シムビコートの初のジェネリック医薬品を米FDAが承認

米食品医薬品局(FDA)は3月15日、吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤であるシムビコート(一般名ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物;以下、ブデソニド・ホルモテロール)の初の後発医薬品(ジェネリック医薬品)を承認したことを発表した。適応は、6歳以上の喘息と、慢性気管支炎および/または肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)の維持療法である。FDAは、急性喘息発作の治療薬として本医薬品を使用することはできないとしている。
米国立心肺血液研究所(NHLBI)によると、米国では約2500万人が喘息を患い、このうちの500万人以上を小児が占めている。また、COPD患者の数も1600万人以上に上るという。
ブデソニド・ホルモテロールは定量噴霧式吸入器(MDI)を用いた製剤で、炎症を軽減するコルチコステロイドのブデソニドと、気管支の筋肉の緊張を和らげて呼吸を改善する長時間作用型気管支拡張薬のホルモテロールの両方を含んでいる。1日2回、通常は朝と夜に、約12時間の間隔を空けて吸入する。ブデソニド・ホルモテロールの用量としては、80/4.5μgと160/4.5μgの2種類がある。
ブデソニド・ホルモテロールについて頻繁に報告される副作用は、喘息患者では上咽頭炎、頭痛、上気道感染症、咽喉頭痛、副鼻腔炎、インフルエンザ、腰痛、鼻づまり、胃の不快感、嘔吐、口腔カンジダ症であり、COPD患者では、鼻咽頭炎、口腔カンジダ症、気管支炎、副鼻腔炎、上気道感染症などである。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のジェネリック医薬品局長であるSally Choe氏は、「今回、喘息およびCOPDの治療において最もよく処方されている、医薬品と医療デバイスを組み合わせた製品の初めてのジェネリック医薬品が承認された。これは、このような薬剤のジェネリック医薬品を市場に参入させることで、患者の生活の質(QOL)の向上や医療費の削減を図るFDAの取り組みが一歩前進したことを意味する。また、今回の承認は、市場の競争力を強化することで、高品質で安全かつ効果的で安価な医薬品を患者と消費者に提供しようとするFDAのたゆまぬ努力を反映するものでもある」と述べている。
なお、ブデソニド・ホルモテロールのジェネリック医薬品の承認は、Mylan Pharmaceuticals社に対して与えられた。
[2022年4月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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