シフト勤務で更年期が遅れる可能性

提供元:HealthDay News

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公開日:2022/05/05

 

 シフト勤務を経験したことのある女性は、更年期の始まりが遅れる可能性があるようだ。ヨーク大学(カナダ)のDurdana Khan氏らは、シフト勤務と更年期の開始の遅れとの間に関連が認められたとする解析結果を、「Menopause」に3月25日報告した。Khan氏らは、シフト勤務が概日リズム(体内時計)に影響を及ぼし、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を変化させている可能性があるとの見方を示している。

 女性が閉経を迎える平均年齢は52歳とされている。早期閉経は骨粗鬆症や心疾患といったさまざまな健康上のリスクを高める可能性があるのに対して、遅い閉経はいくつかの種類のがんリスクの上昇に関連付けられている。また、夜間に人工の光に当たる時間が長過ぎるなどして女性の体内時計が乱れると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、排卵や生殖機能に影響する可能性が複数の研究で示唆されている。さらにKhan氏は、労働者が肥満または過体重であるか、喫煙者であるかなどの社会人口学的要因も、更年期の始まりに影響を与え得ると説明している。

 今回の研究でKhan氏らは、カナダの加齢に関する長期研究に参加した3,688人のデータを解析。これらの女性たちは全員、研究開始時には閉経前であり、3年にわたって追跡調査されていた。

 対象者全体の約20%に、夕方あるいは夜間の勤務、ローテーション制の勤務、不定期またはオンコールによる勤務といったシフト勤務の経験があった。Khan氏らによると、この割合は、北米や欧州における労働者の実態に一致しているという。全体として、シフト勤務の経験がある女性では、日中に仕事に従事している女性に比べて、更年期開始の遅れと関連することが明らかになった(ハザード比0.77)。特に、現職または最も長く従事した仕事がローテーション制のシフト勤務だった女性では、更年期開始の遅れとの関連が強かった(ハザード比は同順に0.64、0.65)。

 Khan氏は、「どんな社会であれ、どの地域であれ、シフト勤務がなければ社会が成り立たないことは周知の事実だ。シフト勤務はあらゆる場面で必要とされている。しかし、シフト勤務が労働者の健康に与える影響を看過すべきではない。シフト勤務をしている女性は、この勤務形態が自身の健康に及ぼす影響を認識するべきだ」と話す。

 またKhan氏は、「今回の研究では、交代制のシフト勤務のタイプやローテーションの方向、夜勤の連続回数、休暇日数などに関するデータが得られなかった。したがって、今後の研究では、今回検討できなかったこれらの重要な側面に焦点を合わせるべきだろう」と述べている。また同氏は今後の研究で、母乳育児や初経などの生殖に関わる因子も含めて検討することを提言している。

 北米閉経学会(NAMS)メディカル・ディレクターで、米メイヨー・クリニック女性健康センターのStephanie Faubion氏は、「更年期の開始の変化が概日リズムの変化に直接影響を与えているのか、あるいは慢性的なストレスや経済的な不安定さ、物質使用や乱用といった他の社会人口学的要因が関係しているのかに関しては、さらなる研究によって明らかにされるかもしれない」と述べている。

[2022年3月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら