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高齢者の潜在性甲状腺機能低下症に一般的な治療薬は有効でない?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/05/27

 

 潜在性甲状腺機能低下症の治療に一般的に用いられる薬剤レボチロキシンが、高齢患者には無効である可能性が新たな研究で示された。研究論文の筆頭著者であるベルン大学(スイス)のMaria de Montmollin氏は、同薬の処方について「再考する必要がある」と述べている。研究結果の詳細は「Annals of Internal Medicine」5月5日オンライン版に掲載された。

 潜在性甲状腺機能低下症はよく見られる疾患で、一般人口の3~8%が罹患する。罹患者は女性の方が多く、加齢とともに有病率が増加する。この疾患では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が軽度上昇するが、甲状腺で合成、分泌されるホルモン(T3、T4)は正常値を示す。疾患が重度になると、TSHの上昇が原因で、疲労感、筋力低下、物忘れ、抑うつ、皮膚および毛髪の乾燥などの症状が生じる。

 今回の研究では、持続性の潜在性甲状腺機能低下症患者638人(65歳以上)を追跡。被験者の潜在性甲状腺機能低下症は、3カ月以上の間隔を開けて2回測定したTSH値により診断した。その後、被験者の半数にレボチロキシンを、残りの半数にプラセボを1年間投与した。試験開始時に、Thyroid-Related Quality-of-Life Patient-Reported Outcome Questionnaire(甲状腺関連QOL患者報告アウトカム質問表)を用いて評価し、Hypothyroid Symptoms(甲状腺機能低下による症状)スコア>30、またはTiredness(疲労)スコア>40を、症状による負担が大きい患者とした。これらの患者の両スコアの1年後の変化を、症状による負担が低い患者と比較した。

 試験開始時にHypothyroid Symptomsスコア>30の患者は132人、Tirednessスコア>40の患者は133人であった。症状による負担が大きい集団では、服用しているのがレボチロキシンであるか、プラセボであるかにかかわらず、1年後のHypothyroid Symptomsスコアは同等に改善していた。Tirednessスコアについても、改善の程度は両群で同等だった。こうした結果となった理由について研究チームは、はっきりしたことは分かっていないが、疾患の自然経過の可能性があるとしている。

 では、潜在性甲状腺機能低下症患者がレボチロキシンを服用しても効果は望めないのだろうか。この研究をレビューした米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJames Hennessey氏は「そういうわけではない」と述べ、レボチロキシンは、例えばTSH上昇による心臓への悪影響が懸念されるような患者に使用すれば有用であると説明する。de Montmollin氏も「極めて症状の重い一部の患者には、レボチロキシンが有益である可能性がある。患者は担当医と治療についてよく相談するべきだ」と述べている。

 Hennessey氏は「治療成功の鍵は適切な診断にある」と話す。高齢者では、疲労感や筋力低下などの症状は自然に生じることがあり、そうした症状が甲状腺に関連するとは限らない。また、正しい診断のためには、血液検査でTSH上昇を3回以上認める必要があると同氏は考えている。さらに、TSHが正常値であるかを判断する際は、TSHの加齢による自然な上昇を考慮すべきことについても言及し、今回の研究では、この点が考慮されていなかったと指摘する。

 研究チームは、今回の研究結果は潜在性甲状腺機能低下症患者に対するレボチロキシン投与を支持するものではないと述べているが、Hennessey氏をはじめとする専門家らは、特定集団における同薬の適切な使用法を定めるには、さらに研究を重ねる必要があるとしている。

[2020年5月4日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら