糖尿病患者が視力を維持するために

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/12/08

 

 糖尿病のコントロールには困難を伴うことがある。しかし、コントロールを続けることが、自分の視力を維持する鍵だ。

 糖尿病患者の半数以上に糖尿病性網膜症が認められる。糖尿病性網膜症は糖尿病の合併症の一つであり、網膜の血管が障害されて、視力低下や失明につながることがある。11月の糖尿病性眼疾患啓発月間にあわせて米国網膜専門医協会(ASRS)が発信したニュースリリースによると、糖尿病性網膜症は現在、約800万人の米国人に影響を及ぼし、その数は2050年までに2倍になると予想されている。

 一方で、ASRS会長のPhilip Ferrone氏によると、早期診断と治療法の飛躍的な進歩を支える新技術によって、「糖尿病患者が糖尿病性網膜症による深刻な影響を受けなくて良い、新しい時代に入った」とのことだ。ただし同氏は、「注意すべき一般的な危険因子や症状・状態についての認識を深めることが必要であり、全ての糖尿病患者が視力を維持するために必要な情報を身に付けておくべきだ」と、付け加えている。

 糖尿病には1型、2型などのタイプがあるが、どのタイプの糖尿病であっても糖尿病性網膜症を発症するリスクは存在する。また、糖尿病の罹病期間が長ければ長いほどリスクは高くなる。リスクを高めるそのほかの要因として、高血圧、腎臓病、脂質異常症、妊娠などが挙げられる。

 糖尿病性網膜症を発症後も長期間、症状のない状態が続くことが多く、症状が現れた時には、既に網膜に重大な障害が発生している可能性が高い。具体的に注意すべきこととして、物が霞んで見える、歪んで見える、文字を追うのに苦労する、視野に点やゴミのような影が見える、色を区別しにくい、眼圧が高いなどが挙げられ、これらのいずれかが該当する人は、できるだけ早く検査を受けるべきだ。

 糖尿病性網膜症の治療としては、硝子体内(眼球の内部の大半を占めているゼリー状の組織)への注射、レーザー治療、および手術がある。一方、予防法としては、血糖・血圧・血清脂質のコントロールを続ける、適切な体重を維持する、処方された薬を飲み忘れたりしない、タバコを吸わない、運動を続ける、散瞳検査(瞳孔を薬で大きく開いて眼底の隅々までチェックする検査)を定期的に受けるといったことが挙げられる。

 「健康的なライフスタイルを守ることから、定期的に散瞳検査を受けることまで、糖尿病患者が良好な視力を守るためにすべきことやできることは少なくない」とFerrone氏は語っている。

[2021年11月3日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら