医療一般|page:149

アレクチニブ、ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法に承認/中外

 中外製薬は2024年8月28日、ALK阻害薬アレクチニブ(商品名:アレセンサ)について、「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」に対する適応追加承認を取得したと発表。  今回の承認はIB期(腫瘍径4cm以上)~IIIA期(UICC/AJCC 第7版)のALK陽性完全切除非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に実施されたグローバル第III相臨床試験であるALINA試験の成績に基づいている。同試験において、アレクチニブはプラチナベースの化学療法と比較して、対象患者の再発または死亡リスクを76%低下させた。

高身長とがんリスク~東アジア人での関連

 身長とがんリスクの関連が示唆されているが、ほとんどの研究は欧米人を対象としておりアジア人を対象とした研究は少ない。今回、中国・Fudan UniversityのYougen Wu氏らが中国人の前向きコホートで解析したところ、高身長ががん全体、肺がん、食道がん、乳がん、子宮頸がんのリスクと有意に関連していた。さらに、中国・日本・韓国のデータを用いたメンデルランダム化解析により、高身長が肺がんおよび胃がんのリスク因子である可能性が示唆された。Cancer Epidemiology誌2024年10月号に掲載。

アートやクラフトの制作は心の健康に良い影響を与える

 絵画や彫刻、陶芸のような創造的・創作的な趣味は、心の健康を維持するという点では仕事と同等以上の効果を持つ可能性のあることが、英国の新たな研究で明らかになった。論文の筆頭著者である英アングリア・ラスキン大学のHelen Keyes氏は、「クラフト制作やアーティスティックな活動は、人々の人生に対する価値観を予測する上で有意に影響することが示された」と述べている。この研究の詳細は、「Frontiers in Public Health」に8月16日掲載された。  この研究では、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省が毎年実施している調査「Taking Part Survey」への2019〜2020年の参加者7,182人のデータが解析された。調査参加者は年齢、性別、居住地の郵便番号(重複剥奪指標〔IMD〕を調べるため)、健康状態、雇用状況などのほか、過去12カ月間に絵画やドローイング、彫刻、写真撮影、刺繍、パソコンでの音楽やアートの制作、陶芸などのアートやクラフトの制作(creating arts and crafting;CAC)を行ったか否かを尋ねられていた。また、4つの質問で構成された評価尺度により主観的なウェルビーイング(人生に対する満足度・価値観、幸福感、不安)、1項目の質問により孤独感の評価が行われていた。

新クラスの抗菌薬、「人喰いバクテリア」にも有効か

 新たな抗菌性化合物により、マウスに感染した化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)を効果的に除去できることを示した研究成果が報告された。S. pyogenesは「人喰いバクテリア(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)」の主な原因菌であり、この細菌による感染症により毎年50万人が死亡している。研究グループは、「この化合物は、薬剤耐性菌との闘いにおいて貴重な存在となり得る、新規クラスの抗菌薬の第1号となる可能性がある」と述べている。米セントルイス・ワシントン大学医学部分子微生物学分野のScott Hultgren氏らによるこの研究結果は、「Science Advances」に8月2日掲載された。

限界に近いトレーニングは筋肥大に有効?

 ウェイトリフティングをする人の間で人気のあるトレーニングは、「training to failure(失敗するまでトレーニングする)」、つまり、エクササイズでそれ以上おもり(ウェイト)を持ち上げられなくなるまでレップ(動作の反復の1回が1レップ)を繰り返す方法である。このトレーニング方法は、筋肉を大きくするのには役立つが、筋力の増強にとっては限界までやるかやらないかは関係しない可能性のあることが新たな研究で明らかになった。米フロリダ・アトランティック大学(FAU)生体医科学部(Charles E. Schmidt College of Biomedical Sciences)のMichael Zourdos氏らによるこの研究の詳細は、「Sports Medicine」に7月6日掲載された。

マイナ保険証にまだ不安があると回答した人は約半数/アイスタット

 マイナンバーカード(マイナカード)の活用場面が日々拡大している。最近では、役所の窓口だけでなく、医療機関や薬局でも健康保険証とマイナカードが一体化された「マイナ保険証」の利用も増えている。とくにマイナ保険証では、所持者の同意があれば診療・薬剤情報が提供されることもあり、今後、全国のどこの医療機関であってもそれらを基に正確な診療ができ、医療費控除の簡便化できるなどのメリットが期待されている。その一方で、個人情報の流出や情報の悪用、デジタル機器の操作に慣れていない高齢者への対策など課題もある。  そこでアイスタットは、「マイナ保険証に関するアンケート」を8月に行った。

BPSD治療における第2世代抗精神病薬5剤の比較~ネットワークメタ解析

 認知症患者で頻繁にみられる認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療において、第2世代抗精神病薬(SGA)がよく用いられるが、その相対的な有効性および忍容性は明らかになっていない。中国・四川大学のWenqi Lu氏らは、BPSDに対する5つのSGAの有効性、許容性、忍容性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。BMJ Mental Health誌2024年7月30日号の報告。  標準平均差(SMD)を用いて、連続アウトカムの固定効果をプールした。カテゴリ変数に対応したオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。有効性の定義は、標準化された尺度によるスコア改善とした。許容性は、すべての原因による脱落率とし、忍容性は、有害事象による中止率と定義した。相対的な治療順位は、SUCRAにより評価した。有害事象アウトカムには、死亡率、脳血管有害事象、転倒、過鎮静、錐体外路症状、排尿症状を含めた。

うつ病や双極症、季節性と日光曝露は初回使用の診断や薬剤使用量に影響するのか

 うつ病や双極症の季節性は、ICD-10/11やDSM-Vにおいても認識されている。デンマーク・Mental Health Services Capital RegionのCarlo Volf氏らは、デンマーク国内におけるうつ病および双極症の診断や抗うつ薬の初回処方パターンに対する季節性の影響を評価した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2024年7月24日号の報告。  デンマーク患者登録(Danish National Patient Registry)より、1999~2019年にうつ病または双極症と初めて診断された患者の日付と年を検索した。疾患の定義には、うつ病はICD-10 F32-F33、双極症はF30またはF31を用いた。1999~2021年の抗うつ薬処方(ATC分類:N06A)の初めての購入の日付と年は、1995年以降に薬局で調剤されたすべての処方薬に関する情報を含む処方登録(Danish National Prescription Registry)から収集した。2012~21年の日照時間に関するデータは、デンマーク気象研究所より入手した。

ワルファリン時代vs.DOAC時代、日本の実臨床でのVTE長期転帰

 静脈血栓塞栓症(VTE)に対し、実臨床で直接経口抗凝固薬(DOAC)が使用されるようになって以降、ワルファリン時代と比較した長期転帰には実際どのような変化があるのだろうか。京都大学の金田 和久氏らは、急性の症候性VTE患者を対象とした多施設共同観察研究COMMAND VTE Registryから、ワルファリン時代とDOAC時代のデータを比較し、結果をJournal of the American College of Cardiology誌2024年8月6日号に報告した。  本研究では、COMMAND VTE Registryから、ワルファリン時代(2010~14年)の連続3,027症例(29施設)を登録したレジストリ1と、DOAC時代(2015~20年)の連続5,197症例(31施設)を登録したレジストリ2のデータが用いられた。

医師偏在に対する6項目の考え方/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、定例会見を開催し、「医師偏在に対する日本医師会の考え方」について、過去の地域医療との医師会の取り組みや実績を辿りつつ、今後の医師偏在への医師会の取り組みについて、その考え方を説明した。  会見では松本会長が、日本医師会は、地域のかかりつけ医として自院の診療や在宅診療以外に「地域の時間外・救急対応」、「行政・医師会等の公益活動」、「地域保健・公衆衛生活動」「多職種連携(訪問診療などの在宅医療ネットワークへの参画など)」、「その他(看護師・准看護師養成所、種々の診断書の作成など)」の活動を地域と連携して行い、住民の健康を守るため、それぞれの地域を面として支えてきたことを説明した。

主食・主菜・副菜をとる頻度と栄養素摂取量の関係

 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をとる頻度が、さまざまな栄養素の習慣的な摂取量とどのように関係するかを詳細に調べる研究が行われた。その結果、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度は栄養素摂取量の適切さと関連し、その頻度が低いほど、たんぱく質やビタミンなど、いくつかの栄養素の摂取量が低いこと、習慣的な摂取状況が不足の可能性の高い栄養素の数が多いことが示された。神戸学院大学栄養学部の鳴海愛子氏らによる研究であり、「Nutrients」に5月26日掲載された。

食育プログラムが子どもと大人の孤独を改善

 地域における多世代を対象とした食育プログラムを実施した結果、参加した子どもと大人の孤独感に対して肯定的な影響が認められ、食育が孤独を改善する手段として有効である可能性が示唆された。昭和女子大学大学院生活機構研究科の黒谷佳代氏らが行った研究の成果であり、「Nutrients」に5月28日掲載された。  孤独対策では、人と人との「つながり」を実感できる地域作りが重要である。つながりを感じられる場所を確保する手段の一つとして、日本では食育が推進されている。例えば、子ども食堂は地域の子どもたちと大人が一緒に食事をすることができ、多世代が集うコミュニケーションの場所となっている。しかし、地域における多世代を対象とした食育について、その効果をまとめた研究報告は少ない。

コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスク~メタ解析

 コーヒー、紅茶、カフェイン摂取と認知症およびアルツハイマー病リスクとの関連性は、限定的で相反する結果が示されている。中国・汕頭大学のFengjuan Li氏らは、これらの関連性を明らかにするため、潜在的な用量反応関係を定量化することを目指し、メタ解析を実施した。Food & Function誌2024年8月12日号の報告。  2024年6月11日までの公表されたコホート研究を、PubMed、EMBASE、Web of Scienceより検索した。ランダム効果モデルを用いて、プールされた相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。用量反応関係の評価には、制限付き3次スプラインを用いた。バイアスリスクの評価には、GRADE(Grading of Recommendations Assessment Development and Evaluation)ツールを用いた。

早老症の寿命延長に寄与する治療薬ロナファルニブ発売/アンジェス

 アンジェスは、小児早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)とプロセシング不全性プロジェロイド・ラミノパチー(PDPL)の治療薬であるロナファルニブ(商品名:ゾキンヴィ)の発売に伴い、都内でプレスセミナーを開催した。  HGPSとPDPLは、致死性の遺伝的早老症の希少疾病であり、若い時点から死亡率が加速度的に上昇する疾患。これらの疾患では、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚症状などを来す。  ロナファルニブは、2023年3月に厚生労働省により希少疾病医薬品に指定され、2024年1月に国内製造販売承認を取得、同年4月に薬価基準に収載され、同年5月27日に発売された。

モデルナのJN.1対応コロナワクチン、一変承認を取得

 モデルナは2024年8月23日付のプレスリリースにて、オミクロン株JN.1に対応する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「スパイクバックス筋注(1価:オミクロン株JN.1)」の承認事項の一部変更承認を厚生労働省より取得したことを発表した。  厚生労働省は2024年5月に、2024/2025秋冬シーズンの定期接種に使用する新型コロナワクチンの製造株として、JN.1系統および下位系統に中和抗体を誘導する抗原を採用することを決定していた。このガイダンスは、世界保健機関(WHO)のTAG-CO-VACの勧告と一致している。

成人のうつ病や不安症と関連する幼少期の要因とは

 うつ病および不安症の発症率について、子宮内・周産期・幼児期の発達段階における5つの人生早期の因子(母乳育児、出産前後の母親の喫煙、出生体重、多児出産、養子縁組)との長期的な関連性を明らかにするため、中国・Medical College of Soochow UniversityのRuirui Wang氏らが40~69歳の成人を対象に調査を行った。Translational Psychiatry誌2024年7月20日号の報告。  UK Biobankのデータを用いて、2006~10年に40~69歳の50万2,394例を募集した。ベースライン時にタッチスクリーンアンケートまたは口頭でのインタビューを通じて、参加者より幼少期の情報を収集した。主要アウトカムは、うつ病および不安症の発症とした(ICD-10に従って定義)。各因子のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。

高K血症によるRA系阻害薬の中止率が低い糖尿病治療薬は?

 高血圧治療中の2型糖尿病患者が高カリウム(K)血症になった場合、レニン-アンジオテンシン系阻害薬(RA系阻害薬)を降圧薬として服用していたら、その使用を控えざるを得ない。最近の報告によれば、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は尿中カリウム排泄を増加させ、高K血症のリスクを軽減させる可能性があることが示唆されている。今回、中国・北京大学のTao Huang氏らは2型糖尿病患者の治療において、GLP-1RAは高K血症の発生率が低く、DPP-4阻害薬と比較してRA系阻害薬が継続できることを示唆した。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2024年8月12日号掲載の報告。

ADHDや境界性パーソナリティ障害に対するシンバイオティクスの有効性〜basket試験

 注意欠如多動症(ADHD)およびまたは境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者では、易怒性により予後が悪化し、死亡率上昇を来す可能性がある。しかし、その治療選択肢は、不十分である。近年、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスは、医療のさまざまな領域で注目されている。スペイン・Hospital Universitari Vall dHebronのGara Arteaga-Henriquez氏らは、ADHDまたはBPD患者の易怒性レベルに対するシンバイオティスクの有効性を評価するため、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。Brain, Behavior, and Immunity誌2024年8月号の報告。  本試験は、2019年2月〜2020年10月、ハンガリー、スペイン、ドイツの臨床センター3施設で実施した。対象は、ADHDおよびまたはBPDと診断され、易怒性レベルの高い18〜65歳の患者。易怒性レベルが高い患者の定義は、Affectivity Reactivity Index(ARI-S)5以上かつ臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコア4以上とした。対象患者は、シンバイオティクス群とプラセボ群にランダムに割り付けられ、10週間連続で毎日投与を行った。主要アウトカムは、治療終了時の治療反応とした。治療反応の定義は、ベースライン時と比較し10週目のARI-Sスコア30%以上減少かつ臨床全般印象度-改善度(CGI-I)総スコアが3未満(very muchまたはmuch)とした。両群間の副次的アウトカムの治療差および安全性も評価した。