2型糖尿病の子どもの視覚障害リスクは1型の子どもより高い

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/12/31

 

 2型糖尿病の子どもは1型糖尿病の子どもよりも、網膜症リスクが高い可能性を示唆するデータが報告された。米メイヨー・クリニックのPatricia Bai氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Ophthalmology」に12月2日掲載された。

 この研究は、米国ミネソタ州オルムステッド郡の住民の医療記録データを遡及的に解析するという手法で行われた。1970~2019年に同郡に住んでいた人のうち、22歳未満で糖尿病と診断された人が1,362人(95.7%が白人)存在していた。そのうち糖尿病の病型の明確な記録があった606人のうち、525人(86.6%)に少なくとも1回以上の眼科検査が施行されていた。それらの患児は男子が50.3%で、糖尿病診断時の平均年齢は12.1±5.4歳だった。

 糖尿病関連眼疾患は、1型糖尿病患児では461人中147人(31.2%)、2型糖尿病患児では64人中17人(26.6%)に記録されていた。2型糖尿病患児が糖尿病と診断されて15年以内に非増殖網膜症を発症するリスクは、1型糖尿病患児の2倍近く高かった〔ハザード比1.88(95%信頼区間1.13~3.12)、P=0.02〕。

 この結果からBai氏は、「小児糖尿病では病型を特定して、それを患児本人や家族に伝えることが重要と考えられる。そして2型糖尿病であるならこまめに検査を行い、視力を脅かす合併症が起き始めていないか確認すべきだろう」と語っている。

 この研究には留意すべき点もある。それは、2型糖尿病は発症の時期が明確でないという点だ。1型なら発症後の短期間で出現する、頻尿や口渇、倦怠感などの症状が2型ではあまり見られないため、治療開始が遅れてしまいがちだ。「小児2型糖尿病のスクリーニングを徹底することが、成長後の眼合併症抑制につながるのではないか。われわれの研究結果が、小児2型糖尿病の眼合併症予防に焦点を当てた今後の研究の礎になることを期待している」とBai氏は述べている。

 本研究には関与していない米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のJoshua Miller氏は、子どもの2型糖尿病の罹患率上昇が将来的に眼合併症を増やしてしまうのではないかとの懸念を表明している。同氏によると、「小児肥満の増加とともに2型糖尿病の罹患率も上昇している。しかも小児2型糖尿病は発症後、直ちに診断されるとは限らない。5~10年以上たってから診断されることもある」とのことだ。同氏はその間に合併症が進行してしまう可能性を指摘している。

 米ウィルズアイ病院のKammi Gunton氏もMiller氏の意見に同調。「糖尿病網膜症の罹患率の上昇を防ぐには、糖尿病の診断から数年以内の治療が大切だ。その時期の治療が不十分な状態で時間が経過すると、合併症のリスクが高くなる」と解説する。

 子どもの2型糖尿病は歴史的に見れば最近になって出現した疾患であるため、眼科スクリーニング検査をいつから、どの程度の頻度で行うのが最適なのかが、まだ明らかになっていない。この点についてGunton氏は、「1型であれば糖尿病発症の3~5年後から年1回程度の頻度で検査を行うことが多い。一方、2型の場合は、糖尿病と診断した時点から毎年検査する必要がある」と語っている。

[2021年12月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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