H.pylori、祖母の感染もリスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/02

 

 子どものヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染は、母だけでなく、祖母の感染も有意なリスク因子となることが、東邦大学医療センター大森病院 総合診療・急病センターの瓜田 純久氏らの研究により明らかになった。この研究結果により、3世代同居世帯のH.pylori感染拡大に関わる重要な感染経路が解明されたと考えられる。
Journal of paediatrics and child health誌2013年5月号(オンライン版2013年4月5日号)の報告。

 H.pyloriの有病率は年齢とともに増加している。主な感染時期は幼年期であるが、感染経路はいまだ明らかになっていない。本研究では、子どもと祖父母のH.pylori有病率の関連について評価した。

 対象は、瓜田クリニックを受診し、血液を採取した子ども838人(平均12.4歳、男児449人、女児389人)。同居家族(父親448人、母親597人、祖父205人、祖母361人、兄弟姉妹589人)の血液を採取し、H.pylori感染の家族構成別クラスター分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

H.pylori陽性である子どもの母親、祖母、兄弟姉妹のH.pylori陽性率は、H.pylori陰性の子どものそれに比べて有意に高かった。
・母親と祖母のH.pylori感染は、子どものH.pylori感染の際立ったリスク因子であった。
・大家族であることは、H.pylori感染のリスク因子ではなかった。
・父や祖父のH.pylori感染は、子どものH.pylori感染の独立した予測因子ではなかった。

(ケアネット 武田 真貴子)