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糖尿病患者の心筋梗塞・脳卒中の減少傾向が明らかに

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/05/22

 

 2型糖尿病患者にとって朗報と言えるデータがオーストラリアから報告された。糖尿病患者の心筋梗塞や脳卒中などが、過去20年間で大きく減ったという。詳細は「Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」4月30日オンライン版に掲載された。

 西オーストラリア大学のTimothy Davis氏らは、同国で行われている2型糖尿病のコホート研究「フリーマントル糖尿病研究(FDS)」のデータを用い、糖尿病合併症発症率と死亡率の経時的変化を検討した。FDSのフェーズ1(FDS1)では1993~1996年に1,291人、フェーズ2(FDS2)では2008~2011年に1,509人の2型糖尿病患者が登録されている。

 本研究では、FDS1とFDS2の登録患者と、年齢、性別、居住地域をマッチさせた糖尿病でない人を1対4の比率で割り付け(それぞれ5,159人、6,036人)、診療記録を基に登録から5年間での心血管イベントなどの発生率を、糖尿病の有無、およびFDS1とFDS2とで比較した。評価したイベントは、心筋梗塞、脳卒中、心不全、下肢切断、心血管疾患による初回入院、および全死亡など。対象全体(1万3,995人)の平均年齢は64.8歳で、男性が50.4%を占めていた。

 FDS2の糖尿病患者はFDS1の患者に比し、心筋梗塞や脳卒中、心不全による入院と心血管死のリスクが低かった。また糖尿病患者と糖尿病でない人における心筋梗塞、脳卒中、心不全、下肢切断、および心血管死のリスク差は、FDS1からFDS2の間に50%以上低下していた。ただし、全死亡のリスク差は変化がなかった。

 糖尿病合併症が減少したことについて、論文の上席著者であるDavis氏は、「いくつかの要因が考えられる」とし、具体的には、血糖管理が向上したことに加えて、血圧や脂質の管理も徹底されるようになったことを挙げている。なお、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬など、心血管疾患や心不全の抑制効果が示されている比較的新しい血糖降下薬は、本検討のFDS2でもほとんど使われていなかった。よって今後は糖尿病でない人とのギャップがさらに縮小することも期待できるという。

 もっとも、本検討の結果が全て明るいものというわけではない。「糖尿病群と非糖尿病群でともに平均余命は伸びているが、その格差は縮小しておらず、糖尿病患者の早期死亡相対リスクは依然として高い。これは、がんや認知症など心血管疾患以外の影響によるものと推測される」とDavis氏は述べている。そして「この結果に満足してはならない。糖尿病の管理において、運動と減量は20年前と変わらず重要である」と語っている。

 今回の報告に関し、米国糖尿病学会(ADA)のRobert Eckel氏は「この結果は、おそらく世界中の先進国で起こっていることを示したものだ。米国も同様の可能性がある」と述べている。同氏は糖尿病患者の予後が改善している理由として、Davis氏と同様に血糖・血圧・脂質管理の向上に加え、心筋梗塞や脳卒中の治療も進歩したこと、および人々の生活習慣が改善してきたことも関係しているのではないかとしている。

[2020年5月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら