コロナ患者からウイルスが最も感染しやすいのはいつ?

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/09/20

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した患者が、他の人にウイルスを最も感染させやすいのはいつなのか、という疑問に対する答えが、新たな研究で示された。その答えは、発症の2日前から3日後までだという。米ボストン大学公衆衛生学部助教授のLeonardo Martinez氏らが実施したこの研究は、「JAMA Internal Medicine」に8月23日掲載された。

 今回の研究では、中国の浙江省で、感染力が強いデルタ株が出現する前の2020年1月8日から7月30日までの間にCOVID-19の診断を受けた一次感染者730人(年齢中央値46歳、男性51.2%)と、その濃厚接触者に当たる8,852人(年齢中央値41歳、男性52.9%)の追跡データの分析が行われた。濃厚接触者は、同居人、食事を共にした人、職場の同僚、病院のスタッフ、乗り物に同乗した人などとした。検査陽性者のうち無症状の患者については、検査で最初に陽性となってから90日以上経過観察して、無症状が継続するか、この間に発症するかを確認した。

 一次感染者の46.0%が軽症、42.9%が中等症、11.1%が無症状で、重症者はいなかった。一方、濃厚接触者でCOVID-19の診断を受けたのは3.6%(327人)で、このうちの9.5%が重症であったが、大半は軽症(30.0%)か中等症(41.9%)で、残り(18.7%)は無症状だった。混合効果モデルを用いた解析の結果、濃厚接触者が一次感染者から新型コロナウイルスに感染するリスクは、一次感染者の発症前2日から発症後3日の間に接触した場合に最も高くなり、なかでも発症0日目が最も高いことが明らかになった(調整相対リスク1.3、95%信頼区間1.2〜1.5)。このリスクは特に、この期間に一次感染者と同居していた場合と、接触時間が長かった場合で高かった。

 また、無症状の患者に接した場合よりも、軽症や中等症の患者に接した場合の方が、濃厚接触者の感染リスクが高くなることも判明した(調整相対リスクはそれぞれ、4.0と4.3)。さらに、一次感染者が無症状だった場合、その人から感染した人も無症状である確率が高いことも分かった。

 Martinez氏らは、「これまでの研究では、伝播性の間接的な評価値としてウイルス量が用いられてきた。われわれは、濃厚接触による二次感染者を調べることにより、これまでの研究結果を裏づけることができるかを確認しようとした」と振り返る。そして、「今回の研究から、一次感染者の症状発現に対する曝露のタイミングが、感染に重要であることが示唆された。この知見は、体調に異変を感じている人に対する迅速な検査と隔離を行うことが、COVID-19の広がりを防ぐ上で重要であることの新たなエビデンスとなるものだ。さらに、発症者の臨床的重症度を軽減させるワクチンの必要性を強調するものでもある」と付け加えている。

[2021年8月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら