5~11歳へのファイザーワクチン、リアルワールドで安全性を確認

提供元:HealthDay News

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公開日:2022/01/18

 

 5~11歳の小児へのファイザー-BioNTech社製、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの安全性を、リアルワールドデータで検討した結果が、米疾病対策センター(CDC)発行「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」12月31日号に掲載された。約870万回の接種後の副反応報告に基づき、安全上の大きな懸念はないと結論付けている。CDCのCOVID-19専門チームに所属するAnne Hause氏らが報告した。

 米食品医薬品局(FDA)は2021年10月29日に、5~11歳の小児への同ワクチンの緊急使用を承認。承認前に行われた、5~11歳の小児3,109人を対象とする臨床試験では、重大な有害事象の発生はなかった。緊急使用承認後の11月3日~12月19日に米国内で約870万回接種されており、Hause氏らはその間の副反応報告を解析した。同氏は、「本研究における安全性の評価結果は、臨床試験で明らかになっていた結果と類似していた」と述べている。

 解析に用いられたのは、主として医療従事者を介した報告データを蓄積している「予防接種後副反応報告システム(VAERS)」、および、COVID-19ワクチン接種後の健康状態を把握するために新たに開発された報告システム「V-safe」。後者は、ワクチン接種を受けた本人や保護者がスマートフォンを用いて報告するシステム。

 VAERSには、11月3日~12月19日に4,249件の報告があり、年齢中央値8歳で、男児が44.6%、女児45.0%、性別不明10.4%だった。これらの報告の大半(97.6%)は深刻なものではなく、注射部位の痛みや一過性の倦怠感、頭痛などだった。Hause氏らは、「ワクチン接種後にはこのような局所的または全身的な副反応が起こり得ることを、保護者に伝えておく必要がある」と語っている。

 深刻な有害事象は非常にまれながら、VAERSに100件の報告が見られた。その100件の年齢中央値は9歳、男児61.0%、女児39.0%だった。最も多い深刻な有害事象は発熱の29件で、続いて嘔吐が21件、心筋炎を示唆するトロポニンの上昇が15件であり、その他に、発疹や痙攣などが報告されていた。死亡は5歳と6歳の女児の2例が報告されていた。いずれもワクチン接種前の健康状態が脆弱だった。ワクチン接種と死亡の因果関係を示すデータは得られなかった。

 一方、V-safeには同期間に4万2,504件の報告があった。このうち2回目の接種後の報告は2万9,899件で、うち1万7,180件(57.5%)が局所反応(主として注射部位の痛み)であり、1万2,223件(40.9%)が全身反応(倦怠感や頭痛など)だった。医療を必要とした割合は報告事例の1.1%であり、入院に至ったのは0.02%だった。

 この結果を基にHause氏は、「COVID-19に罹患した子どもの死亡率は高くはないが、パンデミック以降、米国内で数百人の子どもが亡くなっている。ワクチン接種がそれを防ぐ最も効果的な方法である」と強調している。

 米コーエン小児医療センターのHenry Bernstein氏は、今回の研究報告を、「5~11歳の子どもに対するワクチン接種を明確に支持するものだ」と評価。「ワクチン接種後の子どもの3分の1から2分の1程度に、注射部位の発赤や痛み、発熱、倦怠感、頭痛などが現れる可能性がある。しかしそれらは一般に深刻なものではなく、長く続くものでもない」という。

 なお、これまでにCOVID-19ワクチン接種後の10代や若年成人で、心筋炎のまれな発症が報告されている。今回の報告からは子どもにもまれながら心筋炎が発症することが示され、不安を抱く保護者もいるだろう。この点に関してBernstein氏は、「報告されたデータによれば、ワクチン接種後の子どもが心筋炎を発症する頻度は極めて低く、発症したとしても軽症であり、短期間で軽快する。さらに、ワクチン接種後の心臓発作も見られない」と解説。その上で、「5~11歳の子どもへのワクチン接種を推進すべきだ。それが、子どもたちとその家族がパンデミックを安全に乗り切る最良の方法だ」と助言している。

[2021年12月30日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら