運動により年間390万人の命が救われている

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/07/23

 

 運動といえば、運動不足の蔓延がしばしば問題として指摘されるが、運動について異なる角度から検討した新たな研究で、運動が世界で年間約390万件の早期死亡の回避に役立っていることが明らかにされた。研究結果は「The Lancet Global Health」7月号に掲載された。

 世界保健機関(WHO)は、1週間当たり150分以上の中等度の運動か75分以上の高強度の運動、あるいはそれに相当する組み合わせの運動を推奨している。英ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットのTessa Strain氏らは今回、2001〜2016年に報告された世界168カ国のデータを用いて、WHOの推奨運動量を満たしている人の割合を調べた。その結果、推奨運動量を満たしている人の割合は、クウェートの33%から英国の64%、モザンビークの94%まで、国によってさまざまであった。Strain氏らはこの運動量に関するデータを、活動的な人と非活動的な人の早期(40~74歳)死亡相対リスクの推計データと合わせて検討し、運動によって防止できた早期死亡者数を推定した。

 その結果、世界的に見ると、運動によって早期死亡が15%(中央値)防がれていることが分かった。この数字は、1年当たり約390万人の命が救われたことに相当するという(米国では14万200人、英国では2万6,600人に相当)。また、運動レベルは国ごとに大きく違っていたにもかかわらず、運動による早期死亡予防効果は一貫して認められた。その効果は、特に低・中所得国で大きかった(高所得国で平均14%、低所得国で平均18%)。

 研究チームは、運動不足による健康リスクばかりが注目されているが、運動がもたらすベネフィットにも焦点を当てる必要があることを強調する。その上でStrain氏は「救われた命の数に着目することで、既に達成されていることに関するグッドニュースを伝えることができる」とし、それによってさらなる状況改善を促すこともできると付け加えている。

 研究チームは、「既に身体活動によるベネフィットが得られているのに、なぜさらなる投資が必要なのかと考える向きもあるかもしれない。だが、われわれは、この研究結果を受けて政府や地方自治体が、苦しい経済状況下においても身体活動に関わるサービスを守り、維持していくことを期待している」と述べている。

 新型コロナウイルスによるロックダウン中に運動を続けることは大変だが、研究グループは、毎日散歩に行く、自転車などのソーシャルディスタンシングを保ちながらできる運動をする、ストレッチやヨガで筋肉や関節を鍛える、オンラインの運動セッションに参加するなどの方法を勧めている。そのほか、ガーデニングも体の曲げ伸ばしに効果的であるという。

[2020年6月19日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら