喫煙者の子どもは成人期の関節リウマチ発症リスクが高い

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2021/09/15

 

 受動喫煙は子どもの肺に悪影響を及ぼすことが知られているが、影響はそれだけではないようだ。両親に喫煙習慣があった子どもは、後年に関節リウマチ(RA)を発症しやすいことが、新たな研究で明らかにされた。論文の筆頭著者である、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の吉田和樹氏は、「この知見は、最も頻繁に生じる自己免疫疾患の1つであるRAの発症に、喫煙が大きな影響を及ぼすことを再認識させるものだ」と話している。研究の詳細は、「Arthritis & Rheumatology」に8月18日掲載された。

 RAは、多発性の関節炎を特徴とする炎症性疾患である。RAの発症には遺伝的要因と環境要因の双方が関与するものの、喫煙は最も確立されたリスク因子と考えられている。しかし、受動喫煙とRA発症リスクとの関係については、これまで十分に研究されてこなかった。

 そこで吉田氏らは、1989年から2017年の間に、35〜52歳の米国人女性9万923人から2年に1度の頻度で集められた、看護師健康調査II(Nurses' Health Study II;NHSII)質問票への回答データを収集。また、これらのNHSII参加者の診療記録から、RAの発症と血液中のRAに関わる抗体の有無についての情報も得た。その上で、統計的モデルを用いて、受動喫煙がRA発症に与える直接的な影響の大きさを推定した。

 中央値で27.7年間に及ぶ追跡期間中に、532人がRAを発症した。解析の結果、小児期に親からの受動喫煙に曝露していた女性では、RAの発症リスクが75%高いことが明らかになった。このリスクは、対象者自身が能動喫煙者である場合にはさらに上昇していた。これに対して、母親の妊娠中の喫煙および18歳以降に喫煙者と同居した期間とRA発症との間に有意な関連は認められなかった。

 吉田氏は、「小児期の親の喫煙と成人期のRA発症との間に認められたこの関係は、リウマチ学の範囲にとどまらない可能性がある。今後の研究では、小児期の吸入物の曝露により、後に、自己免疫疾患全般の発症リスクが増加する可能性について検討する必要がある」と、同病院のニュースリリースで述べている。

 その一方で吉田氏らは、研究対象者に男性が含まれていなかった点をこの研究の限界として挙げ、「今後は、男女を対象に研究を継続する予定だ」と述べている。

[2021年8月19日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら