日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/06/18 統合失調症患者に対する抗精神病薬の大量投与や多剤併用は認知機能に影響を与えると考えられる。産業医科大学の堀氏らは、日本人統合失調症患者において抗精神病薬が認知機能に与える影響を検討した。Int J Psychiatry Clin Pract誌2012年6月号掲載。日本人慢性期統合失調症患者136例を対象に、第二世代抗精神病薬(SGA)のみを服用している患者(SGA単剤群)と2種類以上の抗精神病薬を服用している患者(多剤併用群)の認知機能を比較し、検証した。認知機能は統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を用いて評価した。主な結果は以下のとおり。 ・全症例において、BACS-J総合スコアと抗精神病薬のクロルプロマジン換算量との間に有意な負の相関が認められた(r= -0.43、p<0.001)。・多剤併用群ではSGA単剤群と比較し、BACS-J総合スコアが低いことが示された。・多剤併用群において、第一世代抗精神病薬(FGA)とSGAを併用した患者と2種類のSGAを併用した患者の間にはBACS-J総合スコアおよび各項目の主なスコアに差は認められなかった。・日本人慢性期統合失調症患者において、FGA、SGAに関わらず抗精神病薬の大量投与は認知機能悪化の要因となることが示唆された。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・日本おける抗精神病薬の用量はアジア各国と比較し、まだ多い―REAP調査― ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・「再発予防」がポイント! 精神疾患の治療目標を考える 原著論文はこちら Hori H, et al. Int J Psychiatry Clin Pract. 2012; 16: 138-142 . 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性心筋梗塞に多枝冠動脈疾患を合併する患者を対象に、完全血行再建と責任病変のみの治療を比較した患者レベルのメタ解析が、Lancet誌に報告されました。(解説:山地杏平氏)(2025/12/29) 「かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版)」改訂のポイント(2025/12/29) 連休中に健康的な生活習慣を維持する秘訣(2025/12/29) 月1回の注射で重症喘息患者の経口ステロイド薬が不要に?(2025/12/29) 男性のビール腹は心不全リスクの可能性(2025/12/29) ワクチン接種率の低下により世界で麻疹患者が急増(2025/12/29) 大手術後の老年症候群発症は転帰を悪化させる(2025/12/29) 多発性硬化症と口腔内細菌の意外な関係、最新研究が示す病態理解の可能性(2025/12/29)