
心不全バイオマーカーのなかで最も重要かつ日常診療における診断、予後予測、治療効果判定に用いられるBNP/NT-proBNP。近年増加している左室駆出率の保持された心不全(HFpEF) にもBNP/NT-proBNPが重要な意味を持つことから、2023年には「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント」の改訂版が公表されました。また、「2025年改訂版心不全診療ガイドライン」でも、バイオマーカーの項で大きく取り上げられ、その活用度はさらに増していくことでしょう。そこで、BNP/NT-proBNP測定における実臨床で感じる疑問について、信州大学の桑原 宏一郎氏が解説します。