救急科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:113

退院後30日以内の再受診のうち救急部門受診が約4割/JAMA

 米国・エール大学医学部のAnita A. Vashi氏らは、米国内3州の約1年間の退院データ解析の結果、急性期病院からの退院後30日以内の救急部門再受診が成人患者で一般的にみられ、急性期病院の再受診患者のうち39.8%を占めることを報告した。再入院率は急性期治療後における医療ケアの質の改善の指標とされており、退院後早期の救急部門受診も同様に、退院後における急性期の医療ケアの質の指標とみなされているが、これまで退院後早期の救急部門利用に関する調査はほとんど行われていなかった。JAMA誌2013年1月23・30日号掲載の報告より。

術後のAcute Pain Serviceを利用できない患者には経口オピオイド療法を

 術後痛など急性痛に対応するAcute Pain Service(APS)を受けない、すなわち局所麻酔法や患者自己管理鎮痛法を受けることができない患者は、激しい術後疼痛に苦しむ。こうした患者に対しては経口オピオイド療法が有効であり、治療アルゴリズムは外科病棟で実行可能であることがドイツ・ミュンスター大学病院のE.M. Pogatzki-Zahn氏らによる前向き観察研究で示された。

重症外傷性脳損傷への頭蓋内圧モニタリング、アウトカム改善につながらず/NEJM

 重症外傷性脳損傷に対する頭蓋内圧モニタリングによる治療を行っても、アウトカムは画像・臨床診断に基づく治療を行った場合と同等であることが示された。米国・ワシントン大学のRandall M. Chesnut氏らが、300人超について行った無作為化試験の結果、明らかにした。頭蓋内圧モニタリングは、重症外傷性脳損傷への標準的治療とされ頻繁に用いられているが、アウトカムの改善については厳密な評価はされていなかったという。NEJM誌12月27日号(オンライン版2012年12月12日号)掲載より。

外傷性脳損傷に対するシチコリン、身体・認知機能改善に結びつかず/JAMA

 外傷性脳損傷(TBI)に対するシチコリン(商品名:シチコリン、ニコリンほか)の投与は、プラセボと比較し90日時点で、身体機能および認知機能の改善に結びつかなかったことが示された。米国・ハーバードメディカルスクールのRoss D. Zafonte氏らによる無作為化試験の結果、報告された。TBIについては今のところ転帰を改善する治療法がない。シチリコンには、損傷神経修復の促進と同様の潜在的な神経保護作用があり、世界59ヵ国で承認されていた。JAMA誌2012年11月21日号掲載報告より。

ICU患者へのHES使用、90日死亡率は有意差なし、腎代替療法リスクは2割増/NEJM

 ICUの患者に対する輸液蘇生における代用血漿剤のヒドロキシエチルデンプン(HES、商品名:サリンヘスなど)の使用について、生理食塩水を用いた場合と比較した90日死亡率は有意差は認められなかったことが示された。一方で、HESを用いた患者では生理食塩水を用いた場合と比べて腎代替療法を受けるリスクが2割ほど高かった。オーストラリア・George Institute for Global HealthのJohn A. Myburgh氏らが、ICU入室患者7,000人について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2012年11月15日号(オンライン版2012年10月17日号)で発表した。

院内心停止患者への蘇生処置時間、長いほど生存率が改善:AHA報告/Lancet

 院内心停止患者では、蘇生処置で蘇生した患者の処置時間は蘇生しなかった患者よりも長く、処置時間が長いほうが生存の可能性は高くなることが、米国・ミシガン大学のZachary D Goldberger氏ら米国心臓協会(AHA)の研究グループの検討で示された。先進国では、入院患者1,000人当たり1~5人が心停止を来し、心停止患者の退院時の生存率は20%に満たない。蘇生処置をいつ止めるかは臨床医が直面する最大の課題の1つだが、心停止患者の予後は全般的に不良なため、臨床医は処置開始後早期に自己心拍が再開しない場合は処置の継続に消極的になりがちだという。Lancet誌2012年10月27日号(オンライン版2012年9月5日号)掲載の報告。

重度骨折では術前血管造影を行うべき

Gustilo IIIC外傷については、その定義のコンセンサスが求められており、また重度開放脛骨骨折のアウトカムに関する血行障害の影響について調査されている。英国 Frenchay HospitalのChummun S氏らは、約3,300人の形成および整形外科医から患者データを集め、血行障害とアウトカムとの関連について評価を行った。その結果、血行障害は肢機能に影響を与える独立した因子であることが示される一方で、医師の半数近くが血管損傷は無関係だと考えていることなどが明らかになった。

外傷性出血患者へのトラネキサム酸投与、重症度を問わず死亡リスクを減少

 外傷性出血患者の死亡および血栓イベントに関するトラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)投与の効果について検討した、国際多施設共同無作為化試験「CRASH-2」データ解析の結果、トラネキサム酸投与は重症度を問わず幅広い患者に、安全に投与可能であることが明らかにされた。英国・London School of Hygiene and Tropical MedicineのIan Roberts氏らによる報告で、BMJ誌2012年10月6日号(オンライン版2012年9月11日号)で発表した。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(26)〕 集中治療室(ICU)における入院患者の厳格な血糖管理はいかにあるべきか

 集中治療室に入室する重症患者においては、ストレスによる内因性のカテコラミンやコルチゾール、炎症性サイトカインの増加、さらには治療薬剤として用いられる外因性のステロイド薬やカテコラミンなどの影響により、糖尿病の有無にかかわらず、高血糖を示すことが多い。