麻酔科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

米国でのオピオイド使用、ピーク時から依然減少せず?/BMJ

 米国において2007~16年のオピオイド使用率は高く、メディケアを受給している障害者が、高齢者および民間保険受給者と比較して最も高かった。オピオイド乱用の注意喚起や危険意識の高まりにもかかわらず、オピオイド使用率および平均1日使用量は、ピーク時からほとんど減少していないという。米国・メイヨー・クリニックのMolly Moore Jeffery氏らが、診療報酬請求データの後ろ向きコホート研究の結果を報告した。米国におけるオピオイドの使用は、ピーク時の2012年以来減少してきたことが人口データにより示唆されているが、メディケア出来高払い受給者を除いた大規模な集団における、オピオイド使用率および1日使用量は明らかにされていなかった。BMJ誌2018年8月1日号掲載の報告。

50歳以上の帯状疱疹はワクチンで予防

 2018年7月19日から3日間、都内で日本ペインクリニック学会 第52回大会「あなたの想いが未来のペインクリニックを創る-専門性と多様性への挑戦-」が開催された。本稿では、7月20日のシンポジウム「帯状疱疹関連痛の治療、予防の未来を考える」から、木村 嘉之氏(獨協医科大学 麻酔科学講座 准教授)が発表した「帯状疱疹関連痛の疫学と予防」について、概要を紹介する。

気管切開の事故防止に向け提言 医療安全調査機構

 気管切開チューブ挿入患者のケアには常に注意を要するが、とくに気管切開術後早期*のチューブ交換時に、再挿入が困難になるリスクが高いことから、日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)では、この時期のチューブ逸脱・迷入による事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第4号)を公表している(6月5日)。逸脱を防ぐための移動・体位変換時の注意事項や、逸脱・迷入が生じてしまったときの具体的対応などについて、以下の6つの提言が示された。

全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

注射剤のアナフィラキシーについて提言 医療安全調査機構

 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、注射剤のアナフィラキシーによる事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第3号)を公表している(1月18日)。アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤や発症が疑われる場合の具体的な対応、常時から備えておくべき事項などについて、以下の6つの提言が示された。

術後オピオイド処方と乱用の関連/BMJ

 オピオイドの乱用が世界的に急増している。手術を受けた患者の退院時のオピオイド投与の割合は、非手術例のほぼ4倍に達するが、医師による習慣的なオピオイド処方の、乱用への影響は不明だという。米国・ハーバード・メディカル・スクールのGabriel A. Brat氏らは、米国におけるオピオイドの不適正使用の大幅な増加には、術後にオピオイドを処方された患者への薬剤の補充(refill)および処方期間の延長が関連することを示し、BMJ誌2018年1月17日号で報告した。

術中の麻酔医交代で、術後の有害転帰が増大/JAMA

 大手術を受ける成人患者では、術中に麻酔科医の引き継ぎが行われた場合、引き継ぎがない場合に比べ、術後の有害な転帰のリスクが増加することが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のPhilip M. Jones氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年1月9日号に掲載された。個人的または職業的な義務、体調不良や疲労により、術中に麻酔科医が別の麻酔科医に交代することがある(一時的引き継ぎ[引き継いで、後で戻る場合]と完全な引き継ぎがある)。多忙な環境で安全な麻酔診療の全情報を医師間で伝達する必要があるため、引き継ぎ中は患者にとって危険な時間となる可能性があるという。