閉塞性睡眠時無呼吸は突然死のリスクを高める

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2021/08/24

 

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の人での突然死と心血管疾患による死亡のリスクは、OSAのない人のおよそ2倍であることが、米ペンシルベニア州立大学のAnna Ssentongo氏らによる研究で明らかにされた。研究グループは、「この研究結果は、OSAをすぐに治療する必要性を強調するものだ」と話している。研究結果の詳細は、「BMJ Open Respiratory Research」に7月9日掲載された。

 Ssentongo氏らは、論文データベースを用いてシステマティックレビューを実施し、OSAと突然死との関連を検討した22本の研究論文を抽出。それらの研究データを基にメタアナリシスを行い、OSAを有する人での原因を問わない突然死と心血管疾患死のリスクを推算した。解析対象者の総計は4万2,099人であり、平均年齢は62歳、64%が男性だった。

 解析の結果、OSAのある人での突然死のリスクは、OSAのない人の1.74倍であることが明らかになった。突然死のリスクは、OSAの重症度が上がるほど高まり、リスク比は、軽度のOSAで1.16、中等度のOSAで1.72、重度のOSAで2.87であった。一方、OSAのある人での心血管疾患による死亡リスクは、OSAのない人の1.94倍であった。

 Ssentongo氏は、「われわれの研究は、OSAにより命を脅かされる可能性があることを示すものだ」と話す。睡眠時無呼吸が繰り返されると、細胞への酸素供給量が不足し、体内の抗酸化物質のバランスが崩れる可能性がある。「この不均衡がそのうち細胞にダメージを与え、老化プロセスを加速させ、それが多くの健康問題を引き起こしかねない」と同氏らは説明する。

 この研究には関与していない、米国睡眠医学会(AASM)の元会長であるKannan Ramar氏は、「OSAのスクリーニング、診断、および治療の重要性を示すエビデンスは増えつつある。今回の研究結果も、その新たなエビデンスとなるものだ」と話す。同氏は、「OSAについては、公衆衛生上の問題としても注目が高まっている。この症状を有する人は非常に多いにもかかわらず、十分に診断されていないからだ。今回の研究結果は、この症状に気付くことの重要性を明示するものだ」と指摘している。

 AASMによると、中等度から重度のOSAに対しては通常、持続陽圧呼吸療法(CPAP)が行われる。これは、装置から圧力をかけた空気を、エアチューブとマスクを介して気道内に送り込むことで、気道を広げて閉塞を防ぐ療法だ。また、気道が開いた状態を維持する口腔内装置や、場合によっては、軟口蓋、口蓋垂、扁桃腺、咽頭扁桃(アデノイド)、舌から組織を取り除く手術が行われることもある。そのほか、減量や、横向きで寝ることも、有効である。その一方で、市販の鼻孔拡張テープや内部鼻拡張器、潤滑剤スプレーなどは、いびきの軽減には有効だが、OSAの治療に役立つというエビデンスは存在しないという。

 オタワ大学(カナダ)の呼吸器科分野のTetyana Kendzerska氏は、「OSAを治療することで突然死のリスクを低減できると考えるのが当然だろうが、そううまくはいかない可能性がある」と話す。同氏によると、米国医療研究品質局からの予備報告では、CPAPが全死亡、脳卒中、心筋梗塞、その他の心疾患のリスクを低下させるというエビデンスはほとんど得られていないことを示唆しているという。この点を指摘した上で同氏は、「つまり、CPAPが全死亡リスクや心血管系の転帰に及ぼす影響を明らかにするためには、より多くの質の良い研究を行う必要があるということだ」と述べている。

[2021年8月3日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら