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突然発症する子どもの強迫性の症状、謎解明に前進

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/06/05

 

 突然、子どもに強迫行為や摂食障害が現れる小児急性発症神経精神症候群(Pediatric Acute-onset Neuropsychiatric Syndrome;PANS)は、いまだ謎に包まれた病気である。その解明の手掛かりとなりそうな研究結果を、米スタンフォード大学医学部小児科臨床准教授のJennifer Frankovich氏らが「JAMA Network Open」5月4日オンライン版に発表した。PANSと診断された小児の脳のMRI画像には、微妙な異常があることを突き止めたという。

 PANSは、一夜にして深刻な行動の変化や神経精神症状をもたらす。まるで、子どもが別の人格に生まれ変わったような状態になることもあるという。主な症状には、強い強迫観念に対する不安を軽減するための強迫行為や、恐怖心から食べることを止めてしまう摂食障害がある。抑うつ、激しい気分変動、学業困難、睡眠障害、夜尿(おねしょ)、癇癪や分離不安なども見られる。

 PANSの一部は、感染症がきっかけで免疫系が誤って脳を攻撃することが原因で発症すると見られている。一方で、心理的な問題が原因とする説を唱える医師もいるが、この疾患の存在さえ知らない医師も少なくない。

 Frankovich氏は「PANSの子どもを抱える家族は、適切な医療を受けられずに苦労を重ねている場合が多い。この疾患のことを知っている医師に会えたとしても、自分の子どもが一晩で変わり果ててしまったことを話すと、まともには取り合ってもらえないこともある」と説明している。

 Frankovich氏らは今回、PANSと診断された小児34人とPANSのない小児64人を対象に、3.0テスラのMRIで撮影した脳画像を分析した。その結果、PANSと診断された小児の脳画像に明らかな脳損傷は認められなかったが、より詳細な分析の結果、特定領域の微細構造に微妙な異常があることを突き止めた。運動や学習、感情に関与する大脳基底核や、恐怖を司る扁桃体などPANSに関与すると考えられている脳領域で、水分子の運動量が多いことが示されたという。

 ただし、Frankovich氏は、今回の研究について、脳の異常がPANSの症状の原因であることを証明するものではないとしている。一方、この研究には関与していない米マサチューセッツ総合病院小児神経精神医学・免疫学科のKyle Williams氏は、「脳内でなんらかの変化が起こっているという証拠にはなる。この脳の異常が、炎症によって引き起こされている可能性もある」と指摘。「今後の研究で、PANSの子どもの脳内で認められた異常への炎症の関与が明らかになれば、ステロイド薬などの抗炎症薬を治療に用いる根拠がより明確になる」と述べている。

 PANSの症例報告は1980年代後半にさかのぼる。当時、研究者らは、何の前触れもなく突然、子どもに強迫性障害(OCD)の症状が現れることに気づいた。また、こうした症状は、溶血性連鎖球菌咽頭炎の罹患後に現れることも指摘されていた。なお、PANSの一部は、連鎖球菌が関与する小児自己免疫性溶連菌関連性神経精神障害(PANDAS)として病因が解明されている。ただし、Williams氏によれば、PANSの全てに連鎖球菌が関与しているわけではなく、それ以外の病原菌などの関与も疑われるという。

 Frankovich氏は「今回明らかになった脳内の変化にどのような意味があるのかは分かっておらず、さらなる研究で検証する必要がある」とした上で、「今後の研究で脳内変化とPANSの関係がはっきりと確認されれば、PANSの診断に脳の画像検査を活用することができるかもしれない」と期待を示している。

[2020年5月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら