咳には風邪薬より蜂蜜が効く?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/09/21

 

 風邪の根本的な治療法は今のところないが、喉の痛みや咳といった風邪の症状を蜂蜜で和らげられるかもしれない。そんな蜂蜜の有用性を裏付ける臨床試験データの分析結果が、英オックスフォード大学医学部のHibatullah Abuelgasim氏らにより、「BMJ Evidence-Based Medicine」8月18日オンライン版に報告された。市販の咳止めシロップや感冒薬および抗アレルギー薬、鎮痛薬などによる“通常のケア”を受けた成人や小児と比べて、蜂蜜を摂取した成人や小児の方が、咳の重症度や頻度が低かったという。

 蜂蜜は何世紀にもわたり、民間療法として、喉の痛みや咳などの緩和に使われてきた。Abuelgasim氏らは今回、蜂蜜のこのような症状緩和効果を確認するために、2007年以降に実施された14件の臨床試験のデータを収集し、分析した。これらの試験のうち、小児のみを対象としたものは9件で、残りの5件には成人が対象に含まれていた。また、いずれの試験も、蜂蜜の使用と感冒薬および咳止め薬またはプラセボの使用を比較検討したものだった。

 解析の結果、蜂蜜は通常ケアと比べて、風邪による諸症状の改善、特に、咳の重症度と頻度の軽減と有意に関連することが明らかになった。プラセボとの比較に関しては、対象試験の数が限られていたため、説得力のあるエビデンスを得るには至らず、Abuelgasim氏らは、結論を導き出すためには、より質の高いプラセボ対照試験が必要だとしている。

 また、わずかながら咳以外の症状について検討した試験もあった。例えば、成人を対象に喉の炎症に対する蜂蜜の効果を検討した試験が1件あり、この試験では、蜂蜜が喉の回復を早める可能性が示されていた。

 こうした結果についてAbuelgasim氏は、「今回の研究で対象とした試験のほとんどが、咳症状に対する蜂蜜の効果について検討したものだった。そのため、得られたエビデンスは、咳症状に対する蜂蜜の有効性を、強力に裏付けるものだといえる」と説明している。また同氏は、「蜂蜜は基本的に安全な食べ物であるため、特に、人体に悪影響を与え得る治療の代わりに試してみる価値はある」と話している。

 今回の報告には関与していない、米ノバント・ヘルス統合医療のRussell Greenfield氏も、「風邪に効く治療法は存在しないのが現状だ」とした上で、「蜂蜜は風邪の症状軽減に役立つ可能性があり、安全性も高く、比較的安価である」と蜂蜜の使用に賛同の意を示す。ただし、1歳未満の子どもには、ボツリヌス症を発症するリスクがあるため、蜂蜜を与えてはならないとしている。

 Greenfield氏によると、蜂蜜が風邪の症状に有効な理由は完全に解明されていないが、蜂蜜には抗酸化物質が含まれており、抗菌作用や抗炎症作用があることなどが、これまでの研究で示されているという。一方、風邪の症状に対して処方されることの多い抗菌薬は、細菌を殺す作用はあるが、ウイルスが原因の風邪には効果がなく、有害な影響をもたらす可能性もある。「風邪をひいた人が細菌に二次感染した場合などには、抗菌薬が必要になることもあるが、基本的に、風邪の症状に抗菌薬を処方しても無意味だ」と同氏は説明している。

 なお、Abuelgasim氏によると、実際に風邪で蜂蜜を使用する場合、スプーン1杯分をそのまま食べるべきか、あるいは紅茶に混ぜて飲むべきなのかについては、臨床試験からは明らかにされていないという。そのため同氏は、「自分の好きな方法で摂取するのがベストかもしれない」と話している。

[2020年8月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら