37.9%)が最も多く、「どちらともいえない」と答えた人(33.7%)も多かった。「不要」と答えた人の理由としては、「診療科による偏りの是正は必要だが、それを男女の制限に落とし込むことは論点が違い差別である(神経内科・20代女性)」、「入試時の性別ではなく、医師になってからの科ごとの人数・男女制限が必要だと思う(精神科・30代女性)」、「入試における操作で医師の男女比を調整するのではなく、医師の労働環境そのものを改善する必要がある(神経内科・30代女性)」など、性差のみで判断することへの懸念の声が上がっていた。画像を拡大する20~40代の男性医師が最も「比率制限が必要」と感じている?年代別では、39歳以下および40代の男性医師で、それぞれ4割以上が入試による女性比率の制限が「必要」と回答。60歳以上で唯一、「必要」と答えた割合が女性で上回ったが(男性:32.9%、女性36.7%)、その他の年代ではそれぞれ10%ほど、女性よりも男性で「必要」と答える人が多かった。画像を拡大する診療科別では、産婦人科(40.6%)、泌尿器科(38.5%)、循環器内科(38.5%)などで「必要」と答えた割合が高く、外科(14.3%)、精神科(25.0%)、糖尿病・代謝・内分泌内科(26.9%)などで低かった。画像を拡大する設問詳細Q1.医学部入試での女子減点問題、先生はどう思いますか?理解できる不公平ではあるが、ある程度理解できる理解できないQ2.入試における女性比率の制限は必要だと思いますか?必要不要どちらともいえないQ3.Q1、Q2について、その理由やご意見をお寄せください。アンケート概要内容緊急アンケート!東京医大女子減点問題、先生はどう思いますか?実施日2018年8月9~10日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師1,005名アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)実情について妊娠出産、育児があるとこの仕事は無理だと思う。子供を産むと10年くらい求められる仕事はこなせない。調整されても仕方がない(救急科・30代女性)出産や育児でいきなり穴をあける・時短になるなどで、常勤として働いていても周りにしわ寄せがいっている。また周りの女医をみてもバイトだけの生活をしている割合が多く、女性医師が増えすぎると上に立ったり指導できる人がいなくなる(内科・30代女性)産後、当直している女性医師は限りなく少ない。また年代が上がると、男性医師も当直回数が減り、若手男性医師が多くを担っていると思われる。実際当直している女性はどれほどいるか知りたい(皮膚科・30代女性)外科系医師、ERの医師、当直医など、女性でしっかり勤められている先生もいるが、少数(眼科・40代女性)女性医師は男性医師の7割程度のマンパワーと感じる(呼吸器内科・40代女性)男女平等といっても体格差があり、長時間手術や激務に耐えうるのは男性であるため。専門医制度も変わり、きつい科は避けられる傾向にある(呼吸器内科・40代女性)人口の半分は女性。女性は女医を希望する方が多い。小児科や婦人科はなおさら。確かに力がいる整形外科などもあるが、周りで協力すればよい。直腸診など女性患者には男性医師は女性の立会いが必要ですよ(内科・40代女性)外科系に進む研修医が激減し、将来的に外科系医師がいなくなってしまうから理解はできます。しかしそれ以上に女性医師が働きやすいように外科の環境を急ピッチで変えるべきですし、環境だけでなく外科の上級医のマインドも変えないといけないと思います(精神科・40代女性)女性医師の多くが結婚や出産でリタイアし、復帰後も効率の良いアルバイトをしている現実をみると国費の無駄遣いと感じます。男女問わず実戦で活躍する覚悟が必要だと思います。覚悟を持って入学するべきで、そこに男女の差はありません(眼科・50代女性)男性医師、独身女医の負担が大き過ぎ。家庭を抱え努力している女医はいるが、「家庭があることを利用して嫌な仕事は受けない、しかし美味しい業務には参加する」女医が一定数いるのは確か。穴埋めに感謝の意を示してくれればまだしも、当然の権利と主張する女医がいかに多いことか! むしろ逆性差別、逆ハラスメントです(小児科・50代女性)結婚、妊娠、子育て等に伴う職場整備を進めない限り、一部の女性医師が十分に働けない状態は続く(小児科・50代女性)健診や一般外来など、負担が少なく給料のよいバイトがある現状では、産後にフルタイムで復帰する女医さんは増えないと思う。女医さんを支えるだけの十分なフルタイムの医師がいない。僻地医療が崩壊する(内科・30代男性)緊急、呼び出しがある診療科では、現状の市中病院の勤務体系では育児を両立することは難しいと思います。女性を優遇することで男性勤務医への時間外待機、突然の女性医師欠勤時の勤務負担は確実に増えますが、当番の交代を女性医師に依頼することができるわけではなく、暗黙のうちに相殺され不公平感を感じると思います(内科・30代男性)女性は男性よりも早く医局をやめる。先輩からするとせっかく育ってきたときにやめるため、また一からやり直ししないといけない(皮膚科・40代男性)実際の現場では、家庭を両立させながら救急、当直などきつい仕事を行うことは困難であり、その分の負担が男性医師にきている(呼吸器内科・40代男性)女性は結婚や出産により現場を離れる可能性が高く、そのまま戻って来ないことも往々にしてある。その女性が診ていた患者は、結局残された人間で診ることになり負担が増える。とくに忙しい外科系には男性のみで十分であると思うことがある(泌尿器科・40代男性)夜勤や夜間・休日のオンコールに対応している医師の割合を詳細に調べれば、現在の問題がわかると思います。結婚・出産が女医さんのキャリアを中断させてしまうのは事実であり、しかもその時期が医師として一番活躍できる時期と一致してしまう。日本は女性が家庭を守るといった感覚がそこかしこに残っているので、女医さんが家庭の事情でそうなることは仕方がなく、まだまだ男女平等と呼べる社会には遠いように思います。さらに全体として、夜勤を必要としない科を希望する若い医師が多いのも事実であり、女医さんの問題だけを解決してもしょうがないのかもしれません(麻酔科・40代男性)当直は常勤の人間が安い当直料で疲弊しながら働き、女医は高いバイト代をもらって楽な日勤をやっている。昼の楽な日勤を週3回すれば常勤並みのお金をもらえるので、常勤に戻らずバイトで稼ぐ女医がかなり多い(産婦人科・50代男性)現状の医療現場では、これ以上の女医の増加は他の男性医師の限りない負担増加へつながる。男女同権を貫くなら、欧米並みに勤務交代制や育児保育施設の整備を充足しなければ、絵空事である(皮膚科・60代男性)入試による女性比率の制限に対する意見について制限するなら、募集要項にちゃんと記載するべきだと思います。東京医大のやり方はアンフェアでまったく賛成できません(循環器内科・30代女性)それよりも卒業生の子弟を加点するほうがもっと問題だと思う(眼科・30代女性)面接での加点は致し方ないとしても(印象点という意味で)減点はさすがにひどいと思う。あと、現場には産後も、もっと働きたいのに働けない先生もたくさんいるので、もっと働きやすい環境になってほしいと思う(麻酔科・30代女性)入試要項に女性制限が記載されていればよいと思う(耳鼻咽喉科・40代女性)国公立大学の場合は制限できないと思います(循環器内科・50代女性)入試で制限するより、女性がどうしたらやめないか、働きやすいかを考えるべき(小児科・30代男性)募集要項に明記すればいい(皮膚科・40代男性)入試制度だけで解決できる問題ではない。医師だけ女性制限を認めると、他の業種とのバランスがとれない(精神科・40代男性)性別や浪人回数で差別はいけない。努力して勉強しているのだから(内科・50代男性)入試に際して女性が上位を占めることは明らかである。女性が向かない体力を要する診療科があることを示したうえで、合格者に占める男女の人数を明示しておくのがよいと思う(腎臓内科・70代男性)解決策について女医でも働きやすい環境にすればよい。キツイ診療科は主治医複数制、産休育休当たり前にするとか、保育所増やすとか(麻酔科・30代女性)入試は公平に行い大学病院勤務の際に制限してはどうか。女性医師を受け入れると表明したほうが結果的には人手が増えると思うが…。国家試験である以上、入試での制限は認められないと思う(循環器内科・40代女性)女性医師のライフプランについては入学後に教育することも可能であるはず(麻酔科・40代女性)男性医師を増やしたい気持ちはよくわかるが、入試時点で差別するのは問題。医局入局もしくは病院就職の時点で選別すれば、普通の一般企業と同じだから問題ない(眼科・50代女性)現場の疲弊と性差別の問題は別で考えるべき。むしろ、女性が長く残れる環境作りがあらゆる問題の解決方法である、という共通認識を確立するいい機会(内科・50代女性)育児、介護問題を女性特有の問題と認識すること自体を改めるべきである。男性も含めて、個人的理由で短時間勤務をする必要が生じる可能性のあることを踏まえた人員配置が必要なのではないか(麻酔科・50代女性)医師全体の勤務状況を改善すればよい。男性勤務医でも当直後の連続勤務、時間外労働賃金がきちんと管理され支払われてないことが問題で、女性に限ったことではない(内科・60代女性)男性医師が現状を維持するのではなく、働き方について医療関係者、患者とその家族も意識を変えていく必要がある。女性が入れないような勤務体制自体を見直さなければ早晩医療崩壊するのは免れない。「仕方がない」「男性と同じように女性も働くべき」ではただの足の引っ張り合いでしかない(精神科・30代男性)一番しんどいのは夜間救急であり、それができるかできないかは医師という仕事を考えるうえで最も重要な議論であり、絶対に避けてはいけない(腎臓内科・30代男性)女子医大もあるので、医学部定員を男6~7、女3~4で分ける。もしくは男女関係なく卒後5~6年の内科、外科、救急など多忙な科の勤務義務化など(消化器内科・40代男性)女性医師がフルタイムで働かない比率が高いため、このようなことが起こる。出産育児早期は仕方ないがその後はしっかり働いてもらう制度、そのための保育所などの整備が必要(麻酔科・40代男性)女性が増えればアルバイト医のみが増え続け、3Kを担う医師は減り、実労働可能な医師不足が加速します。国民の医療に対する考えを根本的に変えないと、女性も働ける医療現場は増えません(内科・50代男性)そもそもフルタイムとはどのような働き方かを討論しないと結論は出ない(脳神経外科・50代男性)

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ASCO2018レポート 乳がん-1

レポーター紹介2018年ASCOのテーマは、”Deliverling Discoveries:Expanding the Reach of Precision Medicine”であった。その言葉どおり、プレシジョンメディスンの言葉が随所に散りばめられていた。まさに遺伝子解析から治療を選択する時代に突入している。がん種によらず腫瘍の遺伝学的特徴から治療を決めることは当たり前の状況になっていくであろう。それに伴い、胚細胞遺伝子変異、すなわち、遺伝性腫瘍との関わりも重要視されてきており、先駆けて臨床遺伝専門医制度の指導医まで獲得しておいて良かったと思うと同時に、日本家族性腫瘍学会において家族性腫瘍専門医制度が開始されたことも時代の要請だろう。免疫療法の話題も増加している。すでにFDAが複数のがん種においてペムブロリズマブやニボルマブを認可しており、一般病院への影響についてのレクチャーもあったくらいである。乳がんというくくりでは、まだ第III相試験が行われている段階ではある。TAILORx試験最初はなんといってもプレナリーセッションからである。TAILORxは、ER+/HER2-リンパ節転移陰性乳がんに対してOncotype Dxでの中間リスクを、化学療法を追加する群としない群に分けて予後をみた大規模無作為化比較試験である。発表と同時に論文化されている(Sparano JA, et al. N Engl J Med. 2018Jun 3. [Epub ahead of print])。それ以前に低リスクでは、化学療法の追加の意義はなく、内分泌療法だけで良いことが示されている。本研究での中間リスクはリスクスコア11~25としていて、メーカーが設定しているスコアとは範囲が異なることは注意する必要がある。非劣性試験であり、全6,711名の患者が割り付けられた。化学療法はTCが56%でアントラサイクリン含むレジメンは36%であった。63%は腫瘍径1~2cm、57%は腫瘍グレードが中間であった。結果は主要評価項目である浸潤DFS、副次評価項目である遠隔RFIともまったく差はなく、非劣性が証明された。もちろんRFI、OSも非劣性である。発表の中では、探索的分析が行われており、年齢50歳以下では、リスクスコア16~25で2群間の差は浸潤DFS 9%、遠隔再発2%、21~25で浸潤DFS 6%であった。結論として、リスクスコア16~25では50歳以下で化学療法のベネフィットがあるかもしれないと要約している。しかしこれは後付けの解析であることから、さまざまな因子のサブ解析の中で、たまたま年齢だけ差が出た可能性もあり、あくまで参考程度にみておくのが良いだろう。また、化学療法群で18.4%が化学療法を受けておらず、非化学療法群で5.4%が化学療法を受けていたところが気にはなる。ASTRRA試験ASTRRA試験は化学療法後に卵巣機能が残っている方に対して、タモキシフェン(5年)に卵巣機能抑制(2年)を追加することの効果をみたもので、韓国からの報告である。化学療法後2年のうちに卵巣機能が回復したり、生理がある方をそれぞれ無作為に割り付けしている。症例数の蓄積に時間がかかったようで登録期間は2年から5年に延長された。計1,293名が割り付けされた。年齢中央値は40歳で、50%以上がn+であった。またHER2陽性が10%以上存在した。化学療法はAC-Taxaneが50%以上であった。5年DFSは有意に卵巣機能抑制群で優っていた(HR=0.686、0.483~0.972、p=0.033)。サブ解析でも一定の傾向はみられなかった。OSも卵巣機能抑制群で有意に優れていた(HR=0.310、0.102~0.941、p=0.029)。SOFT試験と比較するというより、SOFT試験と組み合わせて治療方針を練ると、卵巣機能抑制の適応をより選択的に決めることであろう。すなわち、化学療法により卵巣機能が抑制されなかった、あるいは抑制されていても2年のうちに回復したハイリスク患者に対してLHRHaを用いる価値があるものと思われる。しかし、問題点はタモキシフェンを使用していると卵巣機能の回復がわかりにくいことであるが、本試験ではFSH<30U/mLを卵巣機能ありとしている。BRCA変異を有する早期乳がん患者における術前タラゾパリブタラゾパリブはPARP阻害剤であり、第III相試験であるEMBRACA試験において、医師選択の化学療法と比較して有意にPFSを延長したことが報告されている。また初期のfeasibility試験においてタラゾパリブは腫瘍量を2ヵ月で88%減少させていた。今回は術前治療としてタラゾパリブを6ヵ月内服し、手術を行った結果が報告された。BRCA1変異が17名、BRCA2が3名であり、TNBCが15例であった。pCRは53%であり、pCRまたはほぼpCRは63%であった。BRCA1か2かにかかわらず、またTNBCかHR+かにかかわらず良い効果を示していた。安全性に関しては貧血、好中球減少が主なもので、非血液毒性はほぼ軽微であった。輸血例も8例いた。9例で減量を要していた。かなり高いnear pCR率であり、早期乳がんの補助療法におけるPARP阻害剤の役割が今後注目を集めていくであろう。本剤の至適使用期間も課題である。PERSEPHONE試験PERSEPHONE試験はHER2陽性乳がんに対して術前術後補助療法としてのトラスツズマブ6ヵ月と12ヵ月を比較する、サンプルサイズ4千例の大規模な非劣性試験である。4年DFSが12ヵ月のトラスツズマブで80%と評価され、非劣性として3%を下回らないことが条件である。片側有意差5%、検出力85%である。実際に4,089例がリクルートされ、4,088例が解析された。ER陽性が69%と高くアントラサイクリンベースが41~42%、アントラサイクリン-タキサンベースが48~49%であった。トラスツズマブのタイミングは同時が47%、逐次投与が53%であった。また、58~60%がリンパ節転移陰性であった。結果は中央値5.4年でDFSが非劣性であった(HR=1.07、0.93~1.24)。予定されていたサブ解析では目立つものはなかったが、タキサンベースまたはトラスツズマブ同時投与で12ヵ月投与が良好であった。もちろんOSも完全に非劣性である。心毒性のためにトラスツズマブを中止したのは6ヵ月投与で4%、12ヵ月投与で8%であった。今まで複数のトラスツズマブ投与期間に関する試験の結果が明らかとなっており、はじめて非劣性が証明された。しかし、今回のPERSEPHONE試験の結果をもって診療が変わるわけではない。ASCO2017の報告でトラスツズマブ1年投与の適応について詳しく述べており、またSABCS2017の報告でメタアナリシスとSOLD試験の結果をまとめているので参照してほしい。

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015)学会でありがちなこと【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第15回 学会でありがちなことしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆日本皮膚科学会の総会は、毎年6月頃に開催されるので、これに関連して、「学会あるある」を漫画にしてみました☆皮膚科の専門医制度は、ポイント(単位)取得制です。ということで、学会に参加したら「とりあえずビール」ならぬ「とりあえずカード(=参加登録)」は必須任務!!会員証(カード)を機械に通して参加費を払ったら、自動的にポイントが付与される仕組みです。とくに年1回の総会は、参加する先生方も多く(もらえるポイントも1番大きい)、昔馴染みの仲間が集まり、プチ同窓会的なシーンが繰り広げられることも・・・。(しかし、2018年度から新専門医制度への移行があり、カードを「ピッ」するだけで、単位取得が済む時代は終わりつつあります・・・。キビシイィ~!!)学会は何日間か開催されるので、各々で参加する日程はもちろん異なる訳ですが、開催地が、飛行機の本数が少ない地域だったりすると、さぁ大変!帰りは、決して広くない空港ラウンジで、各大学のグループと共に同じ飛行機を待ち、いざ搭乗の際には、並み居る教授の集団(ビジネスクラス)をすり抜けて、エコノミークラスまでたどり着かなければならないという・・・。「全員、皮膚科☆」という安易なテロップが、一瞬頭をよぎります。笑今年の総会は遠方で参加できなかったので、ぜひ、来年は参加したいデルぽんなのでした~☆それでは、また~!

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普遍性と独自性の調和を目指す精神医学

 2018年6月4日、日本精神神経学会は、「2018年度プレスセミナー」を都内で開催した。セミナーでは、本学会の活動と将来展望、6月21~23日に神戸市で行われる本学会学術総会の概要・注目トピックスをテーマに、2名の演者が講演を行った。ICD-11発表間近 初めに、本学会 理事長の神庭 重信氏(九州大学大学院 医学研究院精神病態医学 教授)が、学会の活動について説明を行った。注目点として、WHOが公表する国際統計分類 第11版(ICD-11)の暫定版が今月下旬に出ることについて、国内における新しい精神科病名の検討結果を発表されている。今月末日までは、学会のホームページ上でパブリックコメントの募集を行っているという。また、わが国を含めた世界13ヵ国による、ICD-11第6章「精神、行動及び神経発達の疾患」の診断ガイドラインの信頼性・有用性の研究についても紹介された。 神庭氏は、日本専門医機構による新しい精神科専門医制度への取り組みとして、2019年4月の研修開始に向けて準備を行っていると説明。同氏は、「患者全体における精神科患者の割合に対して、医師全体における精神科医師の割合が少ない現状である。本学会が開催するサマースクールなどをきっかけに、実際の現場を見て、(専門医を目指す方々に)興味を持ってほしい」と語った。自殺者の半数以上は精神疾患を患っていた? 次に、本学会学術総会 会長の米田 博氏(大阪医科大学医学部 総合医学講座 神経精神医学教室 教授)が、学術総会の概要について説明した。本総会のテーマは、「精神医学・医療の普遍性と独自性―医学・医療の変革の中でー」であり、精神医学・医療は医学医療全般の一分野として重要な役割を担っており、独自の特異的な広がりと深さを併せ持っている、といったメッセージが込められているという。 わが国において、精神疾患を有する患者数の推移は増加傾向が続いており、15年前と比較してほぼ倍に増え、とくにアルツハイマー型認知症と気分障害が大きく増加している1)。また、自殺率については、近年やや減少傾向だが、依然としてOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で高い位置にある2)。海外のデータにおいて、自殺と精神疾患の関係性を調査した結果、自殺した人のうち、気分障害を持つ患者が35.8%、統合失調症は10.6%存在したという報告もされている3)。米田氏は、「時代の変遷により、精神医学・医療の役割も変化している。患者さん個別の症状に合わせた治療をするためにも、われわれは重要な役割を担っている」と述べた。 6月21~23日に開催予定の学術総会では、会長講演、特別講演などに加え、26もの委員会シンポジウムが行われ、その内容は精神科臨床、多剤併用、認知症診療、措置入院、性同一性障害、ガイドラインについてなど多岐にわたる。とくに注目のトピックとして、「精神科一般外来での自殺予防について考える」をテーマとしたものが、会期中2日目の委員会シンポジウムで開催される。「外来通院中の精神疾患患者が自殺し、主治医の責任が問われた事件」の先ごろ出された控訴審判決で、主治医の責任を裁判所が認めたことから、今後の精神科医療において方向を見誤ることが危惧される。そのため、この事件を取り上げ、医師をはじめとする医療者と弁護士などの法律家が、「患者の自殺予防」について議論を行う。 学術総会への参加を通じて、 最新の精神神経学だけでなく、転換点にある精神医学・医療の方向性についても知見を深めることができる。■参考資料1)厚生労働省 第1回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会 参考資料2)McDaid D, et al. OECD Health Working Papers. 2017;No.97.3)Bertolote JM, et al. World Psychiatry. 2002;1:181-185.■参考公益社団法人 日本精神神経学会第114回 日本精神神経学会学術総会

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医学部減員は2022年度以降、医師需給「第3次中間とりまとめ」了承:厚労省

 厚生労働省は「第6回医療従事者の需給に関する検討会」(座長=森田 朗・津田塾大学総合政策学部教授)および「第21回医師需給分科会」(座長=片峰 茂・長崎大学前学長)を5月28日に合同で開催し、検討会は2020年度以降の医師養成数の方向性を示した「第3次中間取りまとめ」の内容について了承した。 2020~21年度については、2019年度までの「新成長戦略」に基づく医学部定員の暫定増の方針をおおむね維持する、とした一方で、2022年度以降については「医師の働き方改革に関する検討会」で議論される時間外労働規制に関する意見等を踏まえ引き続き検討することとされた。今後、2019年度から議論を始め、2020年度には結論を出す見通し。 これまで分科会では、厚生労働省による将来の医師需給推計に基づき議論を進めてきた。性年齢階級別の詳細なデータを用いて仕事量を算出することで、医師の労働時間として3つのケースを仮定し、需給推計を算出している。これによると、労働時間の見込みを一番厳しい週55時間に制限する場合、2033年頃に約36万人で医師需給が均衡し、2040年には医師供給が約2万5,000人過剰となることが見込まれた。 また、取りまとめには「2022年度以降の医師養成数については全国レベルのマクロの医師需要推計だけでなく、ミクロの領域における医師偏在対策や、将来の都道府県毎の医師需給、診療科ごとの医師の必要数、長時間労働を行う医師の人数・割合の変化等についても適切に勘案した上で、人口構造の変化や医療技術の進展など医師を取り巻く環境がこれまでよりも短いスパンで変化していくことも踏まえ、定期的に検討をしていく必要がある」と明記されている。 しかし、日本医師会常任理事の釜萢 敏氏や日本精神科病院協会会長の山崎 學氏は、「地域かかりつけ医としての役割に対する認識や専門医制度が地域包括ケアの将来像と乖離している」と現行の新医師臨床研修制度について指摘。医師養成の現状に危惧する見解を示した。 最後に森田氏は「マクロの議論でありミクロの議論については不完全燃焼な思いの方もおられるだろう。この点は引き続き検討会や分科会で議論していきたい」と今後の方針を示した。■参考厚生労働省:医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第21回)

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