疫学(予後)|page:4

小児救急における急性下痢症状へのプロバイオティクス乳酸菌の効果

 アメリカのNixon氏らによって、小児救急における急性感染性下痢症状の罹患期間を減らすことを目的として、プロバイオティクス乳酸菌(ラクトバチルスGG;LGG)の有用性が検討された。その結果、LGGは2日以上下痢症状を呈する患児の罹患期間を短縮する可能性が示唆された。Pediatr Emerg Care誌2012年10月号の報告。

初回エピソード統合失調症患者、長期予後予測に新基準!

 統合失調症治療においては、初回エピソードでの治療が長期予後に影響を与える。そのため、初回エピソード統合失調症患者では早期改善を目指したより良い治療が求められる。ドイツ Schennach氏らは、1年間の追跡調査により初回エピソード統合失調症における早期治療反応の予測妥当性を評価し、現在用いられているカットオフ値(2週間で20%改善)による結果と比較した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年9月8日号の報告。

統合失調症患者における持効性注射剤:80文献レビュー

 非定型抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の寛解率や予後に好影響を与えることが期待されている。現在のガイドラインにおいて、抗精神病薬の使用に関する経口およびLAIに対する明確な基準が示唆されている。Rossi氏らはLAIの治療を受けた統合失調症患者における人口統計学的・臨床的特徴の典型的なプロファイルを明らかにするため、非ランダム化研究の分析による系統的レビューを行った。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年8月21日号の報告。

診断時に過体重だったほうが生存率が高い?!-びまん性大細胞型B細胞リンパ腫におけるレトロスペクティブ研究

 肥満は、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む多くの悪性腫瘍による死亡リスクを増加させる。しかし、NHLのなかで最も多い「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」(DLBCL)において、診断時のbody mass index(BMI)と生存率との関連は不明である。  今回、ワシントン大学のKenneth R. Carson氏らは、米国退役軍人におけるレトロスペクティブ・コホート研究により、DLBCL診断時に過体重や肥満であった患者のほうが正常体重の患者より死亡率が低かったと報告した。Journal of Clinical Oncology誌2012年9月10日号に掲載。

糖尿病に対する積極的な降圧はどの程度のベネフィットをもたらすか ーメタアナリシスよりー

 McBrien氏らは、2型糖尿病に対する積極的な降圧は、脳卒中発症のリスクをわずかに減少させることができるが、死亡リスク、心筋梗塞発症リスクを減少させられないことを、無作為化比較試験のメタアナリシスより示した。Arch Intern Med誌に発表されたこの解析結果は、8月6日よりONLINE FIRSTとして公開されている。

アジアの救急隊員 はPTSD発症リスクが高い!

常に危険と隣り合わせの現場で働く人々にとって心的外傷後ストレス症候群(PTSD)は大きな問題となる。Berger氏らはレスキュー隊員におけるPTSD有病率と発症に影響を与える要因をシステマティックレビューおよびメタ解析にて検討し、「アジアの救急隊員やレスキュー隊員はPTSDの発症リスクが高い可能性がある」ことを報告した。Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol誌2012年6月号掲載(オンライン版2012年6月18日号)。

抗血小板薬の投与期間と超遅発型ステント血栓症の発症:J-Cypher

現在、薬剤溶出ステント(DES)留置後のデュアル抗血小板療法(DAPT)が超遅発型ステント血栓症(VLST)を減少させるというエビデンスは明らかに欠如している。しかし、臨床現場ではVLST発症を懸念し、DES留置後1年以上にわたりDAPT療法が広く行われている。この点に関して、京都大学の木村氏らは、J-Cypherステントレジストリの解析結果を発表した。その発表によると、シロリムス溶出ステント(SES)留置後1年を超えたチエノピリジンの長期使用は、VLSTリスクや、死亡、心筋梗塞または脳卒中を含む重篤な心血管イベントリスクの減少と有意な関連性を認めなかった。Cardiovasc Interv Ther誌オンライン版6月14日号掲載。

レミフェンタニルの使用は脳腫瘍切除または直腸がんの術後早期アウトカムに影響するか?

 レミフェンタニル(商品名:アルチバ)は脳神経外科麻酔にとって重要な特徴があるが、術後回復と死亡率に及ぼす影響に関するデータが不足している。そこで、東京大学の内田氏らは、2007年のDPCデータを用いて、術後の院内死亡率や入院期間に対するレミフェンタニルの効果を検討した結果を、Journal of anesthesia誌オンライン版に5月4日に報告した。

「症状出現」からの時間 と 「来院」からの時間。 臨床転帰に与える影響は?: CREDO-Kyoto

直接的経皮的冠動脈インターベンション(Primary PCI)は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の治療において中心的な役割を果たし、「症状出現」や「来院」からバルーン拡張までを短時間で行うことが米国や欧州のガイドラインで推奨されている。しかし、これまで、「来院」からの時間の短縮化に関しては、否定的な結果も報告されてきた。

ベアメタルステント留置後の超遅発性ステント血栓症の原因は? :小倉記念病院

これまでベアメタルステント(BMS)留置後にvery late stent thrombosis(VLST)が発生する病態生理学的なメカニズムは明らかになっていなかった。小倉記念病院の山地氏らは、明らかなステント血栓症を有するBMS留置102例の解析により、留置後3年超のVLSTの原因として、ステント内新アテローム性動脈硬化の破裂が、重要な役割を果たしている可能性があることをCirc Cardiovasc Interv誌2012年2月号にて報告した。

血管疾患の低リスク例に対するスタチンによるLDLコレステロール低下の効果:17万超患者データのメタ解析

27の無作為化試験の個々データをメタ解析した結果、スタチンによる治療は、血管疾患の低リスク例でも、ベネフィットが大きいことが、Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboratorsにより発表された。5年主要血管イベント発症リスクが10%未満の患者において、LDLコレステロール1 mmol / Lの低下は、5年間で1,000人あたり約11人の主要血管イベントの絶対的減少を招き、この利益は、スタチン療法の危険性を超えているとされた。現在のガイドラインは、概して、血管イベントリスクの低い患者は、LDL低下療法に適しているとはされていないが、研究グループは「今回の報告は、これらのガイドラインに再考の必要性があることを示唆している」と主張した。