長生きしたければ体重が減るのを待っていてはいけない

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/09/22

 

 肥満のため減量を考えているのであれば、先延ばしせずに、早めに実行した方が良いかもしれない。肥満の人が中年期までに減量すると、早期死亡のリスクが54%低下するという。米国成人約2万4,000人を追跡して明らかになった結果であり、「JAMA Network Open」8月14日オンライン版に掲載された。

 米ボストン大学のAndrew Stokes氏らは、米国国民健康栄養調査のデータを用いて、成人期の体重変化と死亡リスクとの関連を検討した。解析対象者2万4,205人のベースライン時の平均年齢は54.2±9.6歳、女性49.0%。BMIはベースライン時の平均が29.0±6.1、個人の記憶から算出した25歳時点の平均が23.7±4.1、ベースラインの10年前(平均約44歳時点)では27.2±5.7だった。

 25歳時点で肥満(BMI30以上)だったのは1,678人(6.9%)で、そのうち1,405人(5.6%)はベースライン時も肥満だったが、過体重(BMI25~29.9)に減量していた人が214人(0.8%)、普通体重(BMI18.5~24.9)にまで減量していた人が59人(0.2%)いた。また、25歳時点で過体重だったのは5,556人(23.0%)で、そのうち2,811人(12.1%)はベースライン時も過体重であり、普通体重に減量していた人が351人(1.3%)いた。

 ベースラインから平均10.7±7.2年の追跡期間中に、5,846人が死亡。年齢、性別、人種/民族、教育歴、出身国、喫煙習慣、調査年などで調整後に、BMIカテゴリーの変化がなかった人を基準として、減量した人の死亡リスクを比較すると、以下の関連が見いだされた。

 まず、肥満から過体重に減量した人の調整ハザード比(aHR)は0.46(95%信頼区間0.27~0.77)と、54%のリスク低下が認められた。一方で過体重から普通体重への減量ではaHR1.12(同0.86~1.45)で、有意な影響は見られなかった。

 この結果を基に、米国の肥満者の全員が中年期までに過体重へ減量した場合、早期死亡は3.2%(同1.6~4.9)減少すると推計された。また、過体重や肥満の人の全員が中年期までに普通体重に減量した場合、早期死亡は12.4%(同8.1~16.5)減少すると推計された。

 現在、米国民の42%が肥満に該当する。Stokes氏は、「米国では肥満率の上昇が死亡率と寿命に影響を及ぼしている。問題は、単に肥満率が上昇しているだけでなく、人生のより早期から肥満になる人が増えていることだ」と懸念を示している。また今回の研究から得られた結論について、「早い時期からの減量には大きなメリットがある。しかし、実際に減量を達成した肥満者は、ごくわずかであった」と述べている。

 テキサス大学サウスウェスタン医療センターのLona Sandon氏は、「人生の早い段階で減量する、もしくは人生の後半に差し掛かるまで肥満にならないようにすることで、肥満者として過ごす期間を短縮でき、肥満による健康へのリスクを抑制できる」と説明する。

 またSandon氏は、「生活習慣を改善する機会は常にある。しかし、中年期以降までそれをせずにいると、それまでに多くのダメージが蓄積してしまっており、元に戻すのが難しくなる」とも語っている。一方、中年期以降には減量を試みなくても体重が減ることもあるが、その場合は何らかの疾患が原因であることが多く、体重減少によるメリットを認め難くなるという。

 今回の研究結果から、若年期の肥満の治療により重きを置く必要があること、そして公衆衛生的介入により肥満者を減らすことの重要性が示唆された。Stokes氏は、研究の次のステップを「小児期から始まる体重変化と長期死亡率の関連の調査」とし、「減量による早期死亡のリスク低下には、どのような死因の変化が最も深く影響しているのかを知ることが必要だ」と述べている。

[2020年8月17日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら