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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中は、不特定の人と一緒に廊下を歩くのは控える方がよさそうだ。新型コロナウイルス感染者が狭い廊下を速足で歩くと、たとえその人から十分な距離を保っていても、後方を歩く人の感染リスクが高まることが、コンピューターシミュレーションを用いた研究で明らかにされたのだ。詳細は、「Physics of Fluids」に12月15日掲載された。
人が歩くと、背後に空気や飛沫の流れが生じる。その流れ方は、コンピューターシミュレーション技術を使って解析することができる。しかし、このようなシミュレーション技術を利用した過去の研究では、評価する場所として広く開放的な室内が想定されており、狭い廊下のように近くに壁がある場合の影響については考慮されていなかった。
そこで、中国科学院のXiaolei Yang氏らは、このコンピューターシミュレーション技術を用いて、高さが2.8m、幅が1.2m、または6mの廊下を歩く人が咳をした場合、その飛沫がどのように拡散するのかを分析した。
分析の結果、廊下を歩く人が咳をすると、飛沫が体の後方に回り、船の通った跡のような後流になるということが明らかになった。また、咳をした人の胴のすぐ後ろには「再循環バブル(re-circulation bubble)」が形成され、腰の高さで後方に長い飛沫の流れができることも分かった。Yang氏は、「今回明らかにされた飛沫の流れのパターンは、人体の形に強く関連するものだった。2m後方での飛沫は、口と足の高さではほとんど無視できるレベルのものだったが、腰の高さでは依然としてはっきりと確認できた」と述べている。
飛沫の流れが明確になったのを受けYang氏らは、咳をした人の口から放出され、雲のようになった飛沫の拡散をモデル化した。このモデル化では、歩いている人を取り巻く空間の形状が、特に重要となる。
その結果、飛沫拡散の仕方として2種類のパターンが特定された。1つは、ウイルスを含んだ飛沫の雲が、歩いている人から離れ、後方の離れた位置に形成されるもので、幅1.2mの廊下を速歩きしている人が咳をした場合に認められた。もう1つは、飛沫の雲が歩く人から離れず、しっぽのように後ろにたなびき続けるものである。
Yang氏によると、「咳をしてから5秒後の計測では、咳をした人から離れた位置に形成された飛沫の雲の飛沫濃度の方が、離れずにいる飛沫の雲の濃度よりもはるかに高い」という。このことから同氏は、「非常に狭い廊下のような場所では、感染者がはるか前方にいる場合でもウイルスを含む飛沫を吸い込む可能性があり、安全な距離を決めるのが非常に難しくなる」と話している。
さらに、いずれの拡散の仕方でも、飛沫の雲は成人の身長の半分ほどの高さ、すなわち子どもの口や鼻の高さに残り続けるという。そのため、Yang氏らは、このような状況下では、特に小児の感染リスクが高くなることに注意喚起している。
[2020年12月17日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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