泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:70

糖尿病は前立腺がんの死亡リスクを2割以上増加させる

 2型糖尿病が前立腺がんによる死亡と全死因死亡のリスク増加に関連していることが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のLeah Bensimon氏らの大規模コホート研究で示唆された。著者らは、さらに「高インスリン血症などの糖尿病関連の代謝障害が、がんの悪性度と関連しているかもしれない」としている。Cancer causes & control誌オンライン版2014年1月3日号に掲載。

前立腺がんへのアンドロゲン除去療法での副作用、運動で改善できるか

 前立腺がんへのアンドロゲン除去療法は広く施行されているが、その有害事象により健康やQOLが損なわれることがある。これらの治療関連有害事象を改善するための方法として運動が提案されている。オーストラリア・ディーキン大学のJason R. Gardner氏らは、アンドロゲン除去療法を受けている前立腺がん患者の治療関連有害事象に対する運動の効果に関する論文の系統的レビューを行った。その結果、アンドロゲン除去療法を受けた前立腺がん患者において、適切に処方された運動は安全であり、治療誘発性の有害事象を改善する可能性があることが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月16日号に掲載。

閉経前女性の膀胱炎原因菌の予測能を飛躍的に高める方法/NEJM

 急性単純性膀胱炎の症状がみられる閉経前健常女性では、自然排泄中間尿の培養によって膀胱内の大腸菌を高率に予測でき、腸球菌やB型レンサ球菌が膀胱炎の原因菌となるのはまれなことが、米国・マイアミ大学のThomas M. Hooton氏らの検討で示された。女性の場合、自然排泄尿に尿道周囲の細菌が混入する可能性が高いため、培養結果の解釈が複雑になり、細菌尿が膀胱由来か尿道周囲由来かの判別が難しい。とくにグラム陽性菌の増殖を認める場合に、培養結果の解釈の指針となるデータは、これまでほとんどなかったという。NEJM誌2013年11月14日号掲載の報告。

テストステロン補充療法により死亡・心筋梗塞・脳卒中のリスクが増加/JAMA

 テストステロン補充療法による心血管転帰や死亡率への影響は明らかになっていない。米国テキサス大学のRebecca Vigen氏らは、テストステロン補充療法が退役軍人男性における全死因死亡や心筋梗塞、脳卒中と関連するか、またその関連性が、基礎疾患の冠動脈疾患により変化するかどうかを検討した。その結果、冠動脈造影を受け血清テストステロンが低値であった男性コホートにおいて、テストステロン補充療法が有害転帰リスク増加と関連していたことが示された。JAMA誌2013年11月6日号に掲載。

前立腺がん診断後のスタチン使用でがん死亡率は低下するか?

 これまでに、前立腺がん診断前のスタチン使用が前立腺がんの死亡率低下に関連するという報告がなされている。カナダ・ジューイッシュ総合病院のOriana Yu氏らは、前立腺がん診断後のスタチン使用が、がん関連死亡率および全死因死亡率の低下と関連するのか、さらにこの関連が診断前のスタチン使用により変化するのかを検討した。その結果、診断後のスタチン使用は前立腺がんによる死亡リスクの低下と関連し、この効果は診断前からスタチンを使用していた患者でより強いことを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年11月4日号に掲載。