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機械学習モデルで人獣共通感染症リスクの高いウイルスを予測

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/11/09

 

 機械学習モデルにより、ウイルスのゲノム配列のみに基づいて、動物からヒトに感染する(人獣共通感染症)可能性のある新たなウイルスを見つけることができる可能性を示した研究結果が報告された。英グラスゴー大学生物多様性研究所のSimon Babayan氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS Biology」に9月28日公開された。

 動物が保有すると推定される約167万種類のウイルスのうち、ヒトにも感染し得るのはほんのわずかである。現状では、動物で新たに発見されたウイルスがヒトにも感染するかどうかを迅速に判断する効果的な方法は開発途上の段階にある。それゆえ、新しく見つかったウイルスのうち、どのウイルスを優先的に調べるべきか、あるいはどのウイルスのアウトブレイクに対して準備しておくべきかを判断することは難しい。

 こうした中、Babayan氏らは、人獣共通感染症の原因となることが判明しているウイルスを含む、36科861種類のRNAまたはDNAウイルスのゲノム配列データを収集した。このデータセットを、それぞれのウイルスのヒトへの感染の有無に関する情報でラベル付けした。その上でこれをトレーニングデータセットとしてモデルに機械学習させた。その結果、ゲノム配列には、ウイルスの分類学的な関連性とは独立した、一般化可能な特徴があり、それがヒトに適応、すなわちヒトへの感染を可能にさせている可能性のあることが明らかになった。

 次に、ゲノム配列から割り出した特徴により、ヒトに感染する可能性のあるウイルスを予測できるかどうかを、645種類の動物由来のウイルスから成る別のデータセットを用いて検証した。その結果、このモデルは272種類を人獣共通感染症の「高リスク」ウイルス、41種類を「非常に高リスク」ウイルスと判定した。

 研究グループは、このモデルを用いて新型コロナウイルスについても検討した。その結果、このモデルは、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスに関する情報をインプットされていなくても、新型コロナウイルスを「比較的高リスク」のコロナウイルス株と判定した。また、新型コロナウイルスに最も近縁の動物由来のウイルスは、ヒトに感染するリスクが「非常に高い」と判定された。

 Babayan氏は、「この研究から、動物からヒトに感染する可能性のあるウイルスを、そのゲノム配列から驚くほど的確に予測できることが明らかになった。人獣共通感染症を招く可能性が極めて高いウイルスを割り出し、ゲノムベースでウイルスをランク付けすることにより、ターゲットとすべきウイルスの生態学的およびウイルス学的特性評価をより効率的に行うことができる」と述べている。

 その一方で、研究グループは、「このモデルは、ヒトに感染する可能性のある動物由来のウイルスを特定するためのモデルとしては、第一段階のものに過ぎない」と話す。なぜなら、このモデルにより、ウイルスのヒトへの感染性を予測できたとしても、それはより広範なリスクの一部に過ぎないからだ。

 それでもBabayan氏は、「この研究結果は、AI技術を用いたウイルスのゲノム解析により収集された情報にとっても、重要な追加情報となるものだ。新しいウイルスが見つかった場合、そのウイルスに関して手に入る、最初にして多くの場合、唯一の情報はゲノム配列だ。そのような情報は、多ければ多いほど、ウイルスの起源と人獣共通感染症のリスクをより早く特定できる可能性がある」と述べている。その上で同氏は、「より多くのウイルスの特徴が明らかになればなるほど、この機械学習モデルにより、綿密な監視と事前のワクチン開発が必要なウイルスをより効果的に特定できるようになるだろう」と付け加えている。

[2021年9月30日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら