麻酔専門医の同時管理手術が手術患者にリスクをもたらす可能性
麻酔専門医が複数の手術を同時に受け持っていると、手術を受ける患者の死亡および合併症のリスクが増大する可能性のあることが、新たな研究で報告された。米ミシガン大学医学部麻酔学教授のSachin Kheterpal氏らが実施したこの研究結果は、「JAMA Surgery」に7月20日掲載された。
1人の麻酔専門医が、各手術を担当する麻酔専門医の作業を監督しながら同時に複数の手術を管理するのは珍しいことではない。今回の研究では、2010年1月1日から2017年10月31日の間に18歳以上の成人患者(平均年齢55.7歳、女性55.1%)に実施された入院を要さない非心臓手術57万8,815件について分析を行った。Kheterpal氏らは、1人の患者の手術中に、担当の麻酔専門医が同時に管理した別の手術の平均件数を計算し、麻酔専門医が一度に1件(手術件数4万8,555件)、1件以上2件未満(同24万7,057件)、2件以上3件未満(同21万6,193件)、または3件以上4件未満(同6万7,010件)の手術を管理していた場合で、患者の転帰を比較した。