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余分な体重を落とし、その体重を維持することは健康増進につながるが、男性では、減量により精子数も増加する可能性のあることが、新たな研究で明らかにされた。コペンハーゲン大学(デンマーク)教授のSigne S. Torekov氏らが実施したこの研究結果は、「Human Reproduction」に5月17日掲載された。
肥満は精子の質の低下と関連することが、過去の研究で報告されている。そこでTorekov氏らは今回、減量によって精子濃度や運動率などの精液のパラメーターの改善が可能であるのか否かを検討した。対象としたBMI32〜43で18〜65歳の男性56人には、まず低カロリー(1日800kcal)の食事療法を8週間続けてもらった。その後、対象者をランダムに4群に割り付けて、維持期間として52週間にわたり以下のいずれかを実施してもらった。第1群は、週150分以上の中等度の有酸素運動、または週75分以上の高強度の有酸素運動を実施、第2群は、リラグルチド(減量目的でも使用される糖尿病薬)を1日当たり3mg服用、第3群はその両方を実施し、第4群はいずれも実施しなかった。運動を伴う介入を行う群には、モチベーションを維持するためのクラスも提供された。
56人中47人が8週間の食事療法を完了した。これらの人の平均年齢は41歳(20〜63歳)、研究開始時のBMIは平均37.0±2.8だったが、食事療法により8週間後には体重が平均16.5kg減り、BMIは平均32.0±2.9に低下した。研究開始時と食事療法終了後に採取した精液を比較したところ、食事療法終了後には平均で精子濃度が1.49倍に、精子数は1.41倍に増加していることが明らかになった。52週間後の精液の評価では、運動と薬剤のいずれかまたはその両方によって減量を維持していた約半数の対象者で、精子濃度も精子数も高い状態が維持されていた。しかし、再び体重が増加した男性では、精子の質が維持されていなかった。
Torekov氏は、「体重を落としてそれを維持することが、精子数の増加に大きな影響を及ぼすようだ」と述べている。ただし今回の研究では、対象者が不妊症の既往歴を持っていたのかや、減量により妊孕性が改善されたのかについては明らかにされていない。それでも同氏は、「精子数が多いほど妊娠に至るのも早いことが過去の研究で示されていることを考えると、この知見は、生殖能力という点においては良いニュースだと言える」と述べている。
この研究結果をレビューした、米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスの泌尿器科医であるBobby Najari氏は、「減量により短期間でこれほど精子数が上昇したことは、非常に印象的だった。実際に、このレベルの減量に成功してそれを維持できる男性がどれほどいるかは分からないが、重要なポイントは、食事と運動により余分な体重を落とすことが妊娠計画に関わってくるということだ」と指摘する。
体重が精子の質に影響する理由については、完全には解明されていないが、Najari氏は、「過剰な脂肪組織がホルモンに作用している可能性が高い」と説明する。同氏は、「正確な機序がどうであれ、今回の知見から、肥満が精子に及ぼす悪影響は永続的なものではなく、食事や運動によって改善できることが示唆された」と述べ、妊活を始めて6カ月経っても相手が妊娠しない肥満の男性は、精液検査を受けるよう勧めている。
[2022年5月26日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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