サン・アントニオ乳癌シンポジウム2012 〔会員聴講レポート〕

公開日:2013/01/17

2012年12月4日から8日まで米国テキサス州サン・アントニオにて第35回サン・アントニオ乳癌シンポジウム2012が開催された。

ケアネットでは、幅広く、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネット会員の現役ドクターによるシンポジウム聴講レポートを企画した。乳がん診療に携わる医療者の先生方に、現在そして今後の乳癌診療トレンドを紹介する。

レポーター

矢形 寛 ( やがた ひろし ) 氏埼玉医科大学 総合医療センター ブレストケア科 教授

2012年第35回サン・アントニオ乳癌シンポジウムは、12月4日(火)から8日(土)の5日間の会期で行われた。ここ数年は会期中いつも寒くコートが必要であったが、今年はとても暖かく日中は半袖でも過ごせるくらいの陽気であり、とても過ごしやすい天候であった。会期後は急に寒くなったと聞いている。

初日の午後は教育的なレクチャーがあり、実際の演題発表は2日目からであった。また最終日の午前中は学会内容の総括であった。ここでは、分子生物学的な話題を最新の報告をもとにわかりやすくまとめていたが、逆に臨床的な話題の要約としては物足りないものであった。時間的な制約があったからかもしれない。演題は非常に多彩であり、分子生物学的手法を用いた予後因子、効果予測因子の検討やさまざまな分子標的療法、癌幹細胞、マイクロRNAの話題なども多くみられた。ここでは臨床に関わるものからピックアップして報告したい。

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