外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

早期乳がんのサブタイプ別生存期間、長期追跡結果

 早期乳がんの免疫組織化学(IHC)に基づくサブタイプ別の生存期間について、イタリア・IRCCS-Ospedale Policlinico San Martino/ジェノバ大学のElisa Zanardi氏らが長期にフォローアップした。その結果、このサブタイプの定義が長期予後の層別化に妥当であることが示された。Oncology Research and Treatment誌オンライン版2020年6月8日号に掲載。  本研究は、1985~90年にStage I~IIIの乳がんと診断された女性200例のコホートで検討した。サブタイプと全生存期間(OS)および乳がん関連生存期間の関連を、多変量モデルを用いて評価した。

アテゾリズマブ、早期TN乳がんの術前化学療法で主要評価項目を達成/中外

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は6月18日、早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブに関する第III相IMpassion031試験において、主要評価項目を達成したことを発表。早期 TNBCにおけるアテゾリズマブの有用性を示したのは初となる。  IMpassion031試験は、早期TNBCの術前薬物療法において、アテゾリズマブと化学療法(パクリタキセル[アルブミン懸濁型]、ドキソルビシン、シクロホスファミド)の併用と化学療法単独とを比較する多施設共同二重盲検無作為化試験。333例が1:1の割合で無作為に各群に割り付けられ、主要評価項目は、ITT解析集団およびPD-L1の発現が認められる症例における病理学的完全奏効(pCR)である。

StageIV乳がんに早期局所療法は予後を改善するか(ECOG-ACRIN 2108)/ASCO2020

 未治療のSatgeIV乳がんに対する早期の局所療法による予後改善効果についての報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、米国Northwestern Memorial HospitalのSeema A. Khan氏より発表された。  本試験はECOG-ACRIN臨床試験グループが実施したもの(ECOG-ACRIN 2108試験)で、第III相の無作為化比較試験である。

CDK4/6i治療歴のあるHR+/HER2-進行乳がん、alpelisib併用が有効性示す(BYLieve)/ASCO2020

 CDK4/6阻害薬を含む治療歴のあるホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんに対し、α特異的PI3K阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用療法が、臨床的有効性を示した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)包括的がんセンターのHope S. Rugo氏が第II相BYLieve試験の結果を発表した。 ・対象:CDK4/6阻害薬を含む治療後に増悪した、PIK3CA遺伝子変異陽性、ECOG PS≦2、測定可能病変あるいは溶骨性病変を有する、男性あるいは女性(閉経後/閉経前)のHR+/HER2-進行乳がん患者  ・試験群(コホートA):直前の治療としてCDK4/6阻害薬+アロマターゼ阻害薬(AI)の投薬を受けた患者  alpelisib 300mg/日+フルベストラント500mgを1サイクル28日でDay1に投与(1サイクル目のみDay1、15) ※BYLieve試験ではコホートB(直前の治療がCDK4/6阻害薬+フルベストラントの患者、alpelisib+レトロゾールを投与)およびコホートC(AIで増悪後全身化学療法を受けた患者または直前の治療が内分泌療法だった患者、alpelisib+フルベストラントを投与)についても登録中。今回はコホートAの結果について発表された。

HER2陽性DCISへの放射線療法、トラスツズマブの上乗せ効果は?(NSABP B-43試験)/ASCO2020

 乳房温存手術を受けHER2陽性非浸潤性乳管がん症例(DCIS)において、術後放射線療法にトラスツズマブを併用投与することの有用性を検討したNRG oncology/NSABP B-43試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で米国Rush University Cancer CenterのMelody A. Cobleigh氏より発表された。本試験はNSABP臨床試験グループが実施した、オープンラベル第III相無作為化比較試験である。

周術期のCOVID-19、術後肺合併症や死亡への影響は/Lancet

 手術を受けた重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染患者では、2割以上が30日以内に死亡し、約半数が術後肺合併症を発症しており、全死亡例の約8割に肺合併症が認められたとの調査結果が、英国・バーミンガム大学のDmitri Nepogodiev氏らCOVIDSurg Collaborativeによって報告された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年5月29日号に掲載された。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行以前には、質の高い国際的な観察研究により、術後の肺合併症(最大10%)および死亡(最大3%)の割合は確立されていた。研究グループは、COVID-19が世界的に流行している現在および収束後に、外科医と患者がエビデンスに基づく意思決定を行えるようにするには、術後の肺合併症と死亡に及ぼすSARS-CoV-2の影響を明らかにする必要があるとして本研究を行った。

HER2+転移乳がんへのpyrotinib+カペシタビン、ラパチニブ併用よりPFS延長(PHOEBE)/ASCO2020

 トラスツズマブと化学療法の治療歴のある転移を有するHER2陽性乳がんに対して、pan-ErbB阻害薬pyrotinibとカペシタビンの併用が、ラパチニブとカペシタビンの併用より無増悪生存期間(PFS)を延長したことが、第III相PHOEBE 試験で示された。中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのBinghe Xu氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表した。  pyrotinibは、EGFR、HER2、HER4を標的とする不可逆的pan-ErbB受容体チロシンキナーゼ阻害薬である。第I/II相試験で、カペシタビンとの併用で転移を有するHER2陽性乳がん患者における臨床的ベネフィットと許容可能な忍容性が確認されている。今回、ラパチニブとカペシタビンとの併用と比較した多施設無作為化非盲検第III相試験であるPHOEBE試験の結果が報告された。

高リスクHER2+乳がんの術後補助療法、T-DM1+ペルツズマブの効果(KAITLIN)/ASCO2020

 高リスクのHER2陽性早期乳がんの術後補助療法で、アントラサイクリン投与後、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)+ペルツズマブは、標準治療であるトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサンに比べて、無浸潤疾患生存期間(IDFS)を延長しなかったことが、第III相無作為化非盲検試験であるKAITLIN試験で示された。ドイツ・ミュンヘン大学のNadia Harbeck氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表した。

veliparib、gBRCA変異のないBRCA-like型TN乳がんでPFS改善(SWOG S1416)/ASCO2020

 転移を有するトリプルネガティブ(TN)乳がんで、生殖細胞系列BRCA遺伝子(gBRCA)変異はないが、相同組み換え修復不全(HRD)スコアや体細胞系列BRCA1/2変異などの分析でBRCA-like型に分類された患者に対し、PARP阻害薬veliparibをシスプラチンに追加することで無増悪生存期間(PFS)が延長したことが、第II相SWOG S1416試験で示された。米国・University of Kansas Medical CenterのPriyanka Sharma氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表した。