軽度の肥満もCOVID-19重症化のリスク

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/08/31

 

 軽度の肥満であっても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化のリスク因子であるとの報告が、「European Journal of Endocrinology」7月15日オンライン版に掲載された。

 肥満がCOVID-19重症化のリスク因子であることは、これまでにも多数報告されている。ただし、それらの多くはBMI40以上といった極端な肥満者を検討対象としており、軽度の肥満の影響については明確ではなかった。今回の研究によると、BMI30~34.9という比較的軽度の肥満も、呼吸不全やICU入室のリスク因子であることが確認された。

 ボローニャ大学(イタリア)のMatteo Rottoli氏らは、3月1日~4月20日に入院した18歳以上のCOVID-19患者、連続516症例からBMIデータのない34人を除外した482人について、発症から30日以内の転帰をBMIカテゴリー別に比較検討した。解析対象者のBMIは、25未満が202人(41.9%)、25〜29.9が176人(36.5%)、30〜34.9が84人(17.4%)、35以上が20人(4.1%)だった。またBMI30以上の患者のうち、76人(72.8%)が高血圧、27人(26.0%)が2型糖尿病を有していた。

 BMI30以上の患者のうち、54人(51.9%)が呼吸不全を来し、38人(36.4%)がICUに入室、26人(25.0%)は人工呼吸管理を要し、31人(29.8%)は30日以内に死亡していた。

 年齢、性別、高血圧、2型糖尿病で調整の上、ロジスティック回帰分析により、BMI30未満の群を基準として肥満者の重症化リスクを検討。その結果、BMI30~34.9で、呼吸不全のオッズ比(OR)が2.32(95%信頼区間1.31~4.09)、ICU入室はOR4.96(2.53~9.74)であり、有意なリスク上昇が認められた。30日以内の死亡はOR1.71(0.80~3.64)で非有意だった。なお、肥満度がより高いBMI35以上の患者では、呼吸不全がOR3.24(1.21~8.68)、ICU入室がOR6.58(2.31~18.7)であり、30日以内の死亡もOR12.10(3.25~45.1)と、全て有意に高リスクだった。

 Rottoli氏は「プライマリケア医は、重度肥満者に限らず全ての肥満者が、COVID-19重症化のリスクを持っていることを認識しておくべき」と述べている。また、「肥満患者は非肥満患者と比較して体内のウイルス量が多く、ウイルス排出期間も長い。それに伴い、罹病期間がより長期に及びやすい」と語っている。

 今回の報告について、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターのMarc Siegel氏は、「われわれが体験している実臨床と一致する結果だ。肥満は中等度であっても明らかにCOVID-19重症化のリスク因子である」と述べ、その理由を「肥満は一種の慢性炎症状態と言え、免疫能の低下につながる」と解説。また、「肥満に伴いやすい高血圧、糖尿病、心臓病などは全てCOVID-19重症化のリスク因子である」と強調している。

 Rottoli氏は肥満者に対し、慎重に体重を減らすべきだとアドバイスする。「減量は、中長期的に見て肥満者のCOVID-19リスクを減らすための確実な方法である。一方、短期的には、マスク着用や社会的距離を保つこと、人込みを避けることなどが、より重要だ」と述べている。

[2020年7月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら