関節リウマチ治療薬 ゴリムマブ(商品名:シンポニー)

提供元:ケアネット

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公開日:2011/08/16

 

2011年7月、既存治療効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)を適応症とした関節リウマチ治療薬ゴリムマブ(商品名:シンポニー)の製造販売が承認された。

関節リウマチの現状と課題
関節リウマチ(RA)は、関節に炎症が起き、骨破壊が進行し、関節の変形や機能障害をきたす疾患で、わが国の患者数は約60~70万人といわれている1)

RAの発症原因は、他のリウマチ性疾患と同様、明確になっておらず、根治治療はまだ存在していない。しかし近年、TNFαを始めとする炎症性サイトカインや、T細胞、B細胞が関節炎症の発症に深く関わっていることが明らかとなり、それらをターゲットとした治療薬の開発や臨床応用が始まるなど、パラダイムシフトが訪れた。

投与間隔は4週間、単剤でも効果を発揮
ゴリムマブはヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤であり、皮下注射のプレフィルドシリンジ製剤である。投与は4週間に1回で、MTXとの併用だけでなく、単剤でも効果を発揮する。ただし、単剤使用時の用量はメトトレキサート(MTX)併用時の2倍の用量(100mg)となる。ゴリムマブの副作用は従来のTNFα阻害薬と大きな違いはなく、主なものとしては、感染症や注射部位反応などがある。

ゴリムマブの治療効果
国内第II/III相二重盲検比較試験(MTX併用)において2),3)、投与24週目のACR20%改善率は、ゴリムマブ50mg+MTX併用群で70.9%と、プラセボ+MTX投与群の33.0%より有意に高かった。また、投与52週目における総シャープスコアのベースラインからの変化量(中央値)は、プラセボ+MTX投与群の0.53に対し、ゴリムマブ50mg+MTX併用群で0となり、関節破壊の進行が抑制された。

国内第II/III相二重盲検比較試験(単剤投与試験)において4),5)、投与24週目のACR20%改善率は、プラセボ投与群の17.1%に比べ、ゴリムマブ100mg投与群で69.6%と有意に高かった。また、投与52週目における総シャープスコアのベースラインからの変化量(中央値)は、プラセボ投与群2.17に対し、ゴリムマブ100mg投与群で0と有意に少なかった。

市販後全例調査を自主的に実施
ゴリムマブは、わが国で6番目の承認となる関節リウマチを適応症とする生物学的製剤であるが、先に承認された5剤と異なり、全例調査が義務付けられていない*。ただし、製造販売元のヤンセンファーマ株式会社は、販売パートナーである発売元の田辺三菱製薬株式会社とともに市販後に「自主的な全例調査」として、納入施設に対して本剤処方患者の情報収集を行うとしている。

*承認条件:適切な製造販売後調査を実施し、本剤の安全性について十分に検討するとともに、感染症等の発現を含めた長期投与時の安全性および有効性について検討すること。

まとめ
ゴリムマブは日本人を対象とした臨床試験で、優れた症状改善や関節破壊抑制、身体機能改善効果などを示した。加えて、4週間に1回という投与間隔の長さや、皮下注射が可能という点から、ゴリムマブは関節リウマチ患者に大きなメリットをもたらすと期待されている。

 

原著論文はこちら

1)関節リウマチの診療マニュアル(改訂版),2004年.財団法人日本リウマチ財団

2)本川英範, ほか.国内第II/III相臨床試験成績24週(JNS012-JPN-03) (ヤンセンファーマ株式会社社内資料)